凛ちゃん(18)「浪人が決まったにゃあ……」

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凛-アイキャッチ21
1: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/24(土) 13:06:41.32 ID:ZzrAmUnj.net
※ほどほどに安価
※書くのおそいのでまったり


――音ノ木坂ゼミナール


凛「……ふふ……ふへへ……」ドヨーン
凛「こんなはずじゃあなかったにゃあ……」ドヨヨーン

凛(――高校3年、夏のラブライブに、真姫ちゃんとかよちんと凛の3人、通称M.R.P.で出場した)
凛(そこでみごと優勝を果たし、オトノキの3連覇を成し遂げた凛たちは、とりあえずのスクールアイドルの引退を決めた)
凛(凛たちは、受験生となった。医学部を目指す真姫ちゃんからすれば、遅すぎたくらいだったけど)
凛(頭の悪い凛だったけど、かよちんと真姫ちゃんに助けられながら、頑張っていたんだ)

凛「そして、春から、3人で大学生になる、はずだったんだにゃあ……」

凛(しかしなかなか人生は甘くなかった。凛はセンター試験でずっこけ、更に本番でずっこけ、こうしてずずずっとずっこけた)
凛(真姫ちゃんとかよちんは無事に大学に合格し――東京から遠く離れた関西へ)
凛(……凛はこれからひとり、友達のいない町で、1年を勉学に明け暮れるのだ)

凛「……言っても仕方ないよね。うん。がんばるしかないよ……」
凛「浪人させてくれたお父さんとお母さんに感謝、だよね」

凛「はぁ……せめて誰か知り合いがいればなあ」


>>4「……」 (2年生メンバーでお願いします)

元スレ: 凛ちゃん(18)「浪人が決まったにゃあ……」

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4: 名無しで叶える物語(さくらんぼ)@\(^o^)/ 2015/01/24(土) 13:11:47.07 ID:QW9Lp0Ta.net
海未
11: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/24(土) 13:19:18.97 ID:ZzrAmUnj.net
海未「……凛?」ポンポン

凛「!?」

海未「ああ、やっぱり凛です。うん、凛ですね」

凛「……海未ちゃん、」


カクカクシカシカ


海未「そうですか。凛もここに通うことになったんですね。……その、ご愁傷様、と言えばいいのか」
海未「でも、気を落とさないように! 1年しっかり頑張れば、なんとかなります!」

凛「……」
凛「うん、えっとね、その、海未ちゃん、も」
凛「去年、浪人したのは、知ってたん、だけど」

海未「……」

凛「……」

海未「私、思うんですよ。人生は長い。1年や2年、そのくらいの遅れは、地球の寿命からしたら瞬きの時間にも満たない」
海未「例えばここで妥協して、自分が望む進路にすすめなければ、きっと一生後悔すると思うんですよ」
海未「確かにそうです、ええそうですよ、私は2浪になりました。今年私は、大学生じゃないのに成人式に出ますとも」
海未「ですがそれがなんだっていうんですか! 穂乃果とことりが大学2年生だからなんだっていうんですか!!!」

凛「……海未ちゃん、うん、がんばろう」

海未「やめてください! やめてください! そんな目で見るのやめてくださいよ!!」 
20: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/24(土) 13:30:09.09 ID:ZzrAmUnj.net
凛「で、でもまあ、正直、ひとりだと寂しいなって思ってたから」
凛「こんなこと言うのは無神経かもだけど、ちょっと良かったなって思ったにゃ」

海未「……全く。凛が甘えんぼなのは変わりませんね」フフ

凛「も、もう! 子供扱いしてー!」
凛「海未ちゃん、ぜったい、ぜったい合格しようね!」

海未「はい。これからは毎日勉強勉強ですよ!」


海未「ところで、凛は国立文系コースですかね?」

凛「うん。目標は高く持ったほうがいいって真姫ちゃんがいうから」

海未「そうですか。ふふ、同じコースですから、机を並べて勉強ですね」
海未「……はは、凛と同級生なんですね……はは……」ガクゥ

凛「よ、よろしくね!! 海未ちゃん!!」

海未「ところで」
海未「……この予備校の国立文系コースには、長老がいます」

凛「長老?」

海未「凛もよく知っている人です。さあ、見てるのは分かってますから。出てきてください、長老」



>>23「……」(3年生メンバーでお願いします)
23: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/24(土) 13:31:06.10 ID:matFGfJn.net
30: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/24(土) 13:38:21.29 ID:ZzrAmUnj.net
絵里「……」

凛「……」

海未「……長老、新入りに自己紹介をしてください」

絵里「ワタクシ、ガイコクジンリューガクセーの、エリー・アヤッセィデース」

凛「……絵里ちゃん」

絵里「そんな目で見るの止めてお願い」

海未「ふふ……μ'sの中でかしこい担当をしていた絵里と私が、こんなことになってしまいました」
海未「ふふ、笑ってくれて結構ですよ、ふふふ」

凛「受験は、水物だから」

絵里「ふふ……エリーチカ今すごい感動してる。毒舌使わせたらお手の物だった凛が人を気遣えるように、こんなに成長して」
絵里「挙句の果てに、ミズモノ? そんな言葉まで覚えちゃって! お姉ちゃん感動した! 感動したわよ凛!」

凛「絵里ちゃん、がんばろうね」

絵里「……」グスッ
絵里「うん……エリチカ今年こそがんばる……」

海未「ちょっと絵里がおかしくなってますが、まあ、シーズンが始まればなんとかなるでしょう、多分」
海未「3人、仲良くやっていきましょう……」
36: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/24(土) 13:44:57.67 ID:ZzrAmUnj.net
――4月


真姫『そっか、絵里と海未がねえ……』

凛「えへへ、一人ぼっちだと思ってたから、不謹慎だけど、ちょっとだけ寂しくなくなったよ」

真姫『……がんばんなさいよ。私も花陽も、待ってるから』
真姫『私も花陽も理系で、花陽は研究者志望だから――文系のあんたと一緒に大学生最後までやれるんだからね』
真姫『二人にも頑張って、って伝えておいて』

凛「うん。それにしてもにゃー、真姫ちゃんが一人暮らしなんてにゃー」
凛「親元離れて寂しくない? ひとりでご飯とか作れる? 洗濯とか出来るー? 大丈夫かにゃー?」ニシシ

真姫『あ、え、と。その、』

花陽 <『タダイマー』

凛「……」
凛「ただいま?」
凛「ん? あれれ? なんか今かよちんのタダイマー声が聞こえたような気がするにゃー?」

真姫「……」

凛「真姫ちゃん?」
44: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/24(土) 13:55:27.90 ID:ZzrAmUnj.net
凛「えへへへへ話聞いたら結局いろいろあってそういうわけで、真姫ちゃんってば家事が全然ダメで、かよちんってば通い妻状態らしいにゃあ」
凛「っはー! かよちんの手料理毎日食べてるんだにゃー!」
凛「うふふふ半同棲かあ! どうなってんだにゃー大学生ってやつの風紀はにゃー!」
凛「あはははははははばばばばば」

海未「凛、落ち着いてください。そもそも真姫と花陽は同性なんだから同棲ではありません」

絵里「海未、今のちょっと面白かったわよ」
絵里「同性と同棲をかけたのね? なかなかレベルの高いユーモアね」

海未「絵里。ちょっと黙っててください」

絵里「はい……」シュン

凛「……一気に人生のやる気ゲージがなくなったにゃあ」

海未「ま、まあ、二人が楽しそうに大学生活を送ってるわけなんですから」

凛「ふにゃあ……」


絵里「……気晴らしが必要ね。きっと凛は、勉強、勉強で疲れているのよ。私もそう」

海未「まだ4月の1週目なんですが!?」

絵里「だからこそよ。受験直前になって遊ぶなんて無理なのよ。さあ、週末にでも遊びに行きましょう、3人で」

海未(絵里……」

絵里「凛、どこに行きたい? 私と海未がどこにでも連れていってあげるわ」

凛「……>>47
47: 名無しで叶える物語(ぎょうざ)@\(^o^)/ 2015/01/24(土) 13:58:01.44 ID:+VrCOagF.net
346プロビル
50: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/24(土) 14:05:56.79 ID:ZzrAmUnj.net
(デレマスあんまりわかんないよ!)


絵里「346プロ……? ああ、アイドルのプロダクション会社?」
絵里「……なんでまた?」

凛「ふふ……」
凛「受験なんてくそくらえして、アイドルの道に進もうかなって……」

絵里「……ほんとにやけくそになってるわね」
絵里「まあ良いわ、気晴らしに行ってみましょうか?」

海未「ほんとに大丈夫なんですか、絵里……」


――346プロビル前

海未「はぁ……こんなことしてて受験は本当に大丈夫なんでしょうか」

凛「あ、見てみて! 中のレッスン風景見学できるんだって!」
凛「いってみよー! いえーい!」

海未「凛……」


凛「……本格的だにゃあ」

絵里「流石はプロのアイドルね。……懐かしいな、私たちも毎日毎日、汗だくになるまで練習してたっけ」

海未「そうですね……しかし、勉強は」

凛(渋谷)「はっ、はっ、はいっ! っと……それじゃあ、一旦休憩入ります」

凛(星空)「何かシンパシーを感じるにゃー」


武内P「……」
51: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/24(土) 14:14:47.83 ID:ZzrAmUnj.net
武内P「……あの。アイドル志望の方でしょうか」

凛「わあ! びっくりしたにゃー!」

海未「い、いえ。私どもは見学に来ただけでして」

武内P「スクールアイドルのμ'sをやられていた、園田さんと、絢瀬さんと、星空さんでしょうか」

絵里「ワオ! 私たち、意外と有名人じゃない!」

海未「絵里……」

武内P「……アイドルに、なりませんか。笑顔が素敵です」

絵里「ワオ! スカウトだわ!」

凛「……アイドル、かあ」
凛「どうかな、本当に、それもいいのかも――」


――真姫「私も花陽も待ってるんだからね?」
――花陽「凛ちゃん、がんばって! 私たちには応援しか出来ないけど……


凛「……いえ! スカウトいただきましてありがとうございます」
凛「でも、私たちは、受験生なので! このお話は、お断りさせてもらいます!」

武内P「……そうですか」
武内P「また、気が向かれましたら」



凛「いやー、身体動かしたい気分になっちゃったねー」
凛「みんな、がんばってるんだにゃーって、少しやる気が出てきたよ!」

海未「……凛」ナデナデ
海未「いつの間にやら敬語もちゃんと使えるようになって」

凛「凛だっていつまでも子供じゃないからねー」エヘヘ

海未「受験勉強、頑張りましょうね」


海未「……それに比べて絵里ときたら」

絵里「プロのアイドル、結構アツイ進路だと思ったんだけどなー」
53: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/24(土) 14:25:54.37 ID:ZzrAmUnj.net
――5月、自習室

凛「……」カリカリ
凛「……」フゥ

海未「凛、今日も精が出ますね。一緒に昼食でもいかがですか?」

凛「海未ちゃん! うん、行く行く!」

海未「絵里も外で待っていますから。せっかくですから、凛の好きなラーメンでも食べに行きましょうか?」

凛「いくー!」



凛「ところで、絵里ちゃんと海未ちゃんは何処の大学を受けるつもりなの?」

海未「……」ズルズルゴクン
海未「そういえば話してませんでしたね。私と絵里は同じところを志望してます」

絵里「……」ズルズルゴクン
絵里「学部は違うけれどね。私は法学部、海未は文学部」

凛「そうなんだ」

海未「……去年は数学に全く手も足も出ずにやられました」

絵里「忘れましょう、私たちは前を向くしかないの」
絵里「それにしてもこのラーメン美味しいわね、クセになりそうだわ」

凛「えへへ、凛の最近のブームのお店にゃ」

絵里「比較的予備校生って時間の自由があるから、色んなお店開拓できるのよねー」

海未「絵里、太らないように。大学に入ったら、二人でスクール……ユニバーシティアイドル? ですか?」
海未「ともかく、やるって決めてるんですから」

凛「え! そんなことやるの?」

絵里「まだ取らぬ狸の皮算用だけどねー。大学入ったら、色々やってみたいじゃない?」
56: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/24(土) 14:35:36.83 ID:ZzrAmUnj.net
海未「μ'sをやって、人前で踊ったり歌ったりするのが好きだ、って分かって」
海未「そういうのを続けていきたい、と思ってるんですよ」
海未「もちろん、勉強も」

絵里「そうそう。まだ大学生になったわけじゃあないから、想像でしかないけど、きっと色んなことができると思う」
絵里「勉強に励むのは勿論のことだけど」
絵里「色んなことに挑戦してみたいな、って思ってるの」

凛「……そっかあ」

海未「凛?」

凛「えっとね。二人には正直に話すけど、凛は別に今、何がやりたいってことがあるわけじゃなくて」
凛「かよちんと真姫ちゃんがどこそこの大学受けるから、じゃあ凛もー、ってあんまり考えず受験して、失敗しちゃって」

絵里「……凛」

凛「だから、ちょっと進路に悩んでる。友達に合わせて、どうこうするって決めた去年と、今、何も変わってないかなって」
凛「ご、ごめんね! ご飯の時にこんな話」

海未「いいんですよ、凛。私たちは貴女の先輩で、仲間なんですから」
海未「進路に悩むの、大いに結構じゃないですか。何がしたいかを見つけるのも、進学する理由のひとつです」

絵里「……頼っていいのよ、いくらでもね」
絵里「悩むのなんて当たり前よ、私だってプロのアイドルに気をやられた瞬間もあったし、正直今もちょっとあるし」

海未「まーだ引きずってるんですか!」

絵里「ひいっ! じょ、冗談よ冗談! エリチカは法曹になります! 法曹!」

凛「……うん」
凛「……勉強しながら、じっくり考えてみるよ」
57: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/24(土) 14:48:36.33 ID:ZzrAmUnj.net
――小休止 矢澤さんと東條さん


にこ「卒論!? もう!? アンタんとこ早くない!?」

希「何驚いてんの……ウチらもう3年やで、就活もあるし早めに始めるにこしたこたないよ」
希「4年になって慌てて研究内容考えるとか、ダッサイやん?」
希「まー、にこっち忙しいのは分かるけどー、一応プロアイドルの卵やしー」

にこ「そ、そうよ、アイドルになるからにこは就活なんてしないし、卒論だって」

希「でも思うんよねー。大学生アイドル、って最近結構増えてきたやん?」

にこ「まあそうね」

希「でも思うにね、そういうアイドルがアイドル活動にかまけて単位落としてー、卒業できなくてー」
希「中退したりとかー、留年したりとかー、そういうのあるやん?」

にこ「……」

希「そういうの見てどう思うー? なんかすっごいかっこわるない?」

にこ「……」
にこ「……」

希「沈黙せんといて」

にこ「分かる、めっちゃ分かる、あーだらしないなーって思う! 分かるけど! 無理よ! にこ大学でちゃんと勉強した記憶がないわ!」

希「威張って言うことちゃうわ! 勉強せえ!」

にこ「……そう、そうね……卒論、卒論……考えないとダメなの……?」
にこ「研究室に月イチくらいでしか顔出してないのに……」

希(アカン)
58: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/24(土) 14:57:54.15 ID:ZzrAmUnj.net
にこ「そもそも今年ちゃんと進級できたのが奇跡みたいなもんなのよ!」

希「奇跡という言葉を安易に使うなぁ!」

にこ「ぐぬ……ぐぬぬ……あと、あと48単位、48単位で、卒論で16単位で、」
にこ「レッスンが毎週こんだけあって……ええ……」

希「……やばない?」

にこ「な、何がよ!」

希「ふつう大学3年生なったら、単位だいたい取り終えて、卒論分だけ残っとる、くらいやない?」

にこ「……んな、んなわけないでしょ、え、希って」

希「あと18単位。去年専門1つ落としちゃって、2単位だけ残してるんよー」

にこ「……マジ?」

希「それが普通やて。ウチの大学、一定単位取れないと留年ってなるし」

にこ「あんた一応私と同じで、μ'sのおバカ担当よね!?」

希「そんな設定はもうないんよ」フヒヒ

にこ「裏切り者ー!」


にこ「……あー、やり直せるなら、大学1年からやり直したい。何もすることがないのに寝てた1年のときの自分を殴りたい」

希「あきらめぇ。諸行無常や」

にこ「……絵里にはちゃんと、真面目な大学生活を送ってほしいものだわ」

希「せやなあ……」
希「エリチ、今年は受かるとええんやけどな」
77: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/24(土) 18:59:03.96 ID:ZzrAmUnj.net
――6月、はじめての模試の結果が返ってきたよ編


凛「……」ドキドキ
凛「……」チラッ
凛「!」


凛「海未ちゃんっ! やったよっ!」
凛「凛、はじめて志望校のA判定が出たんだよ!」ブイッ
凛「……まだ、ここにするかどうか、決めたわけじゃないけど、去年ずーっとD判定以下だったのにっ!」

海未「ふふ、おめでとうございます、凛」

凛「え、えへへっ! もっと褒めてもいいんだよっ」

海未「はいはい、偉いですね」ナデナデー

凛「も、もう、また子供扱いしてぇ……」///
凛「でも、嬉しいや」

海未「ま、今はまだ現役生のスコア力が低い時期ですからね。ここから逆転されて負ける、ということがないようにするんですよ」

凛「うん、分かってるよ! もっとがんばる!」
凛「海未ちゃんはどうだったの?」

海未「……見ますか?」


ババーン \ 全国95位 / ババーン


凛「」
凛「は?」

絵里「あら海未、結構いい結果だったじゃない」
絵里「でも私の勝ちね」フフーン


ババーン ババーン \ 全国18位 / ババーン ババーン
82: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/24(土) 19:08:10.61 ID:ZzrAmUnj.net
海未「流石は絵里です。数学で差が出ましたね……」
海未「結構難しいのが1問あったのに、満点とは流石です」

絵里「ま、かしこいかわいいエリーチカの名誉を挽回ってところね?」
絵里「どう、凛? ちょっと見直した?」フフーン

凛「おかしいでしょ! どういうことなの二人とも!」バーン

絵里「ひっ」
絵里「しし、失礼ね凛、何がおかしいっていうのよ。元々、私はかしこいかわいいエリーチカなのよ。このくらい当然よ」

海未「そ、そうですよ。私たちは浪人を重ねているわけですし。ましてこの時期、このくらい――」

凛「そうじゃなくて!」
凛「そうじゃなくて、何でこの成績で去年落ちてるの!? 英語と社会は二人ともほぼ満点じゃない!」
凛「いくら今の時期の成績でも、こんなのどこでも合格するよねっ!?」

えりうみ「ふぐっ」グサッ


カクカクシカシカ


凛「ふむふむ、海未ちゃんは本番で数学が1問も解けず」

海未「1問目がとても難しくて、それで頭が真っ白になり……」シュン

凛「絵里ちゃんは国語でおもいっきり時間配分を間違えて」

絵里「現代文が1問、白紙に近い状態でした……」シュン

凛「つまり」
凛「二人とも、本番にめちゃくちゃ弱いってわけ、だね……」

えりうみ「……」シュン
84: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/24(土) 19:21:08.28 ID:ZzrAmUnj.net
絵里「……ほんと笑っちゃうわよね、μ'sで歌って踊ってるときは全然緊張なんてしなかったのに」
絵里「答案を前にしたエリーチカは、まるで生まれたばかりの子山羊のようだわ」

海未「はは、全くです」
海未「思えば、ずっと志望校判定の悪かった穂乃果は、本番で100%の力を発揮して現役合格」
海未「『うえーん海未ちゅあん全然出来なかったよぉ』とか抜かしてたことりも、普通に合格」
海未「生まれ持ったメンタルの強さが違うのかもしれませんね、ははは」

凛「……」
凛「凛、なんだか悔しいよ」

海未「え?」

凛「海未ちゃんも絵里ちゃんもこんなに頭が良くて、それなのに本番に弱いからって落とされちゃうのが」
凛「本当の力を発揮したら、ラクショーで合格できるくらいなのに!」

海未「凛……」

絵里「本番で力を発揮できないのは、実力がないってことなのよ」
絵里「私たち弱メンタル勢は、20%の力しか発揮できなくても合格できるだけの学力を身につけるしかないの」

凛「……そうじゃないよ!」
凛「うん、やっぱり、ふたりに必要なのは、メンタル強化だよ!」

海未「!?」

絵里「メ、メンタル強化!?」

凛「うん、そうだよ! 凛も付き合うから、3人で>>88をしよう!」
88: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/01/24(土) 19:29:06.32 ID:6O7Gf1il.net
山頂アタック
92: 名無しで叶える物語(たこやき【19:20 震度2】)@\(^o^)/ 2015/01/24(土) 19:39:09.13 ID:ZzrAmUnj.net
――富士山のふもと


凛「絵里ちゃん知ってるよね、凛今、やめとけば良かったって思ってるよ」

絵里「あなたが言い出したのよ……何でそんなことを言い出したの……」

凛「わからない……凛わからないよ……路上ライブをやろうとか、そういうことを言うつもりだったんだけど」
凛「口が勝手に動いちゃったんだ……」

絵里「凛、あなた疲れてるのよ」

えりん「……」チラッ

海未「……」キラキラッ

絵里「……」

凛「やるしかないよね……」

海未「凛の方から山頂アタックをしようと言い出してくれるなんて、本当に嬉しいです」
海未「そうですね。山登りは確かに、人生に似ている」

凛「海未ちゃん?」

海未「苦しい道のりを一歩一歩進む。そこには起伏もありますし、危ないこともあるでしょう」
海未「しかし、それを乗り越えた先には、達成感と――自分はこんな困難をやり遂げたんだ、という自負が生まれます」

凛「うん、海未ちゃん?」

海未「そうですよ。私は受験生になってからの2年と数ヶ月、勉学のために、と趣味の登山を諦めてきました」
海未「思えば、それがいけなかったのかもしれません。山頂に到達したときのあの感覚が、私には必要だったんです」

絵里「ダメね、目がイッてるわ」

凛「……富士山かぁ」
94: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/24(土) 19:53:51.27 ID:ZzrAmUnj.net
海未「凛、絵里。ちゃんと装備は整っていますか? 私とて2年ぶりの登山です」
海未「行程は長く厳しいものとなりますから、事前の準備をしっかりしましょう」
海未「ふふ、こういうところも受験と似ていますね」キラキラッ

凛「大丈夫だよ……海未ちゃん指導のもと、本格的な登山装備を買ったじゃない」

海未「そうでしたね、ふふ。それじゃあ、行きましょうっ!」キラキラッ


――五合目

凛「凛、山登りって麓から始めるものだと思っていたよ」

海未「そういう人もいるにはいるのでしょうが。まず五合目まではバスで移動し」
海未「ここから改めて、登るんです」

絵里「……おうちかえりたい」

海未「メンタルを強くするんですよ! 山は心を強くしてくれます!」

絵里「エリーチカおうちかえりたい……」
絵里「何年も受験勉強に没頭して、私の身体からは人並みの体力が失われているのよ……」

凛「……」
凛「凛は、少し楽しくなってきたかもっ!」

海未「凛」

凛「考えてみたらさ、この3人でどこかにおでかけするのって、高校生だった頃はなかったにゃ」
凛「絵里ちゃんと遊んだり、海未ちゃんと遊んだり、他のみんな一緒に遊んだり、ってことはあったけど」

絵里「……考えてみれば、不思議なものね」

海未「そうですね。学年もバラバラで、3人でユニットを組んだこともなく」
海未「Lily whiteでは、3年生ポジは希でした」

絵里「Soldier gameのときは、1年生は真姫だったわね」
絵里「思えば、海未は両方にいるのね」

凛「へへっ、3人でこうして山登りとか、すっごく楽しいことになりそうっ!」

絵里「まったく、凛は」
絵里「……行きましょうか」

海未「はい」

凛「出発進行にゃー!」
95: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/24(土) 20:02:46.74 ID:ZzrAmUnj.net
――のぼってるよ!


絵里「ンゲェ、ングェ、もうむり゛ぃ……」
絵里「ふげぇ、ほげぇ、もうや゛だぁ"……」

凛「は、は、絵里ちゃん、た、体力、なさすぎ、じゃない?」
凛「まだ、まだ、全然、全然、途中、だよぉ?」

絵里「りん、あなたも、手足がプルプルしてるわよ、ぉぇ」

凛「な、なーに言ってんだ、にゃあ」
凛「凛よりも、ほら、かよちんが、すごい、へばってるよ?」
凛「かよちん、だめだよ、おにぎり食べちゃ、胃が、もたれ、もたれるよ」

絵里「なに、言ってんの"ぉ、花陽なんて、いない、いないわよ」
絵里「あれ、いない、わよね」

海未「二人ともしっかりしてください。花陽は今、地上です」



――そのころ


花陽「ヘッピュ」

真姫「……風邪? あったかくしてなさいよ?」

花陽「ううん、そういうわけじゃないんだけど。ちょっと遅い花粉症かな」

真姫「なわけないでしょー、もう夏よ?」

花陽「えへへ、そうだよね。それじゃあ、そろそろごはん作るね」
花陽「試験近いし、がんばらないとね……」

真姫「はーい、よろしくー」
98: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/24(土) 20:16:05.48 ID:ZzrAmUnj.net
――休憩中


海未「まあ絵里は長いブランクがあるから仕方ないとして、凛はもっと登れると思っていましたが」

凛「なんだかんだで1年近くちゃんとした運動してなかったから……」ゴキュゴキュ

海未「慌てて飲まないで。ああほら、服にこぼれてますよ」

絵里「」ゼェゼェ

海未「ていうか二人とも、幻覚を見るほどしんどいですか」

凛「まあ幻覚は冗談だけどね」
凛「うん、冗談だよ冗談あはは」

絵里「」ハァハァ

凛「ていうかむしろ凛的には、受験勉強漬けのはずなのに無尽蔵の体力を持ってる海未ちゃんの方が不思議だよ」

海未「勉強ばかり、というわけではありませんでしたからね。毎日走ってますし、日舞のお稽古もこなしています」

凛「……凛も、走ろうかにゃあ」
凛「μ'sで一番の運動神経! が見る影もないのは悲しいよ」

海未「いいと思いますよ? 受験勉強は体力も重要なところです」
海未「疲れすぎて勉強が疎かになってはいけませんが、基礎体力作りは大切です」

凛「うん! ねー海未ちゃん。もう凛全然体力ないけど、海未ちゃんと一緒に走りたいにゃあ」
凛「ねね、今度から朝、海未ちゃんのところに行ってもいい?」

海未「……いいですよ。朝六時起きですが、大丈夫ですね?」フフ

凛「ひー! が、がんばるけどっ! でも、起きれなさそう……」

海未「ふふ、逆に私が凛の家に迎えに行ってあげますよ」
海未「二人でジョギング。いいですね、楽しそうです」

凛「うん!」

海未「絵里は」

絵里「お断りするわ」ハァハァ
絵里「エリチカはゆっくり自分のペースでやりたいことたち見つめるの」ハァハァ

凛「絵里ちゃん、迎えにいくねっ!」

絵里「話聞いてた!?」
103: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/24(土) 20:27:01.06 ID:ZzrAmUnj.net
――まだのぼってるよ!


海未「……結構なペースで登ってきましたね」

凛「そうだねえ……ふー、やっと身体が本調子になってきた、かなあ」
凛「すっごくしんどいけど、いい景色だねえ」

絵里「エリチカ、すごい、すごいしんどいけど、まあ、なんとか、うん……」

海未「1日で登頂下山のスケジュールですからね……じっさい、結構しんどいのは確かなんですよ」

凛「え? 普通は2日かけるの? 道理できついと……」

海未「ゆっくり景観を眺めながら、だと山小屋で一泊する場合が多いですね」
海未「二人がきつそうだったら、そっちへのスケジュール変更も考えていましたが」
海未「……二人とも、やれそうですね」

凛「うん。苦しさが、だんだん、気持ちよくなってきた感じ。ランニャーズハイってやつだにゃー」
凛「やっと、海未ちゃんが登山が好き、って言ってたのが分かった気がするよ」

絵里「……やるわよぉ。後輩二人の前で、私だけ値をあげるなんて嫌だもの」
絵里「やりきって、みせるわよぉ」

海未「……がんばりましょう! ゴールは、もうすぐです!」
104: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/24(土) 20:43:55.85 ID:ZzrAmUnj.net
――山頂


凛「……」ポケー

絵里「……やった、わね、」ゼェゼェ

海未「やりました、ね」
海未「流石に夏前だけあって、結構な人がいますねえ」

絵里「は、は、バナナおいしい……」モグモグ
絵里「エリチカ、こんなに身に染み入るバナナ食べたのはじめて」グスッ

海未「全く絵里は。凛もちゃんと栄養補給を」
海未「……凛?」

凛「……やったんだね、凛たち」
凛「こんなに、雲が近いよ。凛、こんなに高いところきたの、はじめて」
凛「富士山、ってはじめ聞いたとき、そんなの無理無理、絶対無理ー! って思ったけど」
凛「一歩一歩ちゃんと歩けば、登れるものなんだね」

海未「まだ下山が残っていますけどね。ただ」

凛「ただ?」

海未「苦しいのは、多分行きなんです。どんなときも」

絵里「……」

海未「帰りは、きっと。今まで登ってきた道よりも、ずっと気が楽です」
海未「もちろん、帰り道に事故に遭われる方も多くいます。だから、最後まで気を抜いてはいけない」
海未「でも、きっと――」

絵里「……そうね」

凛「うん」

海未「こうして苦しいことを乗り越えて、そこに到着する。受験と似ていますよね」
海未「帰り道は、大学生活みたいなもんです。気を抜いてはいけませんが、けれども息苦しさのない道を戻りましょう」

凛「うん!」

絵里「もう合格したようなもんね! 苦しかったし辛かったし辞めたかったけど、やればできるのよ」
絵里「これに比べたら、受験勉強なんて大したことじゃないわ! たぶん!」

海未「ふふ。そうですね!」
海未「……さっ! 暫く景観を楽しんだら、下山しましょう!」

凛「うん!」

絵里「もう!?」


凛(……後になって振り返ると、この登山で、二人のメンタルを鍛える! という目的が達成されたのかは、ぜんっぜん分からないけれど)
凛(凛は、このとき3人で見た、日本で一番高い山からの光景を忘れないと思うのにゃ)
118: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/25(日) 10:54:45.73 ID:NyJn+tAr.net
――7月、まきりんぱな久々の集合編



凛「かよちーん? どこー? もう駅ついてるよー?」

花陽『えーと、駅の外の方に売店があって……』
花陽『あ、いた! 凛ちゃーん!』

凛「あ、見つけた! かよちーん!」

花陽「凛ちゃん、久しぶりだねー!」

凛「……」
凛「かよちん、その……なんかすっごい、……大学生っぽくなったね」///


凛(3ヶ月ぶりに会ったかよちんは、大きく外見が変わった、というわけではない)
凛(持っているバッグや、小物、ほんの少し毛先をいじった髪型。スッとした印象のシックなファッション)
凛(付けているメガネも、なんてゆーか、薄い桃色のフレームで、オシャレメガネっぽくて)
凛(たった3ヶ月なのに、大人になったな、って思ってしまった)


花陽「えへへ、そうかな」
花陽「久しぶりに凛ちゃんに会えるから、ちょっと頑張ってみたんだ」

凛「めっちゃんこ可愛いにゃあ……」///
凛「もうかよちん、なんてあだ名で呼べないにゃあ……花陽さんだにゃあ……」///

花陽「か、かよちんでいいよ、むずむずするよ」
花陽「ていうか、凛ちゃんだってすっごい可愛いよー」

凛「えへへ、凛だけだと自信がなかったから海未ちゃんたちに見てもらったよ」
凛「どうかなー?」

花陽「だからかわいいよー。ところどころに絵里ちゃんのセンスが見られるね」
花陽「海未ちゃんたちと仲良くしてるんだねぇ。ふふ、ちょっと嫉妬しちゃうかも」

凛「もーかよちんったらー」///

花陽「えへへ」///
122: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/25(日) 11:07:03.34 ID:NyJn+tAr.net
花陽「勉強の方はどう? 捗ってる?」

凛「うん、現役生の頃よりずっと真面目にやってる……と思うにゃ」
凛「海未ちゃんと絵里ちゃんが隣だからねー、気は抜けないにゃ」

花陽「そっかー。わたしも再来週から試験なんだ。結構いっぱい授業取っちゃったから、不安だよ」
花陽「……凛ちゃん、志望校変えるかもって話してたけど」

凛「うん、ちょっと悩んでる。成績がどうこうってわけじゃないんだけど」

花陽「そっか。……うん、じっくり考えてね」

凛「秋にオープンキャンパスがあるから、そのときにまたこっちに来るよ」
凛「色々悩んで、それから結局元通りの志望校、ってことになりそうだけどね」エヘヘー

花陽「ふふ。まあ、せっかくだから――今日は観光、楽しもうね」
花陽「わたしもまだ案内できるほど詳しくはないけど」エヘヘ


凛(受験生なのに観光かい! というツッコミもあるかもだけれど)
凛(海未ちゃんと絵里ちゃんが言うには、オンとオフの切り替えが重要、ということで)
凛(根をつめて勉強しすぎないように、ということで、一泊二日の小旅行にやってきました)


凛「あれ、そういえば真姫ちゃんは?」

花陽「たぶん、まだ寝てると思う……」

凛「もー、せっかく凛ちゃんが遊びに来たというのに!」
凛「あ、でもでも、真姫ちゃんち見てみたいかも!」

花陽「そうだねー、まずは真姫ちゃんのお部屋行こうか?」
126: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/25(日) 11:18:33.71 ID:NyJn+tAr.net
――真姫ちゃんのお部屋


花陽「真姫ちゃーん、起きてるー?」ガチャ

凛「うわあ! お、思ったより」
凛「思ったよりクッソ汚い部屋だにゃー!」

花陽「……あはは」

凛「かよちん、真姫ちゃんとこに通い妻状態なんでしょ? こんな汚い部屋で我慢できるの?」

花陽「通い妻って表現はやめてよぉ!」///
花陽「最近はあんまりこっちには来てなかったんだ。真姫ちゃんの方がわたしの部屋に来ることが多くて」
花陽「……今日はまあ、おいといて。今度大掃除しないとだなあ」

凛「かよちんが燃えてるにゃ」
凛「ていうか真姫ちゃんが通い妻になったの!? 通い妻じゃない、この場合なんて言うの!?」
凛「ちくしょー真姫ちゃんめ……」


真姫「」zzz

凛「……ゴミ山の中で死んだように寝てるよ」
凛「真姫ちゃんの意外な一面を見たにゃあ……」

花陽「真姫ちゃん、凛ちゃん来たよー?」グイグイ

真姫「」zzz

凛「まーきちゃん! 起きなさい! 真姫ちゃんの大好きな凛ちゃんが颯爽登場だよ!」

真姫「ん……あと5分……」

凛「えーいこのー!」グイグイグイグイ

真姫「んん……んもぉ……はぁい……花陽ぉ、朝ご飯まだぁ……?」

花陽「もうお昼だよぉ!」
131: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/25(日) 11:30:15.41 ID:NyJn+tAr.net
真姫「……おはよう」

凛「なんちゅー生活してんだにゃ真姫ちゃん……」
凛「オトノキジャージをパジャマにして寝てる真姫ちゃんとか見たくなかったにゃあ」

真姫「……あー、うん。凛、久しぶり」

凛「めっちゃ眠そうだにゃ……」

花陽「はい真姫ちゃん、簡単に目玉焼きとサラダ作ったから。起きて食べよう?」
花陽「凛ちゃんはどうする? 何か食べる?」

凛「凛はだいじょーぶだよ、軽く食べてきたから!」
凛「ていうか、かよちんほんとに真姫ちゃんにご飯作ってるんだね……通い妻ってほんとだったんだにゃあ……」

花陽「あはは……そんなに部屋が離れてるわけでもないから、ついつい気になって様子見に来ちゃったり」

凛「……」
凛「かよちん、凛の志望校がこっちに決まったら一緒に住もうね? ルームシェア的なのやろうね?」

花陽「ルームシェアかー、いいかもね! 今の部屋だとちょっと狭いから、大き目の部屋を探そう!」

凛「えへへ、夢が広がるにゃー!」

真姫「」モグモグ

真姫「……私も入れてね、ルームシェア」

凛「!!」
凛「うん、3人ですっごい大きな部屋で暮らすにゃー!」

花陽「真姫ちゃん、ルームシェアになったら食事も洗濯も掃除も全部当番制だからね?」
花陽「今はー、もー、ぜーんぶわたしがやってるんだからー」

真姫「花陽のいけずぅ……」
133: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/25(日) 11:38:53.95 ID:NyJn+tAr.net
――1時間後、真姫ちゃんのお着替えが終わり


真姫「さて、観光ね」キリッ

花陽「……」ジトー

凛「……真姫ちゃん」ジトー
凛「あんだけだらしない姿見た後にキリっとされても」

真姫「うっ、うるさいわね! 仕方ないでしょー、遅くまで勉強してたんだからー!」

凛「凛の部屋も大概だけどさ、真姫ちゃんゴミくらいちゃんと捨てようよ……」

真姫「うるさーい! いつかちゃんとするわよー!」
真姫「と、とにかくー、凛がせっかく遊びに来たんだから、凛の行きたいところにつれてってあげるわよ!」

凛「とは言ってもなー、凛こっちに何があるかとかってあんまり詳しくないし」


花陽「そうだねえ……」
花陽「たとえば、>>137、とかどうかな?」(関西圏内であればどこでも可です。時空の歪みは気にしないでください)
137: 名無しで叶える物語(しまむら)@\(^o^)/ 2015/01/25(日) 11:47:23.27 ID:eMae7ani.net
知恩院
140: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/25(日) 12:01:52.91 ID:NyJn+tAr.net
凛「知恩院……って京都だっけ?」

花陽「そうだね。ここからそれほど離れてもいないし、すぐつくと思うよ」

凛「そっか、行ってみたいかも! 日本史の勉強してると、結構色んなお寺の名前とか見るんだよね」
凛「知恩院は、えーと……浄土宗のお寺、だっけ?」

花陽「そうそう、法然さんが作ったお寺だね」

凛「えへへー、ちゃんと勉強してるからねー」

真姫「……凛に知恩院」ボソッ

凛「何かな真姫ちゃん! そのネコにコバンとでも言いたげな顔は!」

真姫「……被害妄想よ、うん」アセアセ
真姫「でも、せっかくだし普通に遊びに行く方がいいんじゃない? USJとかもあるし、西のアキバと呼ばれていたことがあった日本橋なんかも」

花陽「えへへ、もちろん寺社仏閣を見に行くこと自体が目的なんだけどね」
花陽「そのおまけ、っていうか」

凛「むっ」

花陽「凛ちゃん知ってるかな。京都は、全国でも有数のラーメン激戦区なんだよ!」

凛「むむむっ!」

花陽「知恩院を見て。それから色々近場のお寺を見て回ろう。近くに八坂神社なんかもあったね。ちょっと離れてるけど、北に行けば銀閣寺なんかもあるし」
花陽「それでいっぱい観光したら、ラーメン食べに行こう!」

真姫「……ふふ。なるほどね」
142: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/25(日) 12:14:44.46 ID:NyJn+tAr.net
――知恩院 三門前


花陽「あっという間についたねえ」

凛「……なーんか見覚えがあるような気がするにゃあ」

花陽「うん、そうだね。中学のときの修学旅行で行ったの覚えてる?」

凛「京都・奈良に行ったのは覚えてるけど、ぜーんぜん覚えてないにゃ……でも見覚えがあるってことは覚えてるにゃー」

花陽「あはは、凛ちゃんシカせんべい食べちゃったりとか、大仏前でピースとかしてたよね」

凛「そんなこともあった気がするにゃー」

真姫「私は中学の修学旅行、北海道だったから……寺社仏閣は小学生のときね」

花陽「……」
花陽「3人でこうして来るなんて、その頃はきっと考えもしなかったよね」

凛「えへへー、こうして3人で来られて嬉しいにゃー」

真姫「そ、……そうね、うん、そっか。ふふ」

凛「真姫ちゃん嬉しそうな顔してるにゃーにひひ」


――阿弥陀堂、阿弥陀如来像前

凛「……大きなお仏像さんだにゃ」

真姫「ご飯を前にした花陽のような菩薩感があるわね」

凛「いやいや、ご飯を前にしたかよちんは欲にまみれてるにゃ」

花陽「凛ちゃんひどいよぉ!」
143: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/25(日) 12:23:55.29 ID:NyJn+tAr.net
――大鐘楼前

まきりんぱな「……」

凛「鳴らしたいにゃあ」

花陽「気持ちは分かるよ」

真姫「分かるわね」

凛「凛の夢のひとつに数えておくにゃ。いつかお坊さんになる日が来たら、これをガンガン衝くにゃ」

花陽「出家しちゃうのぉ!?」

(※出家しても多分衝けません)



――勢至堂~方丈庭園~友禅苑

花陽「……お寺って不思議だよねえ。ここだけ、時間が切り離された場所みたい、っていうか」
花陽「木の並びとか、砂利道とか。ここだけ、何百年も前みたいな感じがするよ」

真姫「まあそういう風に手入れしてるからでしょ」カミノケクルー

凛「真姫ちゃん台無しだにゃー! ジョーチョが足りないにゃー!」

真姫「う、うるさいわね!」

花陽「あはは……」

真姫「……まあ。綺麗よね」

花陽「そうだねえ……今は夏だけど、秋、冬に来たら、また違って見えるのかな?」

凛「そうだね! 秋、冬、春、また夏。また3人で見に来ようね!」

真姫「……そうね」クス
147: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/25(日) 12:40:12.43 ID:NyJn+tAr.net
――泰平亭(お土産屋)


凛「海未ちゃんと絵里ちゃんにおみやげを買っていこうと思うんだけど……」
凛「せっかくだし、2人も一緒に考えてー」

真姫「そうね、私が絵里へのおみやげをチョイスするわ」

花陽「じゃあ私が海未ちゃんのを考えるね」

凛「凛が買うやつと併せて2個ずつだねー」

真姫「……」
真姫「……お菓子でいいんじゃないかしら」

凛「あ、だめだめー。凛がお菓子を選ぶから真姫ちゃんは別の選んで」

真姫「えー」

花陽「海未ちゃんは、これかな? 写経! 海未ちゃんこういうの好きそうだし」
花陽「何より、写経をする海未ちゃん、すごくかっこいいと思う」///

真姫「……まあ、ぶっちゃけ絵里だったらこの辺の和テイストなお土産、全部ハラショーハラショー言いそうよね」
真姫「この腕輪型の数珠とか、『オージャパニーズリストバーンドジュズデース』とか言いそう。これにするわ」

花陽「真姫ちゃんの中の絵里ちゃん像ひどくない!?」


――東京

絵里「ヘックショー」

海未「風邪ですか」

絵里「なんだか遠い京都の地で、赤髪の女にバカにされた気がするわ」

海未「えらい具体的ですね! ていうか真姫ですよねそれ!」
151: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/25(日) 12:50:53.42 ID:NyJn+tAr.net
――京都、それから

凛(それから、八坂神社へ行った。祇園祭の最中だというけど、その日は特に人も多くなく、のんびりと参拝し)
凛(結構な距離を歩いて……何が近いの、かよちん……銀閣寺へ行き、3人でまったりと哲学の道を歩いて)
凛(その頃には、もうおなかもぺこぺこになっていました)
凛(予定どおり、それから、ラーメン激戦区へ向かう凛たちでした)


真姫「……ていうか、ラーメン激戦区なのは知ってたけど」
真姫「私たち、どこのラーメンが美味しいとかって知らないわけじゃない?」

凛「気になったお店全部に入って、食べ歩けばいいにゃ」

花陽「太っちゃうよぉ!」
花陽「こういうときはぐる○びで評価のいいお店を……」ポチポチー

真姫「花陽、前から言ってるでしょ? ぐる○びで評価がいいからといって、常に美味しいとは限らないのよ」
真姫「勿論指標にはなるけど――ラーメンとかの店は、知り合いの口コミこそ信頼するべきなのよ」メルメルー


真姫「……決まったわ。低高というのが評判がいいらしいわ」
 (※※ステマにならないよう、店名に配慮しています※※)

花陽「じゃあ、そこに行ってみよう!」

凛「ほんとに信頼できるのかにゃー……あんまり美味しくなかったら梯子だからねー?」
153: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/25(日) 13:00:25.91 ID:NyJn+tAr.net
――ラーメン屋

凛「うまい」ズルズル

真姫「……唐揚げ、こんなに大きいとは思わなかったわ」ゲプー

花陽「はぁ……ご飯も美味しい……」モグモグ

凛「梯子は無理だにゃこれ。これ一杯で満腹だにゃー」

真姫「……すいません、お持ち帰りで」


――それから

凛「楽しかったー! 美味しかったー!」

真姫「げぷぅ」

花陽「女の子が出しちゃいけない擬音出してるよ真姫ちゃん」
花陽「それじゃあ帰ろうか。凛ちゃん、ウチ来るんだよね?」

凛「うん、かよちんのお部屋見てみたいにゃー」
凛「真姫ちゃんとこと違って、きっと女の子っぽい部屋だにゃ」

真姫「失礼ねっ! 否定はできないけどっ!」

花陽「あはは……一応ちょっとは片付けたけど、それほど綺麗でもないよ」

真姫「あー花陽、私も行って大丈夫?」

花陽「大丈夫。あ、でも枕2つしかないから、真姫ちゃん自分の部屋から枕持ってきてね」
花陽「お布団はどうしようかなぁ」

真姫「はぁい」
154: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/25(日) 13:10:36.30 ID:NyJn+tAr.net
――花陽の部屋


凛「はぁ……これだにゃあ、これが凛の思い描いていた女子大生のお部屋だにゃあ」
凛「」クンクン
凛「はあ……お陽さまの匂いとお花の匂い……」クンカクンカ

真姫「変態っぽいわよ!」

花陽「あ、あはは」

真姫「しっかし、相変わらず片付いてるわね……普通もっと汚くなるでしょ、洗濯物だって3日は取り込まないでしょ」

花陽「真姫ちゃん、ちゃんと取り込もうよ……」

凛「ズボラ真姫ちゃんとか、ファンの子が見たら泣いちゃうにゃあ」

花陽「あはは……」
花陽「……うーん。お布団とベッド、1つずつしかないんだよね、どうしようかな」

真姫「あーいいわよ、私床でも」

花陽「そんなだから体調崩したりするんだよぉ。ちゃんとしたところで寝なさいっ」

真姫「ママみたいなこと言って……」

花陽「まー、うん、そうだね。お客様優先、ってことで」
花陽「私がお布団で寝るから、二人はちょっと狭いかもだけどベッド、ということで」


真姫「……悪いわねー。泊まりに来るたびあんた布団だからなんか罪悪感があるわーって凛と二人で!?」

凛「凛は遠慮なくかよちんの布団にもぐりこ真姫ちゃんと!?」
161: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/25(日) 15:48:53.20 ID:NyJn+tAr.net
花陽「ごめんねー、でもさすがに真姫ちゃんところからもう1組布団を持ってきてもらうわけにはいかないしね」
花陽「えへへ、まあまだ寝る時間じゃないし、おしゃべりしよっか?」

真姫「いやちゃんとそこは決めましょう。私が布団で寝るから、二人でベッドを使うといいわ」

凛「そ、そーにゃそーにゃ! むしろ凛トイレとかでもいいにゃー!」

花陽「別にいいじゃない……ていうかトイレで寝るのはないよぉ!」

真姫「そ、その、……同じベッドで寝る、っていうのが」
真姫「その……」///

凛「なんだか恥ずかしいにゃあ……」///
凛「……」チラッ

真姫「なん、なんでチラっと見るのよぉ」///
真姫「……」チラッ

花陽「何で恥ずかしがってるの……。別に平気でしょ、友達同士なんだから」
花陽「凛ちゃん、お泊まりしたらしょっちゅうわたしの寝てるところに入ってきたりしたじゃない」
花陽「むしろ一緒に寝ること前提で潜り込んでくるし」

凛「それは、そのう、そうだけど……」///

花陽「真姫ちゃんだって、朝起きたらわたしの布団に入ってたりするし、別に抵抗ないんじゃ」

真姫「ちょ」

凛「……」
凛「真姫ちゃん?」

真姫「ああああれ、あれ、あれは、その、うん、ちょっと間違えただけ、間違えただけなのよ」
真姫「うん……その……」

凛「あとでちょっとじっくり話を聞かせて?」

花陽「さ、じゃあおしゃべりしよう。ね、凛ちゃん、どんなことがあったか聞かせて」
162: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/25(日) 15:58:49.85 ID:NyJn+tAr.net
真姫「アイドル事務所に山登り、ねえ」

花陽「ちゃんと勉強はしてるんだよね?」

凛「してるにゃあ……模試もA判定連発だにゃあ……でも山登りはすっごい楽しかったよ! 富士山すごいよ!」


凛「文学サークルに入ったんだね、真姫ちゃん。ふふ、なんかそれっぽい」

真姫「ええ、まあ、うん、そんな感じね」

花陽「文学っていうか、推理小説サークルだよねー。変なところで意地張ってるー」クスクス


真姫「花陽は大学の食堂でバイトしてるのよ。で、どう? 大きな釜で炊くご飯は」

花陽「なかなか難しいよね。大きくなればなるほど大味になっちゃうから……って、わたしはお会計担当だけど」

凛「かよちん食堂があったら毎日通うにゃーラーメン定食食べるにゃー」


凛(話している間、ああ、凛も大学生になって、二人と一緒に遊びたいな、という思いが強くなっていた)
凛(二人は、凛に何も気を遣わないで、大学の楽しいことや、おかしなことを話してくれる)
凛(かよちんとは小さい頃から、真姫ちゃんとは3年ちょっと。それだけの時間を共有して、できた友達は)
凛(なんとありがたいものなんだろう、と、凛は思っているのです)


花陽「……ふふ、話し足りないけど、そろそろ眠くなってきちゃったね」

凛「そうだにゃあ……」

真姫「寝ましょうか。明日もお昼ぐらいまではこっちにいられるんでしょ?」

凛「うん。明日はかよちんのお料理が食べたいにゃー」

花陽「そうだね。腕によりをかけて作るね! ……とはいっても、所詮女子大生の腕だから大したことはないけど」

凛「えへへ、楽しみー」



花陽「じゃあ、おやすみー」コテン

凛「……」

真姫「……」

凛「忘れてた……」///

真姫「……そうだったわね」///
163: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/25(日) 16:11:31.30 ID:NyJn+tAr.net
――夜


凛「……真姫ちゃん、もうちょっと向こう行って」

真姫「無理よ、無理無理、これでいっぱいいっぱい」

凛「……近いにゃあ……」///

真姫「……別に何かするわけじゃないんだから、まあ近くてもいいんだけど」///

花陽「……」スゥ…スゥ…



真姫「……もう寝た?」

凛「……起きてるよ」

花陽「……」スヤスヤ

真姫「……花陽は寝たみたいだし、言っちゃうか」
真姫「……花陽ね、今日、ほんとはすごく不安にしてたのよ」

凛「……どういうこと?」

真姫「受験に失敗したあんたが、暗い顔してたら、とか。もう何ヶ月も経ってんだから大丈夫だって言っても」
真姫「ぎくしゃくしちゃったらどうしよう、とか。そんなことばっかり」

凛「……」

真姫「元気そうで良かった、って、すごく安心した顔で、あんたがいないとき言ってたわ」

凛「……うん」

真姫「あー、その。一応、私も、まあ、ちょっとは心配してたわよ。ちょっとだけね?」

凛「……凛ね、真姫ちゃんと、かよちんと、一緒に大学に通いたくて、頑張ったけどダメで」
凛「凛なりに、すっごい落ち込んだけど、今は、大丈夫だよ」
凛「海未ちゃんと、絵里ちゃんと、一緒になって頑張ってる」

真姫「……うん」

凛「ちょっと遅れちゃうけど、凛も来年追いつくから、って、今、もっと頑張ってるから」

真姫「……うん」

凛「……心配してくれて、ありがとね」

真姫「……」
真姫「ばか。友達なんだから、心配するのは当たり前でしょ」

花陽「……」スピースピー


真姫「……おやすみ、凛」

凛「うん、おやすみ、真姫ちゃん……」
165: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/25(日) 16:23:21.63 ID:NyJn+tAr.net
――朝


花陽「……」

凛「んにゅう……かよちぃん……」ムニャムニャ

真姫「ママぁ……寒いよぉ……」ムニュムニュ

花陽「何で二人してわたしの布団に入ってきてるのぉ……」

凛「かよちぃん……」モニュモニュ

真姫「花陽ぉ……」モニュモニュ

花陽「もし3人でルームシェアする、ってなったら――ちゃんとベッドは分けないとね」
花陽「……えへへ、こうして3人で一緒に寝るのは、うん、これはこれで、悪くないけど」

花陽「はーい、2人とも朝だよー!」

真姫「……ん、あれ」
真姫「なんで花陽の布団にいるの私」

花陽「わたしが聞きたいところだよっ!」


凛(それから、3人でマンションの傍を散歩。昨日と違って、真姫ちゃんはシャッキリとしていて、凛の方が寝ぼけ眼でした)
凛(なんだかんだでやっぱりかよちんは凛のクッションであり、抱きついて寝るとぐっすりなんだにゃあ、と改めて思いました)
凛(かよちんお手製の朝ご飯を食べて、近場にある観光スポットをぐるりと回り、そして)
凛(凛が東京に帰る時間がやってきました)
166: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/25(日) 16:34:38.65 ID:NyJn+tAr.net
花陽「凛ちゃん、忘れ物ない? ちゃんと乗るホーム分かるよね?」

凛「大丈夫だよー、もし仮に逆方向に行っちゃったら博多まで行ってラーメン食べて帰るにゃー」

真姫「ほんとにやりかねないから、ちゃんと間違えないようにするのよ」

凛「はぁい」
凛「……次は秋のオープンキャンパスのとき、かな。その次は多分、受験の本番のとき」

真姫「まー8月には帰省するし、そのときには会えるけどね」

花陽「オープンキャンパスの時期って、9月だっけ。その頃なら私たちはまだ夏休みだし、一緒に行こう」

凛「案内をお願いするにゃー」

真姫「……身体には気をつけるのよ」

凛「うん」

花陽「勉強がんばって、でも根はつめすぎないように」

凛「うん。……えへへ、2人がお母さんで、凛が見送られる子供みたい」

花陽「えへへ、そうかも」

真姫「まー、私たちの中じゃあ、凛が1番子供だしねー」カミノケクルー

凛「ママァ……とか言ってかよちんの腕にしがみついてた人に言われたくないにゃあ」ニッシシー

真姫「!?」
真姫「言って、言ってないわよ、そんな、そんなこと……」
真姫「言わないわよぉ! そんなことぉ!」

花陽「……」

凛「……」

真姫「……言ってないわよね?」


凛(改札口の先で手を振りながら、かよちんが少し涙ぐんでいて、ああ、泣き虫なのは変わらないな、としみじみ思い)
凛(凛は、関西を後にしました)
凛(凛は、結局志望校をどうするのか、まだ決められていません。二人がいる町にある大学を選ぶのか)
凛(それとも、違うところに、何かをみつけて、進路を変えるのか――)
凛(まだまだ先のようで、けれども、それほど時間はないのです)
167: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/25(日) 16:40:28.50 ID:NyJn+tAr.net
――おまけ、東京


凛「というわけでお土産だにゃー!」

海未「……これは、写経ですか。ほほう、これはいいものですねっ!」
海未「これを凛が?」

凛「ううん、それはかよちんが選んだんだよ!」

海未「花陽がですか」

凛「きっと写経をしてる海未ちゃんかっこいいよねっ! って即決で決めてたよ」

海未「……ふふ。花陽からそう期待されるなら、ちょっとやってみなくては」
海未「こう見えて園田海未は書道にも通じていますからねっ! 文武両道の精神が園田です!」

凛「絵里ちゃんはこれー。真姫ちゃんが選んだやつだよー」

絵里「わ、これは数珠? 手首につけるの? これがジャパニーズリストバンドってやつ? ハラショーね!」
絵里「真姫ったら、私が喜ぶものをよッくわかってるじゃないっ!」

凛「すっごい期待通りの反応だねっ!!」
175: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/25(日) 22:08:14.85 ID:NyJn+tAr.net
――8月、帰ってきたことほの編


凛「夏期講習はあんまり入れなかったんだけど、代わりに模試をいっぱい受けることにしたんだ」

真姫『それもいいと思うわ。試験のスパンどのくらいか知らないけど、場慣れは大事よ』

凛「夏期講習の講座ってすごくレベルが高いっていうから、まだ基礎が出来てない凛には早いかなって思うしねー」

真姫『ま、お盆入る前くらいにはそっちに帰るから』

凛「うん、楽しみに待ってるね。それじゃあそろそろ切るねー、早いけどおや」


花陽< 『タダイマー』


凛「すみ……」

真姫『……』

凛「……」
凛「真姫ちゃん、いい加減自立しようよ」

真姫『違うのよ! 花陽が世話焼きでっ! 別にっ! 別に私はそんな、頼んでないしっ!』

花陽< 『今日は真姫ちゃんの好きな自家製トマトソースの夏野菜パスタだよー。暑いし冷パスタでいいよね?』
花陽< 『カボチャの冷たいスープも作ろうと思うー』

真姫『え、ほんと? やった! さっすが花陽、分かってるう!』
真姫『はっ』

凛「……」
凛「まったくー……。それにしてもかよちんのお料理技術が目に見えて上がってる気がするよ。自家製トマトソースとか作り出しちゃって」ブツブツ
凛「いいよーだ、かよちんのお嫁さんスキルが向上したら、来年から凛は幸せだしぃ」ブツブツ

花陽< 『あ、電話してた? ごめん』

真姫『あーその、凛よー、代わる?』

花陽< 『あ、凛ちゃん? うんー』


凛(それからかよちんと真姫ちゃん、3人で他愛もないおしゃべりをしていたのだけど)
凛(ふと、気になった)

凛(帰省シーズン。凛たち3人、真姫ちゃんとかよちん。元々東京にいる希ちゃんとにこちゃん)
凛(それから、外に出た、穂乃果ちゃんとことりちゃんがこっちに戻ってきて)
凛(久しぶりに9人揃ったり、するのだろうか)
177: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/25(日) 22:19:21.97 ID:NyJn+tAr.net
――音ノ木坂ゼミナール 自習室


海未「さて」

凛「うん?」

海未「不肖園田、1ヶ月ほど旅に出ます」

凛「ふうん」
凛「ふうん!?」
凛「ちょちょちょ! 何言ってんの!?」

絵里「そうよ海未、夏の1ヶ月がどれほど受験生にとって大切か分かってるの?」

海未「大丈夫です。旅とは言いましたが、実際は勉強のための旅です。長野に受験生歓迎のログハウスがありましてね」
海未「これです、見てください。いいところでしょう!」パンフレットバサー

絵里「……ふうん。結構よさげね」

海未「少し勉強が足りないと思いましてね。避暑地で集中した勉強をしたい、と思っているんです」

凛「……え、本気で?」

海未「はい。園田、少し東京を離れます」

凛「で、でも! お盆だし、穂乃果ちゃんやことりちゃん、真姫ちゃんかよちんも帰って来るんだよっ!?」
凛「何でこのタイミングで!?」

海未「ドキッ」
海未「……そそそそ、そうですね。みみみみんなに会えないのはすすすす少しざんざんざん残念ですが」
海未「勉学、勉学優先なんです」

凛「……」

絵里「……」

凛(なんとなく察しちゃったけど)ヒソヒソ

絵里(まあ正直気持ちが分からないわけじゃあ、ないけど、ね)ヒソヒソ

絵里「……」
絵里「凛、やりなさい」

凛「うんっ!」パンフレットビリビリー

海未「ああっ!」
180: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/25(日) 22:30:09.82 ID:NyJn+tAr.net
カクカクシカシカ


絵里「……別に気にしなくていいじゃない。私、しょっちゅう希やにこと会ってるわよ?」
絵里「むしろしょっちゅうすぎて希に怒られるレベルね、ちゃんと勉強してんのエリチ? って」

凛(絵里ちゃん、むしろメンタル強くない?)

海未「……」シュン
海未「……気まずいんですよ、やっぱり」

凛「気持は分からなくはない、けどさ。凛だって真姫ちゃんかよちんに会いにいくとき、ちょっとだけ緊張したし」

絵里「ちなみに、どのくらい会ってないの?」

海未「……去年の夏くらいから」シュン

絵里「なにそれ、ほんとに?」
絵里「あー、そういえば去年も夏期講習だなんだでいなかったっけ……」

凛「凛の方がまだ顔合わせてるレベルだよっ!?」

海未「……」シュン

絵里「海未、ちょっと怒った方がいい?」
絵里「……友達なんでしょ? 気まずい以前に、友達として不義理よそれ」

海未「……弱音を吐いても、いいでしょうか」

絵里「良いわよ。何?」
181: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/25(日) 22:44:10.80 ID:NyJn+tAr.net
海未「私と穂乃果とことりは、幼馴染で。小さい頃から一緒にいました」
海未「いつも元気ですが猪突猛進の穂乃果、優しいですが少し気の弱いことり、それから私」
海未「いつからか、私は、二人の前では立派な人間――というとおかしいですが、そうですね、しっかりした人間であろうとしていました」

絵里「うん」

海未「私がしっかりすることで、2人が何かにつまずいたときに、助けてあげられるような、そういう立場でいたいと思い」
海未「そうですね、自惚れかもしれませんが、そうあれたんじゃないか、と思っています」

凛「……うん」

海未「もちろん、私だって時々は失敗もしてきました」
海未「そのたび、穂乃果やことり――それから、μ'sの仲間に助けられてきましたが」
海未「助けられたらその分、助けるように。そういう風に頑張ってきたつもりで」

絵里「うん、もう分かったわ」
絵里「穂乃果やことりに頼られるような、そういう風な海未でありたくて」
絵里「今の、失敗が続いている自分を、2人には見られたくない、と。そういうことね」

海未「……はい」
海未「2人が、きっと変わらない態度で私に接してきてくれることは、分かっているんです」
海未「きっと、気遣いも何もなく、変わらない友達として」
海未「しかし、私が――しっかりしていない自分を、2人に見られるというのが、辛くて」

凛「……うん、なんとなくは、分かったよ」
凛「うん、でも」

絵里「……海未、あなたたちの関係と比べて、私とあなたたちの関係は、ずっと短いけれど」
絵里「私からしたら、貴女と穂乃果とことりは、そういうところも共有できる友達だと思う」

海未「だから、私が」

絵里「友達っていうのはね、プライドを捨てることが出来る相手なのよ」

海未「!」
海未「で、ですがっ!」

絵里「……凛」キリッ

凛「ほいさっ!」キリッ
凛「μ's集合日の日程を決めてっ! LINEに流すにゃー!!」
185: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/25(日) 23:00:22.68 ID:NyJn+tAr.net
――数日後、穂乃果ちゃんの帰省



穂乃果「ふっひぃ! 東京の夏はあついぜー! あつがなついぜー!」
穂乃果「……ほんとにあづいよぉ」
穂乃果「まだかなー……」

にこ「と、いたいた」
にこ「はぁい、穂乃果ー! 北海道エンジョイしてるぅー?」

穂乃果「おー! にこちゃんー! にこちゃんめっちゃ久しぶりー! 1年ぶりくらい?」
穂乃果「ていうかめっちゃ可愛くなったね! さすがアイドルの卵っ」

にこ「まぁ? 元々の素材がぷりちーだったけど、それに大人の魅力も加わっちゃったっていうかー?」

穂乃果「大人の魅力はどうだろう(笑)」

にこ「うっさい! 背だって1cm伸びたんだからっ!」

穂乃果「ま、ま。せっかくだから喫茶店でも入ろう?」

にこ「はいはい。近場に美味しいエスプレッソを淹れる店があるから、そこにしましょ」

穂乃果「おぅ……にこちゃんが大人っぽい」
穂乃果「エスプレッソとか穂乃果人生始まってから5回くらいしか発声したことないよー」
188: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/25(日) 23:04:39.51 ID:NyJn+tAr.net
――喫茶店


穂乃果「いやーしかし東京の夏は地獄ですなー」ダラダラ

にこ「1年以上経った今でも、あんたが北海道行ったっての信じられないわ」
にこ「絶対東京に残ると思ってたもの」

穂乃果「まあほら、家業を継いでずっと東京にいることを考えたらさ、人生で一度くらい、誰も知り合いのいない土地に行くのもいいかなって」
穂乃果「それに、食べ物の美味しい土地で、色々勉強できることもあるかなって」

にこ「……すこーし太った?」

穂乃果「ん、どうかなー。あ、でも少し胸は大きくなったかも」ニシシ

にこ「うらやましい、じゃなくて殴りたい」

穂乃果「いやー、穂乃果しょっちゅうパンがうまいパンがうまいって言ってきたけどね、北海道のパンすごいね!」
穂乃果「パン食べて泣いたのはじめてだよ!」

にこ「感動しすぎでしょ! ていうか北海道なんだからもっとこう、ジンギスカンとかそういう方向あるでしょ」

穂乃果「いやーあはは。まあ何でも美味しいよー」

にこ「……ま。元気そうで何よりよ」
にこ「で、何でにこを呼び出し? 愛の告白?」

穂乃果「いやーそういうわけじゃ全然ないけど」

にこ「分かってるわよ! 真面目に答えないでよ!」
にこ「……ま、なんとなーくは察しがつくけどね」

穂乃果「……海未ちゃんのことなんだけどね」
190: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/25(日) 23:18:05.11 ID:NyJn+tAr.net
にこ「……まー、そうよね」

穂乃果「誰に相談しようかなって思って、にこちゃんが最初に浮かんだんだ」
穂乃果「それで呼び出しちゃった。忙しかったら、ごめんね」

にこ「……光栄ね。大丈夫よ、試験も、たぶん、たぶん、……たぶん乗り切ったし、レッスンも今はお休み」

穂乃果「めっちゃたぶんだね……穂乃果は大丈夫かなぁ」

にこ「ま。それで?」

穂乃果「……長いこと海未ちゃんと友達をやってるけど、こんなに長いこと会ってないの、はじめてなんだ」
穂乃果「正直、いつも穂乃果はノーテンキで、海未ちゃんに迷惑ばっかりかけてきたけど」
穂乃果「海未ちゃんと連絡しても会えなくて、避けられてる、って感じて」

にこ「うん」

穂乃果「昔の穂乃果だったら、それでも、わー! って海未ちゃんのところに押しかけてたと思うんだ」
穂乃果「でも、今それをしたら、海未ちゃんは、嫌な気分になっちゃうんじゃないか、って思って」
穂乃果「今度みんなで集まるとき、海未ちゃんも来るって聞いてる、けど」
穂乃果「どういう風にしたらいいのか、分かんなくて」

にこ「……なんていうか」
にこ「穂乃果も、大人になったんだなー、って今しみじみ思ったわ」
にこ「あの何も考えないエネルギーの塊みたいだった穂乃果にも、ハンドルを握る技術が身についたのね……」

穂乃果「も、もう! 真面目な話してるのにー!」

にこ「さて、穂乃果。ここでひとつ想像しなさい」

穂乃果「え?」
191: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/25(日) 23:30:34.83 ID:NyJn+tAr.net
にこ「仮にあんたと海未の立場が逆だったとして――」
にこ「多分、あんたもあんまり海未と顔を合わせたくないわよね?」

穂乃果「……うん」

にこ「でも、じゃああんたは、海未と絶対会いたくない、会ったら嫌な気分になる、とか」
にこ「そういう風に思う?」

穂乃果「……分かんないよ」
穂乃果「穂乃果は、そんなこと思わないけど、海未ちゃんは、違うかもしれないよ」

にこ「はい、穂乃果はやっぱりおバカ」
にこ「海未だって会いたいに決まってんじゃない、友達よ」

穂乃果「でも、でも、避けられてて、」

にこ「そりゃあ海未だって、情けない自分を見られたくないっていうプライドはあるだろうけど」
にこ「プライドなんて犬にでも食わせりゃいいのよ」

穂乃果「……」

にこ「海未だって、そうやってプライドを持ってる自分を嫌だって思ってるに決まってる」

穂乃果「……そう、なのかな」

にこ「あんたが何も考えずにμ'sを作って、にこたちを巻き込んで、最後まで突っ走ったみたいに」
にこ「大人な自分を捨てて、ハンドル握るのやめて、海未のところに突っ込みなさい」
にこ「そういう力、あんたは持ってるわ」

穂乃果「……にこちゃん」

にこ「……なんちゃってっ!」///
にこ「ま、真面目に語っちゃったわ……これはー、穂乃果の中での矢澤株が急上昇しちゃう感じー?」ニコッ

穂乃果「……えへへ」
穂乃果「穂乃果の中でのにこちゃん株はとっくにストップ高だよっ!」

にこ「ふ、ふん! もっとローソク足を伸ばしたっていいのよっ!」///
193: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/25(日) 23:44:28.83 ID:NyJn+tAr.net
――夕方



にこ「んじゃね、穂乃果。来週集まるのを楽しみにしてるわよ」

穂乃果「うん、にこちゃんありがとうね!」

にこ「……まったく。μ'sやってる頃は全然にこに頼ってこなかったくせにー」

穂乃果「えー? 結構頼ってたと思うけどなー」

にこ「どちらかっていうと、そうね、にこが頼ることの方が多かったわよー」
にこ「ま、穂乃果も成人間近で、やっと大人になったってことなのね。大人にならないと分からない頼りがいって感じ?」

穂乃果「っていうか、そっか」
穂乃果「にこちゃん、成人したんだよね」シミジミ

にこ「何よ! 先月21歳になったわよぉ!」

穂乃果「いやー、なんかしみじみしますなー、お誕生日おめでと! 直接言ってなかったねっ!」
穂乃果「アイドル活動、頑張ってね、穂乃果めっちゃ応援してるからねっ!」

にこ「――あんたは、もう」
にこ「……」
にこ「ごめん。あーいや、スクールアイドル引退したあんたに今更言うのもなんだけどさ」
にこ「もしも、一緒にアイドルやるとしたら、にこは」


穂乃果「ん? 穂乃果? え、別に辞めてないよー、たまに歌って踊ってー、やってるよー!」
穂乃果「カレッジアイドル? ユニバーシティーアイドル? になるの?」
穂乃果「へへー、最近は結構お客さんも増えてて」エッヘン


にこ「……」
にこ「続けてんのかい!」

穂乃果「だって歌うのも踊るのも好きだしねー! やってるの全部μ'sの曲だけどねっ! 真姫ちゃん海未ちゃんには無許可っ!」

にこ「はぁ……」
にこ「……そっか」
にこ「もしかしたらどこぞのローカルアイドルみたく、あんたが目に留まって、メジャーデビューしたりすることもあるのかしら」

穂乃果「それはどうかなー」アハハ
211: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/26(月) 16:48:44.45 ID:Ig3a3xD2.net
――8月、ことりちゃんも帰還した編 (※安価だけ投げて、のちのちゆっくり考えます)



ことり「海未ちゃんを懲らしめたいと思います」キリリンッ

花陽「ことりちゃん!?」オロローン

真姫「……ことりまでアホの子に」

希「ふむ、続けて」


ことり「えーまずは、真姫ちゃん、かよちゃん、希ちゃん、よくことりの召集に応じてくれましたっ」
ことり「……お久し振り、ですっ」

花陽「えーと、うん、まあ、ツッコミはおいといて」
花陽「久しぶりっ、ことりちゃん」

ことり「あーもー、相変わらずかよちゃんはかわいいなあ。すっごいオシャレになったよねー」

花陽「えへへー、そうかなー、ことりちゃんに言われるとちょっと自信出ちゃうよ」///

ことり「……もしかして彼氏できて、大人になったとか、そういうやつ? そんなのことりお姉ちゃん絶対許さないし下手したら○しちゃうけど」

花陽「ひぇえ!?」

真姫「あーその辺は大丈夫。変な虫がつかないように私が見張ってるから」

ことり「そっかそっかー」
ことり「んふうー、真姫ちゃんもすっごい美人になったねー。色々無茶なコーデしてあげたいなー。ところで真姫ちゃんも彼氏」

真姫「いないわよ! 勉強勉強でそんな暇ないし、大体男とか興味ないから!」

ことり「ふむ、なるほどなるほど、いいことです」
213: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/26(月) 16:55:28.68 ID:Ig3a3xD2.net
ことり「希ちゃんは……もうなんか大人の色香プンプンだねえ。セクシー罪で逮捕だね。ところで希ちゃn」

希「いるで」

ことり「そっかー。そうだよねみんな彼氏いな」
ことり「えっ」

希「いるで」キリッ

真姫「えっ」

花陽「うわあ、希ちゃん大人だー」///
花陽「ど、どんな人? かっこいいの? 優しい人? どんなところを好きになったのっ!?」


希「……ごめん、ちょっと嘘吐いてみた」シュン

花陽「な、なーんだ」

ことまき「び、びっくりした」

希「いやー、ウチは女子大やし、合コンなんかも縁なかったしなー……」
希「あ、でもμ'sやってたってことで、なんか妙に女の子にはモテたで! 入れ食いやったで!」

ことまき「!?」

花陽「女の子をっ!? ええええええ!?」


希「ごめん……入れ食いも嘘や……有名人やったんはほんとやけど、無理やそんなん」シュン
希「まー、大学で出来た友達と遊んだり、にこっちやエリチと遊んだりで、寂しいもんやね」

ことり「まったくー、希ちゃん、心臓に悪いから嘘はやめてくださいっ!」

真姫「……まあ、花陽と一緒にいると、μ's応援してましたー、的なこと言われること、結構あるわよね」

花陽「なかなか照れ臭いものだよね……」


ことり「ま、それはさておき」
ことり「まあことりはいいとして、穂乃果ちゃんを1年以上避け続けるという、実にひどいことをしてる海未ちゃんを、懲らしめる会です」

花陽「海未ちゃんを懲らしめるって……」

真姫「一体何を考えているの、ことり……」
214: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/26(月) 17:06:35.46 ID:Ig3a3xD2.net
ことり「ことりはもう穂乃果ちゃんや海未ちゃんとはなっがーい付き合いだし、海未ちゃんが逃げ回る理由もよくわかります」

希「うん、まあ、せやな」

ことり「大方、情けない自分を見られたくないとか、そういうことを考えてるんだろうなーと」
ことり「真面目で、何でも出来る海未ちゃん。そういうイメージを崩したくないとか思ってるんだろうけど」
ことり「海未ちゃんは、ことりたちが『完璧な海未ちゃんであってほしい』と思っている、と勘違いしているの」

真姫「……ふむ」

ことり「ぜーんぜんそんなことないのにね! 完璧な海未ちゃんも、そうでない海未ちゃんも、大好きなんだよ! ことりたちは!」

花陽(……本当に仲がいいんだねえ)シミジミ

ことり「それはそれとして、まあそういう勘違いの元、穂乃果ちゃんの心を痛ませている海未ちゃんに、おしおきをします」
ことり「分かっていると思いますが、かよちゃん、真姫ちゃん、希ちゃん」

希「わかってるで。ウチらが協力して、海未ちゃんをドッキリにハメる、ってことやろ?」キリッ

まきぱな「巻き込まれたぁっ!?」

ことり「凛ちゃんと絵里ちゃんは、海未ちゃんと一緒にいることが多いからメンバーから除外。穂乃果ちゃんは巻き込めない」
ことり「にこちゃんは不確定情報ながら穂乃果ちゃんと会ってたらしいので、念のため除外、ですっ!」

ことり「……まー、どうするかは全然考えてないんだけどねー。今度みんなで集まるときに何かサプライズするくらいかと思ってるけど」

真姫「案なしっ!? 行き当たりばったりすぎるわよっ!」

希「――そこを考えるのが、ウチらの頭脳、ってわけやな。ええで、ウチのリリーホワイトで磨いたイタズラ精神で考えるわ」


希「>>219や。これしかないやつや」
219: 名無しで叶える物語(しまむら)@\(^o^)/ 2015/01/26(月) 17:32:02.00 ID:J8TAG/i+.net
偽のサマーセミナードッキリ
225: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/26(月) 19:26:34.47 ID:Ig3a3xD2.net
――決行日までにあったこと


絵里「やっほー希ー久しぶりー! 3日ぶりくらいー?」

希「全然久しぶりちゃうわ! ホンマに勉強してるんか! ええ加減今年は受かりーや!」
希「……はぁ、ホンマに大丈夫なんかな」

絵里「……わかってるわよう」シュン

希「大体、エリチも海未ちゃんも、模試では全国2桁とかなんやろ? いくら志望が志望とはいえ、何があかんかったんよ」

絵里「……メンタル」シュン

希「精神論やめーや!」

絵里「……私は国語で、海未は数学ね。数学0点だったかも、だって」

希「……数学難しかったん?」

絵里「私もあんまり出来なかったけど。海未は苦手の複素数平面で難問に引っかかって、って言ってたわ」
絵里「私も、しっかり対策しないとねえ」

希「そうなんかー」メモメモ



凛「ふふー、かよちんとデートにゃー」ワクテカー

花陽「えへへ、東京でデートは久しぶりだねー」///

凛「まー来週みんなで集まったら、そこから模試ラッシュだにゃ……」
凛「夏期講習入れなかった分、頑張らないと」

花陽「ふふ、頑張ってね」
花陽「絵里ちゃんと海未ちゃんも模試ラッシュなのかな」

凛「んー、どうなんだろ……」
凛「あ、聞いてよかよちん、海未ちゃんったらみんなが集まるタイミングで夏期講習入れようとしたんだよ!?」
凛「まったくもー、子供みたいだにゃー! 逃げる口実作ろうとしてー!」

花陽「へー」メモメモ
228: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/26(月) 19:45:48.42 ID:Ig3a3xD2.net
あ、今調べたら複素数平面もう数学IIBにないのか…(おっさん露呈)

>>225
×複素数平面
○空間ベクトル

ということでお願いします(失礼しました
227: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/26(月) 19:34:16.17 ID:Ig3a3xD2.net
>>226
ツッコミ空気ということでご容赦を、気をつけますっ



真姫「……確かにうちで持ってるマンションに、空き部屋が一室あるわ」
真姫「ちょうど小さな教室くらいの広さはある、あるわ」
真姫「あるけどぉ! そんな大掛かりにセットを作るのっ!?」

ことり「真姫ちゃん。昔の偉い人は言いました」
ことり「本気でやるから、ドッキリは楽しい」

真姫「誰の名言よー!」
真姫「もぉ……仕方ないわね……」

ことり「えへへー、真姫ちゃんなんだかんだでお願い聞いてくれて、ことり大好きだよぉ」

真姫「も、もぉ」///


ことり「……もしかしたらね、この準備とか、完全に無駄になるかもしれない」

真姫「え?」

ことり「……ほんとはね、なってくれたら、それが一番いいかも、なんだけどね」
ことり「もしそうなったら、そのときはお詫びに、真姫ちゃんが欲しいと思う服、何でも無料で作るよ」

真姫「え」

ことり「イタリア仕込みのすっごいの、作ってあげるよ! ……まだまだ技術はダメだけどね」エヘヘ

真姫「……ふふ。まあ、良く分からないけど。そうなったら、楽しみにしてるわ」
真姫「ことりの服、プロが作ったみたいに着心地がいいし、かわいいから」

ことり「もー、そんなに褒められたら普通に1着プレゼントしたくなっちゃうー」


ことり「あ、園田さんのお宅ですか? あ、お久しぶりです、南です!」
ことり「はい、ことりです! はい、1年の交換留学で、休みになって帰ってきたところで」
ことり「海未ちゃんは。はい、外出されてますか。はい」
229: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/26(月) 19:49:18.50 ID:Ig3a3xD2.net
――夜


海未「ただいま帰りました」

園田母「お帰りなさい、海未さん」
園田母「あ、そういえば夏期講習のご案内が来ていますよ」

海未「え?」

園田母「8月○日に、無料講習があるそうですよ。せっかくですから、ご覧になってはいかがです?」

海未「……その日は」

海未(みんなで集まる日、ですね)

園田母「何か予定があるのですか?」
園田母「まあ、ご案内のチラシが来ていますから、一度ご覧になってはいかがですか」

海未「はぁ……」チラ
海未「!」


≪夏の数学特効セミナー! 空間ベクトルの難問を中心とした苦手克服コース!≫


海未「……空間ベクトル」ウッ
海未「ああ……トラウマ、トラウマです……」ウウ
海未「ああ、うう、これは……」


海未「そう、ですよね」
海未「私は、今、受験生なんです。受験勉強を、優先、しなくては……」
230: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/26(月) 20:02:45.60 ID:Ig3a3xD2.net
園田母「先着とのことでしたので、私のほうで申し込みしておきましたが、キャンセルは出来るということです」
園田母「海未さん、どうされますか?」

海未「……はい、大丈夫です。しっかり勉強してきます」

園田母「……そうですか」



ことり「……ふふふ。海未ちゃんはまさか、ことりと海未ちゃんのお母さんが通じているとは思うまい」フヒヒ
ことり「と、いうわけで。本当に遺憾ながら、海未ちゃんはことりたちのドッキリに引っかかるルートを選んでしまいました」
ことり「もー、ほんとに海未ちゃんはもー!」

真姫「思うんだけど、やっぱり絶対バレると思うのよね」
真姫「ウィッグつけて、メガネつけて、ぱっと見はバレないかもしれないけど」
真姫「流石に声とか、そういうのでバレるんじゃないかしら」

花陽「大丈夫だよ、真姫ちゃん! もうどこから見てもデキる女教師、って感じだよ!」

希「花陽ちゃんもいい感じやん。ぐるぐるめがねに男モノの学生服、どっから見ても受験生だよ」

花陽「男の子をやるなんて……えー、ごほんごほん……ぼく、ぼくは、大泉草太郎です……なんちゃって」
花陽「……希ちゃんもなんか面白い髪型だね」

希「ワイは北大路や、関西生まれの東京育ちやで」

真姫「あんたら、意外とノリノリね……」
232: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/26(月) 20:18:51.93 ID:Ig3a3xD2.net
――エセ夏期講習の開催日


海未(……本当に、私はダメな女です)
海未(絵里にあんな風に言われて、それでも、逃げ道が出来たら、逃げて)
海未(きっとみんな、私のことを軽蔑しているに決まっていて――)
海未(……今からでも)

女講師「えーごほんごほん、それでは、夏の数学特効セミナーを始めます」
女講師「講義を担当するのは、えーと、わたくし、西川です」

海未「……」

海未(……いいんです、これで。私が次に穂乃果たちに会うのは、大学に合格して、胸を張って会えるとき)

北大路「なんや姉ちゃん、暗い顔しとるなー」

海未「は、はあ。……ん?」

北大路「なんやー? ワイの顔誰かに似とるけん?」
北大路「なんつってなー! ナンパの常套句じゃけえ、それ」

海未「……あ、いえ。すいません」

海未(大きなサングラスで顔が見えませんが……どこかで聞いた声の気がします)

北大路「……ま、なんや。お互い頑張ろうや」

海未「は、はぁ」


女講師「であるからして、ここでは補助線を引き、半円上にある線分PQについて――」

大泉「……」カリカリ
大泉(真姫ちゃん、やっぱり教えるのうまいなあ)

北大路「……」カリカリ
北大路(あかんさっぱりわからん。3年前のウチの頭脳はいったいどこに消えてしまったんやろ)

海未「……」
海未(はぁ……さっぱり集中できません)
海未(……こんなことなら、やっぱり)

女講師「――それでは、少し休憩に入るわよ、……入ります」
233: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/26(月) 20:35:06.86 ID:Ig3a3xD2.net
大泉「……大丈夫ですか、少し気分が悪そうですが」(※かよちん渾身のショタボイスで再生ください)

海未「あ、いえ、大丈夫、です」

大泉「そういう風には、見えないですよ。なにか、ひどく気がかりなことがありそうな顔をしています」(※)

海未(女の子みたいな声ですね、この人。……んん、何か違和感がありますが)

海未「いえ、お気になさらず」

大泉「えっと、その、ぼくはそういう、困った顔をした女の子を見ると、どうしても気になってしまうタチで」(※)
大泉「行きずりのぼくですから、話してみては」(※)

海未(……不思議です。はじめて会った人なのに、どこか安心感があります)
海未(男の人は苦手なはず、なんですが――)

海未「……実は、今日、別の約束があったんです。高校時代の、とても大切な友人との約束でした」
海未「それを断って、こちらに来ていて」

北大路「ほおん、そうなんか」
北大路「おっまそれはあかんぜよ? 何で断ってん。友達も心配しとるやろ?」

海未「え、あの」
海未「……その。合わせる顔がないというか」

大泉「合わせる顔がない、とは。友人の方だって、貴女と会いたいと思っていたでしょうに」(※)

北大路「せやぞせやぞ。なんや、こんな講義抜け出して盗んだバイクで走りだしゃよかあ」

海未「……いえ、これ以上は。ともかく、勉強に集中したいと」
海未「講義が再開されるようですね。では」


大泉(……やっぱり、海未ちゃんも)アイコンタクトー

北大路(うん、そうやなー。ったくもう、手間のかかる後輩やんな)アイコンタクトー
234: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/26(月) 20:48:01.61 ID:Ig3a3xD2.net
女講師「それでは、数学はこれにて終わりです。少しだけのおまけになりますが、英作文の授業に入ります」

海未(あれ、英作文講座もやるんですか?)
海未(英作文は別に苦手な方ではないのですが――)
海未(いえ、やめましょう。最後まで受けていきましょう)


男講師「Hello! 英作文講師の、南光太郎です」(※ことりちゃん渾身のイケボで再生ください)

海未「……んん?」

男講師「本日は、実践的な英作文問題に取り組んでいただきます」(※)

海未「……んんん?」

男講師「3題ほど、長文の英訳をしてもらいます。各自真剣に取り組むように」(※)

海未「……んんんん?」

男講師(!)
男講師(……希ちゃん、かよちゃんっ!)アイコンタクトー

北大路「お、おお? えーと、なんやあの先生、めっちゃかっこええやんけ! ツバつけとこかツバ!」
北大路「光太郎さん、終わったらワイとランデブーいくだぎゃー?」

大泉「ほほほ、本当ですね、ぼくも男ですが、あんな風になってみたいですね」(※)

男講師「はは、大人をからかうのはやめなさい」(※)

海未(……んんんんん?)

海未「……い、いや、気にせず勉強しましょう、そうしましょう……」
235: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/26(月) 20:57:47.01 ID:Ig3a3xD2.net
海未「さて、問題は……」


題1
 昔からの友人との約束を断り、私は一人家に残っていた。永らく友人の顔を見ていないが、果たして彼らは元気だろうか。
 連絡をしようと考えたこともあるが、今私は、彼らに会うべきではないと考えている。


海未「……」
海未「はは……まるで私みたいな」


題2
 彼女は、叫ぶような声で言った。「私は、あなたに考えがあることを理解しているつもりだけど、それでもあなたに会いたいの」
 彼女は悲痛そうな表情で訴えかけてきて、それを聞いたトムは、言葉を失って目を伏せた。
 トムは、強い後ろめたさを感じ、やがてゆっくりと振り向いた。


海未「……」
海未「なんでしょうね、この問題は……」
236: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/26(月) 21:06:16.26 ID:Ig3a3xD2.net
題3
 いい加減気付いてもいいんじゃないかなー、海未ちゃん。


海未「……」
海未「!?」

ことり「……ふふーん」ギュッ

海未「ここここことり!?」

希「ドッキリー」

花陽「大成功ー」

真姫「ばんざーい!」

海未「は、え? えええええ?」

ことり「はい、海未ちゃん捕獲、です!」
ことり「……逃がさないからねー?」エヘヘ

海未「え、あれ、えええ? ど、どういうことです? え?」

真姫「まったくー、意外とバレないもんね」
真姫「アレかしら、私家庭教師とか向いてるかしら。せっかくだし始めてみようかしら」

花陽「ね、ね、わたしの男の子声どうだった? すっごい頑張って男の子声やったよ!」

希「いやー、ただの女の子だったかなー」

花陽「そんなー!」ガビーン

希「うちの渾身のエセ関西弁は……」
希「うん聞かんでも分かってる」


海未「ちょ、ちょっと、説明してくださいよ!」
238: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/26(月) 21:15:14.56 ID:Ig3a3xD2.net
ことり「説明するも何もないよ! なに? 言い訳つけて、またことりや、穂乃果ちゃんから逃げようとして」

海未「……それは」
海未「い、いえ、それとこれとは話が別でしょう! な、なんですか、騙すような真似を……」

ことり「うん、まあ、騙したのは、海未ちゃんへの懲らしめというやつだね」

海未「懲らしめ、って!」

ことり「……1年以上、穂乃果ちゃんと、あとついでに、ことりを避けてきたた海未ちゃんへの、罰」

海未「それ、は……」

ことり「ことりも、穂乃果ちゃんも、会いたかったんだよ、ずっと。連絡しても居留守使われて、メールだって殆ど返してくれなくて」
ことり「海未ちゃんだって複雑な気持ちだったのは分かるよ? 分かるけど、1年って、長すぎるよ」
ことり「どれだけ寂しかったと思ってるの?」

海未「……ことり」

ことり「海未ちゃんと、会いたかったんだよ、その英作文の題2、みたいに」

海未「……」
海未「私だって、会いたかったですよう」グズッ
海未「ごめんなさい……」グズッ

ことり「……えへへ」
ことり「それが聞けただけでも、まあ、いいかな」


真姫(すごいわね、ことり……ドッキリしかけた側なのに)

花陽(謝らせたよっ!!)

希(話めっちゃすり替えてるやん! 怖いやん!)
239: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/26(月) 21:27:22.32 ID:Ig3a3xD2.net
ことり「さー、もう逃がさない、からね」
ことり「穂乃果ちゃんたちのところ、行こう?」

海未「……ことり」

ことり「なに?」

海未「言っていませんでした。お久し振り、です」
海未「元気そうで、何よりです」

ことり「っ!」///
ことり「も、もう! 不意打ち禁止だよっ!」///

海未「ふふ」
海未「……こんな情けないままで、穂乃果やことりに会うなんて、と思っていましたが」
海未「やっぱり、会えると、すごく嬉しい、です」

ことり「……海未ちゃんはさ、完璧主義者で、何でも出来る自分じゃなきゃダメ、って思ってるかもだけど」

海未「……はい、そうですね」

ことり「ことりはね、そうじゃない海未ちゃんのことも、大好きなんだからね」
ことり「だから、辛かったり、悲しかったりするときは、いつでも穂乃果ちゃんやことりを頼っていいんだよ」
ことり「ことりが辛いとき、いつも海未ちゃんが助けてくれたみたいに、ことりだって海未ちゃんを助けたいんだよ」

海未「……ありがとうございます、ことり」


花陽「……よかったね」グズッ

真姫「もらい泣きしてるんじゃないわよ」
真姫「……うん、でも、良かった」

希「……こうでないとなー、μ'sは」


海未「それはそれとして、ドッキリ企画に参加した、そこの3人」

のんまきぱな「はいっ!?」

海未「……ふふ、覚悟はできてますね?」ニコッ

のんまきぱな「ひいっ!」

海未「……なんちゃって。不肖園田、ご迷惑をおかけしました」
海未「……行きましょうか。9人で、久しぶりに会いましょう」
240: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/26(月) 21:30:12.21 ID:Ig3a3xD2.net
海未(そのまま、私と、ことりと、ドッキリ3人組で、約束の場所に向かいました)
海未(やはり、少しだけ、躊躇う気持ちはありましたが――」

穂乃果「っ!!」

海未「!」

穂乃果「うっみちゃああああああん!」

海未(……この笑顔を、1年以上遠ざけていたのが、本当にバカみたいで)
海未(――弱いところ、穂乃果たち、仲間には、見せてもいいんだって、改めて思いました)
241: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/26(月) 21:41:05.70 ID:Ig3a3xD2.net
にこ「やだー真姫ちゃんめっちゃひさびさー、相変わらずツンケンしてるー」

真姫「あーはいはい久しぶり。相変わらずにこちゃんは小さいわねー」

にこ「う、うるさいなー! 1cm伸びたんだからね! もう凛と同じ背なんだから!」

凛「凛も1cm伸びてるから、やっぱりμ's最小はにこちゃんだにゃー」


花陽「絵里ちゃん、お久し振りっ! 凛ちゃん迷惑かけてない?」

絵里「大丈夫よ花陽。花陽は綺麗になったわねえ」
絵里「真姫のところに通い妻してるんだって? いいなー、エリチカも花陽のご飯食べたいなー」

ことり「通い妻かよちゃんとかすごく蠱惑的な響きがするね」///

希「ことりちゃんの発想おかしい」


海未「穂乃果、その」
海未「すいませんでした」

穂乃果「……いいよ、うん。こうしてまた海未ちゃんと会えて、穂乃果は嬉しいよ」
穂乃果「でも、今年はちゃんと合格してよね!」

海未「うぐっ」
海未「……分かってますよ。ちゃんと頑張ってますから」

穂乃果「……いつでも電話ちょうだい。いっぱい、電話するから」

海未「……はい」

穂乃果「海未ちゃんとことりちゃんは、一生、穂乃果の友達、なんだから」



海未(久しぶりに集まった9人で、お互い思い思いのことを話しながら)
海未(あっという間に時間が過ぎていき――)
海未(別れた後も、胸の中が、とても暖かいままで)

海未(……明日からまた頑張ろう、という、その思いを、強くしたのでした)
242: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/26(月) 21:43:36.29 ID:Ig3a3xD2.net
――後日


花陽「ひゃあ……真姫ちゃんこれ着るのぉ!?」///

真姫「ことりぃ!!」


西木野マンションに、南ことりから、筆舌にしがたい、敢えて一言で言えば、隠してるところの方が少ない服が届いた。
269: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/27(火) 21:49:19.89 ID:6eHzungj.net
――9月、そうだったよね、そうだよね編(その1)


海未「凛は今頃オープンキャンパスですね」
海未「志望校、どうするんでしょうか」

絵里「それは凛が考えて決めること。漠然としていた自分の将来について、考えるべきは自分自身だから」

海未「……そうですね」
海未「いけませんね。凛はμ'sの妹分……いや、花陽の方が生まれたのは後、なんですが」
海未「年下の3人の中では、特に一緒にいることが多かった子なので、つい姉ぶってしまいますが」

絵里「そういうものよ。花陽と真姫を含めて、全員が凛を妹みたいに思っているところはあるから」

海未「ふふ、以前凛から聞いた話では、花陽も凛の姉をやったことがあるらしいですよ」

絵里「ほんとは花陽は末っ子なんだけどねぇ……」

海未「……」
海未「絵里。何か悩みでもあるのですか?」

絵里「……貴女、よく出来る妹分ね。顔に出てたかしら?」

海未「ええ、まあ」


絵里「ずっと――ずっとね、考えないようにしていたことがあるの」

海未「……と、言いますと」

絵里「もしかすると、貴女も気付いていないふりをしていることで――」
絵里「でも、つい昨日。嫌でも思い知らされたの」

海未「……」
海未「……!!」

絵里「海未」

海未「……絵里、貴女」

絵里「……ふふ」


絵里「エリチカ、亜里沙と、同学年になるかもしれないのね」ドヨヨヨーン

海未「考えてないフリしてたんですかっ!! 即気付いくところでしょうそこはっ!!」
272: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/27(火) 21:57:47.45 ID:6eHzungj.net
――前日、絢瀬家


絵里「亜里沙」

亜里沙「何、お姉ちゃん?」

絵里「――もうすぐ、最終予選でしょう。見に行くから、頑張ってね」

亜里沙「……勉強はしなくていいの?」

絵里「大丈夫、ちゃんとやってるから。妹の晴れ舞台くらい見に行くに決まってるわよ」

亜里沙「……えへ」
亜里沙「海未さんも一緒に見に来てくれたらいいな」///

絵里「うん、誘って行くわ」

亜里沙「……1年前、部長たちのユニットと、今代のA-RISEに負けて、予選敗退しちゃって」
亜里沙「春のラブライブも、やっぱりA-RISEに負けちゃって」
亜里沙「でも、それから1年、やれることはやったと思うの」

絵里「うん」

亜里沙「亜里沙もユキホも、大会が終わったら勉強のために引退する、から」
亜里沙「これが最後のチャンス」

絵里「……」

絵里(あ、そっか……そうだった……亜里……沙も……じゅ……けん……せ……)
絵里(あ……あぁあ……ば……ばばばばば……ばばっばばばばっば)

絵里「……悔いの残らないように、やりなさい」

亜里沙「うん」
亜里沙「……お姉ちゃん、大会が終わったら、話があるの」

絵里「……うん、聞かせて」
絵里「今は、最後のステージに集中して」
273: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/27(火) 22:06:55.56 ID:6eHzungj.net
――現在


海未「……最後のラブライブ、ですか」

絵里「……遠い昔のようね、9人でステージに立って」

海未「まあそれは、絵里からしたら3年近く前ですからね」

絵里「くっやめて、時間の流れが残酷に感じる」
絵里「ま、まあ、そういうわけで、海未も一緒に行くわよね」

海未「――はい」

絵里「良かった。きっと亜里沙、喜ぶわよ」

海未「結局私たちと、雪穂と亜里沙が同じステージに立つことはありませんでしたが」
海未「アイドル研究部の、可愛い後輩たちですからね」

絵里「今ではアイドル研究部も30人近い大所帯なのよねー」

海未「まったく。にこが守ってきて、私たちが過ごした部、これからも末永く続いて欲しいものです」

絵里「……いい結果が残せるといいなー」
絵里「姉バカかもだけど、亜里沙すごく頑張ってたからねー」

海未「ええ――」
274: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/27(火) 22:19:35.46 ID:6eHzungj.net
――ラブライブ当日


絵里(亜里沙たちにとって、最後のラブライブ)
絵里(贔屓目があるかもしれないが、亜里沙と雪穂率いるユニットは、全国優勝を取ってもおかしくない)
絵里(当時の私たちに匹敵する――いや、もしかしたら上回っているかもしれない、というほど)
絵里(そんな高いレベルのダンスと歌、パフォーマンスだったと思う)

海未「――」

絵里「――」

絵里(それでも、届かなかった)


『東京予選の優勝は、UTX学園のA-RISEとなります!』


海未「……行きましょうか、後輩たちのところへ」

絵里「……ええ」


雪穂「ほら、泣かない! 私たちは最後まで全力でやった! 何も悔いを残さない最高のパフォーマンスだった!」
雪穂「それでダメなら、仕方ない!」

メンバーA「でも、雪穂先輩、私たち、ぜったい、先輩たちを……」

雪穂「……ありがと。あんたたちと歌って、踊れて、すごく楽しかったよ」

亜里沙「ゆ"ぎほ"~~~!」

雪穂「ええい、あんたも泣くのやめなよ! 部長なんだからしっかりしなさい!」
雪穂「……私たちは、A-RISEに及ばなかったけどさ。来年あんたたちが雪辱してくれるの、期待してるからさ!」

メンバーB「……せんぱいぃ~~~!」

亜里沙「ゆ"ぎほ"~~~!」

雪穂「ええい鬱陶しい!」


絵里「……雪穂ちゃんはしっかりしてるわねぇ」
絵里「穂乃果とは大違い……ってわけでもないか。なんだかんだで穂乃果もしっかりするところはしっかりしてたか」

海未「……そうです、ね」
275: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/27(火) 22:28:09.39 ID:6eHzungj.net
――トイレ。


雪穂「……っふー」
雪穂「……」グズッ

海未「雪穂」

雪穂「あ、あれ、海未さん?」グシグシッ
雪穂「み、見に来てくれてたんだ!」

海未「ええ。素晴らしいステージでした」

雪穂「……ま、届かなかったですけどね。くっそー、頑張ったんだけどなー!」
雪穂「まー、悔いはないです! やることはやりました!」

海未「……」

雪穂「思えば、お姉ちゃんがスクールアイドルやる、って聞いたときは、バッカじゃないの、って思ったもんでしたけど」
雪穂「こうして自分も最後まで突っ走っちゃって。いやー、人生分からないもんですね!」

海未「姉妹ですからね。そういうところは、良く似ています」
海未「……雪穂」

雪穂「は、はい?」

海未「穂乃果と、お腹の中からの幼馴染で、雪穂は私から見ても、妹みたいなもんです」

雪穂「……」

海未「リーダーとして、良く頑張りました。最後まで立派に、気丈でいました」
海未「でも、私の前でくらい、弱音を吐いてもいいですよ」

雪穂「……海未さん」
雪穂「――」グズッ

海未「雪穂」

雪穂「……なーんちゃって! やりませんよ!」

海未「さあ、姉の胸に、ってあれ?」

雪穂「だって――」
277: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/27(火) 22:35:43.89 ID:6eHzungj.net
――控え室の外


亜里沙「負けちゃったよ……悔しいよ、お姉ちゃん」

絵里「うん、うん」

亜里沙「でもね、悔しいけど、やることはやったって思ってるから」
亜里沙「もっと何か出来ることがあったんじゃないかとか、そういう後悔は、何もないの」

絵里「うん」

亜里沙「хорошоなステージになったと、思ってるから! お客さんの歓声、いっぱい耳に届いてたから!」
亜里沙「……最後だと思うと、すごく、すごく寂しいけど」

絵里「ええ。ハラショーなステージだったわ」

亜里沙「もう泣かないの!」

絵里「うん」



亜里沙「それでね、お姉ちゃん」

絵里「なに、亜里沙?」

亜里沙「亜里沙、お姉ちゃんに言うことがある、って言ってたよね?」

絵里「ええ、確かそんなことを言っていたわね」

亜里沙「えへへ。それじゃあ、宣言になります」
亜里沙「えっとね――」
278: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/27(火) 22:44:44.95 ID:6eHzungj.net
雪穂「海未さんと、同じところを受けるライバルなんだから」

亜里沙「お姉ちゃんと同じ大学を、受けますっ! お姉ちゃん、今日からライバルですっ!」


えりうみ「「!?」」


雪穂「さーそういうわけで、私たちはこれから必死に勉強して、海未さんたちを蹴落としますよ」
雪穂「こう見えて、私結構頭いいですからねー。とは言っても、全然まだまだですけど」

海未「え、ちょっと待ってください」
海未「ちょ、本気ですか!? 相当な難関ですよ!? 不肖、この園田が、その、……何回も、失敗してるような」

雪穂「もうライバルなんで口は利きませーん」エヘー
雪穂「……決めたんです、そうするって」

海未「ゆ、雪穂……?」


絵里「な、なななななんでそんなことを!? お姉ちゃん初耳よ!?」

亜里沙「えーとね、亜里沙ね、思ったんです」
亜里沙「そろそろ、お姉ちゃん越えをするべきときが来たんじゃないかなって」エヘヘ

絵里「え、ええええ、本気、本気なの、亜里沙!?」オロロロ

亜里沙「正直、今の成績じゃ全然届かない、雲の上みたいなところだよ」
亜里沙「でも、スクールアイドルで頑張って、頑張って、頑張ることの大切さを知ったから」
亜里沙「目標を決めて、頑張ろうと思ったんだ」

絵里「え、ええ……?」
282: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/27(火) 22:56:47.97 ID:6eHzungj.net
――帰り道


絵里「……」ドヨヨーン

海未「……何故そんなどんよりしてるんですか」

絵里「……」
絵里「もし、私が落ちて、亜里沙が受かったら……」ブルブル
絵里「……いや、やめましょう」ブルブル

海未「……しかし、二人とも、そんな風に考えていたとは」
海未「二人が、高い目標を持つこと自体はいいことなのですが」
海未「いったいどういう考えなのでしょうね」

絵里「……うん」

海未「絵里?」

絵里「……よっし!」ホホパーン
絵里「もしも、とか、そんなこと言ってられないわね」

海未「え、絵里?」

絵里「考えてもみなさい、海未!」
絵里「可愛い後輩が、私たちに挑戦状を叩きつけてきたのよ?」
絵里「このかしこいかわいい姉に対して、あのかわいい妹が!」

海未「……そう、ですね」

絵里「昔の偉い人はこう言ったわ。姉より優れた妹など存在しないと!」

海未「誰ですか!」

絵里「亜里沙に、姉のすごさを思い知らせてやるのよっ!」

海未「……はぁ」

海未「……確かに」
海未「受験生やってきた中で、一番、気合が入った感がありますが!」
284: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/27(火) 23:12:20.63 ID:6eHzungj.net
――帰り道(2)


雪穂「……宣言しちゃったねー」
雪穂「はー。負けて落ち込む間もなく、受験生だよ私たち」

亜里沙「うん……」
亜里沙「……言っちゃったね」

雪穂「ま、私も亜里沙も、正直今の成績じゃぜーんぜん届かないけどねー」
雪穂「ランク3つか4つ下げて、ギリギリってとこだよね、現実的には」

亜里沙「うう……」
亜里沙「亜里沙もお姉ちゃんみたく、すごく苦労しちゃうかな……」

雪穂「弱気にならない! 現役生は、浪人生よりも、夏からの伸びが圧倒的にすごいらしいんだから!」
雪穂「まあ……すっごく伸びたとしても、無理の方が圧倒的、だけど」ハァ


雪穂「大学入って何するか、何のために大学に入るか、なんて、入ってから考えればいいや、って思ってる」
雪穂「だから、ものすごく、ものすごーく不純な動機で、目標を決めた」

亜里沙「……うん」
亜里沙「ほんとのこと言ったら、そんなんで進路を決めないで、って、お姉ちゃんたちに怒られちゃうかも、だけど」


――私と海未ね、大学に入ったら二人でまたアイドルやるのよ。
――また、歌って踊りたいと思うの。


雪穂「……絵里さんと、海未さんと」

亜里沙「一緒にアイドルをやる……」

雪穂「……改めて口にすると、あまりにも不純すぎて悲しくなってきたね」ハァ

亜里沙「ほんとにね……」ハァ
285: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/27(火) 23:18:09.96 ID:6eHzungj.net
雪穂「さて、と。んじゃ、改めて」
雪穂「亜里沙。3年間、ありがとうね。亜里沙のおかげで、楽しかったよ」

亜里沙「こちらこそ! ユキホ、一緒にアイドルやってくれてありがとう!」
亜里沙「……後輩のみんなが、きっと次は、頑張ってくれるよね」

雪穂「……出たかったね、ラブライブ」

亜里沙「……うん」グジッ

雪穂「――ああ、もう。泣きそう」グズッ


雪穂「……明日から、頑張ろうね、勉強」

亜里沙「……うん、えーと、中学から合わせて……5年目も、よろしく、できますように!」

雪穂「うん。頑張ろう!」


亜里沙「あ、それから雪穂、昔の偉い人は言いました」

雪穂「……ん?」

亜里沙「明日から頑張る、じゃダメだよ。今日から頑張る、だよ!」

雪穂「あはは……手厳しいや。はいはい、今日から頑張ろうね?」
310: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 19:45:46.88 ID:9PJ+D0L4.net
――9月 モラトリアム編


凛(そもそも凛が、どうして大学を受けようと思ったのか、正直なところを話せば、周りに流された、というのが、本当だと思う)
凛(みんなが――主に、親友のかよちんと真姫ちゃんが、大学受験をするから、という、そんな、多分ふつーの女子高生らしい考え)
凛(けれども、かよちんと真姫ちゃんは、凛と違って、目標があっての進学だった)


凛(3年一緒にいたら、あんなにツンツンデレデレしてた真姫ちゃんも、凛とかよちんにだけは、何でも素直に話してくれるようになっていた)

真姫「私にとって、音楽は夢で、アイドルも夢。でも、同じくらいの大きさで、医者になることも夢だった」
真姫「だから、医学部を目指すのは、当然のことなの」
真姫「……私は、医者をやりながら、ピアノも続けたいと思う。アイドルは、どうかしらね。続けられるものなら続けたいわ」
真姫「私は欲張りだから。欲しいものは全部手に入れたい」
真姫「……はぁ。新ジャンルね。新ジャンル『医者アイドル』。白衣を着たアイドル。……いや、どうなのよそれ」ハァ

凛(悩んでいる凛に、かよちんは少し恥ずかしそうに、目標を話してくれた)

花陽「スクールアイドルとして、自分は華やかな舞台に立たせてもらえて、夢みたいだった。もし叶うなら、プロのアイドルだって目指したいって思ってたよ」
花陽「――にこちゃんがそうしてるように。わたしだって、その夢を目指したいって思ったこと、あるよ」
花陽「でもね、わたし、誰にも――凛ちゃんにも言ったことがなかったけど、こういう勉強をしたい、っていう夢もあったんだ」
花陽「……わたしって、食べるの大好き、だよね。でも、遺伝子組み換えがどうとか、危険な食べ物があるとか、そういうのニュースで見て」
花陽「食べ物を、ちゃんと勉強してみたいなって思ってたんだ」
花陽「あ、あとね。新ジャンルアイドル! 新ジャンル『研究者アイドル』とかもありかなって! フラスコ持ったアイドル! ……なんちゃって」エヘヘ

凛(凛は、どうなんだろう。真姫ちゃんやかよちんのように、何かを学びたい、という気持ちがあるわけじゃあない)
凛(なんとなく大人になって、なんとなく働いて――そんな風になるんじゃないかって、漠然としてるだけで)
凛(新ジャンルアイドルも思いつかないにゃあ……)
311: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 19:48:47.00 ID:9PJ+D0L4.net
凛「……」
凛「と、そんなモヤモヤした気持ちのまま、凛はオープンキャンパスにやってきたのだにゃ」

花陽「凛ちゃん?」

真姫「……何を言ってんの、凛」

凛「う、なんでもないよ」アセアセ

花陽「わたしたちはここまでだから。凛ちゃんがんばってね」

真姫「終わったら連絡ちょうだい、適当に花陽とブラブラしてるから」

凛「うん」

凛(ここは、もともとの志望校。真姫ちゃんとかよちんの大学と同じ町にあって、凛の頭で狙えそうなところだ)
凛(でも、そんな理由で決めていた大学で、本当にいいのだろうか)

凛「……」
凛「とりあえず、行こう」
312: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 19:51:52.72 ID:9PJ+D0L4.net
――オープンキャンパス、プログラム中


「本校は海外留学が盛んであり――」カクカク

凛「……」フムフム


「本学部の卒業生で、多くの方が各地で経営者として活躍して――」シカシカ

凛「……」フムフム


「本校には5つの食堂があり、特にこの中央食堂は評判が良く、塩ラーメンが人気メニューです」

凛「お昼はラーメンにするにゃあ!」


「それでは、吹奏楽部の生演奏です!」

凛「あれ、これA-RISEの曲……?」

ダンシンダンシンッ

凛「うーん、ダンシンダンシンがこんな風になるなんてすごいにゃあ、トランペットかっこいいかも」



凛「盛りだくさんだったなあ……」
凛「あとは自由時間、らしいけど……どうするかにゃあ」

凛(すごく、すごく率直に)
凛(正直に言えば、今のところ、凛が絶対この大学に行きたい、と思うような何かは、なかった)
凛(建物はすごく綺麗で、くるくるとキャンパスの中を回っていると色んなサークルが楽しそうに活動をしていて、雰囲気はすごくいいと思う)
凛(……でも、雰囲気の良さ、というそれだけで、将来を決めるというのは、おかしいんじゃないか、と思うのだ)
313: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 19:53:40.29 ID:9PJ+D0L4.net
凛「……もう、他のところのオープンキャンパスに行く時間はないんだよね」
凛「帰ったら、本格的に勉強漬けの毎日なんだ」
凛「どうしよう、かな」

凛(考えながら思い出すのは、去年の夏までの、スクールアイドルとして歌って踊って、みんなで楽しくいられた時間のことだった)
凛(苦しいくらいの練習をこなしながら、ひとつひとつ出来ることを増やしていって)
凛(サイリウムの海を眩しげに見ながら、ステージでパフォーマンスをする、充実感に溢れた毎日)

凛「……」

凛(かよちんの背中を押して、その流れでなんとなく自分もスクールアイドルになって)
凛(でも、スクールアイドルを続ける中で、みんなに支えられて、凛は変わったと思っていた)

凛「……楽しかったな」

凛(でも、あの入部のときから、結局何も変わっていないかも知れない、と思う)
凛(結局、主体的な何かがあるわけじゃない今の自分は、何も成長していないのかもしれない)

凛「……だめだよ、こんなんじゃ」
314: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 19:58:29.61 ID:9PJ+D0L4.net
prrr....


凛「……ん? あれ、電話?」

凛(そんな風に思っていたとき、だった)

prrr...


凛「あれ、希ちゃん? なんだろ、珍しい」
凛「もしもし? 希ちゃん?」

希『……いいか、よく聞け』
希『花陽ちゃんは預かっている……』

凛「……は?」

希『返して欲しければ、こちらの要求を呑むんだ』

凛「……なんかすっごいデジャヴが訪れてるよっ!」
凛「こんなやり取りを! かつて! 真姫ちゃんのハウスでやった気がするよっ!!」

希『ふふふ……よく覚えているな、凛二等兵』
希『貴様が我が軍を裏切って、矢澤軍に投降したあの日! 必ずやウチの手で仕留めてみせると決意をだな』

凛「裏切った覚えないよっ! 希隊長と凛二等兵はエターナルだよ!」

希『言い訳はいい! ともかく花陽ちゃんは預かっている……声を聞かせてやろう』

凛「えっ」

希『ダレカタスケテー』

凛「えっ」
315: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 20:01:56.74 ID:9PJ+D0L4.net
凛「……」

希『……』

凛「……」

希『……聞こえなかったか。仕方がないな、もう一度だ……えー、ごほんごほん』
希『ダレカタスケテー』

凛「えっ」

希『……』
希『きこえなか 凛「3回はくどいよっ! あと全然似てないよ!」

希「うん、ウチも流石にそう思った」ヒョッコリ

凛「うわああああっ!!」


希「やあやあ、凛二等兵。一ヶ月ぶりやねー」
凛「おーオシャレしちゃってー。気合入ってるなー、可愛いなあ」

凛「ののの希ちゃんっ!? ええええええ!?」
凛「え、な、なんで!? ここ数ヶ月で一番のびっくりだよっ!?」

希「あはは、びっくりどっきり大成功や」
希「……ところで花陽ちゃんの真似、似てなかった?」

凛「う、うん。全然。思わず真顔になるくらい」

希「そっかあ」シュン
316: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 20:05:27.59 ID:9PJ+D0L4.net
凛「でも、なんでここにいるの? 希ちゃん大学東京だよね?」

希「ふふふ、のんちゃんは凛ちゃんの現れるところになら、いつだってひょっこり現れるものなのだ」

凛「いやいや、無理があるよ!」

希「……というのは、まあ冗談。実は、偶然やけど……ウチの所属するサークルと、この大学の同系サークル、交流があるんよ」
希「そいで、先月会ったとき、オープンキャンパスで凛ちゃんがこの大学見に来るって聞いたんで、そのタイミングに合わせて、交流会をセッティングしたんや」

凛「そうだったの……って、そんなセッティングできるもんなの!?」

希「まあなんだかんだ、ウチ2年のとき部長やったからね。引退した今も、サークルの実権的なものをね」

凛「恐ろしいにゃあ……」
凛「ところで何のサークルなの?」

希「……」

凛「何で黙るのっ!?」

希「まあまあ」アハハ

凛「う、気になるよ……」
凛「ていうか、別に会うだけなら東京で会えばいいんじゃないかな……」

希「そう思うやん?」
希「でも、凛ちゃんが一番ビックリするタイミングどこかなーって思ったら、ここしかないやん! って」

凛「うん、すごくびっくりしたけどさ……」

希「あとは、まあ、そうやね」


希「先月会ったとき、進路悩んでる、って話してたやん?」

凛「う、うん」

希「……まー、それで。たぶん、μ'sのメンバーの中で――いちばん凛ちゃんと近い、そんなウチからできるアドバイスがあるかな、思ってな?」


凛「え?」

希「ま、ま。ちょっと歩こか?」
317: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 20:07:59.07 ID:9PJ+D0L4.net
――ブラブラと。


希「……綺麗な大学やろ? ウチんとこと比べても羨ましいくらいに綺麗でなー」
希「サテライト教室も見学した?」

凛「うん。別の大学の講義が見られるんだってね。でもあれ、大丈夫なのかな」
凛「モニターの向こうの先生って、こっちの様子って見られるものなの? 居眠りとかしてても注意とか出来なさそうだよね」

希「凛ちゃんがすごい真面目なこと言ってて、のんちゃんちょっと感激です」
希「まあ相手側からも見えるけど、大体は多地点会議なんよね。ナントカ大学での講義を、幾つかの提携してる大学に流してる、みたいな」
希「だから、居眠りしてる学生への注意とかは、あんまりないんちゃうんかな」

凛「そうなんだ……」

希「言うても、普通の講義だって、居眠りしてる人の注意なんかせんことが多いけどな」

凛「そうなの?」

希「する人もおるよ、勿論。でも、先生らからしたら、割とどうでもいいもんなんよ」

凛「へえ……」
凛「……高校時代、凛は居眠りして怒られたりすること多かったけど。大学はそんなことないんだね」

希「講義に出ている人のみんながみんな、学びたいから出ているわけじゃない。卒業のための単位が必要だから、楽勝って言われる講義を受けてたり」
希「もっと言えば、講義だけじゃないね。なんとなく大学に入って、別に学びたいこともなくて、ただ単位を集めて、就職のためのステップにするって人もおるよ」
希「ま。そういう人らがいる、ってことを、先生らも分かってる。だから、学びたくない人を、先生らが無理矢理学ばせる、なんてことはしないんよ」

凛「……」
凛「凛は、そういうの、嫌だな。大学に入ったら、勿論遊びたいけど、ちゃんと勉強はしたいと思うよ」

希「……うん。その考え、忘れんようにな」
希「なんとなく大学に入って、自由な時間を、ひたすらネットゲームに費やしたりとか。そういうのもまあひとつの選択かもしれんけどね」


凛「ね、希ちゃん……凛といちばん近い、って言ったの、どういう意味なの?」

希「ん。まあ、そうやな。まあ、もうちょっと歩こうか?」

凛「う、うん」
318: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 20:12:20.40 ID:9PJ+D0L4.net
――グラウンド


希「この大学、陸上部に結構力入れてるらしくてなー。大きな大会でいい成績を残してる人が結構いるみたいよ。オリンピックの候補の候補の候補、くらいの人もいるって聞いてる」
希「凛ちゃんは大学入ったら、何か部活とか、サークルとか、入ろうとか思ってる?」

凛「んー、あんまり考えてない、かなあ。運動はしたいかな、って思ってるけど」
凛「海未ちゃんたちはまたアイドルやるっていうけど、凛は、まだ分かんないかな」

希「そかそか。先輩からのアドバイスやけど、運動系入るならサークルじゃなくて、大きな大会なんかも目指す部がいいと思う。レクで運動・メインは飲み会、みたいなサークルも悪くはないかもしれんけど」

凛「凛、お酒はあんまり飲めなさそうだにゃ」

希「ま、何をするにしても自由よ。勉強するのも、遊ぶのも、それ以外の何かをするのもな」
希「大学ってな、ほんま色んな人がおるよ。夢や目標を持って進学してきた人。有名なサークルがあってそこに入りたくて進学した人。ただ実家に近かった人、実家から出たかった人。志望校に落ちて仕方なく入った人もいるやろ」

凛「るつぼ、ってやつだにゃあ」

希「……」
希「はぁ……受験生ともなると凛ちゃんもそんな難しい言葉を使うようになるんやなあ」

凛「いやいや中学生くらいで習ったよ! アメリカは人種のるつぼって!」

希「いやいや、のんちゃんは妹分の成長に感涙なのです」

凛「バカにしてるよぉ!」

希「――ま。ほんまに色んな人がいるよ。人の数だけ価値観がある、っていうのを思い知らされた3年間やったわ」

凛「……希ちゃん?」


希「いちばん近い、って言ったんは。ウチも、あんまり考えずに大学を決めて、そのまま進学したタイプだった、っていうところ」
319: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 20:16:10.66 ID:9PJ+D0L4.net
凛「そう、なの?」

希「……μ'sのメンバーで、そんな適当なの多分ウチだけやろね。みんなそれぞれ夢を持って、目標を持って進学を決めてる」
希「でも、こんなダメな先輩もおる、ってことでな、考え方の一つとして、示してあげられたら、って思ったんよ」

凛「希ちゃんも、そうだったんだ……」

希「ていうか、μ'sやりながらちゃんと考えてたエリチすごいよなー」
希「『希もちゃんと進路考えなさいよ?』とか言われてたんやで、ココだけの話」

凛「……考えてみたらすごいよね、希ちゃんたち受験生で勉強しながらラブライブ出場したんだもん」

希「いやー褒められると照れるわー」テレテレ

凛「実際に受験生やってると、勉強しながらアイドルとかほんとにすごい、って思う。希ちゃん、すごいよ!」

希「褒め殺しか!」
希「……ま、ともかくな。いちばん近い言ったけど、入る前に悩んでる分凛ちゃんの方がずっと偉いよ。ウチは『取り敢えず大学入ったらなんかやりたいこととか見つかるやろ』って、そんな考えで決めたからな」
希「それで、大学入って。でも、講義を受けてもなかなかしっくりこなくて。つまんなかったよー、ただ時間だけがダラダラ過ぎていく、みたいな感じ」

凛「……」

希「凛ちゃんたちに出会えて、μ'sっていう奇跡みたいな仲間と出会えて、そうして過ごした数ヶ月間が、夢か幻だったみたいに、ね」
320: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 20:19:17.40 ID:9PJ+D0L4.net
凛(ドキっとした。同じようなことを、凛も考えていたからだ)

凛「希ちゃん」

凛(だから、気になって、聞いてみた)

凛「……今、は?」

希「――せやね」

凛「……希ちゃん?」

希「もしも。もしも今、自分のやりたいことが何か分からなくて、どんな自分になりたいか分からなくて、悩んでるなら」
希「大学なんて、本当に、『たまたま目に付いたから』、『たまたま名前を知っていたから』、『友達がいるから』――そういうんで決めてもいいと思うんよ」
希「まあ、出来たら総合大学がええかな。選択肢は多いほうがいいと思う」

凛「……そんなので、本当にいいのかな?」

希「……ま、ダメな先輩の言うことやから、参考程度にな」ニシシ
希「ウチは、高校生とか、受験生とか、その段階で『将来何がしたい』って決める方が、きっと難しいと思う」
希「しっかり決められない自分が、最初は情けないなーって思ったよ」

希「でも、全然そんなことないんよ。自己肯定になっちゃうけど――自己否定ばかりをしても、辛いからね」
321: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 20:25:05.84 ID:9PJ+D0L4.net
凛「希ちゃん」

希「さっきの質問の答え、やけど。あの頃の、奇跡みたいな時間とは、また違うけど」
希「……うん。今は、やりたいこと、見つかったよ」

凛「!」

希「何がやりたいか分からなかったウチも、2年とちょっと大学で、色んな授業を受けてみて――こういう自分になってみたい、こういう仕事をしてみたい、って考えるようになったよ」
希「きっかけは、ほんとに適当に、単位を取るためだけに、履修登録だけして、レポートだけ出せば通るっていう、楽勝で有名な講義を、なんとなく受けたこと」
希「ほんと何がきっかけになるか分からんなー、人生」

凛「……」

希「その講義、すっごい面白くてな。スピリチュアルなもの大好きなウチのツボにビシッときちゃったんよ! その講義をしていた先生のゼミに入って、もうそこからは夢中になって勉強したよ」
希「ウチなー……まだ志望のトコに入れるか分からんけどなー、ここだけのヒミツやけどなー。ウチ……翻訳の仕事やってみたいなー思ってるんよ」

凛「……」
凛「翻訳ぅ!?」

希「……なに、その顔」///
希「え、ええやん! その、海外の色んなスピーなところに行ったりとか、翻訳されてないスピーな本を読んだりとか、そういうの! ええと思わん!?」///
希「こ、こうみえて結構外国語喋れるようになってるんよ! 英語でしょ、フランス語でしょ、それからロシア語も! バイリンガルのんちゃんよ!? ロシア語とかもう絶対エリチより上手いからな!」

凛「いやー……今、凛的にはかなりスピリチュアルを感じたよ」
凛「うん、すっごい、すっごい意外!」

希「ひどいやん!」///

凛「……でも、言われてみると、なんかピッタリっていう気もするにゃあ」

希「あ、あはは。そ、そう言ってくれるとちょっと嬉しいかも」
希「元々中学までは転校とかも多かったからなー。それならいっそ、もっと色んなところ行ってみたい、っていうのはあったんかもな」
322: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 20:32:54.37 ID:9PJ+D0L4.net
凛(そんなことを話していると)

タタタタ

モブ子「あ、希先輩、いたいた! 魔方陣の準備できましたよ」

希「お」

凛「魔方陣!?」

希「あ、うん、気にせんといて」

凛「気にするよっ!?」

モブ子「……あれ? その人、もしかして」
モブ子「星空凛ちゃん!?」

凛「!」
凛「え、えと。は、はい……星空凛、です」

モブ子「わぁ!! 実物めっちゃ可愛い!! 顔ちっちゃい! あ、これリリホワだ! リリホワですよ!! 希先輩と凛ちゃんと、あと海未ちゃんがいればリリホワですよっ!!」
モブ子「あ、こんにちは! モブ子です! 同じ星を見てる、めっちゃ好きです!! 当時からリリホワ推しでした!」///

凛「あ、え、えと、そのっ」///
凛「あ、ありがとうございます……」///

希「あ、今凛ちゃんオフやからな? サインとかはウチを通してな?」

モブ子「はうわ~……生凛ちゃんだぁ……のぞりんだぁ~……」
モブ子「はわ~……先輩ってほんとにμ'sの東條希だったんですねー……ステージ上のキラキラした東條希と、怪しげな本ばっかり読んでる希先輩、良く似た他人か、もしくはドッペルゲンガーか何かなのかと!」

希「聞いてないな」
希「ていうか失礼やな……」

凛(――知らない人と楽しげに話す希ちゃんに、ほんの少しだけ気後れしながらも)
凛(そんな希ちゃんを見て、なんだか、胸が暖かくなった)
324: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 20:34:35.00 ID:9PJ+D0L4.net
希「まあそういうわけやから、うちはサークルの方に戻るな。ごめんな、また東京で会お?」

凛「う、うん」
凛「……黒魔術とかのサークル、なの?」

希「ツッコミ禁止や」

凛「はい」


希「まー……ウチから、ほんま適当にアドバイスしちゃったけど」

凛「……ううん。すごく、参考になったよ! ありがとう、希ちゃん!」

希「――大学生に与えられる4年間っていうのは、自由だよ」
希「その自由を、将来のために使ってもいい。知識を詰め込むために使っても、遊ぶために使ってもいい。何か目標を持って取り組んでもいいし、目標を見つけるために色々なことにチャレンジしてみるのもいい」

凛「希ちゃん」

希「……ウチとしては、この大学、結構ええと思うよ。この町には真姫ちゃんも花陽ちゃんもいるしな。総合大学だから色んな講義もやってる。こっちの知り合いから聞いた話だけど、海外留学なんかも盛んなんよね」

凛(あ、そういえばそんなこと言ってたっけ)

希「たとえば、交換留学で海外に行ってみたら、それで何か発見があるかもしれん」
希「いろんなことにチャレンジできるだけの環境だと思うよ?」
希「――今、何も決められなくても。闇雲に先に進んでみるの、ウチは、決して悪いことじゃないと思う」

凛「……うん」

希「なーんかお説教みたいになっちゃったけどな、あはは」
希「……それじゃあね。花陽ちゃんと真姫ちゃんにも、よろしく言うといて」
325: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 20:38:26.81 ID:9PJ+D0L4.net
凛(希ちゃんは、ゆっくりと立ち去って)
凛(ひとりになって、ふと、凛はくるりと周囲を見回してみた)
凛(色んな人がいる。ひとりでいる人、たくさんの人に囲まれてる人。上を向いている人、下を向いている人。みんな、違うことを考えていて)

凛「うん」

凛(――今、自分に、何か明確な目標があるわけじゃあない。将来どうなるか、なんて想像もできない)
凛(目標を持っているかよちんや真姫ちゃんとは、全然違う)
凛(けれども)

凛「……何か、みつかるかな。凛にも」

凛(――志望校は、変えないことにしよう、と思っていた)
凛(ただ、友達がいるからという理由で大学を決めることに、そもそも流されて進学を決めたことに、自分というものがないことに、劣等感があった)
凛(けれども、目標を見つけるために、ただ闇雲に先に進むことを、希ちゃんは悪いことじゃないと言ってくれた)

凛「……よっし!」
凛「とりあえずっ! 真姫ちゃんとかよちんを呼ぼう! 今日はかよちんに新妻エプロン姿でもてなしてもらおう!」

凛(それから、今日のこと、話してみよう!)

モブ子「真姫ちゃん!? かよちん!? まきりんぱな!? まきりんぱなですか!! ユニットはリリホワですけど! 学年はまきりんぱな推しですっ!!」
モブ子「Love wing bellは私のiTunes再生でトップですっ!!」

凛「わああああ!!」

希「おい」
338: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/09(月) 21:23:51.70 ID:fNTq5q8y.net
――10月-1月編 時間が過ぎていく編


海未「……」カリカリ

絵里「……」カリカリ

凛「……」カリカリ


凛「模試ラッシュだねえ……」フヒー

絵里「ほんとにね……」
絵里「まあ、流石に私たちは慣れ」

海未「やめましょう絵里、自らを傷つける言葉を吐くのは」
海未「あ、凛。それはそうと誕生日おめでとうございます」

凛「ついに19歳ですにゃー。かよちんたちからメール届くまですっかり忘れてたよ」
凛「あはは、模試とかぶっちゃったよ」

絵里「おめでと。プレゼントは参考書とかでいい?」

凛「……ってこの時期に新しい参考書に手出すわけないじゃん! 参考書はこれと決めた一冊を隅々までやるべきだ、って真姫ちゃんも言ってたし!」
凛「凛は速読英単語と青チャートと心中するって決めたんだよ!」

絵里「はい、冗談です……」
絵里「ま、軽くご飯でも食べに行きましょうか。奢るわよ」
340: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/09(月) 21:26:02.95 ID:fNTq5q8y.net
凛(勉強の習熟度合い、ということだけで言えば、たぶん――凛は、本当に何も障害なく合格できる、というレベルに到達していた)
凛(全国模試では、ずっと志望校A判定を取り続けている。センター模試も安定して8割取れるようになっている)
凛(去年の過去問にチャレンジしても、「なんでこんな問題が出来なかったんだろう」と思えるくらい)
凛(目標を見つけるために大学に行く、という目標が出来たのが、上手く働いているのかもしれないにゃあ、なんて)

絵里「順調みたいね、凛」

凛「」モグモグゴックン
凛「……そうだねえ。本番で失敗しなければ、って感じだにゃあ」

海未「やればできる子、というのを体現してますね、凛は」ナデナデー

凛「まーた子供扱いしてー!」

絵里「はぁ、凛は可愛いわねー」ナデナデー

凛「んもう……」

絵里「まー……」
絵里「長い長いと思っていた1年も、あっという間に過ぎたわね」

海未「そうですね――」

凛「……うん」
341: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/09(月) 21:27:55.15 ID:fNTq5q8y.net
凛(ふと、思う)
凛(凛がずっと順調にやってこられたのは。ノイローゼになることもなく、ひとつずつステップアップして、順調に出来ることが増えていったのは)
凛(考えてみれば、二人が一緒にいてくれたからだということ)

凛「絵里ちゃんと海未ちゃんがいてくれて、ほんとによかったよ」

絵里「何よいきなり?」

凛「あ、えーと」
凛「凛、こー見えて結構人見知りするタイプだからさ。もしも二人がいなかったら、1年間ずっとひとりだったかも、って」

海未「……まあ、本来は一緒にいちゃダメなんですけどね」ズーン

絵里「やめなさい海未、悲しみが増すだけだわ」ズーン

凛「あ、あはは」

海未「ま、それは冗談として」
海未「どうしたんです、いきなり」

凛「改めて、ごめんね。凛、二人よりもずっと勉強できないから、色んなこと質問しちゃって」
凛「二人の勉強の邪魔になってたりしたかもって」

海未「気にしないでください。むしろありがたいところの方が多かったですよ。人に教えるときは自分の理解が完璧じゃなくちゃいけないんですから」
海未「……結構、頑張ってましたよね。私も絵里も」フフ

絵里「そういうのは言うとカッコ悪いの!」
絵里「……もーいいか。亜里沙からも結構質問とかされてねー、なかなか難しいものよね、教えるのって」

凛「ううん、二人とも、先生になれるくらい教えるの上手いよ」
凛「そうだよ、学校の先生になってみるのもいいと思うにゃあ」

絵里「――ん。言われると満更でもないけど。まーそうね、ひとつ選択肢として持っておくのもいいかしら?」
絵里「弁護士になろう、なりたいって、今は思ってるけど。そういう選択肢もアリなのかな」

海未「ふふ。かつて音ノ木坂でスクールアイドルをやっていた私たちが、先生になって音ノ木坂に凱旋。ちょっとロマンはありますね」
海未「凛も一緒にどうです? 一緒に音ノ木坂で先生とか」

凛「どうかなー。凛の選択肢にも入れておこうかなー」
342: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/09(月) 21:29:22.09 ID:fNTq5q8y.net
凛(……話しながら、思う)
凛(無事に合格したら、凛は関西の大学へゆく。海未ちゃんと絵里ちゃんは東京に残る)

絵里「まあ、何があるか分からないしねー。人生なんて毎日がハプニングよ」
絵里「ねえ知ってる? 知らないわよね、私も昨日聞いたくらいだし! 希ってば大学出たら」

凛「凛知ってるよ、希ちゃんは卒業したら翻訳家を目指すんだよね」

絵里「なんでっ!? なんで知ってるのっ!?」

凛「凛ちゃんは何でも知ってるんだよ」フフーン

絵里「あれえ……」シュン

海未「絵里と希の絆より、リリホワの絆の方が強いんですよ」キリッ

絵里「あれえ……」シュン

海未「まあ私は初耳でしたけどね。リリホワの絆というか、凛と希の絆でした」シュン

絵里「あれえ……」シュン


凛(――だから)
凛(3人でいる時間というのは、もうあまり残されていないのだ)


凛「……さっ! 予備校に戻って勉強しよう!」

海未「やる気ですね。私たちも負けていられません」

絵里「そろそろ大学別模試も近いしね。気合入れていきましょうか」

凛(……順調すぎなくらい、順調に進んでいて)
凛(だからこそ、今度こそ――海未ちゃんと絵里ちゃんとの別れが近付いているのだと、実感して)
凛(それを忘れるように勉強に集中する、凛だった)
343: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/09(月) 21:31:10.10 ID:fNTq5q8y.net
――自習室

凛「……」カリカリ
凛「ふー」

海未「凛」

凛「あ、海未ちゃん」

海未「ひと段落したら、一緒に帰りましょう」

凛「うん、ちょうど解き終わったところだよ。片付けるから待ってね」

海未「ええ」


凛「大学別模試、結果良かったんだよね」

海未「ええ。この時期でも志望者中で上位ですから、去年よりも確かに力はついています」
海未「絵里なんか上手いことすれば、主席に近い成績になるかも、ですね」
海未「……本番で緊張しすぎなければ」ハァ

凛「あはは、かしこい絵里ちゃんだねー」
凛「大丈夫だよ、メンタル強化のために富士山にものぼったんだよ!」

海未「そうですね――」
海未「いろんなことがありました、この1年」
海未「……ね、凛。あなたは、私たちがいてくれて良かったと言いましたが」

凛「ん?」

海未「まったくもって、私たちの言葉なんですよ」

凛「え?」
344: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/09(月) 21:32:18.26 ID:fNTq5q8y.net
海未「もう今となっては笑い話ですし、言っちゃいますね」
海未「私も絵里も、受験に失敗した直後は、誰とも口を利けないレベルに落ち込んでいたんですよ。本当に」

凛「……」

海未「私なんかは自死すら考えるほど。情けなくて、辛くて」

凛「自死、って、ええええ!?」

海未「いや、本気ではないですけどね。でも、どうでしょう。合格発表で、自分の受験番号が見つからなかったあの瞬間は、今でも夢に見るほどです」
海未「もしもあのとき、少し気の迷いがあれば――いえ、やめましょう」
海未「自慢ではないですが、私はこれまでの人生で、大きな挫折というのを経験したことがありませんでした」

凛「う、うん」

海未「……情けなくて、辛かった。大学に入れずに、もう一度、もう一年勉強しなければならない、ということがじゃなく」
海未「お前は、要らないと。そう言われているのと同義だと思いました」

凛「……うん」

海未「この世界のどこにも居場所がないんじゃないかと思って。穂乃果やことりと顔を合わせるのを避けたように。両親の顔を見ることも辛かったし」
海未「でも、予備校で凛を見つけて。年下の後輩が落ち込んでいるのを見て」

凛「……お仲間がいる、的な?」
凛「ひどいにゃー!」プンスカ

海未「……じゃないですよ」フフ
海未「受験の失敗は、別に要らない人間を振り落とすことと、まるきり同じじゃないんだなって」
海未「凛みたいないい子が要らないわけがないのに、って」
345: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/09(月) 21:34:42.56 ID:fNTq5q8y.net
凛「ふえっ?」
凛「い、いきなり何を」

海未「私は、凛のいいところをいっぱい知ってる。その凛が要らない、なんて言われるような世界なんて、有り得ないですよね」
海未「私自身はともかくとして、凛は絶対そんなことないと、私は思いました」

凛「海未ちゃん、」

海未「要らないんじゃなくて、ただ、まだ力が足りないよと言われただけ。そう考えられるようになりました」
海未「力が足りなかった自分を、今度こそ認めさせてやるぞ、って。もう一年かけて今度こそ、って。そんな風にね」

凛「……」

海未「人生は長い。1年や2年、そのくらいの遅れは、地球の寿命からしたら瞬きの時間にも満たない」
海未「そんなことが口に出たのは、凛を見たから、ですよ?」

凛「……」
凛「もー、海未ちゃんはいきなりポエミーになるから困るにゃー」

海未「う」///
海未「い、いいじゃないですか! ……心から思ってること、です」

凛「海未ちゃん」

海未「1年間、あなたの笑顔や、元気や、頑張りに、私たちはすごく助けられました」
海未「……ありがとう」

凛「……んもう」///
346: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/09(月) 21:36:03.46 ID:fNTq5q8y.net
凛「も、もー!」
凛「まだ12月なんだよー! センター試験すら受けてないんだからね? こーゆうのを、なんていうんだっけ、そう、死亡フラグって言うんだにゃあっ!」

海未「ふふ。そうですね……せっかくだし、その、死亡フラグ? ガンガン立てていきましょうか」
海未「受験が終わったら、3人が無事に合格したら、一緒に卒業旅行に行きましょう」

凛「うわー! 死亡フラグ乱立だにゃー!」

海未「どこが良いですかねー。北海道に行って、穂乃果に案内させるのもいいですね」

凛「はぁ……もー、いいよいいよ、凛も死亡フラグ立てていくにゃー」
凛「凛は北海道もいいけど、九州に行きたいにゃー! 博多で本場のとんこつラーメンを食べるにゃー!」

海未「いいですね。海外もアリかもしれませんが、私はそもそも日本国内すらちゃんと回ったことがないですからね」
海未「修学旅行で一度行きましたが、沖縄なんかもどうでしょう?」

凛「ほとんど日本一周旅行だねっ!」

海未「四国でおうどんを食べるとかもスケジュールに組みましょう」

凛「こうなったらヤケだよ! 名古屋できしめんも食べるにゃー!」
347: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/09(月) 21:37:38.32 ID:fNTq5q8y.net
凛「凛たち、なんでこんな死亡フラグ乱立させてるんだろ……」

海未「……死亡フラグも乱立させすぎたら、逆に生存フラグになるといいます」フフ

凛「そういうもんかにゃあ……」

海未「やりたいこと、3人でいっぱいやりましょう。そうだ、3人で一緒に、ライブをやるのもいいかもしれないですね」
海未「毎日一緒に走って体力も万全ですし。よし、企画しましょうか」

凛「あ、いいかも! 新ユニット結成だね! ウミエリン!」

海未「ふふ、ポ●モンにいそうな名前ですね」

凛「あれ、海未ちゃんポケ●ンとかやるんだ?」

海未「小学生の頃、穂乃果とことりに付き合って多少、というくらいですけどね」

凛「凛もちょっとやってたよー。実はかよちんが結構廃プレイヤーなんだよね。大学生になった自由な時間で、また厳選とかやってるかも……」

海未「よし、これも死亡フラグにしましょう。μ's●ケモン大会を開催しますよ!」

凛「大会やるほどはやりこんでないにゃー! ていうか最近のやつは持ってないにゃー!」



凛(そんな風に話しながら。3ヶ月先に乱立された死亡フラグを、眩いくらいに感じながら)
凛(勝負の日までの時間は、刻々と過ぎ去っていった)
348: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/09(月) 21:44:45.60 ID:fNTq5q8y.net
凛(それからのことは、あまり語ることはない)
凛(毎日、はっきり理解していないことをちゃんと理解するために机に向かい)
凛(ひとつでも多く英単語を覚え、ひとつでも多く年号を覚える日々)
凛(失敗したらどうしようという不安を拭いながら、力をつける日々)

凛(センター試験にドラマはなかった)
凛(風邪を引いて受験することになるとか、遅刻するとか、マークミスをするとか、泣きたくなるほどの難化とか、リスニング機器が聞き取りづらいとか)
凛(センター試験の日程を間違うとか、間違って数学Ⅰをやるとか、受験予定の科目を受ける前に帰っちゃうとか、PATとか)
凛(そういうアクシデントは、一切なく)

凛(……結論だけを言えば、3人とも、センター試験は、目標の点数を取ることが出来た)

凛(二人は二次試験の比率が高いところだから気は抜けない。凛だって絶対合格圏というわけでもないから、まだまだ気は抜けないけれど)
凛(やったことが綺麗に反映される結果だったと思う)


絵里「この残り1ヶ月が勝負。現役はここから伸びてくるんだからね?」

海未「分かっていますよ。体調管理は万全にですよ?」

絵里「……結局、亜里沙も雪穂ちゃんも、私たちと同じところ受けるみたい」

海未「ふふ。もしかしたら同級生になるかも、ですかね」

絵里「どーかしら。ま、そうなったらそうなったねー」

凛「……」
凛「がんばろうね! みんなで合格して、日本一周旅行なんだからねっ!」

海未「……ええ」

絵里「うん――」


凛(一年の終わりが、近付いている)
361: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/10(火) 23:10:39.04 ID:VDYjasme.net
凛『夏にさ、富士山のぼったじゃない』

絵里「唐突ね。登ったわねー、きつかったわ」
絵里「え、何? 死亡フラグに富士山再登頂とかも入れるの?」ガクブル

凛『えへへ、それもいいかも』

絵里「……まあ、あの頃より多少は体力も戻った筈、だし、あんな無様はもう晒さないけど」キリッ
絵里「……うん、でも、そうね、時間的に余裕があるときで」キリッ

海未「大丈夫です。そういうことなら最初に山頂アタックをスケジュールに組みましょう」
海未「山頂アタックが終わってから、北海道ですねっ!」

絵里「ハラッショ……」

凛『あはは』
凛『あ、えと、言いたいのはそういうことじゃなくてね』

絵里「ん?」

凛『あのとき海未ちゃんは、登頂が受験で、帰りが大学生活だって言ったけど、そうじゃないのかもしれないなって』
凛『受験って、あの登山でたとえるなら、凛や絵里ちゃんがかよちんの幻を見てたあたりで、受験が終わってもまだまだ登頂は続くのかもって』

絵里「……ん。そうね。そういう考え方も出来るかも」

海未「そうですね。少し楽になって、でもやっぱり険しい道を登る、くらいかもしれません」

凛『そうすると、下山するのは、人生で例えるなら、いつ頃になるのかな』
362: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/10(火) 23:12:14.00 ID:VDYjasme.net
海未「……難しいですね」
海未「……資格試験の受験とか、就職活動とか。それ以外にも、人生にはまだまだたくさん苦難が待っているでしょうしね」

絵里「そうね――」
絵里「私の考えを言わせて貰えば――海未が最初に言ったとおり、山頂がゴールで、大学生活は帰り道、でいいと思うわ」

凛『……そうかな?』

絵里「また、新しい山を登るのよ。人生とは長く続くひとつの山を登るんじゃなくて、山登りの連続」
絵里「いつまでも登り続けるって考えると、苦しいからね?」

凛『あー、なるほどだにゃあ』

絵里「……こんな日に難しいこと考えるんじゃないわ、凛。ゆっくり休んで、明日に備えなさい」

凛『……ん、そうだね』
凛『ごめんね、つい声が聞きたくなっちゃって、電話しちゃった』

絵里「ふふ。私たちも同じだから、気にしなくていいわよ」
絵里「関西はどう? 寒くない?」

凛『だいじょーぶ! もうすぐ春だもん、思ったよりはあったかいよ!』
凛『……うん、やっぱりちょっとは寒いけど』

海未「ちゃんと暖かくするんですよ?」

凛『うん!』
凛『明日から、頑張ろうね。凛は1日で終わりだけど、二人は2日間だから、体調崩さないようにね』
凛『おやすみなさい!』

絵里「ええ――」

海未「おやすみなさい、凛」
363: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/10(火) 23:13:41.44 ID:VDYjasme.net
――2月24日

絵里「……試験前日まで自習室にいるとか、私たちも大概心配性ね」
絵里「今更何やったって手遅れだわね。私たち以外誰も自習室にいないレベル。そりゃそうよねー、私大受験は終わってるし」

海未「ほんとに。凛に言ったこと、そのまま自分たちに帰ってきますよ……」
海未「……帰りましょうか」

絵里「ええ。明日から頑張りましょう。二人で合格するのよ?」

海未「はい」

絵里「……」
絵里「誰もいない、のよね」

海未「絵里?」

絵里「……」ウズウズ

海未「……絵里? なんか、相当かしこくなさそうな顔をしているのですが」

絵里「……」
絵里「あのさ、海未。自習室って私語厳禁じゃない?」
絵里「私さー、一回さー、こう、誰もいない自習室でさー、」

海未「あなたはときどき、本当にダメな行動に走ろうとしますね!」
海未「帰りますよ!」ズイ

絵里「ああっー!」ズルズル
364: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/10(火) 23:15:43.19 ID:VDYjasme.net
ブブブブ

絵里「む、電話が」

海未「……電話じゃなくて、LINEですね」
海未「私の方にも――」

絵里「……」

海未「……ふふ」


【グループ名:μ's】

ほのか『3人とも、ファイトだよっ!』

ニコニー『がんばんなさいよー!』

※はなよ※『落ち着いてねー!』

にしきの『平常心よ!』

(・8・)『(・8・)』

のぞみ『ラッキーカラーは紫や! たぶん!』



園田海未『はい、がんばります』

エリーチカ『四度目の正直よ!』

りん『(≧ω≦)/』
365: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/10(火) 23:17:36.55 ID:VDYjasme.net
――2月26日

凛「うう……」
凛「ああ……心配だにゃあ……不安だにゃあ……」

花陽「り、凛ちゃん……」

真姫「古典の解釈がちょっとできなかったくらいでそんな落ち込むんじゃないわよ……」

花陽「他は出来たんだよね?」

凛「出来たって言っても、絶対の自信があるわけじゃないんだよっ!」
凛「二人はもう受験生の不安とゆーやつを忘れちゃったのかにゃー!」

花陽「あ、あはは……」
花陽「なんだかんだわたしも、単位ちゃんと取れてるか不安だけどね」エヘヘ

真姫「……とか言いつつ、こうして部屋探ししてるわけだから、あんたもダブルスタンダードねえ」
真姫「なんだかんだで自信はあるんでしょうに」

凛「う」
凛「だ、だって、合格したら、最低でも4年は住む部屋なんだよ! かよちんと真姫ちゃんに任せておいたら、かゆいところに手が届かない部屋になるかもっ!」
凛「真姫ちゃんに部屋を選ばせたら、北向きのお陽さまが入ってこない部屋になるかもじゃん!」

真姫「え、そりゃ北向きにするわよ。朝陽と共に目を醒ますとかそんな健康的な生活嫌よ」

凛「ほらー!」

花陽「真姫ちゃん、お部屋はちゃんと南向きにするからね? ちゃんと朝起きるんだよ?」

真姫「うぇー……花陽の鬼ぃ」
366: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/10(火) 23:20:09.35 ID:VDYjasme.net
凛「まあ……」
凛「ちょっと気が早いかもだけど、合格したら、4月からまたよろしくね、かよちん、真姫ちゃん」

真姫「はいはい、よろしくね」
真姫「……もしも凛がまたしても不合格だったら、私と花陽で2人暮らしか」
真姫「そしたら、ついに本物の同棲生活になってしまうのね」///

花陽「ふえっ!?」
花陽「そっか、そうなるんだね……。まあ今年一年、似たような生活だった気はするけど……」

凛「ちょっちょっちょっとー! 2人ともっ! 不吉なこと言うのやめてよっ! 2人で同棲じゃなくて3人だよっ!!」
凛「もー! なんだか不安が増してきたよっ!」

真姫「冗談よ。今更自信なくすんじゃないわよー、試験は終わったんだから、もうどうしようもないのよ」
真姫「……2人だと家賃きついんだから。ちゃんと3人で折半する部屋なんだからね?」

凛「……うん」
凛「生活始まったら、3人で家事の役割分担決めないとね! かよちん、凛に色々教えてにゃー」

花陽「うん、勿論だよ。真姫ちゃんもちゃんと教えてあげるから、お仕事してね?」

真姫「……ひとりで暮らすよりはマシかしら」ハァ

花陽「えへへ。それじゃあ次の部屋、見に行こう!」


花陽「――そういえば、合格が決まったら、すぐこっちに越してくるの?」

凛「あ、ううん。まだわかんないけど――3月いっぱいは、向こうにいるっていうか、こっちには来てないっていうか」

真姫「?」

凛「んー、まだ予定は未定だからね。乱立された死亡フラグがどうなることやら、だにゃー」

まきぱな「??」
367: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/10(火) 23:22:08.63 ID:VDYjasme.net
――2月27日


亜里沙「ユキホと予備校を決めてきました」

絵里「早いわねっ!?」
絵里「っていうか全然落ち込んでないのはなんなのっ!? あなたタフねっ!?」

亜里沙「落ち込んでるヒマなんてないのっ!」
亜里沙「2ヵ年計画になるのはもう年が明ける前には分かってたの! お母さんにはもうその頃にはジャパニーズオネガイしてます!」

絵里「ハラッショ……」

亜里沙「予備校行かせてもらう分のお金は、大人になったら働いて返すってお母さんには話したよ」

絵里「……お父さんとお母さんには感謝ね」
絵里「一生頭が上がらないわ……」
絵里「私も、返済計画を立てないとね――とはいっても額が額だわ。バイトしてお金貯めて、株でもやってみようかしら」

亜里沙「やめといた方がいいよお姉ちゃん」

絵里「はい」
368: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/10(火) 23:23:01.42 ID:VDYjasme.net
亜里沙「……来年は絶対合格するよ。待っててね、お姉ちゃん」

絵里「……まだ私も貴女も、合格不合格が決まったわけじゃないけどね」

亜里沙「大丈夫だよ。お姉ちゃんは元々、緊張しすぎなければなんてことないくらいだったんだから」
亜里沙「去年と、全然余裕が違うもん」

絵里「……どうかしらね」

亜里沙「ああ……採点ミスとかあって、ヒョータンからコマで、亜里沙も合格してますように……」

絵里「神に祈ってるわねー……」

絵里(――手応えはある。出来なかったところは多くない。自分の力の及ぶ限り、すべてを発揮できたと思う)
絵里(これでダメだったなら諦めてもいい、そう思えるくらいには)

絵里「ね、亜里沙。どうして私と同じところを受けようと思ったの?」

亜里沙「……ひみつ。亜里沙が合格したら、教えてあげる」

絵里「……そっか」
絵里「結果、どうなるかわからないけど。どんな結果であれ――数ある山のひとつだからね、こんなの」

亜里沙「?」

絵里「ふふ。なんでもないわ」
369: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/10(火) 23:25:20.02 ID:VDYjasme.net
――2月28日



雪穂「海未さん、ひどくないですか?」
雪穂「失意の受験生を店番に立たせるとか、ウチのお母さんは非道だと思いませんか?」

ほの母 <聞こえてるわよー!
ほの母 <ごめんねー海未ちゃん

雪穂「はぁ……もー、分かってるよー!」

海未「あはは……」
海未「……それで、話とは何でしょう?」

雪穂「いやー……そうですね」
雪穂「海未さんは、今年は大丈夫そうですね?」

海未「……」
海未「……そうですね。大きな失敗はなかったと思います。後は野となれ山となれ、ですね」

雪穂「そっかー……」
雪穂「あー悔しいなー! 海未さんと同級生になれるチャンスだったのに!」

海未「はは……まだ分からないでしょうに、私も雪穂も」

雪穂「いーえ、半端な希望抱いても仕方ないっす! お母さんには既に土下座かましてます!」

ほの母 <1年だけだからねー!

雪穂「分かってるよー!!」
370: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/10(火) 23:26:29.66 ID:VDYjasme.net
雪穂「……あの、ですね」

海未「はい」

雪穂「海未さん……浪人って、辛いですかね、やっぱり」

海未「……」
海未「辛いです。辛くて苦しくて、自己否定の連続です。明かりを持たないで進む闇の中みたいな、居心地の悪さがあるかもしれません」
海未「そこは正直に言います。事実、私がそうでしたから」

雪穂「……だよね」

海未「でも」
海未「――みんなが支えてくれているということに気付けば、頑張れるものです」

雪穂「……そっかぁ」
雪穂「……頑張れるかな、私も」

海未「大丈夫です。――結果が出る前にこんな話をするのも、なんですけどね」

雪穂「……あの、海未さん」
雪穂「……その。海未さんも、私を支えてくれますか? 分かんないところとか聞きに行ったりしてもいいです?」

海未「当たり前ですよ。言ったでしょう、雪穂は私にとっても、妹みたいなものなんですから」

雪穂「……えへへ。そっか」
雪穂「待っててね、海未さん。すぐ追いつきますから。……海未さんで3年かかったところを、2年で行くって相当ハードですけどっ!」


海未(……果たして、どんな結果が待っているのか)
海未(私は、3度目の正直を、大学に突きつけることが出来るのか)
371: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/10(火) 23:27:36.28 ID:VDYjasme.net
――3月7日

凛(一足先に凛の結果が届き、)




――3月10日

凛(少し遅れて、2人の結果が届いた)
凛(自分のことじゃないのに全然落ち着かなくて、一日中そわそわしていて)
凛(電話が鳴り、2人の声を聞くまで、心臓がドキドキし続けていた)

凛(そして――)
372: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/10(火) 23:29:08.53 ID:VDYjasme.net
――終わりに。



凛「振り返ってみると、1年間、色んなことがあったもんだにゃあっ」ハァハァ

絵里「……」ゼェゼェ

海未「本当ですね、っと」

凛「アイドル事務所に行ったり、山登ったり」ハァハァ

絵里「……」フスーフスー

凛「海未ちゃんは、ドッキリにも、引っかかったんだっけ」ハァハァ

海未「今思い出してもひどい話です。次に真姫と花陽に会ったときは逆にハメてやります」

絵里「……」ヒューヒュー

凛「……希ちゃんとっ、ことりちゃんっ、にはっ、復讐しないんだね」ハァハァ

海未「あの二人をハメる方法が、不肖園田には思いつきません……」

凛「あはは……はぁっ」
凛「でもまあ、大体は勉強漬けで、きつかった、にゃあ」

海未「そうですね、っと」

絵里「」
絵里「ぅ……」
絵里「……ストップ、ストップぅ……」

凛「にゃ?」

海未「……情けないですね。もう体力切れですか?」
海未「だからアレほど一緒にジョギングしましょうと誘っていたのに、いつもサボってばかりで」

絵里「」ハァハァ
絵里「なん、ハァッ、でっ、」ハァハァ

絵里「日本一周旅行の、最初がっ、山頂アタック、から、なのよっ!!!」
373: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/10(火) 23:30:29.22 ID:VDYjasme.net
海未「……そりゃあ、なんででしたっけ?」
海未「いや、なんででもいいんですけど。前回の富士山よりもだいぶ楽でしょうに。というか、ほぼハイキングじゃないですか」

凛「いやー、ハイキングってほど軽くもないけどね」
凛「凛もまだ全然本調子じゃないにゃー」

絵里「……ほんとに、ジョギング一緒にすれば良かったわ」
絵里「情けないくらい、体力が、なくなってるわ……」

凛「まあまあ、ゆっくり行こうよ? 時間はまだたっぷりあるにゃー」

海未「まったく。受験も終わったんですから、ちゃんと体力戻してくださいよ?」

絵里「……はぁい」


凛(そういうわけで――)
凛(凛たちの、受験生生活は、無事幕を閉じました)
374: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/10(火) 23:31:42.74 ID:VDYjasme.net
絵里「ふー……」

海未「到着しましたね。意外と早く着きました」

凛「だねー。ふー、いい風だにゃー」

絵里「……気持ちいいわねー」

海未「昔、μ'sみんなでも登りましたね」

凛「にこちゃんがヤッホーじゃなくてニッコーって叫んでたにゃー懐かしいにゃー」
凛「今ここにかよちんのおにぎりがないのが惜しいよ。お腹ペコペコだよー」

海未「ふふ、そうですね。まあ、少し山頂を楽しんだら下山して、すぐに北海道へゆく準備ですよ?」

絵里「はー……ちょっとのんびりしたいわねーってすぐ下山するの!?」

海未「凛が関西に行くまであまり時間はないんですから。日本一周は濃密なスケジュールですよ」フフフ

絵里「え? このまま北海道行くの? え? 本気で?」

海未「……冗談ですよ。明日からです北海道は」
海未「のんびりしましょう、のんびり」

絵里「明日でも結構大概だけどっ!」
375: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/10(火) 23:33:43.27 ID:VDYjasme.net
凛「……あのさ、海未ちゃん、絵里ちゃん」

絵里「……なあに?」

凛「また、こうして3人で、どこかに遊びに行ったりすることって、あるかな」

絵里「……どうかしら。真面目に考えると、3人だけで、っていうのは、案外もうあんまりないかもね?」
絵里「たとえば、他のメンバーと一緒だったりとか。たとえば海未と凛だけだったりとか、私と海未だけだったりとか、私と凛だけだったりとか」
絵里「そんな風になるかもね」

凛「……だよね」
凛「そう思うと、なんだか不思議な感じがするにゃあ」

海未「……数奇なものですね」

凛「でもさ、ときどき――この3人で、こうして集まりたいな、って凛は思うんだよ」
凛「μ's浪人会! とか! ……うん、ちょっとアレだね、なんかかっこいいの考えないとね」エヘヘ

絵里「……うん」

凛「……ほんというと、寂しいよ」

海未「ええ」
376: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/10(火) 23:35:02.55 ID:VDYjasme.net
絵里「……私たちはずっと友達。会おうと思えばいつだって会えるし、寂しいことなんてない」
絵里「でも、凛の言うことも分かるわ」

海未「もしも私が、絵里が、凛が、一度で合格していたら、こういう風に肩を並べて山頂の景色を楽しむこともなかったんだと思うと」
海未「本当に、分からないものです」

凛「……うん」
凛「はじめは回り道だと思ってたし、もしかしたら、大人になって思い返したとき、やっぱり回り道でしかなかったのかもしれないけど」
凛「……でも、回り道をしたのも、良かったと思う」

絵里「……きっと違った形の今もあったのかも、なんて思ったりするわね」
絵里「でも、私は、海未と凛とこうして過ごした1年間、とっても――そう、とっても、楽しかった」

海未「……私もですよ」
377: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/10(火) 23:38:18.57 ID:VDYjasme.net
海未「……決めちゃいましょう。うん、思いつき、ですけど」

凛「え?」

海未「1年後の今日。いえ、これからずっと、できるだけ、この時期集まって。大人になってからも」
海未「こうして、3人で集まって、山に登りましょう」
海未「他のメンバーには内緒ですよ。いや、別に内緒にするほどのことでもないですけど――」

凛「……3人だけの、約束?」

絵里「山は確定事項なのね……」
絵里「……ええ。そういうの、ハラショーだわ」

海未「こうして過ごした1年間のことを忘れないように」
海未「私たちの、新しい宝物としたいんです」

絵里「……凛はどう?」
絵里「……ふふ。愚問だったわね」

凛「……えへへ」
凛「うんっ! 絶対だよ!」
378: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/10(火) 23:39:59.83 ID:VDYjasme.net
凛(ここで、このお話はおしまいです)

凛(これから先、凛たちが大学に入ってから、どういうことが待っているのかは、ご想像にお任せします)
凛(凛がやりたいことを見つけることが出来るのか、はたまた何も見つからないまま、かよちんのご飯を食べる機械と化したダメ大学生となるのかも、未定です)
凛(にこちゃんがプロのアイドルになれるのかどうかも、希ちゃんが翻訳家に、真姫ちゃんがお医者さんアイドルに、かよちんが研究者アイドルになれるかも)
凛(ことりちゃんがデザイナーになれるのか、穂乃果ちゃんがまた何か面白いことを見つけるのか)
凛(何もかも、分かりません)

凛(ほんの少しだけ大人になって、これからも少しずつ大人になっていく)
凛(その中の、ちょっとだけ、不思議な回り道をした、凛たちのお話なのでした)


おわり。
379: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/02/10(火) 23:41:16.59 ID:VDYjasme.net
くう疲
3週間ほどにわたり、お付き合いいただきました方、まことにありがとうございました。
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『凛ちゃん(18)「浪人が決まったにゃあ……」』へのコメント

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