穂乃果「お母さんなんて大嫌い!!」

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穂乃果-アイキャッチ22
1: 名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/ 2016/01/09(土) 20:29:52.16 ID:gItaQT1i.net
そう言って穂乃果は家を飛び出して、とりあえず、ことりちゃんの家に転がり込んだ。
飛び出した理由はちょっとした口論からで、それがだんだん激しくなって、喧嘩になっちゃって。
翌日が休日ということで、穂乃果はことりちゃんの家に泊まらせてもらうことにした。
ことりちゃんはいいと言うけど、ことりちゃんのお母さん、理事長は、『心配するだろうから、なるべく早く仲直りするのよ』って。
……たぶん、お母さんに電話するんだろうなぁ。

でも穂乃果は帰らないもん。お母さんが悪いんだもん。
考え出したら嫌に気分になってきたから、その日はことりちゃんと同じベッドで眠った。
少しいい気分になった。
ごまかしでしか、なかったけど

〜〜〜

穂乃果「……ん」

朝、目が覚めると、携帯電話にメールが何件かきていた。
全てお母さんからで、内容は、『早く帰ってきなさい』。
…そう言われて、素直に帰れるようなら、家なんか出ない。

穂乃果は無視した。

元スレ: 穂乃果「お母さんなんて大嫌い!!」

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2: 名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/ 2016/01/09(土) 20:33:45.06 ID:gItaQT1i.net
せっかくの休日なのだからと、ことりちゃんは海未ちゃんも誘って、どこかに遊びに行こうと言った。

穂乃果は首を縦にふった。お財布も持ってきててよかった。
でも、着替えがなかったから、ことりちゃんの服を借りる事になった。

サイズはそこまで問題はなかったけど、一つあるとしたら胸がちょっぴり余った。

しょんぼりだ。
4: 名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/ 2016/01/09(土) 20:38:20.76 ID:gItaQT1i.net
海未ちゃんと合流した後、穂乃果たちは流行りのクレープ屋さんとか、素敵な服をみてみたり……なんていうの、ウィンドウショッピング?

穂乃果はとっても楽しんでいた。久しぶりに三人で出かける事が嬉しかったし、嫌な事が忘れられるから。

…でも、たまに電話がかかってくる。
お母さんから。
穂乃果は無視する。
心配されたって、鬱陶しいだけ。
5: 名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/ 2016/01/09(土) 20:41:59.65 ID:gItaQT1i.net
基本的に、お母さんは心配しすぎなんだ。
言わなくていいことばかり。言って欲しいことを言ってくれない。
なんなの。

穂乃果「……やめとこ」

せっかく楽しい時間を過ごしているんだから、余計な事は、考えないように。
どうせそのうち、お母さんも諦めるだろうし。

でも穂乃果は、お母さんが謝ってくれるまで、帰らない。
……いちいち、子供みたい?
……そうかもしれない。
6: 名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/ 2016/01/09(土) 20:45:48.64 ID:gItaQT1i.net
気がつけば夕方になっていた。
海未ちゃんは、稽古があるからここまで、と帰った。
それでその日は解散になった。

ことり「……どうする?帰る?」

穂乃果「……嫌」

ことりちゃんにそう返すと、ことりちゃんは、『……そっか』と言い、『じゃあ、もう一泊する?』と続けた。

頷いた。
7: 名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/ 2016/01/09(土) 20:49:32.02 ID:gItaQT1i.net
小さい頃は夕焼けが嫌いだった。
きれいだけど、それはみんなとばいばいしなきゃいけない合図みたいなもので。

でも今は違う。帰らない。
お母さんに手を引かれて帰るあの頃じゃ、ない。
自分で決めるから。

ことり「……穂乃果ちゃんは、ある意味じゃ、子供みたいだよ」

皮肉だね。
でもそうだね、と穂乃果は苦笑いで返した。
8: 名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/ 2016/01/09(土) 20:54:39.61 ID:gItaQT1i.net
…電話にはお母さんからの着信があった。
四、五件。
……どうせ、ことりちゃんのお母さんから連絡もらって、居場所なんて分かってるくせに。
わざわざ迎えに来ないあたり、よっぽど穂乃果に自分で帰ってきて欲しいみたい。

やーだね。

……でも、明日はなんとかなっても、明後日はそういうわけにもいかない。
……結局、子供の行動力では、こんなもんなのかな……って思われたくない。
9: 名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/ 2016/01/09(土) 20:59:36.93 ID:gItaQT1i.net
こっそり戻って、通学カバンと制服、教科書類だけ持ち出そう。
学校にはいかなきゃ……。
…鍵もっておいて、よかった。

これでとりあえず、誰もいない時に忍び込める。
穂乃果「……裏口からなら」

慎重にすれば、なんとかバレないはず。

穂乃果「……自分の家なのに…」

変な気分だと思った。
……ん?なんだろう、この匂い……甘い……お父さんが新しい和菓子でも作ってるのかな……その割には……。まあいいや。

穂乃果「……そっーと、そっーと」

誰もいないと思い、階段を登ろうとした時。

お母さんが倒れてるのを見つけた。
10: 名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/ 2016/01/09(土) 21:05:00.76 ID:gItaQT1i.net
穂乃果「……っ!?」

体を揺らしても反応がなかった。

穂乃果「お母さん!?お母さん!?」

呼んでも返答がなかった。

穂乃果「お母さん!!」

叫んでないで救急車を呼べよ私は。
そんなんだから3バカとか言われるんだよ。

穂乃果「……っ!もしもしっ、すみません、母が倒れてて……!」

〜〜〜

結果から言うと。
急性心筋梗塞。
お母さんは死んだ。
13: 名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/ 2016/01/09(土) 21:08:17.19 ID:gItaQT1i.net
対応が遅すぎたらしい。
その結果が、これだと。

穂乃果「……」

何も思わなかったわけじゃない。
自分が意地をはらないで、帰って、家にいれば、お母さんは助かったかも知れない、と思う。

でも、それを思うことが出来ても、今の穂乃果には。
子供みたいに泣きじゃくる事しか出来なかった。
14: 名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/ 2016/01/09(土) 21:16:01.45 ID:gItaQT1i.net
…お葬式には、結構人がきた。
穂乃果の知らない人もいた。
みんな、泣いていた。
穂乃果も泣いていたかもしれない。
……わからないけど。

『……最後に、お顔をみてあげてください』

……顔を見ると、お母さんは、ただ眠ってるだけみたいに見えた。
『人が死んでいる』っていうリアルが、そこにあるけど、信じ難いものだった。
……よく見ると、目尻や、いろんなところに、しわがあった。

〜〜〜

お母さんが焼かれる。
お母さんが入った棺桶が、焼かれる。

雪穂「……う、ううううっ……!!」

そこで雪穂はとうとう、我慢できなくなったのか、涙を流した。
涙腺っていうダムが崩壊して、抑えきれなくなっていた。

雪穂「お母さんっ……お母さん……」ポロポロッ

雪穂は強い子だね。
ここまで、よく我慢出来たね。

穂乃果は、弱い子だから、我慢出来ていなかったのに。
16: 名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/ 2016/01/09(土) 21:22:40.09 ID:gItaQT1i.net
……お母さんがね。
骨だけになっちゃった。
肉がなくなって、生命を、何一つ感じない、骸だった。
それをお母さんとは呼べない。
でもそれはお母さんなんだ。

ほのパパ「……」

お父さんは骨を小さな箱に入れる。
小さな骨を……。

穂乃果「…」

多分今穂乃果は今、ひどい顔になっている。見せたくない。誰にも。
悲しみとか、そんなんじゃない。

心に、穴が。
ぽっかりと塞がることのない穴が。
そこから何かがとどまる事なく溢れる。
それは、悲しい時があったとき、よく空いた。


そしてそれを塞いでいてくれたのは、お母さんだったんだ、って気づいた。
17: 名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/ 2016/01/09(土) 21:28:18.00 ID:gItaQT1i.net
穂乃果達3人は、家に帰った。
……とにかく、喉が乾いていたから、穂乃果は冷蔵庫をあけた。
そこで見つけたもの。

……見なきゃよかった。

ホールケーキ。
上には『誕生日おめでとう、穂乃果』とかかれたチョコ板。

雪穂「……お姉ちゃん」

穂乃果「……そうだったね」

……今日誕生日じゃん。

穂乃果「……」

誕生日プレゼントが欲しいです。
お母さんを、ください。
20: 名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/ 2016/01/09(土) 21:33:24.15 ID:gItaQT1i.net
……お母さんはいつも。
口うるさくて。
勉強しなさいってうるさくて。
洗濯物を出せってうるさくて。
店番手伝えってうるさくて。
アイドル頑張れってうるさくて。
応援するからねってうるさくて。

ありがとうが言えなくて。

ごめんが、言えなくて。

穂乃果「……」

だって思わないじゃん。
こんなに、呆気なく、もう会えなくなるとか思わないじゃん。

こんな日が来るってわかってたら、もっとお母さんと仲良くする。
そうしてる。
そうできないから辛い。
22: 名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/ 2016/01/09(土) 21:38:28.93 ID:gItaQT1i.net
どうして、こうなるんだろう。
こうやって、後悔するくらいなら、喧嘩なんかしなきゃよかった。
最後に言った言葉が「大嫌い」って。
穂乃果最低じゃない。
そんな自分に嫌悪感が襲いかかってくる。

……夢だったらいいのに。
そんなことは、みんな思うんだろうな。
でも現実だから、どうしようもできないことだから、だめなわけで。

なくしかできない。
23: 名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/ 2016/01/09(土) 21:46:50.54 ID:gItaQT1i.net
穂乃果「……」

手にはカッターナイフ。
これで頚動脈でも、かき切れば、死ねる。
お母さんと同じところに行ける。

穂乃果「……そんなんでいいの?」

……そんなんでいい。

だから、これでいい……。

そして、穂乃果は、カッターナイフを喉に突き刺して――

〜〜〜

穂乃果「……ほあっ!?」パチッ

(・8・)チュンチュン…

穂乃果「……?あ、あれ……?」

穂乃果「……」チラッ

穂乃果「……8月…3日」

ガララッ

ほのママ「穂乃果っ!あんた早く起きなさい!いつまで寝てるの!今日は登校日のはずでしょう!」

穂乃果「うわああああああああ!!お母さぁぁぁぁぁあん!!」ダキィッ

ほのママ「え、ちょ、なに!?」

〜〜〜

雪穂「……なにしてんのお姉ちゃん」

穂乃果「……」ギュゥッー

ほのママ「ほ、穂乃果、ちょっと離れてくれない……?」

穂乃果「……やだ」
25: 名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/ 2016/01/09(土) 21:51:23.06 ID:gItaQT1i.net
穂乃果「……」ギュゥッー

雪穂「……お姉ちゃん、なんで泣いてんの?」

穂乃果「泣いてないし!」

雪穂「いや泣いてるじゃん」

穂乃果「うるさいうるさい!」

ほのママ「はいはい、早くご飯食べて……穂乃果も……」

穂乃果「……ん」パッ

〜〜〜

穂乃果「……」

ほのママ「……穂乃果?どうしたの、早く行かないと遅刻するわよ?」

穂乃果「……いかない」

ほのママ「は?」

穂乃果「……お母さんといる」
28: 名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/ 2016/01/09(土) 22:00:16.04 ID:gItaQT1i.net
穂乃果「……だめ?」

ほのママ「いやだめよ。早く学校行きなさいよ」

穂乃果「やぁだぁー……おかぁさぁぁん……」ベタベタ

ほのママ「高校生にもなってずる休みはだめよ!早くはなれ、こら!」

雪穂「……」

穂乃果「ウォーイオイオイオイ……」

ほのママ「はなれなさーい!」

穂乃果「やだーー!!」
29: 名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/ 2016/01/09(土) 22:03:32.08 ID:gItaQT1i.net
※おわり
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