真姫「どんな願いも叶える水晶玉……?」

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1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/20(日) 19:03:05.48 ID:ruqhQLTt0
希「そうや。神社の蔵を掃除してたら出てきたんよ」

絵里「ほんとなの?それ……」

凛「うさんくさいにゃー」

希「神主さんが言ってたんやから間違いないで。この水晶玉を使って神様にお願いしたら、どんな願い事でも叶えてくれるんやて」

海未「どんな願いでも、ですか……」

穂乃果「信じられないけど、希ちゃんが言うとなんだかそれっぽいね」

希「ま、信じるか信じないかはみんな次第やけどね」


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元スレ: 真姫「どんな願いも叶える水晶玉……?」

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2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 19:05:02.36 ID:ruqhQLTt0
真姫「何よそれ。馬鹿馬鹿しい」

希「ん?真姫ちゃんはこういうの全然信じへんの?」

真姫「当たり前じゃない。非科学的にもほどがあるわ」

希「……でも、世の中には科学では割り切れへんこともぎょうさんあるしなぁ」

絵里「そうね、何だかロマンチックだわ。じゃあ私は、音ノ木坂が廃校にならないようお願いしようかしら」

希「それはうちら自身の力でなんとかしたいところやけどね」

絵里「希は何かお願いしてみたの?」

希「うちはこんなのに頼らなくても、たいていの願い事は叶ってしまうんよ。だからみんなに使ってもらおうと思て……」
3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 19:07:19.75 ID:ruqhQLTt0
ことり「でも、どんな願いでもいいって言われると、意外と思いつかないよね……」

穂乃果「うーん、そうだよね……。穂乃果だったら何をお願いするかなあ」

凛「かよちんはどうにゃ?」

花陽「ふむむ……」

希「……信じる信じないは別として、真姫ちゃんは何かないん?」

真姫「べ、別にないわよ」

希「……ほんとうに?」

真姫「しつこいわね。それに、例えあったとしても、私はもっと合理的な方法で叶えるから」

希「理屈ではどうにもならんこともあるやろ?」

真姫「たとえば何よ」

希「うーん、せやね」

希「……恋、とか?」
4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 19:10:04.57 ID:ruqhQLTt0
真姫「!!そ、そんな願い事、あるわけないじゃない」
チラッ

にこ「……」

希「あれ?真姫ちゃん、赤くなった?ひょっとして……」

真姫「な、何言ってるのよ!赤くなんかなってないんだから」

希「……ま、それはともかく」

ゴトッ

希「明日まで、この部室に置いとくから。何か願い事がある人はいつでも使ってもらってええからね」

絵里「……じゃあ、ちょっと早いけど今日は解散としましょうか。最近、練習続きで疲れもたまってるしね」

一同「はーい」

絵里「にこも、それでいいわね?」
5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 19:12:56.25 ID:ruqhQLTt0
にこ「……」

絵里「にこ……?」

にこ「え……?ああ、ごめん。聞いてなかったわ」

絵里「やっぱり疲れてるのね。今日はもう解散よ」

にこ「……そう。わかった」

真姫「……」

絵里「じゃ、私と希は後片づけをしてから帰るから」

希「また明日ねー」

一同「お疲れー」
ゾロゾロゾロ
バタン
6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 19:16:17.74 ID:ruqhQLTt0


絵里「……希。どう思う?」

希「ん?」

絵里「最近、にこの様子、ちょっとおかしくない?さっきもボーっとしてたし……」

希「なんか、悩みでもあるんちゃうかな」

絵里「そうなのかしら……。私たちで力になってあげられることならいいけど」

希「それはどうやろね。それに……」

希「悩みを抱えてる子は、多分もう一人……」
ボソッ
7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 19:18:46.15 ID:ruqhQLTt0
絵里「え?何か言った?」

希「……いや。それより、絵里ちももう帰ってもらってええよ。あとは、うちがやっとくから」

絵里「そう?じゃあ、お願いしちゃおうかしら」

希「うん」

絵里「じゃ、また明日ね」

バタン

希「……」

希「さて、と」
ゴソゴソ

希「……」

8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 19:20:33.37 ID:ruqhQLTt0
―10分後。別室。

希「……」
カタカタタッ

希「……おっ。ちゃんと映るようやね」

希「部室に仕掛けた、隠しカメラの映像……」

希「あとは、うまくかかってくれるかどうか、やけど……」

カチャッ

希「おっ?さっそく部室に誰か戻ってきたようやね」

9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 19:23:23.45 ID:ruqhQLTt0
凛「かよちん、早く早くー!」

花陽「凛ちゃん、待って……」

凛「せっかくなんだから、水晶玉にお願いごとして行くにゃー!」

希「おやおや、あの二人がトップバッターか。どんなお願いするんやろね」

10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 19:25:46.68 ID:ruqhQLTt0
凛「じゃあ、凛からいくよ?」

花陽「うん……!」

凛「……どうか、お腹いーっぱい、ラーメンが食べられますように……!」

花陽「は、花陽は、白いご飯を……!白いご飯を、いやと言うほど、お願いします……」

りんぱな「……お願いします!」

希「ふふ。あの二人は、色気より食い気やね」

希「こんなドッキリみたいなことして、申し訳ないけど……。食べ物やったらまた今度うちがおごってあげるし、堪忍やで」

希「さて、お次は……」
11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 19:28:40.68 ID:ruqhQLTt0
カチャッ

穂乃果「……やっぱり、私たちの願い事はあれしかないよね。海未ちゃん、ことりちゃん」

海未「ええ、そうですね」

ことり「うん……!」

希「……あの三人か。まあ、どんな願いをするかはなんとなく想像つくけどね」

穂乃果「……神様。どうかμ'sがラブライブに出場して……」

海未「……満員のお客さんを感動させるようなライブができますように」

ことり「そして、ラブライブが終わった後も、ずっと穂乃果ちゃん、海未ちゃん、そしてμ'sのみんなと、一緒にいられますように」

ことほのうみ「お願いします……!」
12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 19:32:12.89 ID:ruqhQLTt0
希「うふふ。あの三人は、やっぱりブレへんね」


穂乃果「……ちょっと欲張りすぎかな?」

海未「でも、どんな願い事でも構わないということですし……」

ことり「ことりたちの本当に叶えたい願いなんだから、きっと大丈夫だよ!」
ゾロゾロ
バタン

13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 19:34:29.38 ID:ruqhQLTt0
希「……そうや。大丈夫やで」

希「あなたたちの願いは、水晶玉なんかなくても、必ず叶うはずやから……。それはうちが保証するよ」

希「……さて。本題はここからや」

希「水晶のパワーなんか信じへんって大見得を切ってたけど、乙女心はそんな単純やないからね……。おっ!?」

カチャッ

真姫「……」
キョロキョロ
14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 19:36:59.00 ID:ruqhQLTt0
真姫「……誰もいないみたいね」

真姫「べ、別に水晶玉なんか興味はないのよ?」

真姫「ただ、いんちき水晶を信じてる人なんているのかどうか、それを見に来ただけなんだから……」

真姫「……」

真姫「誰もいないということは、みんな信じてないのか……」

真姫「それとも、もう願い事を済ませちゃったのかな」

真姫「……」


希「何やらブツブツ言ってるようやね」

希「でも、ここに戻って来たということは……」

15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 19:39:40.27 ID:ruqhQLTt0
真姫「……ほんとに誰もいないの?」
キョロキョロ

真姫「……」

真姫「こ、これは独り言で、別に願い事とかそんなのじゃないんだけど」
ゴホン

真姫「……最近、にこちゃんが何だかよそよそしいの」

真姫「前は二人で一緒に帰ったりもしてたのに、この頃はそっけないって言うか……」

真姫「廊下ですれ違っても、声もかけてくれないし」

真姫「もしかしたら、私、避けられてるんじゃないか、って……」

真姫「べ、別に、だからどうこうってわけじゃないのよ」

真姫「でも、やっぱり気になるの」
16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 19:42:37.70 ID:ruqhQLTt0
真姫「私、何か嫌われるようなことしたかしら?とか……」

真姫「知りたい……。にこちゃんが、何を考えてるのか」

真姫「私のこと、どう思ってるのか……」

真姫「にこちゃんの気持ちが、知りたい……」

真姫「!!い、今のは、お願いとかそんなんじゃないんだからね!!」

真姫「……誰かに聞かれなかったわよね」
キョロキョロ


希「ふふっ。まったく一人で賑やかなことやね」

希「でも、誰も聞いてない時くらい本音と向き合わへんと、そのうち自分でも分からんようになってしまうよ、真姫ちゃん……」

希「……」

17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 19:45:30.11 ID:ruqhQLTt0
真姫「……ああ」

真姫「なんだろう。自分でも、ほんと嫌になるわ」

真姫「信じてないとか言いながら、こんな水晶玉相手にあたふたして……。滑稽よね」

真姫「……私、自分でもよく分からないの。どうしてにこちゃんのことが気になるのか」

真姫「考えてみれば、前だって別に仲良しってわけじゃなかったのよね」

真姫「よく一緒にいたって言っても、大抵にこちゃんが私のことをからかって……」

真姫「私も、ついムキになって言い返してみたり」

真姫「むしろ、ケンカしてた時間の方が長いかも知れないわね」

真姫「でも、この頃は……」

真姫「この頃のにこちゃんの態度は、そんなのとは全然違って……」
18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 19:48:47.13 ID:ruqhQLTt0
真姫「……苦しい」

真姫「そう……私、苦しいの。にこちゃんのことを考えると、何故だか分からないけど、胸が……」

真姫「こんなこと、ここで話してみたところで……仕方ないのかも知れないけど」

真姫「……」

真姫「理屈ではどうにもならない願い、か……」
ボソッ

真姫「!!ば、馬鹿じゃないの私ったら。よりにもよって、何を考えてるのよ」

真姫「にこちゃんのことを、そんな風に……なんて」

真姫「……」
19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 19:50:23.34 ID:ruqhQLTt0
真姫「……水晶玉さん。私は、あなたのことなんてこれっぽっちも信じてないけど」

真姫「もし、あなたが本当に不思議な力を持っているのなら、教えて欲しいものだわ」

真姫「私の……私の、願うべきことを……」

真姫「私はいったい、あなたに何をお願いすればいいの……?どんな願いが叶えば、この苦しさから自由になれるの……?」

真姫「教えて……」

20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 19:53:21.08 ID:ruqhQLTt0
希「真姫ちゃん……。もう、自分の気持ちには気付いてるんとちゃうの……?」

希「でも、なかなか素直になれないんやね……」

希「さて、と」

希「真姫ちゃんも帰ったことやし、あとはにこっちが来るかどうかやけど……」


カチャッ
にこ「……」


希「来た来た……」

希「それにしても、神妙な顔つきやね」

21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 19:55:34.21 ID:ruqhQLTt0
にこ「……」

にこ「……お願いしたいことがあるの」

にこ「聞いてもらえるかしら……?」

にこ「それはー」

22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 19:58:43.21 ID:ruqhQLTt0
希「!!」

希「……なるほど。それが、にこっちの願いなんやね」

希「にこっちの性格らしい、お願いやけど」

希「さて、どうしたもんか……」

希「……」

23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 20:01:09.94 ID:ruqhQLTt0
―翌日。部室。

凛「ねーねー、練習行かないのー?」

希「その前に、今日はみんなに見て欲しいものがあるんや」

絵里「見て欲しいもの……?」

真姫「何よ一体。今度は、魔法の絨毯でも取り出すの?」

希「まあまあ。見てのお楽しみや」

ゴトッ

海未「プロジェクター……?」

穂乃果「あっ、この部室が映ってるよ」

ことり「これ、いつだろう ?誰も部屋にはいないみたいだけど……」

花陽「あ、あれ?真ん中に映ってるのって……」

凛「昨日の水晶玉だにゃー!」

真姫「!!」
24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 20:04:22.03 ID:ruqhQLTt0
希「その通り。実は昨日、この部屋に隠しカメラを仕掛けていたんでしたー!!」

りんぱな「えーっ!?」

ことほのうみ「えっ、隠しカメラを……!?」

真姫「ゔぇぇぇぇぇぇっっっっ!!?」

希「みんながどんな願い事するんか、どうしても知りたくてな」

真姫「そんな、そんなのって……!」

海未「あっ、誰か部室に入ってきたみたいですよ」

ことり「あれは……凛ちゃん、花陽ちゃん」

凛「かよちん、凛たちが映ってるよ!」

花陽「あわわ……」
25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 20:06:22.07 ID:ruqhQLTt0
『凛「ラーメンが食べられますように!」』

『花陽「白いご飯が……」』

穂乃果「ちょっとちょっと、花陽ちゃんたち、いつもと同じこと言ってるよ!」

ことり「あはは」

凛「の、希ちゃん、ひどいにゃー!」

花陽「ひどいです……!」

希「いやぁ、堪忍かんに……」

真姫「そ、そうよ!いくらなんでも、これは酷すぎるわ!!」

花陽「!!真姫ちゃん……?」
26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 20:08:26.84 ID:ruqhQLTt0
真姫「勝手に隠し撮りするなんて……。重大なプライバシーの侵害よ……!」

凛「ぷらいばしー……?」

真姫「そうよ。プライバシーの侵害!凛、もっと怒りなさいよ。そして早くこんな映像はストップさせないと……!」

凛「うーん。そういう難しいことはよく分からないけど……」

真姫「え……?」

凛「それより希ちゃん!凛たちは、ほんとにラーメンや白いご飯がお腹いっぱい食べられると信じてたのに……」

花陽「ただのドッキリだったなんて、あんまりです……!」

穂乃果「あ、そっちなんだ……」
27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 20:11:28.15 ID:ruqhQLTt0
希「うふふ、二人とも。水晶玉のご利益は別に嘘やないで。ちゃんと願いは叶うはずやから」

凛「ほんとかにゃー……?」

希「何やったら、隠し撮りのお詫びに、うちが今度おごったげる」

花陽「ほんとですか……!?」

希「うん。約束や」

凛「だったらOKだにゃー!!」

真姫「ちょ、ちょっとあなたたち?そんなことで誤魔化されてていいの?隠し撮りされてるのよ!?」

凛「それは別に……」

真姫「だ、だめよ!希、私は断固抗議するわ!」
28: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 20:14:46.88 ID:ruqhQLTt0
花陽「でも、真姫ちゃんはこんなの信じないって言ってたし、お願いもしなかったんでしょ……?どうしてそんなに怒ってるの?」

真姫「わ、わ、私は別に、自分のために言ってるわけではなくて、あくまでプライバシーの観点から……」

海未「あっ、私たちですよ。穂乃果」

ことり「何だかこうして自分たちで見ると恥ずかしいね」

絵里「でも、あなたたちの願いはいつも変わらないわね」

穂乃果「もちろん!それに私たちの夢は、μ'sの夢だから……!」

海未「穂乃果……」

ことり「うん……!」

絵里「そうね。みんなで頑張って、叶えて行きましょう……!」

真姫(な、何よこの流れ。なんかいい話みたいになって来てる……)
29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 20:16:16.31 ID:ruqhQLTt0
真姫(なんとかして止めないと、私の恥ずかしい一人語りが)

真姫(あんなの、にこちゃんに聞かれようものなら……!)

真姫(!!そういえば、にこちゃん……。にこちゃんは、願い事をしなかったのかしら……?)
チラッ

にこ「……」

真姫(あまり動揺してる気配はないようね……)

真姫(何も願い事なんてしなかった……?)

真姫(それとも……)

穂乃果「さあ、次は誰かな?真姫ちゃん、それともにこちゃん……?」

凛「ワクワク!」

真姫(!!も、もうダメ……!)
30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 20:18:58.65 ID:ruqhQLTt0
プツン

ことり「あれ?」

海未「動画が終わってしまいましたね」

真姫「……!」

希「どうやら、機械の調子がおかしかったようやね。録画はここまでや」

凛「なーんだ」

真姫(た、助かった……)

希「残念やねえ。まだ誰かさんが、水晶玉にお願いに来てたかも分からへんのになあ」
チラッ

真姫「!!」

絵里「……はいはい。座興はこの辺で終わりにしましょう。そろそろ練習を始めるわよ」

一同「はーい」

希「ほーい」

真姫「……」

31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 20:21:53.28 ID:ruqhQLTt0
―練習終了後。部室。

カチャッ

真姫「……希。話があるわ」

希「あれ?真姫ちゃん、まだ残ってたんやね。うちに何の用?」

真姫「さっきの隠し撮り映像、機械が壊れたなんて嘘でしょ。本当は……わ、私が部屋に来ていたところまで、ちゃんと見てたんじゃないの」

希「あれー?おかしいなあ」

真姫「……」

希「確か真姫ちゃんは、水晶玉なんて非科学的なもの、信じてなかったんちゃうの?それなのに、うちに見られる筈なんてないと思うんやけどなぁ」

真姫「と、とぼけないで!!」
32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 20:24:23.34 ID:ruqhQLTt0
希「……」

真姫「希……。あなた、本当に憎らしい人ね。一体、何を企んでいるの……?」

希「企むやなんて……。うち、そんな怖いことようせえへん」

真姫「!!まだそんな……」

希「それに、とぼけてるのは真姫ちゃんの方ちゃうの?」

真姫「わ、私……?私がいつ……」

希「……いつまで、自分の気持ちから目をそらしてるつもりなん?」

真姫「!!」

希「うちなんかより、にこっちと話した方が……ええんとちゃうの?」

真姫「に、にこちゃんは関係ないでしょ!」

希「せやろか」

スッ

希「ほんまに関係ないかどうか、水晶玉に聞いてみてもいいけど……。真姫ちゃんは、自分の胸に聞いた方が早いかも知れへんね」

真姫「……」
ガクッ
33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 20:27:44.65 ID:ruqhQLTt0
真姫「……あなたにはかなわないわね、希」

希「……」

真姫「私、どうしたらいいか分からないのよ」

真姫「にこちゃんと話そうにも、あまり口をきいてくれなくて……」

希「にこっちには、にこっちの悩みがあるみたいやね」

真姫「!!そうだ、にこちゃんは……にこちゃんは、何か願い事をしたの?」

希「……」
コクリ

真姫「な、何を……何をお願いしたの?にこちゃんは……」

希「それは……言われへん」

真姫「……!」
34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 20:32:27.87 ID:ruqhQLTt0
希「にこっちの口から……直接、聞いてみることやね」

真姫「……」

希「うちに言えることは、それだけ」

真姫「……何よ」

希「?」

真姫「何よ。自分はこそこそ覗き見してた癖に……。希一人だけ、何もかもお見通しってわけ?」

希「……それは違うよ。真姫ちゃん」

真姫「何が水晶玉よ。何が願いを叶えるよ。私は、にこちゃんの気持ちが知りたいってお願いしたのよ!?なのに、なんにも教えてくれないじゃない!」

希「真姫ちゃん」
35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 20:40:18.55 ID:ruqhQLTt0
真姫「本人に簡単に聞けるくらいだったら苦労しないわ!それが出来ないからお願いしてるんじゃない!なのに……なのに……」

ガッ

希「……!」

真姫「何よ、こんな水晶玉。やっぱりいんちきじゃない。こんなもの……!!」

ガシャーン!

真姫「いんちきよ!水晶玉も、希、あなたも……何もかも、いんちきじゃない!」
ダッ

希「真姫ちゃん!」


ハァハァ
真姫「馬鹿にして……馬鹿にして……!」

36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 20:44:48.54 ID:ruqhQLTt0
―屋上。


真姫「……」

真姫「水晶玉、壊しちゃった……」

真姫「神社の宝物だったのよね、あれ」

真姫「でも、希がいけないのよ。人を……人の心を弄ぶようなこと、するから……」

真姫「……」

カチャッ

真姫(あ、誰か来た)

にこ「……」

真姫「!!に、にこちゃん?」

にこ「……どういうつもりよ。こんなところに呼び出して」
37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 20:47:50.75 ID:ruqhQLTt0
真姫「……?」

にこ「話って、なに」

真姫「え?」

にこ「希から聞いたわよ。ニコに話があるんでしょ?」

真姫「……!!」

真姫(希、余計なお節介を……!)

真姫「わ、私は……別に……」

にこ「……?用もないのに呼び出したの?」

真姫「!あ、いや、その」

真姫(せっかくにこちゃんと二人きりになれたんだから、うまく話をしなきゃ……)
38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 20:50:09.81 ID:ruqhQLTt0
真姫「……えっとね、その……そ、そう、水晶玉よ」

にこ「……水晶玉?」

真姫「う、うん。ほら、さっき部室でみんなのお願いを見たじゃない?にこちゃんは、何かお願いしたのかな、って……」

にこ「そんなこと聞くために、わざわざ屋上に?」

真姫「え、いや、だからそれはね」
アタフタ

にこ「……まあいいわ。別に急ぐ用事があったわけでもないし」

真姫(……ホッ)

真姫「……にこちゃんはあまり水晶玉の話に興味はなさそうだったけど……どうなの?」

にこ「したわ」
39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 20:52:20.63 ID:ruqhQLTt0
真姫「!!そ、そうなんだ……」

にこ「……」

真姫「な、何を……お願いしたの……?」

にこ「……それを聞いて、どうするわけ?」

真姫「!!そ、それは……ええと……ええとね……」
モジモジ

にこ「……」

真姫「じ、実は……わ、私も、お願いごとをしてみたの……」

にこ「……そうなんだ」

真姫「でも、上手く言葉に出来なくて……自分でも何をお願いしたいのか、分からなくなって」

にこ「……」

真姫「私の願いは……にこちゃんにも関係のあること、なんだけど、……」
40: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 20:54:40.83 ID:ruqhQLTt0
にこ「……」

真姫「そ、それで、ね。もし、にこちゃんの願い事を教えてくれたら、私も、自分の願い事を言っちゃおうかなって……」

真姫「それとも……わ、私から、言った方がよければ……」

にこ「やめて」

真姫「……!」

にこ「あんたの願い事を聞くわけにはいかないわ。もし聞いちゃったら、たぶん……」

真姫「……?」

にこ「……ニコの願いが叶う邪魔になるから」
41: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 20:56:56.27 ID:ruqhQLTt0
真姫「!!」

にこ「だから、それ以上は言わないで」

真姫「そ、それ、どういう意味……?」

にこ「……そのままの意味よ。あと、ニコの願いは、真姫には……関係のない事だから」

真姫「……!!」

真姫(そ、そっか。そういうことね)

真姫(にこちゃんには、他に好きな人がいるんだ)

真姫(そして、その人のことを水晶玉にお願いしたんだ)

真姫(きっと私の様子を見て、私の気持ちに気づいて……)

真姫(だから、私の言葉を聞くわけにはいかないんだ)

真姫(!!ひょっとしたら、もっとずっと前から、私の気持ちは見抜かれてた……?)

真姫(だからあんなにそっけなく……)

真姫(ああ、馬鹿みたい。それなのに私……)

真姫(もしかしたらにこちゃんも、水晶玉に私のことをお願いしてくれてるかも……なんて)

真姫(馬鹿みたい……)
42: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 20:58:21.61 ID:ruqhQLTt0
にこ「……?真姫?」

真姫「……」

にこ「大丈夫?急に黙りこんじゃって」

真姫「……ふふ。うふふ」

にこ「!!……ど、どうしたのよ」

真姫「に、にこちゃんは何か勘違いしてるんじゃないかしら。私の願い事はたぶん、にこちゃんが思ってるようなものじゃないわよ……?」

にこ「え……?」

真姫「私はね、ただ、もっと歌が上手くなりたいって、そうお願いしたの。今でも上手な真姫ちゃんだけど、もっと、ずーっと上手くなりますように、ってね」
43: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 21:00:50.85 ID:ruqhQLTt0
にこ「!!……そ、そうだったの……?」

真姫「そうよ。でも、ただでさえにこちゃんの歌唱力とはずいぶん差があるのに、これ以上私が上手くなっちゃったら困るじゃない……?」

真姫「だから、にこちゃんがくだらない願い事をしてるようだったら、ちゃんと歌が上達するようにお願いしろって、そう言ってやるつもりだったのよ」

にこ「……そう。なるほどね」

真姫「まあ、あんな水晶玉なんて別に信じてないけど、にこちゃんの歌唱力がちょっとでもマシになるなら……」

にこ「……」

真姫(あ、あれ……?)
44: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 21:02:07.68 ID:ruqhQLTt0
真姫(な、何よ。神妙な顔しちゃって……)

真姫(!もしかして……言い過ぎちゃった?)

真姫「あ、あの、にこちゃん……」

にこ「……確かに、あんたの言うとおりね。真姫」

真姫「え……?」

にこ「あんたに比べて、ニコは何にも持ってないんだもの……。ニコの方こそ、そういうお願いをすべきだったんだわ」

真姫「ち、違うの。私、別にそんなつもりじゃ……」

にこ「でも、ちょっと意外ね。真姫がそんな願い事をするなんて」
45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 21:03:15.04 ID:ruqhQLTt0
真姫「意外……?」

にこ「だって歌うことにかけては、あんたは絶対の自信を持ってるじゃない。実際、それだけの才能に恵まれてるわけだしね」

真姫「……」

にこ「……悔しいけど」

真姫「!な、何よ。そんな言い方……」

にこ「本心から言ってるのよ。……この際だから言うけど、何度、あんたのことを羨ましいって思ったことか」

真姫「そんな……嘘でしょ?」

にこ「どうして?」

真姫「だ、だって、にこちゃんこそ、いつも自信に溢れてて……自分のスタイルを強く信じてるって言うか」
46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 21:04:57.14 ID:ruqhQLTt0
にこ「ふふ」

真姫「……にこちゃん?」

にこ「そうね。確かにそうだわ。でも、それは……そうするしかなかったからよ」

真姫「……?」

にこ「ちょうど、今の真姫くらいの頃だったかしらね……。ニコの身体は、もうこれ以上成長しないんだって、諦めるようになったのは」

真姫「!!」

にこ「今でこそ、この体型を活かしたキャラづくり……なんて、前向きに捉えられるようにもなったけど」

にこ「音ノ木坂に入ったばかりの頃は、卒業までにはもっともっと手足も伸びて、モデルみたいな体型になれるかも……なんて思い描いてたのよ」

真姫「……」
47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 21:06:22.06 ID:ruqhQLTt0
にこ「でも現実は御覧の通り……。まったく、笑っちゃうわよね」

真姫「にこちゃん……」

にこ「歌だってそう。もっと高い声が出たら、もっときれいな声で歌えたら……ずっとそう思ってやってきたわ。なのに……」

真姫「……」

にこ「なのに、あんたは初めから全部持ってるんだもの。ニコが欲しかったもの、全部……。やってらんないわ」

真姫「それは……」

にこ「……神様はきっと、真姫のことが好きなのね。だからたくさん贈り物を貰えたんだわ」

真姫「そんなこと、ない……」

にこ「ニコもね、昨日だけは神様を信じてみようと思ったの。あんたがくだらないって笑った、水晶玉にお願いしてみたの。でも……」

にこ「ニコの願いは、また叶わなかったみたい……」
ボソッ
48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 21:07:44.62 ID:ruqhQLTt0
真姫「……」

にこ「……じゃあね。他に用がないなら、もう行くわ」

真姫「……待って」

にこ「え……?」

真姫「待って。まだ行かないで。私の話は終わってないわ」

にこ「真姫……?」

真姫「……私は、神様なんて信じてない」

真姫「でも、もし本当にそんなものがいるんだとしたら……きっと神様は、私のことが嫌いだと思うわ」
49: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 21:08:46.02 ID:ruqhQLTt0
にこ「は……?何言ってるのよ。あんたが嫌われてるってんなら、ニコなんか……」

真姫「……確かに私は、歌が得意よ。自信もあるし、歌っている時は本当に楽しいと思うわ」

にこ「……」

真姫「踊るのだって好きだし、容姿もまあ……悪くないと思うの。μ'sに入って、自分の好きなこと、得意なことを思いっきりやれる今は……最高に幸せだと思う」

にこ「だからそれは……」

真姫「でも……いくら歌が好きでも、いくらμ'sでいることが幸せでも……私はいずれ、全部やめなくちゃいけないのよ?」

にこ「……!!」
50: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 21:10:00.60 ID:ruqhQLTt0
真姫「医学部に行かなきゃいけない私が音楽をやっていられる時間は、きっとそんなに長くはなくて……」

真姫「だから私は、みんな、何もかも、置いてかなくちゃならないのよ……!」

真姫「歌も、踊りも、μ'sの思い出も……こんなに大好きな、何もかも……」

にこ「真姫、あんた……」

真姫「神様の贈り物……?確かにそうかも知れないわね。でも、だとしたら酷く残酷で意地悪な神様よ。だって、最後には全部取り上げるつもりでいるんだもの」

真姫「だったら、初めから何もくれない方が、よかった……」
グスッ
51: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 21:13:46.40 ID:ruqhQLTt0
にこ「……」

真姫「私……音楽をやめたくない。ずっとみんなと……にこちゃんと一緒に歌っていたい。私、私……」
ボロボロボロ

にこ「真姫」

ギュッ

真姫「!!にこちゃ……」

にこ「いい歳して、ボロボロ泣くんじゃないわよ。みっともないわね……」

真姫「にこちゃん、私、私……」

にこ「あんたってほんとに不思議な子ね、真姫。自信家かと思えば、急に怯えて見せたり、強いかと思えば、子供みたいに泣き出したり」

真姫「だって、だって……」
グスッ

にこ「まあ、そんな真姫だからこそ、好きになったんだけどね」

真姫「……」
グスッ

真姫「……え?」
52: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 21:16:34.78 ID:ruqhQLTt0
にこ「……聞こえなかった?」

にこ「なら、もう一度言うわ。……好きよ、真姫」

真姫「……!!」

にこ「好き。大好き……」

真姫「にこちゃん……!」

にこ「よかった。ちゃんと言えた……」
53: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 21:17:51.90 ID:ruqhQLTt0
真姫「ど、どうして……?」

にこ「どうしてもこうしてもないわ。ただ、あんたが好きなの。真姫……」

真姫「で、でも……にこちゃんには、他に好きな人が……」

にこ「え?」
キョトン

にこ「……誰がそんなこと言ったのよ」

真姫「だ、だって、さっきにこちゃんは、私の願いを聞きたくないって……にこちゃんの願い事は、私には関係ないって……」

にこ「それがどうして「他に好きな人がいる」って解釈になるわけ?」

真姫「そ、それは……」

にこ「……何だかよく分からないけど、あんたの早合点よ、真姫。ニコの願い事は、誰か他の人に捧げたわけじゃないわ」
54: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 21:19:14.63 ID:ruqhQLTt0
真姫「じゃあ、一体なにを……?」

にこ「ニコはね、こうお願いしたの。答えを恐れず、好きな相手に想いを伝える勇気が欲しいって……」

真姫「!!」

にこ「……ずっと、苦しかったわ。誰にも言えない想いを抱えて……」

真姫「にこちゃん………」

にこ「自分の気持ちに気付いた時は、戸惑ったりもしたけれど」

にこ「もし真姫に気持ちを知られたら、嫌われちゃうんじゃないかって、いつも怯えてたけど」

にこ「でも、希の水晶玉のおかげで、こうやって想いを伝える勇気が持てた……」
ギュッ……
55: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 21:20:24.07 ID:ruqhQLTt0
真姫「だ、だけど……。だったら何で、私には関係ないなんて言ったのよ……!」

にこ「だって、ニコがあんたに告白する勇気を持てるかどうかは、ニコ自身の問題でしょ。真姫には関係のないことだわ」

真姫「それは……じゃ、じゃあ、どうして私の願い事を聞こうとしなかったの?」

にこ「……そこは、ニコの早合点だったわ」

真姫「早合点……?」

にこ「あんたの様子がなんだかおかしかったから、ひょっとしたら、真姫もニコを想って願いをかけてくれたんじゃないか、なんて……虫のいいことを考えちゃったわけ」

真姫「!!」
56: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 21:21:24.15 ID:ruqhQLTt0
にこ「告白する勇気を下さいって神様にお願いした以上、先にあんたの気持ちを聞くわけにはいかないでしょ。だから……」

真姫「そういう……わけだったのね……」

にこ「まあ、全部ニコの勘違いだったわね。あんたの願い事が歌のことだって聞いて、ちょっと、気持ちが挫けて……やっぱり、想いは秘めたままにしようとも思ったんだけど」

真姫「!!あ、そ、それは」

にこ「真姫がそこまで歌うことに想いを持ってたなんて、ね。神様からタダで何でも貰ってるみたいに言って、悪かったわ。あんたはあんたなりに必死だったのよね」

真姫「……」

にこ「そういうところも全部ひっくるめて……あんたのことが好きよ、真姫」
57: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 21:22:25.17 ID:ruqhQLTt0
真姫「にこちゃん、私……」

にこ「でも、安心して。ニコのことを好きになってくれとは言わないから」

真姫「!!」

にこ「あんたは、残された時間、歌や音楽に全ての情熱を捧げなきゃいけないんだもんね。まあ、さっきみたいに泣きたくなった時くらいは、ニコのことも思い出して欲しいけど」

真姫「に、にこちゃん、違うの。私は……」

にこ「……今日はありがとう、真姫。ニコの想いを聞いてくれて。これでもう……」

真姫「お願いにこちゃん、私の話を聞いて!」
58: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 21:24:56.11 ID:ruqhQLTt0
にこ「……!?」

真姫「さっきの話……あれは、嘘なの」

にこ「え?嘘……?」

真姫「……」
コクン

にこ「……どういうことよ?」

真姫「歌や、μ'sを愛してることは、もちろん本当よ。でも、私が希の水晶玉にした願い事は……違ったの」

にこ「……」
59: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 21:26:18.90 ID:ruqhQLTt0
真姫「私、ずっとにこちゃんに嫌われてると思ってて……それで苦しくて、でもどうしたらいいか、わからなくて……」

にこ「!!」

真姫「だからこう言ったの。にこちゃんの気持ちを知りたいって……そして、私はどうすればこの苦しさから逃れられるのか、それを教えて、って……」

にこ「真姫、あんた……」

真姫「ついさっきまで、あんな水晶玉なんてこれっぽっちも信じてなかったわ。でも、一つ目の願い事が叶って、二つ目も……」

にこ「……」

真姫「に、にこちゃん。わ、私も今から、私の願いを叶えるわ。いい……?」

にこ「……」
コクン



真姫「……好きよ、にこちゃん」
60: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 21:29:34.96 ID:ruqhQLTt0
真姫「私、にこちゃんのことが……好き」
ギュッ……

にこ「真姫……」

真姫「にこちゃん……」
ボロボロ

にこ「やだ、何で泣くのよ……」

真姫「だって、嬉しくて……すごく、嬉しくて……」

にこ「……どれくらい?」

真姫「大嫌いだった神様に、歌を捧げたくなるくらい……」

にこ「自分より歌が下手くそで、自分よりチビな先輩だけど……それでもいいの?」

真姫「……自分より背の高い、生意気な下級生を好きになるより、マシ……かもね」

にこ「もう。相変わらず口が悪いのね……」

真姫「にこちゃん。大好き……」
ギューッ

にこ「ニコも好きよ。真姫……」

にこまき「……」

61: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 21:30:45.73 ID:ruqhQLTt0
―物陰。


希「……どうやら、うまくいったようやね」

絵里「こういうことだったの……希が怪しげな水晶玉なんて持ち出した時は、何事かと思ったけど」

希「あの二人やったら、水晶玉の力なんてなくても、きっとこうなってたと思うけどね」

絵里「それにしても、凄いご利益ね。私ももっと何かお願いしてこようかしら」

希「実は、あの水晶玉はさっき真姫ちゃんが割っちゃったんや」

絵里「え?神社の宝物を……?」

希「あれは嘘。ほんまは、その辺の骨董品屋で1,000円で買うてきたガラス玉やから」
62: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 21:31:57.50 ID:ruqhQLTt0
絵里「!!呆れた……!希、あなたったら……」

希「二人の気持ちをちょっと後押ししたくて、な」

絵里「……でも、こんなにうまく行くなんて、あの水晶玉にはやっぱり不思議な力があったのかもしれないわよ?」

希「そうかも知れへんなあ」

絵里「割れちゃう前に、願い事をしておくべきだったわね」

希「ふふっ。言ったやろ?あんなのに頼らなくても……」
ギュッ

希「……うちの願い事は、こうしてもう叶ってるんやから……」

絵里「ちょっと、希……!誰かに見られたら……!」

希「大丈夫や。うちらの他にこの屋上にいるのは……」
チラッ

希「今はお互いのことしか見えない、あの二人だけやから……」

希(真姫、にこっち……。幸せにね)

希(たった1,000円のガラス玉で二人がうまくいくなら、安いもんや……)

63: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 21:32:45.51 ID:ruqhQLTt0
―翌日。


希「ちょ、ちょっと二人とも……?お店の人も呆れてはるし、その辺で……」

花陽「何を言ってるんですか希ちゃん……!」

凛「そうだよー。これからが本番だにゃー!」

花陽「ということで、ライスおかわりお願いします!」

凛「凛も替え玉追加だにゃー!」

希「ああ……」

店員「へいお待ち!」

りんぱな「いただきまーす!」
64: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 21:34:39.16 ID:ruqhQLTt0
希「せ、1,000円で済むと思ってたのに、とんだ出費になってもうた……」

希「にこっちと真姫ちゃんには今度おごってもらわんと、割が合わへんわ……」

花陽「ふう。じゃあそろそろ……」

希「!!せ、せやね。そろそろ行こか」

凛「……二軒目に行くにゃー!」

希「神様……!」

りんぱな「希ちゃんの水晶玉、すごいご利益だね!」

希「神様……どうか、うちを助けて……」

65: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/20(日) 21:36:18.86 ID:ruqhQLTt0
ーーおしまいーー

最後まで読んでいただき、ありがとうございました

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真姫「どんな願いも叶える水晶玉……?」
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