絵里「Bad timing」

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絵里-アイキャッチ6
1: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/16(金) 20:06:49.92 ID:eo4FrvES.net
※書き溜めはありません。のんびりまったり



――1/15 夜

絵里「……っふー」
絵里「英単語の見直しは終わり。国語はなるようになれ、世界史なんてどうとでもなる」
絵里「終わったわ……やれることはやったはずだわ……たぶん」

prrrr

絵里「希」

希「お疲れさん」

絵里「見てたようなタイミングでちょっぴり怖いわ……まあ明日はゆっくり休むから、根詰めは今日が最後ね」
絵里「希は大丈夫そう?」

希「じぇーんじぇん。大丈夫、人生長いからな」ニシシ
希「まあ真面目に答えれば、ウチは私立が本命やからね。明日は本番慣れするための模試、みたいなとこよ」

絵里「全くもう……」

希「ま、ま。エリチも程よく気ぃ抜いてな」

絵里「……よくよく考えれば、受験生やりながらアイドル活動、なかなかハードよね」
絵里「ラブライブ本選と国公立入試、めちゃくちゃ日程近いのよね」

希「大丈夫や絢瀬さん、キミならやれる! やれなくてもウチと一緒に予備校に通えばええんや!」

絵里「全くもう! 私は両方ちゃんとやり遂げるんだからね!」
絵里「嫌でしょ、ラブライブ優勝した後に受験不合格が発覚とかで、微妙な空気になるの!」
絵里「希も! ちゃんと志望校合格目指すのよ!」

希「あはは、まー善処します」
希「――まー、せやなー。みんな応援してくれとるしな」

絵里「……そうね」

元スレ: 絵里「Bad timing」

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3: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/16(金) 20:15:49.90 ID:eo4FrvES.net
――その日の数時間前


絵里「……これは?」

穂乃果「えへへ」

真姫「まー……何? その、なんてゆーか。壮行、っていうのかしらね」
真姫「正直、こういうのちょっと寒いかなとは思ったんだけど」

花陽「寒くない! 寒くないと思う……けど、どうかなあ」

凛「そーにゃそーにゃ! 全然寒くないにゃー! 少しも寒くないにゃー」

海未「……明後日、センター試験本番でしょう? アイドルとしての練習をこなしながらの勉強、お疲れ様でした」
海未「それで、私たち後輩一同から、絵里と希、にこに」

にこ「……リストバンド?」

ことり「そうなんだよ! えへへ、裏、見てみて」

希「……おー」

絵里「……これ、みんなが?」

真姫「ここ、ことり、まだ言わないって約束だったでしょ!」
真姫「今ここでメッセージ見られたら恥ずかしいでしょ!」

にこ「……」
にこ「……あんたら」

花陽「えっとね、多分本番はそういう装飾物つけられないかなとは思うんだけど」
花陽「私たちみんな、応援してるって、その」

穂乃果「花陽ちゃんと真姫ちゃんのアイディアだったんだよねー! 穂乃果全然思いつかなかったよ!」
穂乃果「正直に自白しますと、今週末も普通に練習するつもりでした」エヘヘ

海未「穂乃果、来年は私たちも受験なんですからね……センターの日程を忘れないでください」
4: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/16(金) 20:25:32.37 ID:eo4FrvES.net
にこ「……」

凛「あー、にこちゃんが泣いてるにゃー! 感極まってるにゃー!」ウェヘヘ

真姫「な、泣くほどのものじゃないでしょ!」

にこ「ありがと。うん、ありがとう、みんな」

凛「!」
凛「そ、そんな真面目に返されると、ちょっと……その」

にこ「なーにあんたが萎縮してるのよ。こんな本気の応援、茶化すわけないでしょうが」
にこ「正直、にこ、大学なんて絶対受からないし、卒業したらアイドルデビューのつもりだったし、記念受験の予定だったけど」
にこ「こんなんもらったら、本気出さないわけにはいかないわね……」

希「ニコっち、本気出しても多分あんま変わらんで」ニシシ

にこ「う、うるさい! うるさいわよ!」

絵里「……ありがとうね、みんな。うん、みんなの応援、確かに受け取ったわ!」
絵里「きっと、いい結果を出して帰ってくるわ」

希「みんな、週明けにエリチとニコっちが死にそうな顔してても、触れんといてな?」

にこえり「台無しにするのやめて!」

希「……あんがとなー。花陽ちゃん、真姫ちゃん、みんな。ウチもまあ、程々に頑張ってくるよ」
希「スピリチュアル鉛筆でマークシート対策もバッチリやし」

花陽「えへへ、頑張ってね、三人とも」

真姫「……二年後には私たちも受験か。うかうかしてられないわね……」

花陽「真姫ちゃんはお医者さん志望だもんね。私もそろそろ進路考えないと」

真姫「え、花陽は農学部でしょ? もうお米に一生を捧げると思ってたけど」

花陽「うーんどうかな……理系にはすると思うけど」

凛「真姫ちゃんかよちん、二年後のことを話すとナントカが笑うと言うからやめよう」シリアス
5: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/16(金) 20:35:26.29 ID:eo4FrvES.net
――現在


希「ほんま、ウチらはいい後輩を持ったなあ」

絵里「本当ね……」

希「受験となれば、なかなか卒業のことを意識せずにはいられないけれど」
希「うん、あんま試験前に話すことやないかもやけど、ウチらが卒業しても、きっと大丈夫やな」

絵里「――うん」


希「……しかし、なんちゅうか」
希「ひっどいタイミングやなー、と思うんよ」

絵里「ん――」
絵里「そう、ね」

絵里(希が何を言っているのか、分からないほど私は鈍感ではない)
絵里(私も希もにこも、センター試験は二日とも受ける予定をしていて)
絵里(つまり、そういうところに、ひどいタイミング、というのを、感じなくはないのだ)

希「それとなーく」
希「それとなーくな、話を聞いてみたけど。一応、ウチら以外の五人で集まって、お祝いはするつもりみたい」

絵里「……そっかあ」

絵里(センター初日、1月17日。μ'sの末っ子の誕生日が、自分たちの人生の岐路たる日にやってくる)
絵里(本当に最悪のタイミング、だ)
7: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/16(金) 20:49:08.93 ID:eo4FrvES.net
――1/16


穂乃果「……花陽ちゃん本人が、あんまり乗り気じゃないんだよね」

絵里「……え、っと?」

絵里(それとなく用事を思いつき、穂乃果に電話をしてみると、そんな話が出てきた)

穂乃果「ん、っとね。三人が頑張ってるときに、自分だけはしゃぐのって言うのが、花陽ちゃんとしてはあんまり、みたい」

絵里「……何それ? 全然気にしなくていいじゃない、そんなの」

穂乃果「……どうかな。そこは、私もなんとなく気持ちは分かる、かもしれない」
穂乃果「花陽ちゃんはメンバーみんなが大好きで、何かするにしてもみんな一緒がいい、って思ってて」
穂乃果「だから、そういう風に考えちゃうのかも」

絵里「――はぁ」

穂乃果「明日、みんなで集まって、って話は一応花陽ちゃんにもしているんだけどね」
穂乃果「花陽ちゃんは多分、断らないと思うけど。ただ、花陽ちゃんがそういう風に考えている中で、ちゃんと喜んでもらえるのか」
穂乃果「そこが、すごく気になってる」

絵里「……誕生日なんだから。その日は、いちばん大事な日でしょう?」

穂乃果「そう、なんだけどね――」
穂乃果「って、受験前日にこんな話しちゃってごめん! 忘れてー! 全部忘れてー!」

絵里「良いわよ、そもそも聞いたのは私じゃない! 大体、そんなことくらいで私のマークシート力は落ちないわよ」

絵里(とは言いつつも、ほんの少し。ほんの少しだけ、胸の中に棘が刺さったような違和感)
8: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/16(金) 21:02:54.48 ID:eo4FrvES.net
絵里(何が出来るわけでもない。私たちが明日センターを受けにゆく、という予定は変わらない)
絵里(気にしても仕方がないことではあるのだ。何が出来るわけでもない)


絵里「……あー。だというのに、何故私たちはセンター前日に街中をブラブラしているのかしら」

希「前日だからこそやん? もう今から何をやってもしゃーないやん?」

にこ「そーゆーこと。たまたま開いた英単語帳のページに乗ってる単語が、試験に出るわけないのよ」

希「思うにニコっちは、その出るわけないって諦めが出来るほどちゃんとやっとらんのではないか」

にこ「うるさいなー」

絵里「……何で私らは、別に約束したでもなく、たまたま町で出会ったの? これ運命か何か?」

にこ「あーうん、運命で良いわよ運命で。……二人とも、そういうことなわけでしょう?」

希「――まー。そうなー」


絵里「……さってと。受験生ですがー、センター前日ですがー、私たちはー」

にこ「花陽への誕生日プレゼントを買いにいきまーす」

希「いえーい」
9: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/16(金) 21:11:26.31 ID:eo4FrvES.net
絵里「……よくよく考えると、三人で買い物とか今までありそうでなかったわね」

希「ほんまなー。ニコっちと二人でどっか、とか、エリチと二人でどっか、とかはあったけど」
希「……エリチとニコっちでどっか、とか行ったことあるんやろか」
希「アカン! アカンで、今ウチめっちゃ地雷原を走り抜けたで!」
希「ニコっちとエリチに漂う、この友達の友達感! アカン! やっぱウチが真ん中におらんと」

にこ「あるわよね」

絵里「あるわね。ていうか結構一緒に服買いに行ったりとかしてるわよ」

希「!?」
希「え、ウチ呼ばれてないんやけど!? え、どういうこと」

にこ「割と絵里ってセンスないからさー、にこが見てあげないとひっどい私服になっちゃうのよねー」

絵里「に、にこに言われたくないなー! 何よ前BEAMS行ったときとかオシャレガール気取っちゃって!」
絵里「あんなロングスカート、今だから言えるけどすっごい似合ってなかったからね!」

にこ「え、絵里? ちょっと待って、あんたの頭悪そうな衣装とかもっと酷かったからね!」
にこ「今だから言えるけどアレはないからね!」

にこえり「」ギャーギャー

希「あかん……3人でおるのに孤独死しそうや……」
10: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/16(金) 21:21:38.66 ID:eo4FrvES.net
にこえり「」ギャーギャー

希「……ええよええよ、ウチは凛ちゃんと海未ちゃんと、リリホワメンバーで一緒に買いに行くから」グスーン
希「ニコっちもエリチもウチからしたらセンスなんてないわ……」シュン


にこ「……まあいいわ。絵里の美的センスにケチをつけても仕方ないわ」

絵里「そうよ、にこのダサさに文句をつけても仕方ないわ。花陽へのプレゼントが本題だからね?」
絵里「なんだかんだで明日センターなんだから、あんまり遅くならないようにしないと」

にこ「……何がいいかしらね」

希「うーん」
希「……考えてみると、何がええんやろな。花陽ちゃんといえばお米! ってところはあるけど」
希「誕生日にお米を贈る……うん、ないわ。喜んでくれるとは思うけど、ないわ」

にこ「思うにね、花陽もあんまり私服とかこだわらないタイプじゃない。服をプレゼントとか良くない?」
にこ「せっかく可愛いのに、小学生が着るみたいな服だったりするしさ」

絵里「服はいいと思うけど、サイズが分からないから微妙じゃないかしら」

にこ「んー……そうね、フリーサイズであんまり可愛いのってないしねー」

希「じゃあマフラーとか、そういうのどうやろか?」

絵里「ん、そうね、いいかも」

にこ「あーだめ。前のクリスマス会のプレゼント交換で真姫ちゃんから花陽にマフラーが行ってるわ」
にこ「……一旦服から離れましょう」
11: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/16(金) 21:35:51.64 ID:eo4FrvES.net
絵里(3人でわいわいがやがやしながら、私はふと、思い出していた)
絵里(初めて花陽と出会ったばかりの頃)
絵里(私と希が加入して、μ'sが9人揃ったばかりの、そういう頃の話だ)


絵里「μ'sに入れてもらったら、ちゃんと謝ろうと思っていたわ」
絵里「……ごめんね、小泉さん」

花陽「え、ええ!? な、なんかわたし謝られるようなことされましたか!?」

絵里(思えばまだあの頃は先輩禁止でもなく、私と彼女の間にはまだ、メンバー・仲間と言うには色々な垣根があったかと思う)
絵里(花陽は本人が言うように、気の弱いところもあって、私はこのとおりかしこくてクールで)
絵里(思えば、打ち解けるまでに一番時間がかかったのは、彼女だったかもしれない)

絵里「あー、えっと。その、色々厳しくしたじゃない。頑張ってる貴女に、全然ダメとか言っちゃったりもしたし」
絵里「メンバーになったんだから、ちゃんと仲良くしたいなと思って」

花陽「あ、え、えっと」
花陽「だ、大丈夫です! 全然ダメなのは本当だし、って全然ダメじゃダメなんですけど……」エヘヘ
花陽「だから、これからももっとすごく厳しくしてもらって大丈夫、です!」

絵里(今となって思えば、彼女のそういう控え目ながら、ちゃんと向上心があるところとか)
絵里(周囲をあたたかい気分にする愛らしい笑顔とか、周りの空気を読んで他人を気遣えるところとか)
絵里(そういうところをいいな、と思いつつ――なかなか、上手くいかないでいて)

絵里「……μ'sでは、花陽の方が先輩なんだからね? 私こそ厳しくしてもらってもいいのよ?」

花陽「ひ、ひええ! とんでもないです!」
花陽「ご、ご指導ご鞭撻、よろしくお願い致します!」


絵里(先輩禁止、を考えたのも――特に、なかなか打ち解けられなかった花陽と真姫の二人と、ちゃんと仲良くなりたかった、というのが一因だったと思う)
12: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/16(金) 21:44:51.93 ID:eo4FrvES.net
絵里「……私たちのときは、花陽から何をもらったんだったかしら」
絵里「私はネックレスを貰ったわ」

にこ「ん、にこは小さい鞄を貰ったわね。あんま高級なものじゃないって本人は言ってたけど、可愛くってさ」
にこ「何で人にあげるものは可愛いの選べるのに、自分はあんななのかしら……」

絵里(――花陽の美徳は、そういうところだ)

希「ウチはこのバングルやね。可愛い後輩から貰ったものやし、私服のときは出来るだけつけるようにしてるんやけど」
希「なんかスピリチュアル感あるやろこれ。いやーええもんもろたーって感じ?」

絵里(花陽は、人をよく観察していると思う)
絵里(どうしたら他人が喜ぶか、どういうものが好きか、というのをしっかり見ているんだと思う)
絵里(自分自身について、それが適用されないのが――花陽らしいといえばらしい)

絵里「……花陽がどういうものを喜ぶのか、分かんなくなってきちゃった」

にこ「……うん、正直、そうね」

希「お米……お米……」

絵里「お米から離れなさい」
13: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/16(金) 21:52:48.96 ID:eo4FrvES.net
にこ「例えばアイドルが好きだから、アイドルDVD」

希「ニコっちコレクションからか、太っ腹やな! でんでんでんとか喜ぶんやない?」

にこ「……別ににこはそれでいいんだけどね。アンタらは自分でプレゼント選んでね?」

希「連名や!」

にこ「にこのなんだからねー! ていうか真面目に考えるわよ!」

絵里「……うーん」
絵里「……!」

絵里(ショッピングモールを歩いていて、そのとき、それが目に入ったのは偶然だったと思う)
絵里(頭の中にあった選択肢から、外れていたそれ)

にこ「――絵里?」

希「……」

絵里「これ、どうかしら?」

にこ「……なるほどね」

希「――うん」
14: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/16(金) 22:09:26.21 ID:eo4FrvES.net
絵里(先輩禁止が発令され、みんなと急速に仲良くなって)
絵里(その中でもなお、私と花陽とが二人きりで話すこと、というのはなかなかない)
絵里(だいたいいつも花陽は、真姫か凛のどちらかもしくは両方、たまにことりや穂乃果、にこなんかと一緒にいる)

凛「それでねそれでね、そこのラーメンがね!」

真姫「全くもう、そんなだからアンタは」

花陽「まあまあ、真姫ちゃん。せっかくだから一緒に……」

絵里(目で追っていると分かるが、彼女はバランサーだ)
絵里(アイドルの話やお米の話をしているときは置いておいて、基本的には無口)
絵里(ただ喋らないわけじゃない。会話の中で、その流れがスムーズになるような一言を発しては、にこやかに話に聞き入る)

海未「花陽は本当にあの二人に振り回されっぱなしですね」
海未「たまには凛のわがままに抗ってみてもいいんじゃないですか」

花陽「抗うぅ!? え、えっと、全然そういうことはないんだよ、ちゃんと嫌なことは嫌って言ってるし」

ことり「もっとね、ことり的にはね、かよちゃんにパワーアップしてもらいたいんだよ!」
ことり「ことりと海未ちゃんと穂乃果ちゃん、実はいちばんつよいのはことりなのです! 2年生の支配者なのです!」

海未「また適当なことを……」

花陽「えへへ。わたし、みんなが話してるの聞くの好きなんだよ」


絵里(――彼女が大切だと思い、大事にしているものは)
絵里(……きっと、そういうことなのだと思う)

絵里(それこそが、私たちの選んだプレゼントであり、私たち3年生から贈る、花陽への親愛の証、なのだ)
15: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/16(金) 22:16:19.79 ID:eo4FrvES.net
ピンポーン


花陽「……えええええ!? な、なんで3人が!?」

にこ「なーによその顔は。ことりが米鉄砲食らったような顔してるわよ」

希「その表現は別に上手いこと言えてへんと思う」

にこ「……」シュン

花陽「え、あ、明日試験だよ!? 家であったかくしてないと!」
花陽「て、ていうか勉強だよ! 勉強!」

にこ「大丈夫大丈夫、すぐ家に帰って寝るわよ。勉強なんかしないわよもう」

希「ま、その前にな? 試験前に遺恨がないようにしとかんとなー思って」

花陽「……」
花陽「ご、ごめんね。気を遣わせて」

絵里(花陽は聡い子だ。何のために私たちが訪ねてきたか、ちゃんと分かっている)

絵里「花陽」
絵里「気を遣ってる、なんてことはないわ。むしろこうしとかないと、明日の試験に支障が出るわけ」

花陽「……でも」

絵里「……ふふ。本当に最悪のタイミングで誕生日が来ちゃったなー、花陽」
絵里「本当は当日に渡したかったけれど、一日早い誕生日プレゼント。おめでとうね、花陽」

花陽「絵里、ちゃん」
17: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/16(金) 22:28:51.08 ID:eo4FrvES.net
にこ「開けてみて」

花陽「……うん」


ガサゴソ

花陽「……これ、ネックレス? あ、かわいい。これ……アルパカ?」
花陽「こんなネックレス、あるんだね……!」

絵里「ええ。実は」クイッパカー

にこ「こんな感じで」クイッパカー

希「お揃いで買ってみた」クイッパカー

花陽「!」

絵里「……誕生日プレゼント。私たちも自分自身にプレゼントしちゃってるけど」
絵里「気に入ってくれると、嬉しいな」

花陽「……」
花陽「……すっごく、嬉しい! みんな、ありがとう……センター前、なのに」

絵里「花陽、誕生日おめでとう。――聞いたけど、私たちが試験なのに、みたいなこと言ってたみたいだけど」
絵里「そんなこと、全然気にしなくて良いのよ」

花陽「……」

絵里「私たちは、明日、全力で頑張ってくる。このネックレスつけて、花陽のことを想いながら、英語と向き合うわ」

希「ウチはあんまり向き合いたくないけど」ニシシ
希「花陽ちゃんが見てると思ったら、頑張らんわけにはいかんしな?」

にこ「……無事試験が終わったら、2回目の、ちょっと遅れた誕生日パーティやるんだからね?」
にこ「にこたちがセンター失敗してたら、ちょっとだけ時間をください」ボソッ

絵里「にこ、希、そうならないように頑張るのよ!」

花陽「……えへへ」
18: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/16(金) 22:39:47.79 ID:eo4FrvES.net
絵里「私たちは、誰よりもみんなのことをちゃんと見てる、優しい花陽のことを本当に好きよ」
絵里「このお揃いのネックレスが、その想いを形にした、って思って」

花陽「絵里ちゃん――」

絵里「だから、明日、みんなと一緒に誕生日パーティ、楽しみなさい」
絵里「貴女が私たちのことを想ってくれるのと同じくらい、私たちも貴女を想っているから」
絵里「貴女がもしも心から自分の誕生日を喜べていないなら、私たちだってガックリしちゃうんだからね?」

花陽「――うん、うん!」

絵里「よろしい」

にこ「……っさー! やり残したことはもう何もないわよー!」

希「全力でぶつかってくるでー!」

花陽「……三人とも、頑張って! 花陽、みんなのこと、応援してるから!」



絵里(花陽は、果たして明日心から己のことだけを喜ぶことが出来るか)
絵里(正直に言えば、自信はない。それが小泉花陽、という、心の優しい末っ子だからだ)
絵里(――それでも、どうか彼女のもっとも幸福な一日が、幸福であらんことを祈る)

絵里(あと出来れば、彼女の幸福が、私たちの試験問題にも届いてほしいものです、はい)
19: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/16(金) 22:49:47.47 ID:eo4FrvES.net
――1/17


花陽「……」ソワソワ

真姫「そんなにソワソワしても仕方ないでしょ」
真姫「……大丈夫よ、ダメならダメで来年が」

花陽「そ、そんなことないよぉ! ぜ、絶対大丈夫だもん!」

真姫「……大丈夫に決まってんでしょ?」
真姫「可愛い末っ子の誕生日、なんだから。そんな日に頑張れないお姉ちゃんはいないのよ」

花陽「……」

prrrrrrrrr!!

花陽「!!」
花陽「で、電話! 電話来たよ!」

凛「落ち着くにゃ! おおおお落ち着くにゃ!」

花陽「あわわわわ」
花陽「……で、でますっ!」

絵里『花陽?』

花陽「ふぁ、ふぁいっ! 花陽です! あのそのっ」
花陽「……ど、どうでしたか、って聞いても……?」

絵里『ふふ、まーまだ自己採点はしてないけど』
希『三人とも、ちゃんと頑張ったで! 英語簡単で助かったで!』
にこ『にこにー的にはぁ、当たり前の結果っていうかー?』

花陽「!!」
20: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/16(金) 22:55:12.35 ID:eo4FrvES.net
穂乃果「どどどどどどうだったの! どうだったの、花陽ちゃん」

海未「落ち着いてください」
海未「――花陽の顔を見れば、分かるでしょう」


花陽「そ、そっか! やった、やったね! お疲れ様!」

絵里『まー、まだ明日が残ってるけどねー?』

花陽「そ、そうだった、そうだったね、うん、明日も」

絵里『まー、これで、誕生日をお祝いするのに、なーんにも気兼ねすることはなくなったわね?』

花陽「……うん、うん!」

絵里『まあでも、お姉さんからひとつお願いをするなら、来週第2回パーティをやるんだから』
絵里『今日で、全部の喜びを放出しきらないように、残しておいてね?』

花陽「……うん!」


絵里『今日の誕生日パーティには行けないけど、取り敢えずね?』
絵里『可愛いμ'sの末っ子さん』
にこ『可愛いにこの弟子』
希『弟子て』

花陽「――!」


のぞにこえり『誕生日おめでとう、花陽(ちゃん)!』


穂乃果「いえーい!」パーン

海未「い、いえーい!」パーン

ことり「ちゅーん!」パーン

真姫「はいはいいえーい!」パーン

凛「いえーいにゃー!!」パーン



(まったりとしたまま終わる)
21: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/01/16(金) 22:59:39.69 ID:eo4FrvES.net
日が替わる頃までまったりやろうと思ってましたが1時間早かった
かよちん1時間早いけど誕生日おめでとう
センター試験の人は頑張ってください


参考画像:
http://i.imgur.com/WIUFPqF.jpg
みんなパカネックレスを買おう
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