にこ「ギアスの力を手に入れたわ」

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1: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 03:57:46.90 ID:G+stFulJ.net
にこ『とある日…いきなり何かわけのわからない集団に拉致られたわ』

にこ『全員目が血走ってて……もう何もかも終わりかと思った』

にこ『しかし、どこからともなく声が聞こえてきたの』



声「ウチの名前はN.T.もしあなたがまだやりたいことがあるなら、ウチと契約して力を授けたるで」

にこ「…わかったわ。受けるわよ!その契約!」

元スレ: にこ「ギアスの力を手に入れたわ」

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2: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 04:00:51.92 ID:G+stFulJ.net
にこ『その後その集団はどうなったか、って?』

にこ『それは…想像に任せるわ』

にこ『とにかく私は力を手に入れた…世界を牛耳ることさえもできる力をね!』

にこ『…ところで、N.T.っていう人の声、どこかで聞いたことがあったような気がしたけど…』
3: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 04:02:59.88 ID:G+stFulJ.net
にこ『ギアスの力…』

にこ『それは、誰にでも、言うことを強制的に聞かせられるという能力』

にこ『この力で私に命令された人は何があっても逆らえない』

にこ『たとえば見知らぬ人でも、右手をあげてと言えばあげるし、腕立て伏せをしろと言えば腕立て伏せをする』

にこ『スクワットも、反復横跳びも、ヒゲダンスもなんだってやる』

にこ『……死ね、って言ったら、死ぬしね…』

にこ『……』
4: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 04:04:27.45 ID:G+stFulJ.net
にこ『一応力を使う条件があって、相手と目を合わせること、命令の内容を相手が理解すること。これが重要よ』

にこ『そして、一応もう1つ重要なことがあるわ』

にこ『それは……1人に対して、1回しか使えない』

にこ『これらの条件は、街中の通行人なんかで試したから間違いないわ』
5: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 04:06:37.20 ID:G+stFulJ.net
にこ『ちなみに、μ'sのメンバーや、家族にはまだ使ってないわ』

にこ『つまり、身近な人間にはまだ使っていない、ということ』

にこ『身近な人間に使うには抵抗があるから?』

にこ『そうね…抵抗があるわ。私の良心が………』








にこ『…なんて言うわけないでしょ。1人に1回しか使えないから、使いどころを見誤らないようにしてるだけよ』

にこ『良心……?それは集団に襲われたあの日、あの場所に捨ててきたわ』
6: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 04:08:22.30 ID:G+stFulJ.net
にこ『ある日、ちょっとした事件が起こった』

にこ『学校でのライブの本番中に、穂乃果がいきなり倒れたの』

にこ『オーバーワークが原因で体調を崩したみたい』

にこ『そのライブは、ラブライブに繋がる重要なライブだった。こうみえてもアイドルだし、ラブライブは大きな目標だった』

にこ『しかし、穂乃果のダウンにより、ラブライブ出場は諦めよう、という結論が出つつあった』

にこ『私は、諦めたくなかった……』
7: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 04:09:19.78 ID:G+stFulJ.net
にこ「ちょっと待って!なんで出場辞退までしなきゃいけないの!?穂乃果だってラブライブ当日には体調も戻るわよ!」

絵里「…にこ。問題はそこじゃないの。穂乃果の体調管理にも問題はあったけど、それを止められなかった私たちにも責任はある」

にこ「はあ!?穂乃果は前日、あんなどしゃ降りの中で勝手に練習して勝手に風邪をひいたのよ?どう考えても穂乃果のせいじゃない!」

花陽「でも、私たちは穂乃果ちゃんがこの前のライブに向けて、すごい意気込んでいることを知っていた」

凛「その前から、ずっと厳しい練習を続けてることも知ってたし……」
8: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 04:10:22.02 ID:G+stFulJ.net
にこ「でも、私たちは忠告したじゃない!気負いすぎは良くないって」

海未「いえ…あの程度で立ち止まる穂乃果ではありません。私たちはそれを知っていながら、強い引き止めをしなかった」

ことり「これじゃあ、私たちが穂乃果ちゃんに無理させて、風邪をひかせたのも同じだよ……」

真姫「当日も明らかに具合悪そうだったしね…」



にこ「……納得できないわ」




希「………」
9: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 04:12:11.31 ID:G+stFulJ.net
にこ「どう考えても悪いのは穂乃果よ!辞退するなら穂乃果1人が辞退すればいいのよ!」

絵里「にこ?あなた、それ本気で言ってるの?」

にこ「こんなこと冗談で言うわけないでしょ!じゃあなに?私たちは、たったこれだけのことで、最大の目標だったラブライブ出場を諦めるの?あなたたちの意思は、その程度のものだったの!?本気かどうかなんて、こっちが疑いたいくらいよ!」

花陽「にこちゃん……」

海未「…にこの言うことも、痛いくらいわかります」
10: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 04:13:10.69 ID:G+stFulJ.net
にこ「じゃあなんで…」

真姫「こう見えても、穂乃果はリーダーだからね…穂乃果が離脱、っていうだけで、みんなのモチベーションが下がるのも、仕方ないわ」

ことり「穂乃果ちゃん……」

にこ「……わかったわ」

にこ「……わかったわ。やっぱり穂乃果のせいだってことがね」

にこ「あなたたちはアイドルがやりたいんじゃなくて、穂乃果についていきたいだけなんでしょ!?その手段としてアイドルが存在しているだけなんでしょ!?」

凛「それは……」
11: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 04:14:34.62 ID:G+stFulJ.net
花陽「違うよにこちゃん!確かに穂乃果ちゃんに誘われてμ'sに入ったけど……アイドルをやってるのは、自分の意思だよ!」

にこ「花陽……」

絵里「私たちは決してアイドルをやらされているわけじゃないわ。自分でやりたいと思ったからやってるの」

にこ「…絵里」

絵里「にこ。あなたの気持ちはすごくわかったわ。後日、穂乃果の体調や気力を確認して、最終決定を下しましょう」


希「………」



とりあえずその日に出場辞退の結論が出るのは避けられた。
12: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 04:15:56.06 ID:G+stFulJ.net
にこ『でも私は怖かった。穂乃果の心が折れてしまっていたら…それはμ'sの心が折れることを意味する』

にこ『私はその後すぐに穂乃果の家へ1人で向かった』

にこ『穂乃果の体調?知らないわよそんなもの』




高坂家

にこ「……穂乃果。寝込んでいるところ悪いけど、1つだけ質問してもいいかしら」

穂乃果「ゴホ、ゴホ……なに、にこちゃん」

にこ「あなた、ラブライブに出る意思はあるの?」
13: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 04:17:06.90 ID:G+stFulJ.net
穂乃果「………」

にこ「あるわよね?」

穂乃果「……」

にこ「……なんで何も答えないのよ」

穂乃果「…私が、みんなの忠告を無視して、無理な練習をして、その結果がこれ……」

穂乃果「私にラブライブに出る資格なんてないよ……」

にこ「……」
14: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 04:18:24.53 ID:G+stFulJ.net
にこ「呆れたわ。穂乃果ならまだまだやれる、って、体に鞭打ってもやる、って言うと思ったのに」

穂乃果「やっぱり…私にアイドルなんて無理だったんだよ…みんなを笑顔にするどころか、不安にさせて、心配させて…」

にこ「ふうん……で、あんたはどうしたいの?」

穂乃果「え?」

にこ「ラブライブに出ないなら、μ'sをこれからどうしていくか聞いてるの」
15: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 04:19:24.20 ID:G+stFulJ.net
穂乃果「…みんなで話し合って、どうすればいいか決めようかな、と思ってる…ゴホ、ゴホ」

にこ「…だめね」

穂乃果「え?」

にこ「今のあんたとみんなが話し合って、前向きな答えが出るとは思わない。たしかに穂乃果が結成したμ'sだけど、μ'sはあんたの私物じゃないのよ?壊すことは許されない」
16: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 04:20:47.88 ID:G+stFulJ.net
穂乃果「別に壊すだなんて…」

にこ「占い師じゃなくたってわかるわよ。このままだとμ'sは、よくて仲良し校内アイドル。悪くて解散ね」

穂乃果「そんなつもりは…」

にこ(私は我慢の限界だった。せっかく見つけた私の居場所。それを、この女の身勝手な行動により奪われたくなどなかった)

にこ(私は、初めてギアスをμ'sのメンバーに使うことにした)



にこ「穂乃果……あなた、μ's辞めなさい!」シュピーン


穂乃果「………!」
17: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 04:25:42.81 ID:G+stFulJ.net
にこ「そして、穂乃果はμ'sを脱退した……」

にこ「穂乃果は、他のメンバーを辞めないように説得したから、芋づる式にメンバーが脱退なんてことにはならなかったけど」

にこ「明らかにみんなのモチベーションが下がった…」

にこ「ラブライブの出場が決まる最終ランキング決定は明後日の夜」

にこ「一応、明日の放課後、ミニライブを講堂でやることが決まっているけど」

にこ「こんなことじゃ、誰かを楽しませることなんてできない」

にこ「ランキングも上がるどころか、きっと下がるわ」
18: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 04:27:16.11 ID:G+stFulJ.net
にこ『どうしようか…でも今の私なら、どうにかする手段などいくらでもある。だから焦りなどはなかった。むしろ、手段がありすぎてどの手を使おうか迷っているくらいだった』

にこ『そんな日の、昼休み…』

にこ『私はお手洗いをすませ、教室に戻ろうとしたところだった』





希「にこっち」

にこ「あら、希じゃない」

希「なに、物珍しそうに見て。同じ三年生なんやから廊下で会ったっておかしくないやん」

にこ「それもそうね」
19: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 04:28:40.04 ID:G+stFulJ.net
希「にこっち……穂乃果ちゃんに力使ったやろ」

にこ「!!!!」

希「ふふふ…わかりやすいなあ。図星って顔しとるで」

にこ「な……ななななんで私がそんなことを……っていうか、力ってなななんのこと?にこにーわかんなーい」

希「…今のにこっちが何かを誤魔化していること、凛ちゃんでも気づくで」

にこ「ちょっと希!いきなり意味のわからないこと言わないでよ!まさか、穂乃果が辞めたのが私のせいだとでも言いたいの?」

希「その通りやん」

にこ「!」
20: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 04:30:08.26 ID:G+stFulJ.net
希「今のにこっちの気持ち当てたろか?なんで希が力のことを知ってるの?なんで私が穂乃果を辞めさせたことを知ってるの?…やろ?」

にこ「…なんのことだか」

希「契約」

にこ「え?」

希「N.T.」

にこ「……」

希「ここまで言ったらもうシラを切るわけにもいかんやろ」

にこ「……まさか、希が、N.T.なの?」

希「そうやで。まあ簡単な話やろ。ウチのイニシャルだし」

にこ「そういえば…たしかにあのときの声も、ちょっと関西弁っぽかったような…」

希「謎が解けたやろ」
21: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 04:31:19.02 ID:G+stFulJ.net
にこ「……言っておくけど、穂乃果を辞めさせたのは間違ってないわ。穂乃果がいたら、μ'sは今頃解散してたわ。みんなまだショックは引きずってるけど、そのうち忘れるわよ」

希「……」

にこ「だいたいの人間は、悲しみは時がたてば薄れるもの。別に穂乃果が消えていなくなったわけじゃないんだし、別にいいじゃない」

希「まあ、にこっちがギアスをどう使おうが、ウチには関係ないけど」

にこ「じゃあなんなのよ」

希「契約内容の確認をね」

にこ「契約内容?」
24: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 04:37:59.84 ID:G+stFulJ.net
希「ギアスの力は言わばレンタルや。ウチがギアスの力を貸し与えるかわりに、にこっちにはウチの願いをひとつ叶えて欲しいんや」

にこ「はあ?なんで私が」

希「じゃあ力は返してもらうで?」

にこ「……」

希「だいたいそんな便利な能力、無償で使えるなんて虫が良すぎるやん」

にこ「…たしかにそうね」

にこ「わかったわ。あんたの願いって一体なんなの?」

希「それはな……」
25: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 04:39:42.70 ID:G+stFulJ.net
にこ「はああ……希のやつ、そんな制約があるなら始めに言いなさいよね……」

にこ「どうしようかしら……」





にこ『希のお願いは、今の私の力でもなかなか難しいものだった』

にこ『手段はなくはないけど……』

にこ『ってか、それよりも、今回のラブライブには出ないほうがいいって、どういうことよ』

にこ『お得意の占いかしら?カードが告げているのかしら?どちらにしろ出ない方がいいなんてあり得ないわよ。ずっと目標にしてきたんだから。高校球児に甲子園を諦めろと言ってるようなものよ』
26: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 04:41:52.13 ID:G+stFulJ.net
にこ『それと、希はこうも言っていた』

にこ『ラブライブはもう1回ある…って』

にこ『しかもやたら確信に満ちた表情で』

にこ『……あそこまできっぱり言い切られると、嘘だと決めつけることはできないわね…』












放課後。

にこ『掃除当番だった私は少し遅れて練習に参加した』

にこ『屋上にはすでに全員が集まっていた』

にこ『…が、ちょっとした問題が発生していた』
27: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 04:43:19.15 ID:G+stFulJ.net
凛「もういやだにゃー!絵里ちゃん厳しすぎる!」

絵里「何を言っているの?別に以前と変わらないじゃない」

凛「できないものはできないの!凛の体の固さ知ってるくせに、無理矢理やらせようと…」

絵里「ダンスにおいて柔軟性は重要よ。だいたい泣き言は言わないって、以前みんなが言ったでしょ?みんなちゃんとやってるんだから、凛だけやらないなんて認められないわよ」

凛「……嫌だ」

花陽「…凛ちゃん?」

凛「嫌だにゃ!絵里ちゃんは凛のことが嫌いなんだ!だから凛を集中攻撃して……穂乃果ちゃんはこんなことしなかったのに…」

真姫「凛……待ちなさい」

凛「やっぱり凛はリーダーは穂乃果ちゃんがよかった!」

絵里「…!」





にこ『…あーあ、せっかく解散の危機を乗り越えたと思ったら、今度は内部分解の危機か…』
28: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 04:45:22.39 ID:G+stFulJ.net
にこ『穂乃果が辞めて、新しいμ'sのリーダーが絵里に決まっていた』

にこ『…しかし、みんなどこかで穂乃果ロス状態があるのを隠していた』

にこ『何しろ、最近は誰も笑わなくなった』

にこ『そんな中、溜まっていた穂乃果ロスを、凛が爆発させてしまったのだ』

にこ『絵里に八つ当たりする、という形で』








海未「凛!言い過ぎです!だいたい新しいリーダーは満場一致で絵里に決定したじゃないですか!練習の内容だって以前と変わっていません。凛、あなたが言っているのはただのわがままです!」

凛「…海未ちゃんは、穂乃果ちゃんと付き合い長かったよね」

海未「え?ええ、そうですが」

凛「海未ちゃんは、穂乃果ちゃんがいなくても平気なんだね」

海未「は?」

凛「こんな簡単に割りきれるなんて…海未ちゃんも…所詮は穂乃果ちゃんのことその程度にしか思ってなかったんでしょ!?」
30: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 04:47:31.01 ID:G+stFulJ.net
海未「……!」


バシン!


にこ「……!」

凛「……」

海未「凛…あなたに何がわかるのですか…私だって、私だって!穂乃果がいなくなってどれだけ悲しんだか…それを……」

ことり「海未ちゃん!落ち着いて!」

海未「ただ花陽についてきてノリでグループに入っただけのあなたに言われたくありません!!」











にこ『あーあ、これはまずいわね』

にこ『誰が聞いても今の海未のセリフはタブーだわ』

にこ『ライブは明日。こんなときに内部分解だなんて…普通なら出場を諦める…といいたいところだけど』

にこ『諦めることにはもう飽きたの。今まで二年間半。私は諦めの連続だった』

にこ『今は、どうしようもない状況ではない』

にこ『私には、力があるのだから……』



希「……」
31: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 04:49:53.18 ID:G+stFulJ.net
にこ『凛はそのまま走り去っていってしまった』







絵里「…私、ダメね…リーダー失格よ」

花陽「そんなことは…凛ちゃんも、一時的なものだと思うよ?」

真姫「…まあ、言い分を聞いている限りは、凛が悪いわね。ただのわがままだもの」

海未「……そうです。絵里は悪くありません…悪いのは、私です…」

ことり「う…海未…ちゃん…」

海未「カッとなって手をあげてしまいました…しかも、絶対に言ってはいけないことまで言ってしまった……」

にこ「そうね」

ことり「にこちゃん?」

にこ「途中から見てただけだから詳しい経緯はわからないけど、海未のやり方は間違っていたわ。加入の経緯なんてどうだっていいのよ。それをつついてしまった海未は悪い」

海未「…返す言葉もありません」

にこ「まあ、それを十分に反省しなさいよね?海未ならできるでしょ?」

海未「……ですが、凛は」

にこ「凛は私が連れ戻すわ」

海未「…え?」
32: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 04:51:47.16 ID:G+stFulJ.net
絵里「ちょっ…それなら、私にも責任があるし、私が…」

海未「いいえ、どう考えても私が悪いので、私が」

にこ「あなたたちが行ったところで、話がこじれるだけよ」

海未「…しかし、何もけじめをつけないのは…」

にこ「それもこれも全部含めて私が解決してあげる。宇宙No.1アイドルをなめるんじゃないわよ」

希「……」







部室

ガチャ

にこ「凛?入るわよ…」

凛「うひゃっ!」

ドン!

にこ「痛っ…ちょうど帰ろうとしてたところなのね」

凛「にこちゃん…何しにきたにゃ?」

にこ「うん?…まあ、あなたを引き止めにね…」

凛「…無駄だよ。凛はもうアイドルは辞める。体は固いし、かよちんのついでに入ったようなものだし」

にこ「…ちょっと勘違いしないで凛。私はあなたを説得しようとしてるわけじゃないのよ」

凛「え?じゃあ……」

にこ「凛……確執も何もかも忘れて、μ'sに戻りなさい!」シュピーン

凛「……!」
33: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 04:53:07.90 ID:G+stFulJ.net
屋上

ガチャ

凛「さあて、今日も練習、いっくにゃー!」

5人「!?」

凛「ライブは明日だからね!最後の確認もしっかりして明日に備えないと」

5人「……」

にこ「絵里。練習再開よ」

絵里「ちょ…ちょっとにこ。一体なにがあったの?」

海未「どんな魔法を使ったのですか?」

にこ「魔法?まああながち間違ってないわね。にっこりの魔法、といったところかしら」

絵里「は?」

希「まあええやん。凛ちゃんも戻ってきたことやし、早く練習しよ?」

絵里「ちょっ…希…」

にこ「……」

希「にこっち」

にこ「…?」

希「ライブ、明日やね」

にこ「…そうね」
46: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 10:09:56.21 ID:1Lc8AxCc.net
ライブ当日。


にこ『私たちは、私たちにできることを出しきった』

にこ『今日の時点でのベストパフォーマンスをしたわ』

にこ『希の言う、今回のラブライブは出ない方がいい、という忠告は気になったけど』

にこ『そんな脅しで引き下がるほど聞き分けはよくないものですから』

にこ『直前のランキングは21位』

にこ『これが、1つでも上がっていれば、私たちはラブライブに出られるのよ』

そして次の日、結果発表日…!
47: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 10:12:17.06 ID:1Lc8AxCc.net
にこ「22位……」





にこ『結論から言うと、私たちはラブライブ出場を逃がした』

にこ『しかも、順位は下がっていた』

にこ『私たちは間違いなく最高のパフォーマンスをしたわ』

にこ『なのに順位が下がる、っていうことは…』

にこ『実力が、まだまだ足りない…!』
48: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 10:13:53.39 ID:1Lc8AxCc.net
花陽「…やっぱり、上には上がいるんだね」

にこ「当たり前よ!そもそも今年結成したばかりの私たちがそう簡単においそれと出場できるほど、甘くなかったのよ…ラブライブは」

絵里「そうね……」

海未「手は尽くしたのですが……」

真姫「……」

ことり「そういえば、凛ちゃんは?」

にこ「凛なら屋上にいるんじゃない?多分練習してるわよ」

絵里「…あの日から、凛はいきなり変わったわ。自由奔放な性格はそのままだけど、誰よりも熱心になった」
49: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 10:16:19.49 ID:1Lc8AxCc.net
海未「…直前まで、あんなに対立していた私たちのことも、いともさっぱり許してくれましたし…」

絵里「…許してくれた、というよりは、忘れられた、という方が正しいような…」

海未「そうですね。私が謝罪したとき、きょとんとした表情をしていました。あれは記憶レベルで忘れているくらいの反応でしたね」

にこ「ちょっと、だからなんなのよ。結局はそれで方向性が一緒になったんだからよかったじゃない」

絵里「…そうなのかしら」

海未「…今考えると、穂乃果もおかしかったです。いくら穂乃果のせいでライブが中止になったからといって、脱退までするでしょうか」
50: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 10:17:12.17 ID:1Lc8AxCc.net
にこ「…でも実際辞めたじゃない」

ことり「たしかに穂乃果ちゃんにしてはおかしかったよ。普段の穂乃果ちゃんなら、まあ少しは悩むだろうけど、結局最終的には前を向ける人。だけど、やけにあっさり諦めちゃったし」

海未「そうですね……凛といい穂乃果といい、何かがおかしいです」

真姫「にこちゃんは何か知らないの?」

にこ「え?なんで私が」

真姫「だってあの時凛を説得しに行ったのにこちゃんでしょ?」

にこ「……!」

にこ(なんでこういうとこ鋭いかな…)
59: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 17:40:44.38 ID:1Lc8AxCc.net
にこ「別に…ただ説得しただけよ。私はあんたたちと違って冷静だったから、感情的にならないように説得したの」

海未「…しかしあの時の凛はかなり荒れていましたし」

真姫「そんなことで説得なんてできるものなのかしら」

にこ「…!」

にこ「うるさいわね!元々はあんたたちが蒔いた種じゃない!それを私が拾ってあげたのよ!なんで私がこんな睨まれなきゃならないの!?」

絵里「ちょっ…べつにそういうつもりじゃ…」

にこ「じゃあ何!?みんなは凛がそのまま脱退すればよかったとでも思ってたの!?」
60: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 18:16:31.79 ID:1Lc8AxCc.net
真姫「……」

にこ「な…なによ」

真姫「今のにこちゃん、感情的になってるわね」

にこ「!!」

真姫「そんなにすぐ感情的になっちゃう人が、冷静に説得?…どうも信じられないわ」

にこ「……何が言いたいの?はっきり言いなさいよ」

真姫「じゃあはっきり言ってあげる。私はにこちゃんが、凛や穂乃果を脅迫したんじゃないか、って思ってる」

にこ「……は?脅迫?」

真姫「じゃないと穂乃果の脱退や凛の変わり身は説明つかないわ」
62: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 18:25:50.19 ID:1Lc8AxCc.net
にこ「…なあんだ。そんな勘違いか…てっきり私はギア……」

希「まあまあ、真姫ちゃん。気持ちはわかるけど、別に脅迫したなんて証拠があるわけでもないやん」

真姫「そうだけど……」

希「凛ちゃんだって、脅迫されている、なんていう風にはウチには見えんよ。ほんまに自由奔放ないつもの凛ちゃんや。何かに怯えてる様子もない。凛ちゃんがそんなことを隠せるとも思われへんしな」

真姫「……たしかにそうね」

にこ「……希」

希「それより、ラブライブに出られないことが決まった今、これからどうするん?それを決めるのが先決や」

絵里「希……あなた、リーダーに向いてるかもね」

希「そんなことないやん。リーダーは絵里ちやで」
64: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 18:34:55.14 ID:1Lc8AxCc.net
ことり「あの……」

絵里「どうしたの?ことり」

ことり「……」

海未「…ことり?」

にこ「?」

ことり「辞めたい、とかじゃないんだけど……私、ちょっと休みたい」

にこ「え!?」

絵里「どうかしたの?ことり」

ことり「うん…やっぱり、この結果もあるし…あんなに頑張ったのに、順位が下がるなんて……やっぱりちょっとショックだったかな…なんて…」

海未「……」

絵里「……」

ことり「本当に辞める、とかじゃないよ?ただ、色々考えたくなって……」

にこ「……」
66: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 18:44:45.13 ID:1Lc8AxCc.net
花陽「穂乃果ちゃんもいないしね…」

にこ「だから!なんでそこで穂乃果の名前が出てくるのよ!」ダンッ!

絵里「………にこ?」


にこ「あっ…!ご、ごめん。なんでもない…」

海未「…しかし、ことりの言うことにも一理あります。一度休んで、じっくりこれからのことを考えてみる、というのも必要かもしれません」

にこ「なっ…」

希「せやな。ウチもそれがいいと思う」

にこ「希まで…」

絵里「そうね……」

絵里「じゃあ今日は解散。部活としての活動もしばらく休むわ。頃合いをみてまたみんなで集まって話し合いましょう」

にこ「…そんな」

絵里「部長。これでいいかしら」

にこ「……わかったわ」
67: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 18:51:02.80 ID:1Lc8AxCc.net
にこ『そしてその日は解散。凛は花陽が事情を話し連れて帰った』

にこ『私は、帰る気すら起こらず、1人部室に残っていた』





ガチャ

にこ「!」

希「にこっち、まだいたん?」

にこ「希……あなたこそ、まだ帰ってなかったの?」

希「にこっちって、ホンマ不器用やんな」

にこ「……」

希「さっき、ついうっかりギアスのこと口走りそうになったやん」

にこ「う……」

希「それに、いちいちついカッとなるし……ギアスの能力者の性格としてはあまりいただけんわ」

にこ「……ごめん」
73: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 19:18:56.90 ID:1Lc8AxCc.net
にこ「ねえ…希。μ'sはこれからどうなると思う?」

希「うーん…なるようになる、としか言えんなあ」

にこ「なによそれ……」

にこ「……正直、私もショックだわ。精一杯頑張ったのに、順位が下がって、ラブライブには出場できない……これから何を目標にしていけばいいのか…」

にこ「…希との契約も……」

希「そういえばにこっちは、なんで順位操作しなかったん?」

にこ「え?」

希「にこっちの力なら、主催者や審査員を操って、無理矢理出場させることも可能だったやん。なんなら今からでも、上位2チームを出場辞退に追い込めば、繰り上がりで出場できるんやないの?」
74: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 19:25:14.80 ID:1Lc8AxCc.net
にこ「…もちろん考えたわよ。考えたけど……できなかった」

希「…なんで?」

にこ「…トップアイドルは、私の小さい頃からの夢。そのために、今まで色んな努力をしてきたつもりよ」

にこ「だから…アイドルの道だけは、自分の力で進みたかったの。仮に無理矢理出場権を得ても、私は多分喜べない…」

にこ「アイドルに対してだけは、自分に嘘をつきたくない。偽りたくないの」

にこ「…メンバーに嘘ついたり、操ったりしてる私が言っても、なんの説得力もないだろうけどね」
79: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 23:04:12.56 ID:1Lc8AxCc.net
希「さすがにこっちやなー。アイドルに対しての志が高いやん」

にこ「ねえ、もう一度確認するけど、本当にもう一回ラブライブがあるの?」

希「うん。それは間違いないで。来年の3月や」

にこ「3月!?卒業じゃない…っていうか部活できるの?それ」

希「一応学生であるうちは部活動は認められとるみたいよ」

にこ「……それが本当なら、主催者は受験生にケンカ売りまくってるわね」

希「にこっち、受験するの?」

にこ「……しないけど」

希「ならええやん」
80: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 23:16:33.80 ID:1Lc8AxCc.net
にこ「希は?大学とか行くの?」

希「ウチはもう進路決まってるし」

にこ「え?いつの間に!?…どこ行くの?」

希「…さあ。どこやろ?」

にこ「なんでよ!教えなさいよ!」シュピーン





希「…ウチにギアスは効かんで」

にこ「…まあ予想はできてたけどね。だからこんなしょーもない質問で使ってみたんだし」

希「まあええわ。3月までは半年あるから、それまでどう建て直すかやな。もちろん目指すんやろ?ラブライブ」

にこ「愚問すぎるわね。当たり前じゃない」

希「じゃあにこっち、頑張ってな」

バタン


にこ「…なによあいつ…他人事みたいに…あんたもμ'sの一員だっていうのに」
81: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/29(木) 23:17:21.77 ID:1Lc8AxCc.net
ガチャ

希「あ、一ついい忘れとった」

にこ「え?」

希「…真姫ちゃんに気をつけーな」

にこ「は?真姫ちゃん?」

希「真姫ちゃんは薄々感づいてるかもしれんで。ギアスの正体に」

にこ「はあ?何言ってるの。こんな非科学的なもの、誰が信じるっていうのよ。ましてやあのリアリスト真姫ちゃんが…有り得ないわよ」

希「……まあ、ウチは言うことは言ったから。ほんじゃ」

バタン


にこ「……そもそも気づかれたらなんだっていうのよ。私はμ'sのために使ってるのよ。責められる筋合いなんてないわ」
83: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/30(金) 01:25:41.40 ID:Qm42bGlA.net
次の日


にこ『私はいつも通り、放課後部室にいた。もちろん誰も来るはずがない』

にこ『って思っていたけど……』





ガラッ

凛「おっはよーー!」

にこ「凛?」

花陽「ちょっと…はあ、はあ、凛ちゃん早いよ…」

にこ「花陽?」


にこ「二人ともなんで…部活は休止よ?」

凛「なんでって…別に禁止されてるわけじゃないし、やるのは自由でしょ?」

花陽「じゃあ逆に質問だけど、にこちゃんはなんでいるの?」

にこ「…なんでって……別に…気がついたらここにいただけよ」

凛「じゃあにこちゃんも一緒に練習にゃ!」グイ

にこ「ちょ、ちょっと!」
84: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/30(金) 01:34:35.47 ID:Qm42bGlA.net
にこ『その日、私たちは3人で練習をした』


にこ『正直、凛の運動量は半端ではなく、絵里が指揮していた時より疲れた。絵里の練習に文句を言ってた凛はどこへ行ったのか…私と花陽はクタクタになった…』


凛「じゃあ、今日はこれで終わりにしよっか」

にこ「や、やっと終わったのね…」

花陽「凛ちゃん……絵里ちゃんより厳しいよ…」

凛「そう?人数が少ない分個人の負担が増えたのかな」

にこ「それを差し引いても多いわよ…」

花陽「ちょっと…昔を思い出したよ…」

にこ「昔?」
85: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/30(金) 01:43:08.16 ID:Qm42bGlA.net
花陽「あっ、昔っていっても、何ヵ月か前の話だけどね。私がμ'sに入ったとき、思ったより練習が辛くて…凛ちゃんはついていってたけど、私と真姫ちゃんはいつも練習が終わる頃にはクタクタだったの」

にこ「…確かにこの状況に似てるわね」

花陽「でも、楽しかった。アイドルになるために頑張ってるんだ、って自覚ができたから。厳しくても、何も苦しくなかったよ」

にこ「……花陽」

花陽「……みんな、戻ってくるかな…」

花陽「希ちゃんが、μ'sは9人のグループだ、って言った意味、なんとなく今ならわかる。私たちは9人でμ's。それ以上でも、それ以下でもない」
86: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/30(金) 01:49:10.48 ID:Qm42bGlA.net
花陽「私ね、なんでランキングの順位が下がったか、なんとなくだけどわかったの」

にこ「え?」

花陽「8人だったからだよ。μ'sは9人のグループ。今まではそれが大前提だった。もしあれがμ'sじゃなくて、全く新規のグループとしてエントリーしていたら、結果は違ったかも…」

にこ「…意味がわからないわよ。9人じゃないから落選した?そんなものただの精神論じゃない。実力の無さに言い訳してるだけよ」

花陽「確かに実力はまだまだかもしれないけど……9人いたら、結果は違ったと、確信できる。根拠はないけどね」

にこ「……なによそれ」

凛「二人とも、そんなところで寝転がってたら風邪ひくよ?」
87: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/30(金) 01:56:47.39 ID:Qm42bGlA.net
にこ『そしてその日は凛と花陽と別れ、私は1人帰路についた』


にこ『その帰り道…』






不良A「いいだろ?少しだけ相手してくれよ」

不良B「なんでも奢るからさー」

「ちょっとやめて!私はこれから帰るの!」

不良A「そんな堅いこと言わないでさ」

不良B「っていうか、あまり抵抗すると、逆に良くないかもよ?」

「はあ?意味わかんないし!」




にこ『どうやら誰かが不良に絡まれているようだ』

にこ『今どきこんなことする不良が存在していたのか……どうせ、忍ばせているナイフなんかをちらつかせ、脅すのだろう』

にこ『はあ…と溜め息をつきながら、私はそのいざこざを見た』

にこ「……あれ?」
88: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/30(金) 02:02:12.14 ID:Qm42bGlA.net
にこ「真姫ちゃん…?」


にこ『不良に絡まれていたのは真姫ちゃんだった』

にこ『不良は次第に強引になり、ついには真姫ちゃんの腕をつかんで無理矢理連れていこうとしていた』



にこ「ちょっと!やめなさい!」

不良A「?」
不良B「?」

真姫「……にこちゃん?」

にこ「その子は、私の友達なの。放しなさい」

不良A「ええー?」
不良B「嫌だよー」
不良A「ってか、ついでに君も来ない?」
不良B「終わらないパーティーやるんだけどさ」

にこ「放しなさい!!」シュピーン


不良A「……!」
不良B「……!」
92: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/30(金) 02:24:15.56 ID:Qm42bGlA.net
にこ『やってしまった……』

にこ『メンバーの目の前でギアスを……』

にこ『しかもよりによって、一番疑われているであろう(希談)真姫ちゃんの目の前で…』

にこ『…でも、証拠は何もないんだし…にこの威厳に相手が恐れをなしたってことにすれば…』

にこ『…ダメよ!アイドルがそんな威厳なんてあってはいけないのよ!』

にこ『……』

真姫「にこちゃん」

にこ「は、はひっ!?」ビクッ

真姫「…震えてるじゃない。そんなに怖かったの?」

にこ「え…」

真姫「そんなに怖かったのに、勇気を出して私を助けてくれたのね……ありがとう」

にこ「…真姫ちゃん」
93: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/30(金) 02:29:32.67 ID:Qm42bGlA.net
にこ『震えてたのは、真姫ちゃんにバレるんじゃないかとビクビクしてたからなんだけど…』

にこ『いい具合に勘違いしてくれたみたい』

真姫「でもあの不良、あんなに強引だったのに、意外とあっさり引き下がったわね」

にこ「……!」

にこ(ヤバい、話題をそらさなきゃ)

にこ「なんで真姫ちゃんはこんな時間にこんなところに?」

真姫「え?ああ、塾に行ってたのよ」

にこ「塾に?」

真姫「ええ。最近あまり行けてなかったし、練習も休みだったから」
94: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/30(金) 03:16:46.31 ID:Qm42bGlA.net
真姫「にこちゃんは練習してたの?」

にこ「え?なんで知ってるの?」

真姫「すごい汗かいた跡あるし…にこちゃんが汗をかくなんて、練習以外ありえないしね」

にこ「なによそれ」

真姫「まあこんな感じで、私は結構細かいところに気づくのよ」

にこ「は…?」

真姫「実は今日、塾に行く前に、穂乃果の家に寄ったわ」

にこ「え……」

真姫「……」

にこ「……」
95: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/30(金) 03:23:45.35 ID:Qm42bGlA.net
真姫「…まあ、結論から言うと、穂乃果が辞めたのは自分の意思で間違いないわ。変な挙動も見られなかったし」

にこ「……」

真姫「…少しでもにこちゃんを疑っちゃって、ごめんなさい」

にこ「…わ、わかればいいのよ。私こそ、簡単に感情的になっちゃったりして…」

真姫「…いいわよ。今助けてくれたしね。にこちゃん、私の友達、って言ってくれたし」

にこ「?それがなによ?」

真姫「いいえ……友達なんて呼ばれることになれてなかったから」

にこ「…真姫ちゃん、友達いなかったの?」

真姫「う、うるさいわね!作らなかったの!あえて!」

にこ「真姫ちゃん感情的になってるよー」ニヤニヤ

真姫「~~~~」
96: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/30(金) 03:30:27.34 ID:Qm42bGlA.net
にこ『そして真姫ちゃんとは円満に別れた…』

にこ『そういえば、笑ったのなんて久しぶりな気がする』

にこ『…以前のμ'sは、もっと笑顔が溢れていたはずだけど』

にこ『……μ'sは9人、か……』



にこ『とりあえず私の疑いは晴れたはず』

にこ『真姫ちゃんも、あの様子ならすぐに戻ってくるだろう』

にこ『花陽や凛は最初から諦めるつもりはないみたいだし』

にこ『思いの外、再始動への道のりは遠くなさそうね…』




にこ『と、思ったのもつかの間』

にこ『また新たな問題が発生したわ』

にこ『一難去ってまた一難、ってやつね…』
97: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/30(金) 03:37:02.61 ID:Qm42bGlA.net
にこ「は!?ことりが海外留学!?」

希「うん。昨日、たまたまことりちゃんに会ってな。服飾の勉強で海外留学に行くつもりらしいで」

にこ「なんでいきなり…海外に行ったら、μ'sの活動は無理じゃない!」

希「とりあえずまだ決めてはいないらしいで。親に薦められて迷ってる段階らしいんや」

にこ「……そういえばことりは、服に関わる仕事をするのが夢だって言ってたわね…」

希「せやな。だからことりちゃんも迷ってるんやろ」

にこ「……夢、か」
99: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/30(金) 03:45:20.24 ID:Qm42bGlA.net
にこ『私は昼休み、ことりを部室に呼び出した』


にこ「聞いたわことり。海外留学の案内が来てるそうね」

ことり「…うん」

にこ「単刀直入に聞くわ。どうするつもりなの?」

ことり「……」

にこ「別に私に気を使う必要なんてないわよ」

ことり「…まだ、決めてはいないんだけど……」

にこ「……」

ことり「…行こうかな、って思ってる」

にこ「……まあ、そりゃそうよね」

ことり「にこちゃん?」

にこ「服飾はあなたの夢なんでしょ?夢を追いかけたい、というのは当たり前の感情じゃない」

ことり「……でも、μ'sも、同じくらい好きだった…だから、まだ迷ってるんだ……」
104: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/30(金) 16:52:35.82 ID:Qm42bGlA.net
にこ「好きだった……過去形ね…」

ことり「え?」

にこ「なんでもないわ。わかったわ。もし行くとしたら出発日はいつなの?」

ことり「…3週間後」

にこ「そこそこ早いわね…」



にこ「……どちらを選ぶにしても、あなたの後悔のないように決めなさい」
105: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/30(金) 17:16:08.47 ID:Qm42bGlA.net
3年生教室前の廊下


希「意外やったわ。ギアス使わんかったんやね」

にこ「……まだ使わないと決めたわけじゃないわよ」

希「しかし、感情的にもならんかったし、にこっちにしては冷静やったな」

にこ「希…盗聴でもしてたの?」

希「いやいや、気になったから外で聞いてただけや」

にこ「…あまり盗聴と変わらないような…」

希「でもこのままやったらことりちゃんは……」

にこ「十中八九海外へ行くでしょうね」
106: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/31(土) 05:15:49.41 ID:NlbKCrXf.net
にこ「…まあ、衣装係がいなくなるのは、はっきり言って痛手だけど、本人の夢だし、そこは無理強いできないわ」

希「…無理矢理穂乃果ちゃんを辞めさせた人の台詞とは思えんな」

にこ「夢を持ってる人はなんか応援したくなるのよ。私がそうだったから…」

希「…そうだった?」

にこ「だから、今回はことりの意思を尊重するわ。まあ、留学はほぼ決定的でしょうけど」
107: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/31(土) 05:22:15.59 ID:NlbKCrXf.net
一週間後


にこ『久々にμ'sが集まり、今後の方針を決めようということになった』

にこ『…しかし、集まった中に、ことりの姿はなかった』




絵里「……多分、もうみんな聞いていると思うけど、ことりが海外留学で学校を離れることになったわ」

にこ「…それは、もう決定なの?」

絵里「ええ。昨日、ことりから正式に報告を受けたわ。だから、残念だけど、μ'sは脱退、ということになるわね」

花陽「…ことりちゃん」

絵里「ことりが自分の意思で決めたことよ。そこはおめでとうと言ってあげなきゃね」

花陽「そうだね……」
108: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/31(土) 05:28:49.52 ID:NlbKCrXf.net
絵里「さて、そこで、μ'sは7人になるわけなんだけど…」

海未「…すみません、話割って申し訳ないのですが、いいでしょうか」

絵里「海未。何かしら?」

海未「……私も、μ'sを脱退しようと思います」

にこ「……………………はあ!?」

絵里「海未?どういうこと!?」

海未「はっきり言ってとても自分勝手な理由です」

海未「私がスクールアイドルを始めたきっかけは、穂乃果とことりに誘われたことです。しかし、やると決めたからには、もちろん全力でやろうと心に決めていました」

海未「……しかし、穂乃果もことりもいなくなってしまい、どうしても、自分の中で、全力を出せる理由が見つからなくなってしまったのです」

海未「はっきり言って、このままでは皆に迷惑をかけてしまいます。それならば……」

にこ「ふざけんじゃないわよ!!」バン
109: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/31(土) 05:39:52.90 ID:NlbKCrXf.net
にこ「つまり簡単に言えば、やる気がなくなったら辞めたい、そういうことでしょ!?」

絵里「ちょ、ちょっとにこ…」

にこ「絵里は黙ってて!」

絵里「…!」

にこ「あんた、この前凛になんて言ったか自分で忘れたの!?ノリで入っただけの人に私の気持ちはわからない、とか言ってたわよね!?」

海未「……」

にこ「それに、私たちはアイドルをやらされてるわけじゃない、自分の意思でやってる、とも言ってたじゃない!」

絵里「…それ言ったの、私だけど…」

にこ「絵里は黙ってなさいって言ったでしょ!」

絵里「…!」
110: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/31(土) 05:45:19.29 ID:NlbKCrXf.net
にこ「そんなこと言った人間が、自分がやる気なくなったから辞める!?バカにするのもいい加減にしなさいよ!あんたみたいな下らない人間初めて見たわ!」

海未「…すみません」

にこ「もういいわよ!あんた今すぐ……」ギロッ

希「にこっち!落ち着き!冷静にならんと」ポン


にこ「……!」


にこ「希……」

にこ『危ない……ギアス使うところだった…』

海未「にこの言うことは全て正論です。私はもう皆と顔を合わせる資格なんてありません」

海未「…それでは、失礼します」

絵里「海未……」


バタン
111: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/31(土) 05:50:00.50 ID:NlbKCrXf.net
にこ『海未は部室から出ていった』

にこ『しかし、私はすぐに後を追った』




にこ「海未」

海未「……なんでしょうか」

にこ「こっちを向きなさい」

海未「…私には顔を合わせる資格など…」

にこ「いいから!」

海未「……」クルッ

にこ「あなた……二度と私たちの前に現れないで!いいわね!」シュピーン


海未「……!」
115: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/31(土) 06:23:02.12 ID:NlbKCrXf.net
にこ『もちろんその日は練習どころではなくなった。それどころか、何の結論も出ないまま解散となった』

にこ『凛と花陽だけは練習したみたいだけど』





一週間後


にこ『μ'sの活動再開の目処はまだたたない。私もあれから練習を休んでいた』

にこ『凛と花陽は相変わらず毎日練習しているようだった』

にこ『…そろそろ私も、動き出さなきゃ…絵里に言ってみようかしら』

にこ『そんなことを考えていた一人ぼっちの昼休み』

にこ『教室に、珍しく私を訪ねてきた人物がいた』




にこ「……ことり?」
116: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/31(土) 06:32:51.83 ID:NlbKCrXf.net
にこ「珍しいわね。ことりが私のことを訪ねてくるなんて」

ことり「そうかな?」

にこ「それで…どうしたの?」

ことり「うん…今週一杯で音ノ木坂も最後。来週から海外に行くことになったから…」

にこ「聞いたわよ。頑張ってきなさいよ」

ことり「ありがとうね、にこちゃん」

にこ「え?」

ことり「にこちゃんが私に、後悔しないように、って、後押ししてくれたから、私は海外に行く決意ができたの。だからお礼言おうと思って…」
117: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/31(土) 06:39:26.60 ID:NlbKCrXf.net
にこ「後押しだなんて…私はそんな大層なことしてないわよ」

ことり「にこちゃんがそう思ってなくても、私にはすごい力になったんだよ。本当に感謝してるよ」

にこ「う……なんか、面と向かって言われたら照れるわね…」

ことり「ふふふ」

にこ「ことり……絶対に夢を叶えなさいよ」

ことり「うん!にこちゃんもね」

にこ「…ええ。約束よ」
118: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/31(土) 06:45:40.81 ID:NlbKCrXf.net
ことり「そうだ。確かこの前、μ'sで集まって話し合ったんだよね?私は留学の準備が忙しくて行けなかったんだけど…」

にこ「え?ええ…」

ことり「その次の日から、海未ちゃんが、ずっと休んでて……」

にこ「……」

ことり「何かあったの?」

にこ「……さあ。風邪でもひいたんじゃないの?」

ことり「風邪かあ…海未ちゃん、自己管理に厳しいから、あまり体調とか崩さないんだけど…」

にこ「……れ、連絡とかはとったの?」

ことり「うん。だけど、返事が、すみません、ばかりで…なんか様子が変、っていうか…」
119: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/31(土) 06:50:11.33 ID:NlbKCrXf.net
にこ「……どうしたのかしらね。ことりがわからないんじゃ私にはもっとわからないわ」

ことり「そっか……」

にこ「さ、もう昼休みも終わるわよ。教室に戻った方がいいんじゃない?」

ことり「あ、そうだね」

ことり「にこちゃん…頑張ってね!」


にこ『ことりは、最後に笑った』

にこ『その笑顔が、なぜか太陽よりも眩しく見えたわ…大袈裟じゃなく』

にこ『頑張ってね……か』
120: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/31(土) 06:57:18.33 ID:NlbKCrXf.net
放課後。

にこ『絵里に話をしようと思ったら、絵里はすでに生徒会室に行ってしまったらしい』

にこ『仕方ない。生徒会も色々と忙しいのだ。元々二足のわらじを履けるようなものでもないのだから、絵里はよく頑張っていると思う』

にこ『もちろん希もね』

にこ『仕方なく私は絵里にメールを送った』

【そろそろμ'sの活動を再開したいんだけど】

にこ『送信したところで、私は久しぶりに部室へ向かった』

にこ『誰もいなかった。まあほとんどまっすぐ来たようなものだし、凛と花陽はどこかの掃除でもやってるのだろう』

にこ『椅子に腰を降ろした瞬間、携帯が鳴った。絵里からの返信だった』

にこ「……」

【海未が転校手続きをとったらしいわ】
125: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/31(土) 07:56:47.71 ID:NlbKCrXf.net
にこ「…!!」

にこ「…」

にこ「…」

にこ(だから何なのよ……たしかに海未が転校するのは、私のギアスのせいだろうけど、海未は自分で辞めたのよ?もう関係ないじゃない)

にこ「っていうか、質問の答えになってないし…」

にこ「……」

にこ「…絵里が、意味もなくこんなこと言うとは思えないわね…」

にこ「……」

にこ『私は返信しなかった』

にこ『あの場の雰囲気では、海未が転校する原因が私にあるかもしれない、というのは誰の目に見ても明らかだろう。ギアスは関係なく』

にこ『…絵里は、私を嫌なやつと思っているのかしら』

にこ『…そうだとしても、あれは必要な行動だった。μ'sを良くするために、やる気のない人間などはむしろ足枷でしかない』

にこ『グループには嫌われ役も必要よ。私は部長なんだから、それでグループがよくなるのなら、喜んで引き受けるわよ』
127: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/31(土) 08:09:09.29 ID:NlbKCrXf.net
にこ『その後、凛と花陽が現れ、三人で練習が始まった』

にこ『それにしてもこの二人、休止中も、一度も休まずに練習をしているようだ』

にこ『まあ凛は……私のギアスのせいなんだろうけど、花陽は本当によくやってるわね』

にこ『いつの間にか凛の異常な練習量にもなんとかついていけるようになってるし…』

にこ『花陽は私と一緒でアイドルに対する憧れが強い子だけど』

にこ『私が少し尊敬してしまうくらい、その姿勢はまっすぐだった』

にこ『…μ'sは暫定で6人になってしまったけれど、私にはまだ仲間がいる。問題なのは人数じゃないのよ。アライズだって3人なんだし』
130: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/31(土) 08:16:45.33 ID:NlbKCrXf.net
にこ『そしてその日は珍しく、希が途中で参加してきた』

希「ウチも体動かさんと、ダンス忘れてしまいそうやしな」

にこ「希?生徒会の用事は終わったの?」

希「うん。終わったで」

にこ「…絵里は?」

希「帰ったわ」

にこ「そう……」

にこ「……」

にこ『…なんか嫌な予感がする』

にこ『このままなら、絵里も辞めちゃうんじゃないかしら』

にこ『……絵里が辞めるのはまずいわね。指揮系統がいなくなるし、何しろ華がなくなるわ』

にこ『いや、華はこのにこにーがいるからいいんだけど…』

にこ『いや、そうじゃなくて!』

にこ『……そういえば真姫ちゃんは?結局真姫ちゃんはあの集会以外は一度も来ていない』

にこ『……まさかね』
132: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/01/31(土) 08:26:32.24 ID:NlbKCrXf.net
にこ『相変わらず凛の常識外の練習量で、私と希は顔が真っ青になった』

にこ『そういえば、休止中ではあるけれど、いつの間にか凛が練習を仕切るようになってるわね』

にこ『……これなら、指揮系統も…』



凛「いやー、希ちゃんが練習に復帰してくれて嬉しいにゃ!」

花陽「にこちゃんも久しぶりに来てくれたし」

希「ごめんな?生徒会も色々忙しくて」

にこ「まあ、もうそろそろ任期満了になるしね。引き継ぎの準備も必要になるし」

希「そうなんよ。後期は、3年生は生徒会には残れないから、必然的に新生徒会への引き継ぎが必要になるからなー」

花陽「…もうそんな時期なんだね」
138: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/01(日) 07:45:00.23 ID:QX5kuvQI.net
にこ「ねえ花陽。真姫ちゃんって最近どうしてるの?」

花陽「…真姫ちゃんは、様子は特に変わってないかな。ただ最近は塾が忙しいからって、練習の話をしても断られるんだよ」

にこ「…塾ね」

にこ「希。絵里はどうなの?生徒会が忙しいのはわかるけど…」

希「ウチもあんまり詳しくは知らんけど、最近色んな参考書をよくやってるで。伝え聞いた話だと、難関の国立大学受けるとか受けないとか」

にこ「どっちなのよ」

にこ「…そうよね。元はみんなはスクールアイドルを目指してて、その先はそれぞれ別の道が広がってるのはわかってた…スクールアイドルに目指すものがなくなれば、自然とそっちの方に目は向いてしまうわよね」

にこ「……本気度が違うのかな」
140: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/01(日) 09:12:10.79 ID:QX5kuvQI.net
にこ『その日、私は希を連れてとある場所に繰り出した』



希「ねえ、にこっち。ウチ死にそうなくらい疲れてるんやけど…」

にこ「まあまあ。いいじゃない。希がいなきゃストッパーがいないし」

希「ストッパー?」




テクテク


にこ「…ここよ」

希「ここよ…って、道端やん」

にこ「うん。ちょっと前に、ここで真姫ちゃんに偶然会ったの」

希「ほぇー」

にこ「…あんた話聞く気ないでしょ」

希「ウチ自身はあるけど、肉体の細胞が休息を求めてて…」

にこ「私だって疲れてるんだから!」

希「…で、ここに来たら真姫ちゃんに会えるかも、って?」

にこ「察しがいいわね」
141: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/01(日) 09:17:51.02 ID:QX5kuvQI.net
希「そんなん明日でええやん…学校で会えば…」

にこ「問題は早く解決したいタイプでね」

希「問題ね…」

希「っていうかもう陽も落ちてきてるし、塾ってまだやっとるの?」

にこ「…さあ。私塾なんて行ったことないし」

希「せめてもう少し計画立てればええやん」

にこ「知らないわよ。前だってこのくらいの時間に会ったんだから、きっと今日だって…」




にこ『しかし、1時間待っても真姫ちゃんは現れなかった』



希「……」

にこ「……」

希「…帰らない?」

にこ「…そうね」
143: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/01(日) 19:17:00.63 ID:QX5kuvQI.net
にこ「はあ…真姫ちゃんどころか塾生1人通らないなんて、今日休みなのかしら」

希「あるいは塾がここら辺じゃないとかやない?」

にこ「そうなのかな…」



テクテク



にこ「あ、アライズのフィギュアのポスター…」

希「え?」

にこ『私は帰り道、アライズの新フィギュア導入のポスターが描かれたゲームセンターに目がいった』

希「はは。アライズってフィギュアにもなっとるんか」

にこ「ちょっと寄っていくわ」
145: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/01(日) 22:02:51.07 ID:QX5kuvQI.net
にこ「そういえば…以前もここにきたことがあるわ。まだ、希や絵里が入る前に、μ'sのみんなとね」

希「たしか、リーダーを誰にしようか、って決めようとしたときやろ」

にこ「そういえばあの時は希もいたわね。たしか生徒会の取材の名目で」

希「にこっちと穂乃果ちゃんがダンスのゲームで闘ってたんな」

にこ「…そんなことあったかしら」

希「にこっちは自分の都合の悪いことは忘れるタイプなんかな?」

にこ「…覚えてるわよ。確かあのゲームで…」チラッ


にこ「…あら?」
146: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/01(日) 22:26:39.87 ID:QX5kuvQI.net
にこ『私が以前やったダンスゲームをチラ見したら、女子高生らしき人物5人くらいが既にプレイしていた』

にこ『二人用だから、二人がやってて、三人は後ろで見守っていたけど』




希「あら……今あれやってるの、真姫ちゃんと穂乃果ちゃんやない?」

にこ「……塾じゃなかったの…」


にこ「……ったく」

希「待ち!にこっち!」ポン

にこ「希?」

希「にこっちはすぐに冷静さを見失うからね。そもそもなんであの二人が一緒にいるのか、なんでここにいるのか。ちょっと様子見が必要やん?」

にこ「……」
147: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/01(日) 22:27:26.27 ID:QX5kuvQI.net
にこ『とりあえず不審者にならない程度に私たちは真姫ちゃんと穂乃果を見ていた。他の三人は穂乃果のクラスメイトのようね』

にこ『五人は入れ替わりで次々とゲームを続けていた』

にこ『…ふむ。やっぱり穂乃果が一歩抜けて上手いわね。真姫ちゃんもまあかなり成長したけど、まだまだね』

にこ『あとの三人は、ダンス、というより、ゲームをやってる、って感じね…』
にこ『…そういえば、穂乃果体調は良くなったのかしら』

にこ『……』ジーッ

にこ『……』ジーッ



真姫「にこちゃん何やってるの?」

にこ「びえっ!?」
148: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/01(日) 22:29:52.27 ID:QX5kuvQI.net
にこ「ま、真姫ちゃん!?あららー、偶然ねー。なんでこんなところに?ははは」

真姫「……見てのとおりだけど…にこちゃん1人?」

にこ「え?いや、希と……って、あれ?希?」キョロキョロ

にこ「…逃げやがったな」

真姫「こんなところで何してるの?」

にこ「それはこっちのセリフよ。練習もこないでこんな場所で遊んでるなんて」

真姫「活動休止中じゃない」

にこ「塾に行ってるって花陽に聞いたんだけど」

真姫「…確かに行ってたわ。今日も行こうとしたんだけど、穂乃果たちに捕まってね…活動休止中なら付き合え、って、半ば強引に」

にこ「…穂乃果が」
151: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/03(火) 07:48:34.78 ID:+hvAb0rg.net
真姫「…穂乃果は最近はクラスメイトとよく遊んでるそうよ。特にあのダンスゲームがお気に入りみたい」

にこ「…そう」

真姫「まったく……そんなに踊りたいならμ's辞めなければいいのに」

にこ「……そうね」

にこ(でもそれは無理よ。ギアスをかけたから穂乃果はもう戻ってくることはない)

真姫「今日は強引に連れてこられたんだけど、なんだかんだ言って、穂乃果って…なんていうか、人を惹き付ける魅力みたいなものがやっぱりあるわね。ああやってゲームで踊ってるだけでも絵になるもの」
154: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/04(水) 01:55:31.06 ID:2JO+uY/Z.net
にこ『真姫ちゃんの言うことはわかる。たった今も、私は穂乃果の姿につい見とれてしまった。プロレベルで上手いとかではない。だけど、何故か見てしまう。穂乃果にはそんな魅力がある』

にこ「……まあ本番前日に追い込みすぎて風邪ひいたら本末転倒だけどね」

真姫「にこちゃん難しい言葉知ってるのね」

にこ「う…うるさいわね!真姫ちゃんは逆にたるんでるんじゃない!?さっきの動き見てたけど、キレがないわよ?凛先生にしごいてもらったほうがいいんじゃない?」

真姫「…凛先生?」

にこ「ええ。口調はいつもの凛だけど、練習プログラムが鬼よ。完全に自分の運動能力を基準にしてるわ。柔軟は一瞬で終わるし」
155: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/04(水) 02:04:48.51 ID:2JO+uY/Z.net
真姫「…ねえ、μ'sって何だと思う?」

にこ「は?なによいきなり」

真姫「μ'sは私たちのグループ名……逆に言えば、グループとして機能していなければ、μ'sとは呼べない」

にこ「…要領を得ないわよ。何が言いたいの?」

真姫「はっきり言うと、今はみんなバラバラの状態。つまりμ'sじゃない。私はμ'sの一員として活動したいの」

にこ「だから活動再開の時のために練習に…」

真姫「その時はいつくるの?」

にこ「え?」

真姫「この前だってにこちゃんが暴走して、活動計画も何もかもうやむやになっちゃったし、絵里は生徒会が忙しくて終わったら受験……いつ活動できるかわからないじゃない」
156: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/04(水) 02:22:18.56 ID:2JO+uY/Z.net
にこ「そんなこと…」

真姫「私はμ'sとして活動しないならやるつもりはないから」

にこ「なっ……!」

真姫「確かにμ'sは良かったわ。居心地がいいし、何より楽しかった。アイドルも悪くないなんて思ったけど、それはやっぱりμ'sだったからなのよ」

にこ「……真姫ちゃん」

にこ「…まあ仕方ないわね。真姫ちゃんはアイドル初心者だし、初めてのグループに愛着があるのも仕方ないわ」

にこ「…まあ、逆に言えば、μ'sが活動再開したなら戻ってくるのよね?」

真姫「え?ええ…」

にこ「…なら予言してあげる。真姫ちゃんは近いうちに凛先生の餌食になるわ」
157: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/04(水) 02:45:26.41 ID:2JO+uY/Z.net
真姫「餌食って…」

にこ「今のうちに湿布とか準備しておいた方がいいわよ」

真姫「…なんていうか、意外ね」

にこ「え?」

真姫「海未のときみたいに、怒るかと思ったんだけど」

にこ「私ってそんなにキレキャラ?」

真姫「だいぶね」

にこ「……まあ、真姫ちゃんはμ'sを辞めるつもりはないんでしょ?海未とは違うじゃない」

真姫「……そうかしら」

にこ「まあ、真姫ちゃんの意志が確認できて良かったわ。用はそれだけだから」

真姫「帰るの?」

にこ「そうよ。疲れてるし」

真姫「希はどうするの?」

にこ「どうするもなにも逃げたじゃない」

真姫「じゃああそこで穂乃果の隣で踊ってるのは誰?」

にこ「え?」
158: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/04(水) 02:58:47.80 ID:2JO+uY/Z.net
穂乃果「にこちゃん久々だね!元気だった?」

にこ「まあ、特に。普通、かしらね。穂乃果は体の方はもういいの?」

穂乃果「うん。もうすっかり」

にこ「そう。ならよかったわ。で、希はなんで踊ってたのよ」

希「いやあ、なんていうか、穂乃果ちゃん見てたら体が疼いて、気がついたら踊ってたんよ」

にこ「…死にそうなくらい疲れてるんじゃなかったの」

希「そうなんやけど、なんか穂乃果ちゃん見てたら元気が沸いてきたんよ。穂乃果ちゃん、中々のスピリチュアルパワーの持ち主やで」

穂乃果「いやー、希ちゃん、そんなに誉めないでよ」

にこ「……」
161: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 07:37:30.55 ID:fcp7/iRH.net
穂乃果「そういえば、真姫ちゃんから聞いたけど、まだμ's活動再開してないんだっけ?」

にこ「…別に、穂乃果には関係ないでしょ」

穂乃果「あ、うん…でも、1ファンとして気になって」

にこ「ファン?」

穂乃果「うん。意外と、外からμ'sを見るのも悪くないよ。この前のライブも、動画見たし。最高だったよ」

にこ「…じゃあ教えてよ」

穂乃果「へ?」

にこ「最高なμ'sはなぜ順位を落として落選したのか。正直私もわからないの。自分でも最高だと思ってたし」

穂乃果「え…ええと……」

真姫「にこちゃん何言ってるの?穂乃果に聞くなんてお門違いよ」

にこ「……」
162: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 07:41:53.82 ID:fcp7/iRH.net
穂乃果「た、たぶん、他がもっと凄かったんだよ……見てないからわかんないけど」

にこ「…まあそうよね。私にわからないのに穂乃果にわかるわけないか」

穂乃果「はは……」

にこ「邪魔したわね。帰るわよ。希」

希「あ、うん」

真姫「…私も帰るわ。じゃあ穂乃果。またね。今日は楽しかったわ」

穂乃果「うん。みんな頑張ってね!」
163: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 07:49:56.85 ID:fcp7/iRH.net
テクテクテク…


にこ「しかし穂乃果が遊び呆けてるなんてね。まあ穂乃果らしいって言えばそうなんだけど」

真姫「でも、遊べるのはわずかな期間だけで、また忙しくなるみたいよ」

にこ「なんで?」

真姫「穂乃果、次期生徒会長に推薦されるらしいわ」

にこ「……は?穂乃果が生徒会長?」

真姫「しかも、推薦しようとしてるのは、他でもない、現生徒会長の絵里らしいし」

希「なんやそれ…ウチも初耳やわ」

にこ「絵里が穂乃果を推薦?言っちゃ悪いけど、何を考えてるのかしら」

にこ「穂乃果に生徒会長なんて務まるわけないじゃない…頭良くないし。まあそれより背中で引っ張っていく、みたいなタイプではあるけど」

希「…なんや、にこっちも少しわかっとるやん」

にこ「は?」
164: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 07:54:33.05 ID:fcp7/iRH.net
希「それで真姫ちゃん、穂乃果ちゃんは生徒会長受けるつもりなん?」

真姫「本人はやろうかなって考えてるみたい。しかも今のところ他に立候補もないから、穂乃果が出馬すれば無投票で決まるわね」

にこ「そうなのね。まあそうなったら、優秀な副会長が必要になるわね」

希「海未ちゃんみたいなね」

真姫「ことりみたいな中和剤も必要よね」

にこ「……ねえ、なんで?」

希「え?」

真姫「は?」
165: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 08:00:25.31 ID:fcp7/iRH.net
にこ「もう穂乃果も海未もことりも辞めたのよ!なんでみんな辞めた人たちのことばかり話すの!?海未やことりに至っては、もうすぐこの学校からもいなくなるのよ?」

にこ「私たちはアイドルよ!?アイドルなんてメンバーの入れ替えなんて日常茶飯事なの!一々そんなことで一喜一憂してたら、それこそ上になんて行けないわよ!」

真姫「…ちょ、にこちゃん」

希「落ちつかんと、にこっち」

にこ「大体ね!希!あんたいっつも偉そうなこというくせに、全然自分で動かないじゃない!N.T.だかなんだか知らないけど、あんたの願いを叶えてやるんだから、少しは自分で動きなさいよ!」

希「……あ」

にこ「…え」


真姫「……N.T.?願い?」
166: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 08:08:18.38 ID:fcp7/iRH.net
希「……はあ、にこっち、冷静になれる薬でも処方してもらった方がええんちゃう?ウチも手に負えんわ…」

真姫「なんの話?N.T.?願い?なんなのそれ…」

にこ「あ…いや、N.T.っていうのは、希のイニシャルで……願いっていうのは…」

真姫「なによ。っていうかにこちゃんが希の願いを叶える?なにその闇の取り引きみたいなのは。意味わかんないんだけど」

にこ「うう……」

真姫「なんなのよ、願いって。まさか希が、穂乃果たちの脱退を影で操ってたとか」

希「え」

にこ「そんなわけないじゃない!穂乃果が辞めたのは私が…」

希「にこっち!」
168: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 08:16:11.54 ID:fcp7/iRH.net
真姫「私が……?」

にこ「やばっ!」

希「……にこっちのアホ」

真姫「ふーん…やっぱりあなたが穂乃果の脱退に一噛みしてたのね。怪しいとは思ってたけど。海未もあなたが転校に追いやったようなもんだし、一番不思議なのはこの前の不良よ」

にこ「…不良」

真姫「あなたが声をかけたとたん、いきなり消え去った不良たちよ。私がいくら拒んでも諦めなかった人たちが、なんであなたの一声で急に諦めたし、助かったけどいくらなんでも不自然だった」

真姫「凛だって不自然すぎる変わり身の早さだったし……一体なにをしたの?にこちゃん……いや、矢澤にこさん!?」
170: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 08:27:47.01 ID:fcp7/iRH.net
にこ「いやあ、不良は…にこにーのアイドルとしての威厳に恐れをなして…」アセアセ

グイッ(胸ぐらをつかむ)

にこ「!」

真姫「ふざけるんじゃないわよ。アイドルとしての威厳?バカじゃないの?そんなものあんたにないわよ。今のあんたは、仲間を陥れ、嘘をつき、裏切っている、最低な人間よ!」

にこ「…!」

希「ま、真姫ちゃん…」

真姫「希。あんたも共犯なんでしょ?あんたの願いが何か知らないけど、こんなふざけたインチキ活動付き合ってられないわよ。やるなら二人でどうぞご勝手に。他のみんなには、私からしっかり伝えておくけどね」

希「……」

にこ(く…苦しい…けど、今しかない!)

にこ「ま…真姫、ちゃん……」

真姫「なによ。最低人間。言い訳あるの?」

にこ「今日のこと……全て忘れなさい!」シュピーン


真姫「……!」
174: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 08:35:51.35 ID:fcp7/iRH.net
ドサッ


にこ「はあ、はあ、はあ…死ぬかと思った」

希「…口は災いのもと、やな」

真姫「……あれ?なんで私ここに?…って、もう夜?」

希「真姫ちゃん、穂乃果ちゃんと遊んでた帰りやったんやろ?」

真姫「え?…穂乃果と?なんのこと?…あれ?わかんない。そもそも学校に行った記憶が…」

希「今真姫ちゃんすごい頭痛に苛まれてたんやで。急に苦しみだしたと思ったら、何も言わなくなって…しばらくしたら…それが今や」

真姫「…もしかして記憶が…?まさか……って、にこちゃん?なんでそんな苦しんでるの?」

にこ「はあ、はあ…」

にこ(あんたにやられてたのよ!)
176: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 08:42:17.12 ID:fcp7/iRH.net
希「にこっちは真姫ちゃんが急に苦しみ出したからおろおろして自我が崩壊してしまったんや」

にこ「ちょっと!それじゃあ私が真姫ちゃんに依存してるみたいじゃない!」

真姫「にこちゃん……」

希「まあそれはいいとして、真姫ちゃんは脳に異常があるかもわからん。もし今後頭痛が頻繁するようなら、病院行った方がええで」

真姫「そうね……記憶が消えるなんて、ただごとじゃないわ…」

にこ『……なんとか丸くおさまったみたいね』
177: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 08:49:38.35 ID:fcp7/iRH.net
にこ『とりあえず、結果、無事に何事もなくその日は終わり、解散した』

にこ『真姫ちゃん……あんなに強く胸ぐら掴みあげるなんて……死ぬかと思ったわよ……』

にこ『……』

にこ『最低人間、か……』




にこ『…そう。私は最低の人間。人の意志をねじ曲げ、自由に操っている』

にこ『希の言うように、私は冷静さが欠けている。勘が鋭い真姫ちゃんなんかに同じことしたら、今度はギアス使えないし、本気で全てを失うわ』

にこ『…全てを失うくらいなら、本当に最低人間になる方がいいわね』

にこ『…最低人間になれば、人の感情に一喜一憂することもない……冷静さを失わないでいられる…』

にこ『…私の夢を、希の願いを叶えるためなら、私は悪魔にでもなるわ』
178: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 08:58:23.69 ID:fcp7/iRH.net
にこの自宅


鏡台

にこ『……ギアスは希には効かない…一度使った人間にも…』


にこ『……ふふ。自分はどうなのかしら』







にこ『……』

にこ「矢澤にこ。あなたに命じるわ。あなたは何事にも左右されずに自分の信念だけを貫くことを考える、最低の人間になりなさい!」シュピーン



にこ「……!」
179: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 09:05:17.60 ID:fcp7/iRH.net
翌日



ガラッ

先生「!」

にこ「…」

先生「矢澤さん?遅刻ですよ。連絡もなかったですし、何かあったのですか?」

にこ「別に……ただ遅れただけです」

先生「ただって……理由になってませんよ?」

にこ「うるさいわね!私が遅刻しようがしまいがあなたの給料が変わるわけじゃないでしょ!放っときなさいよ!」

先生「!」

生徒たち「!」ザワッ

にこ「……」
180: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 09:12:17.34 ID:fcp7/iRH.net
にこ「すみません。取り乱しました。ちょっと寝坊で……急いだんですが、間に合わなくて…」


先生「そ、そう……」


にこ「……」

にこ『心が闇に染まるって、こういうことなのね…』

にこ『目上の人間にあんな暴言を吐いても、何も感じないわ…』

にこ『……後悔はしてないわ。私が目指すのはトップアイドル』

にこ『私にはその覚悟がある……だから自分を悪魔に売った』

にこ『何事も、何かを手にするには犠牲が必要…』

にこ『何かを手にしてもいいのは…何かを失う覚悟がある者だけよ!』
187: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/05(木) 23:57:44.29 ID:9Del3Hw5.net
昼休み

にこ『私は違うクラスの絵里に話があって昼飯も食べずに会いに行った』


希「あら、にこっち。どうしたん?」

にこ「希。そういえば、あなた絵里と同じクラスだったわね」

希「絵里ちに用なん?」

にこ「ええ…」

希「……にこっちなんか変やない?今日は妙に落ち着いてる、っていうか、にこっちらしくないで?」

にこ「……希。私気づいたの。私はこんな力を持ってるんだから、無理に遠回りする必要なんてなかったんだわ。やりたいことはさっさとやればいいのよ」

希「にこっち?」

にこ「多分もう冷静さを失ったりしないから心配しないで」

希「……」
188: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/06(金) 00:05:05.06 ID:mwtFlQTy.net
にこ「絵里」

絵里「あら?にこ?わざわざ来るなんて…珍しいわね」

にこ「生徒会はいつ頃落ち着くのかしら」

絵里「……あと2週間で引退だけど」

にこ「……長いわね」

絵里「にこ。あなたが言いたいことはだいたいわかるわ。早くμ'sを再開させたいんでしょ?」

にこ「あら、話が早いわね」

絵里「にこ。物事には順序ってものがあるの。まあ確かに生徒会は暇を見つけることができなくはないけど、海未とことりが今週一杯でいなくなるんだし、二人にはお世話になったから、なんらかの餞別みたいなものを…」

にこ「それとμ'sが練習しないこととなんの関係があるの?」
189: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/06(金) 00:14:18.71 ID:mwtFlQTy.net
絵里「……!」

にこ「それに二人はもうμ'sを辞めたのよ?関係ないあかの他人だし。そんなことで練習サボるなんておかしいわよ」

絵里「にこ!あなたねえ!さっきから聞いてたらなんなの?あなたいつからそんな人間になったのよ!前は、口はちょっと悪かったかもしれないけど、他人の痛みが誰よりもわかる人だったのに……まるで、悪魔にでも魂売ったみたいに!」

にこ「あら?絵里。あなたそれ正解よ」

絵里「は?」

にこ「私は悪魔に魂を売ったの。昨日……いや、もっと前かしら。悪魔の契約をした日からかしらね」

絵里「あなた…何言ってるの?」

にこ「他人の痛みがわかったところで、傷の舐め合いしかできやしないのよ。海未やことりだって、自分の意志で決めたんだし、そのために私たちにできることなんてないのよ」
194: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/08(日) 00:02:21.03 ID:Cur1UBNo.net
絵里「…あなた、誰なの?もう私の知ってるにこじゃない…」

にこ「私はにこよ。間違いなく、あなたが知ってるね。一年の時からずっとひとりぼっちで、理想の中でもがいていた私よ」

絵里「……!」

にこ「私はね。ずっと待ってたの。こうやってスクールアイドルとして活動できる時を。誰よりも、誰よりもずっとね。まあμ'sを作ったのは私じゃないけど、これが最後のチャンスなの。絵里。あなたの力が必要なのよ」

絵里「…私は……」

にこ「と言っても説得する気なんてないわよ」

絵里「え…?」

にこ「命令だから」

絵里「は?何を言って…」

にこ「そうね…2週間は許すわ。生徒会の仕事色々あるだろうし。でもそれが終わったら、必ず活動を再開しなさい。μ'sのリーダーはあなたなんだから!」シュピーン



絵里「……!」
196: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/08(日) 00:27:43.59 ID:Cur1UBNo.net
放課後


部室


にこ「凛。花陽。とりあえずなんだけど、絵里と希は生徒会の任期があと2週間あるらしくて、2週間たったら二人は戻ってくるわ」

凛「ほんと?」

にこ「間違いないわ。まあ希はその間もちょくちょく顔出すかもしれないけどね」

凛「やったにゃ!ようやくμ'sが活動できるね」

にこ「あ、あと花陽。真姫ちゃんにもこのこと伝えておいて。そうしたら真姫ちゃんも練習くるだろうから」

花陽「わかった。もう決まりでいいんだよね」

にこ「ええ。柔軟の鬼が帰ってくるわよ」

凛「うっ……」
197: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/08(日) 00:36:28.80 ID:Cur1UBNo.net
にこ『とりあえず、μ'sとしての形はなんとか保つことができた』

にこ『真姫ちゃんも、μ'sとして活動するならやると言っていたから、2週間後には来るだろう』

にこ『とりあえずそれまでは私と凛と花陽の三人、たまーに希入れて4人で練習の日々ね』

にこ『今日でことりが最後の登校日らしいんだけど、挨拶はこの前したし、もういいわよね。海未はどっちにしろ会えないしね』












にこ『そして、2週間が過ぎた…』
200: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/08(日) 02:29:26.98 ID:Cur1UBNo.net
朝、にこの自宅



にこ「ふあーあ……」

こころ「お姉さまは毎日、朝の挨拶があくびから始まりますね」

にこ「ん?ああ、いやーにこにーほどの売れっ子になると、忙しくてねー」

こころ「でも昨日はたしか一日中家で寝転がってたような……」

にこ「ね…寝ながら色々考えてたのよ!μ'sのこととかね!」

こころ「バックダンサーさんたちのことですか?」

にこ「え、ええ…ようやく今日から新生μ'sが始動するのかと考えたらね…」

こころ「新生?なにか変わったのですか?」

にこ「元々9…いや、8人だったけど、3人やめて5人になったからさ、色々とね」

こころ「え?三人も辞めてしまったのですか!?何故!?」
202: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/08(日) 06:22:28.29 ID:Cur1UBNo.net
にこ(そう言えばまだ言ってなかったわね…)

こころ「も…もしかして…対立とか、不仲が原因で…?」

にこ「ま、まさかーー。にこにーはアイドルよ?仲間と対立なんてあるわけないわよ。一人は留学、一人は転校、もう一人は……」

こころ「…もう一人は?」

にこ「…あ、あまりに下手くそだったからクビにしたの。ちょっと私についてこれなくてね……ハハハ…」

こころ「そうなんですか…お姉さまのダンスはレベルが高いですから、バックダンサーではついてこれなくても仕方ないですね…」

にこ「そ、そうなのよ…ハハハ…」

にこ(…あ、あれ?なんで私焦ってるの?)
203: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/08(日) 06:35:48.55 ID:Cur1UBNo.net
にこ『不思議なことに、自分自身にギアスをかけた自覚はあった。他人ならもちろんそんな自覚はないんだろうけど、だからといってその効果は他人同様絶大』

にこ『だからこそ、なんで今動揺してるの…?冷静になれるギアスをかけたのに…』

にこ『まさか効いてない…?いや、そんなことはないわ。今まではしっかり効いていた』

にこ『……』

こころ「お姉さま?」

にこ「ん?あ、ああ、ごめんね。こころ、早く学校行かないと遅刻するわよ?」

こころ「え…あっ!もうこんな時間!ここあ連れて行ってきます!」ダッ




にこ「……」
204: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/08(日) 06:49:37.38 ID:Cur1UBNo.net
登校途中、信号待ち



にこ「…」

にこ『一応確認しようかしら』

にこ「あの、すみません」

サラリーマン「はい?」

にこ「信号変わったら、後ろ向きで走って出勤してください」シュピーン

サラリーマン「……!」


サラリーマン「オッケーオッケー。お安いご用さ」


ピカッ(信号が変わる)


クルッ


サラリーマン「ほっほっほ」ダッダッダッ

通行人「うわ、なんだこいつ?」

通行人「いきなりなんだよ!あぶねえな!」




にこ『……別に、ギアスの力は失われていないわね』

にこ「……」

にこ「まあいいわ」
205: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/08(日) 07:05:16.49 ID:Cur1UBNo.net
全校朝礼


司会「それでは、後期の新生徒会長から挨拶があります」



ザワザワ…


穂乃果「皆さん!初めまして!生徒会長になりました高坂穂乃果です!」



にこ「……初めましてじゃないでしょ」ボソッ


穂乃果「至らない点が数多くあるとは思いますが、この学校のために、全力を尽くして行きますので、どうぞ皆さん、よろしくお願いします!」


ガン!(マイクに頭ぶつける)

穂乃果「…いったあ……」


生徒たち「ハハハハハ」


にこ「…穂乃果は相変わらず穂乃果ね」
206: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/08(日) 07:06:17.41 ID:Cur1UBNo.net
放課後



ガチャ


絵里「みんな!待たせたわね!μ's再開よ!」


にこ「……」


絵里「…あら、他の人は?」

にこ「凛と花陽は今週は講堂の清掃当番よ。遅れてくるわ。そっちこそ希は?」

絵里「え……あっ、置いてきちゃった」

にこ「同じクラスなのに……」

絵里「…とりあえず着替えてみんな集まるまで待ちましょうか」
207: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/08(日) 07:23:01.90 ID:Cur1UBNo.net
ガチャ


真姫「…あら、二人?」

にこ「真姫ちゃん、よく来てくれたわね」

絵里「希ももうそろそろくるはずよ」

真姫「そっか……花陽と凛は掃除当番だから、希以外は全員集まってるのね」


ガチャ


希「絵里ち、置いてくなんてひどいやん」

絵里「ご、ごめんなさい。部室にくることばかり考えて、希のこと忘れてたわ…」

希「…まあそうやね。ウチなんて所詮その程度の存在感やし……」シュン

絵里「あ、ああ…希……」
209: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/08(日) 07:33:33.06 ID:Cur1UBNo.net
ガチャン!

花陽「た、た、大変ですううーー!」

にこ「!?」

真姫「な、なに?」

絵里「どうしたの?花陽」

希「……」

凛「か、かよちんのエマージェンシー時の走力は凄まじいにゃ…」ハアハア

花陽「も、もう一度……」

真姫「?」

花陽「もう一度、あります……」

絵里「もう一度ある?」

にこ「!!」

にこ「ま、まさか…」



花陽「もう一度!ラブライブがあります!」
210: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/08(日) 07:47:13.94 ID:Cur1UBNo.net
にこ『希の予言は的中していた。本当にラブライブがまた開催される…』

にこ『希は本当に何者なのよ…人類なの?不思議な能力持ちすぎでしょ』

にこ『……次回のラブライブは形式が変わり、ランキングによる順位は無し。地区予選、代表決定戦、そして本選の三段階に別れる』

にこ『二段階の予選を勝ち抜かなければ、本選であるラブライブには出場できない』

にこ『前回より狭き門だわ』

にこ『そして何より問題なのは……』


にこ「地区予選が10月15日!?」

真姫「もう2週間くらいしかないじゃない!」

凛「と、唐突すぎるにゃ…」
213: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/08(日) 07:59:34.83 ID:Cur1UBNo.net
絵里「なるほどね……ならば、さっさと準備を始めた方がよさそうね」

絵里「よし、みんな!着替えて屋上に集合よ!」




にこ「…再開したのはいいけど、いきなりこんなハードスケジュールとはね……希はここまでわかってたの?」

希「さすがに日にちまではね…ウチも驚いてるところや」




屋上


絵里「さて、6人になったところで、改めて、各メンバーの役割を確認するわ」

花陽「役割?」

絵里「ええ。重要な役割を担っていた海未とことりが脱退したから、それらを現メンバーで振り分けるわ」
214: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/08(日) 08:08:48.28 ID:Cur1UBNo.net
絵里「まずリーダー。これは現状私だけど、異論は?」

真姫「ないわ」

絵里「じゃあ次に作曲係。これは継続して真姫にお願いするわね。というか真姫にしかできないし」

真姫「ええわかったわ」

絵里「続いてダンスの振り付け。これは以前は主に海未にやってもらっていたけど…」


絵里「凛に任せるわ」

凛「えっ!?」

にこ「まあ当然ね。凛は今までずっと1日も休まずにダンスの練習をしてたんだから、今は多分誰よりも上手いわ」

花陽「凛ちゃんならできるよ」

凛「かよちん……」

希「決まりやね」
217: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/09(月) 09:55:33.46 ID:vCSArrNi.net
絵里「そして花陽には衣装係を任せるわ」

花陽「フエッ!?」

絵里「正直かなり重要で今回はとくに忙しいだろうけど、ことりがやってたときによく手伝ったりしてたでしょ?花陽ならできるわ」

花陽「わわわ…わかったよ…頑張ってみる…いや、やります!」

にこ「その意気よ。花陽」

絵里「あとは作詞係ね……これは…」チラッ


希「……?え?ウチ?」

絵里「希のスピリチュアルな文才で頼むわ」

希「ちょっ…ウチ文才なんて…」

にこ「適任ね」

希「え?ちょっと適当に言っとらん?」

にこ「絵里が言うんだから間違いないでしょ?」

希「…まあええよ。わかった。どうなるかわからんけどやるわ」
218: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/09(月) 10:06:38.99 ID:vCSArrNi.net
絵里「にこは部長ね」

にこ「まあシンボルみたいなものね。別段やることないし」

絵里「じゃあ役割が決まったところで、まずはウォームアップから始めるわ」





にこ『そうしてμ'sはなんとか活動を再開した』

にこ『しかし、その日は基礎体力練習だけで、早々と練習は終わった』

にこ『なぜなら、やらなければならないことがあったから…』
219: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/09(月) 10:19:13.28 ID:vCSArrNi.net
にこ『ラブライブの地区予選にはなんと新曲を作って披露しなければならないというルールが新設されており、私たちは2週間でそれをやらなければならなかった』

にこ『みんな……とくに、真姫ちゃんは、曲がなければなにも始まらないから、と、1日で曲を仕上げてくると意気込んでいた』

にこ『私は、その日、部室に残って会場探しをしていた』

にこ『どうせ新曲をやるなら、会場も目新しい場所にしないか、ということで、私はその目新しい会場を探していたのだ』



にこ「学校はもうどこも目新しさなんてないわね…かといって公会堂なんて借りるお金はないし……って、2週間前に予定が空いてるわけないか」
228: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/10(火) 13:26:22.17 ID:Nfm4BrEA.net
にこ『結局その日は何も思いつかず、帰路についた』




にこ「……地区予選ってことは、アライズも同地区の予選なのよね…どうするのかしら…」


にこ『気がつくと、私はUTX学園の前に来ていた』

にこ「あら、すごい人ね…何かあるのかしら」




モニターが映し出される


ツバサ「どうも皆さん。UTX学園スクールアイドルのアライズです」


人々「ワーーッ!」


にこ「え…何?何が始まるの?」
229: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/10(火) 17:02:15.04 ID:Nfm4BrEA.net
ツバサ「昨日、ラブライブの開催が発表されました。私たちはもちろんこれに参加いたします」

あんじゅ「今回の大会形式は前回と違い、予選があります」

英玲奈「予選はネット配信参加型となり、15日の正午~21時までの間に新曲をライブ披露することが参加条件」

ツバサ「私たちは18時からこのUTX学園の屋上に特設ステージを作り、そこでライブをやります」

あんじゅ「もちろん新曲はもう完成していますわ」

英玲奈「一応前回覇者という肩書きはあるが、私たちは頂点を守るのではなく、あくまで獲りにいく覚悟で挑む」

ツバサ「中継時間はおよそ10分くらいでしょうけど、必ず皆さんを楽しませるステージにすることをお約束します」

ツバサ「それでは皆さん。15日にお会いしましょう」
230: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/10(火) 17:10:07.58 ID:Nfm4BrEA.net
映像は切れた。



にこ「…屋上に特設ステージか…ウチは一度やってるのよね」

にこ「しかも新曲はもうできてるって……」

にこ「…負けられない」

にこ「みんなそれぞれの役割を果たしてるんだから、部長の私がなにもしないわけにはいかないわ!」


にこ『地区予選を突破できるのは4チーム。もう戦いは始まっている!』
231: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/10(火) 17:20:49.47 ID:Nfm4BrEA.net
二日後。



にこ「みんな!会場が確保できたわ!」

絵里「本当?」

凛「どこどこー?」

にこ「秋葉原の歩行者天国に特設ステージを作るわ!」


花陽「あ、秋葉原!?」

希「思いきったなにこっち」

にこ「秋葉原といえばアライズのホーム……だからこそ、そこにしたのよ」

にこ「私たちはアライズに肩を並べたいんじゃない…アライズよりも上に行きたいの。だから、私はあえて敵の陣地に乗り込んで、そこで勝負を仕掛けるわ」

真姫「ずいぶん好戦的ね」

にこ「当たり前よ。これは戦いなんだから」
237: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/10(火) 22:57:15.57 ID:Nfm4BrEA.net
にこ「さあ、ここからが勝負よ!花陽は練習後に衣装の制作をやってもらうけど、私も手伝うから、今週中に仕上げてね」

花陽「は、はいい…頑張ります……」

にこ「絵里はダンスの方を手伝ってね。とりあえず骨組みだけでもさっさと完成させなきゃ」

絵里「え?え、ええ」

真姫「ずいぶん気合い入ってるわね。何かあったの?」

にこ「…別になにもないわよ」

にこ「あるとしたら、ひとつだけ」

にこ「ラブライブで優勝したい。それだけよ」
240: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/11(水) 08:56:49.87 ID:9nuMIdcX.net
練習後。部室。


真姫「今日も疲れたわね。帰り……」

ガラッ!


穂乃果「やっほー!みんな頑張ってるー!?」

真姫「なっ……穂乃果?」

凛「あーっ、穂乃果ちゃんだ!」


にこ「…何の用よ。生徒会長」

穂乃果「いやー、別に用ってほどのことじゃないんだけど、気になっちゃってね」

絵里「…まあ、生徒会長として、課外活動に精を出してる部活動が気になるのは仕方ないわね。今の時期は特に」

凛「どういうことにゃ?」

絵里「課外活動は学校の宣伝に大きく繋がるわ。ウチの学校は皆も知ってる通り廃校の瀬戸際に立たされてる。全国規模で注目されるスクールアイドルの祭典ラブライブに出場できるかどうかは、この学校の未来さえも左右することになるのよ」

凛「なっ…そんな重要な立ち位置だったなんて…」

穂乃果「ちょっと絵里ちゃん。驚かさないでよ。プレッシャー与えちゃダメだよ」
241: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/11(水) 09:04:44.34 ID:9nuMIdcX.net
花陽「……」

穂乃果「大丈夫だよみんな。そんな気負わなくても。みんなの力があれば、きっとラブライブに出られるから」

真姫「…なんか、全く根拠がないのに、妙に説得力があるわね」

穂乃果「まあ、真姫ちゃんをまた遊びに誘えなくなるのは残念だけど」

にこ「!」

真姫「また遊びに…?何のこと?」

穂乃果「えっ……この前一緒に…」

にこ「真姫ちゃん。早く帰りなさい。あなた早く本番用の音源のミックスダウン作業終わらせなきゃいけないでしょ」

真姫「え?ああ、そうね」

穂乃果「ミックスダウン?何それ?」

にこ「話すと長くなるけど、簡単にいうと音源制作作業よ」

真姫「そうね。少なくとも今週中には仕上げないとまずいわね」

花陽「……」
242: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/11(水) 09:09:43.00 ID:9nuMIdcX.net
花陽「……穂乃果ちゃん」

穂乃果「ん?」

花陽「あの……その…なんて言うか…」

にこ「………」

花陽「穂乃果ちゃん……やっぱりμ'sに……」

にこ「花陽!行くわよ。あなたの家でこれから衣装制作があるんだから」

花陽「あっ……うん」


にこ「じゃあね穂乃果。私たちは一分一秒が惜しいから」

穂乃果「あっ…うん。なんかごめんね」





希「………」
243: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/11(水) 09:39:58.14 ID:9nuMIdcX.net
花陽の家



花陽「………」

にこ「………」



黙々と作業をする二人。


花陽「……」


花陽「あの……にこちゃん?」

にこ「なに?」


花陽「……私、ちょっと思ってることがあるんだけど」

にこ「なにかしら」

花陽「あのね……穂乃果ちゃん…のことなんだけど」

にこ「勿体ぶらないで早く言いなさい」

花陽「……μ'sに戻ってきてくれないかな、って」

にこ「……」

にこ「花陽がそう思う理由は?」
244: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/11(水) 09:50:44.55 ID:9nuMIdcX.net
花陽「…やっぱり、穂乃果ちゃんの存在感は大きいと思う。前の予選の時だって、きっと穂乃果ちゃんがいたら、予選通過してたかもしれないし」

にこ「…根拠に乏しいわね」

花陽「そうだけど……穂乃果ちゃんの持ってる、独特のカリスマ性っていうのかな?それはきっと、誰にも出せないものだと思うの」

にこ「……」

花陽「もちろん穂乃果ちゃんだけじゃない。ことりちゃんや海未ちゃんもいてくれたら、一番なんだけど…流石に二人はもう無理だろうし」

にこ「…花陽はあくまで9人のμ'sにこだわるのね」

花陽「…やっぱりμ'sは9人のグループだと思うんだよね。9人だからこそμ's」

にこ「…じゃあ、改名でもする?」

花陽「えっ?」

にこ「ことりと海未はもういない。穂乃果だって自分で辞めたんだから、もう戻ってくることはないわ。μ'sが9人のグループだというなら、改名して新しいグループにするか、あるいは新メンバーを見つけるか、ね。まあ流石に今から新メンバーなんて現実的じゃないけど」
245: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/11(水) 09:55:25.90 ID:9nuMIdcX.net
花陽「……だよね」

にこ「誰だって自分が所属していた団体に愛着があるのはわかるわ。でもそれが続くことなんて、とても難しいことなのよ。ましてや私たちはスクールアイドル。学年が違う人間が所属してるんだから、メンバーの脱退や新加入なんて、あって当たり前なのよ」

花陽「…うん」

にこ「……もうこんな時間。私そろそろ帰らないと」

花陽「あっ、そうか、もうこんな時間」

にこ「じゃあ今日はここまでね。まあこの調子なら今週中にはできるわ」

花陽「…6人分ならね」
246: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/11(水) 10:03:04.08 ID:9nuMIdcX.net
帰り道

にこ「ふう。こんな時間まで働き詰めなんて肌に良くないわね。帰ったらしっかりケアしないと……ん?」



テクテク……



にこ「あれは……こころ?」


こころ「」フラフラ


にこ「こんな時間になんで外に……買い物袋?」

にこ「両手にあんなに荷物持って…歩くのもままならないじゃないの…一体何を?…ん?」


こころ「あっ」フラッ



ドン


通行人1「ああん?なんだいきなりぶつかってきて」ヒック

通行人2「ガキじゃねーか。しっかり前見て歩きやがれ」ヒック

こころ「す、すみません…」

通行人1「ん?おいおい、足に何かかかっちまってるぞ」

通行人2「こりゃあ卵じゃねえか」

こころ「あっ…申し訳ありません。倒れた拍子に卵が割れてしまって…」

通行人1「おいおい、どうしてくれんだよこれ!」

通行人2「ぐちゃぐちゃじゃねーか」
248: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/11(水) 10:10:36.47 ID:9nuMIdcX.net
こころ「す、すみません!洗濯させていただきますので」

通行人1「ざけんじゃねーよくそガキが!これから2件目行く予定だったのによ」

通行人2「台無しじゃねーか!どうしてくれんだよ」

こころ「も、申し訳ありません…」


こころ「」土下座


にこ「ちょっ……」

通行人1「ふざけんなよ!誤って済むかよ」

通行人2「ぶっ殺す!」


蹴りかかる通行人

こころ「ひっ…」


ドカッ!



ザザッ



こころ「……え?」

通行人2「んん?」

こころ「誰かが、私をかばって……」

通行人1「なんだてめえは!どっから沸いてきた!?」


にこ「くっ……あんたら痛いわね……アイドルに暴行を加えるなんていい度胸ね」

こころ「お、お姉さま!?」
249: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/11(水) 10:18:48.72 ID:9nuMIdcX.net
通行人1「ああ?JKじゃねーか」

通行人2「なんでいきなり蹴られに現れてんだ?」

こころ「お、お姉さま!大丈夫ですか?」

にこ「こころ。下がってなさい」


通行人1「ふうん…姉妹か」

通行人2「なあ、いい考え思い付いたぜ。妹の粗相、こいつに責任とってもらうってどうよ?」

通行人1「……!なるほど、悪くねえな」

通行人2「へへっ、こういうロリ系、お前好きだろ?」


にこ「……救いようのないクズね」

通行人1「よし、さらっちまうか?」

通行人2「待て待て。目立ちすぎる。もう一人車係呼ぼうぜ」

にこ「そうよ。それがいいわ。車呼んでさっさと帰りなさい!」シュピーン


通行人1、2「……!」
250: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/11(水) 10:27:05.46 ID:9nuMIdcX.net
にこ『酔っぱらいたちはタクシーを止め帰宅した…』



こころ「お姉さま!大丈夫ですか?」

にこ「大丈夫よ。顔はやられてないから。腕を蹴られただけだし、そんなに痛くないから」

こころ「で、でも」

にこ「それよりこころはなんでこんな時間に外出歩いてるの?買い物?」

こころ「あっ、はい。今日の夕食を…」

にこ「えっ?夕食まだ食べてなかったの?ママはどうしたの?」

こころ「それが……どうやら仕事中に倒れて、病院に…」

にこ「はあ?何それ!?」

こころ「病院から連絡が来て、軽い疲労だから問題はないけど、今日だけは入院すると」

にこ「だからこころが夕食を…って、なんで私に連絡しないのよ!?」
251: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/11(水) 10:36:51.24 ID:9nuMIdcX.net
こころ「……お姉さまは、アイドルの活動が忙しいと思って……この前も、μ'sが新しくなるって息巻いてましたし」

にこ「そんな理由で……」

こころ「でも、結局お姉さまに迷惑をかける結果となってしまいました……申し訳…」

にこ「」スッ

こころ「えっ…」ポン

にこ「こころ。あなたは偉いわ。ママやお姉ちゃんの代わりに、みんなにご飯作ろうとしてたんでしょ?ありがとう」

こころ「お姉さま…」

にこ「でもね、まだまだお姉ちゃんを頼っていいのよ。アイドル活動なんて、こころたちより優先するものじゃない」

にこ「もしこころたちに何かあったら、私はアイドルになれないわ。こころたちのいない世界でアイドルになっても意味ないもの。一番笑顔にさせたい人たちを笑顔にさせられないアイドルなんて何の意味もないしね」

こころ「…お姉さま」

にこ「にっこにっこにー」
252: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/11(水) 10:43:07.44 ID:9nuMIdcX.net
にこ「卵、見事なまでに粉々ね…」

こころ「うっ…」

にこ「取り替えに行きましょ?」

こころ「え、できるんですか?」

にこ「普通の人にはできないかもね。でもにこにーならできるわ」

こころ「さすがですお姉さま」





スーパー


にこ「こころ。トイレ大丈夫?」

こころ「…そういえば、少し我慢してました…」

にこ「じゃあ今のうちに行ってきなさい」

こころ「はい」



にこ「この隙に……」



にこ「店員さん。卵がちょっと割れてしまって…」

店員「はあ…」

にこ「新しいのに取り替えてくださいニコ!」シュピーン


店員「……!」

店員「わかりました。ただ今用意いたしますのでお待ちください」
253: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/11(水) 10:48:36.57 ID:9nuMIdcX.net
店員「はい、こちらをどうぞ」

にこ「ありがとうニコ!」


客「おいおいふざけんなよ!」

にこ「!?」

客「その割れ方、どうみてもこいつの過失じゃねーか。そんなん交換するなんておかしいぞ!自分で買わせろよ」

にこ「…またうるさそうなのが…」

客「それともなんだ?卵もまともに買えない貧乏人なのか!?」

にこ「あんたうるさいから黙ってなさい」シュピーン

客「……!」

客「…!?……??……!?」


にこ「口は災いの元よ…」
254: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/11(水) 11:12:52.83 ID:9nuMIdcX.net
翌日


にこ『母は今日にはもう退院できるらしい。母に無理をさせていた間接的な原因は自分にもある。私は少し反省した』


にこ『しかし、だからといってラブライブを手抜きで挑むわけにはいかない』

にこ『昼休み。私は部室で一人、ある二つの動画を見比べていた』

にこ『一つは、私たちが9人だったころの曲』

にこ『もう一つは、この前のラブライブ予選の自分たちの動画』




にこ「…技術的には、後の方が高い。当たり前よね……だけど」

にこ「見たくなるのは9人の頃。別に何故かと言われたら具体的な理由は説明できないけど…なぜなの?やっぱり花陽のいうとおりなの?」
260: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/11(水) 18:44:59.35 ID:9nuMIdcX.net
にこ「……私たちじゃあ、どう足掻いても9人のμ'sには勝てないの?」


にこ「…まさか。そんなことはないわ。私の目指すアイドルの世界はそんな夢のない世界じゃない。夢を見れるからこそアイドルなのよ」

にこ「私は諦めないわ…」



にこ『そして、私たちは、私たちにできることを精一杯こなした。期間こそ短かったが、それはどのグループも同じ条件』


にこ『何かを言い訳にしたところで、誰も助けてはくれないのよ。私は自らこの道を選んだのだから、このくらいは覚悟の上』

にこ『見てなさい。アライズも、過去のμ'sも、全部越えてやるんだから』
261: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/11(水) 18:59:29.36 ID:9nuMIdcX.net
にこ『予選当日』

にこ『私たちは18時30分からステージが始まる』

にこ『歩行者天国を利用し、ネットユーザーだけでなく、現地で見たお客さんも取り込みたい、という作戦だ』




絵里「すごいわね…よくこんな場所を確保できたわね」

にこ「その気になれば、できないことなんてほとんどないのよ」

凛「そうだにゃ!つまりラブライブに出ることだって、不可能じゃないんだにゃ!」

にこ「もちろんよ。むしろそれは可能な部類に入るわ」

真姫「やることはやったわ。あとは全てぶつけるだけ…」

花陽「今度こそ、予選突破…」

希「そして、ラブライブ優勝やな!」



にこ「さあみんな!いくわよ!」
263: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/11(水) 21:51:27.60 ID:9nuMIdcX.net
にこ『最終的に東京地区でエントリーしたチームは160チーム』

にこ『この中から代表決定戦に出られるのは、4チームのみ』

にこ『狭き門だけど……抉じ開ける力はあると信じてる。だって血の滲むような努力をしたんだから』

にこ『凛は毎日がダンスの先生的な役で、足腰はもはやカモシカのような足になっているわ』

にこ『花陽は慣れない衣装制作で手がぼろぼろ。それでも見栄えを考えて絆創膏などはせずにオロナインだけで乗り切ったわ』

にこ『真姫は曲の制作で毎日頭を使い続け、寝不足は目に見えて明らか。それでも見栄えを考えてコンシーラー塗りまくってたわ』

にこ『リーダーの絵里は毎日大声でチームをまとめ、最終的には声が枯れた。それでもスプレーで喉を無理やり正常化させ本番では歌っていたわ』

にこ『希は慣れない作詞作業に手こずってたようね。おかげで手はペンだこができてたわ』
264: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/11(水) 21:55:13.44 ID:9nuMIdcX.net
にこ『みんな本当に頑張った。現地のお客さんからは、すごい拍手をもらったわ』

にこ『これで確信した。間違いない。予選は通った』

にこ『といってもまだもう一段階あるんだけどね。ラブライブまで』

にこ『勝って兜の緒をしめろ。上に上がっていくにつれ、敵は強くなる。まだまだ私たちも強くならなきゃ』
265: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/11(水) 22:00:27.28 ID:9nuMIdcX.net
次の日



花陽「1チーム目、アライズ…」



花陽「2チーム目、イーストハート…」


花陽「3チーム目、ミッドナイトキャッツ…」




花陽「4チーム目……」


全員「ゴク……」



花陽「ミュー………」


全員「ミュー?」








花陽「ミュータントガールズ……」


にこ「……え」
272: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/12(木) 07:48:35.47 ID:EAP6cZLV.net
絵里「ら……落選?」

凛「まさか…かよちん読み間違えたんじゃない?」

真姫「どうやったら読み間違えるのよ…しかも写真付きよ」

花陽「その他予選出場チーム……つまり落選チームの欄に、μ'sの名前が…あります」

希「……あかんかったか」


にこ「……そう」



にこ『……その後、5分くらいは誰も喋ることがなく、痛いほどの沈黙の時間が流れた』

にこ『前回の落選時よりも重い空気が流れていた』

にこ『なぜなら…もう少なくとも来年度までラブライブの挑戦権はない』

にこ『つまり……私たち3年生はこれで引退、ということになる』
273: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/12(木) 07:56:12.21 ID:EAP6cZLV.net
ガラッ!


穂乃果「みんな!結果はどうだった!?」


全員「……」


穂乃果「…あれ?」

にこ「この空気見たらわかるでしょ?だめだったわよ」

穂乃果「え……そ、そうなんだ……」

花陽「ううう……」

凛「…嘘だにゃ…これで終わりだなんて…」

絵里「…やれることはやったのに」

穂乃果「みんな……」




ガタッ!

にこ「お疲れ」

絵里「にこ?」

花陽「どこへ行くの?」

にこ「どこって…帰るのよ。私たちは負けた。私はもう引退なの。ここでやることはもう何もないわ」

凛「そんな…いくらなんでも冷たすぎるよ…」

にこ「仕方ないでしょ。これが現実なんだから」

絵里「でも…」

穂乃果「にこちゃん!」

にこ「さよなら」

バタン
274: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/12(木) 08:04:12.09 ID:EAP6cZLV.net
にこ『確かに冷たい反応かもしれない…』

にこ『あんなにみんなで頑張って、筋肉痛になるほどまでに練習した日々…それを、落選したとわかった途端、全て切り捨てたようなものだものね』

にこ『今までの私なら泣き崩れてしばらく動けなかったかもしれないけど…』

にこ『驚くほど冷めてる…これも自分にかけたギアスのせいなのかしら』

にこ『……』


にこ『……なぜだめだったのかしら…』
275: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/12(木) 08:22:24.75 ID:EAP6cZLV.net
にこ『私は帰らず、その足でUTX学園へと向かった』


警備「失礼ですが、どのようなご用件で…」

にこ「いいから通しなさい」シュピーン

警備「……!」






にこ『私はアライズに会いにここにきた』

にこ『私たちがなぜだめだったのか…第一線で活躍する彼女たちならわかるかもしれない』




ツバサ「あなたかしら?私たちと話したいって言う人は」

にこ「そうよ」

にこ『私は応接間のような部屋に案内された』

にこ『目についた教師らしき人物に、アライズに会わせろと言っただけなのに、この待遇……学校の規模からして私たちとは違うようね』
276: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/12(木) 08:35:18.50 ID:EAP6cZLV.net
ツバサ「あなたはμ'sの矢澤さんね。よろしく」

にこ「私を知ってるの?」

ツバサ「一応ライバルになりそうな人たちは一通り調べたわ」

にこ「光栄ね…」

あんじゅ「でもμ'sって確か、9人組のグループでしたよね?」

英玲奈「今は6人…なぜ人数が減ったのだ?」

にこ「それは……」

にこ「そんなのどうでもいいでしょ?私はあなたたちに聞きたいことがあって来たの」

ツバサ「何かしら…」

にこ「…念のため」

にこ「嘘偽りなく質問に答えてよね」シュピーン


アライズ「……!」

アライズ「ええわかったわ」
277: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/12(木) 10:22:51.45 ID:EAP6cZLV.net
にこ「まずはこれを見てほしいんだけど…」


にこ『私は携帯動画で昨日のμ'sの動画を見せようとした』


ツバサ「この映像なら見たわよ。昨日リアルタイムでね」

にこ「え……」

英玲奈「それでこの動画がどうしたのだ?」

にこ「…見たなら知ってるわよね。私たちが落ちたことを」

あんじゅ「ええ」

にこ「単刀直入に聞くわ。なぜ私たちは落ちたの?あなたたちの目から見て、何が足りなかったの?」

ツバサ「……」

ツバサ「まあ私は審査する側の人間じゃないから、確証のある話はできないけど…」

ツバサ「勝ちたい、という意識にとらわれすぎてたんじゃないかしら」

にこ「勝ちたい…という意識…?」
278: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/12(木) 11:38:36.11 ID:EAP6cZLV.net
ツバサ「こんなことを言ったらラブライブの本質を否定してしまうような気がするけど…アイドルとは本来誰かと競いあうものじゃない」

ツバサ「どれだけ、見てくれた人たちを楽しませるか、なのよ」

にこ「それはわかっ……」



にこ『いや…わかっていたのは確かだけど、あの時は見失っていたかもしれない。ラブライブの本選に進むことばかり考え、自分たちのステージばかりに気をとられ、オーディエンスは二の次になっていた…』

ツバサ「私は強いて言うなら、日本で一番多くの人たちを楽しませたい。そう思ってるわ」

にこ「…私は、他のアイドルグループよりも上に行くことばかり考えて……」
279: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/12(木) 11:45:47.62 ID:EAP6cZLV.net
あんじゅ「あともうひとつ」

にこ「?」

あんじゅ「冒頭の話に戻るけど…あなたたちが9人だったら分からなかったわ」

にこ「え……」

英玲奈「他のメンバーは、隠してはいるが、どこかに足りないメンバーの姿を探している。μ'sはまだ未完成、まるでそう言っているようにな」

にこ「な…なんでそんなことがわかるのよ」

ツバサ「長いことアイドルをやってるとね、作られた笑顔と、本物の笑顔が見分けられるようになってきたのよ」

にこ「……つまり、私たちは心から笑えてはいなかった?…確かに、自分たちが楽しめないステージでお客さんが楽しめるはずないものね」

ツバサ「ちなみに私は、いつでも全力で、心からステージを楽しみ、笑い、周りを笑顔で溢れさせる、最高のスクールアイドルを1人知ってるわ」

にこ「……誰?あなたじゃなくて?」
280: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/12(木) 11:50:41.75 ID:EAP6cZLV.net
ツバサ「高坂穂乃果。今はアイドル辞めたみたいだけど」

にこ「穂乃果…!?」

ツバサ「彼女は私たちですらオーディエンスに成り下がってしまうほどの圧倒的なカリスマ性を秘めているわ」

あんじゅ「あの人がいたら、また結果は違ったでしょうね」

英玲奈「なんで辞めてしまったんだ?」


にこ「………」


ツバサ「矢澤さん?」




ガタッ!

にこ「教えてくれてありがとう。質問は終わりよ。じゃあね」



バタン
281: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/12(木) 11:56:47.51 ID:EAP6cZLV.net
にこ『……本当は私も気づいていたんだ』


にこ『穂乃果はμ'sになくてはならない人間。穂乃果がいなければそれは土台のない家と一緒』

にこ『…私は、穂乃果の実力を、カリスマ性を認めているからこそ、たった一度の失敗で弱音を吐いた穂乃果を許せなかった』

にこ『だから、穂乃果を辞めさせてしまった…』

にこ『もし、穂乃果がいれば、海未もことりもいなくなるなんてことはなかったのかもしれない』

にこ『そうすれば、μ'sは9人でいられた…』


にこ『花陽が言ってたのはこういうことだったのね』


にこ『私が……私がμ'sを壊したんだ…』
282: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/12(木) 12:08:29.01 ID:EAP6cZLV.net
にこ『とはいえμ'sは終わった…私のスクールアイドルとしての人生も終わり』

にこ『笑えるわ……最後の最後で、自分の犯した失敗で終わるなんてね』





にこ『……悪魔になっても、喪失感はあるのね』



にこ『それから私はあてもなく歩き続けた』

にこ『どこへ向かうでもない。目的もない』

にこ『気付けばすっかり夜になっていた』


にこ「…ここはどこかしら……新宿?」

にこ「もう夜なのに、全然人が減らないわね……」

にこ「私、なにやってるんだろ…」


にこ『気が付くと、その足は歌舞伎町まで伸ばしていた』


警察「ちょっと君?こんなところで1人でなにやってるんだ?もう22時だぞ?」

にこ「……」
286: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/12(木) 17:49:15.56 ID:EAP6cZLV.net
にこ「ほっといてよ…」

警察「え?」


にこ「ほっときなさい!あんたはそこらへんで1人でラジオ体操でもやってなさい!」シュピーン


警察「……!」



警察「…まずは腕を大きく広げて、背伸びの運動……」


にこ「……何も考えたくないのよ、今は…」


テクテク…


テクテク…


テクテク…


オヤジ「お姉ちゃん、こんなところで1人でなにやってんの?」

にこ「……」

オヤジ「家出かな?30K出すよ?どう?」

にこ「……」

オヤジ「40K!」

にこ「…あなた、私にそんな価値があると思ってるの?」

オヤジ「え?」

にこ「家出か…まあ似たようなものよ。私は全てから逃げ出したんだから…」
287: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/12(木) 17:56:51.38 ID:EAP6cZLV.net
オヤジ「ふうん…まあ要するに変える場所がないんでしょ?オジサンが提供してあげるよ」


にこ「…あんたの目的くらいわかるけどさ……」


にこ『もう私はアイドルでも何もない……何もないただの悪魔…』


にこ「わかったわ」


オヤジ「え?本当に?」

にこ「ただ、あんたの意見に従うってのは癪にさわるわね。途中で逃げられるかもしれないし」

オヤジ「そ、そんなことしないよ」

にこ「大丈夫。今から逃げられない魔法をかけてあげるから」

オヤジ「……え」


にこ『……これで私はもうアイドルどころか人間としても終わり…でももういいの。アイドルじゃない私なんて何の意味もない…』



にこ「……その申し出、受けるけど、あんた逃げ出すんじゃ…」

「何やっとんねん!」


バキィッ!
289: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/12(木) 18:08:04.60 ID:EAP6cZLV.net
ドサッ


にこ「い、痛いわね……誰…」







にこ「の、希?」


希「はあ、はあ、はあ」

にこ「希……なんでここに?」

希「にこっちがここまでアホやと思わんかったわ!」

オヤジ「ちょっ…何?どうしたの?」

希「おっさん。おっさんがやっとったことは立派な犯罪やで。今ちょうど向こうに警察がいたから、呼んでくるわ」

オヤジ「あわわわわ…か、勘弁してー」スタタタタタ





にこ「…の、希……」

ピポパ

希「ああ、真姫ちゃん?見つかったわ。歌舞伎町や。危なかったけど間一髪やったわ。うん。……わかった。15分な。待ってるで」

プツッ


にこ「……ねえ、なんで」

グイ(胸ぐらを掴む)

希「なんでってのはこっちの台詞や!にこっち今何しようとしてたん!?人間やめるつもりやったんか!?しかも自分から!?そんなん許すわけないやん!」
292: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/12(木) 18:17:20.30 ID:EAP6cZLV.net
にこ「…希」


にこ「何よ……」

にこ「ギアスをどう使おうが、あんたには関係ないでしょ。希自身が前に言ってたじゃない」

希「……確かに言ったわ。でもな、ギアスはどうでもいいけど、にこっち自身に何かあるのを見過ごすわけにはいかん」

にこ「…とんだきれいごとね。あんたなら気づいてるんでしょ?予選に負けたのは私のせいだって。私がμ'sを壊したから、ラブライブには出られない」

にこ「私には自信があった…メンバーが変わっても、必ず上を目指していける自信が…」

にこ「でもその結果がこれよ。私にはμ'sを宇宙1のアイドルグループにする力なんてなかったのよ。どんなに頑張って、頑張っても……私の努力は報われなかったの」

希「……にこっち」

にこ「だからもうほっといてよ……」

希「それは無理や」
298: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/12(木) 23:42:13.43 ID:EAP6cZLV.net
にこ「…あのねえ」

希「自分にかけたギアスのせいで怒ることもできんやろ?ウチには効かんし、悪いけど強制的に連れて帰るで」


にこ「なに言ってるの。言っとくけどあんたがサボってた期間も私はトレーニングしてたのよ?体格で劣るからって、あんたに捕まるような鍛え方はしてないわよ」


希「ウチだけやったらそうかもしれんけど……」

にこ「?」


凛「見つけたにゃー!にこちゃーん!」ダダダダダ


にこ「げっ…凛……」

希「おそらく真姫ちゃんから連絡行ったんやろな。丸の内あたりを探してた凛ちゃんならそろそろ駆けつけるころやと思って」


にこ「ちょっ…」

希「凛ちゃんからは逃げられへんやろ」


ガシッ!


凛「捕まえたっ!」
302: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 02:42:01.67 ID:u3O/Crvd.net
にこ「ちょっ…離してよ!」

凛「ダメダメダメ!絶対に離しません!みんながどれだけ心配してたか知ってるの!?」

にこ「…っ、知らないわよ!私はもう…」

希「なんでうちらがにこっちのこと探してたかわかる?初めはにこっちが行方不明だなんてこと知らなかったんやで」

にこ「……誰にも言ってないし」

希「…にこっち電話見てないやろ」

にこ「電話?」


スチャッ


にこ「!?…着信が…115件?」

希「誰が一番にこっちのことを心配してたか……それを知っても、ほっといてなんて言えるんか?」





にこ「…家、家、家、学校、家、希、絵里、花陽、家、真姫ちゃん、家、家、花陽、凛、家、希、家、穂乃果、家、絵里、家、家……」


にこ「半分以上が、家からの着信…」


ブロロロロ……

にこ「!?」
304: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 03:45:02.48 ID:u3O/Crvd.net
にこ「高そうな車…?」

ガチャ





こころ「お姉さま!」


にこ「こころ!?」


ダダダダダ


こころ「お姉さま…なんで…なんでいなくなろうとしたのですか!?お姉さまがいなくなったら、私は…私たちは……」フルフル


にこ「こころ……」



ポロッ



にこ『妹と相対した瞬間、私の目から、何故か得体の知れない液体がこぼれ落ちた』

にこ『悪魔と契約を交わしたその時から、全てが枯渇していたはずなのに…』


にこ「……ごめん…ごめんね…こころ……ううう…」
305: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 04:34:49.14 ID:u3O/Crvd.net
真姫「…まったく、こんなところまで逃亡してるなんて、ほんとどこまでお騒がせな部長なのよ」


にこ「真姫ちゃん…もしかして、この車、真姫ちゃんの家の?」グスッ


真姫「ちょっと鼻水垂れてるわよ!」

にこ「えっ?」


ウィーン(車のウインドウが開く音)


真姫母「あなたがにこちゃんね?」

にこ「えっ?え、ええ、そうですけど…」

真姫母「娘が血相変えて人を探すから車を出せって、まるで命令のように言うからね。よっぽど大切な人だったのね」

真姫「ちょ、ちょっとママ!?」

にこ「ま、真姫ちゃんのお母さん!?」

真姫母「まあ、一応大人として忠告しておくけどね、あまり友達とかを困らせちゃだめよ。とくにその子、こころちゃんだっけ。車の中でずっと泣きっぱなしだったんだから」
306: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 05:15:02.65 ID:u3O/Crvd.net
希「なんだかんだいって一段落やな」


凛「うん。とりあえず何事もなくてよかったよ」

真姫「学校で待機させてる花陽と、渋谷方面を探しに行った穂乃果、にこちゃんの家にはちゃんと連絡しておいたから」


にこ「…ごめんなさい」

真姫母「まあいいわ。説教ならにこちゃんのお母さんに任せましょう。みんな乗りなさい」



にこ『こうしてその日は無事に(?)家路についた』


にこ『μ'sは壊しちゃったけど、もっと大切なものは、なんとか守りきれたみたい…』


にこ『…帰ったらママの説教が待ってるみたいだけど、こころを泣かしちゃった罰として、潔く受けなきゃね』
307: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 05:21:16.99 ID:u3O/Crvd.net
希(…はたから見たら一件落着のように見えるけど)


希(どうしても腑に落ちないことがひとつある)



希(…感情を表に出さないように自分にギアスをかけているにこっちが)


希(こころちゃんの顔を見た瞬間に涙を流した……)

希(あれは、一体どういうことなんやろ)
308: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 05:28:18.91 ID:u3O/Crvd.net
プルルルル…


希「ん?電話?あ、絵里ちからや」



希「もしもし?」

絵里「希!?文京区を中心に探してみたけど、こっちは見つからないわ」

絵里「そっちはどう?希」




希「……」


絵里「希?」


希「…真姫ちゃん、絵里ちに連絡せえへんかったの?」


真姫「……あ…」
309: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 05:36:53.06 ID:u3O/Crvd.net
にこの自宅


にこ『私は家に帰宅し、母親からこっぴどく説教を受けた』

にこ『でも、ママの目は真っ赤だった。それを目にしたとき、自分の行為がどれほど愚かだったのか気付かされた』

にこ『スクールアイドルは引退だけど、まだ私は誰かのアイドルで居続けなければならない。少なくともこの家では…』

にこ『そう。誰かを笑顔にさせる存在に。涙で悲しみに溢れる日は、今日で最後よ』
310: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 05:43:29.37 ID:u3O/Crvd.net
こころ「お姉さま、お母さまにひどく怒られてしたね」

にこ「まあね…でも自分で蒔いた種だし、仕方ないわよ」

こころ「本当ですよ…まったく。お姉さまがいなくなったら、ここあや虎太郎はどうするんですか?」

にこ「…一応弁解しておくけど、死ぬつもりはなかったからね?」

こころ「本当ですか?」

にこ「もちろんよ。だからこころも、心配しないでね?」









こころ「……」


こころ「…わかりました。心配はもうしません。お休みなさい」





にこ「…………え?」
322: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 14:37:17.25 ID:u3O/Crvd.net
にこ「…なに?今の反応……」


にこ「ギアスを使ったわけじゃないのに……」


にこ「……普段のこころならあんな反応は絶対にしないけど…」


にこ「もしかしたら私が今日色々やらかしたから、怒ってるのかもね…」


にこ『うん。きっとそうだ』





翌日


にこ母「にこ!いつまで寝てるの?起きなさい!」

にこ「う…うん…」ムクッ


にこ「げっ!8時過ぎてる!」


ガラッ


にこ「もう、こころー!起こしてよー。いつもこういう時は起こしてくれるのにい…」


こころ「……たるんでいる証拠ですよ、お姉さま。それに、よく考えたら、お姉さまが遅刻しようと、私には何の関係もありませんし」

にこ「え…」
323: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 14:50:26.72 ID:u3O/Crvd.net
こころ「それでは私も遅れるといけないので、学校に行きます。ここあ、行きますよ」

ここあ「あ、うん」


にこ「こ、こころ……」











学校


にこ「希!」

希「なんやいきなり、殴り込み?」

にこ「ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

希「あら、ちょうどよかった。ウチもにこっちに話があるんやけど」

にこ「え?」

希「…昼休みに屋上に集まろ」
327: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 15:05:42.37 ID:u3O/Crvd.net
昼休みの屋上


にこ「……で、希の話って?」

希「にこっちから先にええよ」

にこ「そう…じゃあ早速だけど」

にこ「単刀直入に言うと、ギアスを使ってないのにギアスが発動したの」

希「え?」

にこ「こころが明らかにギアスの影響を受けてるわ。でも私はなにもしてない。確かに目を見て話したけど、発動するときは私が意識を集中させないと今までは効かなかった」

にこ「…はずなのに…」

希「……それは、いわゆるギアスの暴走やな」


にこ「ギアスの暴走?」

希「本人の意思に関わらず、常にギアスがオン状態になることやな」

にこ「常にギアスがオン状態…?」

希「わかりやすく言うなら、これからにこっちが話しかけた相手は、有無を言わさずそれに従うことになるわな」

にこ「なっ……それじゃあ、今後、私はほとんど誰とも話せないじゃない!」

希「……一応対策はあるで。目を見なければええんやから」
328: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 15:18:27.75 ID:u3O/Crvd.net
にこ「常に目をそらして話をしろってこと?どう考えても怪しい人じゃない」

希「筆談とか」

にこ「めんどくさい」

希「電話?」

にこ「近距離で?」

希「……」

にこ「…なんでこんなことになっちゃったのかしら」

希「ウチもよくわからんけど、ギアスの使いすぎや、心身状態の不安定さが原因なんやないかな」

にこ「心身状態の不安定さ……昨日の私なら仕方ないわね」

にこ「…治らないのかしら」

希「…それはほんまにわからん」

にこ「……一難去ってまた一難。私に安息の日は訪れないのかしら…」
329: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 15:31:55.64 ID:u3O/Crvd.net
希「でもμ'sのメンバーにはもうみんな使っとるんやろ?一度使った相手には効かないのは変わらんだろうから、μ's内では問題なしやな」

にこ「……私たちはもう引退じゃない」

希「契約」

にこ「……!」

にこ「…ごめん。それは…」

希「……まだ、奇跡はあるかもしれんよ?」

にこ「は?」

にこ「どういう意味よ?」

希「……さあね」

にこ「ん?そういえば…私、全員にはギアス使ってないかも…」

希「ああ、ことりちゃんやろ?」

にこ「ことりもそうなんだけど……」

希「?」
330: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 15:44:24.81 ID:u3O/Crvd.net
にこ「それはそうと、希の話ってなんなのよ?」

希「ああ、ギアスについてなんやけど」

にこ「でしょうね」

希「にこっち自分にギアスかけたやろ?その内容もう一回教えてくれん?」

にこ「何よ急に…」

にこ「…いかなるときも、自分の信念を貫くことだけを考え、冷静になりなさい……だったかしら?」

希「…ふうん…」

にこ「それがどうかしたの?」

希「その信念って、具体的になんなん?」

にこ「それはもちろん、ラブライブの優勝よ。…叶わぬ夢になっちゃったけど」

希「……うーん。それだけじゃ説明がつかんな…」

にこ「ちょっと?何?何なのさっきから?まったく話が見えてこないんだけど」
340: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/14(土) 08:32:02.77 ID:A3SM2PM9.net
希「…ウチも、まだギアスの本質がわかってない……いや、にこっちの本質か?自分自身すら忘れてしまっているくらいの本質を……」

にこ「希…?頭でも打ったの?」

希「まあ、頭を打ってた方がよかったかもしれんわ。訳がわからなすぎて」

にこ「その訳がわからない話を聞かされている方の身にもなってよ……」


希「ところでにこっち、部活はどうするん?」

にこ「……そうね。引き継ぎとかもあるし、今日みんなを集めるわ」

希「そっか。わかった」
342: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/14(土) 09:29:01.02 ID:A3SM2PM9.net
放課後、部室


にこ「…とりあえず、みんな昨日はごめん。色々迷惑かけたわね」

真姫「もういいわよ。昨日は母親にこってり絞られたんでしょ?」

にこ「う…うん」

絵里「だからもう顔をあげて?」

凛「もう誰も怒ってないにゃ!」

にこ「……ありがとう」

花陽「大丈夫だよ」

にこ「…!」

にこ(なるべく花陽の方は見ないようにしないとね……)

希「それで……これからどうするん?」

にこ「そうね……」
345: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/14(土) 10:02:00.42 ID:A3SM2PM9.net
にこ「ラブライブをかけた戦いに負けた以上、スクールアイドルとして目指す場所は今年はもうない」

にこ「……だから、私たち3年は引退ね」

花陽「そ、そんな……」

真姫「μ'sはどうするの…?」

絵里「それはみんなが決めることよ」

真姫「え?」

絵里「μ'sをどうするかを決めるのは、引退する私たちではなく、残るあなたたちよ」

にこ「そうね。いつでも新しい何かを創るのは、未来がある人。それは一年生であるみんな……」

花陽「……でも、このままだと3人になっちゃうよ…」

真姫「そうね……さすがに3人でμ'sを続けるなんていうのは……」

凛「もちろん続けるにゃ!」

花陽「凛ちゃん!?」
346: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/15(日) 01:04:17.41 ID:F0ehyIsF.net
真姫「凛…気持ちはわかるけど…たった3人でμ'sを続けるわけには…」

凛「人数は関係ないにゃー。μ'sという魂がそこにあれば、凛たちはいつだってμ'sなんだよ」

花陽「魂……」

真姫「凛がそんなこと言うなんてね…」

花陽「でも、μ'sはμ'sのみんながいてこそのμ's。みんながやめたあとの私たちがμ'sを名乗ってもいいのかな?」

凛「なにいってるのかよちん。凛たちがμ'sを継続させるんだよ」

花陽「継続……でも」

凛「かよちん……もしかして、μ's辞めたいの?」

花陽「え?い、いや、違うよ。違うけど……」

凛「違うけど?」

花陽「……スクールアイドルをやるなら、μ'sはここで終わらせて、別のグループとして動き出す方がいいと思う…」

凛「かよちん……何言ってるの?」
349: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/15(日) 02:49:30.37 ID:F0ehyIsF.net
凛「凛たちはμ'sと出会えたからここにいるんだよ?かよちんはμ'sを裏切るの?」


花陽「裏切るだなんて…別にそんなこと言ってない!」

凛「同じことだよ!かよちんはμ'sを見捨てるんだ!」

絵里「ちょっと二人とも!いきなりどうしたの?」


凛「」キッ

凛「真姫ちゃんはどう思うの!?」

真姫「え、わ、私にふる?」




真姫「……わかった。正直に言わせてもらうわ。友達だし、嘘をつくのは嫌いだから」


真姫「私は……花陽の意見に賛成よ」

凛「……そう言うと思ったにゃ。真姫ちゃんは別にμ'sにそこまで深い思い入れないもんね」

真姫「凛!あなた、言っていいことと悪いことがあるでしょ!?」
352: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/15(日) 03:42:59.59 ID:F0ehyIsF.net
凛「じゃあかよちんや真姫ちゃんの見捨てる発言は悪いことじゃないの?」

花陽「だから見捨てるなんて言ってないよ!」

絵里「ちょっとみんな待ちなさい!熱くなりすぎよ」

凛「何言ってるの。そもそも絵里ちゃんが、一年生が決めろっていったんでしょ」

絵里「答えを急ぎすぎよ。別に今すぐ決めなくても…」

凛「いくら考えたって、凛の答えは変わらないよ。それでももしかよちんと真姫ちゃんがμ'sを終わらせる、って言うなら……」



凛「凛は一人でもμ'sを続けるから!」


ダダッ


花陽「ちょっ…凛ちゃん!」


バタン


花陽「ーーー!!」


にこ「……」
354: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/15(日) 21:28:57.63 ID:F0ehyIsF.net
にこ『あの仲のいい一年組がここまで言い争うとはね』

にこ『μ'sにこだわる凛と、今までのμ'sにこだわる花陽』

にこ『原因は…私ね』

にこ『私が以前凛にμ'sに戻るようにギアスをかけた』

にこ『でも今は、まるで呪いの足枷になって凛を締め付けている』

にこ『これがギアスの力…』

にこ『私自身も身をもって体感しているわ。だって、あんな言い争いが目の前で起こっていたのに、私はただ傍観していただけ』

にこ『まるで他人事のように、それを眺めていただけだった』




にこ『ひとまず今日は話し合いは無理そうね。日を空けてまた話し合いましょう』
355: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/15(日) 21:37:40.00 ID:F0ehyIsF.net
にこ『その日はそれで解散となった』


にこ『それから一時間後…私はまだ部室に1人残っていた』

にこ『色々とこの部室に私物を持ち込んだから、片付けなきゃね』




にこ『…なんていうのは建前。本当はただ帰りたくないだけ』

にこ『ギアスが暴走した状態で帰宅したところで、誰とも話せない』

にこ『ましてや、すでに妹を餌食にしている』

にこ『家族にだけは、この力を使いたくなかった……なんて言っても説得力なんてないわね。自分を受け入れてくれたアイドルグループを、私の手で破壊したんだから』




ガチャ


穂乃果「失礼します……」

にこ「穂乃果?」
356: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/15(日) 21:50:57.19 ID:F0ehyIsF.net
穂乃果「あれ?にこちゃん1人?」

にこ「そうだけど…何か用?」

穂乃果「いやあー本当にこちゃんが無事でよかったよ。一時はどうなることかと」

にこ「あっ…そっか。穂乃果も探してくれたんだっけ…ごめんね、迷惑かけて」

穂乃果「ううんいいよ。私だって迷惑たくさんかけたし…」

にこ「……」
361: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/16(月) 08:44:35.58 ID:yw0D6/bY.net
にこ「ところで、どうしたの?見た感じそれを伝えに来たわけじゃなさそうだけど」

穂乃果「あ、うん。アイドル研究部に報告があってね」

にこ「アイドル研究部に?」

穂乃果「うん。学校の方にね、今度秋葉原で開催されるハロウィンイベントに、μ'sにゲスト参加して欲しいって依頼がきたんだよ」

にこ「ハロウィンイベント?」

穂乃果「うん。そこにステージを作るから、歌ってほしいんだって」

にこ「…へえ。でもなんで私たちが?」

穂乃果「この前の秋葉原の歩行者天国でやったやつが、開催側の目に留まったんだって!だからぜひμ'sに、って」

にこ「そう……でも今は…」

穂乃果「他にアライズもくるらしいよ」

にこ「え?」
363: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/16(月) 08:55:39.46 ID:yw0D6/bY.net
穂乃果「あと他にも3組くらいが参加するよていなんだって。ずいぶん大きなイベントみたい」

にこ「…でも私たちは…」

穂乃果「でね、ここからが重要なんだけど……」

にこ「まだ何かあるの?」

穂乃果「μ'sと他に呼ばれた3組くらいのグループで、ラブライブ最終予選出場の最後の一枠をかけた審査もやるんだって!」

にこ「へえ……」

にこ「って、え?」

にこ「何それ?だって最終予選に出場する4チームはもう決まったはず…」

穂乃果「うん、決まったはずだったんだけど、1チームが辞退したらしいんだ」

にこ「辞退!?」

穂乃果「ミュータントガールズっていうグループの中の1人が、実は結構重い病気を患っていたらしいの」

穂乃果「でも、高校最後の大会だからって、無理を推して予選に出場したらしいんだ」

穂乃果「ただ、代償として病状が悪化しちゃって……だからミュータントガールズは辞退することに決めたらしいの」

にこ「……」
364: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/16(月) 09:14:22.29 ID:yw0D6/bY.net
にこ「…なんか、事情が事情なだけに、喜んでいいのかどうなのか、複雑ね…」

穂乃果「うん…ミュータントガールズは残念だけど、きっと重い決断だったと思う。高校最後の大会に出場できなくなったってことは、もう二度とラブライブには出られないんだし…」

穂乃果「でも、だからこそ出場する他のチームは、その子の分まで頑張るべきだと思うの!」

にこ「穂乃果……もうあなたはすっかり生徒会長の器ね」

穂乃果「え?」

にこ「なんでもないわ」

穂乃果「それじゃあ日付は10月29日だから、よろしくね」

にこ「え…いや、ちょっと待って。まだみんなに聞いてないし…」

にこ「……穂乃果。あなたまさか」

穂乃果「勝手に参加表明しちゃったけど、大丈夫だよね」

にこ「……」マジカ


にこ「前言撤回…やっぱりあなた生徒会長に向いてないわ」
367: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/16(月) 16:19:03.49 ID:yw0D6/bY.net
にこの自宅


にこ「ただいまー…」

にこ母「あらおかえり。ちゃんと帰ってきてよかったわ。また昨日みたいなことになるんじゃないかと内心ビクビクしてたのよ」

にこ「そんなこと…」

にこ母「元気ないわね。何かあったの?」

にこ「………」

にこ母「にこ。ママの目を見なさい」

にこ「!」

にこ(だめ、目を合わせたら…)

にこ母「あなたが何か隠していてもすぐにママにはわかるのよ。何かあったの?」

にこ「……何も、ない、わよ」

にこ母「にこ……」

にこ(ママはどんなときだって私の味方だった。アイドルになりたいと言ったときも、少しも反対せずに頑張ってと言ってくれた)

にこ(でも……ギアスのことだけは言うわけにはいかない)

にこ(大丈夫…命令するような内容じゃなければ問題ないはずよ…私ならできるわ)
368: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/16(月) 16:47:48.44 ID:yw0D6/bY.net
にこ「もしかしたら……ラブライブに出られるかもしれない」

にこ母「え?確か昨日、予選で敗けたって…」

にこ「うん。だけど、勝ったチームの1つが出場を辞退して、一枠空いたの。だから追加予選が行われることになって…」

にこ母「あら、よかったじゃない。なのに、なんでにこはそんな暗い顔してるの?」

にこ「……辞退した理由が、メンバーの病気なんだって。だから、なんというか、申し訳ないっていうか…」

にこ(違う。暗い顔をしてる理由はギアスが暴走してるから。私は嘘をついている)

にこ母「そう…それは確かに残念だけど、だからこそ追加で選ばれたチームは、そのチームのためにも精一杯やらなきゃだめよ。遠慮して手抜きなんてしたら、それこそその子に申し訳ないわ」

にこ(……穂乃果と同じことを…)
371: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/16(月) 18:05:19.56 ID:yw0D6/bY.net
にこ「ただいま」

ここあ「お帰りー。今日もパパラッチに追いかけられてたの?」

にこ(あ、そういえばそういう説明したんだっけ)

にこ「ま、まあね。最近しつこくてねえ」

こころ「ここあ。早くご飯食べなさい。冷めてしまうわよ」

ここあ「はいはい…」

にこ「こころ……」

こころ「お姉さま、お帰りなさいませ」

にこ「…ただいま。ねえこころ。ラブライブにね…」

こころ「聞いてましたよ今の話。出られるかもしれないんですよね」

にこ「う、うん」

こころ「…で、それがどうかしたのですか?」

にこ「え?あ、いや…」

こころ「それでは私は虎太郎をお風呂に入れてきますので」スタスタ



にこ「…こころ」
374: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/16(月) 18:12:29.54 ID:yw0D6/bY.net
にこ『一度負けたラブライブに、出られるかもしれない』


にこ『だけど、出てどうするの?』

にこ『そもそもハロウィンイベントまで2週間もない。なのに一年生が分裂の危機。出場どころではない』

にこ『それに…こころがもう私になんの関心も持っていない。自業自得だけど』

にこ『……そして、今のままではまたμ'sは負ける』

にこ『……モチベーションが上がらないのは、ギアスのせいだけじゃないわよね』


にこ『……なんでこんな力を手に入れちゃったんだろう……』
375: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/16(月) 18:23:15.25 ID:yw0D6/bY.net
翌日。昼休みの屋上。



にこ「…っていう話なんだけど」

希「ナイスやん。やっぱり神はまだうちらを見捨ててはいなかったんやね」

にこ「希が言ってた奇跡ってこのことなのね。ほんとにあなた何者なのよ」

希「そんなことよりにこっち。一年生はどうするん?昨日のままやと、ラブライブどころか、イベントすら危ういで」




にこ「……私も、正直言うと、出なくていいかな、って」

希「……え?なんで…」

にこ「…出たとしても、今のμ'sでは勝てないわよ。アライズはオープン参加だから審査は関係ないけど、どうせ他のチームに私たちは負けるわ」

希「……なんや、えらい弱気やな」

にこ「アライズに聞いたのよ。私たちが負けた理由を。勝ちにこだわりすぎている、と」
376: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/16(月) 18:32:34.57 ID:yw0D6/bY.net
にこ「それだけならまだ改善の余地はある。だけどもうひとつ理由があって、それが、μ'sが9人じゃないから」

希「……」

にこ「μ'sは9人で初めて100パーセントの力を出せる。ただもちろん人数をなんとかすればいいという話ではない」

希「穂乃果ちゃん、海未ちゃん、ことりちゃんやな…」

にこ「…穂乃果はギアスの力で、μ'sに復帰することは絶対にない。海未はさらに最悪で私たちと会うこともできない」

にこ「ことりにはギアスは使ってないけど…海外だしね」

にこ「そもそも一年生があんな状態だし、出たところで汚点を残すだけよ」

希「…うーん、凛ちゃんたちはなんとかするにしても、穂乃果ちゃんたちはどうしたらええんやろ…」
377: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/16(月) 18:48:24.73 ID:yw0D6/bY.net
にこ「別に考えなくてもいいわよ。どうせ出ないんだし」

希「…にこっち」

にこ「一年生の子達も、好きにさせたらいいわ。どうせ引退する私たちには関係ないんだから」

希「うーん、冷たいなあ」

にこ「……私たちのスクールアイドルの人生は終わったのよ」

希「…それ、本心で言っとる?」

にこ「…当たり前でしょ」

希「ならなんでウチにわざわざイベントのこと報告したん?出たくないなら勝手に出場キャンセルしたらよかったやん」

にこ「それは…」

希「迷う必要あるん?出るだけ出たらええやん。負けるなんて決まったわけやないし」

にこ「…私のモチベーションが上がらないのよ」

希「モチベーション?」
378: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/16(月) 18:59:51.96 ID:yw0D6/bY.net
にこ「ラブライブに対してもそうだけど、そもそもアイドルに対して、モチベーションが下がっちゃったの」

希「…なんやそれ」

にこ「そもそもアイドルを目指したきっかけがアイドルが好きだったから。なぜ好きだったかといえば……」

にこ「笑顔をくれるから」

にこ「どんな辛いことがあっても、アイドルを見ていたら、時間を共有していたら、全て忘れられた」

にこ「見ている人に笑顔を与える存在…それが私の中のアイドル」

にこ「でも私はμ'sを壊し、誰とも話をできない状態になってしまった…」

にこ「それに、こころは、私を見ても、きっと二度と笑わないわ…そんな私がアイドル?何を言ってるのって話よね…」


希「…なるほどな。にこっちにかかったギアスの謎が解けたわ」

にこ「は?」
381: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 11:44:21.67 ID:5RgLUf6l.net
希「にこっちがアイドルを目指すようになったきっかけ…それは家族にあるんや」

にこ「なによいきなり…」

希「この前、にこっちが妹ちゃんの前で涙を流した理由がずっと引っ掛かっててな。ギアスにかかっているはずなのに、なんでにこっち泣いたんやろって」

にこ「…それは確かに私も、自分のことながら疑問だったわ」

希「にこっちは自分にギアスをかけたとき、前提条件があったはずや。自分の信念を貫く、と……それは、にこっちの深層心理の奥にずっとあった、家族を喜ばせたい、笑顔を届けたい、という理由だったんよ」

にこ「私の…深層心理?」

希「例えば人はみんな生きるために食事をとる。だけど実際食事をしているときは、生きるためになんてことはほとんど考えとらん」

希「それと一緒で、アイドルを目指すのが当たり前だったにこっちは意識をしてなくても、家族のためにアイドルになりたいという気持ちがずっとあったはずなんや」
382: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 11:51:24.55 ID:5RgLUf6l.net
希「つまり、信念を曲げないということは、家族を悲しませないということ。だから家族が悲しんだ時は、ギアスが発動しない…つまり、にこっちの家族は、そのギアスの対象外だった」

希「だからにこっちは泣いたんよ」

にこ「…つまり、信念を貫くという前提条件があったから、私は家族の前では感情的になれた、ってこと?」

希「そんなところやろな。やないと説明がつかん」

にこ「…だから今はアイドルへの情熱が冷めているのね。もう家族を笑顔にすることはできないから…」

希「それもちょっと違うな」

にこ「え?」
383: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 11:58:17.71 ID:5RgLUf6l.net
希「アイドルへの情熱が冷めたわけやない……まだどこかで可能性を探っとる」

希「トップアイドルへの道、μ's復活への道、家族を笑顔にさせるための道……」

希「だからこうしてウチに報告しにきたんやろ?」


にこ「…そうかもしれない」

にこ「だけど、考えれば考えるほど、それが不可能なことだと思い知らされるわ。ギアスは一度使った相手には効かない…」

にこ「μ's復活はもう無理よ…」



にこ「……希。あなたが私に提示してきた契約内容。これを破ったらどうなるの?」
384: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 12:06:23.55 ID:5RgLUf6l.net
希「…それは、今は言えないんや。こっちにも都合があってな」


にこ「そう……」



にこ「希。あなたの願いは、ラブライブで優勝したい、だったわね」

希「そうやな」

にこ「笑ったわよ。私と全く同じ願いだったんだから。別にアイドルを目指してるわけでもないあなたがどうしてラブライブ優勝を目指したの?」

希「せやな……にこっち、ウチが転勤族で友達もほとんどいなかったの知ってるやろ?」

にこ「ええ」

希「そんな中、初めて心が通じあう仲間ができた。それがμ'sや」

希「だから、そんな仲間と一緒に生きた証を残したい…そう思ったんよ」


にこ「希……」
386: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 12:14:16.42 ID:5RgLUf6l.net
教室

にこ『…全てをあきらめたはずだった。ラブライブも、μ'sも、家族も』

にこ『だけど、希のいう通り、まだ私は諦めてないのかもしれない』


にこ『μ'sの復活が無理でも、ラブライブの優勝なら、なんとかなる』


にこ『……最悪な手段だけど、形だけでも優勝したら、一応希との契約は果たされたことになるのかしら』


にこ『…こういう時は都合よく、悪魔の私が顔を出すのね』

にこ『とりあえず、今日もう一回みんなを召集しよう』
387: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 12:34:21.67 ID:5RgLUf6l.net
部室


にこ「え……今なんて?」

真姫「だから、もう一度挑戦できるんでしょ?だからやろうって言ってるの」

花陽「うん。せっかくのチャンスだし」

凛「まだまだ続けるにゃ!」


にこ「あんたたち…昨日はあんなに歪み合ってたのに、何があったの?」

絵里「穂乃果に説得されたらしいわ」

にこ「穂乃果に?」

絵里「ええ。さすが穂乃果ね。昨日のあの状態から復活させるなんて」

にこ「はは、そうね…」

にこ『辞めさせたことを今激しく後悔しているわ…』

希「とにかく準備は整ったみたいやね」

にこ「ええ……」

にこ(もう、やるしかないわね)

にこ「改めて、もう一度ラブライブを目指すわよ!」
394: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 18:35:00.68 ID:5RgLUf6l.net
にこの自宅




にこ『とは言ってみたものの……』

にこ『やっぱりどうしてもやる気が出ないわ』

にこ『こんな状態で出るなんて、みんなに失礼よね…』

にこ『……でも私はラブライブで優勝する義務が…』

にこ『だめね。いくら考えても答えなんて出ないわ』

にこ『……なんでこうなったんだろ』

にこ『思い返せば……』

テレビ「さあ、続いてのコーナーは、来週デビューする、新しい男性アイドルグループに来ていただきました」

にこ「ん?」

テレビ「25ボーイズの皆さんです。どうぞ!」

25ボーイズ「よろしくお願いします!」



にこ「この人たち…たしか……」

にこ「…すごいわ。もうデビューだなんて」

にこ「それにしても、25ボーイズって、どういうネーミングよ…」
395: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 18:57:00.43 ID:5RgLUf6l.net
翌日


にこ「え?希が3日ほど休むって?」

絵里「ええ。諸用で東京を離れるって」

にこ「なに考えてんのよあいつは……」

にこ「まあ確かに、イベントには、前やった曲で出ることにしたから練習はそこまで問題ないけど」

絵里「私も理由はわからないけど、きっと親に会いに行ったとかじゃないかしら?ほら、希の親って、転勤族でしょ」

にこ「だからって、こんな平日に行くことないじゃない」

絵里「きっと忙しくて時間がとれないのよ」

にこ「……ったく」
396: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 18:59:10.36 ID:5RgLUf6l.net
次週

昼休みの屋上


にこ「珍しいわね。希の方から呼び出すなんて」

希「そう?」

にこ「まあいいわ。話ってなに?」

希「うん。まずこれな」ヒョイ

にこ「なにこれ……コンタクトレンズ?」

希「ウチなりに色々調べた結果、そのコンタクトレンズを装着していれば、ギアスの暴走を防げるらしいんや」

にこ「え?」

希「特殊なカラーコンタクトレンズやから、ちょっと目に負担はかかるけどな」

にこ「…いえ、でも、これがあれば、日常会話は困らないわ。希、いいものを見つけてくれたわね」

希「ええよ。にこっちのために見つけてきたんやから」

にこ「希…まさか、これを手にするために、休んでたの?」

希「それだけやないで」
399: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 19:30:42.86 ID:5RgLUf6l.net
希「ギアスの効力を解除する方法を見つけた」

にこ「え?」

希「それを使えば、ギアスにかかった人をその呪いから解き放つことができる」

にこ「使えば、って、何かの道具?」

希「ギアスキャンセラーという道具を装着することによって、一定範囲内のギアス効力者を解放できるんや」

にこ「…そんな道具があったなんて……」

にこ「じゃあ早速!それも持ってきてるんでしょ?」


希「……持ってきてないで」

にこ「…は?」

希「残念ながらにこっちには使えん。ギアスの能力者やからな。もちろんウチもやけど」

にこ「そ、そんな……」

希「そもそもギアスキャンセラーを使うには結構しんどい条件があるんや」
401: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 19:49:38.68 ID:5RgLUf6l.net
希「ギアスキャンセラーは装着型の道具。さらにいえば、目にはめて使う道具なんよ」

にこ「目にはめて……?」

希「だから、使う人は手術をして、それをつけることになるんや」

にこ「手術!?」

希「そうや。だから、つけたあとも、簡単に取り外すこともできん」

にこ「ってことは、取り外すにしても、目のあたりに手術痕が…」

希「手術痕なんてもんやない。目をふさぐことになるんやて」

にこ「……最悪ね」

にこ「そもそも私に使えないんじゃ意味ないし…」


希「…実はな、にこっち。既にギアスキャンセラーを装着する人は決まったんよ」

にこ「……え?」
404: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 20:07:24.61 ID:5RgLUf6l.net
希「おそらく今週末には間に合うはず…」

にこ「ちょっと!一体誰が!」

希「……それは当日まで言わん約束やから」

にこ「…私の知ってる人?」

希「……」

にこ「当たり前よね。見ず知らずの人間が私のために目を犠牲にするわけないもの」

にこ「で、誰なの?」

希「……」

にこ「っていうか、なんで勝手に決めてるのよ!私のことなのよ!なんで勝手に他人を巻き込んだりして」

希「もう、にこっちの苦しむ姿見てられんかったんや!」

にこ「!」

希「こうなったのはウチのせいや。悠長に考えとる時間もないし、仕方なかったんよ」

にこ「!……ちょっと、自分勝手過ぎるでしょ」

にこ「あんたのせい?のぼせ上がるのも大概にしなさいよ。ギアスの契約をしたのは私の意思。私の責任なの」

にこ「だから悪いのは私なのよ!勝手に責任を背負い込まないで!」
406: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 20:31:11.57 ID:5RgLUf6l.net
にこ「…もういいわ」

希「え」

にこ「どうせ誰がつけるのか教える気はないんでしょ?あんたにギアスは使えないし、どうしようもないから諦めるわ」

希「にこっち…」

にこ「じゃあね」

バタン


希「……」

希「…仕方なかったんよ」

希「……」



ガチャ

希「!」

三年生A「あ、希ちゃん」

三年生B「こんなところにいたんだね」

三年生C「見つけた見つけた」


希「え…みんな……どうしたん?」


三年生A「希ちゃん……悪く思わないでね」

希「へ?」

三年生B「行くよ!」

三年生C「捕まえろっ!」

希「なっ…なに!?」
407: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 20:44:51.27 ID:5RgLUf6l.net
ガシッ!

三年生A「よし、捕まえたわ!」


希「ちょ…なにこれ!?」

三年生B「携帯を探せー!」

三年生C「スマホスマホ!」


ゴソゴソ

三年生A「あった!」

希「ちょ……ウチから携帯奪ってどないすんねん!」



にこ「よくやったわね」

希「!」

希「にこっち…?」

にこ「油断したわね希。私は諦めが悪いのよ。あんたの通信履歴を見て誰と会ったか確認してやるわ」


希「…そっか、にこっち、この子たちにギアスを使って」

にこ「それにあんたの、今週末には間に合う発言。それはつまり、手術が長引くか、またはまだ始まっていないことを示す」

にこ「だから、今ならまだ間に合うかもしれないでしょ?」


ピポパ


にこ「うーんと、履歴は……」

にこ「!」
409: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 20:54:25.65 ID:5RgLUf6l.net
にこ「成田空港!?」


希「…!」


にこ「その他に特筆すべき履歴はない……」

にこ「そっか、あんた海外行ってたの。だから3日も学校休んだのね」


にこ「でも海外って……」

にこ「まさか!?あの子に!?」


希「にこっち!待って!まだ…」

にこ「時は一刻を争うのよ!今はあんたの言い訳に付き合ってる暇はないの!」

バタン


希「にこっち……」



希「……はあ、やっぱウチ、ギアスの伝道者失格やな」
414: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/18(水) 00:45:28.71 ID:XJHs791s.net
2年の教室


ガラッ

にこ「……いた」


ツカツカ

にこ「穂乃果」

穂乃果「にこちゃん?どうしたのこんなところに」

にこ「…悪いんだけど、ことりの連絡先教えてくれない?さっきかけてみたら繋がらなくて」

穂乃果「え」

穂乃果「そういえばことりちゃん、海外に行くから安い電話会社に変えたって言ってたなあ」

にこ「なんで私には教えてくれなかったのかしら。まさか嫌われ…」

穂乃果「変えるときに間違ってデータ消しちゃったんだって。バックアップもしてたらしいんだけど、そのデータまで間違って消しちゃったみたいで……ことりちゃんってああ見えて結構ドジだから」

にこ「ドジですまされるレベルじゃないわよそれ……」
415: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/18(水) 01:29:34.58 ID:XJHs791s.net
穂乃果「本当はみんなに教えておきたかったけど時間がなかったからって、きっと私と海未ちゃんしか知らないかも」

にこ「そうなのね」

穂乃果「だから、私からみんなに教えといてって頼まれたんだ」

にこ「じゃあ早く教えなさいよ」

穂乃果「えへへ……忘れてた」

にこ「あんたねえ…人をドジ呼ばわりする資格ないわよ」

穂乃果「ごめんごめん……」ピピピ

穂乃果「はい、これがことりちゃんの連絡先」

にこ「ありがと。………って、あれ?これ、私のに登録されてるのと同じ番号なんだけど」

穂乃果「え?まさか…ちょっとかけてみよう」



Prrrrr


電話「あなたがおかけになった電話番号は、現在使われておりません……」

穂乃果「……」
423: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/19(木) 21:09:14.45 ID:mrVHe/7u.net
穂乃果「私…登録し忘れたみたい」


にこ「……これがうちの生徒会長か…廃校待ったなしね」

穂乃果「あ、でも、海未ちゃんならきっと大丈夫だと思うよ」

にこ「…まあ海未ならしっかりしてるから大丈夫でしょうけど」

にこ「……穂乃果、悪いんだけど海未に聞いてくれない?」

にこ『穂乃果はおそらく海未にかけたギアスの対象から外れているはず…』

穂乃果「いいけど、遅くなるよ?」

にこ「えっ?なんで?」

穂乃果「海未ちゃん新しい学校で剣道と弓道と生徒会を兼任してるみたいで、すごい忙しいみたいなんだ。だから連絡も夜にならないとつかなくて…」

にこ「そんな……」

にこ「こっちは時間がないのに…」

穂乃果「え?」
424: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/19(木) 21:12:54.08 ID:mrVHe/7u.net
にこ『私は穂乃果から海未の学校を聞き出した。場所はそう遠くない』

にこ『だが問題がある』

にこ『海未と会うことはおそらくできない』

にこ『それでは聞き出せない』

にこ『よって私が選んだ作戦は…』





にこ「この子を見つけて、南ことりっていう子の連絡先を聞き出して私に教えなさい。○○高校の2年2組にいるから」シュピーン

通行人たち「………!」


通行人A「わかりました」
通行人B「承知いたしました」

通行人C「イエス、ユアハイネス」


にこ「たのんだわよ」

にこ『街中の見知らぬ人間3人に頼んだ。しかし男に頼んだら角が立ちそうなので、女性に頼んだわ』

にこ『…まあ女性でも角が立つだろうけど、男よりは大問題にはならないでしょ』

にこ『いざとなったら火消しは簡単にできるしね』

にこ『とりあえず私は午後の授業に出て待ちましょう』
425: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/19(木) 21:14:14.64 ID:mrVHe/7u.net
授業中

にこ『……私もついていったほうがよかったかしら』

にこ『あの海未だから…簡単に連絡先を教えてくれるとは思えないし…』

にこ『ひょっとしたら、今ごろ大問題になっているかもしれないわね』


にこ『でも今は手段は選べない……』

にこ『だけど……』



にこ『……』


ガタッ


にこ「先生。具合が悪いので早退してもいいですか?」

先生「え?いきなり言うわね…まずは保健室に…」

にこ『面倒なやつね』

スチャッ(コンタクトを外す)

にこ「先生。今から早退しますんで、全力で見逃してください」シュピーン

先生「……!」


先生「…わかったわ。お大事にね」



生徒「え?なんで?」

生徒「早退届を保健室の先生からもらわなきゃだめじゃないんですかー?」

生徒「ずるいですよ!」


先生「いいから!みんなは全力で矢澤さんを見逃しなさい!」

生徒「はあ!?」


にこ「失礼します…」スタスタ
426: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/19(木) 21:35:30.87 ID:mrVHe/7u.net
にこ「へい、タクシー!」


タクシー「」キキッ!


ガチャ

運転手「どちらまで?」

にこ「○○高校まで」

運転手「はいよ」

にこ「あ、あと運転手さん、ちょっとこれ見てくれません?」スチャッ

運転手「はい?」クルッ

にこ「私お金ないんで、料金タダにしてください」シュピーン

運転手「……!」

運転手「わかりました」



ブロロロロ…
427: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/19(木) 21:49:19.56 ID:mrVHe/7u.net
運転手「着きましたー」

にこ「どうも」

運転手「またのご利用をー」





にこ「…な、なんかすごい人だかりができてる…」

にこ「パトカーも来てる…」

にこ「バリケードが張られて…」

にこ「時すでに遅しって感じね」


にこ「なら仕方ない。別の作戦に変えるわ」




トントン

警官「ん?」クルッ

にこ「ねえ、ちょっと私の質問に答えてくれるかしら」シュピーン

警官「……!」


警官「はい。なんでしょうか?」

にこ「まず、これは何の騒ぎ?」

警官「はい、突然学校内に最低3名の不法侵入者が発生。その侵入者が、学校内で一人の女子生徒を追いかけ回しているとの事です」

にこ「なるほど……それにしても、こんなに警察が出動するなんて、そんなに大げさなことなの?」

警官「この学校は警備会社と契約しており、侵入者が発生した時点で警察に連絡が行くシステムとなっております」

警官「事件の大小に関わらず、最小限に被害をおさえることが我々の使命。ましてや学校。どんな大事件に発展するかわかりませんので」

にこ「そう、ありがとう」
428: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/19(木) 22:17:55.96 ID:mrVHe/7u.net
刑事「まだ捕まらんのか。相手は女だぞ?ったく…」ブツブツ



にこ「…どうやらあの人がリーダーね」







にこ「すみません、ちょっとこれ見てもらえます?」

刑事「ん?」クルッ


にこ「あんたたちも3人に協力して海未を捕まえるのよ!」シュピーン


刑事「……!」

刑事「イエス、マイロード」


刑事「全警察官、及び捜査官に通達。標的を追われている学生に変更。捕まえ次第、3名の女性に引き渡せ」

無線「ジジッ……え?被害者を捕らえるのですか?」

刑事「そうだ」

無線「…な、なぜですか?理由が」

刑事「いいからいう通りにしろ!私の言うことが聞けんのか!!」

無線「は、はい!!」



にこ「…権力って暴力よね」
430: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/19(木) 23:05:13.77 ID:mrVHe/7u.net
にこ『なんとかしてことりの連絡先は手に入れたわ』

にこ『結局3人はおとがめ無しで解放されたわ。海未は散々文句を言ったみたいだけど、刑事が全て踏み倒したみたい』

にこ『きっとあの刑事はクビね…明日の新聞に載っていてもおかしくないわ』

にこ『だけど、そんなの知ったことじゃないわ。今はこっちが最優先』


prrrrr……



ことり「ポンジュール」

にこ「…え?ポン…は?え?」

ことり「ん?日本人?」

にこ「あ、ああ、私よ。にこにーよ」

ことり「にこちゃん!?」

にこ「そっか…私のデータ消えたから、誰から電話かかってきたかわからないのよね」

ことり「……どうしたの?にこちゃん」
432: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/19(木) 23:06:44.86 ID:mrVHe/7u.net
にこ「……希に会ったの?」

ことり「……なんだ、バレちゃったんだ」

にこ「なら聞いたんでしょ。ギアスのこと」

ことり「…うん。全部聞いたよ」

にこ「そう……じゃあ話は早いわ。一応念のために言っておくけど、電話じゃギアスは通じないから大丈夫よ。あなたにギアスは使ってないし」

ことり「…ギアスキャンセラーのこと?」

にこ「そうよ。まさかもう付けちゃった?」

ことり「………」







ことり「まだだよ」

にこ「よかった……」ホッ

ことり「…で、にこちゃんはどっちにするか決めたの?」

にこ「……は?なんのこと?」
433: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/19(木) 23:14:10.23 ID:mrVHe/7u.net
ことり「なんのことって……ギアスを解除させる方法だよ」

にこ「いや、それはわかってるけど、どっちってどういう意味よ」

ことり「…もしかして、聞いてないの?」

にこ「は?」

ことり「……ううん。なんでもない」

ことり「でもこれで決めたよ。やっぱり私ギアスキャンセラーつけるよ」

にこ「ちょっと待ちなさいよ!っていうか、やっぱりってなんなの?さっきから意味わかんないんだけど」

ことり「……ねえ、にこちゃんは、私がギアスキャンセラーをつけたら嫌なの?」

にこ「当たり前でしょ。聞いたのよ希から。いびつな形のものを目につけることになるのよ!しかも、外せば視力まで失われるのよ」

にこ「自分の顔に傷つけることになるのよ。だめに決まってるじゃない」

ことり「…なんで?」

にこ「は?」

ことり「つけるのは私だよ。別ににこちゃんの顔に傷がつくわけじゃないんだよ」
448: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/21(土) 14:14:35.99 ID:3dWgLqRD.net
にこ「むしろそうだからよ。私のために他人の顔を傷つけるわけにはいかないでしょ?しかもよりによってことりに…」

ことり「……ねえ、ひとつだけ、聞いていいかな?」

にこ「はい?」

ことり「今、きっとにこちゃんは私のためを思って言ってくれてる。それはきっと嘘じゃない。私がこっちに来るときに、頑張れ、って応援してくれたこと、すごい嬉しかった」

ことり「でも…だから、だからこそ、なんで穂乃果ちゃん辞めさせちゃったの?穂乃果ちゃんは発起人でリーダーで、私たちの太陽で…」

ことり「今こんなに私のことを気づかってくれてるにこちゃんが、なぜそんなことをしたのか、どうしてもわからなくて…」

にこ「…別に、私はあなたが思ってるほどできた人間じゃないわよ」
449: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/21(土) 14:15:17.82 ID:3dWgLqRD.net
にこ「あの時は単純にムカついたから。だって穂乃果ったら、たった一度の失敗で弱音を吐くんだもの」

ことり「でも、穂乃果ちゃんだって弱音吐きたいときくらいあるよ」

にこ「それを許す裁量が私にはなかったのよ。言ったでしょ。そんなできた人間じゃないって」

ことり「……」

にこ「だから、こんな出来損ないの人間のために、何かを犠牲にする必要なんてないわよ」

ことり「……だめだよ」

にこ「え?」

ことり「やっぱりだめ!にこちゃんは自分を犠牲にして全てを戻そうとしてる!それはだめだよ!」

にこ「はあ?私が全部一人でやったことなのよ?私が何とかするのが当たり前じゃない」

ことり「…それでもだめ。聞いちゃったから。ギアスを解除する、もう1つの方法を」

にこ「え?」
451: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/21(土) 14:43:48.26 ID:3dWgLqRD.net
ことり「でもそれをにこちゃんが…今のにこちゃんが知ったら、きっとそっちをえらんじゃうから…」

にこ「ちょっと、もう1つの方法ってなんなの?」

ことり「元はといえば私も悪かったし…私がもっと穂乃果ちゃんの体調やにこちゃんの気持ちに気づいていれば……」

にこ「教えなさい」

ことり「無理だよ。にこちゃんが言ったでしょ。電話越しじゃあギアスは効かないって」

にこ「あんたねえ…」

ことり「それに、ファッションデザイナーなら、顔に多少傷がついてもなれるしね」

にこ「ちょっ……μ'sはどうするのよ。あんたがいなかったらμ'sは……」

ことり「それじゃあね。手術が終わるまではもう電話でないから」


プチッ


にこ「……」
452: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/21(土) 14:53:06.64 ID:3dWgLqRD.net
にこ「ことりのやつ…あんな人だったかしら。仲間のためなら自分の犠牲もいとわないような…」

にこ「…いえ、みんなそうだったわ。私以外は。私はギアスを手にしたことで何かを勘違いしてしまった…全てが自分の思い通りにいく、と…」

にこ「でも、結果は、全然思い通りになんていかない。それどころか、色々なものを失って…」


にこ「っと、今はそんなこと考えてる場合じゃないわ。なんとかしないと」

にこ「ことりも詰めが甘いわね。私にヒントを与えるなんて。ギアス能力者なめるんじゃないわよ。1つでもヒントがあれば十分よ」
453: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/21(土) 15:00:12.99 ID:3dWgLqRD.net
理事長室



ガチャ


にこ「失礼します」

理事長「あら、あなたは…今は授業中のはずだけど」

にこ『さすがに家族なら知ってるわよね』

にこ「理事長、ことりが今どこに住んでいるのか教えてくれませんか?」シュピーン

理事長「……!」


理事長「ええわかったわ」

ガサゴソ


理事長「これがことりの現在の住所よ」


にこ「ありがとうございます」

にこ『…今考えたら、連絡先も理事長に聞けばよかったわ。だったらあんな大騒ぎにならずにすんだのに』

にこ「えーっと、……フランス?フランスにいるのかあ……」


にこ「どうもありがとうございました」

理事長「どういたしまして」

にこ「さて、と。そろそろ放課後ね…次は……」
459: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/21(土) 20:06:09.49 ID:3dWgLqRD.net
キーンコーンカーンコーン……



ガチャ


希「!」

にこ「希、待ってたわよ」

希「にこっち…」

にこ「あんたに聞きたいことがあるんだけど」

希「いいけど…後ろにいる人たちは誰なん?」

にこ「希が少しでも逃げようとしたりしたら、ワシワシ攻撃を喰らわせるように命令してあるわ」

希「ワシワシって…」

にこ「逃げ場はないわよ?」

希「…心配いらんよ。ウチもにこっちに話あったから。多分にこっちが求めてる話」

にこ「……?」



にこ『私は結局従えてた5人のワシワシ軍団を解放し、希と校舎裏へ移動した』
460: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/21(土) 20:19:37.22 ID:3dWgLqRD.net
にこ「じゃあ早速教えてもらおうかしら。ギアスを解除するもう1つの方法を」

希「……」

にこ「っていうか、なんでさっきそれを言わないのよ。おかげでことりに誤解されたじゃないの」

希「言おうとしたらにこっちがさっさとどっか行ってしまったんやん。暇はないとか言って」

にこ「え……」

希「人の話は最後まで聞くことや」

にこ「むう……」

希「まあ教えることは教えるわ。やるかどうかは別として」

にこ「……で、どうやるの?」






希「契約破棄、という方法をとる」

にこ「契約破棄?」

希「ギアスの力はウチとにこっちの間で交わした契約や。それを破棄したら、ギアスの効力は失われる」

希「…んんん」ピカアアア…

にこ「え?希…手のひらに、模様が……」

希「自分の手も見てみ」

にこ「え」チラッ

にこ「!」
461: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/21(土) 20:37:20.56 ID:3dWgLqRD.net
にこ「わ…私にも同じ模様が……」

希「ギアスの紋章や。ウチが特殊な力でこれを出現させているうちに、ウチとにこっちの手を合わせれば、契約破棄が成立する」

にこ「…それで、ギアスの効力は失われる、ってわけね…」

にこ「って、簡単じゃない。ギアスキャンセラーなんかよりよっぽど」

希「まあ、その代わり、色々な代償を払わないといかん」

にこ「代償?」

希「まずは……これはギアスキャンセラーも一緒なんやけど、ギアスにかかった人を解放したからといって、記憶がなくなるわけやない。むしろ、自分がギアスにかかっていたという自覚が生まれる」

にこ「……例えば穂乃果なら、私がμ'sを辞めさせたということを理解してしまう、というわけね」

希「そうや。恨みを買う覚悟が必要や」
464: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/21(土) 20:54:59.59 ID:3dWgLqRD.net
にこ「…で、他には?まだあるんでしょ。代償が」


希「…契約破棄をした場合、貸し与えたものを返却させてもらうことになる。つまり、にこっちはギアスの力を失う」


にこ「……まあ、冷静に考えたら当たり前よね。そうじゃないと契約破棄の意味がないもの」

希「ところでにこっちは、もうギアスの力はいらんの?」

にこ「……」

にこ「色々考えたんだけど、この力は、きっと自身を孤独にする」

にこ「普通の人間が特殊な力を得たんだもの。それは見える景色は変わるわよ」

にこ「でも、私の見たい景色はそこにはなかったの。誰かを従わせて…操って…そこにできた景色は、何の色もついていない。モノクロの世界」

にこ「私はカラフルな世界で、アイドルとして人々に笑顔を与えたいの。作られた笑顔を並べられても、きっと虚しいだけ」

にこ「そして何より…家族を、μ'sを取り戻したい。自分のせいで失ったものだけど…」

にこ「だからこそ、自分で取り戻したいの。だからそのためだったら、どんな代償でも払うわ」
465: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/21(土) 21:04:04.20 ID:3dWgLqRD.net
にこ「例え嫌われても…死ぬほど恨まれても…私はみんながいたあの世界がいい。私の作ったこの世界には本物は誰もいない」

にこ「誰もいない世界で無機質にうごめいていても、それは生きてるとはいえない。ただ死んでないだけ」

にこ「だったら、私は一瞬でもいいから生きたいの。みんなのいる世界で生きたい……」



にこ「だから…ギアスはもういらない…」



希「にこっち……」


希「にこっちの覚悟はわかった。だけどこれだけは忘れないでいて。にこっちのギアスによって救われた人もいるかもしれないってこと」


にこ「…いるのかしら、そんな人」


希「…ただな。それで決断するのはまだ早いかもしれんよ」

にこ「え?」


希「……もう1つあるんや。にこっちの覚悟さえも無にするかもしれん、一番大きな代償が…」
466: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/21(土) 21:20:15.08 ID:3dWgLqRD.net
フランス、パリ



にこ「夜の8時、か。時差がどれくらいあるのかはわからないけど、日本は夜中かしら」


にこ「さて、なんだかんだで着いたわね。ことりの家に」


にこ「ちゃんと動きを拘束できているかしら」







にこ「…いたわ。ことりの家の前で見張ってる集団が。あの人たちが、大使さんが指示した人ね」

見張り「?※※※※※※※?」

にこ「……えーっと…」

通訳「何者だお前たちは、と言っています」

にこ「あ、そう。じゃあ…」

にこ「日本のフランス大使館に連絡しろ、って、どうやって言うのかしら」

通訳「※※※※※※※※※です」

にこ「ありがとう」


にこ「※※※※※※※※(今すぐ日本のフランス大使館に連絡しなさい)」シュピーン


見張り「……!」



※作者はフランス語がわからないので全て※で表示させていただきます。
469: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/21(土) 21:46:25.77 ID:3dWgLqRD.net
見張り「……」

見張り「……」



見張り「」スタコラサッサ


通訳「!…見張りがいなくなった」

にこ「そりゃそういう作戦だから。当たり前よ」

通訳「…あなた、なかなかの権力の持ち主なのですか」

にこ「気のせいよ」



にこ『権力なんてないわよ。あるのは絶対遵守の力』


にこ『私はあらかじめ、日本のフランス大使館に頼んで、ことりの家を包囲させていた。家から出さないように』

にこ『命令の内容は簡単よ。理事長に教えてもらった住所を教えて、その場所に国際テロ組織のアジトがあるからそこを包囲しろ、と。もし誰かが出てきたら拘束しろ、と』

にこ『大使さんは結構力があるらしく、すぐにフランスの警察を動かしてくれたわ。そして私はプライベートジェットを借りて最短距離でここまできた』
470: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/21(土) 22:09:29.39 ID:3dWgLqRD.net
にこ『それともう1つ。フランスの警察から連絡がきたら、包囲をやめ、撤退させるように、という命令もしておいた』

にこ『だから今彼らが連絡してすぐに撤退したのよ』

にこ『まあ国際テロ組織なんて根も葉もないことがバレたらただじゃすまないでしょうね』

にこ『…ちなみに実際にギアスを使った時の命令は、今から私の指示に従いなさい、という命令』

にこ『これで私の指示はなんでも聞くし、複数の命令も可能、というわけよ』


にこ『ちなみに通訳さんも当然だけどギアスの力で連れてきたわ』



にこ「さて、突入しましょうか」


ガチャ


にこ「鍵かかってない…不用心ね」


ギイ…


にこ「ことりー?」


ズンズンズン


にこ「ん?」

謎の女「誰だお前は」

にこ「え…誰?」
471: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/21(土) 22:22:54.74 ID:3dWgLqRD.net
にこ『出迎えてくれたのは、ことりではなく、緑色の髪の毛が腰まで伸びている、やたらと高圧的な女だった』

にこ『もちろん面識などない』



にこ「あ、あんた誰よ?ここはことりの家でしょ?」

謎の女「いかにもここはことりという女の家だが、そういうお前こそ何者だ?」

にこ「わ、私は………私はにこにーよ」

謎の女「にこにー?」

にこ「ことりに用があってきたのよ。いるのよね?」

謎の女「いるが、眠っているぞ」

にこ「え?なんで?まだ寝るには早いじゃない」

謎の女「これから手術を行うから麻酔で眠らせているんだ」

にこ「手術?……って、まさか!?」



にこ『私は靴を脱ぎもせずに急いで家の中へ入った』
481: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/22(日) 07:08:39.29 ID:K4i652Rj.net
にこ『中に入ると、ベッドの上で仰向けに横たわっていることりを発見した』


にこ「ちょ、ちょっと…手術ってここでやるの?医療用具は?医者は?」

謎の女「道具はない。医者は強いていうなら私だ。この手術は私にしかできない」

にこ「はあ?……って、その手に持ってるもの…」

にこ『謎の女が持っていたのは、手のひらほどの大きさで、翼のような、あるいは燃える炎のような形をした固形物』

にこ『中心部分には穴があいており、ちょうど目の大きさくらいの穴だ』

にこ「まさか…それがギアスキャンセラー?」


謎の女「…ほう、ギアスキャンセラーの正体を知っているのか」

謎の女「だとすると……お前、にこにーというのは偽名で、矢澤にこという名前だな」

にこ「え?私を知ってる?」

にこ「って、にこにーは偽名じゃないわよ。…いや、うん……確かににこにーは本当の名前じゃないけど」

謎の女「希から話は聞いている。これを見たらわかるだろう?ことりはお前のためにギアスキャンセラーをつけることを承諾したんだ」

にこ「希ともつながりが…?あんた一体何者よ?ギアスって一体なんなの?」
482: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/22(日) 07:17:51.65 ID:K4i652Rj.net
謎の女「私か?私は……そうだな。ギアスを司る者、と言っておこうか」

にこ「…普段ならふざけるなとぶっ飛ばすところだけど、この状況だと、あながち嘘とも言えないのよね…」

謎の女「お前も見ていくか?手術の様子を。おそらく1時間程度はかかるが」

にこ「やめて。私はそれを止めにきたのよ」

謎の女「?…なぜだ?希の話では、お前はギアスが暴走して苦しんでいる、ということなんだが…」

にこ「…確かにそれは事実よ。でも、ギアスキャンセラーをことりがつけてしまったら、ことりはどうなるの?」

謎の女「別に命に別状はないぞ。ギアスキャンセラーをつけていれば視力はなくならない」

にこ「あんたアホなの?そんなゴツイもの目につけて、街中歩けるわけないでしょ?目立つどころか職務質問受けるレベルよ?中二病も真っ青よ」

謎の女「だからなんだというのだ」

にこ「はあ…どうやらあんたとは根本的に考え方が違うみたいね。人の目を気にしてずっと生きていかなきゃならないことが、どれほど辛いことかわからないのかしら」
492: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/28(土) 00:33:04.99 ID:c4KhkjFz.net
謎の女「…言っておくが、これはこの女の意志だ。別に私が無理矢理やろうとしているわけではない」

にこ「知ってるわよそんなの。でもそれじゃあことりの人生が…」

謎の女「今さら何を言ってるんだ。お前はさんざん他人の人生を狂わせてきたじゃないか。今さら罪滅ぼしのつもりか?」

にこ「そ、そんなんじゃ…」

謎の女「それともこの女の意志さえもねじ曲げるつもりか?今までたくさん他人の意志を操ってきたお前なら、なんのためらいもないだろうな」

にこ「あんたねえ…」

謎の女「勘違いするなよ。別にそれが悪いと言っているわけじゃない。中には間違った生き方をしているやつもいるから、そういうやつらの考えを正すのもギアスの使い道のひとつだ」

謎の女「ただ……この力を持つものは、孤独になる。例外なくな」

にこ「!?」
493: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/28(土) 00:33:46.24 ID:c4KhkjFz.net
にこ「…ふん。もう手遅れよ。それに、自慢じゃないけど孤独には慣れてるのよ」

謎の女「そうか…私とお前が共犯だったら、きっといいコンビになれただろうな」

にこ「意味がわかんないわ」

にこ「…ねえ、お願いだから、ことりと話をさせて。もし話し合いの結果、つけることになったら、その時は潔く諦めるから」

謎の女「…まあいいだろう。どちらにしても私にはどうでもいいことだ」

謎の女「だがこの女はあと5、6時間は目を覚まさないぞ。眠っている間はギアスも効かない」

にこ「ギアスは使わないわよ。5、6時間だろうがなんだろうが待つわ」

謎の女「そうか、じゃあ私も結論が出るまで待つとするか」


ドサッ


にこ「ちょ…待つって、ここで待つの?」

謎の女「他にどこで待てばいいんだ?」

にこ「いや……だけど、そこ、ことりのベッドだし」

謎の女「お前は床で寝ろ」
494: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/28(土) 00:34:25.72 ID:c4KhkjFz.net
5時間後……


ピンポーン

謎の女「来たか」

にこ「…また……これで3回目じゃない」




配達員「※※※※※※※(どーも、宅配ピザでーす)」

謎の女「※※※※※※(すまないな、なんども)」








にこ「……あんた、一体なにやってるのよ」

謎の女「ピザを食べているんだが」

にこ「見りゃわかるわよ。なんで他人の家で勝手にピザ出前して食べてるのよ」

謎の女「ピザが食べたい、ただそれだけだ。他に理由がいるのか?」

にこ「いや、だから他人の家で…」

謎の女「別に金は私が払っているのだから問題ないだろう」

にこ「…私を上回る自分勝手さね…呆れるわ」




ことり「う………ん…」

にこ「!」
496: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/28(土) 06:05:15.08 ID:c4KhkjFz.net
ことり「あれ……私……」

にこ「目覚めたようね」

ことり「にこちゃん?なんでここに?」

にこ「理由くらいわかるでしょ」

ことり「……そのためにわざわざここまで?」

にこ「わざわざって……見過ごせるわけないでしょ?あなたの人生がかかってるんだから」

ことり「……」

にこ「ところで一つ聞きたいんだけど、そこのピザ女は何者なの?」

ことり「あの人は…ギアスを司る人だよ」

にこ「全く同じ答えね…そんな得体の知れないやつのことをよく信用することになったわね」

ことり「希ちゃんが、この人は信用できる人だって…」

にこ「こんな人の家で勝手にピザ出前してる女が?」

謎の女「しつこいぞ。ピザは自腹だから問題ないと言ったはずだ」
500: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/28(土) 19:43:34.00 ID:c4KhkjFz.net
にこ「まあいいわ。本題に入りましょう」

にこ(口頭で説得できたらいいけど…だめだったら奥の手を使うしかないわね)

にこ「まあ単刀直入に言うわ。ギアスキャンセラーをつけるのはやめなさい」

ことり「だめだよ……これは私の責任でもある。何も気づけずに、まるでここまで逃げたみたいになった私の」

にこ「なに言ってるの。誰もそんなこと思ってないわよ」

ことり「でも、私はみんなを治したい…ギアスにかかって意志をねじ曲げられた人たちの」

にこ「だからなんであんたがやる必要があるのよ!全部私のせいなのよ!」

ことり「だってこれしか方法が……」

にこ「嘘よ。私も希から聞いたわ。ギアスを解除するもう1つの条件」

にこ「私と希とで契約破棄の取引をする。すると、ギアスの効力は全て失われる」

にこ「私のギアスの能力もね」

ことり「…それだけじゃないでしょ…」

にこ「……そうね。一番大事なこと」







にこ「能力者だった私は、その代償として全ての記憶を失う」
502: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/28(土) 19:51:35.43 ID:c4KhkjFz.net
ことり「つまり…ギアスのことはもちろん、今までのこと…μ'sのことも忘れちゃうってことだよ?」

にこ「わかってるわよ」

ことり「そんなの……だめだよ」

にこ「……いい?ことり。これは私が受けるべき罰なの。全く悪くないあなたが受けるものじゃない。最悪あなたにギアスをかけてつけるのをやめさせるわ」

ことり「!」

にこ「脅し…ととってもらってもかまわない。私はあなたに罪をかぶって欲しくない」

にこ「それにかぶるならどっちかと言えば希でしょ。共犯なんだし」

ことり「…ずるい。ずるいよ、にこちゃん」

にこ「私は一応小悪魔系のキャラらしいからね。ずるいのは当たり前よ」
503: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/28(土) 21:14:48.55 ID:c4KhkjFz.net
翌日



希「まさか、フランスまで行ってたとはな…びっくりやわ」

にこ「あんただって行ってたんでしょ。何日もかけて、だけど」

希「それで…結論は出たん?」

にこ「…まあね。希と手を合わせるわ」

希「そっか……まあにこっちが選んだことやから仕方ないな」

にこ「あなたが気に病むことはないわよ。元々ギアスの力を手にいれたのは私の意志なんだから」

にこ「…まあ、1つだけ問題が」

希「問題?」

にこ「ハロウィンイベントはもう4日後。仮に穂乃果たちが復帰したとしても、さすがに間に合わないわ」

希「問題って、μ'sの話?」

にこ「そうよ。ギアスについてはもう何の問題もないわ」

希「警察やフランス大使館を操っといてか?」

にこ「別に証拠は何もないわよ。名前を名乗ったわけでもないし、誰かに命令されたから、なんて非科学的な証拠採用されるわけないわ」

希「なんやその理屈…」
504: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/28(土) 21:29:37.32 ID:c4KhkjFz.net
にこ「だから……30日のイベントは私も出るわ」

希「つまり、それまでは契約破棄はしないってこと?」

にこ「そうね。…そしてその日が、私のアイドルとしてのラストステージになる…」

希「にこっち…μ's辞めるんやな」

にこ「そりゃあ記憶なくしてまで続けられないし、ましてやみんなが認めないわよ。殺されてもおかしくないわ」

希「殺されるって…物騒なこと、たんたんと口にするなあ」

にこ「……私は、いつの日も、その日が最後になってもいいように生きてきた」

にこ「私が消えることでμ'sが、家族が幸せになるなら、私は喜んで犠牲になるわ」

希「でも…仮に穂乃果ちゃんたちが戻っても、にこっちが抜けたら8人になってまうやろ。みんな9人にこだわってるのに」

にこ「……9人目は、すぐに現れるわよ」

希「え?」
505: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/02/28(土) 22:09:00.67 ID:c4KhkjFz.net
イベント前日




にこ「どうやらここが明日のステージになるみたいね」

花陽「結構でかいね。後ろは全部モニタースクリーンになるみたいだし」

にこ「すごいわね…」

にこ(まあ私がそうしてくれって頼んだんだけど)

花陽「明日で全てが決まるんだね……」

にこ「花陽」

花陽「?」

にこ「たしかに明日で全てが決まる……だけどそれが全てじゃないわ」

花陽「…どういうこと?」

にこ「アイドルの本質は勝負じゃない。いつの間にか私たちは勝負にとらわれすぎて、大事なことを忘れていたわ」

にこ「…それは本当の笑顔。アイドルだからじゃない、その人の心の底から湧いてくる笑顔よ」

にこ「アイドル用の作られた笑顔はきっとみんなの心には届かない…私たち自身が心から楽しんだ時に出る、本当の笑顔こそが、みんなを笑顔にできるのよ」
506: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/02(月) 02:48:03.30 ID:BEZBELoQ.net
にこ「だから私は…極論を言えば、勝てなくてもいい。色々あって6人になっちゃったけど、明日のステージを、目一杯たのしみたい。ただそれだけよ」

花陽「にこちゃん…」

にこ「ふふ。勝負がどうでもいいなんて、部長失格よね」

花陽「そんなことないよ。今のにこちゃんは、すごくかっこよかったよ。まさに部長、って感じで」

にこ「そう?」



にこ「…じゃあ、ちょっと花陽にお願いがあるんだけど」

花陽「お願い?」

にこ「うん。今日二人で下見に来たのは建前で、本当は花陽に伝えたいことがあったのよ」

花陽「な、なんだろ…私にできること?」

にこ「…私は、明日のステージを最後に、アイドルを引退するわ。勝っても負けてもね」

花陽「……え?」

にこ「それで、お願いっていうのは……」


にこ「アイドル研究部の部長を、花陽に継いでもらいたいの」
508: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/02(月) 08:18:20.18 ID:BEZBELoQ.net
花陽「え…ちょちょちょちょ、どういうこと?」

にこ「?…わからなかったかしら」

花陽「わからないよ!勝っても負けても辞めるって一体なんで?にこちゃんあんなにアイドルに憧れてたのに…」

にこ「そう……私はアイドルに憧れてた…」

にこ「だから、私と同じ気持ちを持つあなたなら、任せられると思ったのよ。部長をね」

スチャッ


にこ「引き受けて……くれるわね?」シュピーン


花陽「……!」


花陽「…うん、わかったよ。アイドル研究部は任せて」

にこ「ありがとう」ニコッ





にこ「じゃあ部長の伝統としてこれを授けたいと思います!」

花陽「伝統…?」

にこ「にっこにっこにー!」


花陽「…」ポカーン



花陽「え…伝統って、これ?」

にこ「そうよ」

花陽「これって部長の伝統じゃなくてにこちゃんの伝統でしょ」

にこ「細かいことは気にしない!来年新入部員が入ったらちゃんと伝授するのよ。ある意味挨拶みたいなものなんだから」

にこ「…誰もが笑顔になれる、笑顔の魔法よ」
509: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/02(月) 08:29:10.30 ID:BEZBELoQ.net
にこの自宅


フラッ

にこ「…っと」

にこ『…最近極端に睡眠時間が短いせいか、ちょっと体にきてるわね』

にこ『でも、明日が最後。最後くらい頑張りなさいよ私の体』


にこ母「……」

妹たち「……」


にこ『……家族とはもう3日も挨拶しかしていない』

にこ『私がフランスに行ったとき、心配しないように全員にギアスをかけたせいね』

にこ『…でも、この冷えきった家庭も今日で最後』

にこ『明日の夜には、新しい私がこの家庭の一員になるわ』

にこ『だから……今は泣かない』




にこ『…そう、私はもしかしたらこの家族のことさえ忘れてしまうかもしれない』

にこ『私の原点…笑顔の魔法の製造元…』

にこ『……苦しいけど、今のままの冷えきった関係よりはいいわよね』

にこ『……』




にこ『念のため、あとで部屋のアイドルグッズは全て封印しておきましょ』

にこ『伝伝伝なんか花陽にあげたら喜ぶかもね』


にこ『……』

にこ『最後くらいは、みんなにステージ見てもらいたかったな……』
510: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/02(月) 08:44:10.03 ID:BEZBELoQ.net
イベント当日

学校、生徒会室





穂乃果「ふう…休みの日まで生徒会か…会長も大変だなあ…絵里ちゃんはこんな激務をずっとこなしてたのかあ」

穂乃果「……μ'sのステージまでまだまだあるし、さっさと仕事終わらせないとね」



ガラガラ…


穂乃果「あっ!来た!」






海未「穂乃果…お久しぶりです」

穂乃果「海未ちゃん、来てくれたんだね、ありがとう!」

海未「しかし良かったのでしょうか?もはや他校生である私が勝手にこの学校に入っても…」

穂乃果「いいのいいの。元はこの学校の生徒でしょ。それに私が今生徒会長だから、私がいいって言ったらいいの」

海未「…それはもしや、職権濫用と言うのでは?」

穂乃果「相変わらず堅いなー海未ちゃんは」

海未「……ところで、今日の件の発案者であることりはまだ来てないのですか?」

穂乃果「多分もうそろそろ来るんじゃないかな」

海未「そうですか」





海未「……スクールアイドル…何もできないまま引退かと思ってましたが」

穂乃果「やっぱり、どんな形でも、やり遂げることが大事なんだよね」
515: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/03(火) 11:50:26.79 ID:FxM4Ou9V.net
講堂



理事長「…こんな感じでいいのかしら?」

ことり「うん。オッケーだよ。ありがとうお母さん」

理事長「まったく…いきなり帰ってきたかと思えば、講堂にこんなセットをつくれ、だなんて、耳を疑ったわよ」

ことり「えへへ……私…もちろん衣装関係のことも好きだけど、この学校も、μ'sも同じくらい好き。今日はすごく大事な日だし、戻ってきちゃった」

理事長「大事な日って…たしかに大事だけど、別にラブライブの本番じゃないのよ?ただの予選よ?しかも一度落選してからの再予選」

ことり「お母さん、それは違うよ」

理事長「あ?」

ことり「…もちろん予選なのは確かだけど、大事なのは勝敗じゃない。みんなをたくさん楽しませることが重要なの。それがアイドルだから」

理事長「ことり……」

ことり「えへへ。これは先輩の受け売りなんだけどね」

理事長「…ふふふ。ことりも成長したわね。フランスで何があったのかは知らないけど」

理事長「そんな成長した姿を早く二人にも見せてあげなさい。もう海未ちゃんも生徒会室にいるわよ」

ことり「え?本当?わかった、行ってくるよ!」
518: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/03(火) 12:02:31.60 ID:FxM4Ou9V.net
会場近くの控え室



にこ「…全部終わったら、これをみんなに渡しといて」

希「なんやこれ?USBメモリ?」

にこ「それぞれに名前が書いてあるから、その名前の人に渡してね」

希「…わかったわ」

にこ「まあ、きっと明日には渡すことになるでしょうけど」


ワアアアアアアア!


希「……すごい声援やな」

にこ「そりゃあ今人気急上昇中の25ボーイズだもの。こないだデビューしたばかりだけど、やっぱりプロは違うわね。それにしても、4人しかいないのに、25って…」

希「…にこっち、このひとたち、もしかして…」

にこ「……まあ、でも歴が短いから、技術はまだまだね。絵里に言わせれば、素人にしか見えない、ってやつかしら」

希「にこっち…それは絵里ちの黒歴史なんやから」

にこ「ふふ、そうだったわね」



にこ「じゃあみんなの所に戻り……」

クラッ

にこ『……あ』


フラッ

希「にこっち!?」
521: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/04(水) 03:58:32.33 ID:hMbsYzNE.net
ガシッ


希「だ、大丈夫?」

にこ「え、ええ…ごめん、ちょっとつまずいて」

希(つまずく場所なんてないけど)

にこ「出番はあと2時間後……最後にもう一度振りの確認しときましょ」







会場



司会「以上、25ボーイズでした!」

客「ワアアアアアアア!」

司会「すごい人気ですね」

メンバー1「ありがとうございます。自分らもまさかこんなに沢山の人達に見てもらえるとは思ってなかったです」

司会「25ボーイズは確かこの間デビューしたばかりで、しかも全員がダンス経験のない初心者の集まりだったとか」

メンバー2「そうなんすよー。練習頑張ってます」

司会「なぜ結成するに至ったんですか?失礼ですが、男性アイドルグループって珍しいですよね?」

メンバー3「僕らはアイドルになる前はとくに目的もなく、ただなんとなく日々を消化するだけの毎日を送っていました」

メンバー4「でも、ある日、ある人に出会って、気付いたんです。このままじゃいけないって」
522: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/04(水) 04:04:28.72 ID:hMbsYzNE.net
メンバー1「その頃の僕らは生きているとは言えなかった。ただ日々を経験していただけ。でもアイドルになって初めて、生きているという実感ができたんです」

司会「へえー…その人はよほど影響力のある人なんですね」

メンバー2「まあ…その人に出会ってなかったら人生は違ってたかもしれないっすね」

メンバー3「感謝しています」

司会「あと、みんな疑問に思っていると思うんですが、グループ名の25ボーイズの由来はなんですか?」

メンバー4「それは……秘密です」

メンバー1「強いて言うなら、その人に関係がある、ってところですね」

司会「なんですかそれー。教えてくださいよ」
523: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/04(水) 04:17:58.86 ID:hMbsYzNE.net
にこ「にっこにっこにー!」


全員「…」ポカーン


絵里「ど、どうしたの?急に」

凛「頭でも打ったのかにゃ?」

真姫「待ちなさい凛。その理屈なら、にこちゃんは普段から頭を打ち続けていることになるわ」

にこ「あんたたち…好き勝手言ってくれるわね」

にこ「これからこの振りは、部の伝統にしていくわ」

真姫「…確実に初代で廃れるわね……」

絵里「まあいいわ。そんなことより、最終確認しておきましょ。悔いは残したくないから」

にこ「そんなことよりって……ふんっ!」

希「ほら、にこっちも拗ねてないで、やるよ」

にこ「…はいはい」

花陽「ううう…今、ステージではアライズがやってるんだよね?」

絵里「そうだけど、どうかしたの?」

花陽「……見たい」

にこ「あら、奇遇ね。私も見たいわ。予定を変えて見に行きましょ」

希「こらこらこら、最終確認するってさっき言ったやん」

にこ「ええー、希ちゃんのいじわる」

希「…わしわしされたいん?」

にこ「すみませんやります」
524: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/04(水) 04:25:45.85 ID:hMbsYzNE.net
舞台袖


絵里「…とうとう出番ね」

凛「みんな、準備はいい?」

花陽「う、うん」

真姫「ここまできたらもう何もないわ。ただ精一杯やるだけよ」

希「そうやね」

絵里「…この際、結果はどうでもいいわ。私たちにできる、最高のパフォーマンスをする」

凛「そして、今日お客さんたちを一番の笑顔にするにゃ!」

花陽「うん!頑張ろう!」



にこ『…なんだ、みんな言わなくてもわかってるじゃない』

にこ「よし、行くわよ!」
525: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/04(水) 04:33:51.67 ID:hMbsYzNE.net
司会「それでは今日最後のグループになります、μ'sの皆さんです!」


客「ワアアアアアアア!」


凛「ほえー、すごいお客さんの数だにゃ…」

花陽「さすが秋葉原…プロでもない私たちを見るために、こんなに…」



司会「さて、μ'sの皆さん、最初は9人だったのですが、今は6人で活動している、と」

絵里「え?あ、はい。メンバーの海外流出などがありまして…」

司会「なるほど…しかし、そんな6人のμ'sですが、今日はなんと、この日特別に、再び9人でのステージになるそうです!」


絵里「!!?」

真姫「えっ…?」

凛「ホワッ?」

花陽「ど、どういうこと?」

希「なにも聞いとらんで…司会さん、どっか別のグループと間違ってるんやないか?」



にこ「いいえ、間違ってないわ」

希「?」


パッ(後ろのモニターに映像が映し出される)


希「…な……こ、これは…」
526: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/04(水) 04:43:42.75 ID:hMbsYzNE.net
絵里「…穂乃果に、ことりに、海未?」

花陽「これは…学校の講堂?」

真姫「なにこれ…意味わかんない」



司会「モニターの3人は、今日は訳あって会場にはこれないようですが、μ'sの一員として、別会場から参加します」

希「…にこっち、どういうことなん?これ」

にこ「見てのとおりよ。まあ、穂乃果と海未には思い出つくり、っていう建前にしてるけど」

にこ「…まあ、これで9人になったわね」


希「…そうやけど、これ、審査的に大丈夫なん?違反とかにならん?」

にこ「別に違反なら違反でいいじゃない。私たちが満足させたいのは審査員じゃなく、お客さんなのよ?9人いれば、きっと最高のパフォーマンスが見せられるわ」

希「……にこっち」

司会「それではμ'sの皆さんに歌っていただきましょう!曲は……」





にこ『……さよなら、アイドルの私』
530: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/04(水) 06:00:54.56 ID:hMbsYzNE.net
………




穂乃果「……終わったね」

海未「そうですね…」

穂乃果「最後にμ'sのみんなと一緒にあわせて踊る、なんて、よく素敵なこと思いついたね、ことりちゃん」

ことり「うん。やっぱり、なにも形を残せないで終わるのはやっぱり嫌だったから」

海未「まあ、たった数日でダンスをマスターしろという鬼畜ぶりもありましたが」

ことり「ははは…でも二人とも出来てたじゃん」

穂乃果「まあ、我ながら頑張ったからね」

海未「だから生徒会長の仕事をないがしろにして、今日私たちに手伝わせた、ということですか」

穂乃果「うっ…」

ことり「じゃあお母さん、例のものお願い」



理事長「はいはい。まったく親使いが荒い子なんだから」



海未「ノートパソコン、ですか?」

穂乃果「これは……」


理事長「会場の中継よ。ネットで生中継されてるのよ」

理事長「ちなみに今のあなたたちのパフォーマンスも、会場のモニターにバッチリ映ってたから」


ほのうみ「え、ええええ!」
531: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/04(水) 06:07:08.54 ID:hMbsYzNE.net
司会「μ'sの皆さん、ありがとうございました」


客「ワアアアアアアア!」


凛「…やり遂げたね」

花陽「うん。やり遂げたよ、私たち」

真姫「なんか、今ここにあるものに比べたら、勝敗なんてどうでもよくなっちゃったわ」

絵里「まあ、多分失格でしょうし」





司会「μ'sの皆さん、熱いパフォーマンスでした。終わって今、率直な気持ちをお聞かせください」

絵里「そうですね……」

にこ「絵里」

絵里「ん?」

にこ「悪いんだけど、私に話させてもらっていいかしら」

絵里「にこ……」



絵里「そうね。にこは3年間ずっと頑張ってきたんだから、最後はにこに譲るわ」


にこ「ありがとう」
544: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/04(水) 20:02:11.96 ID:hMbsYzNE.net
にこ「ちょっとマイク貸してもらってもいいかしら」

司会「え?さすがにそれは…」


スチャッ


にこ「おねがいにこー!」シュピーン


司会「……!」


司会「はいどうぞ」

にこ「ありがと」




にこ「えー皆さん!今日は、私たちのステージを見ていただいて、ありがとー!」

にこ「久しぶりに、ちょっと特殊な形だけど9人でライブをやれて、にこにーは、とても満足です!」


真姫「…思い出した……にこちゃんって、こんなキャラだったのね」


にこ「…それで、今日はとっても大事な発表があるの」



絵里「…?」


にこ「私、にこにーこと矢澤にこは、今日限りでμ'sを脱退します」


全員「…え?」
545: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/04(水) 20:29:02.46 ID:hMbsYzNE.net
にこ「いや、μ'sだけじゃない……アイドルという業界から、引退します」


凛「ちょっと…何言ってるの?」

絵里「さあ…私もさっぱり」



にこ「だから…今日9人に戻ったばかりのμ'sも、また8人になってしまいます……」


真姫「ちょっと何勝手にわけわかんないこと言ってるの?μ'sを辞める?私たちに何の相談もなしに?そんなの許されるわけないでしょ?」

花陽「待って真姫ちゃん!」

真姫「なに!?」

花陽「…にこちゃんが決めたことだから…」

真姫「だからなんでそれを自分1人で決めるのよ!」

花陽「お願い…話を聞いてあげて」



にこ「…そうです。私は誰に話すでもなく、勝手に決めました。勝手にアイドルを辞めると…」

にこ「なぜなら、私にはもう、アイドルの資格はない」

にこ「μ'sの9人の1人でいる資格はない……」
550: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/05(木) 06:00:06.15 ID:Kb64Z3Ka.net
客「なんだよそれー」

客「資格なんて別にどうだっていいじゃんか」

客「辞めるなよー!」

客「辞めないでくれにこにー!」



にこ「……」



客「辞めるなー」

客「にこにーが辞めたら9人じゃなくなっちゃうよー!」

客たち「にっこにっこにー!にっこにっこにー!にっこにっこにー!……」


にこ「みんな……」


絵里「…にこ、あなたが何を考えての発言なのかはわからないけど、これだけの声援に背を向けられるの?」

凛「そうだよ。にこちゃんを必要とするひとが、こんなに沢山いるんだから」

真姫「少なくとも、私もこの人たちと同意見だからね」


にこ「……」


にこ『…私は……こんなに沢山の人を……』


希「にこっち、まだ引き返せるで」

花陽「そうだよ。やっぱりμ'sににこちゃんは必要なんだから」



にこ「みんな……」



にこ「…ありがとう。この景色を、最後に見せてくれて」

にこ『この景色さえも、私は忘れてしまうんだ』


にこ「みんな!今までありがとう!本当は辞めたくなんてないんだけど……」


にこ「…私の言うことを、認めて!」シュピーン



客たち「……!」
551: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/05(木) 06:20:20.84 ID:Kb64Z3Ka.net
にこ「みんな。……さよなら」







謎の女「……それがお前の答えかにこにー」







舞台裏

真姫「ちょっとにこちゃん!説明しなさいよ」

絵里「あれだけの声援を送っていたお客さんたちが、一斉に静かになるなんておかしいわね」

凛「ってあれ?にこちゃんは?」

花陽「…いない」








希「にこっち、よく泣かないでいられたな」

にこ「当たり前でしょ。涙なんてとうの昔に置いてきたわ」

希「しかし、あの3人が出てきたときはびっくりしたで。一体どうやったん?」

にこ「簡単なことよ。ことりにギアスをかけたの。今日の舞台を用意するようにね」

希「ギアスキャンセラーを辞めるようにかけたんやなかったんやな」

にこ「ええ…それはなんとか説得して止めたわ」
552: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/05(木) 06:49:52.56 ID:Kb64Z3Ka.net
にこ「さあ、もたもたしても意味ないし、早くやりましょ」

希「覚悟はええんやな」

にこ「…とっくの昔にできてるわ」



謎の女「覚悟が必要なのはお前もだぞ。希」



にこ「…!あんたは、フランスにいたピザ女!なんでここに!?」


希「…わかっとるよ。でもウチの覚悟なんかにこっちのもんと比べたら、大したことないやん」

にこ「?…希、まさか、あんたにも代償が?」

希「ちゃうちゃう。ウチは記憶をなくしたりはせん」

希「ただ以前の状態に戻るだけや」

にこ「以前の状態?なによそれ……」


謎の女「今の私と同じ状態。…共犯がいなくなれば、また新たな共犯を見つけなければならない」

にこ「!?」

希「なあ、ちょっと黙っといてくれん?これはウチとにこっちの問題や。あんたは関係ないやん」


謎の女「…その先に待っているのが、この私のような結果だとしてもか」

希「そや」
564: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/05(木) 12:46:56.83 ID:Kb64Z3Ka.net
謎の女「そうか……」


にこ「ちょっと希、一体どういうこと?」

希「なんでもない。言ったやろ。にこっちに比べたら大したことないって」

にこ「……希」

希「さてやろうか。誰かに見つかる前にな」

にこ「……ええ」





希「はああああ!」


にこ「…!私の手に、ギアスの紋章…」

希「ウチはここで構えてるだけや。にこっちが良かったら、手を合わせて」

にこ「……」

にこ「希…μ'sのこと、頼んだわよ」

希「そのギアス、確かに受け取ったで」

ピタッ




シュイイイイン…………!
565: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/05(木) 12:55:03.54 ID:Kb64Z3Ka.net
謎の女「……希、これからどうするつもりだ?また新たにギアスを授ける者を見つけるのか?」


希「さあ…どうやろね。しばらくはなにもしないで考えてみるわ。にこっちに頼まれたこともあるし」


謎の女「決断は早めにしたほうがいいぞ。いくら時間をかけたところで、今のお前は不老不死なのだからな」

希「あんたが言っても説得力ないやん。何年生きてるんやっけ」

謎の女「300年だ」

希「その間、誰にもギアスの力を授けずにただ生きてきただけなんやろ」

謎の女「……孤独であるのは、私だけで十分だ。私は、誰にもこの力を分ける気はない」

謎の女「だがお前は違う。友人も家族もある。同じ時を刻むためにも、早く共犯を見つけろ。契約を果たしてくれる共犯をな」


希「……せやな」
569: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/05(木) 18:17:06.31 ID:Kb64Z3Ka.net
数日後……




花陽「た、たたた、大変ですうー!」

凛「どうしたの?新部長のかよちん」

真姫「花陽って、意外とトラブルメーカーよね」

絵里「ほんとにね」

花陽「とりあえずこれを!」パソコンカチャ


絵里「ん?ラブライブ最終予選出場チーム、最後の一枠決定?」

真姫「そういえばそんな趣旨もあったわね、あの大会」

凛「まあ、どうせμ'sは反則負けだにゃ」




花陽「こっ…これを見て下さい」


絵里「ん?」





凛「最後の1チームは……」


真姫「μ's…?」




全員「ええええええ!?!?」
570: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/05(木) 18:26:15.43 ID:Kb64Z3Ka.net
生徒会室


副会長「穂乃果!大変よ!μ'sが代表決定戦の進出を決めたわ」


穂乃果「ほぇ……な、なんで?」

副会長「そんなの知らないわよ。とにかくラブライブの公式サイトに載ってるから間違いないわ」

穂乃果「……ってことは、μ'sは、まだ終わりじゃない?」

穂乃果「………」


穂乃果「私は……」




昨日


穂乃果「希ちゃんからもらったこのUSB……にこちゃんかららしいけど、一体何が…」


スチャッ



穂乃果「あ、動画が入ってる」


再生ポチッ
573: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/05(木) 20:56:33.69 ID:Kb64Z3Ka.net
にこ「にっこにっこにー!」


穂乃果「( ; ゜Д゜)」


にこ「まあ、これを見ているころは、こんなこと悪ふざけにしか見えないでしょうけど」

にこ「もう気づいているでしょうけど、あなたを辞めさせたのは私。ギアスという、相手に必ず命令を下せる能力を使ってあなたを辞めさせた」

にこ「まあもちろん理由はあるんだけど、今さら何を言っても言い訳にしかならないからやめておくわ」

にこ「もちろん私に対して怒りはあるでしょうけど……もし叶うなら、1つだけお願いを聞いてほしい」

にこ「命令じゃなくてお願い…」

にこ「穂乃果にはμ'sに復帰してほしい。穂乃果はやっぱりμ'sに必要な人間なの」

にこ「穂乃果にはμ'sのリーダーとしての、アイドルとしての素質がある」

にこ「私がどれだけ望んでも手に入れられなかったものを、穂乃果は持ってる」

にこ「生徒会長と兼任は大変かもしれない。けど、きっとみんなが助けてくれる。μ'sを引っ張っていけるのはあなたしかいない」

にこ「私はもういないでしょうけど、μ'sは、どうか終わらせないでほしい」

にこ「それが、あなたに対する私の願い……」
583: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/07(土) 20:57:56.66 ID:bLmlcBtl.net
希「みんなに渡したいものがあるんや」

希「これなんやけど…」

花陽「これは…USBメモリー?」

凛「一つ一つに名前が書いてあるよ」

真姫「なによこれ」

希「にこっちからや。中身はウチも知らん」

絵里「!」

真姫「……なによそれ。こんなもの置いてって、どういうつもり?」

凛「…そうだにゃ。にこちゃんは凛たちを騙してたんだよ。今さら何を…」

希「まあ見るだけなら問題ないやん?まあマインドコントロールの類いかもしれんけど」

絵里「それ、フォローになってないわよ」

花陽「…見るだけなら」

希「じゃあ花陽ちゃんのを代表して部室のパソコンで見てみよっか」



カチャ



花陽「……どうやら動画ファイルみたい」

真姫「…もしかして、映像でまた私たちにギアスとやらをかけるつもりなんじゃない?」

希「安心しとき。ギアスは画面越しには使えへん。それに、一度かかった人には二度と効かんから」

真姫「あら、希ずいぶん詳しいじゃない」
586: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 12:29:11.44 ID:i2AWOHxG.net
真姫「まさか希もギアス能力者じゃないの?」

希「……」

絵里「ちょっと、なんで黙るの?」

凛「まさか…」

希「まあ、まったく関係ないとは言わんけど、神に違ってウチはギアス能力者じゃないで」

真姫「関係なくはない…?どういうことよ」

希「…にこっちにギアスの力を与えたのは、ウチなんや」



真姫「……は?なにそれ」

凛「じゃあ、にこちゃんがああやって暴走してたのは、希ちゃんのせいなの?」


希「…そうや」

絵里「なによそれ……そんなことって……」


花陽「……話はあとだよ。まず、これを見てみよう」


絵里「…そうね。花陽。再生してみて」



ポチ
589: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 13:00:51.31 ID:i2AWOHxG.net
にこ「にっこにっこにー!」


全員「(゜o゜;)」


にこ「…こほん」

にこ「花陽。これを見てるころ、あなたは部長になっているかしら。少なくとも私はそこにいないわよね」

にこ「あなたにギアスをかけたのは最後の方だけど…きっとギアスの力を使わなくても、あなたならきっと部を引き継いでくれると思うわ」

にこ「もちろん私に対して言いたいことはたくさんあるだろうけど、最低な私はきっともうみんなの前には姿を見せることはできない」

にこ「きっと怒り心頭なメンバーもいると思うわ」

にこ「花陽は、大変だと思うけど、できれば私のことは忘れて、スクールアイドルとして、μ'sの舵取りをしてほしい」

にこ「私が遺した負の遺産を、全て消し去って、新しいμ'sを作ってほしい。花陽にしかできない」

にこ「これが私の願い…命令ではなくて、願い」
590: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 13:09:16.29 ID:i2AWOHxG.net
にこ「あと、もう一つ」

にこ「希のことを、責めないでほしい」

にこ「今回、μ'sを壊滅させたのは、全て私だけの責任。私1人の判断よ」

にこ「希から受け取ったものを、私が悪用した。それだけ」

にこ「だから希は何もわるくないわ。それに、希がいないと、μ'sはまた成り立たなくなるしね」


にこ「花陽…最後まで聞いてくれてありがとう。部を頼んだわよ」







希「にこっち…」

真姫「なによこれ……自分勝手な言い分よ」

凛「そうだにゃ…言いたいことだけ言って自分は逃げたようなものだにゃ」

花陽「……」




希『そのあと、結局みんなの動画を順番に見ていくことになった』

希『うちの分はないから…残り3人の分やね』
591: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 13:20:08.93 ID:i2AWOHxG.net
にこ「にっこにっこにー!」



絵里「…まさか全員の動画が、この始まり方なのかしら」

凛「まあ、にこちゃんらしいね」


にこ「絵里。この動画を見ている頃は、私のこと、全て気付いていると思う」

にこ「もちろん謝って許してもらえるなんて思ってない…」

にこ「今から言うのは、なぜ私が絵里にあんなことを命令したのか、という説明よ」


にこ「…あの時、絵里はμ'sを続けるかどうか迷っていたはず」

にこ「もちろんリーダーとしての重責があっただろうし、人数が減ってしまったμ'sに対して向き合い方がわからなくなったのもあると思う」

にこ「私は…μ'sを終わらせたくなかった。もしあそこで絵里まで辞めていたら、きっとμ'sはもうなかったと思う」
592: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 13:26:02.54 ID:i2AWOHxG.net
にこ「だから私は絵里にギアスをかけた……全てはμ'sのため」

にこ「……いや、μ'sを続けたかった私自身のわがまま」

にこ「これが理由よ」



にこ「あと最後に一つ……あなたの親友である希は、私のしたことには何も関係ない」

にこ「もし希が傷ついたり、悩んでいたりしたら、きっと助けてあげてほしい」

にこ「絵里にしかできないこと……これが私の願い…命令ではなくて、願い…」





絵里「……」

希「……次、見よっか」
594: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 13:59:19.20 ID:i2AWOHxG.net
にこ「にっこにっこにー!」



凛「もう飽きたにゃ」


にこ「凛。あなたには、かなりはじめの頃にギアスをかけたわ」

にこ「まあ理由については…今さら語る必要もないわよね」

にこ「でもその後、活動停止後の練習……あれはかなり鬼だったわ」

にこ「でも実際、そのおかげで私自身色んなスキルを身に付けられたし、感謝してるわ」

にこ「あとは……μ'sを続けるかどうかで、一年生同士で対立したことがあったわね」

にこ「客観的に見てどちらが正しいか、なんて答えはないのだけれど、あの時の凛の答えは、きっと私のギアスの影響」

にこ「そのせいで、凛や真姫ちゃん、花陽には迷惑をかけたわ。謝って許してもらえるなんて思ってないけれど、ごめんなさい」
598: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 16:57:24.44 ID:i2AWOHxG.net
真姫「…さっきからみてるけど、なんなのこれ。結局許してほしいから謝ってるだけじゃない。こっちは許そうが許さなかろうが本人はもう記憶喪失、どうしようもないでしょ」

凛「そうだにゃ。言いたいことだけ言って逃げたようにしか見えないにゃ」

真姫「そうよ!にこちゃんは逃げたのよ。ギアスからも、私たちからも、そして自分からも」

凛「記憶をなくしたほうが、楽になれると思ったんじゃないかな」


花陽「真姫ちゃん、凛ちゃん……きっと、にこちゃんはこうするしかなかったんだよ」

花陽「もちろんにこちゃんがやったことが許されることじゃないのはわかる。けど、法律ではにこちゃんは裁けないし、ギアスからみんなを解放するには、こうするしか」

真姫「花陽。何か勘違いしてない?」

花陽「え?」
599: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 16:58:33.18 ID:i2AWOHxG.net
凛「別に凛たちは、にこちゃんがやったことに対して怒っているわけじゃないにゃ」

真姫「なんでもかんでも自分1人で勝手に決めて……そのことに対して怒っているのよ」

花陽「……」

真姫「私たちは仲間だったはずでしょ?それなのに、にこちゃんは私たちに何の相談もしなかった」

凛「もちろんにこちゃんの行動がμ'sのためだってことはわかるけど、やり方が間違ってたんだよ」

真姫「それを気付かせたと思ったら、今度は勝手に脱退して記憶喪失?どこまで自分勝手なのよ!」

凛「そうだにゃ!それだけは、断じて許せないよ!」


希「……みんな」

絵里「とりあえず、真姫の動画も見てみましょう」
600: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 16:59:10.11 ID:i2AWOHxG.net
にこ「……………真姫ちゃん」


真姫「え……」

凛「始まり方がにっこにっこにーじゃない?」


にこ「にっこにっこにー!」

凛「結局やるんだ…」

真姫「時間差攻撃、ってやつね」



にこ「真姫ちゃんは鋭くて、途中何度かギアスのことに気付きそうになったわね」

にこ「それを避けるために、私は真姫ちゃんにギアスをかけた……真姫ちゃんにだけは、μ'sのためじゃなく、自分のためだけに能力を使ったわ」


真姫「そんなこと…わかってるわよ」

真姫「…不良にからまれてた私を助けてくれたのも、今思えばギアスの力だったのね」

にこ「真姫ちゃん。私から言うことはひとつ。これは命令じゃなくお願い」

にこ「…これからも、μ'sのために、いい音楽を、そして、たくさんの人の笑顔を見つけて」
601: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 17:01:01.21 ID:i2AWOHxG.net
にこ「……………」



花陽「なんだろうこれ…まだ残り時間ある…」

真姫「なんで黙ってるのよ」



にこ「…結局、私はギアスを使ったことで、独りになった」

にこ「いくら超人的な力を手に入れたからって、独りではどうしようもないのね」

にこ「だから、みんなには独りになってほしくない…」

にこ「μ'sは9人……私がいなくなって8人になるかもしれないけど、覚えていてほしい」

にこ「μ'sにはまだメンバーがいる」

にこ「それは……私たちを応援してくれている人々」

にこ「私たちの笑顔は、きっとファンのみんなによって作られる」

にこ「ファンのみんなの笑顔は、きっと私たちが届ける」

にこ「それを音楽を通じて、互いに与えあう、それがμ's。みんなで叶える物語なのかもね」

にこ「だから、私がいなくても、μ'sを応援してくれている人が、見たり、聞いたりしてくれている限り、μ'sは9人になれると思う」

にこ「色んな思いが…願いが…私たちμ'sの物語を作るの」


にこ「…なんかギアスに似てるわね。自分たち1人1人ではどうしようもないかもしれないことを、誰かに捧げる」

にこ「そうして、人は明日を…笑顔を求める……」


にこ「私はそれに気付くのが遅すぎた」

にこ「……さよなら」
604: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 18:22:00.74 ID:i2AWOHxG.net
真姫「……ほんっと!自分勝手よね!自分のお願いばっかり人に押し付けて」


真姫「それに……どっちにしろμ'sはもう…」


絵里「…そうね。昨日の結果はまだ出てないけど、おそらく駄目だろうし…」


凛「…μ'sは」


花陽「解…散……?」


絵里「にこだって結局最後は9人のμ'sにこだわってたわ。私と希が引退したら6人」

真姫「さすがに6人でμ'sを名乗るのは……まあ今まで名乗っていたんだけど」

凛「それこそギアスのせいだよ」



花陽「私たちはアイドルなのか、それともμ'sなのか。みんなが決断を下さなきゃいけないね」
605: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 18:31:06.41 ID:i2AWOHxG.net
絵里「……なんて話をしていたら」

真姫「まさか、私たちが予選突破するなんて」

凛「自分たちでいうのもなんだけど、完全に予想外だにゃ」

花陽「一応次の予選、いわゆる代表決定戦は、12月の24日だよ」

希「クリスマスイブなんやね」

絵里「…そこには、当然のように沢山の人たちがいるでしょうね」

真姫「前回全国制覇のアライズもね」




全員「………」


絵里「そういえば、にこは今何してるの?別に死んだわけじゃないんでしょ?」


希「ああ、にこっちは入院中や」

凛「入院?」

希「イベント前にかなり無理してたらしくてな。疲労と、記憶をなくしたショックで入院しとる」

希「でももうすぐ退院できるみたいやけどな」
606: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 18:39:43.30 ID:i2AWOHxG.net
花陽「退院したら……どうするつもりなんだろ」

凛「学校に来るのかな…?」

真姫「…さあ。わからないわよ」


ガチャ

穂乃果「本当に自分勝手だよね。こっちは文句言いたくても言えない、言っても他人に言ってるのと同じだし」


絵里「穂乃果?」

穂乃果「私は許さないよ!自分勝手に何もかも壊したまま逃げるなんて!」

真姫「穂乃果…じゃあどうするの?」

凛「まさか穂乃果ちゃんもギアスを…」

穂乃果「さすがにそれはないよ」
607: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 18:51:15.19 ID:i2AWOHxG.net
穂乃果「これを見て!」


ドサッ!



希「なんやこれ…」

花陽「大量の、手紙?」


真姫「ちょっと、これ、宛て先が音ノ木坂学院スクールアイドルμ'sじゃない!」

凛「ひょっとして、不幸の手紙……?」


穂乃果「これは……全部応援の手紙だよ」


希「え?」


手紙「μ's、解散しないですよね?そんなの絶対嫌です」
手紙「μ'sのステージに、感動をもらいました!ぜひ、みんなやにこにーにはμ'sを続けてほしいです!」
手紙「きっと予選突破できる!アライズに勝てるのはμ'sだけ!」
手紙「μ'sがμ'sである限り、私は応援し続けます」
手紙「にっこにっこにー!」
手紙「みゅーずがんばれー」



手紙「私はスクールアイドルをしていました。今回、私も同じ立場でラブライブを目指していました」
手紙「しかし、幼い頃から身体が弱い私は、激しい動きに耐えられず、ついにドクターストップがかかってしまいました」


絵里「この手紙って…」
608: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 19:03:25.44 ID:i2AWOHxG.net
手紙「ショックじゃなかったと言えば嘘になりますが、そんな中、ふと通りかかった秋葉原でμ'sを見ました」
手紙「感じることが多すぎて一言では言い表せないんですが、μ'sの歌に、踊りに、勇気をもらいました」
手紙「アイドルってこんなに素晴らしいんだ。アイドルはこんなにも、沢山の人を笑顔にできる」
手紙「それを考えたら、勝敗すら些細なことに思えてきました」
手紙「だから…私は、高校でのアイドル生活は終わりましたが、これからもアイドルに関わる何かを続けられたらいいな、と思います」
手紙「だって、私は、アイドルが好きだから」



希「アイドルが好きだから…か」

絵里「誰かが言いそうな言葉ね」

穂乃果「ね、みんな。μ'sには、こんなに沢山応援してくれている人がいる。だから、私、考えたの」

真姫「考えた?」

凛「何を?」


穂乃果「…その名も…」


穂乃果「μ'sリバース!」
614: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 19:17:30.53 ID:i2AWOHxG.net
とある喫茶店



ことり「ごめんごめん、待たせちゃった?」

海未「ことり…いえ、30分も前に来た私がせっかちなだけです」

ことり「…それは早すぎるかな…」

海未「それでことり、話というのは?」

ことり「うん。っていうか、海未ちゃんならわかってるんじゃないかな。穂乃果ちゃんから連絡きたでしょ?」


海未「…μ'sリバースですか」


ことり「…海未ちゃんは、にこちゃんの遺した動画見たの?」


海未「ええ、見ました……」
615: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 19:33:34.42 ID:i2AWOHxG.net
にこ「にっこにっこにー!」


海未「(゜o゜;)」


にこ「…まあ、久しぶりね。海未」

にこ「もう気づいてるでしょうけど、海未が転校する原因になったのは私がギアスという特殊能力を使ったから」

にこ「つまり海未の学園生活を奪ったのは私」

にこ「あの冷静沈着な海未が感情論でμ'sを辞めたいなんて言うから、少し頭に血が上ってしまった」

にこ「…まあもちろん、謝って許されることじゃないけどね」

にこ「でもこの動画を見る頃には、海未は自由」

にこ「私を恨んでるだろうけど、卑怯な私はそこから逃げた」

にこ「だから、海未は海未の思うままに生きてほしい」

にこ「それが私の願い」





海未「………私は…にこを……」
623: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/09(月) 17:35:38.74 ID:QamiR80e.net
海未「それはそうと、ことりは見たんですか?あったんですよね、ことりにも」

ことり「うん、あったよ…」







にこ「にっこにっこにー!」

ことり「ふえっ!?」


にこ「…まあ、ことりにはさんざん迷惑かけたわね」

にこ「まあ無理矢理でもなんでも、ギアスキャンセラーの装着を阻止できたことは、後悔してないわ」

にこ「この動画を見る頃は、私はもうμ'sにはいないと思う。もうことりは、私の身代わりとか、みんなへの贖罪とか、そんなことは一切考える必要はないわ」

にこ「今、ことり自身が一番進みたい道へ進むのよ。それが私の願いだから」


にこ「…1つだけ心残りがあるとすれば、あのピザ女が何者なのか、結局わからなかったことね」

にこ「ま、そこらへんの謎解きはことりに任せるわ。必要があるかどうかはわからないけどね」
624: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/09(月) 17:49:40.51 ID:QamiR80e.net
海未「ことりはどうするつもりなのですか?」

ことり「私は……」

ことり「今の私が答えだよ」

海未「…そうですか」

ことり「海未ちゃんは?」

海未「…私は、一度は自分の意志でμ'sを辞めたのです。今さら居場所など……」


prrrrr【着信、穂乃果】


海未「…しかし、どうやらそんなことを考えても無駄なようですね」

ことり「ははは。そうだね。居場所がなくても、無理矢理作ってくれそうだし、穂乃果ちゃんなら」



ことうみ「…μ'sリバース!」
625: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/09(月) 17:50:54.59 ID:QamiR80e.net
さらに数日後……



先生「ちょっとお休みしていた矢澤さんですが、今日から学校に復帰します。皆さん、記憶がないことは聞いていると思います」

先生「そこに十分に配慮し、彼女を支えてあげてください」

先生「…さ、入っていいよ」









にこ「…矢澤です。実は何も覚えてません」

にこ「このクラスの一員だったらしいのですが、皆さんの顔も名前も、すみませんがまったくわかりません」

にこ「転校生的な扱いをしてくれていいので、私に気を使わずに、お願いします」



生徒「……にこちゃん」


にこ「……ただ、なぜか知っていることが1つあります。それは挨拶です。理由はわかりませんが」

生徒「挨拶?」
630: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/09(月) 21:17:37.73 ID:QamiR80e.net
にこ「にっこにっこにー!」



にこ「……」


にこ「……(///∇///)」


生徒「…にこちゃんだね」

生徒「うん。今のは紛れもなく私たちの知ってるにこちゃんだよ」

生徒「まあ、恥ずかしがってるあたり、完全に、ってわけじゃないんだろうけど…」


にこ「せっ、先生!席ついてもいいですかっ!」







教室の外

希「にこっち……本当に忘れてしまったんやな」

絵里「でもあのポーズだけは覚えていたのね」

絵里「…いや、覚えていた、というより、染み付いていた、という方が正しいかしら」

希「記憶よりももっと奥深く…神経の1つ1つにしっかり染み付いていたからこそ、あのポーズは覚えてたんやろな」

希「記憶喪失になっても言葉は忘れていない…それと一緒やな」

絵里「……好都合ね」
632: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/09(月) 21:32:14.69 ID:QamiR80e.net
花陽「さて、μ'sが無事?代表決定戦に駒を進めました」

花陽「色んなことがありましたが、今日からμ'sの活動を再開し、来るべき代表決定戦、アライズとの決戦にむけて頑張りたいと思います!」


凛「にゃーーっ!」

真姫「花陽、すっかり部長が板についてきたわね」

花陽「と、いうわけで、新入部員?の紹介をします!お二人!どうぞ!」











海未「園田海未です……身勝手ながら、今日から再びこの学校の生徒となりました…」

海未「一度辞めてしまった身として、私がここに戻る資格があるのか、何度も自問自答しました」

海未「でも、みんなが……私を必要としてくれたから、私はここに戻ってくることができました」

海未「μ'sのために、今度こそ身を粉にして頑張ります。よろしくお願いします」



絵里「頼んだわよ。海未」

希「凛ちゃんのレッスンは思いの外厳しいでー」

凛「じゃあ、まず海未ちゃんには、ラブアローシュートの練習を…」

海未「うわわわわわわ……凛は鬼ですか…」
633: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/09(月) 21:38:25.78 ID:QamiR80e.net
花陽「さあ続いて二人目!どうぞ!」









ことり「南ことりです。服飾の勉強のためにフランスへ行ってましたが、やっぱりどうしてもμ'sをやり遂げたかったので戻ってきました」

ことり「みんな、よろしくね!」

絵里「よろしくね、ことり」

希「本場仕込みのアイドル衣装は期待大やなー」

真姫「花陽も部長になって普段が増えるところだったけど、これでなんとかなるわね」

絵里「そうね。ね、穂乃果」






穂乃果「うん。私たちが集まれば、きっと何だってできるよ!」


花陽「…この前、穂乃果ちゃんが戻ってきて、そして今日、海未ちゃんとことりちゃんも戻ってきた…」


花陽「μ'sリバースは、もう目前だね」





希「そうやな。あと1人は……」
635: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/09(月) 21:56:41.16 ID:QamiR80e.net
フランス



見張り「ええ。日本にいるフランス大使が、確かにこの家にテロ組織の拠点がある、と」

政治家「しかし、そんな情報はどこにもないし、実際すぐに引き上げたそうじゃないか。誤報の可能性がある」

政治家「誤報ならまだいいが、意図的に誤報を流したとしたならば、これは重大な国際問題だぞ」

見張り「そんなバカな……フランス大使が意味もなくそんな嘘をついてどうするんですか」

政治家「理由なんぞいくらでも考えられる。とにかく現場を確かめるんだ」

政治家「念のため武装しておけ」

見張り「はい……」




ゴクリ…



政治家「突入だ!」


ガチャ!
638: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/10(火) 19:42:33.38 ID:RshGZzew.net
見張り「!…黒ずくめの男が二人!部屋の中に!」

見張り「貴様ら!一体何者だ!まさか国際テロ組織の……」


男1「ちょっとちょっと、何わけのわかんないこと言ってるんすか?」

男2「誰かこの人たちの言葉を通訳してくださいよ」






謎の女「お前たちはテロ集団か?と、聞いている」

男1「はあ?俺たちがテロ集団?」

男2「まあ確かに見た目は黒ずくめで怪しいけど…」


見張り「なんだなんだ貴様ら。どこの国の者だ?ここで何をしている?」
640: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/10(火) 22:13:05.99 ID:RshGZzew.net
謎の女「この男たちは日本のアイドルグループのメンバーだ」


見張り「!…あ、アイドル?」

謎の女「そうだ。名前は……」



謎の女「おいお前たち。名乗ってやれ」

男1「あ、うす」

男2「俺たちはー、新世代イケメンアイドルグループ」

男1「25ボーイズでーっす!」



見張り「??…にこぼーいず?」




男1「もしかして、こいつらが、希さんの言ってた…」


謎の女「そのようだな」

謎の女「以前、にこにーがとんでもないギアスをかけて騙した奴らだ」


男2「それで俺たちが国際テロ組織なんて話になってるんですね」



謎の女「希の頼みだからな……」




数日前

謎の女「希。私はフランスへ帰るぞ」

希「なあ、にこっちがフランスに行った時、どんな手段で行ったか知っとる?」

謎の女「知らん」
641: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/10(火) 22:21:40.96 ID:RshGZzew.net
希「フランス大使を騙したり、架空の国際テロ組織を作り上げたり…」

希「ほっといたらなかなかえらいことになるかもしれん」

希「いまの記憶をなくしたにこっちに、その責任を負わせたくないんや」

謎の女「それは傲慢だ。記憶があろうがなかろうが、すべてにこにーがやったのは紛れもない事実。ギアスの代償として受け入れるしかない」


希「…それはそうかもしれんけど……」




男1「その話、僕たちに処理させて頂きませんか?」

男2「ませんか?」


希「な、なんや急に?どこから現れた?」

謎の女「お前たち…確かイベントに出てたな」


男1「見てくれてたんですか?あざーっす!」


希「まさか、25ボーイズのメンバー?」


男2「そうです!にこさんの尻拭いは、僕たちが務めます!」



希「……まあ、それはありがたいけど、なんで?」
642: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/10(火) 22:35:09.84 ID:RshGZzew.net
男1「……僕たちは、あの人に出会って人生が変わったんです」

男2「にこさんには、返しても返しきれない恩と、償いきれない傷を負わせてしまいました」

希「恩?傷?」



男1「にこさんのギアスとやらが解除されて、なぜ自分たちがアイドルになったのかが理解できました」

男2「あの日…僕たちは……一歩間違えたら、にこさんの人生を奪っていた。だけど、あの人は、そんな僕たちにギアスを使ったんです」




希「……そっか…あんたら、あの時の……」






にこ、ギアス習得前。


にこ「はあー今日も疲れたわね。さて、夕飯の材料を買っていかないと……」

男1「ねえねえお姉ちゃん」

にこ「ん?」クルッ


ガバッ!


にこ「!!?!!??」

男1「よし、連れ込め!」

にこ(何!?なんなのこれ!?だ、誰か助け……)

車「」バタン!


男1「よし!成功だ!」

男2「誰にも見られてないよな!?」

にこ(こ、これって、まさか……)
644: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/10(火) 22:44:57.35 ID:RshGZzew.net
男1「口は塞いどけよ。叫ばれたら厄介だ」


男3「…しかし、いきなり道端で女子高生拉致るなんて、俺ら完全に犯罪集団だよねー」

男4「ふん。犯罪なんてバレなきゃなんの問題もないんだよ」

にこ(ちょっと!誰かいないの!ちょっと!)

にこ「んー!んー!」

男2「やべー、よく見たらめっちゃ可愛いな。俺1番手でいい?」

男1「バカ、俺が声かけたんだぞ。俺が最初に行く権利があるだろ」

男3「いやいや、俺行きたいっす!金払うから!」

男4「誕生日一番早いのは俺だぞ!年功序列ってのを知らんのか?」



にこ(くっそー!こんなやつらに……なんで私が…)

にこ(私はなんのために今まで……)
645: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/10(火) 22:53:34.44 ID:RshGZzew.net
にこ(……ん?)


「…名前は……」


にこ(……頭の中に、声が?)


「ウチの名前はN.T.あなたがもしまだやりたいことがあるなら、ウチと契約して力を授けたるで」











にこ「ぶはっ!」

男1「おい、しっかり塞いどけよ」

男3「ああ、悪い悪い…」

にこ「…ねえ、こんなあんたたちでさえ、憎いと思えない私は、どうしたらいいの?」

男2「?…なんだ急に」

男1「憎めないなら結構。それにこしたことはないしな」

にこ「あんたたち……そんなことより、誰かを笑顔にすることの方が、よっぽど気持ちいいわよ」

男1「?」


にこ「あんたたちは……不良なんかやめて、アイドルにでもなりなさい!」シュピーン


男たち「……!」
646: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/10(火) 23:02:35.85 ID:RshGZzew.net
希「そっか……25ボーイズは、にこっちのギアスから生まれたアイドルなんやな」

謎の女「しかし、ギアスの効力はもう切れているんだぞ。なぜお前たちがにこにーの肩を持つんだ?」



男1「……確かに、アイドルになったのはギアスのせいかもしれません」

男2「でも、そんななかで気づいた、人を楽しませる気持ち、自分が楽しむ気持ち、それは今でも嘘じゃない」

男1「アイドルが実はこんなに素晴らしいものだったと教えてくれたのは、にこさんと、そしてギアスでした」

男2「にこさんの記憶がない以上、こういう形でしか、彼女に罪滅ぼしができないんです」

男1「だから、どうか僕たちにその役目を!」

男2「少しでも、彼女を救いたいんです!」




謎の女「……ギアスに救われたやつもいる」

希「ここにおったでにこっち。にこっちのギアスで救われた人間が」
652: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/11(水) 19:17:23.23 ID:ElXzS3l3.net
再びフランス


男1「…というわけでフランスにやってきた僕たちです」

男2「いちいち説明すんなよ。ってか説明したらだめだろ」

男1「大丈夫だ。たぶんこいつら日本語はわからない」




見張り「日本のアイドルがこんな場所で何をしている?」


謎の女「やれやれ…私は通訳係か…」

謎の女「こいつらは自身の実力の確認と向上のためにここにストリートライブをしにきたんだ」



謎の女「…で、いいのか?」

男1「あざっす」

謎の女「ピザおごりだぞ。本場イタリアのな」





見張り「……」

男2「うっ…めっちゃ疑ってる」

男1「よく考えたら苦しすぎる言い訳かも……」





見張り「そうか。それは失礼した。頑張れよ」


謎の女「…頑張れよ、だそうだ」

男1「え」

男2「な、なんとか通じたみたいっすね…良かった」
655: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/11(水) 22:14:34.70 ID:ElXzS3l3.net
にこの自宅


にこ「ただいま…」

こころ「お帰りなさいお姉さま。学校はどうでしたか?」

にこ「え?そ、そうね…クラスメイトは優しかったわ」

こころ「そうですか。それはよかったです」

こころ「ところで、クラスメイト以外の人とはお話しましたか?」

にこ「え?」

にこ「…さすがに、クラスメイトすら誰かもわからないのに、他のクラスの人たちと話なんてできないわよ」

こころ「そうですか……」

こころ「お姉さまはこれから……例えば部活動とかをする予定はないのですか?」

にこ「部活動?私3年生なのよね?さすがにもう部活動なんて時期ではないんじゃないかしら」

こころ「…一応、まだ3年生が活動している部活はあるみたいですよ」

にこ「そうなの?ずいぶん頑張るわねそこ。さぞかし全国区の名高い部活なんでしょうね」

こころ「……」
656: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/11(水) 22:21:53.83 ID:ElXzS3l3.net
にこ「熱っ!」

こころ「だ、大丈夫ですか?油に水を入れたら跳ねてしまいますから気をつけてください」

にこ「…ご、ごめん」


にこ「…やっぱり私、まだ料理は無理よ。難しすぎるわ」


こころ「…そうですよね。ごめんなさい。今晩は私が作ります」

にこ「…ごめんね。こんな、何もできないのが姉で…」

こころ「何を言ってるんですか。私はお姉さまが姉で嫌だったことなど考えたことなんて一度もありません」

こころ「だからお姉さまが謝る理由がありません」

にこ「こころちゃん……ありがとうね」


こころ「…たとえ料理ができなくても、アイドルじゃなくなっても、私たちが姉妹であることはずっと変わりません。これからもずっと……」
657: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/11(水) 22:31:53.42 ID:ElXzS3l3.net
こころ「今までお姉さまは、色々なものを背負いすぎていました」

こころ「今はそのすべてから解放された状態…」

こころ「たまにはゆっくり、お姉さまのペースで、やりたいことを見つけてみてはいかがでしょうか」

にこ「やりたいこと……」

こころ「もちろんすぐには見つからないかもしれません」

こころ「でも、どんなときもずっと、私たち家族はお姉さまの味方です。道に迷ったときは、いつでもここに帰ってきてください」

こころ「みんなの笑顔が、ここで待っていますから」

にこ「…こころちゃん」

こころ「にっこにっこにー!って!」


にこ「ふふ…おかしな挨拶よねそれ。私の名前入ってるし」



にこ「…やりたいこと…か」
658: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/11(水) 22:41:05.54 ID:ElXzS3l3.net
学校



にこ(やりたいこと……)

にこ「さすがにすぐには見つからないわよね、そんなもの」





「にっこにっこにー!」
にこ「ん?」

「もう一回だよ!にっこにっこにー!」

「にっこにっこにー!」



にこ「この声は…なに?」

にこ「……屋上の方から聞こえるわ」



テクテク


にこ「」チラッ



凛「海未ちゃん!まだ恥ずかしさが残ってるよ!」

海未「す、すみません…」

凛「よし、海未ちゃんだけあと5回!」

海未「ええ……」

凛「にっこにっこにー!」

海未「に、にっこにっこにー……」




にこ「…なんなのこの人たち。みんなでこの挨拶を…練習?してるの?」チラッ



希「……どうやら獲物が食いついたみたいやで」
663: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/12(木) 22:11:11.93 ID:1vKQHsw4.net
穂乃果「捕まえたっ!」ガシッ


にこ「なっ!?」


真姫「よくやったわ穂乃果。あとは海未のラブアローシュートで動きを封じて…」

海未「そんな効果はありません!」



にこ「ちょっ…な、なんですかこれ!?は、離して…」

絵里「だめね。認められないわ」

にこ「…わけわかんないんですけど…」

花陽「三年生の矢澤さん。そもそもあなたはなぜここに?」

にこ「なぜって……」

希「ウチ知ってるで。君は記憶喪失なんやってな」

真姫「っていうか全員知ってるけど…」


にこ「…み、皆さんは…私のことを知っているのですか?」

にこ「…じゃあ、私も皆さんのことを……?」

にこ「教えて下さい!私は…私は何者なんでしょうか?」

にこ「あのポーズは一体何なんですか!?」
664: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/12(木) 22:23:12.40 ID:1vKQHsw4.net
海未「あなたは……あなたです」


にこ「え?」


絵里「そうよ。あなたは矢澤にこ。それ以上でもそれ以下でもない」

希「無理に昔の自分を思い出す必要もないよ。いや、できない。それが君にかけられたギアスなんやから」

にこ「ギアス…?」




ことり「私たちはμ's。スクールアイドルやってるんだ」

にこ「スクールアイドル?」

穂乃果「実は今、この学校は廃校の危機に瀕していて、それを止めようとして発足したのがμ'sなんだ」

にこ「…それは、素晴らしい志を持って活動しているんですね」

凛「…でもね、中々うまくいかないんだよ」

花陽「アイドルは華やかに見えて中身は残酷。芽が出なければ陽の目に当たることもなく消えていきます」

真姫「今のままじゃ、この学校の廃校は止められない…」


にこ「そんな……どうにかならないのですか?」
665: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/12(木) 22:32:31.30 ID:1vKQHsw4.net
絵里「今度、スクールアイドル日本一を決める大会があるの」

凛「その名もラブライブ!」

海未「私たちはその出場権をかけたイベントが12月にあるので、その日のために練習しているのです」

穂乃果「ラブライブに出場できれば、学校の注目度も上がって、廃校を阻止できるかもしれないんだよ」

にこ「なるほど……」

穂乃果「でもきっと、今のままじゃだめなんだ」

にこ「え?何がだめなんですか?」


希「μ'sというグループは、選ばれし9人が集まって初めてその力を発揮できる。ウチらはまだ8人。このままやとあかんのや」


にこ「え…な、なんで9人いないとだめなんですか?」

希「カードがそう告げるんや」

にこ「カード?」

絵里「ふふふ。希のタロット占いは天気予報より当たるのよ」


凛「……それって、別に大したことないんじゃ…」

花陽「しーっ!」
666: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/12(木) 22:44:20.92 ID:1vKQHsw4.net
穂乃果「そこでね……矢澤先輩……いや、にこちゃんにお願いがあるんだ」

にこ「?」




穂乃果「にこちゃん。μ'sに入って!」


にこ「……え」


花陽「選ばれし9人、9人目はにこちゃんなんだよ」

真姫「今のμ'sは言わば仮の姿。にこちゃんが加入して初めて本当のμ'sになるの」


にこ「……ちょっと、なに言っているんですか。私が選ばれし9人目?私がアイドル?いきなりすぎて頭が……」

海未「にっこにっこにー!」

にこ「!?」

絵里「…あなたが唯一、引き継いだ記憶…それがこのポーズ」

希「体が覚えてるはずや。これだけはな」


にこ「……でも、それとアイドルと何の関係が…」

ことり「これは…にこちゃんがにこちゃんである証」

花陽「私たちが教わった、大切なこと」

希「その記憶が消えない限り、ウチらはいつでもμ'sなんよ」
667: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/12(木) 22:49:52.65 ID:1vKQHsw4.net
絵里「それにどうせやりたいことなんて今はないでしょ?」

凛「そうだよ。μ'sに入れば、きっとやりたいことを見つけられるよ」

真姫「それにあのポーズも、発案者がいないんじゃ意味ないし」



穂乃果「だからお願い!μ'sに入って!にこちゃんだから入って欲しいの!にこちゃんがいなきゃダメなんだよ!」


にこ「……」

穂乃果「にこちゃん…μ'sに……入れえーーー!」
にこ「……!」
668: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/12(木) 22:57:52.65 ID:1vKQHsw4.net
時は流れ、3月……



司会「それでは、続きまして、音ノ木坂学園スクールアイドル、μ's。出場順を決めますので代表者はくじを引いて下さい」



穂乃果「……くじを引くのは、にこちゃんだよ!」

にこ「ええ!私!?」

穂乃果「うん!」


にこ「……しょうがないわねー。くじ引きくらい、この大銀河ナンバーワンアイドルにかかれば、ちょちょいのちょいよ!」




希「にこっち……」





司会「決まりました!μ'sは、最終グループの最後、大トリです!」


にこ「…嘘」
669: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/12(木) 23:08:17.52 ID:1vKQHsw4.net
希『結局ウチらはラブライブに出場できることになった。にこっちも含めた9人のμ'sはあのアライズさえも圧倒するほどの声援をもらって、無事ラブライブへの出場権を獲得した』


希『にこっちは、今はアイドルの魅力にとりつかれて、誰よりも熱心に練習している』

希『そろそろ卒業やけど、卒業後もアイドルに関わり続けるつもりらしい』

希『にこっちの記憶は、あのポーズ以外は何も取り戻せてはいないままで、きっとこれからも思い出すことはない。それがギアスの代償やから』

希『でも、今のにこっちは、以前のにこっちと変わらない。いや、あの時よりも、さらに輝いているように見える』



希『おそらく、にこっちはたとえ何度人生をやり直したとしても、アイドルを目指すんやろな』

希『それはまるで、にこっちにかけられたギアスのようやね』
670: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/12(木) 23:15:13.10 ID:1vKQHsw4.net
ラブライブ当日。


穂乃果「ついに、ついにここまできたね…」

海未「人前に出るこの刺激…すっかり癖になってしまいました」

ことり「精一杯やろう!」

真姫「そうね。みんな、思い残しはないようにね」

凛「ああー、早くステージに立ちたいにゃ!」

絵里「スクールアイドルをやって、本当によかったわ」

花陽「あとはやれることをやるだけだね」

希「じゃあにこっち、気合い入れに掛け声頼むわ」





にこ「…今日、みんなを、一番の笑顔にするわよ!」

にこ「μ's、ミュージック、スタート!」

全員「おお!」




にこ「ギアスの力を手に入れたわ」
END
671: 名無しで叶える物語(内モンゴル自治区)@\(^o^)/ 2015/03/12(木) 23:18:33.10 ID:1vKQHsw4.net
長期間に渡って読んで下さった皆さん、ありがとうございました。

読みづらい点、多々あったかと思われますが、なんとか完結まで持っていけました。

ありがとうございました。
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『にこ「ギアスの力を手に入れたわ」』へのコメント

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