穂乃果「想いよ、届け」

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穂乃果-アイキャッチ48
1: 名無しで叶える物語(秋)@\(^o^)/ 2016/02/01(月) 22:34:55.85 ID:fEScQA6t.net
なんか眠ってたので投下します
スレ立てするほどの長さでもないですが、寝る前にサクッとどうぞ

元スレ: 穂乃果「想いよ、届け」

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3: 名無しで叶える物語(秋)@\(^o^)/ 2016/02/01(月) 22:36:05.46 ID:fEScQA6t.net
首都圏の夜は、少し重い。

夜空は雲がなくとも都市部の灯りがが煌々と輝いているおかげで薄ら明るく、まるで真っ黒な日傘を差しているかのようだった。
個人的には夜空はきらきらと星が輝いていてくれる方が嬉しい。

私、高坂穂乃果はそんな夜の町をふらっと歩いていた。

特に理由は無い、何と無く…そう、何と無くだ。
別に家庭内で喧嘩したわけでも、大して悩みがあるわけでもない。
イヤホンを耳にかけて、しっとりとバラードを流しながら、歩を進めていく。


(少し、寒いかな……)


そう思い、私は上着にしていたパーカーのジッパーを上げる。

秋もそろそろ深まり、いよいよ本格的に寒くなってきた。
お月見の時期はとうに過ぎたけど、月は街灯に負けず輝いていた。

今度、みんなでお月見とかいいかもしれないなぁ。
お菓子とか持ち寄って、もちろん私はおまんじゅうで……
4: 名無しで叶える物語(秋)@\(^o^)/ 2016/02/01(月) 22:36:48.25 ID:fEScQA6t.net
「……穂乃果?」


ふと、私を呼ぶ声。振り返るとそこには


「あ、海未ちゃん」


見慣れた幼馴染が立っていた。


「どうしたのです、こんな遅くに……ご家族も心配しますよ?」

「んーなんとなく、散歩したくなっちゃって……それより海未ちゃんもこんな遅くにどうしたの?」

「……私もなんとなく、です。月が綺麗だったので少し散歩してみたくなりました」


なぁんだ、海未ちゃんもかぁ。
そう呟いて私は頬を緩ませた。

長年一緒にいる幼馴染とこうしてばったり会うというのは、何かしらのシンパシーを感じずにはいられなかったから。
5: 名無しで叶える物語(秋)@\(^o^)/ 2016/02/01(月) 22:37:24.16 ID:fEScQA6t.net
「……これで満天の夜空だったら素敵なんだけどな」


そうぼやきながら私は空を見上げる。

空には少し欠けた月がひとりぼっちでキラキラと私たちを照らしていた。

都市部から少し離れれば多少は綺麗に見えるのだけど、いまの私にそこまで遠出する勇気はない。


「なら、今度星を見に行きませんか?」

「星を?」

「はい、山の方なら綺麗な夜空を見ることが出来ると思います」

「山かぁ……」
6: 名無しで叶える物語(秋)@\(^o^)/ 2016/02/01(月) 22:37:55.45 ID:fEScQA6t.net
山といえば海未ちゃんは前の合宿で気合いが入りまくってたなぁ……凛ちゃんから後で聞いたけど私もそんな目にあいたくはないよ……

流石にしかめっ面になった私の気持ちに気付いたのか、海未ちゃんがあたふたとする。


「あ、いえ違います。山に登ろうと言う事では無くて……山間部なら街明かりも届かないのではと思いまして」

「あ、なんだそういうことか……うん、いいと思う。旅行にする?日帰り?」

「日帰りだと星を見る前に帰ってしまうではないですか……」

「あ、そっか、そうだよね」
7: 名無しで叶える物語(秋)@\(^o^)/ 2016/02/01(月) 22:39:22.66 ID:fEScQA6t.net
笑いながら、他愛の無い話をしながら、私たちは月明かりに闇を残していく。

授業中居眠りして叱られたこと。
呆れていた海未ちゃんのお腹がなってみんなで笑ったこと。
絵里ちゃんが居眠りをしてしまっていたこと。
にこちゃんにイタズラしようとした希ちゃんが直前でバレて追いかけっこになったこと。

本当に、なんてことのない話だった。

それでも次第に話題が無くなり、私たちは無言になった。
二人を照らすのは少しの街灯と、月明かり。

それはそれで結構楽しかった。

沈黙を破ったのは海未ちゃんからだった。


「そろそろ私は戻りますね……最近は何も起きてないようですが夜は危ないです。気を付けて」

「うん、ありがとう。また明日、海未ちゃん」


その背中が闇に消えるまで、私は手を振る。
そして、また一人になった。
8: 名無しで叶える物語(秋)@\(^o^)/ 2016/02/01(月) 22:40:06.53 ID:fEScQA6t.net
イヤホンを掛け直し、夜道に標を残すように、歩いていく。
相変わらず光っているのは月だけで……あれ?


「……流れ星?」


一筋、光った気がした。

流れ星……だといいなぁ。

なんで彼らは願い事を考えてない時に現れて「次にきたらこのお願いをしよう」って時には来ないんだろうか……

きっと、そんなもんなんだろうなぁ。

誰にも聞こえない声で私はそう呟いた。

……でも、せめて少しだけ。
そう思って立ち止まる。


(同じように空を見て、お願いをした誰かの願い事が叶いますように)


流れ星なんて無くても、願いを込めて。

祈るくらいならいいじゃない?叶わない願いなんて無いって、そう思うだけなら……

口ずさむ。誰かの願いが届くように

想いよ、届け
思いよ、響け

夜は過ぎて、朝がやってくる。
明日も、素敵な一日でありますように
9: 名無しで叶える物語(秋)@\(^o^)/ 2016/02/01(月) 22:41:47.89 ID:fEScQA6t.net
というわけで終わり

この前古川本舗の「スーパー・ノヴァ」聴いてたらなんとなく思いついたので書きました

少しくらい誰かの幸せを願うって、素敵じゃない?


そんなテーマでした
おやすみなさい
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