海未「お嬢様と、ピアノと、ミルクティー。」

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海未-アイキャッチ49
1: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 21:28:02.35 ID:T8jfg/Sh.net
 
(n番煎じ感満載のうみまき主従パロ)

(諸事情により海未ちゃんの名字が変わってる)

元スレ: 海未「お嬢様と、ピアノと、ミルクティー。」

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3: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 21:30:48.10 ID:T8jfg/Sh.net
 
真姫「私に専属のメイドをつける?」

真姫ママ「そうよ」

真姫ママ「そろそろ真姫にも本格的にこの"西木野"を背負っていくための勉強を初めてもらおうと思ってね」

真姫ママ「勉強に集中する為に真姫の身の回りの世話をする係をつける事にしたの」

真姫ママ「ちょうどいい人材もいたしね」

真姫「そんな突然に...」

真姫ママ「まあまあ、丁度真姫と同じくらいの歳でとっても可愛い子だからきっと真姫も気に入ってくれると思うわ♪」

真姫「ふーん...」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
4: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 21:31:19.45 ID:T8jfg/Sh.net
 
―西木野邸前


海未(大きいですね...)

海未("あそこ"と同じくらい...いや、それ以上)

海未(ここに、あの"西木野"が...)

海未(......。)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
5: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 21:31:56.72 ID:T8jfg/Sh.net
 
―西木野邸 玄関


ピーンポーン...


海未「すみません、今日から勤めに参りました三森ですが」

真姫ママ『三森さんね、どうぞ。上がってらっしゃい』


海未「さて...。」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
6: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 21:32:37.93 ID:T8jfg/Sh.net
 
―リビング


ガチャ...


海未「失礼します...」

真姫ママ「来たわね」

真姫ママ「紹介するわ、この子が今日から真姫の専属になる」

真姫ママ「『三森 海未』さん」

海未「宜しく、お願いします」ペコリ

真姫「よ、よろしく...」
7: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 21:33:11.89 ID:T8jfg/Sh.net
 
真姫(冗談かと思ってたけど、本当に美人ね...)コノマキチャンニハカナワナイケド

真姫(夜空みたいな色の髪に、琥珀色の瞳......ん?)

真姫(見覚えがあるような...)

真姫「で、でも!ちょっとおかしくない!?」

真姫「私と同じ高校生の子がなんて...」

真姫ママ「三森さんには、ここに住み込んで仕事をしてもらうわ」

真姫「住み込み?三森さんの家族は...」

海未「......。」ウツムキ
9: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 21:33:45.96 ID:T8jfg/Sh.net
 
真姫ママ「三森さん...」

海未「...いえ。この際隠す意味も無いでしょう」

海未「私は、身寄りを無くしました。...それも最近」

海未「そこにこの西木野家の給仕の話を聞き、路頭に迷うよりは...と」

海未「ここに住まわせてもらう以上、勤めは全力で果たさせて頂きます」

真姫ママ「そう固くならないで」

真姫ママ「一応、主従関係ではあるけど家族と同様に扱ってあげたいの」

真姫ママ「いいわよね、真姫」

真姫「まあ、いいけど...」

真姫ママ「というわけで、これからよろしくね...『海未ちゃん』」

海未「...承知致しました」
11: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 21:35:34.78 ID:T8jfg/Sh.net
 
―真姫の部屋


真姫(なんだか落ち着かないわね...)ソワソワ

海未「どうかしましたか?お嬢様」パタパタ

海未「先程からこちらをチラチラ見て...」サッサッ

真姫「落ち着かないのよ...」

真姫「友達とかあんまり居なくて部屋に上げた事もないのに」

海未「そうですか...では私がお嬢様の初めてなのですね」キュッキュッ

真姫「は、初めて!?///」

海未「?私、何か変な事言いました...?」キョトン

真姫(もう何よこの子...)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
12: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 21:36:07.83 ID:T8jfg/Sh.net
 
―学校


真姫「っていう事があって―」

凛「へーメイドさんがつくなんて真姫ちゃんさっすがお金持ちにゃー!」

花陽「メイドさんかぁ...花陽も憧れちゃうなぁ...」

真姫「そんなにいいもんでもないわよ...」

真姫「仕事は出来るくせに天然で変な事を突然言うのよ?」

真姫「しかも無自覚」

花陽「でも真姫ちゃん、すっごく楽しそうな顔してるよ?」

凛「真姫ちゃんやっぱり友達増えて嬉しいんだよー」

凛(元ぼっちだから)ボソッ

真姫「聞こえてるわよ、凛」

凛「~♪」
13: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 21:36:33.02 ID:T8jfg/Sh.net
 
キーンコーンカーンコーン


先生「はーいHR始めるぞー」

先生「お前たち夏休み明けだからってだらけるんじゃないぞー」

凛「先生!」

先生「なんだ、星空」

凛「正直早く帰って遊びたいです!」

先生「分かった。星空宿題追加な」

凛「に゛ゃっ!?」


アハハハハハ


花陽「り、凛ちゃん...」

真姫「全く...」ハァ
15: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 21:38:44.18 ID:T8jfg/Sh.net
 
先生「そうそう」

先生「今日はお前たちに転校生を紹介する」


ウッソ!?
ソッチガホンダイジャナカッタノォ!?
ドンナヒトダロ...


先生「三森、入ってきていいぞー」

真姫(!?!?!?!?)ガタタッ

花陽「ま、真姫ちゃん?どうしたの?」

真姫「嘘でしょ...」
16: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 21:39:33.26 ID:T8jfg/Sh.net
 
コツコツコツ...


海未「今日からこのクラスに転入する事になりました」

海未「『三森 海未』です」

海未「皆さん、宜しくお願いします」ペコリ




凛「ふえー...美人さんにゃー」

花陽「真姫ちゃん、あの子ってもしかして...」

真姫「はぁ...そのまさかよ」

真姫(学校でも一緒なんて...)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
17: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 21:40:05.55 ID:T8jfg/Sh.net
 
凛「へえ...じゃあこの海未ちゃん、って子が真姫ちゃんのメイドなんだ~」

海未「はい。宜しくお願いしますね、星空...さんでしたっけ」

凛「凛でいいよー!」

花陽「は、花陽のことも花陽、って呼んでくれたら嬉しいな...って」

海未「分かりました。凛、花陽...はお嬢様のお友達なのですか?」

凛「そうだよー!ぼっちで寂しい真姫ちゃんを凛たちが助けてあげたんだにゃー!」>ω</

真姫「一言多いのよ!」

海未「ふふ、お嬢様のお友達は楽しい方ですね」

真姫「それよ!」

海未「...?」

真姫「なんで花陽と凛は呼び捨てするのに私だけお嬢様、なのよ」
18: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 21:40:36.15 ID:T8jfg/Sh.net
 
海未「それは...仮にも主従ですし...」

花陽「真姫ちゃん!こんな格好いい人にお嬢様、なんて呼ばれるなんて女の子の憧れなんだよ?」

花陽「もっとその喜びを噛み締めようよぉ」

真姫(変なスイッチ入ってる...)

真姫「とにかく!学校で変な噂されるなんて嫌だから!」

海未「で、でも...」

真姫「でももなにもないの!とにかくこれは私からの命令だから!」

海未「うっ...それを言われると弱いです...」

真姫「学校でだけでもいいから、私を『真姫』と呼ぶこと」

真姫「そして主従じゃなくって友達のように振舞うこと!」

海未「善処します...」

凛「ちゃっかり友達って言ってあげちゃう真姫ちゃんツンデレにゃー」

真姫「だから一言多いのよ!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
19: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 21:42:26.05 ID:T8jfg/Sh.net
 
一ヶ月後―


真姫ママ「どう?海未ちゃんとはうまく行ってる?」

真姫「どうって...特に問題はないけど...」


真姫「いや...問題あるかも」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
20: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 21:44:16.95 ID:T8jfg/Sh.net
 
真姫「えーっと...ここは...」カリカリ...

海未「......。」サッサッ

真姫「うーん...計算間違いかしら」ゴシゴシ

真姫「あっ...」ポロッ


コロコロ...


海未「...!」


シュッ!


海未「......。」サッサッ
21: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 21:44:51.23 ID:T8jfg/Sh.net
 
真姫(!?)

真姫(落とした消しゴムが落ちる前に拾うなんて!)

真姫(しかも部屋を掃除しながら...)

真姫(どういう反射神経してんのよ!?)

海未「もっと私の学力が高ければ、お嬢様の勉強を手伝ってあげられるのですが...」サッサッ

海未「お嬢様は全国でもトップクラスの成績なんて...流石ですね」サッサッ

真姫「貴女には負けるわよ...」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
22: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 21:47:48.54 ID:T8jfg/Sh.net
 
凛「やったー!バスケにゃー!」

花陽「花陽は運動苦手だから...見学しとこうかな...」

真姫「私もパスで」

凛「えーかよちん真姫ちゃんつまんないー!じゃあ海未ちゃん一緒にやろ!」

海未「いいですよ」
23: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 21:48:43.50 ID:T8jfg/Sh.net
 
ピー!


凛「いくよー!」ダムダムッ

凛「にゃにゃっ!」ビュビュッ!!

モブ子「やっぱり星空さん...速い!」

凛「海未ちゃん!」シュッ

海未「はい!」パシッ

海未「...フッ!」シュシュッ

モブ美「三森さんも負けてないよ!」

海未「凛!お願いします!」シュッ

凛「おっけー!」パシッ!
25: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 21:50:26.78 ID:T8jfg/Sh.net
 
凛「このままシュートにゃ!」ビュッ!


ゴール「そんなんじゃ甘いよ」ガン!!


凛「あー!外しちゃったにゃー...」ガックシ


ヒューン...


凛「...あれ?跳ね返って真姫ちゃんの方に...」

真姫「う゛ぇぇっ!?」

真姫「あ...こっちに来...ぶつか...!」
26: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 21:50:57.73 ID:T8jfg/Sh.net
 
海未「お嬢様!!」


パーン!!


海未「危なかった...。大丈夫ですか、お嬢さ...真姫」シュウゥゥゥゥ...

花陽「ボールニストレートパンチシチャッタノォ!?」

凛「ボールに拳がめり込んでるよぉ...」ガクブル

真姫「あ、ありがとう...?海未?」ヒキツリ

真姫(もう何やっても驚かないわよ...)

真姫(...守ってくれるのは嬉しいけど///)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
27: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 21:51:56.40 ID:T8jfg/Sh.net
 
真姫「何なのよあの天然超人...」

真姫ママ(...やはり間違いはないみたいね)

真姫「いっつも学校で付きっきりだから結局変な噂流れるし!」

真姫「別に海未とはただの主従関係だし!///」

真姫「...この前モブ子に『お嬢様!』って呼ばれたけどどこでバレたのかしら」

真姫ママ(フフッ...面白いわ...『園田 海未』ちゃん...!)

真姫「...ママ?」

真姫ママ「え?ああ、少し考え事よ、ごめんなさい」

真姫「もう...」プクー


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
28: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 21:52:20.92 ID:T8jfg/Sh.net
 
海未(必要な情報は大体揃いましたね...)

海未(見え見えの罠なのは承知の上...)

海未(どんな手を使ってでも...どんな目に遭おうとも...)

海未("西木野"を...絶対に...!)グッ!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
29: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 21:53:14.14 ID:T8jfg/Sh.net
 
海未(......とは言え)

海未(相手はこの地方一の名家"西木野")

海未(確実に機会を伺わねば...私はすぐに...)

海未(それにあまり事を荒立てたくありませんし...)

真姫「...海未?どうしたの?」

真姫「そんなに怖い顔して」

海未「...あっ。いえ、何でもありません...大丈夫です」

海未「私などに気を掛けてくれるなんて、お嬢様は優しいですね」

真姫「またそんな事言って...///」

海未(......。)

海未(私は、お嬢様を......。)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
30: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 21:53:54.77 ID:T8jfg/Sh.net
 
海未「ふぅ...」

真姫ママ「フフッ...お疲れみたいね」コトッ

真姫ママ「ミルクティー、差し入れよ」

海未「あ、ありがとうございます...お母様。...私なんかに」

真姫ママ「...もう。家族だって言ったでしょう」

真姫ママ「私は、貴女に感謝してるのよ?」

真姫ママ「真姫、ああ見えて寂しがり屋な子だから」

真姫ママ「あの子、貴女が来てから...毎日が楽しそうにしてるのよ」

海未「それは良かったです......ん。このミルクティー、美味しいです」

海未「お母様がお淹れで?」

真姫ママ「ええ。真姫も好きなのよ、これ」
31: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 21:55:22.79 ID:T8jfg/Sh.net
 
海未「そうなんですか...」

海未「そうだ、私にこのミルクティーの淹れ方を教えて頂けませんか?」

真姫ママ「あら?この前シェフが『仕事を取られた』なんて言っていたのに」

真姫ママ「また自分から仕事を増やす気?」

海未「いえ、お嬢様の要求を少しでも多く満たせるように構えておくのが給仕でしょう」

真姫ママ「あらあら、随分とお熱...仕事熱心だこと」

真姫ママ「いいわ、こっちへいらっしゃい」

真姫ママ「貴女ならすぐ覚えられると思うわ」

海未「はい」
32: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 21:56:16.06 ID:T8jfg/Sh.net
 
海未(......私はまだ、"西木野"を憎んでいるのだろうか)

海未(心の底から、復讐を望んでいるのだろうか)

海未(ここは...居心地が良すぎる)





真姫ママ(......。)

真姫ママ(私と、海未ちゃん。どちらが真姫を騙し続けられるか)

真姫ママ(真姫が......どちらを選ぶか)

真姫ママ(...ミルクティー)

真姫ママ(これで勝負を不戦勝で終わらすこともできた)

真姫ママ「フゥ...。私も、甘いわね......」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
38: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 22:03:19.31 ID:T8jfg/Sh.net
 
真姫(私は、このままでいいのかしら...)

真姫(ママに言われるままにここを継ぐなんて...本当は嫌)

真姫(ピアニストの事だって、まだ諦めてない)

真姫(確かに家族の事は好きだし、大事だけど...)

真姫(どちらか一つなんて...選べない)

真姫(どうしたらいいの...?)


真姫「教えてよ、海未...」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
39: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 22:04:51.71 ID:T8jfg/Sh.net
 
海未(お母様に真姫を呼んできて欲しいと言われましたが...)

海未(お部屋にはいませんでしたね...)

海未(一体どこへ......ん?)

海未(明かりが点いている...?)

海未(あの部屋は使われていなかったように思いますが...)


ガチャ...


タララン♪ タララララン♪

真姫「~~♪」

海未(......!!)
40: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 22:07:17.24 ID:T8jfg/Sh.net
 
海未(一心不乱にピアノを弾くお嬢様は)

海未(まるでこの世の全ての束縛から一切解き放たれたように純粋で)

海未(その両の指から奏でられる音の創りだす世界で、一人踊っているように見えた)

海未(そんな、自由に身を任せた少女の姿に...私はひどく心を揺さぶられた)




海未「...ぁ」ポロ...

海未「...ぁ...ぁぁ...」ポロポロ
41: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 22:08:17.30 ID:T8jfg/Sh.net
 
タラララララララ...タン♪


真姫「ふぅ...」



真姫(ん?人の気配が...)クルッ

真姫「...あ、海未...って」

真姫「ど、どうして泣いてるのよ!?」

海未「...ぅ、ぁ...す...すみませ...」

海未「お嬢様の演奏が...あまりにも美しくて...」

海未「どうしてか、お嬢様の世界に誘われたような...そんな気がして...」
42: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 22:09:13.25 ID:T8jfg/Sh.net
 
真姫「...!う、海未...!」


『なんだ、二位か』

『こんなもの...お前の人生には必要ない』


真姫「初めて...」

真姫「初めて...私のピアノを理解してくれた...」ポロポロ

真姫「海未っ!!」ギュッ!

海未「お、お嬢様っ!?」

真姫「グスッ...ありがとう...ありがとう...」ギュウウウウウ

海未「......。」ナデナデ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
45: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 22:25:38.33 ID:T8jfg/Sh.net
真姫「私、小さい頃...ピアニストになりたかった」

真姫「ううん、今も」

真姫「そうじゃなきゃ、こんなすみっこの部屋でこっそり弾いてたりしないし...」

海未「お嬢様が弾いていた曲...聴き覚えありませんでしたが」

海未「私自身、音楽には疎いのですけれど...」

真姫「いえ、知らなくて当然よ」

真姫「だって自分で作った曲だから」

海未「さ、作曲したのですか!?」
46: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 22:26:42.89 ID:T8jfg/Sh.net
 
海未「す、すごいです...素人目に見ても、すごい才能だと思います...」

真姫「もう。おだてないでよ...」

真姫「それに、私..."西木野"の娘だし...」

海未(......ッ!)


真姫「この家が嫌いなわけじゃない」

真姫「ママの次は、私がここを守らなきゃって気持ちは...確かにある」

真姫「...でも、ずっと憧れてたピアニストも」

真姫「諦めきれないの...」
47: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 22:31:33.70 ID:T8jfg/Sh.net
 
真姫「ねえ、海未」

真姫「私は、どうしたらいいの...?」

海未「お嬢様...」

海未(運命は...残酷すぎます)

海未(お嬢様にとっても...私にとっても)

海未(お嬢様...)

海未(今貴女の目の前にいるのは...)

海未(貴女の大切な"家"を壊そうとしている人間なのですよ...?)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
48: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 22:34:52.89 ID:T8jfg/Sh.net
 
真姫「はぁ...」

真姫(夢の事を話して、肩の荷が下りたのは良かったけど...)

真姫(あの出来事から、脳裏に浮かぶのは海未のことばかり)

真姫(やっぱり...好きになっちゃったのかな)

真姫(こんなの...おかしいわよね...)



凛「...真姫ちゃん?どうしたの?」

真姫「ひゃっ!?り...凛!?」

真姫「な...何でもないのよ、何でも!」

凛「明らかに何か隠してるにゃぁ...」

真姫「ほ、本当に何にもないんだから!」

凛「ふーん...」
49: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 22:40:16.86 ID:T8jfg/Sh.net
凛「ね、真姫ちゃん」

凛「凛って頼りない?」

真姫「なに馬鹿な事言ってるのよ...」

凛「そりゃー凛って馬鹿かもしんないけどさー」

凛「それでも...真姫ちゃんの事大事で、困ってたら助けてあげたいって思ってるんだよ?」

凛「きっとかよちんもそう思ってるにゃ」

凛「だからさ、今は言えなくてもいいから...本当につらくなっちゃった時は凛たちに相談してね?」

真姫「凛...ごめんなさい」

真姫「貴女がそこまで思ってくれてるなんて知らずに...」
51: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/13(金) 22:48:31.69 ID:T8jfg/Sh.net
 
凛「いいのいいの」

凛「いくら真姫ちゃんだって言えない事の一つや二つくらいあるよ」

真姫「もう...私を何だと思ってるのよ」

凛「んー...ぶきっちょで素直になれないつんでれさん?」

真姫「貴方ねぇ...!」

凛「いやーん真姫ちゃんこわーい!」



真姫(......ありがとう、凛)

真姫(何か癪だから心の中だけで呟いておくわ!)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
65: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/14(土) 22:08:20.46 ID:bC7oJ4UR.net
 
真姫(最近、勉強もあまり手に付かなくなってしまったわ...)

真姫(でも、この気持ちをもし海未に知られたら)

真姫(きっと迷惑よね...だっておかしいもの...女同士で恋心を抱くなんて)

真姫(それに...女同士以前に、私みたいなのに好かれても...ね)

真姫(このままなのは苦しいけど...それ以上に海未に迷惑は掛けたくない)

真姫「はぁ...」

真姫「最近、悩みばかりね...」

海未「...お嬢様?どうしたのですか、ため息などついて」

真姫「...へ?わ、わああっ!?」

真姫「う、海未?い...いつからいたのっ!?」
66: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/14(土) 22:13:06.41 ID:bC7oJ4UR.net
 
海未「いえ、今来たばかりですが...」

真姫「そ、そう...」

真姫(よ、良かった...貴女の事で悩んでますーなんて知られたら...)

海未「お嬢様のお部屋を掃除しに参ったのですが...」

真姫(...そうだ)

真姫「...今日はいいわ。いつもすごく綺麗にしてくれてるし、一回くらいやらなくても」

真姫「それより、久しぶりに作曲をしたいと思うの」

海未「...ほう、作曲ですか」

海未「私も、お嬢様の作った曲...もっと聴きたいです」
67: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/14(土) 22:14:39.74 ID:bC7oJ4UR.net
 
真姫「ふふん、この真姫ちゃんの曲が一番早く聞けるのは...海未だけの特権なんだから!」

海未「ふふ...それは光栄ですね」

真姫(海未に向けての曲を作ろうかしら...なんて)

真姫(感性の豊かな海未なら、私の想いが伝わっちゃうかも...なんてね♪)フフッ

真姫「作曲関連の本が書庫にあると思うんだけど...」

真姫「少し手伝って貰えるかしら?」

海未「ええ、お安い御用です」

真姫「ありがと。書庫は3階ね......こっちよ」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
68: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/14(土) 22:18:07.46 ID:bC7oJ4UR.net
 
―書庫


真姫「...ここよ」ガチャ...

海未「ほう...」

海未「初めて来ましたが、夥しい量の書物ですね...」

真姫「そうね。学校の図書室よりももっと多いんじゃないかしら」

海未「...ん?あちらの扉はなんでしょうか?」

真姫「...ああ。その扉の先は、私も知らないの」

真姫「ママからも『ここだけは絶対に入るな』って言われてて」

海未「...ふむ」
69: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/14(土) 22:20:03.76 ID:bC7oJ4UR.net
 
海未(やはり、あの先にあるのは..."西木野"の資料でしょうか)

海未(一度調べてみるべきでしょうが、まあ"あそこ"のとほぼ変わらないでしょう...)

海未(きっとセキュリティも施されているでしょうし、『感づかれる』危険性も増す)

海未(今のところは...目立つ行動はしない方が賢明でしょう)

海未(......。)

真姫「...あった。海未、こっちよ」

真姫「でも...うーん。ちょっと届かないわね...」

真姫「脚立を取ってきてもらえるかしら...って」

海未「これですか?」
70: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/14(土) 22:20:57.47 ID:bC7oJ4UR.net
 
真姫「え、ええ...」

真姫(言う前に取ってきてる...流石、と言うべきなのかしら)

真姫「ありがとう...よ、っと」ガタッ

真姫「えーっと...これと...」

真姫「...うーん。ぎゅうぎゅうに詰まってて取れないわね...」グググ

真姫「んーっ!...っと!取れたわ...って」ガタガタ...


真姫「きゃぁっ!」ズルッ!

真姫(本が抜けた反動で落ち...)

真姫(上から棚の本も降って...!)


海未「......ッ!!」
71: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/14(土) 22:24:11.40 ID:bC7oJ4UR.net
 
ドタン!

バサバサッ...



真姫「...っつぅー...!いたた...」

真姫「って、海未!!近...///って...あ、貴女...!」

海未「っく...!...お、お怪我はありませんか...お嬢様...ッ!」ポタ...ポタ...

真姫「...ぁぁ...。貴女...頭から血が...!!」

海未「私なら...大丈夫ですから...ッ!」

真姫「...だ、駄目よ!いくら海未でも...そんな怪我じゃ!!」


プルルルルル...


真姫「......パパ、パパ!?」

真姫「海未が、海未が...大怪我したの!!」

真姫「今すぐそこに連れてくからっ!!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
72: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/14(土) 22:36:25.30 ID:bC7oJ4UR.net
 
―西木野総合病院


真姫パパ「...頭部の外傷による出血が見られたが、幸い他部位や脳への大きな影響は無かった」

真姫パパ「処置も頭部の縫合のみで済んだ」

真姫「はぁ...良かった...」

海未「お父様...すみません...他にも多くの患者さんたちが待っていらっしゃるのに...」

真姫パパ「...ああ...本当に、いい迷惑だ......と、いつもの私なら言っていただろうが」

真姫パパ「電話を掛けてきた真姫の剣幕に免じて許そう」

真姫パパ「真姫があんなに感情を顕にするのは初めてだ...」
73: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/14(土) 22:45:57.90 ID:bC7oJ4UR.net
 
真姫「...っ。海未、ごめんなさい...っ」グスッ

真姫「私が...無理矢理本を引き抜いたりしなければ...」

海未「お嬢様...お嬢様の所為ではありませんから...泣かないでください...」

真姫パパ「...ふん...。」

真姫パパ(この娘が...妻が言っていた『園田の子』か...)

真姫パパ(真姫がここまで入れ込むとは...興味深い)

真姫パパ「三森君...と言ったか。ここで少し安静にしていくといい」

真姫「私、は何もできないし...邪魔よね」

真姫「ウチに先に帰るわ...」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
74: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/02/14(土) 22:53:30.97 ID:bC7oJ4UR.net
 
―病室


海未(......。)

海未(いつもの私なら...お嬢様が脚立から落ちる前に助けられた)

海未(なぜ...そうしなかったのか)

海未(......お嬢様を、『不慮の事故』で済ませられると...思ってしまったから)

海未("西木野"に復讐する以上、お嬢様でさえも...殺さねばならない)

海未(でも、私は...お嬢様にだけは...手を下したくなかった...)

海未(このまま、お嬢様を見捨ててしまえば...)

海未(でも、そんな事など...結局出来なかった)
75: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/14(土) 22:55:00.24 ID:bC7oJ4UR.net
 
海未「その結果が...この頭の傷、ですか...」

海未「この傷は、一生...中途半端な私への戒になるのでしょうね...」

海未「今の私では、一生がどれだけ続くかも...分かりませんが...」

海未(結局、私は...お嬢様を殺せない)

海未(何故かなんて、分かってるけど...私は...!)


コンコン...


海未「!」


ガチャ


真姫パパ「三森君...具合の方はどうかね?」

海未「ああ、お父様...具合は大丈夫です」
78: (日本語おかしかった>>76修正)(筆)@\(^o^)/ 2015/02/14(土) 23:15:03.92 ID:bC7oJ4UR.net
 
真姫パパ「仕事の方が少し落ち着いたのでな」

真姫パパ「君の事は妻より聞いていたが...こうして話す機会も今まで無かった」

真姫パパ「前々から君には興味があった」

海未「私に...ですか?」

真姫パパ「君が西木野家に来てから、些か真姫が変わったように感じる...と妻から聞いてな」

真姫パパ「私も、先程の真姫を見て納得したよ」

真姫パパ「いつからか...真姫はあまり感情を表に出さなくなってしまっていた」

真姫パパ「三森君...君は一体真姫に何をしたんだ?」

海未「特に...これと言った事は...」

海未「私は、お嬢様の給仕として...勤めを果たさせて頂いているだけですから」

真姫パパ「...ふむ」
79: (IDURじゃん...勧誘してこよ)(筆)@\(^o^)/ 2015/02/14(土) 23:26:33.71 ID:bC7oJ4UR.net
 
真姫パパ「君を真姫につけた妻の判断は...正しかったのかもな」

海未「...お母様の発案だったのですか」

真姫パパ「ああ、私は元々反対だったのだよ」

真姫パパ「西木野家以外の人間を家に置くなんて...とね」

海未「そうなのですか...」

真姫パパ「ああ、心配しないでくれ。今の私は君の事を心から歓迎している」

真姫パパ「むしろ、真姫の支えになってくれて...感謝している」

真姫パパ「本来は、私たちの役目なのだがね...」

海未「いえ...お二人とも大変お忙しいようで」

海未「その分私がお嬢様につくのが仕事ですし」

真姫パパ「...ふむ。その謙虚さも、聞いての通りだな」
81: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/14(土) 23:42:28.05 ID:bC7oJ4UR.net
 
海未「あの...不躾なのを承知で、一つ聞きたいことがあるのですが...」

真姫パパ「...いいだろう、許そう」

海未「はい...あの、お嬢様から昔ピアニストを目指していたと聞いたのですが...」

真姫パパ「......。」

海未「や、やはり不快な質問でしたか?」



真姫パパ「...いや、むしろ...悪いのは私だ」

真姫パパ「この"西木野"に生まれた女である以上...家を守っていかねばならない」

真姫パパ「ピアニストという夢も...その定めには相容れない」

真姫パパ「だから...早い段階で諦めて欲しかった」

真姫パパ「だがこの通り、私は不器用でね...」
82: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/14(土) 23:52:23.87 ID:bC7oJ4UR.net
 
真姫パパ「ある時、真姫が小学生を対象とするピアノコンクールで二位を取った事があった」

真姫パパ「真姫が...小学一年生だった頃だ」


   『ねえねえパパ!わたし、にいだったよ!』


真姫パパ「それはもう、嬉しそうな満面の笑顔で...表彰状を掲げていた」

真姫パパ「その時の私は、この真姫の姿を見て...夢を諦めさせん好機と考えてしまった」

真姫パパ「そして私は、こう言った」


   『なんだ、二位か』

   『一位にもなれないのなら...』

   『こんなもの...お前の人生には必要ない』


真姫パパ「その時の真姫は...全てが崩れさったような...絶望に満ちた表情をしていた」

真姫パパ「思えば...あの頃から、真姫は感情を表に出さなくなったのかも知れない」

真姫パパ「とんだ最低親父だよ、私は」
83: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/15(日) 00:02:39.32 ID:yBkZHKGW.net
 
海未「...そんな事はないと思います」

海未「お父様も、お嬢様の事を深く愛している」

海未「今の貴方の表情を見れば...分かります」

海未「きっと、やり方を間違えてしまっただけ...」

海未「これも...運命なんです」

真姫パパ「...ハハ。そう言ってくれるか」

真姫パパ「...参ったな。真姫を傷つけた"運命"、君がここに来てくれた"運命"」

真姫パパ「憎むべきか、愛おしむべきか...分からないな」

海未「やめてください...私は大した人間ではありません」



真姫パパ「...さて、そろそろ時間だ」

真姫パパ「君ももう大丈夫そうだ。真姫の所に行ってやってくれ」

海未「はい。ありがとうございました、お父様」
85: (あーまたミスった...>>84修正)(筆)@\(^o^)/ 2015/02/15(日) 00:19:12.61 ID:yBkZHKGW.net
海未(......やはり、ここも..."あそこ"と同じ...)
 
海未(家族同士、お互い愛し合っている)

海未(すれ違いが起きようとも、それは互いの事を想ってこそのこと...)



   『アンタには...こんな汚い世界は似合わない』

   『海未...アンタだけには、普通の女の子として生きて欲しいんだ』

   『"家"の事なら...アタシが引き受けられる』

   『作詞家になりたいんだろ?立派な夢じゃないか』

   『"家"の事に気を遣って、自分から音楽を遠ざけてるのも知ってる』

   『だから...アンタは"園田"の人間じゃなくて、いいんだ』


   『おねえさまは...わたしのことがいらないんですか...?』



海未(今更、ですね...)

海未(私がやろうとしている事は..."あの時"と同じ事なのかも知れない)


海未「...帰りましょうか」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
86: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/15(日) 00:30:41.43 ID:yBkZHKGW.net
 
真姫パパ(...ふむ...『園田 海未』...)

真姫パパ("園田"の小娘如き...と思ったが)

真姫パパ(思った以上の人物だったようだ)

真姫パパ(ふん...お前の言う『勝負』...少しばかり分が悪いんじゃないか?)

真姫パパ(真姫の事...あの娘ならば、あるいは)

真姫パパ(...お前のことだ。これも...見越した事なんだろうがな)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
95: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/15(日) 21:59:08.70 ID:yBkZHKGW.net
 
ガチャ...


海未「お嬢様...?」



真姫「...グスッ...。」

真姫「...ぁ...。ぅ、み...」

真姫「ご...ごめんなさ...」

海未「お嬢様」

海未「これは私の不注意が招いた事なのです、お嬢様は何も悪くありません」

海未「お嬢様が気に病む必要はないのです」

真姫「なんで...そんなに優しいのよ...!」

海未「言ったでしょう、これが私の役目なのだ...と」
96: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/15(日) 22:05:24.81 ID:yBkZHKGW.net
 
真姫「ふざけないでよ...!」

真姫「こんなのどう考えたって...海未に怪我を負わせたのは私のせい!」

真姫「それなのに『貴女は悪くない』なんて庇われて...まるで私が子供みたいじゃない...」

真姫「私は...貴女と対等で居たいのに...!」

真姫「主従だからなんて...もうそんなの関係ないわ!」

真姫「もっと私を...叱ってよ」

真姫「もっと私を...見てよ...」

海未「......。」
97: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/15(日) 22:14:16.12 ID:yBkZHKGW.net
 
海未「お嬢様...私は、貴女に尽くしたいのです」

海未「身寄りを無くした私に、お嬢様たちはこんなに温かい場所をくれました」

海未「ここに来なければ、私は...こんなに今幸せではなかったでしょう」

海未「ここで私がやっていることは...『恩返し』なのです」

真姫「相変わらず固すぎるのよ...」

真姫「貴女が私たちにしてくれる事に比べたら、大した事じゃない」

真姫「...はぁ。もう何だか意味分かんなくなっちゃったわ」


真姫「...そうだ」

真姫「こうしましょう。何かいい事があったら私たち二人のおかげ」

真姫「悪いことがあったらおあいこ」
98: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/15(日) 22:20:21.31 ID:yBkZHKGW.net
 
真姫「私たちは、二人で一つってこと」

海未「で、ですが...」

真姫「でももなにもないの。これは命令」

海未「ああっ!さっき対等、って言ったじゃないですか!ズルいです!」

真姫「私を誰だと思ってるの?」

海未「...くっ。分かりました」

真姫「よろしい。...ふふっ」

真姫「ふふ...あっははは!」

海未「もう、お嬢様...くすくす」


真姫(......ん?私今なんかノリですごく恥ずかしい事言ったような...///)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
99: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/15(日) 22:34:45.70 ID:yBkZHKGW.net
 
真姫(ぁぁぁぁぁぁぁあああああ/////)プシュー

真姫(思い出すだけでも恥ずかしいぃ///)カァァァァ

真姫(なんでノリでもあんな事言っちゃったんだろ...)

真姫(これじゃあ受け取りようによっては告白じゃない!///)

真姫(大体海未も悪いのよ!)

真姫(あれだけ言ってまだ気付かないなんて...とんだ朴念仁よ!)

真姫(あ...そうか...私たち女同士だったわね...)シュン

真姫(そりゃあ分かんないわよね...だって普通じゃないし)ズーン...


凛「今日の真姫ちゃんは表情がコロコロ変わって面白いにゃー」
100: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/15(日) 22:40:36.27 ID:yBkZHKGW.net
 
真姫「う゛ぇっ!?凛!?」

花陽「こんな真姫ちゃん...花陽初めてかも...」

花陽「真姫ちゃんどうしたの?」


   『本当につらくなっちゃった時は凛たちに相談してね?』


真姫(...凛たちになら、話せるかな)

真姫「じ、実は...」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
103: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/15(日) 23:05:00.01 ID:yBkZHKGW.net
 
凛「エェー!?マキチャンウミチャンノコトスキダッタノォ!?(棒)」

凛(知ってたにゃ...)

花陽「イ...イガイダナァ...(棒)」

花陽(知ってたよ...)


真姫「なんか白々しいわね...まあいいわ...」

真姫「その...やっぱりおかしいかしら」

花陽「...そんな事ないよっ!」

花陽「好きって気持ちに、性別なんて関係ありませんっ!」

凛「凛も...そんなにおかしいとは思わないな」

凛「真姫ちゃんが、今まで海未ちゃんと過ごしてきて...そして好きになっちゃったんでしょ?」

凛「ならその気持ちをおかしいなんて思わなくていいよ!」
104: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/15(日) 23:16:13.59 ID:yBkZHKGW.net
 
真姫「凛、花陽...ありがとう」

真姫「なんだか、二人のお陰で...この気持ち...おかしいって思わなくていいのかなって思えてきたわ...」

真姫「ああ...こんな事なら、もっと早く言っておくべきだったわ...」

凛「真姫ちゃんって、どうして海未ちゃん好きになったの?」

真姫「どうして、かしら...そうね...」


   『お嬢様の演奏が...あまりにも美しくて...』


真姫「私の夢を、理解してくれたからかしら...」

凛「真姫ちゃんの夢?」

凛「真姫ちゃん自分のこと話したがらないから気になるにゃー」

花陽「花陽も...」

真姫「ご、ごめん...夢のことは、ちょっと恥ずかしいから...」

凛「まあそこまでは詮索しないにゃー」
105: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/15(日) 23:29:49.84 ID:yBkZHKGW.net
 
花陽「それで、真姫ちゃんはどうしたいの?」

真姫「うっ...そ、それは...」

凛「凛たちにここまで言っておいて、まさか何もしないなんて言わないよねー?」

真姫「うぅっ...」

花陽「花陽もこのまま何もしないのはいけないと思うな」

花陽「花陽たちも全力で協力するから...海未ちゃんに気持ち、伝えよ?」

真姫「...わかったわ」

真姫「私...頑張ってみるわ!」

凛「よーし!じゃあ『真姫ちゃん海未ちゃんラブラブ大作戦』開始にゃー!」>ω</



海未「私が、どうかしたのですか?」
106: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/15(日) 23:34:00.41 ID:yBkZHKGW.net
 
凛「にゃあああああああ!?」

花陽「ぴゃあああああああ!?」

真姫「う゛ぇあああああああ!?」


海未「な、なんですか...三人とも変な声を上げて...」

花陽「な、何でもないよ!何でも」

凛「そうにゃ、何でもないにゃただの世間話にゃー」

真姫「そ、そうよ!」

海未「そうですか...ならいいのですが」



凛(......前途多難にゃー)
107: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/15(日) 23:50:01.61 ID:yBkZHKGW.net
 
海未「あの、お嬢様...」

真姫「ん?何かしら?」

海未「今日は、お嬢様たちとは一緒に帰れそうにないです...すみません」

真姫「ああ、『あれ』ね...」

凛「やっぱり海未ちゃんカッコいいからねー」

凛「憧れる子たちの気持ちも分からなくはないにゃ」

海未「すみません...お嬢様より後に帰宅するなど...」

真姫「いいわよ、それより告白してくれる子を蔑ろにする方が悪いわ」



花陽(...ねえ、真姫ちゃん)コソコソ

花陽(ちょっぴり、後をつけて様子を見に行ってみない?)

真姫(え?何でそんな事...)
117: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/16(月) 21:53:22.25 ID:FczPl/X1.net
 
真姫(え?何でそんな事...)

花陽(告白する子には悪いけど...真姫ちゃんにとっての参考になるんじゃないかな?)

凛(凛もちょっと気になるかも...)

凛(それに海未ちゃんがなんで告白断ってきたか分かるかもだし!)

真姫(そ、そうね...)

真姫(でも、くれぐれも見つからないようにしないと...)

真姫(それに、告白する子にも後でちゃんと謝らなきゃ)

凛(真姫ちゃんって意外と律儀だよねー)



海未「...?何をこそこそしているんですか?」

真姫「...う、ううん!何でもないわ!」

凛「海未ちゃんはモテるなーって!」

海未「やめてください...」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
119: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/16(月) 22:05:51.16 ID:FczPl/X1.net
 
   『今日の放課後、3階の空き教室で伝えたい事があります』


海未(はぁ...)

海未(今月に入って3回目、ですか...)

海未(流石にこういった事に疎い私でも...どんな話なのかは分かるようになってしまいました)

海未(私の、どこがそんなにいいのでしょうか...)

海未(可愛らしさなら、"あの子たち"の方がずっと上でしょうに...)

海未(純粋な気持ちを突っぱねてしまう事は、非常に心苦しいです...)




凛(海未ちゃんが空き教室に入ってくにゃー)コソコソ

花陽(何だかすっごく浮かない表情だね...)

真姫(あの海未の事だし、告白を断るのが辛いんでしょう)

真姫(...逆に、何で断るのかしら...好きな人が居る、とか?)
121: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/16(月) 22:25:07.66 ID:FczPl/X1.net
 
ガラガラッ...


海未「すみません...お待たせしました」

モブ花「いえ、いつもあの4人で帰っているところに勝手に呼び出しちゃってごめんなさい」

モブ花(やっぱり優しいなぁ...)

海未「それで...『大事な話』とは...?」

海未(我ながら白々しいですね)

モブ花「あっ!それは...そのっ!///」

モブ花「わ、私っ!三森さんの事が好きですっ!!」



花陽(ふわぁ...す、ストレートだよぉ...!!)コソコソ

凛(何だかこういうの憧れちゃうにゃー...)

真姫(私もこのくらいストレートに行ったほうがいいのかしら...)

真姫(...やっぱり無理!)ブンブン
122: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/16(月) 22:39:00.05 ID:FczPl/X1.net
 
海未("三森さん"...ですか)

海未(それさえ、偽りだと言うのに)

海未「...すみません...。お気持ちは...非常に嬉しいのですが...」

モブ花「...ぁ...」

海未「本当に、本当に...申し訳ありません...!」

モブ花「...ぃえ...っ...。ダメで元々...だったので...っ」ポロポロ...


ギュ...


モブ花「ぁっ...」

海未「すみません、誠に...勝手ながら...これで許してくれますか...?」

モブ花「グスッ...ぅ、うわあああああん」ギュゥゥゥゥ

海未(はぁ...本当に、苦しいです...私のせいで)



真姫(......。)
123: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/16(月) 22:45:22.32 ID:FczPl/X1.net
 
真姫(海未...やっぱり私の気持ちは...貴女を苦しめるだけなのかしら...)

真姫(私の場合、立場が立場だし...)

真姫(はぁ...心が折れそうだわ...来なきゃ良かった...)



海未「...落ち着きましたか?」

モブ花「...はい...」

モブ花「あの...最後に一つだけ聞いていいですか...?」

モブ花「絶対に、吹聴して回ったりは...しないので」

海未「...ええ。いいですよ」

モブ花「やっぱり...西木野さん、なんですか?」



真姫(...!!)

凛(あ...真姫ちゃん...!)

真姫(...やだ...!)
124: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/16(月) 22:49:48.67 ID:FczPl/X1.net
真姫(聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない)

真姫「...もう嫌...!」ダッ!

花陽「...あ!真姫ちゃん!」



海未「...ん?」チラッ

海未(お嬢様...?)

モブ花「あの...やっぱり答えられませんか...?」

海未「いえ...」

海未(私は...やはり...)




海未「...そうですね。」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
126: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/02/16(月) 23:01:24.01 ID:FczPl/X1.net
 
真姫「はぁ...はぁ...はぁ...」

真姫「私...なんで...」

真姫「『違う』って言われるって決まってる訳じゃないのに...」

真姫「でも...あの先を見ているのは...怖い...!」

真姫「もう...どうしたらいいよっ!私はっ!」

真姫「あんな所...来なきゃ良かった...」

真姫「...はぁ。最低ね、凛と花陽は私の事を考えて提案してくれたのに...」

真姫「嫌になっちゃうわ...」


『お困りのようやね』


真姫「...!?」
128: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/16(月) 23:11:35.30 ID:FczPl/X1.net
 
真姫「...って、東條先輩じゃない...びっくりして損したわ...」

希「えー真姫ちゃんのいけずぅー」

希「小さい頃はのぞみん!のぞみん!ってべったりだったのにー」

真姫「そ、それは...!家が近くでよく遊んでただけで...!」

希「...うんうん。やっぱり泣いてちゃツキが逃げる、って言うからね」

真姫「...あ、まさか貴女慰めるつもりで...」

希「んーん?泣いてる真姫ちゃんが可愛かったから驚かせたくなっただけー」

真姫「やっぱり貴女は何を考えてるか良く分からないわ...」

希「ミステリアスな女性って素敵やん?」
130: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/16(月) 23:22:38.10 ID:FczPl/X1.net
 
希「...真姫ちゃん」

希「どうしようもないときは...一度、何も考えないのも手なんよ」

希「考えれば考える程...どつぼにはまっちゃう」

真姫「......。」

希「そうだ!ここはひとつ、ウチに任せてみいひん?」

真姫「...え?」

希「ウチが超常現象研究会の部長してるのは知ってるでしょ?」

真姫「え、ええ...新入部員歓迎会での出し物が色々と凄かった記憶があるわ...」

希「今から、その部室においでよ!」

真姫「え?な、なんで?」

希「ふふん、最後の最後は神頼み...なんてね♪」
133: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/16(月) 23:37:15.87 ID:FczPl/X1.net
 
―超常現象研究会 部室


真姫「...うわぁ...」

真姫「なんかスゴいわね...呪われそうなアイテムがたくさん」

希「これのほとんどはウチの物なんやで?」

真姫「まあ、らしいと言えばらしい...ような」

真姫「それで?何でこんな所に私を?」

希「"東條"は占い師の家系なんよ」

希「...ウチには"視える"んや、人の未来や...ツキの流れがね」

希「ものすっごく胡散臭い話に聞こえるかもしれへんけど」

希「ウチの力で...真姫ちゃんの事を視てあげようと思うんよ」

真姫「なるほどね...いえ、東條先輩の事だもの...信じるわ」

希「まあそんなに構えんと...こっちに座って」
134: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/16(月) 23:48:49.75 ID:FczPl/X1.net
 
希「じゃあ、まずは真姫ちゃんの未来から...覗かせてもらおうかな」

希「むむむむ...」

真姫(いつになく真剣ね...こんな顔初めて見たかも)



希「...出た!」

希「うん、いつもより...ハッキリ出てる」

希「真姫ちゃんとは相性がいいのかも」

真姫「相性?」

希「うん、ウチにもよく視える相手とあんまり視えない相手がおるんよ」

真姫「それは良かったわ...で、内容は?」

希「真姫ちゃんは、近い未来...大きな選択を強いられる事になる」

真姫「大きな選択...」
135: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 00:00:11.17 ID:OUugOO/u.net
 
希「どちらかを選べば、もう片方を失う」

希「そんな、辛い選択」

希「でも...そんな真姫ちゃんを引っ張って、助けてくれる人が居る...とも出てる」

真姫「...!」

希「心当たりがあるみたいやね...その人が真姫ちゃんにとってのキーパーソンである事は間違いなしや」

真姫「その...私、その人の事が好きで...」

真姫「でも、女同士で...ちょっと訳アリな関係で...」

真姫「私のこの気持ちがあの人の事を苦しめるんじゃないか...って思ってて」

希「そうやね...」

希「今度はちょっとタロット使って視てみよか」
136: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 00:11:55.85 ID:OUugOO/u.net
 
サッサッ

シュッシュッシュッ...


希「じゃあ、その人の事を思い浮かべながら...真ん中のカードをめくってごらん」

真姫「ええ...」ペラッ

真姫「...『愚者』...?」

希「...正位置やね。この場合の意味は"自由"、"大胆"、"非常識"ってとこやん」

真姫「えっと...つまりどういう事...?」

希「余計な事は考えるな!想いのままにあの人にぶつかってけー!」

希「って感じやね」

希「きっとその人も真姫ちゃんの気持ちに真摯に答えてくれる」

真姫「想いのままに、か...」

真姫「ありがとう、少し勇気が出てきたわ...」

希「そう言ってくれると、占い師冥利に尽きるやん」
137: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 00:23:12.90 ID:OUugOO/u.net
 
真姫「...うん。決めたわ...」

真姫「私、この気持ちを伝えるわ!」

希「うん。がんばってな!」

希「...よし!じゃあ最後にのぞみん先輩から真姫ちゃんにプレゼント!」スッ

真姫「...これは...お守り?」

希「のぞみん特製のスピリチュアルパワーを込めたお守りや!」

希「内なる自分を解き放つ力を持ってるんや」

希「もし真姫ちゃんが気持ちを出せなくなっちゃたら...これに願いを込めてみ」

真姫「最後の最後に胡散臭いものを渡してくれたわね...」

真姫「まあ、ありがとう...ここまでしてくれて」
138: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 00:30:33.64 ID:OUugOO/u.net
 
希「ええんや...この力、人のために使ってなんぼやし」

希「真姫ちゃんの恋が叶ったら...ウチも嬉しい」

希「それに...恋に悩む真姫ちゃんも可愛かったしね♪」

真姫「か、からかわないでよ!///」


真姫「...それじゃあ、行くわね」

真姫「凛たちにも謝らなきゃだし...」

希「うん、真姫ちゃん頑張れ!のぞみん先輩は応援してるぞ!」


タッタッタッ...

クルッ


希「...ん?」

真姫「...ありがとう、希!」ニコッ


タッタッタッ...


希「...あはは。あんな真姫ちゃんにオチない子は、居ないと思うなぁ」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
148: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 21:56:16.17 ID:OUugOO/u.net
 
ガチャ...


海未「失礼します...お嬢様、今日も掃除を」

真姫「ああ海未...いつもありがとう」

海未「いえ、これも仕事なので...」パタパタ



真姫(やっぱり...今言うしかないわよね...)

真姫(一番二人きりになれる場所って言ったらここしかないし...)

真姫(あの後凛と花陽の所へ行ったら...改めて背中を押してくれたし)

真姫(東條先輩に言われた通り...余計な事は考えない)

真姫(私は...決めたんだから!)



真姫「ねえ...海未!」

海未「...?どうかしましたか?お嬢様」
149: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 22:10:54.61 ID:OUugOO/u.net
 
真姫「あの...そのね」

真姫「海未がここに来てから...もう結構経つじゃない?」

海未「...?言われてみればそうですが...急にどうしたのですか?」

真姫「私、海未に色々してもらってるけど...私からは何もないじゃない?」

真姫「だから、改めて『ありがとう』の言葉くらいは...言っておきたくて」



真姫(あーもう!恥ずかしいからって違う話題でお茶を濁すなんて...私のバカっ!///)カァー



海未「...?」ポカーン

海未「...くすっ。今日のお嬢様は何だか変ですね」

海未「言ったでしょう?私のしていることは『恩返し』だと」

海未「私は、お嬢様たちから...失った"幸せ"をもらいました」

海未「だから、何も出来ていないのは...私の方なんですよ?」ニコッ
150: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 22:27:04.73 ID:OUugOO/u.net
 
真姫(そうやって、窓の奥の夕日を背に微笑む海未は...)

真姫(今まで私が見てきたどんな海未よりも...綺麗だった)

真姫(そんな海未を見て...私は)

真姫(溢れ出す気持ちを、抑えきれなくなった)



真姫「やっぱり...海未は優しいわね」

真姫「そんな海未だから...私は好きになったの」

海未「...え...?」

真姫「ううん、それだけじゃない!」

真姫「いつも私を守ってくれる、強い所」

真姫「しょっちゅう突拍子の無い事を言っちゃう、天然な所」

真姫「そのさらさらした蒼い髪も、優しい瞳も」

海未「あ...あの、お嬢様...何を...!」
151: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 22:39:48.38 ID:OUugOO/u.net
 
真姫(凛...花陽...東條先輩...)

真姫(私に少しだけ...勇気をちょうだいっ!)オマモリギュッ!



真姫「...海未!私はっ!」

真姫「貴女の事が好きっ!!」

真姫「性別とか主従とか...そんなの関係無くてっ!」

真姫「海未の事を...愛してるのっ!!」

海未「.....!!」

海未「お...お嬢様...私は...」

海未「...駄目ですっ!!」ブンブン

真姫「海未は...私の事が嫌いなの...?」

海未「嫌いなんて...むしろ大好きですっ!!」

海未「けど...駄目なんです...」
154: (>>152)(筆)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 22:53:19.06 ID:OUugOO/u.net
 
真姫(あれ...?何だか感情が昂ぶりすぎて頭がぼーっとしてきたわ...。)

   
   『内なる自分を引き出す力を持ってるんよ』


真姫(もしかして...お守りの効果って...)



真姫「...ハッキリしなさいよ」壁ドン!

海未「ひゃぁっ!?///」

真姫「海未...ワタシはアナタに『ワタシの事が好きか嫌いか』って聞いてるのよ?」

海未「だ、だから...駄目なんですってばぁ」

真姫「...二択の質問をしてるのよ?どちらかで答えなさいよ」

真姫「それともぉ、海未はワタシの質問の意図も理解出来ない頭の悪い子なのかしらぁ?」

海未「ち、違います...私は...!」

海未(き、今日のお嬢様はおかしいです...!)
157: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 23:08:11.40 ID:OUugOO/u.net
 
海未(なんだかモジモジしてると思ったら...私にこ、告白っ...してきて///)

海未(私が煮え切らない返事をしたら...突然強気になって...)

海未(なんなんですかもう...!)



真姫「海未」ズイッ



海未(ああっ...そんな眼で覗き込まれたら...っ!///)ゾクゾクッ



真姫「...もう一回聞くわ。アナタはワタシの事...好き?嫌い?」

海未「...ぁ...わ、私は...!」

海未「私は...お嬢様...の事...」

海未「...好きですよぉ!」

海未「愛してしまったんですよぉ...!駄目なのにぃ...!」
158: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 23:21:37.57 ID:OUugOO/u.net
 
真姫「どうして駄目なのぉ?」

海未「だ、だって...私たちは女同士で...私は貴女の給仕で...!」

海未(それに..."仇の娘"を愛してしまうなんて...!!)

真姫「...ふーん」

真姫「海未も...世間体なんてもの気にしてるのね」

真姫「まあ、しょうがないか...少し前までワタシもそうだったし」

真姫「でもね...ワタシは凛や花陽、希のお陰で気づいたのよ」

真姫「余計な事は考えないで自分の気持ちに素直になるのが一番、ってねぇ」

真姫「ワタシはアナタを愛してる...アナタはワタシを愛してる...」

真姫「それだけの事実で...もう十分じゃなぁい?」

海未「......!!」

真姫「さあ、海未」

真姫「アナタも...その余計な考えを...全て捨て去ってしまいなさい?」
161: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 23:36:32.32 ID:OUugOO/u.net
 
海未(わ、私は...お嬢様の事を...心から愛しています)

海未(でも、それは...『園田 海未』という人間として...許されない事)

海未(私は、貴女もろとも..."西木野"を壊そうとしていたのに...!!)

海未(このまま...お嬢様に身を委ねれば...全て捨ててしまえるのでしょうか)

海未(でも...それは...!)



海未「や、やっぱり...無理ですっ...!」

真姫「...そう」

真姫「まあいいわ、どちらにしろ...」

真姫「アナタはもうワタシから逃げられないんだから」グッ!

海未「きゃっ!?」ドサッ

海未(お嬢様に...お、押し倒されるなんて...!///)

海未(こんなの...いつもの私じゃないですぅっ...!///)
164: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 23:50:01.17 ID:OUugOO/u.net
 
真姫「...海未」

海未「...はぁ...はぁ...っ...!」

海未(胸が...苦しいです...っ!)

海未(こ、こんな気持ちになるの...初めて...!)

真姫「...今まで海未って格好いいって思ってたけど」

真姫「こうして見ると...むしろ可愛いわね?」

真姫「ワタシがすこーし乱暴にしたくらいで...こんなに大人しくなっちゃって」

真姫「もしかして海未ってぇ...そっちの気でもあるのかしらねぇ...?」

海未「ち、ちがっ...!」

海未「こ、こんなの...おかしいんですぅ...///」

真姫「認めちゃえばぁ?ワタシはそんなアナタも好きよぉ?」
165: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/18(水) 00:09:58.73 ID:/yRH9bof.net
 
海未(ここまで、お嬢様が私を愛してくれている...)

海未(お嬢様の言う通り...もう何も考えなくていいのでしょうか...)



真姫「ねえ、海未」

真姫「どうしてもアナタが考えを捨てきれないなら...」

真姫「ワタシが、全部忘れさせてアゲル」

海未「...ぉ、おじょう...さ...」

真姫「ん...」

海未「...!」

真姫「ん...ちゅっ...ちゅる...くちゅ」

海未「ん...んむっ...ちゅ...ちゅっ...」


真姫「ぷは...」

海未「ぁ...」トローン
167: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/18(水) 00:23:05.90 ID:/yRH9bof.net
 
海未「...っ!は、激しいですっ...!お嬢様っ...!」

真姫「あらぁ?海未はこういうのが好きだと思ったけどぉ?」

海未「こ、こういう事にはっ...じ、順序がっ...!」

真姫「んー海未らしいけどぉ...ツマンナイ主張ねぇ」

真姫「ワタシたち普通じゃないんだから、諦めなさい?」

真姫「それに...ようやく海未もソノ気になってくれたみたいだし」

海未「も、もう止めましょう...?もう持ちません...!」

真姫「だーめ。まだ足りないんだから」スッ

真姫「ワタシは...ずっとこの時を...待ち望んでたんだから」シュルッ...

海未(ぬ、脱がされ...///)

真姫「海未。ワタシから命令」


真姫「...『ワタシの"モノ"になりなさい』」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
187: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/18(水) 22:51:23.10 ID:/yRH9bof.net
 
 
 
   『わたし、おとなになったらおうたをつくるひとになりたいです!』

   『おー、そうかそうか。じゃあ海未、一番最初に作った歌はアタシに歌わせてくれないか?』

   『もちろんです!わたし、おねえさまのおうただいすきです!』

   『ハハ、嬉しいなぁ。楽しみにしてるからな、海未』

   『アタシも...頑張らないとな...』

   『海未の夢...せめて追うことができるように』

   『...?どうしたんですか、おねえさま?』

   『...あ、いや...何でもないんだ、海未』



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
188: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/18(水) 23:04:10.30 ID:/yRH9bof.net
 
 
 
   『お、おねえさま...ど、どうなって...!』

   『くっ...いつか仕掛けて来ると思ったが...』

   『まさか親父とお袋が留守にしてる時に...!』

   『くっそ...アタシにもっと力があれば...』

   『おねえさま...ひどいけが...!』

   『アタシはいいんだ...それより...ここはもう危ない』

   『逃げろ...海未!追っ手はアタシがどうにかする!』

   『い、いやですっ!』

   『わたしだって"園田"のこなんですっ!逃げるなんて...』

   『それにおねえさまが...!』
 
 
189: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/18(水) 23:16:43.98 ID:/yRH9bof.net
 
 
 
   『...お前じゃ足手まといだ』

   『...ぇ...』

   『確かに海未は強い...きっとアタシよりもずっと』

   『でもな...子供じゃ大人には絶対勝てないんだよ』

   『それに、"園田"はもうダメだ...多分親父とお袋も向こうで襲われてる』

   『そ、んな...』

   『ここから逃げろ。そして"南"を頼れ』

   『こ、ことりのところを...ですか?』

   『あそこなら、海未を助けてくれる』

   『...海未』
 
 
190: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/18(水) 23:19:29.81 ID:/yRH9bof.net
 
 
 
   『アンタには...こんな汚い世界は似合わない』

   『海未...アンタだけには、普通の女の子として生きて欲しいんだ』

   『"家"の事なら...アタシが引き受けられる』

   『作詞家になりたいんだろ?立派な夢じゃないか』

   『"家"の事に気を遣って、自分から音楽を遠ざけてるのも知ってる』

   『だから...アンタは"園田"の人間じゃなくて、いいんだ』


   『おねえさまは...わたしのことがいらないんですか...?』

   
   『...ッ!』
 
 
191: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/18(水) 23:26:05.01 ID:/yRH9bof.net
 
 
 
   『ああ、そうだ...』

   『アンタみたいな足手まといは..."園田"に必要ない!!』

   『......!!』

   『ここから逃げろ!絶対に生き延びろ!』

   『無様に地面に這いつくばってでも!』

   『いくら他人に見下されようとも!』

   『生きて...お前の夢を叶えろよ!!』

   『いやですっ...いやですっ...おねえさまっ...』



『ここから出て行けェェェェェェッ!!!海未ィィィィィィッ!!!!!』
 
 
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
193: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/18(水) 23:39:57.83 ID:/yRH9bof.net
 
海未「嫌ですぅぅぅぅぅぅっ!!」ガバッ

海未「...はっ!...夢、ですか...」

海未「それにしては...やけに鮮明でしたが...」

海未「...って」


真姫「...ん...ぅみぃ...」


海未「な、な、な......!!///」カァァァァァァ

海未「何故私の隣で一糸纏わぬ姿のお嬢様が幸せそうな寝息を立てているんですかぁっ!?」

海未「...と言うか私も裸でしたぁぁぁっ!!」

海未「な、なんか紅い跡もちらほら付いてますし...」

海未「何故...何故......あ...」

海未「私は...お嬢様の"モノ"にされてしまったのでしたね...」
194: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/19(木) 00:16:40.77 ID:WH6RjmVG.net
 
海未「結局、お嬢様に押されたまま...一線を超えてしまったという事ですね...」

海未「いえ...私も望んでいた事...」

海未「やっぱり、これ以上自分に嘘をつき続けられない...」


   『余計な事は考えないで自分の気持ちに素直になるのが一番、ってねぇ』


海未「それに...先程の夢...」

海未「"園田"が"西木野"に壊された日の事」

海未「今なら、分かります...お姉様」

海未「私に"園田"としてではなく..."海未"という一人の人間として生きて欲しかったから」

海未「だから...私にあんな事を言ったのですね...」

海未「今まで...誤解していてごめんなさい...」

海未「お姉様の願いは...復讐なんかじゃないのですよね?」
195: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/19(木) 00:31:29.53 ID:WH6RjmVG.net
 
海未「あの時...『足手まとい』と言われて」

海未「私の非力さが歯痒くて」

海未「復讐する為だけに生きていたようなものだった」

海未「そうして大切な物を見失っていたから...私の居場所は再び壊されてしまった」

海未「...お姉様。私はもう決めました」

海未「私は"海未"と言う一人の人間として...お嬢様の夢を叶えてみせます」

海未「私の復讐は...形を変えることになりそうです」

海未「...愛しています、お嬢様」

海未「これも、きっと...お嬢様が気付かせてくれた事なんですよ?」

海未「...可愛い寝顔ですね」ナデナデ...



真姫「ん...海未...」パチ...
207: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/02/19(木) 23:21:32.83 ID:RRMLsQ15.net
 
海未「おはようございます、お嬢様」ニコッ

真姫「おはよ...うみ...」ゴシゴシ

真姫「...あ...」チラ...

真姫「う、海未...えっと、私たち...」

海未「ええ...もう私は、身も心も...お嬢様の"モノ"ですよ?」

真姫「ぅう...///」カァァァァァ

真姫「その...私、あの時...人が変わっちゃったみたいになってて...」

真姫「う、海未にすごいことしちゃったんだけど...///」

海未「...そうですね...激しかったです...///」

真姫「えと...い、嫌だった...?」

海未「まさか!」
208: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/02/19(木) 23:48:50.25 ID:RRMLsQ15.net
 
海未「私は、ようやく自分が本当にやりたいことに気づけたんです」

海未「ずっと勘違いしていた大切な人の言葉の意味も理解できた...」

海未「全部、貴女のおかげなんですよ?」

海未「そんなお嬢様を、私は愛しています」

海未「私は、どんなお嬢様も...好きですよ?」

海未(流石に...強気なお嬢様に攻められて興奮した...なんて恥ずかしくて言えませんが...///)

真姫「そ、そう...ありがとう...海未...///」

真姫「少しおかしくなってたかもしれないけど...あの時海未に言った言葉は...本当だから」

真姫「私も、好きよ...海未」

海未「お嬢様...」


真姫「ん...」

海未「んっ...」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
211: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/02/20(金) 00:06:21.32 ID:zbGrCXlu.net
 
真姫「なんだか私、今曲のフレーズがたくさん浮かんでくるの」

真姫「この前は、海未が怪我してそれどころじゃなくなったけど...」

真姫「一緒に曲、作ってくれる?」

海未「勿論です!」

海未(お嬢様の夢...)

海未「あの、お嬢様...曲が出来たら...その曲に私が詞をつけたいのです」

海未(私の夢...)

真姫「海未が作詞をするの...?」

海未(二つの夢...きっと一つになれる)

海未「ええ、実は私...幼い頃から...作詞家になりたかったんです」

海未(ああ...これも"運命"と呼ぶべきものなのでしょうか...!)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
213: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/02/20(金) 00:29:08.80 ID:zbGrCXlu.net
 
 
海未(さて...もう覚悟は決まりました)

海未(復讐の為にここへ来て...お嬢様と出会い)

海未(そして、本当にやりたい事に気づいた)

海未(だから私は...お嬢様のやりたい事の手伝いをしたい)

海未(その為に...私はここからお嬢様を連れ出す)

海未(もちろん、お嬢様がここを出るのが嫌というのなら...私は潔く身を引く)

海未(だから、お母様...お嬢様がどちらを選ぶのか...)

海未(最後の大勝負です!)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
214: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/02/20(金) 00:41:05.22 ID:zbGrCXlu.net
 
真姫ママ「海未ちゃん...こんな夜中にここへ呼び出して...何か用?」

海未「......。」チャキ...

真姫ママ「あら...短刀なんて物騒なもの向けて...どういうつもりかしら」

海未「これは...宣戦布告です...ッ!」ビュッ!

真姫ママ「......。」ヒョイッ


ドスッ!


真姫ママ「...ふぅん。謀反でもしようって訳?」

海未「ええ、そうですとも...」

海未「"あの日"の事...ひと時も忘れたことはありません」

真姫ママ「くく...あっははははは!やっぱり私の思った通りね!」

真姫ママ「..."園田"の生き残りちゃん?」ニヤッ
215: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/02/20(金) 00:48:28.13 ID:zbGrCXlu.net
  
 
ガチャッ!


真姫「い、今の大きな物音は何...」

真姫「...ぇ...」

真姫「...何、してるの...?二人とも...?」



真姫ママ「あらあら...お姫様のご登場みたいね」

海未「お、お嬢様...!!」

真姫「海未...何で...ママにそんな物向けて...」

海未「それは...くっ...」

真姫ママ「それはね...海未ちゃんが"園田"の生き残りだからよ」

真姫「"園田"...!?」
216: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/02/20(金) 01:02:51.22 ID:zbGrCXlu.net
 
真姫「で、でも..."園田"って名家は...10年前に屋敷の火災で一族全員亡くなったって...」

海未「...ふぅ...表向きは、そうでしょうね」

海未「でも、その実は...主が留守にしているのを見計らった"西木野"が...」

海未「一族全員、滅ぼしつくしたのです!」

海未「この私だけを、残して...」

海未「いくら"こちら"が武家の流れを汲んでいようとも...互角以上の力を持っていただろうに...なんて卑怯な」

真姫ママ「相変わらず...クソ真面目よね、貴女たち」

真姫ママ「そんな考え方じゃ...この汚い世界をまとめる事なんかできないって...教えてあげたのよ」

真姫「な、なにが...どうなって...」

真姫「い...一家殺人なんて...警察に知られたら...!」

海未「その様子だと...貴女、お嬢様に何も教えていないようですね?」

真姫ママ「だって...その必要はないもの」

真姫ママ「"私たち"の代で...もう"覇者"は決まってしまったんだから」
218: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/02/20(金) 01:13:26.72 ID:zbGrCXlu.net
 
真姫ママ「でもまあ...こんな所を見られたんなら...仕方ないわね」

真姫ママ「ねえ真姫?この世の中を動かしているのって...誰だと思う?」

真姫「それは...政治家じゃ...」

海未「"表の認識"は...そうでしょうね」

海未「でも...政治家は"代理の代理"に過ぎないんです」

海未「この世界の政治は、ずっと..."名家"が裏で手を引いているんです」

海未「そして...より強い発言力を求めて...権力争いが繰り返されてきた」

海未「どこかがどこかを滅ぼし...それに報復する」

海未「"園田"と"西木野"の因縁も...その繰り返しの一つ」

海未「全く...何て汚い世界でしょうか」

海未「滅ぼしあい、憎しみあわずとも...皆で話し合い、協力すれば...こんな繰り返しも起こらないというのに」
219: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/02/20(金) 01:28:14.59 ID:zbGrCXlu.net
 
真姫ママ「クスクス..."園田"のだーい好きな王道論ね...反吐が出るわ」

真姫ママ「元来...人とは悪い生き物なのよ?」

真姫ママ「平等が成れば...必ず人以上の力を持つ事を望む者が出てくる」

真姫ママ「そうなれば、あっと言う間に混沌に逆戻り」

真姫ママ「それを止める事が出来るのは...ただ一つの"絶対者"だけ」

真姫ママ「結局、そんな理想論は幻想に過ぎないのよ」

真姫ママ「貴女たちの夢物語のせいで...どれだけ無駄な争いが起こったのよ」

海未「確かに、私たちの非力によっていくつもの"家"が...滅ぼしあいました」

海未「でも...それでも貴女たちのやり方は間違っている!」

海未「だから...お父様とお母様は強い力を持つ"家"を次々と滅ぼす貴女たちですら...許した」

海未「それなのにっ...!」
227: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/02/20(金) 21:15:43.10 ID:zbGrCXlu.net
 
海未「貴女は、私の大切な場所を...二度も壊した!」
 
真姫ママ「懲りないわね...貴女が無駄な事をしたせいで"南"にも手を下す羽目になったのに」

海未「...っく」

海未「...私が勝手に貴女たちに反発する発言をしたのは確かです」

海未「でも、貴女たちのやり方が間違っていると思っていたから...!」

真姫ママ「本当に分からず屋の馬鹿娘なのね」

真姫ママ「貴女みたいな存在が...私たちにとって一番迷惑なのよ...!」

真姫ママ「だから...いつもの"卑怯なやり方"で貴女を消させてもらう」パチン!


ザッ!ザザザザッ!


戦闘員たち「「「「「......。」」」」」

海未「...ッ!」チャキ...

真姫「や、やめて...!」
228: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/02/20(金) 21:19:27.51 ID:zbGrCXlu.net
 
ダッ

ブンッ!


海未「この程度...!」スカッ


シュバッ!


戦闘員A「ぐぅっ!か、体が...」バタッ

海未「この短刀には...痺れ薬が塗ってあります」

海未「貴方たちにも...黙っていてもらいます」ダッ!


スパッスパッスパッ!


戦闘員BCD「「「ぐあっ...」」」バタバタバタッ

海未「最後...!」シュッ

戦闘員E「...!消え...」

海未「後ろですよ...」サシュッ

戦闘員E「く...が...」バタッ
229: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/02/20(金) 21:25:18.77 ID:zbGrCXlu.net
 
真姫「嘘...男5人を一瞬で...!」

真姫ママ「...フフ」

海未「こんな雑魚ばかりを寄越して...私を馬鹿にしているのですか」ギロッ

真姫ママ「その逆よ、ウチの戦闘員じゃ絶対に誰も貴女には勝てないもの」

真姫ママ「無駄に戦力は消耗したくないわ」

真姫ママ「もっとも...貴女には絶対に人殺しなんて出来ない」

真姫ママ「その証拠に、無力化させるだけの筈なのに腕や脚ばかり切りつけている」

真姫ママ「致命傷を極力与える可能性が無いように、ね」

真姫ママ「貴女には絶対に復讐なんて出来やしないのよ」

真姫ママ「本当の貴女は...」

真姫ママ「ただの心優しい一人の少女なのよ」

海未「うるさいです...知ったかのように!」

真姫ママ「ええ知っているわ..."園田"の事は何でも、ね」
230: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/02/20(金) 21:28:49.06 ID:zbGrCXlu.net
 
海未「...ふふっ」

海未「じゃあ...貴女は"今の私"の事は何も知らないと言う訳ですね」ニヤッ

真姫ママ「...どう言う事よ」

海未「それは...こう言う事です!」ギュ

真姫「な!?う、海未!?///」

海未「"園田 海未"という人間は、死にました」

海未「今ここに居るのはただの"海未"という人間です」

海未「今の私には...復讐なんてもうどうだっていいんです」

海未「お嬢様...いえ、真姫のおかげで...大切な人の願いに気づけたから」

海未「私の願いは、ここから真姫を連れ出し夢を共に追う事」

海未「復讐は...貴女の最も大切な物を奪う事によって代えさせて頂きます」
231: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/02/20(金) 21:39:48.93 ID:zbGrCXlu.net
 
海未「勿論、ここは真姫にとって非常に大切な場所です」
 
海未「真姫がここを離れたくないのなら...私は身を引きます」

海未「真姫がどちらを選択するか...それが私たちの最後の勝負」

真姫「わ、私が...どちらを選ぶか...!」

真姫ママ「...!」

真姫ママ「こんなの...想定外よ」

真姫ママ「私が想定していた"勝負"は...真姫が私か貴女、どちらに味方するかだったのに」

真姫ママ「真姫が選ぶ物は..."家"と"夢"だったのね」

海未「真姫...辛い選択を強いてしまってすみません」

海未「でも...これが最後のけじめなのです」

海未「私はもう...今までの"園田 海未"とは決別すると決めました」

海未「最後は...ここを捨てて貴女の夢を追う道か」

海未「夢を諦めて貴女の大切な場所を守る道か」

海未「真姫...貴女が本当に進みたい道を、選んで欲しいのです」
232: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/02/20(金) 21:45:51.44 ID:zbGrCXlu.net
 
真姫「う、海未...」

真姫「なんだか、一度に色々な事聞かされて...正直意味分かんないんだけど...」

真姫「逃げても...何も変わらないのよね...!」

真姫「ピアニストには...小さい頃からずっと憧れてた」

真姫「色々衝撃的な事を知らされたけど...それでも"西木野"は大切な場所」

真姫「私は」

真姫「私は...!」



1 "家"を選ぶ   2 "夢"を選ぶ


>>233
233: 名無しで叶える物語(しまむら)@\(^o^)/ 2015/02/20(金) 21:47:00.33 ID:iPxExm/s.net
2
236: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/02/20(金) 22:01:29.00 ID:zbGrCXlu.net
 
真姫「私は..."夢"を選ぶ」



真姫ママ「...!」

海未「真姫...!」

真姫「やっぱり...諦められないの!」

真姫「ピアニストの夢...海未と一緒に叶えたいのっ!」

真姫ママ「そう...私の負け、なのね」

真姫ママ「いつの間にか...私の子はこんなに成長していたのね...」

真姫ママ「今の決意を固めた表情...素敵よ、真姫」ポロ...

海未「...お母様」

海未「貴女の事は、本当に殺してやりたい程...憎かった」

海未「でも...私が変わる切っ掛け...私をここへ招いたのは、貴女です」

海未「ここで暮らす間に、私にたくさんの優しさをくれたのも...貴女です」
238: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/02/20(金) 22:13:33.14 ID:zbGrCXlu.net
 
海未「貴女は先程、私に『ただの心優しい一人の少女』といいましたよね?」

海未「...あの時のミルクティー」

海未「おそらく貴女は最初から私の正体に気づいていたでしょう」

海未「毒でも盛ってやれば...この"勝負"さえ起こらなかった」

海未「不必要な争いを極度に嫌う貴女が...それをしなかった」

真姫ママ「まさかその危険性に気づいていながら...それを飲んだの?」

海未「貴女と同じように...私は"西木野"の事は何でも知っている、という事です」

海未「そして、強力な"名家"を次々に潰していたのは...貴女たちの代で権力争いを終わらせる為」

海未「真姫の将来を縛る罪悪感から...せめて手だけは穢させないように、でしょう?」

真姫「えっ...!」

真姫ママ「...そう。見透かしていたつもりが...スケスケに見透かされていたのは私の方だったのね」

真姫「ママ...」
242: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/02/20(金) 22:24:27.77 ID:zbGrCXlu.net
 
海未「貴女も...結局『ただの娘を愛する一人の母親』だったのですよ...」

真姫ママ「フフ...」

真姫ママ「...あーあ!完膚無きまでにやられちゃったわね!」

真姫ママ「これも...今までの行いの報いかしら...」

海未「少なくとも、そんな晴れやかな表情で言う言葉ではありませんね」

真姫「ごめんなさい...ママ」

真姫「でも私...もう決めたから!」

真姫ママ「ええ...行きなさい、真姫」

真姫ママ「そして...二人で夢、叶えてきて」

真姫ママ「これも..."運命"なのかしら」

海未「さあ、どうでしょうね...」
244: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/02/20(金) 22:34:04.31 ID:zbGrCXlu.net
 
海未「でも...今の私を動かしているのは..."運命"ではなくて"愛"です」

真姫ママ「まあ、お熱いことで」

真姫「ま、真顔で恥ずかしい事言わないでよ...///」



海未「お母様...今までお世話になりました」

海未「ミルクティー、とても美味しかったです」

真姫「ママ...今までありがとう」

真姫「勝手にここを出ていくからには...絶対夢を叶えてみせるから」

真姫ママ「ええ...今の貴女たちなら、きっと出来るわ」

海未「...真姫」ギュ

真姫「...ええ」ギュ



うみまき「行ってきます!」




真姫ママ「ええ...頑張って」ヒラヒラ


「ふん、やはり...最後はこうなるのだな」
246: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/02/20(金) 22:51:11.12 ID:zbGrCXlu.net
 
真姫ママ「あ、あなた...」

真姫パパ「ふん...」

真姫パパ「真姫の夢を奪ったのは、私だと園田君に言った時...彼女が言った事だ」


   『...そんな事はないと思います』

   『お父様も、お嬢様の事を深く愛している』

   『今の貴方の表情を見れば...分かります』

   『きっと、やり方を間違えてしまっただけ...』

   『これも...運命なんです』


真姫パパ「それを聞いた時...この子なら、私たちの代わりに真姫の夢を叶えてやれるんじゃないかと思ったのだ」

真姫パパ「人の気持ちを汲み取る才能とでも言うべきか...」

真姫パパ「この子なら真姫、ひいてはお前の本当の願いを汲み取って...叶えてくれるのでは、とな」

真姫パパ「本当は...お前も真姫に夢を追っていて欲しかったのだろう?」
247: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/02/20(金) 22:59:47.01 ID:zbGrCXlu.net
 
真姫ママ「そんな...図々しいわよ...あの子の将来を縛っている立場なのに」

真姫パパ「ふん...そうだな...」

真姫パパ「本当に...やるせない立場だ」

真姫パパ「だが...真姫がここから旅立ってしまったというのに...」

真姫パパ「なぜだか...とても気分がいい...」

真姫ママ「一番、真姫に夢を追って欲しいと願っていたのはあなただったから...じゃないかしら」

真姫パパ「...そうかもしれないな」

真姫パパ「これも"運命"か...」

真姫ママ「......。」



真姫ママ「いいえ..."愛"ゆえに、よ...」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
248: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/02/20(金) 23:14:39.12 ID:zbGrCXlu.net
 
―数年後


真姫「一週間後、いよいよ...本番ね」

海未「未だ新人である私たちが合同コンサートに出演出来るなんて...奇跡でしょうか」

真姫「...もう。奇跡なんて言っちゃったらまるで私たちが実力無いみたいじゃない」

真姫「私たちがちゃんと実力を認められたから、お呼びが掛かったのよ」

海未「それなら...真姫のピアノの腕前のおかげですね」

真姫「...違うわ。貴女の歌声も、よ」

真姫「言ったでしょう。『私たちは二人で一つ』だって」

真姫「私たち二人の実力が認められたから、なのよ」

海未「そうでしたね...すみません」

真姫「分かればいいの」
250: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/02/20(金) 23:23:59.60 ID:zbGrCXlu.net
 
海未「しかし、成り行きで私が歌う事になるとは...」

真姫「海未の歌声が想像以上に綺麗だったからよ」

海未「それなら...お姉様譲り、でしょうか」

真姫「ふん...海未ってほんとにシスコンよね」プクー

海未「もう...お姉様に焼きもちを焼かないで下さいよ」

真姫「...許して欲しいなら何か"お詫び"をしなさいよ」ツーン

海未「分かりましたよ...」チュッ

海未「...私が愛しているのは...真姫、貴女だけです」ササヤキ

真姫「...ワタシも...愛してるわ」

真姫「ねえ、海未?」

真姫「今日も...アナタを食べちゃっていいかしら?」ペロッ

海未「...はい」

海未「私は、貴女だけの"モノ"ですから...」
252: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/02/20(金) 23:40:37.92 ID:zbGrCXlu.net
 
― 一週間後、コンサート会場控室


スタッフ「それでは、三森さん、堀さんスタンバイお願いします」

うみまき「はい!」

海未「いよいよですね...」ドキドキドキ...

真姫「海未、緊張しすぎよ...」ガチガチガチ...

海未「貴女だって緊張してるじゃないですか...」ドキドキドキドキ

真姫「そりゃ初本番なんだから緊張するに決まってるじゃない...!」ガチガチガチガチ

海未「...そうだ」

海未「それじゃあ、こうしましょうか」ギュ

真姫「あ...なんだかほぐれてきたかも」ギュ...

海未「...よしっ!行きましょうか!」パンッ

真姫「ええ!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
253: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/02/20(金) 23:54:56.46 ID:zbGrCXlu.net
 
―コンサート会場


司会「以上、三森海未、堀真姫によるピアノ&ボーカルでした」


パチパチパチ...


真姫ママ「...フフ」パチパチ...

真姫ママ(もう、"名家"が世の中を動かす時代は終わり)

真姫ママ(これからの時代は)

真姫ママ(きっと、あんな...若者たちが自らの手で世の中を切り開いていく時代)

真姫ママ(あの子たちを見ていると...そんな気がするわ)

真姫ママ(でも、まずは...)


真姫ママ「...おめでとう。真姫、そして海未ちゃん」


~Side "dream" END~
271: (>>232より分岐)(筆)@\(^o^)/ 2015/02/22(日) 00:10:27.15 ID:dUeaNqDa.net
 
真姫「私は..."家"を選ぶ」



真姫ママ「......。」

海未「っ...」パッ...

真姫「ごめんなさい...海未」

真姫「でも、やっぱり私...ここを離れるのは...嫌」

真姫「私には...ここが大切なの!」

真姫「まだ凛、花陽...そして東條先輩にもお礼...言ってないし」

真姫「それに、私が抱えてる使命...それを放り出すなんて...出来ない!」

真姫ママ「真姫...」

真姫ママ「ごめんなさい...貴女に重い荷を負わせる事しか...出来なくて」

海未「それは違います」

真姫ママ「海未ちゃん...?」
272: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/22(日) 00:23:32.44 ID:dUeaNqDa.net
 
海未「貴女が対抗勢力を完膚なきまでに潰していたのは...他でもない」

海未「跡を継ぐ真姫が、せめて手を穢す必要が無いように...でしょう?」

海未「"園田"だって、真姫への贖罪とも言える事に対する犠牲の一つだったんですよね?」

真姫ママ「貴女に私たちの何が分かるのよ?」

海未「ええ分かりますとも...何故なら貴女と同じように私は」

海未「"西木野"の事なら何でも知っていますから」

海未「...ミルクティー」

海未「私が"園田"である事は分かっていたでしょうし...あれで私を殺せた筈です」

海未「毒でも盛って...ね」

海未「私の事を"家族"と言った手前...自分から殺せなくなってしまったのでしょう?」

海未「私に言わせれば...貴女こそ『ただの優しい一人の母親』なんですよ」

真姫ママ「...そう」
273: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/22(日) 00:35:40.53 ID:dUeaNqDa.net
 
真姫「ママがそこまでの思いを持って守ってきたこの場所だもの」

真姫「今度は私がここを守りたい」

真姫「海未の所や、潰された他の"名家"たちの分も...私が頑張らなくちゃいけない」

真姫「それが..."絶対者"の義務」

真姫「そうなんでしょう...ママ?」

真姫ママ「真姫...そこまで...!」

真姫「...海未」

海未「......。」

海未「敗者に権利など...ありません」

海未「私は...ここを去ります」

海未「真姫、お母様...短い間でしたが...お世話になりました」

海未「仇の家とはいえ...ここで過ごした時間、幸せでした」



真姫「...待ちなさいよ」
274: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/22(日) 00:50:13.47 ID:dUeaNqDa.net
 
海未「...!」ゾワッ

海未(あの眼は...!)

真姫「アナタ...あれだけ暴れて置いてのうのうと逃げる気?」

真姫「それに...言ったわよねぇ?」

真姫「『アナタはもうワタシから逃げられない』...ってね?」

海未「あっ...!」

真姫ママ「真姫...」

真姫「ワタシの心を奪っておいて...絶対逃がさないんだから」

海未「でも私は...貴女たちの敵なんですよ!?」

真姫「それがどうしたって言うの?」

真姫「アナタ一人だけの"園田"なんて懸念にすらなりはしない」
284: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/22(日) 23:40:33.00 ID:dUeaNqDa.net
 
真姫「それに...『皆で話し合い、協力すれば~』なんて甘々な王道論掲げた癖に」

真姫「アナタは私たちの敵だから、って言って協力する気が無いのね」

真姫「"園田 海未"と一緒に"園田"の思想まで捨てちゃった?」

海未「...くっ...ぅ...」

真姫ママ「ま、真姫...そのくらいに...!」

真姫「......。」フゥ...

真姫「だから...貴女も"西木野"になりなさいよ」

海未「ぇ...!」

真姫「我儘かもしれないけど...」

真姫「私には貴女が必要なのっ...!」

海未「ま、真姫...!」
285: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/22(日) 23:59:16.05 ID:dUeaNqDa.net
 
真姫「もう..."園田 海未"としての自分は捨てるんでしょう...?」

真姫「確かに、ウチは貴女の家に酷い事をした」

真姫「本当はまだ許せていないかもしれない」

真姫「...でも」

真姫「私じゃ、理由になれないの...?」

海未「その言い方は...ズルいですよ...」

海未「私も...貴女から離れたくなんてありません...!」

真姫「...ママ」

真姫「海未は...こう言ってるけど?」

真姫「ママはどう思うの?」

真姫「"敵"だった海未を、ここに迎える...」

真姫「それに賛成するか...反対するかどうか」
287: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/23(月) 00:21:05.04 ID:ymIS3cIL.net
 
真姫ママ「...そうね」

真姫ママ「海未ちゃんの事...最初から"園田"だって知ってた上で招き入れたけど」

真姫ママ「一緒に暮らしていくうちに...まるで貴女も私の娘のように思えてしまったのよね」

真姫ママ「残党狩り紛いの事をしようとしていたにも関わらず...ね」

真姫ママ「正直なところ...私も貴女にはここから離れて欲しくないのよ」

真姫ママ「ミルクティーの事も...貴女を殺す事に戸惑いを覚えてしまったから」

海未「お母様...!」

真姫ママ「貴女の家族を殺した身...こんな事を言う資格はないのかも知れないけど」

真姫ママ「...お願い...ウチの人間になってくれないかしら...っ!」

真姫「...こう言ってるけど?海未」

海未「...」
288: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/23(月) 00:33:34.23 ID:ymIS3cIL.net
 
海未「私も...ここに残りたいです」

海未「でも私は...最初から復讐の事を考えてここに来て」

海未「ずっと...真姫の事を騙し続けていた人間なのですよ」

海未「貴女たちと一緒にいる資格なんて、ありません...」

真姫ママ「ずっと騙してたのは...私も同じよ」

真姫「別に資格なんて、私たちは求めてないわ」

真姫「変な所で...融通効かないんだから」

真姫「素直になりなさいよ...海未」

海未「真姫...お母様...」

海未「私を...ここの人間にしてください!お願いしますっ!」ガバッ

真姫「ええ...もちろんよ」

真姫ママ「ありがとう...海未ちゃん...」
294: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/23(月) 23:07:46.27 ID:ymIS3cIL.net
海未「ありがとうございます...ありがとうございますっ...!」ポロポロ...

海未「私は...三度も大切な場所を失う所でした...!」

真姫「もう...馬鹿ね...」ナデナデ...

真姫ママ「ハァ...まさか"残党狩り"の結果が」

真姫ママ「"娘"が一人増えた事とはね...」

真姫ママ「海未ちゃん...こんな私を許してくれて...ありがとう」

真姫ママ「罪滅ぼしにはならないかも知れないけど...よろしくね?」

海未「はい...こちらこそ、よろしくお願いします...!」



真姫ママ(ホント...想定外の事ばっかりだったわね)

真姫ママ(でも...一番想定外だったのは)

真姫ママ(真姫と海未ちゃんが"ああ言う関係"になっちゃった事、ね...)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
295: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/23(月) 23:21:36.21 ID:ymIS3cIL.net
 
―数年後、西木野邸


真姫「近年の不況に対する経済対策、ねえ...」

海未「はい...特に今年は雇用数が戦後最悪、平均株価も下落を続けています」

真姫「状況は最悪、と言っても間違いないわね...」

真姫「海未、貴女だったらどうする?」

海未「そうですね...まず、雇用の改善を急ぐべきかと思います」

海未「今や世間は『就職氷河期』と呼ばれるほどの雇用状態」

海未「収入の減少は即ち消費の減少ですから...このままでは景気の落ち込みは留まる事を知らないでしょう」

真姫「...うん、大体同じ事を考えていたわ」

真姫「雇用対策の費用を捻出しなければいけないわね...」

真姫「予算案の資料をお願い出来る?」

海未「お安い御用です」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
296: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/23(月) 23:31:30.30 ID:ymIS3cIL.net
 
真姫「ふぅ...疲れるわ...」ドサッ

海未「ふふ...お疲れ様です、真姫」コトッ

真姫「あ、ミルクティー...ありがとう」

真姫「ママのも好きだけど...やっぱり私は海未のミルクティーが一番だわ」

海未「それは光栄です」

真姫「しっかし、未だに慣れないものね...」

海未「仕方ないですよ、今や"西木野"は日本の経済の頂点に居るのですから」

海未「こういった権力ある座にたった人間は...往々にして驕る者が多いのですが」

海未「しっかりと治政を行っているのですから、真姫は十分に立派に使命を果たせていますよ」

真姫「それ程でもないわよ...貴女のサポートがあってこそよ」

海未「もう...真姫、いいですか?」
297: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/23(月) 23:37:25.66 ID:ymIS3cIL.net
 
海未「『何かいい事があったら私たち二人のおかげ』」

海未「貴女に言われた事ですよ?」

真姫「あっ...」

海未「私たちは...二人で一つなんですから」

海未「高い壁も、二人で乗り越える」

海未「そう、決めたでしょう?」

真姫「そうだったわね...ごめんなさい、つい」

海未「分かればいいんですよ...ふふ」

真姫「そう...ずっと二人で、ね...」

真姫「ありがとう、愛してるわ...海未」

海未「私も、愛しています...真姫...ずっと」

真姫「ん...」

海未「んぅ...」
298: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/23(月) 23:47:24.65 ID:ymIS3cIL.net
 
真姫「...な、なんだか...照れくさいわね...///」

海未「そ、そうですね...こればっかりは慣れる気がしません...///」

真姫「...あー、忙しくて疎遠になっちゃってるけど凛たちはどうしてるかしら」

海未「誤魔化しですか?」

真姫「あーもううるさいわね..."アレ"の主導権はずっと奪われてるくせに」

海未「そうですね...凛が『学校の先生になる!』と言って大学受験の勉強を始めたのには驚きましたが...」メソラシ

真姫(貴女も誤魔化したじゃない...)

真姫「まあ凛の事だし...案外うまくやってるのかも知れないわね」

海未「そうですね...花陽は、栄養士の資格を取るそうですね」

真姫「まあ好きこそ物の上手なれって言うし...花陽は心配ないでしょう」

海未「問題は、希ですよね...」

海未「『世界のスピリチュアルスポットを巡るんや!』と言って姿を消しましたが...」

真姫「あの人が何を考えてるか分からないのは最初からだし...」
301: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/24(火) 00:03:04.63 ID:hs7Qjl3l.net
 
真姫「思えば、あの三人が居なかったら...今こうして二人で使命を果たせてないのよね...」

海未「それどころか...私はあのままここを出ていったでしょう」

海未「最悪のパターンを考えるなら...そのまま"復讐"を実行に移して返り討ちを食らっていた...」

海未「考えただけでゾッとします」

真姫「三人は私たちの恩人ね...」

海未「そうですね...」

海未「...三人に私たちの事を報告した時を思い出します」

真姫「花陽が、感激の余り泣き出しちゃったのよね」

海未「凛には『式はいつ上げるのかにゃ!?』と茶化されましたし」

海未「...茶化したんですよね?」

真姫「た、多分...それにしては真剣な顔だったけど...」

真姫「希には...また"プレゼント"を貰ったんだけど」

海未「"アレ"は...凄かったですね...」
302: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/24(火) 00:12:20.97 ID:hs7Qjl3l.net
 
真姫「またいつか...会えるといいけどね...」

海未「集めればいいじゃないですか」

真姫「そう言えば...そうね」

海未「凛と花陽は喜んで飛んできてくれますよ...希はともかく」

真姫「まあ、連絡つかない訳じゃないし...」

海未「でも、その前に」

海未「まだ仕事、たくさんあるんですから」

真姫「よし!凛たちと会うためにも頑張らないとね!」

海未「ええ!」



海未(お姉様...貴女の願いは、結局果たせませんでした)

海未(でも...これだけは言わせてください)

海未(私は今...幸せです!)


~Side "home" END~
303: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015/02/24(火) 00:14:15.42 ID:hs7Qjl3l.net
(これで本当に終わり)

(ここまで読んでレスしてくれた皆ありがとう)

(女王さ真姫ちゃんの下僕増えろ)
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