海未「パチンコ?」

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海未-アイキャッチ8
1: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/23(水) 15:29:18.08 ID:8i3ePIaX.net
真姫「今度ママの会社のグループが秋葉原に新しい店を出す事になったの」

穂乃果「すごーい!何屋さん?」
凛「ラーメン屋かにゃー?」

真姫「ホールよ、ホール」

花陽「もしかしてライブとか出来るコンサートホール?」

真姫「違うわパチンコ屋よ、そこでオープン記念に皆を誘おうと思って…」

希「でも私達まだ高校生やん?」
絵里「それにギャンブルなんて絶対ダメだわ!」

ガラガラ
穂乃果「あっ、海未ちゃんにことりちゃん!」
ことり「ごめーん遅くなって」
海未「それで急に集まって何なのですか?」

凛「真姫ちゃんがパチンコ連れて行くって言ってるにゃー」

元スレ: 海未「パチンコ?」

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2: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/23(水) 15:31:22.40 ID:8i3ePIaX.net
海未「パ、パチンコですか!?」

真姫「確かにまだ高校生だけどママが特別に一日貸し切ってくれるみたいで、それに軍資金もウチが出すから心配ないわ」

ことり「わ~面白そう♪、それなら安心だね、ホノカチャン」
穂乃果「そうだね!じゃー今度の日曜日みんな集合ね」

海未「ちょっと!?穂乃果…仕方ありませんね」

ガラガラー
にこ「ハァハァ…ちょっとどーいう事よ!?」
花陽「実はカクカクシカジカー」
にこ「えっ!じゃあ軍資金は出してくれるし、もし勝ったらその分景品はくれるって事!?」

真姫「ま、そういうことね」
にこ「よーし頑張るニコー!」

絵里「まぁ久々に息抜きもいいでしょう」
希「エリチ嵌まったらアカンよ」
絵里「大丈夫よ」

海未「大丈夫でしょうか…」
3: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/23(水) 15:32:25.88 ID:8i3ePIaX.net
~パーラーNISHIKINO~

真姫「着いたわ」

穂乃果「すごーい!まるで遊園地!」
ことり「楽しみー♪」
海未「…」

にこ「さー今日はラブニコ連チャンを見せてやるわ!」
希「にこっち気合い入ってるやん」
にこ「にこはー、やっぱ大きく当てたいから確変率80%の北斗打とうかなー、でも牙狼も捨てがたいなー」

海未「ダメですよ、いくら軍資金があると言っても限られてます、ここはあまりお金を使わない甘デジや1パチがいいかと…」

ことり「すごい!海未ちゃん何で詳しいの?」
海未「あなた達がハメを外さないよう昨晩調べてきました」
穂乃果「海未ちゃんさすがー!」

希「ウチらはスロット行こうか?」
花陽「私はジャグラーにしようかな…」
凛「凛はかよちんのとーなり!」

絵里「じゃあお昼に休憩所に集合で今から自由時間にしましょう」
4: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/23(水) 15:34:24.39 ID:8i3ePIaX.net
穂乃果「とりあえずパチンコはなかなか当たらないみたいだからスロットにしよう!」

ことり「ホノカチャン、これがいい!」
海未「北斗の拳 転生の章ですね、ゲーム数解除のATで出玉を増やすタイプですね」

穂乃果「じゃー初めよう!」


~のぞりんぱな~

凛「またペカったにゃー!」
花陽「マタ ペカッチャッタノォ!」

希「ペカる=光る、つまり当たったって事やね。因みにりんぱなが打ってるジャグラーは完全告知式で初心者にうってつけなんよ」


~えりにこまき~

にこ「赤保留ーーーー!!ついに投資20kでにこにーチャンス来たわ!」
絵里「それはいいの?」
真姫「そうね、北斗覇者なら展開にもよるけど大体4-5割は大当たりに絡むわ」

にこ「でシン疑似?!せめて3まで、行かないー!タイトルは?麒麟で!最悪でも赤で
白!なんなのよー!イヤCUは?壊滅ーっ!CI緑ー終わったー!!」

真姫「ダメだったみたいね」
絵里「ハラショー…」
5: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/23(水) 15:35:30.32 ID:8i3ePIaX.net
~ことほのうみ~

穂乃果「わーい!いっぱい出たよ!」
ことり「連チャンすると楽しいね、私はトントンかな♪」

海未「シン、シン、サウザーまたシンですか!これだけハマって単発…」

穂乃果「海未ちゃんダメだねー」
ことり「そろそろお昼だしヤメようよ」
海未「そうですね…」


~えりにこまき~

にこ「やったわー!やっと連チャンして10箱あるにこ!(これで妹達にご馳走出きるわ…)」

真姫「良かったじゃない」
絵里「流石にこね、そろそろお昼だし換金しましょう」

にこ「もう少しよ!あんた達先行ってなさい!」

真姫「あまり欲出すのはよくないわよ」
絵里「そうよ、じゃ先に行くから程々にしなさいよ」


~のぞりんぱな~

花陽「またバケだよダレカタスケテー」
凛「かよちんの負けは凛と折半するにゃー」
希「どうやら負けないで済みそうやね」
6: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/23(水) 15:37:00.80 ID:8i3ePIaX.net
~お昼~

絵里「皆どうだった?」
希「ウチらは皆合わせて勝ちや、エリチ達は?」

真姫「私と絵里は打ってないんだけど…」

にこ「ぐぬぬぬぬ…」
絵里「全部飲まれたらしいわ」

にこ「♪~MAIL『from:こころあ お姉ちゃん今日は焼肉って本当!?』」
(こころ、ここあゴメンね、また明日からもやしだわ…)

凛「穂乃果ちゃん達は?」

穂乃果「私とことりちゃんは勝ったんだけど、海未ちゃんが…」
ことり「私は途中で止めたんだけど…」

花陽「ゼンブツカッチャッタノォー!?」
海未「…」

絵里「まぁ、全員合わせてちょいプラスだしこれで新しい衣装の足しにでもしましょう」

海未「悔しいです…」

穂乃果 「えっ!?海未ちゃん何か言った?」
海未「いえ、何でもないです…」

真姫「じゃあそろそろ帰るわよ」
7: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/23(水) 15:38:58.14 ID:8i3ePIaX.net
~3日後~

1、2、3、4!1、2、3、4! ハイ!
海未「ほら!皆ステップが甘いですよ!」

穂乃果「海未ちゃん最近気合い入ってるね!」
ことり「うん、なんだか楽しそう♪」

海未「はい休憩にします、あと今日は皆に新しい曲に歌詞と振り付けを考えてきました」

絵里「10曲も!?いつものペースに比べさ凄いわ!」

海未「いえいえ曲のストックは元々たくさんありましたし、それと最近はよくインスピレーションが沸いてくるので…」

凛「すごいにゃ~」
花陽「ム、ムリシナイデネ」

海未「あとこれはファンの方々の融資ですが制作費用を貰えたので新曲のPVも作りましょう!」

真姫「凄いじゃない、で誰から?」
海未「それは…その方から名前は伏せる様にと言われてまして…」

希「まぁラッキーやん、じゃあPVの方も来週からとりかかろ」
穂乃果「よーし頑張るぞー!」
9: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/23(水) 15:41:13.23 ID:8i3ePIaX.net
~翌週~

キーンコーンカーン♪

穂乃果「海未ちゃん今日も弓道部の用事?」
海未「そうですが…ちょっと急いでますので」

ことり「PV制作費の事なんだけどあと半分の納期が来てて…持ってきて欲しいんだけど…」
海未「ことりは私を疑ってるのですか!?ちゃんと預かった分はもうすぐ振り込まれる予定です!じゃあ急いでるんで!」

穂乃果「海未ちゃんなんか変だよね?」
ことり「この前みんなでパチンコ屋さん行ってから浮き沈み激しいって言うか…最近気性が荒くなったみたいで…」


ヒデコ「おーい穂乃果ちゃーん」
穂乃果「どうしたの?」
フミコ「ミカがこないだ夜遅く秋葉原で園田さん見たって…」

ミカ「夜11時だったんだけどコンビニの帰りにパチンコ屋さんから出てくるのを見て…」
穂乃果「えっ!?」

フミコ「確か部活が忙しいって言ってたよね?」
ヒデコ「それで気になって弓道部のコに聞いてみたらμ's再始動してからはずっと来てないって…」

ことり「…なんで!?なんでなの?」
穂乃果「疑うのはまだ早いよ、取り合えず絵里ちゃんに相談しよう!」
15: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/23(水) 16:32:49.31 ID:8i3ePIaX.net
~皆でパチンコ屋行った日の夜~

海未「しかし勉強して行ったのにあれだけのお金が一瞬で無くなるとは…悔しいです!」

「穂乃果や凛は知識も無いのにあれだけ勝って…裏を返せば大金を取り返す事も出来るはず!」

「今月分のお小遣いは残ってるので明日の練習後に勝負行きましょう!」


翌日の練習後、海未は素早く駅のトイレでいつもより大人びた私服とサングラスに着替えると再びあのパチンコ屋へ向かった


結果、たった5000円がわずか二時間半で80000円となって返ってきた

日舞の家元に生まれ、礼儀正しく育った海未にとって全てが新鮮だった
後ろに積まれていくドル箱に歓喜し、けたたましく鳴り響き光る盤面に恍惚し、ハンドルを握る手にかつて得た事の無い快楽を感じていた
27: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/23(水) 19:22:50.76 ID:8i3ePIaX.net
\前回のパチライブ!/
デン♪
真姫ちゃんのお誘いで始めてパチンコ屋に行った私達μ'sのメンバー

「またペカったにゃー!」
「わーい!いっぱい出たよ!」
「ぐぬぬぬぬ…」

皆それなり楽しんで良い休日だったんだけど

「これだけハマって単発…」
「悔しいです!大金を取り返す事も出来るはず!」

海未ちゃんの様子がなんだかおかしいの!



海未「こんな簡単に儲けられるとは、とても穂乃果や真面目にバイトしてることりには言えません…もう辞めにしましょう!」

わずか二時間半で大勝ちし前回の失態を取り戻し、いい気分の海未は翌日も翌々日も連勝し25万の大金を手にしていた

「でも折角ですからこれはファンに頂いた事にしてPV制作費にしましょう、μ'sが飛躍できるきっかけになれば!」

海未は皆にその旨を伝え、取り合えず手元の12万を渡し残りは明日持って行くと言い家路に着いたのだった…
28: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/23(水) 19:24:44.83 ID:8i3ePIaX.net
チャーチャチャーチャーチャーチャー チャーチャチャチャー♪

真っ直ぐな投資がパチ屋に向かう
イベントでも糞釘 ぶつかり合う常連
それでも見たいよ大きな勝ちを
空き台あるよ打ち始めたばかり

(ハマってるー♪)楽しいだけじゃない試されるだろう
(ハマってるー♪)やっと確変きてもすぐ
(終わるんだよー♪)飲まれたら強い自分になってくよ
(グッとねー♪)堪え続けて we'll dai punch!

それぞれが好きな台で粘れるなら (新しい)カードが限度だね
それぞれが好きな台を信じていれば借金を(抱いて)回せるだろう

(夢見るクセは捨てちゃえ)店長は笑顔で
(ハマってハマって深く)僕らは遠隔のなかで
確変を待ってた
29: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/23(水) 19:27:50.28 ID:8i3ePIaX.net
~園田家~

海未「さて明日はこの残り13万を皆に渡してPV作成を頑張りましょう!」

「…」

「…いえ、こうも簡単にお金が儲かるならもう少し増やしてみたいですね…」
「そういえば練習着もそろそろくたびれてきましたし、弓道具も新調したいと思ってました…」
「それに去年の合宿では私だけ地味な私服や水着で恥ずかしかったですし …」

「そうですね、あと10万、いえ20万程増やしてからでも遅くはありませんね!」

午後7時、海未はそう自分に言い聞かすとさっと着替えパチンコ屋へ向かったのだった
31: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/23(水) 19:33:02.19 ID:8i3ePIaX.net
~パーラーNISIKINO~
(真姫の母が経営するパチンコ屋)

海未「おかしいですね今日は激アツ予告すら来ません、もうこれで30k目です…あっ!やっと信頼度の高いトキvsラオウに発展です!」

「これはマイ鉄板ですしゲロする(当たりの演出)でしょう」

(ラオウ「ぬんっ!」)
海未「!?まさか、いえいえ復活が…(次回転)」

海未「どういう事ですか!おかしいです!…こうなったら当たるまで回しましょう!」


~園田家~22:30

海未ママ「あら海未遅かったわね、今日も穂乃果ちゃんと勉強会だったの?」
海未「そ、そうです…今日は夕飯は頂いてきたのでお風呂に入って寝ます」
海未ママ「そう…ならいいんだけど…」

海未「どうしましょう…これでは増やすどころか…」

あの後海未は閉店まで大当たりする事なく9万負けてしまったのだった

海未「あと残り4万…せめてPV費用だけでも取り返さないと…」
そう呟き眠りについた


海未ママ(あの子最近服がタバコ臭い気がするんだけど、確か高坂さんのお父さんは吸わないはずだし、おかしいわねぇ…)
32: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/23(水) 20:18:39.73 ID:8i3ePIaX.net
~それから2日後の放課後~

海未「はい!今日はここまでです、それと土日の練習は休みにします」
絵里「ちょっと海未、最近練習が少ないと思うわ」
希「ウチらまだ踊れるよ?ん?」

海未「ら、来週からPV撮影も始まりますしケガしないようにと考えて…」
ことり「それは分かるけど」

にこ「まーにこは、天才だから練習しなくても完璧なんだけどねー」
凛「でもにこちゃんいっつも新曲の振り付け間違うにゃー」
にこ「うるさいわねー手加減してるのよ!(ポカッ!)」
凛「何するにゃー(しゃー!)」
花陽「ヤメテー」

真姫「最近海未らしくないんじゃない?腑に落ちないわね」
穂乃果「うーん、まぁ海未ちゃんも気を使っての事らしいし、皆来週に備えようよ、ね!?」
皆「ハーイ」

海未(明日は土日、来週までになんとかPV費用を取り返さなければ…)
33: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/23(水) 20:19:55.38 ID:8i3ePIaX.net
~翌日土曜朝~

店主「これですとお預かりで3万円になりますが宜しいでしょうか?」
海未「たったそれだけですか…いえ、それでお願いします」

海未は焦っていた。残っていた4万も次の日に使いきってしまい、なんとか穴埋めしようと質屋に来ていた
無論まだ高校生の海未には換金出来るような高価な物は持ちあわせておらず、預け入れたのはこっそり持ち出した父の腕時計だった

海未「まだ10万足りません…どうしましょう?ここは正直にお金が無い事を話して…いいえ、ああ言ってしまった手前今さら言い訳など…」
「そうです…あの時はわずか5千円が25万になったのです、ここ最近連敗してますがそろそろ取り返せるチャンスかもしれません!」

海未は受け取った3万を握りしめパーラーNISHIKINOへ走ったのだった
42: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/23(水) 22:50:14.84 ID:8i3ePIaX.net
海未「また小当たりですか!!」

海未の願いは虚しく3万円はわずか1時間半で泡となった

昼下がりの帰り道、海未は父にバレる心配より「どうしても当てたい!取り戻したい!」そういった念、いわば後悔より先にパチンコで出す事ばかり考えるようになっていたのだった

お気づきの方も多いだろう
所謂"パチンコ依存症"になってしまったのだ。パチンコの為に嘘をつき信頼関係をも犠牲にし「パチンコをしたい」「いっぱい出したい」これだけしか考えられなくなる事だ

海未は家に帰ると家族が留守なのをいいことにお金になりそうな物を物色した
家宝の壺、成人式に貰う予定の母着物、その他園田家に伝わる日舞の道具等を蔵から頂戴し再び質屋に向かった

合わせて15万円になったお金を握りしめ、あのまばゆい遊技場へと幸運と快感を求め、興奮を抑えながらも急ぎ足で向かう
15万もあればPV費用には足りてる、バイトでもしてバレないように預けた金品も引き出せばいいのに…
冷静な判断も出来なくなる"依存症"の恐怖、海未はこの時後でもっと大きな恐怖が待っている事を知る術もなかった

海未「これだけあれば…これだけあれば激アツ予告が、確変が!連チャンが!」
43: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/23(水) 22:52:06.66 ID:8i3ePIaX.net
そして翌週PV撮影が行われる予定だったが海未は弓道部の練習が忙しくなったと練習を休むようになり、週半ばになっても撮影費も半分未払いのまま
μ'sの皆は次第に不安と疑いを持ち始めていたのだった…


絵里「今日も海未は来てないの?」
穂乃果「うん…それで相談なんだけど…」
ことり「これはクラスの子に聞いた話で、皆に言うと混乱させてしまうかもしれないから…」

穂乃果「実は…」穂乃果はひふみ達に聞いた話しを説明した(>>9参照)

絵里「それは本当なの?!事実ならPV撮影どころかとにかく海未が心配だわ!」
穂乃果「じゃあ私とことりちゃん、絵里ちゃんだけでとりあえず海未ちゃん家に行ってみよう!」
ことり「ウン!」
48: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/23(水) 23:17:20.47 ID:8i3ePIaX.net
~園田家~

絵里「と、言う訳でして海未さんに変わりはありませんでしたか?」
絵里はパチンコ屋の事は伏せ海未の母に尋ねた

海未の母「あの子先週から穂乃果ちゃんの所でお勉強会するって言ってて…」
ことほのえり(えっ、どういうこと?聞いてないってか嘘だよ、何で…)

海未の母「それで帰りも遅くて…あと、それからちょっとねぇ…いやこれは貴方達とは関係ないんだけど…」
絵里「なんでしょう?」

海未の母「えっと…主人にはまだ言ってないのですがこんな物が海未の部屋の引き出しに…」

そう言うと海未の母は一枚の紙切れを差し出した
49: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/23(水) 23:18:57.25 ID:8i3ePIaX.net
18(土)-64k
19(日)-86k
20(月)+22k
21(火)-35k

なんと収支帳だった

海未の母「何なんでしょう…」
kという単位を知ってか知らずか不穏な物、見たくない物を見てしまった、まさかうちの子が隠し事を…
そういった様な表情で言葉を詰まらせてしまった

ことり「どうしようホノカチャン…」
穂乃果「これはお借りします!」
絵里「えっ!?」

穂乃果「今私たち新しいPV作ってて、それで海未ちゃんに新しい歌詞考えてもらってて…多分その歌詞だと思います」

凄く苦しい擁護だ、しかしパチンコ屋へ誘った責任もある。ある程度事の真相を理解した穂乃果は続けて言った

穂乃果「私がラスベガスイメージして歌詞書いてなんて頼んじゃったから、えへへ
きっと海未ちゃん悩んじゃってるんだと思います、でも心配しなくていいです、ちゃんと話して解決しますから!」

そう勢いで押しきり、一応頷いたもののまだ不安げな海未の母に礼をし園田家を後にした

絵里「ちょっと強引じゃない?それとその紙は…」
ことり「もしかして…どうしよう、やっぱり…」
穂乃果「うん!取り合えずあの日皆で行ったパチンコ屋さんに関係ある事だし、真姫ちゃんに相談しよう!」
52: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/24(木) 00:27:37.15 ID:FUKbqFoj.net
>>49続き

収支帳が記す通り海未は質屋でつくった15万を土日で既に使い果たしてしまっていた
そして事もあろうかさらなる軍資金の為、父の財布から2万円抜き取っていた
翌日月曜はなんとか増やせたものの焼け石に水、次の日には又負け気づけば借金とPV費合わせ30万以上にもなっていた

海未「もうこれ以上は、どうすれば…いったい私は何をやって…」

そう呟きながらフラフラと夜の秋葉原をさ迷っていた
「おい!あぶねぇじゃねぇか!」

前を見ると怖そうな恰幅の良い輩が立っている。どうやらぶつかってしまったらしい
人見知りな上、心身ともに疲れていた海未は言葉も発せず思わず逃げ出そうとした

輩「ねぇちゃんゴメンなさいくらい言えねぇのか!コラ!!」
その輩は海未の手を引っ張ると人気の無い路地へ引っ張って行こうとする

輩「こいつ何か見たことあるなぁ?まぁいいや、まぁまぁ可愛い顔してるぜ、ちょっと反省の代わりにに楽しませてくれよぉ」

抵抗する事も出来ず引っ張られてしまう
海未「私どうなってしまうんでしょう…きっと神様の罰なんですね…」
53: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/24(木) 00:29:19.93 ID:FUKbqFoj.net
そう諦めかけた時スッと一つの影が割って入った

輩「誰だてめぇコラ!」

???「ふーん、あんたワタシの街でそんな悪い事しちゃうんだぁ?」

輩「ま、まさか貴方は!?…し、失礼しましたー!」
顔をみるや輩は一目散に逃げてしまった

???「大丈夫?」

海未「はい…ありがとうございました」

???「あれー?もしかしてアンタ…」

顔を上げた海未の前に立つのはA-RISEのメンバー優木あんじゅだった
61: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/24(木) 01:34:09.36 ID:FUKbqFoj.net
~優木邸~
秋葉原界隈を元締めとする優木組、あんじゅの家に案内された海未は執事が出した温かいハーブティーで落ち着きを取り戻しこれまでの経緯を話した

あんじゅ「ふ~んそれでアナタあんな所をさ迷ってたのね」

海未「はい…」

あんじゅ「それで借金を返すまでμ'sには戻れないってワケと」

海未「これも全部私の責任…もうμ'sもラブライブ出場も無理です…」

あんじゅ「大変ね…そうだ、もしよかったら私の知りあいのトコロで働いてみない?いいバイトがあるの」

海未「しかしラブライブまであとひと月、30万もの大金をそう簡単には…」

あんじゅ「確かに簡単ではないわね…でも私達A-RISEもアナタ達μ'sが居ないんじゃ張り合いがないもの…ここへ電話してみると良いわ」

そう言うとあんじゅは一枚紙を取り出すとにペンを走らせ海未に渡した

海未「これは?」
あんじゅ「決断は早い方がいいわ明日の夜電話してみて、きっと力になれる、ウフフ…」
62: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/24(木) 01:40:31.13 ID:FUKbqFoj.net
~翌日~

『探さないで下さい、週明けに必ず帰ります』

そう書き置きがあった事を海未の母から聞いた穂乃果は取り合えずμ'sの皆には極力心配しないでいいよう伝えた

凛「今日も海未ちゃん休みだにゃ~」
花陽「体調悪いのかな??」

絵里「このままだと皆不安になってしまうわ」
ことり「どうしよう穂乃果ちゃん…」

穂乃果「真姫ちゃんちょっといい?」
真姫「何ヨ?」

穂乃果はそう言って真姫を音楽室に連れて行き、これまでの事を話した

真姫「ヴェェェ!」

穂乃果「きっとパチンコ屋さんに行ったせいでこうなっちゃったと思うんだよ!真姫ちゃんどうしたらいい?」

真姫「でもあの日行ったのは海未だけじゃないわ、それに他の皆は大丈夫じゃない?それにギャンブルって言っても外国では貴族の嗜む健全なアミューズメントよ!」

穂乃果「そうだけど…」

ガラガラ
希「どうやら大変な事になったみたいやね」

穂「希ちゃん…!?」

希「μ'sに最悪の試練が訪れてるってカードが告げたんや」

そう言いながら一枚のタロットカードを見つめる希の目は怒りにも悲しみにも似た感情を映してた
64: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/24(木) 01:46:58.23 ID:FUKbqFoj.net
~その夜~

プルルル
「はい、もしもし」

海未「あの…優木さんからアルバイトの紹介頂いた園田と申します」

「ああ、お嬢様のお知り合いの方で?はい、分かりました今から住所を言うのでこちらまで面接に来てください」

電話の向こうの落ち着いた口調の男は事務的にそう言う告げた

住所をメモし電話を終えた海未はため息を一つついた

「本当に大丈夫でしょうか…しかし迷っても始まりません」

不安を打ち消すように急いで着替えると指定された場所に向かった
67: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/24(木) 03:24:28.44 ID:FUKbqFoj.net
薄汚れたスモーキィベージュの雑居ビル…聞かされた住所はそのビルのエレベーターで7階へ上がった所にあった

『綺羅サイエンスoffice』

海未「ここですか…」
一呼吸しドアをノックした

「どうぞ」
白衣に身を包んだ初老の男が顔を覗かせる
海未は一瞬その男の無機質で冷たい目に恐怖を感じたがビルの外観と比べどうやら医療施設の様で綺麗なオフホワイトの壁には清潔さもあったため、直ぐ様姿勢を正し男に案内されたソファーに掛けた

「しばらくお待ちください、所長がお見えになります」
初老の男はそう言って無機質な目を笑ってみせたつもりか少しだけ皺を寄せ、幾つものパーテーションで区切られた奥へと踵を返した

海未「どうやら医療、科学関係の会社でしょうか?綺羅というのもあのA-RISEのリーダーと関係が…」

そう心の中で自分に安心を語りかけ、壁に掛けられているちょび髭の西洋人らしきモノクロの肖像画を見つめた
69: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/24(木) 03:29:07.40 ID:FUKbqFoj.net
「遅くなって悪いわね」

聞き覚えのある明朗な声は綺羅ツバサのものだった
振り向くとその小柄な身体は制服ではなく白衣を纏っていた

海未「あなたがここの所長?なんですか?!」

ツバサ「ビックリさせちゃってごめんね、園田さんあなたの事あんじゅに聞いたわ、色々困ってるよね」

海未「はい…それでそのアルバイトというのは?」

ツバサ「うん、話は早い方がいいわね」

ツバサはそう言うとその明朗で通りのいいハキハキした口調でこの施設の概要を話し始める

窓の外では冬の訪れを告げる白い結晶が舞い降り始めていた
70: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/24(木) 03:34:16.17 ID:FUKbqFoj.net
~その頃希の家にて~

穂乃果「それで何か分かった事ある?」

希「海未ちゃんって気が強くて生真面目な所あるやん、ギャンブルにハマってしまってお金に困ってて、これはまぁ皆薄々気づいてると思うんやけどね
PV費用とか言い出した手前、引くに引けなくなってるんやろね」

穂乃果「それで海未ちゃんは今どうしようとして、どこにいるんだろう…」

希「それなんやけどね、最近ちょっと気になる噂を聞いてね…
なんだか秋葉原近辺の女子高生の間で高収入アルバイトって言うのが流行ってるみたいで、それだけ聞くとなんや水商売とか不健全な事かな?って思うやん?でも調べてみるとそうじゃないみたいなんよ…」

穂乃果「つまり海未ちゃんがなんか危なげなアルバイトをしてるって事!?」

希「あくまで噂なんやけど…」

希はそう言いかけて強張らせた表情はそのまま、窓の向こうの白くなり始めた景色に目をやる

穂乃果の耳に冬の冷たい風音が微かに聞こえた
82: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/24(木) 10:55:12.29 ID:FUKbqFoj.net
綺羅ツバサの父は脳、神経科学の権威である事、ツバサはスクールアイドルの傍らその父の医学チームを借り独自でさまざまな研究をしてる事を話した

海未「何やら難しい話ですね…しかしそれと私のアルバイトの件、どう関係があるんでしょうか?」

ツバサ「混乱しちゃうのも無理は無いわね、簡単に言うと園田さんにはちょっとした実験に協力して欲しいの」

ツバサはそう言いながら壁にかけられたナチスドイツ医師、ヨーゼフ・メンゲレの肖像画をゆっくり指で撫でた

海未「じ、実験台ですか!?」

ツバサ「そう、でもそんな驚かなくてもいいわ、実験って言っても2、3日学校を休んで貰えれば終わるしちゃんとお給料も出すわ」

海未「それでしたら安心です、では今週末にでもお願いします…」

実験という言葉に少し不安になったが承諾したのはツバサの父が著名な医学者である事と、何よりこの呪縛から開放されμ'sの皆に侘びたい一心であった

【アウシュヴィッツの「死の天使」】そう呼ばれたヨーゼフ・メンゲレの事を海未は知る由も無かった…
83: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/24(木) 11:01:17.14 ID:FUKbqFoj.net
白衣に身を包んだ海未は天井の大きく丸いライトをじっと見つめている


ツバサ「人間ってね元々不完全なものとして生まれて来たんだって」

一時間前に今回の実験内容を聞き始めた時、海未は一目散に逃げ出そうとしたが恐怖で動けなかった

ツバサ「戦争の時代にね、双子をくっ付けたりする手術とかあったんだって、それはそれは酷い人体実験で勿論そんなもの成功するはず無かったの…」

「冗談にも程があります!」何を言い出すのかと恐怖を通り越して怒りが湧きそう叫んでいた

ツバサ「ゴメンゴメン、まさか園田さんにそんな無茶苦茶な手術頼める訳ないわ」

そう言い切った後、今までの活発な瞳は真剣なものに変わり、ゆっくりと諭す様に話始める

「これは私達の研究の為なんだけど、でもそれはきっと園田さん自身が求めてるモノで、園田さん自身で決めて欲しいの」

海未「私の求めてるモノ?…」

ツバサ「そう、高坂穂乃果さんの事」
84: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/24(木) 11:19:06.85 ID:FUKbqFoj.net
海未「穂乃果の…えっ!どういう事でしょう!?」

ツバサ「隠さなくても分かる、あなたは高坂さんが大好き」

海未「それは幼馴染みですから!…というよりそれがこの実験と何の関係が!?」

ツバサ「それは嘘、大好きで大好きで、友達以上に思いっている
ずっと一緒にいたい、愛している、その想いをずっと隠して来た
それに同じく幼馴染みで同級生の南ことりさんに嫉妬している」

海未「ことりは…」

ツバサ「ただのお友達?仲良し?メンバーの一人…じゃないでしょう?」

海未「はい…」

海未は胸の奥の一番大事な引き出しの鍵をこうも簡単に開けられてしまうのかと驚いていた

ツバサ「あなたは今回の実験…いいえ胸の奥のトビラを開く治療をするの、勿論さっき言った通りその決断は園田さんがするの」

海未「トビラを開く…」

ツバサ「南さんってああ見えて積極的だし計算高い所があるみたいね、このままだと高坂さん取られちゃうんじゃないかな?」

海未「ことりは…ズルいです…」

ツバサ「愛している気持ちは誰にも負けないと思ってる、もっと素直に想いを伝えられたらいいのに
でも今のままだとそのズルい南さんに敵わない、ずっとあなたは苦しんでるの」

海未「ではどうすれば!?」

ツバサ「この治療はね、脳のホンの一部の要らない所、園田さんが素直になれない元を取っちゃうの、そうすれば今までの不完全な園田さんは生まれ変われるの!」

海未「生まれ変われる…」

ツバサ「きっと本来の園田さんなら南さんなんかよりずっと高坂さんに気に入られるでしょうね
私はただそのきっかけを作るお手伝いをしたいの…どう?素晴らしいでしょ?」

海未「はい!」

海未の瞳はまるで今日までの悩みが嘘のように輝きを取り戻しそう力強く返事をした
そして様々な検査を終えると手術室へ向かった
87: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/24(木) 12:07:42.29 ID:FUKbqFoj.net
手術は大人数のスタッフにより一晩かけて行われた
安らかに目を閉じる海未はどんな夢を見てるのだろうか?


頭蓋骨に長いメスが入る


脳の一部、前頭葉を切り取られて行く


この夜、園田海未は生まれ変わるのだ


綺羅ツバサはこの様子をまるで子供がテレビアニメに釘付けになる様に見つめる


【ロボトミー手術】その名前も、その内容も海未は知らなかった


手術室から出た海未は新しい朝を向かえる
92: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/24(木) 13:29:45.38 ID:FUKbqFoj.net
手術が終り一日が経った

ツバサ「気分はどうかしら?」

簡素なパイプのベッドに上半身を起こした海未は無表情な横顔のまま返事をした

海未「…大丈夫です」

ツバサ「明日にはもうここを出ていいわ、しばらくは激しい運動はしちゃダメだけど」

海未「…はい」

ツバサ「これは約束の30万ね、じゃあラブライブの予選がんばろうね!高坂さんの事も応援してるからね」

海未「…コウサカ…サン…」
93: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/24(木) 13:32:31.37 ID:FUKbqFoj.net
園田家に海未が帰ってきたのは日曜の午後だった
その後3日間学校を休んだが明日からは学校も練習にも参加すると電話があった

絵里「そう…それで海未が言うにはPV費用の残りはちゃんとファンの方に振り込まれたと…」

穂乃果「ここ最近の事もただ体調が悪くて病院通ってる事を皆に心配させたくないからだったらしいんだ」

ことり「でも…ほんとうに何もなかったのかな?」

凛「皆気にしすぎだにゃーこないだ真姫ちゃんとかよちんとお見舞い行った時は元気そうだったにゃー」
真姫「キニシスギジャナイ」
花陽「う、うん」

希「ウチらは海未ちゃんが帰ってきたら必要以上に責めない事、前みたいに接していけばいいやん
ラブライブの予選までもう少しやし海未ちゃんもきっとμ's皆でラブライブ目指して頑張る事を願ってるはずや」


~綺羅サイエンスoffice~

???「ココロヲヒラクノハ カンタンデハナイト イウコトカ…」

あんじゅ「園田さんはこっち側の人間になれると思ったんだけど残念ね」

ツバサ「どうやらあの子にはちょっと合わなかったみたいね」

ツバサはクイーンサイズのベッドの上にシャワーを浴びた裸を投げ出すと二人に手招きした

ツバサ「さぁ、あんじゅに英玲奈こっちにおいで」

あんじゅ「ツバサ様ぁ!今日はうんと激しくして欲しいの!」

英玲奈「ヒサシブリニ サンニンデマジワルノモ ワルクナイ」

ツバサ「あなた達二人は私の最高傑作よ!」

ワインレッドの卑猥な照明が彼女達の身体を熱く照らしていた
99: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/24(木) 14:41:47.03 ID:FUKbqFoj.net
「──でありまして、最近の若者というのは心に闇を抱えてるんですね」

テレビでは先日秋葉原で起きた少女達の集団自殺事件について専門家が眉間に悲痛さを装った難しい顔をして語っている

ここ最近急激に女子生徒の不登校が問題になっていた事もあり、メディアやマスコミが騒ぎ立てる要因になった

それは音ノ木坂学院でも例外ではなく自殺者こそ出なかったものの、数十名の不登校者と一人の生徒の長期入院が決まった事で理事長の決断によりμ'sの活動休止及び来年度の生徒募集の中止が決定した

穂乃果は壁に掛けられたもう三ヶ月間はそのままの練習着をただ見つめいた

雪穂「お姉ちゃーん聞いてる?」

穂乃果「…あ、ゴメンゴメン」

雪穂「もぉ…チャンネル変えるよ、ってかやっぱ残念だったよね…私も音ノ木坂行けなくなっちゃうのは寂しいよ」

穂乃果「仕方ないよ…でももう大丈夫だから」

雪穂「うん、そういえば今日は病院行く日だっけ?」

穂乃果「うん」

雪穂「じゃあ海未さんによろしくね、退院したらダンス教えてって伝えといてよ」

UTXが音ノ木坂の合格者を受け入れる事を発表したのはつい最近の事だった
100: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/24(木) 14:46:00.41 ID:FUKbqFoj.net
「園田さん今日もいい天気ですよ」
若い看護師がカーテンを開けながら小さな花の入った花瓶を置く

一瞬で明るい日差しが部屋に広がり瞼を刺激する、しかしベッドから身体を起こしていた海未の表情は歪む事は無かった

「今日はお友達が来る日ですね」

無表情ままの横顔に看護師はまるでお年寄りに話しかける様に、ゆっくりと優しく話しかける


去年の12月中旬、練習に復帰した海未は今までやっていたダンスや歌が嘘の様に出来なくなっていた
久しぶりという事でしばらく様子をみていたが、ついには日常会話さえもままならなくなり入院を余儀なくされたのだった


穂乃果が果物等の入った袋を抱えて病室のドアをノックしたのは午後過ぎだった
当たり前に返事の無い部屋に静かに入るとベッドの横に腰を下ろした
104: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/24(木) 15:45:33.95 ID:FUKbqFoj.net
お見舞いに来るのは今日でもう何回目になるだろう─
これまでは果物ナイフなんて握った事もなかった穂乃果が綺麗に剥かれたりんごをテーブルに置いた

今日もこの白い表面がうす茶色に変わってしまっても口に運ばれない事は知っていたのに

穂乃果「そうだ海未ちゃんこれ見て、じゃじゃーん!穂むら名物ほのまん!」

海未「…ホノマン」

穂乃果「そう、海未ちゃんの大好物だよ!」

海未「…」

虚ろな横顔のまま高揚の無い口調でそれが興味の対象では無い事は分かっていた
今日までμ'sの音楽をイヤホンで聞かせたり、PVを見せたり、合宿や修学旅行の時の写真を見せても同じだった

ほのまんを乗せた手のひらに涙が落ちるのを我慢出来なかった
105: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/24(木) 15:48:55.21 ID:FUKbqFoj.net
ひらひらと風を受けるレースのカーテンの向こう、薄いピンクの花びらが暖かな日差しに揺れている


穂乃果「…海未ちゃん、覚えてる?一年前の事…あの日私のわがままでスクールアイドルを始めた時の事…

海未ちゃんを困らせてたのも知らずにライブするって決めて、短いスカートを嫌々履かせちゃって、練習では怒られっぱなしで…
でもそんな厳しい海未ちゃんが居たからμ'sは大きくなったんだと思う

今も皆で話すんだ、もし海未ちゃんが居なくてμ'sの曲が私のヘンテコな歌詞だったらここまで人気出なかったって、笑っちゃったけど本当そうだなって…

もうμ'sはおしまいになっちゃったし音ノ木坂もやっぱり廃校になっちゃう、でも私達の今までは無駄じゃなかったって胸を張って言えるんだ!

皆と出会えて成長して、応援されて、一人では無理な事もやり遂げた事、皆のココロに…海未ちゃんのココロにもそんな思い出はずっと残って行くんだよ

だから私ずっと待ってる、来年の春も再来年の春も…何十年後の春になっても…
海未ちゃんにもう一度…いや何度だって厳しく怒られて駆け出したいんだ─」

そう言い終えた後、窓の外で一瞬の春風が吹きピンクの花びらをさらった

穂乃果はその花びらが舞う青空の向こうに海未が笑顔で頷いたのを見た

Fin
106: 名無しで叶える物語(なし)@\(^o^)/ 2014/07/24(木) 15:51:14.15 ID:FUKbqFoj.net
以上っす、ギャグネタ話期待してた方には申し訳ない
ありがとう御座いました!
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『海未「パチンコ?」』へのコメント

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