みもりん「や、やめてっ……出てこないでっ……黒川鈴子!」

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海未-アイキャッチ41
1: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/24(火) 23:23:16.78 ID:NyVbmjMG.net
みもりん「もうあなたはいないっ……私は三森すずこだから!!」

くろりん(そう、私はお前。お前は私だ)

みもりん「だったら何で今更…」

くろりん(私はお前の中に眠っているもう一人のすずこ。だからわかるのだ)

みもりん「な、何が!? 何がわかるっていうの!?」

くろりん(ミルキィホームズ、ラブライブ、なんとかるるも、ぶとぅーむ、なんちゃらはじめました…etc.)

みもりん「それが、何だっていうの……?」

くろりん(変わってしまったな、お前は。昔はミュージカルや舞台で芝居をするのがあれほど好きで、役者になるのを夢見ていたというのに……今となっては声優などと)

みもりん「昔は関係ないっ…! 今の私は、声優のお仕事が好きなの!」

くろりん(くくく……嘘はよくないなぁ、三森すずこよ)

みもりん「う、嘘なんかじゃ……」

くろりん(私にはわかるのだ。お前の叫びが内側に痛いほど轟いているのだから。芝居がしたい、声優なんか辞めて芝居の世界に戻りたい、と)

みもりん「ちがうっ、私は…! 私はっ」

くろりん(今までよく頑張ったな、三森すずこ。好きでもない仕事にここまで精一杯取り組んで。だから少しの間休むがよい……私に任せておけばお前は幸せになれる)

みもりん「何をするの…、やめてっ、うぁぁっ、それ以上出てこないでっ!! 私はっ、私はぁぁっ…」




くろりん「この身体を動かすのも何年ぶりになるか…」

みもりん(返してっ、私の身体を返してー!!)

元スレ: みもりん「や、やめてっ……出てこないでっ……黒川鈴子!」

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8: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/24(火) 23:33:25.02 ID:NyVbmjMG.net
ガチャ…


そらまる「おはよーございまーすっ、と……あ、まだすずだけ?」

みもりん(そら…!?)

そらまる「おはよ、すず」

くろりん「……」

そらまる「……あれ? どしたの?」

みもりん(そら! 違うのっ、そいつは私じゃない! そらなら気付いてくれるよね!?)

くろりん「……我の記憶が正しければ貴様は、姓を徳井、名を青空、と申したか」

そらまる「…!?」

くろりん「どうした、徳井よ」

そらまる「…………! その通りでござりまする! 私は徳井青空と申しませりる故……気兼ねなく、そらまるとお呼び頂ければまこと天にも昇る光栄に」

みもりん(えー!? 何で乗っかっちゃってるの!?)


そらまる「なんつって、今日のすず、面白いね? 何かのアニメの影響?」

みもりん(ち、ちげーしっ!)

そらまる「あ、わかった! 当てていい? 戦国……うーん……、バサラだ!」
10: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/24(火) 23:41:26.17 ID:NyVbmjMG.net
そらまる「すずってばすんごい忙しそうなのにアニメとか観る時間あるんだー? へぇー、意外だなー」

みもりん(だから観てないって!)

くろりん「徳井よ」

そらまる「んー? なにー?」

くろりん「私に何か用事か?」

そらまる「へ? 用事っていうか、これから撮影でしょ?」

くろりん「撮影…?」

そらまる「うん、ミルキィのPV撮影」

くろりん「ミルキィ……あぁ、ミルキィホームズか」

そらまる「すず……大丈夫?」

くろりん「心配には及ばない。そうか撮影か……そうかそうか」

そらまる「??」

くろりん「なら私はこれにて帰宅するとしよう」

そらまる「ちょっ…、えぇー!?」

みもりん(おいっ、何勝手にっ…! 駄目に決まってるでしょっ、そんなの!!)

くろりん「さらばだ」

みもりん(おーいっ! ちょっと聞いてるの!? おーい、おーいっ!!)
13: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/24(火) 23:49:58.40 ID:NyVbmjMG.net
そらまる(あぁ、ツッコミまちかー……それにしても今日のすずはよくボケる)

くろりん「……」
スタスタ

みもりん(こらー!! ていうかそら、止めてよ!! 何でボケーっとしてるの!?)

そらまる(よし、ここは敢えてツッコミを入れずに放っておいてみよーっと)

くろりん「……」
スタスタ

みもりん(そらぁぁーー……)


ガチャ…


そらまる「………え?」


シーン…


そらまる「ちょ、マジなの……? え、三森さん…!?」





みもりん(だめだめだめだめっー!! 仕事バックレるなんて絶対だめだったらー!!)

くろりん「五月蝿いなぁ…」


そらまる「待て待ぇーーいっ!!」
タタタタッ

みもりん(そらまるぅーっ!!)

そらまる「はぁっ、はぁっ…、やっと追い付いた…」

くろりん「どうした、徳井よ」
15: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/24(火) 23:59:57.69 ID:NyVbmjMG.net
そらまる「ごめんっ、ツッコなくて放置してたの謝るからー!」

みもりん(いやいや、そういうことじゃなくてですね…)

くろりん「放置してくれたままでよかったのだが…」

そらまる「そんな拗ねないでよー、ほらっ、きっちゃんとかなら絶対良い反応してくれるから!」

くろりん「きっちゃん? 誰だそれは」

そらまる「えー……やっぱ今日のすず、めんどくさーい」

くろりん「お前は何か勘違いしているようだが、私は本気だぞ」

そらまる「え……?」

くろりん「今まで三森すずこが世話になったな、徳井。達者でな」
スッ

そらまる「すず……? じょ、冗談だよね……? そんな、別れの挨拶みたいな…」

くろりん「きっちゃんとやらにも宜しく伝えておいてくれ。三森すずこはもうミルキィなんちゃらには居ない、と」

みもりん(やめろぉぉーー!! 出せ出せっ、私をここから出せぇーー!!)

そらまる「す、すず……」
ガクッ

くろりん「……」
スタスタ

みもりん(やめてってば!! こんなこと!! 本気で怒るよ!?)

くろりん「さて、腹が減ったな……昼食はタイ料理にでもするとしよう」

みもりん(あ、それにはさんせーい♪ っておいこらぁーー!!)
19: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/25(水) 00:10:26.66 ID:O3Fkz1Ep.net
━━翌日


みもりん「本当にすみませんでしたぁ!!」


みころん「み、みもりん……良かったぁ、帰ってきてくれたんだ」

いず様「昨日はおかしかったってそらから聞いたけど…、もう大丈夫? 情緒不安定、的な?」

みもりん「えっと、まぁ……そんなとこ、かな…」

みもりん「昨日、私たちが着いた頃に徳さんすごい泣いてたから何事かと思ったよ…」

そらまる「……」

みもりん「そら…、ごめんね。ホントにごめんね…」

そらまる「うん……平気だよ」


みもりん(朝起きたら私の身体は私のものに戻ってた……昨日のは夢か何かだったのかな……)

みもりん(今日はあいつの……黒川の声を聞いてない……。もし、黒川が今は眠っているだけだとしたら、あいつが目を覚ましたら……また、私は……)


そらまる「すず…?」

みもりん「な、何でもないよ! えっと昨日の撮影が今日に変更になったんだよね? ていうか私のせいか……あはは」
21: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/25(水) 00:19:27.90 ID:O3Fkz1Ep.net
「はーい、カットー! ミルキィホームズさん、お疲れ様でしたー!」


みもりん「ふぅ…」

そらまる「お疲れー」

みころん「すごいサクサク終わったね、今日は」

いず様「一日空けたのが逆に良かったのかも。ねぇねぇ、これからご飯でも食べにいかない?」

みもりん「あ、ごめんね…きっちゃん。私とそら、次の現場行かなくちゃいけないんだぁ」

いず様「えー…、ざんねーん」

みもりん「また今度ね」

そらまる「すずー、車用意できたってー」

みもりん「あ、行かなきゃ! じゃあねー、二人ともー」

いず様「いってらっしゃーい」

みころん「頑張ってねー」




そらまる「すず、こっちこっち」

みもりん「あ、うん」

くろりん(……)

みもりん「!?」
ゾクッ

そらまる「ん? どうかした?」

みもりん「……な、何でもないよ……大丈夫……」

そらまる「…?」
25: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/25(水) 00:31:02.56 ID:O3Fkz1Ep.net
みもりん「あ、私ちょっと御手洗い寄ってくから先に行ってて」

そらまる「うん、迷わない? 大丈夫?」

みもりん「そら、私のことナメすぎでしょー」

そらまる「あははっ、んじゃ先行ってるー」




みもりん「…………ねぇ、いるんでしょ?」

くろりん(まさか呼んでくれるとはな……、てっきり嫌われていると思っていたが)

みもりん「その通り、あんたなんか嫌いっ!」

くろりん(おかしなことを言う。私を否定するということは過去の自分自身を否定すると同義だというのに)

みもりん「……っ」

くろりん(それで…? 私に何か言いたいことがあるのだろう?)

みもりん「……もう、私の邪魔はしないで」

くろりん(邪魔とは心外だな。私はお前の夢を叶えるべく力を貸してやっているというのに)
27: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/25(水) 00:44:25.90 ID:O3Fkz1Ep.net
みもりん「いらないっ、あんたなんかいらないっ!! 私の夢は声優だ!!」

みもりん「なんとかるるもとかなんちゃらかんちゃらはよくわかんないけど、ラブライブもミルキィも応援してくれてるファンの皆がいる! その皆を楽しませたい、笑顔にしたい……それが今の私の夢……っ」

くろりん(それは違うな)

みもりん「違わないっ、あんたなんかに私の何がわかるっていうの!?」


くっすん「ん…? あれって……みもりん?」
ヒョコッ


みもりん「私は私っ、三森すずこだ!! 三森すずこは声優なのっ!!」


くっすん「すごっ…、みもりんの一人言すごっ! 電話でもないみたいだし、こんな所で台詞の練習?」

くっすん「面白そうだから動画撮ってなんちゃんにでも見せてあげよっと」
ピピッ


くろりん(お前はただ自分に向けられる歓声が気持ち良いだけだ。それを夢と錯覚しているに過ぎん)

みもりん「そんなことないっ!!」

くろりん(ならばお前は声優を始めた当初……まったく売れていない時代、その台詞を言えたか? 声を大にして自分は声優としてファンを楽しませたいと言えたのか?)

みもりん「そ、それは…」

くろりん(ラブライブ、ミルキィが今のお前の障害となっているなら、私がそれらを壊してやろう)

みもりん「や、やめてっ、やめてぇ!!」

くろりん(貸せ、お前の身体を。ドーン!)

みもりん「うぐっ…、うわぁーー!!」




くろりん「ラブライブ、か……くくく…」

みもりん(返せこらー! ちょっと聞いてるのー!?)
32: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/25(水) 00:58:33.35 ID:O3Fkz1Ep.net
ジョルノ「ふわぁ…、ゲームしてて一睡もしてないから眠っ…」

くろりん「……さて、このまま帰宅してやってもいいが、昨日のように私が眠っているうちに無かったことにされ徒労に終わるのも」

ジョルノ「あ、みもちゃんだ。おはよ」

くろりん「む? お前は確か、南條とかいったな」

みもりん(お願いっ、南條さんにだけはやめてホントに!! お願いお願いっ、早く謝ってぇーー!!)

ジョルノ「おぉ…、みもちゃんが生意気になっとる…」

くろりん「おい、南條」

ジョルノ「は、はい……?」

くろりん「お前はラブライブ……μ'sといったか、μ'sの中で群を抜いて最年長らしいな」

ジョルノ「やべぇ、あまりの変貌に戸惑いすぎて全然ムカつかない…」

ジョルノ「はい、そうなんス。こう見えて最年長やらせてもらってるんス」

くろりん「なら一つ、私の悩みを聞いてはくれないだろうか」

ジョルノ「悩み? みもちゃんが?」

みもりん(南條さんごめんなさいー、私じゃないんですー、違うんですー、こいつの仕業なんですぅー……)
35: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/25(水) 01:17:44.95 ID:O3Fkz1Ep.net
くろりん「私は声優をもう辞めるつもりなのだが、うちの者が頑なにそれを拒んでだな…」

くろりん「しかし、私はそいつの夢を応援する為に声優界から退くと説明しているのにまるで解ってくれない……どうしたらよいだろうか?」

ジョルノ「え…、それマジなやつじゃん……廊下でするような話じゃないっしょ…」

ジョルノ「ていうか何でそれを私に…?
まずうちの者って何者? 色々複雑過ぎてなんだか私まで辞めたくなってきた…」

みもりん(南條さんしっかりー!! この馬鹿をなんとか説得してくださいー!!)

くろりん「南條、これを機にお前も自らの夢を見つめ直してみてはどうだ?」

ジョルノ「私の、夢……?」

くろりん「お前の夢がどういったものかは私は知らない、興味もないが……このラブライブがそれの足枷になってはいないか? 18禁PCゲームで喘いでいるのはお前の本当にやりたかったことなのか?」

みもりん(な、南條さんまで……! ちょっと他人まで巻き込まないでよ!! あんたに何の権利があってこんなこと…!!)

ジョルノ「……私は、私の夢は」

くろりん「言ってみるがいい。聞いてやろう」

ジョルノ「私の夢は……毎日ただグータラして過ごすこと」

ジョルノ「好きな時間に起きて好きな時間に寝て、好きなだけネトゲして……あぁいいなぁ……そんな生活……」

くろりん「なんという堕落しかかった人間だコイツは……。なら今お前は何の為に働いているのだ?」

ジョルノ「働く…? あれ、なんでこんな毎日働いてるんだろ私……働きたくない……働きたくない……働きたくない……」
ブツブツ
39: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/25(水) 01:28:44.21 ID:O3Fkz1Ep.net
くろりん「さぁ南條よ、駅は向こうだ」

ジョルノ「みも、ちゃん……」

くろりん「さらばだ、達者でな。南條」
スッ

みもりん(いい加減にして!! このサークルクラッシャー!! 私の仲間をダメ人間にするなーーっ!!)

くろりん「いや、元々アイツは駄目人間だったのでは? 私は背中を押してやっただけだが…」

みもりん(そ、それは…………そうだとしても!! 南條さんも今まで頑張ってきたのにっ……その努力を、あんたなんかに……っ)

くろりん「……控え室は……向こうか」

みもりん(聞けーーっ!!)





ジョルノ「働きたくない……働きたくないよぉ……」
フラフラ


くっすん「…!」


くっすん「なんちゃん見ーっけたっ!」
ピョンッ

ジョルノ「あぁ……今帰ったら、家に着くのはまだ明るい時間……いっぱいゲームできる……あはは、あははは……」

くっすん「ねーねー、なんちゃんってばー!!」

ジョルノ「…ん? なんだ、くっすんか」

くっすん「そっち出口だよ? コンビニ行くの? 私もついてくー」

ジョルノ「ははは、いやいやくっすんは今から仕事あるじゃん」

くっすん「いやいやいやいや、なんちゃんだって同じでしょ! まさか帰ろうとしてる!?」
44: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/25(水) 01:43:03.61 ID:O3Fkz1Ep.net
ジョルノ「さらばだ、達者でな。くっすん」

くっすん「あははっ、ねぇそれよりもねー! さっき面白いの見掛けたから動画撮ってみたの!」

ジョルノ「そかそか、ならニコ動にでもうpしといてー、観る時間はたんまりあるから。そいじゃっ」

くっすん「今見てよぉー!!」

ジョルノ「むぅ、仕方ないなぁ……ちょっとだけだぞ」

くっすん「えーと…、あっ、これこれ!」

ジョルノ「んー? あ、みもちゃんじゃん」


みもりん『私は私っ、三森すずこだ!! 三森すずこは声優なのっ!!』

みもりん『そんなことないっ!!』

みもりん『や、やめてっ、やめてぇ!!』

みもりん『うぐっ…、うわぁーー!!』


ジョルノ「あはははっ、何これおかしいー!!」

くっすん「でしょー? みもりんの恥ずかしいとこ隠し撮り大成功ー!」

ジョルノ「ん…、でも……あれ?」

くっすん「これどうしよっかー? ライブでサプライズする? それともドラマCDの隠しトラックにしちゃう?」

ジョルノ(さっきのみもちゃんとまったく雰囲気が違うような……というかさっきのは私の知ってるみもちゃんじゃなかった気が……)

ジョルノ(まるで見えない何かと戦っているような……)

ジョルノ(見えない……何か……、あのみもちゃんの叫び……声優と言い切ったあの言葉……まさかっ…!)

くっすん「でもそんなことしたらみもりん怒っちゃうかなー」

ジョルノ「くっすん!」

くっすん「ほぇ?」

ジョルノ「私、おうち帰るのやめる!!」
67: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/25(水) 16:47:08.52 ID:O3Fkz1Ep.net
━━


くっすん「え? そんなことがあったの?」

ジョルノ「うん……で、私もある程度は稼げたし、そろそろご隠居するのもありかなーなんて思い始めちゃって…」

くっすん「えー! だめだめだめー! なんちゃんは私と一緒にのぞえりするの!」

ジョルノ「そうだよね……うん! ごめんね、くっすん」

くっすん「わかればいいのだ! でも何でみもりんはいきなりそんなこと言ってきたの?」

ジョルノ「それが私にもさっぱりわからん……何か悩み抱えてそうな素振りは見せてたけど……」

ジョルノ(あんな豹変するなんてどんだけ悩んでるのよ、あの子…)

くっすん「とりあえず、みもりんともっかい話してみる?」

ジョルノ「そう、だね……それがいいかも」


「ふざけないでよっ!!」


ジョルノ「!?」

くっすん「今のPileちゃんの声…!? 控え室から聴こえたけど」

ジョルノ(まさかまたみもちゃんが何かやらかした…?)

ジョルノ「行くよっ、くっすん!」

くっすん「ういっ!」
68: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/25(水) 16:58:31.48 ID:O3Fkz1Ep.net
ガチャ…


くっすん「おはよーございまーす」

えみつん「あ、くっすん! 南條さんも」

ジョルノ「どうしたの? 何があったの!?」

えみつん「それが私にもよくわかんなくて……気が付いたらぱいちゃんがすずと言い争いになってて」


Pile様「ちょっと意味わかんないんだけど…、ねぇ説明して!?」

くろりん「だから何度も言っているだろう。あんなもの私には不要だと」

Pile様「……っ、酷い……あれは、あの指輪は……二人の友情の証に、ってお揃いの選んで…」

くろりん「友情? ふっ、笑わせる……私には声優などに携わっている友人など要らない。邪魔なだけだ」

くろりん「これ以上、私を惑わせてくれるな」

Pile様「うぅっ……ひぐっ…、きらい……すーちゃんなんてだいっきらいっ!!」
タタタタッ

くっすん「わわっ!」
ドカッ

Pile様「ごめん、くっすん…っ」
タタタタッ


シーン……


みもりん(酷いよ……Pileちゃん、泣いてた……どうしてこんなことが出来るの……? 信じられないっ…!)

くろりん「……」
69: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/25(水) 17:06:11.39 ID:O3Fkz1Ep.net
えみつん「ねぇすず…、今のは言い過ぎだよ……一緒にいってあげるからぱいちゃんに謝りにいこ?」

くろりん「何故、私が頭を下げねばならん?」

えみつん「二人の間に何があったかはわかんないけど、二人ともあんなに仲良しだったじゃん……それなのに……」

くろりん「喉が渇いたな、ジュースでも買ってくるか…」
スッ

えみつん「すず……」


ジョルノ「……」

そらまる「……昨日のすずと同じだ」

くっすん「昨日と? 昨日も誰かとケンカしてたの?」

そらまる「ケンカ、じゃないんだけど……」

ジョルノ「……詳しく聞かせて」

そらまる「うん、実は昨日ミルキィの現場でね…」

くっすん「ふむふむ」
72: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/25(水) 17:16:50.75 ID:O3Fkz1Ep.net
そらまる「んで、今日の昼にはいつものすずに戻って謝ってくれたんだけど…」

ジョルノ「あー、だね……いつものみもちゃんと全然違ってたもん」

くっすん「声優の仕事が嫌になってきた、とか?」

ジョルノ「まぁそれは大いに考えられるけど、でも…」

そらまる「あのすずが仕事を途中でほっぽりだすなんて有り得ないって!」

ジョルノ「だよねぇ、みもちゃんってけっこう真面目だし」

えみつん「あれはホントにすずだったのかな…?」

くっすん「……!」

ジョルノ「いやいや、見間違えるわけないっしょ。だったらさっきのは誰なの? そっくりさん?」

えみつん「それは…、わかんないけど…」

そらまる「……やっぱり私がすずに」


ガチャ…


えみつん、そらまる「「っ!?」」

ジョルノ、くっすん「「っ!?」」

シカコ「おはよーっ!! ってなにこの雰囲気っ!!…私何かやらかした!?」
73: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/25(水) 17:28:33.51 ID:O3Fkz1Ep.net
━━


Pile様「ぐすっ……ひっく……う"ぇ……っ」
シクシク


くろりん「……」
ピッ…ガコンッ

くろりん「チャイを置いてあるとは中々優秀な自販機だ」

みもりん(おぉ、これから重宝しよー♪…ってそんなことはどうでもよくてーっ!!)

くろりん「五月蝿いヤツだ、役者ならもっとクールにだな…」

みもりん(私は声優だっつってんだろこのー!!)

くろりん「それも今日で終わりだがな…。歓べ、三森よ」

みもりん(……っ、Pileちゃん……ねぇ、ねぇってば!!)

くろりん「ん?」

みもりん(あそこでPileちゃん泣いてる…)

くろりん「そのようだな。あれしきのことでメソメソと情けないヤツよ」

みもりん(……謝ってよ。お願いだから……Pileちゃんに謝ってよ……お願い……っ)

くろりん「……」

みもりん(私が役者に戻るって言ったら……聞いてくれる? ねぇ……友達が傷付いてるのを見るのは嫌なの……)

みもりん(私ならどうなってもいいから……あんたの言う通りにするから……)

くろりん「……」
74: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/25(水) 17:40:18.00 ID:O3Fkz1Ep.net
みもりん「あ……、返してくれたの? 身体……」

くろりん(仕方あるまい……もしお前に自殺でもされようなら、それこそ本末転倒だからな)

みもりん「ありがと……って何で私がお礼なんて言わなきゃいけないの!」

くろりん(約束は果すのだぞ、三森)

みもりん「……うん」




Pile様「ひぐっ……う"ぇぇぇん……っ」

みもりん「Pile、ちゃん…」

Pile様「……っ!?」
ギロッ

みもりん「あ、あの……あのね……」

Pile様「……」
スッ

みもりん「ま、待って! 話を聞いて!」

Pile様「離してっ!! あんたなんかっ、あんたなんか友達でもなんでもないんだからっ…!!」

みもりん「ごめんなさい! 酷いこと言ったのはわかってる……ごめんなさい!」

Pile様「は…? 今更何なの?」

みもりん「本当にごめんなさい……私のこと許せないのはわかる……きっと私も逆の立場だったらすごく怒ってるだろうから」

Pile様「だったら…っ」

みもりん「でもっ、勝手だけど……Pileちゃんに嫌われたままは嫌なの! 嫌われたままμ'sを辞めるなんて嫌なの!!」

Pile様「え……? μ'sを、辞める……?」
77: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/25(水) 17:49:29.89 ID:O3Fkz1Ep.net
みもりん「……うん」

Pile様「ちょっと、意味わかんないんだけど……私のこと嫌いだから、辞めたいの……?」

みもりん「違うよ……私は、Pileちゃんも、みんなのことも大好き……」

Pile様「だったら何でっ……上からの指示……?」

みもりん「違う……、私の……意思……」

Pile様「はぁ…? 自分が何言ってるかわかってる!? 仕事なんだよ? 遊びでやってるんじゃないんだよ!?」

みもりん「……ごめん」

Pile様「……三森さんがそんな人だとは思いませんでした……真剣に……、戦友だと思ってたのに……」

みもりん「Pileちゃん…」

Pile様「好きにすれば……もう知らない」

みもりん「ま、待って……」

Pile様「気にしなくていいですよ、もう怒ってないから。呆れすぎて怒りなんて消えちゃった…」

みもりん「……っ」

Pile様「先に戻ってるから」

みもりん「う、うん……」
79: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/25(水) 18:04:04.64 ID:O3Fkz1Ep.net
みもりん「……はは……そう、だよね……私、最低だ……」

みもりん「Pileちゃん……みんなぁ……っ、辞めたくない……μ's辞めたくないよぉ……ひぐっ…」

みもりん「うぅ…、うぁっ…ひぎゅっ……うわぁぁぁんっ…!!」


くろりん(……)


みもりん「ぐすっ……あ、もうこんな時間だ……戻らなきゃ……」

みもりん「せめて、今日の仕事だけは……きっちりやらなきゃ……」

みもりん「みんなにも謝らないと……自分の口で……」




ガチャ…


みもりん「……ただいま」

えみつん「すず、遅いよー!」

みもりん「ごめんね、あとさっきはごめん…」

みもりん「…Pileちゃん」

Pile様「……」
プイッ


ジョルノ「ねぇ、あれって普通のみもちゃんじゃない?」
ヒソヒソ

そらまる「ちょっと元気ないけど、いつものすずだと思う…」
ヒソヒソ

シカコ「ほらー! みもりんが別人に豹変するなんて言ってー、私をからかってたんでしょー!」

ジョルノ「さっきくっすんの動画見せてあげた時、あんた『うおぉ…、完全にこれは何かが憑依してる!』とか一番ヒートアップしてたじゃん…」

シカコ「いやぁ…、でもあの時はリアクションとらなきゃーって思ってただけで……実際、自分の目で見てみないことには…」
80: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/25(水) 18:28:29.19 ID:O3Fkz1Ep.net
みもりん(うわ……すっごい気遣われてる……。私のせいで……いつも明るくて楽しい現場が……)

みもりん(……あいつにめちゃくちゃにされるくらいなら、私の口からちゃんと言わなくちゃ)

みもりん(今日限りで、μ'sも、声優も辞めるって……っ、明日からはまた役者を目指す、って……)


みもりん「あ、あの…! みんなに聞いてほしいことが」

くっすん「わかったー!!」

ジョルノ「く、くっすん!?」

Pile様「もう、うるさいー」

シカコ「どしたの、いきなり…」

くっすん「さっきシカちゃんも言ってたじゃん! 今のみもりんは何かに憑依されてるって!」

そらまる「それがどうかした?」

くっすん「その通りなんだよ! みもりんの中には別のもう一つの人格があって時々、それが表に出てきちゃうの!」

くっすん「更に言えば、そのもう一つの人格は昔のみもりんで今のみもりんに芝居をやらせたがって声優のお仕事を邪魔してるの! どう!?」


シーン……


みもりん(す、すごい……くっすん……! 寸分の狂いもなく的中してる……!)

みもりん「そ、そうなの…実は」

シカコ「ぷふっ、あははははっ、ふひぃー、お腹痛ーい!」

みもりん「え…?」

そらまる「もう一つの人格って…、くふふっ、アニメじゃないんだからー」

ジョルノ「またくっすんがアホなこと言ってるのかー」

みもりん(えぇっ……?)

えみつん「そうだよ…!」

みもりん(えみつん……?)

えみつん「くっすんだって本気で言ってるわけじゃないんだから! きっとこの変な雰囲気を変える為にそんな訳も分からない話をして笑わそうとしてくれたんだよ!」

シカコ「おぉー、そうだったのかー、くっすん」

ジョルノ「これはくっすんのファインプレー」

そらまる「さすがくっすん!」

くっすん「えへへー、それほどでもー」

みもりん(ってマジで笑いのネタだったの!?)
83: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/25(水) 18:41:25.09 ID:O3Fkz1Ep.net
みもりん(どうしよう……でも言い出すとしたら、このタイミングしか…)

みもりん「みんな! ちょっと聞いてほしいの!」


くっすん「ほぇ?」

シカコ「どしたのー?」

ジョルノ「みんな、静かに! みもちゃんが何か大事なこと言おうとしてる」


みもりん「あのね…、今くっすんが言ってたこと、全部本当なのっ!!」


えみつん「……??」

そらまる「いや、すず……そんなフォローとかいらないよ? くっすんだってスベったわけじゃないんだから」

くっすん「あ、さっきのネタ気に入ってくれたんだ」


みもりん「そ、そうじゃなくって!! ホントに私の中にもう一人私がいて、そいつがみんなに酷いことを…」


Pile様「はいはい、そうですか。さすが役者を目指してる方はお芝居がお上手なようで」

そらまる「ねぇ、すず……その別人格がどうとかの前に、おかしいよ? 昨日から」

みもりん「だ、だからっ…」

みもりん(どうして……っ、どうして信じてくれないの…!?)


Pile様「はいはーい、この三森さん、今日で声優辞めて役者目指すらしいですよ?」

シカコ「え、マジで…!?」

ジョルノ「みもちゃん、やっぱり本気で…」

そらまる「そっか……ミルキィだけじゃなくて声優も辞めるつもりだったんだ……」

みもりん「……っ」
87: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/25(水) 18:56:12.28 ID:O3Fkz1Ep.net
みもりん「……」

Pile様「ほらほら、言ってあげたら? μ's辞めまーす、声優も辞めまーす、って。どうせ愛想だけ取り繕って今まで私たちのこと見下してたんでしょ?」

えみつん「私は、すずがそう決めたなら応援したい……でも、理由くらい話してくれてもいいよね?」

みもりん「だ、だからそれは私の別人格が」

シカコ「それはもういいってー」

くっすん「そんなに連呼したら私がスベったみたいに思われそうだしー!」

ジョルノ「みもちゃん、悩んでるなら相談して……本当のこと、聞かせて」

みもりん「……っ」

そらまる「すずはさ、本当に辞めたいと思ってるの……?」

みもりん「…………うん」


みもりん「私、辞める……勝手言って、ごめんなさい……」

みもりん「今日の仕事はやりきるつもりだったけど、やっぱり無理みたい……本当に、ごめん…」

みもりん「今まで……、お世話になりました」
タタタタッ


ガチャ…


そらまる「す、すず!!」

Pile様「追わなくていいよそらっ! 追わなくても…、あんな人……っ」

シカコ「なんか大変なことになっちゃったね…」

ジョルノ「まぁ、本人が辞めたいって言ってるんだから……そんなテンションで一緒にやられても、嫌だし……」

くっすん「私の、せいかなぁ……私が空気読まずにあんなこと言ったから…」

えみつん「ううん、違うよ。誰も悪くない…」
90: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/25(水) 19:13:41.94 ID:O3Fkz1Ep.net
━━


みもりん「はぁっ、はぁっ……もう、やだ……ううん、違う……これでよかったんだ……っ」

みもりん「つい飛び出してきちゃったけど、ここ何処だろ…」

みもりん「ずっと走ってきたから、わかんないや……あ、海が見える……」

みもりん「海、か……海未ちゃん、ごめんね……ごめんね……っ」

みもりん「うぅっ…、はは……今日は泣いてばっかりだ、私……でも周りに誰もいないから、いいよね……?」

みもりん「あ、一人いるんだった……。ねぇ、これであんたの思い通りになったでしょ…? 満足? 明日からは、芝居でも何でもやってあげるよ……」

みもりん「どうせ、もう私には帰る場所なんて……何処にも無いし……」

みもりん「……?」

みもりん「ねぇ…、聞いてるの? ここまで散々振り回してくれたんだから返事くらいしてよ…」

みもりん「私、一人ぼっちになんだよ…? あんたのせいで一人ぼっちになっちゃったんだよ…?」

みもりん「責任取ってよ……あんたまで私を一人ぼっちにしないでよっ!!」


みもりん「……返事なし、か」

みもりん「私から声優を取り上げてそのまま消えた……? ううん、まだ確かにいる……私にはわかるもん」

みもりん「眠ってるだけ…? こんな時間に? あ、でも私と生活リズムがまったく同じってわけじゃないのかな?」

みもりん「もしかして一旦身体から離れると一定時間休憩しないといけないとか…?」

みもりん「だったら私、今自由なんだ……でも、こんな自由……欲しくなかった……」
105: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/26(木) 00:07:27.36 ID:kQnZmwLs.net
━━


みもりん(あれから数日が経った……。事務所の社長に声優業を引退することを話したら当然だけど猛反対された)

みもりん(でも、今の私にはそれしか選択肢が残されておらず、逃げるように事務所を飛び出したきり、最近はずっと家の中で無気力な日々を過ごしている)

みもりん(とりあえず世間には三森すずこは療養による為の活動休止ということになっているらしい…)


みもりん「……ねぇ、クロ」

くろりん(何だ?)

みもりん「お芝居でも観に行こっか」

くろりん(どういう風の吹き回しだ? お前から言わずともそろそろまた私自ら活動してやろうと思っていた矢先…)

みもりん「別にー…、ていうかもう私は役者を目指すしかなくなったんだから少しでもそのモチベを上げよっかなーって」

くろりん(そうかそうか、それは見上げた心意気だな)

みもりん「ん、ミュージカルやってる友達からちょっと前にチケット貰ってたんだよね。せっかくだ行こっか」

くろりん(久しぶりに舞台を観ればまたお前も昔のような情熱を取り戻せるさ、この私が保証してやる)

みもりん「……ん」
106: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/26(木) 00:19:37.41 ID:kQnZmwLs.net
みもりん「あ、そうだ。なんなら私の身体使っていいよ? あんただって観るの久しぶりなんでしょ? だったらそんな中にいなくても」

くろりん(……いや、このままで構わん)

みもりん「別にいいって、もう悪さする相手もいないんだし。この身体好きに使ってくれて」

くろりん(……気遣い無用だ)

みもりん「ふーん…、あっそ」

くろりん(それより、さっさと支度をしろ。間に合わなくなるぞ)

みもりん「はいはーい」


みもりん(やっぱり……思った通り……。こいつは一度私の身体を乗っ取り、離れるとすぐにはまた乗っ取ることなんて出来なくなる)

みもりん(最後に身体使われたのが昨日の夜……そのままコイツが私の身体で寝たからあれからまだ10時間しか経ってない)

みもりん(過去にも何度か気になって時間を数えてたけど、12時間以上の間を空けないと再び身体を乗っ取ることは出来ない、と思う……だから今だって)


くろりん(どうかしたか?)

みもりん「ううん、何でもない」


みもりん(そして、これが一番重要なことで……。コイツは私の中に住み着いているくせに私の思考を読み取れないんだ)

みもりん(よく考えれば納得もいく……だって私が内側にいてコイツが活動している時、私はコイツの思考なんて全然わからなかったから)
107: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/26(木) 00:32:34.20 ID:kQnZmwLs.net
みもりん「あ、そうだクロー」

くろりん(何だ?)

みもりん(クロのばーか! ばーかっ! この自己中女っ!! 私の中からいなくなれーっ!!)

くろりん(……? 用があるならさっさと言え)

みもりん(ほら、やっぱり私が口に出さないことはコイツにはわからない。だから私がどんなに声優という仕事を愛してたとかクロは全然知らない……知らないから平気でみんなにあんな酷いことが出来たんだ……)

みもりん(クロの時間は昔から止まったまま……見てきた景色は私と同じ筈なのに、あの頃と変わらず情熱を絶やすことなく燃やし続けているから芝居を一番に思っているんだ)


くろりん(おい、三森)

みもりん「ううん、やっぱなんでもなーい」


みもりん(12時間以上の間隔を空けなければ身体を奪えない……そして、私の思考を読み取れない……この二つがあれば、なんとかなるかも……)

みもりん(戻れることなら戻りたいよ……みんながいる場所に……。でも、私がまだそんなこと考えてるってクロに知られたら絶対また邪魔してくる……慎重に行動しなきゃ)


みもりん「よし、準備完了! 外に出るの何日ぶりだろー」

みもりん「いってきまーす」
109: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/26(木) 00:48:29.63 ID:kQnZmwLs.net
ガチャ…


「ひゃっ!?」

みもりん「あ、ごめんなさい! って、え…?」

えみつん「もう、いきなりドア開けるからびっくりしたよー」

みもりん「ど、どうしたの…?」

えみつん「……やっぱり、すずともう一度ちゃんと話がしたいなって思って」

みもりん「えみつん……」

えみつん「メール送ってるのに全然返信してくれないし…」

みもりん「そ、それは……ごめん」

みもりん(私だって返したかったよ……でも、クロが見てるから……)

えみつん「声優辞めるからって友達じゃなくなるなんてことないよね…? ねぇ、すず…!」

みもりん「……っ」

えみつん「すず…」

みもりん「……当たり前だよ。えみつんはずっと私の大切な友達…」

くろりん(おい…)

みもりん「いいでしょ、これくらい…」

えみつん「へ?」

みもりん「あ、何でもない……こっちの話」

えみつん「あのね、すず…」

みもりん「ねぇえみつん、これから友達が出てる舞台観に行くんだけど一緒に行かない?」

くろりん(……)

えみつん「うん、行く行くー! 今日はお仕事オフだし」

みもりん「そう、良かった」
113: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/26(木) 01:06:20.34 ID:kQnZmwLs.net
━━


みもりん(クロとえみつんと私という異色な三人で観に行った舞台……率直な感想をいえば、とても素敵だった)

みもりん(舞台の上で輝いている友達を見たら、嫉妬なのかな……私もあそこに立ちたいって思ってしまった…)

みもりん(クロは上機嫌で、横にえみつんがいるにも拘わらずいつもの十倍くらい饒舌に感想とかを語りかけてきた)

みもりん(ねぇクロ…、これが貴女が私に見せたかった景色……貴女が私を登らせたい場所、なんだよね……なら私は……)



えみつん「すごい良かったねぇ、連れてきてもらって感謝ー」

みもりん「でしょー?」

えみつん「いずれすずもあそこに立つのかー、絶対観に行くからね!」

みもりん「……うん、ありがと」


みもりん「えみつんは、私がμ'sから居なくなっても……」

えみつん「んー?」

みもりん「な、何でもない……気にしないで」

えみつん「あ、まだ時間ある? ご飯食べに行かない?」

みもりん「うん、いいよ。行こっか」

えみつん「何処にしよっかなぁー、すずどっか良さげな店知ってる?」

みもりん「いやぁ…、ここら辺は全然来ないからなぁ…」

えみつん「だよねー」
116: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/26(木) 01:25:22.18 ID:kQnZmwLs.net
みもりん「ちょっと御手洗い行ってくるからその間に探しといてねー」

えみつん「あー、また人任せー!」




みもりん「えみつんは大切な友達なの……それを奪う権利なんてクロにはないよね? だから、今からご飯食べに行くんだけど、絶対邪魔してこないで……もしえみつんまで傷付けるつもりなら、その時は私…」

みもりん「ってありゃ……クロー? いないのー?」

みもりん「はしゃぎすぎて寝ちゃったのかな…?」

みもりん「まぁいっか」


━━


ワイワイ……ガヤガヤ……


みもりん「って、居酒屋…」

えみつん「なんか探すのめんどくさくなっちゃって、えへっ」

みもりん「まぁ全然いいけどねー」

えみつん「さ、飲も飲もー!」

みもりん「えー、一杯だけだよ?」


えみつん「じゃあ、うーん……すずの新しい門出を祝して、かんぱーいっ!」

みもりん「…かんぱーい!」


みもりん(えみつんとの久しぶりの二人の時間はすごく楽しかった……でも、お酒が入ってつい感情的になっちゃった私は……)


みもりん「あはは……っ、ぐすっ……」

えみつん「え? すず、どしたの!? いきなり…」

みもりん「やだよっ……、私……声優辞めたくないよぉ……っ」
118: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/26(木) 01:37:26.74 ID:kQnZmwLs.net
えみつん「え…? でもすず、役者になるからって…、だから今日も舞台観に来たんじゃないの…?」

みもりん「そう、だけど……そうじゃないのーっ…!」

えみつん「えっと、つまりどゆこと…?」

みもりん「……クロ、聞こえてる?」

えみつん「く、くろ…? すず、誰に話し掛けてるの?」

みもりん「そう、まだ眠ってるんだね……だったらお願い……もう少しだけそのままでいて」

えみつん「すず、疲れてるならそろそろ…」

みもりん「えみつんっ!」

えみつん「は、はい!?」

みもりん「私を、助けて…」

えみつん「あ、えぇと……はい」

みもりん「笑わないで聞いてほしいんだけど」

えみつん「う、うん……どきどき……」

みもりん「絶対ぜったい、笑わないって……真剣に聞いてくれるって約束してくれる?」

えみつん「も、もちろん! すずの真剣な相談を笑ったりするわけないじゃん!」

みもりん「ありがと、えみつん…」

みもりん「実はね、私のなかにもう一人の私、昔の私……黒川鈴子が潜んでて、時々そいつが私の身体を奪って」

えみつん「あはははははは!!!! もーまたその話ー? 好きだねー、すずもー!! あははははははっ!!!!」

みもりん「……」
119: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/26(木) 02:00:39.10 ID:kQnZmwLs.net
みもりん「……えみつんのうそつき」

えみつん「ご、ごめんごめんつい! でもそれってくっすんが言い出したことでしょ?」

みもりん「そ、そうだけど……それは当たってるの! ていうかくっすんが言ったことまるっきり真実だから!」



えみつん「えっと……じゃあ本当にすずの中にもう一人の人格があるってこと…?」

みもりん「だから何度もそう言ってるじゃんーっ! えみつんは私が嘘ついてると思ってる?」

えみつん「そ、そんなことないないっ! 信じる……うん、信じるよ」

みもりん「……ホントにー?」
ジーッ

えみつん「で、そのもう一人のすずは今は何してるの…?」

みもりん「今は、多分眠ってる……だからこうして邪魔されないで話せてるんだよ」

えみつん「うーん…、話を整理すると今のすずは声優を続けたいけど、もう一人のすずは昔みたいに役者を演じたいってこと?」

みもりん「そう、なんだけど……全然私の話を聞こうとしない頑固者で…」

えみつん「まぁ、そのもう一人の子もすずなんだからそうなっちゃうかな…」

みもりん「むぅ…、それどういう意味ー?」


えみつん「なるほどなぁ…、とするとすずが今みたいに自分の身体使えてる状態で声優しててもすぐにまた乗っ取られてこの前みたいなことになったりするってわけかー」

みもりん「そう、だからえみつんにお願いがあるの」

えみつん「私に? 私に出来ることなら何だってするよ! 私もすずと今までみたいに一緒にお仕事したいもん」

みもりん「えみつん…、ありがと…」

えみつん「それで、私は何をしたらいいの?」

みもりん「まだ頭の中で考えてるだけで上手くいくかはわかんないんだけど…」

みもりん「一つ気を付けてほしいことがあって…」

えみつん「うん?」

みもりん「今後は一切、私に連絡してこないで」

えみつん「え…」
121: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/26(木) 02:16:46.85 ID:kQnZmwLs.net
みもりん「他のみんなにもそう伝えてもらえる?」

えみつん「どうして…? みんな、すずのこと心配してるよ?」

みもりん「電話とかメールとか開くとクロにも見られちゃう……。私がそれを無視してるのも不自然に思われちゃうし……だから」

えみつん「わかった……なら私に出来ることって」

みもりん「えみつんには…、えみつんだけには私から連絡する。勿論、それは今みたいにクロが寝てる時に」

えみつん「あぁなるほど…」

みもりん「仕事中で出られない時もあると思うからその時はメール送るね。でも普通に返信されるとクロにバレちゃうから……ちょっとした工夫を施して、例えばこんな感じに…」

えみつん「おぉ…さすがすず! かしこい!」

みもりん「今まで迷惑かけてごめんね、多分これからもいっぱいいっぱい迷惑かけちゃうと思う……それでも、私はまた声優に戻ってみんなと一緒にμ'sしたい…っ」

えみつん「迷惑なんて思ってないよ、私とすずは親友でしょ? 困ってる時、助けが必要な時は手を差し伸べてあげる……それって全然普通のことだよ」

みもりん「うんっ…、ありがと」

えみつん「また絶対やろうね、9人でμ's……この夢は叶うよ、信じてれば必ず」

えみつん「みんなみんな、すずのこと待ってるんだから。ぱいちゃんだって口ではああ言ってたけど、一番心配してると思うよ」

みもりん「うん……うんっ」
141: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/26(木) 22:16:52.83 ID:kQnZmwLs.net
━━数日後


みもりん「ふわぁ、今日も良い天気ー。洗濯物もよく乾きそう」

くろりん(……)

みもりん「なんだか落ち着かないみたいだね、クロ」

くろりん(……)


ガタッ…


みもりん「あ、郵便…」

くろりん(替われっ!)

みもりん「ちょ、どぅわっ!?」

くろりん「……っ!」
タタタタッ

みもりん(ちょっとー! いきなりはやめてっていつも言ってるでしょー!)

くろりん「やはりこの前オーディションを受けた事務所からだな」
ゴソッ

みもりん(むぅー……全然人の話聞かないんだから…)



くろりん「……」

みもりん(また駄目だったみたいだね……)

くろりん「……こんなことは当然だ。役者の道はそんな甘くはない……この程度、想定済みだ」

くろりん「さて、次の事務所を…」

みもりん(……)



みもりん(クロが片っ端から受けまくったオーディションは、ことごとく不合格に終わった)

みもりん(クロが悪いわけじゃない……技術が足りてないとか年齢が若くないとかそういう問題じゃなくて)

みもりん(私のせいなんだ)
143: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/26(木) 22:26:41.23 ID:kQnZmwLs.net
みもりん(私が声優の時に所属していた事務所……一応、私はまだそこに所属していることになっている)

みもりん(自分でいうのもあれだけど、三森すずこは有名になりすぎた。だから事務所も簡単に辞めさせてくれるわけもなくて、未だに活動休止中という姿勢を崩さない)

みもりん(だから、劇団の事務所もトラブルを怖れて軽々しく私のことを採用するわけにもいかないんだ…)

みもりん(クロもそのことに当然気付いてる筈なんだけど…)



くろりん「大量に作成していた履歴書も底をついたか、よし……三森」

みもりん(何がよし、なの!? すぐそうやって面倒なことは私に押し付けてー!!)

くろりん「つべこべ言わずにさっさと戻……っ、仕方無い……、お前に負担をかけさせるのも悪いし、たまには私が書いてやるか」
カキカキ



みもりん(私の負担とかじゃなくてただ単に戻れないからでしょ…)
146: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/26(木) 22:59:00.87 ID:kQnZmwLs.net
━━更に数日後


みもりん「……おい」


くろりん(……すまん)

みもりん「いや、謝らなくていいから早く乗っ取ってよ! もうすぐオーディションでしょ?」

くろりん(……そうしたいのは山々なのだが、その…)

みもりん「何? はっきり言って」

くろりん(……じ、実はな、お前の身体を使うのには限度があり、ある一定の間隔を空けなくては再び)

みもりん「知ってた」

くろりん(なん……だと……?)

みもりん「それくらい気付くって……で、間に合いそうにないってわけ?」

くろりん(う、うむ……)

みもりん「調子に乗ってコロコロ入れ替わったりしてるからだよ、もぅー」

くろりん(というか、お前も受けるべきだろ! オーディションを! 何故、私ばかり)

みもりん「あんたが役者馬鹿だからでしょーが!」

くろりん(お前も役者を目指すと言っていたではないかっ! ゆくゆくはお前もやることになるのだぞ! 声優は辞めて、役者の道を志すと私と約束しただろう?)

みもりん「その言い方は……ずるい」

くろりん(ずるかろうと汚なかろうと、約束は約束だ)

みもりん「はいはい、わかりましたー。今日のオーディションは私が受ければいいんでしょ?」

くろりん(お前に限ってそんなことはないと思うが、くれぐれも真剣に挑むのだぞ?)

みもりん「はーい…」
149: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/26(木) 23:18:43.02 ID:kQnZmwLs.net
━━


みもりん「ここが、今日のオーディションの現場……って今までのと比べると随分小さいとこなんだね」

くろりん(まぁ手当たり次第にエントリーしておいたから、こういう所にもぶつかるのだろう)

みもりん「へぇ、まぁいっか」


「はい、では次の方…」

みもりん「は、はい!」

みもりん(うぅ…、やっぱりすごい緊張するよ……大丈夫かなぁ……。でも、やるしかない…!)

みもりん「みも…黒川……、黒川鈴子です。よろしくお願いします!」

「じゃあ渡しておいた台本の台詞に沿って、動きもつけながら」

みもりん「はい!」


みもりん「──やっと捕まえた、貴女をこうして、私の中に閉じ込めることができた……! これは、運命……私にとって、これが運命だったの!」

みもりん「貴女にとっても同じ、運命を失った貴女は私の運命の渦に飲み込まれる……」

みもりん「捻じ曲げられた運命には、奇跡という名を与えてやろう──」


くろりん(すごい……これが、三森すずこが持つ演技力……)

くろりん(私なんか……足下にも及ばない……)
151: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/26(木) 23:33:02.04 ID:kQnZmwLs.net
みもりん「はぁぁ…、すっごく緊張したよぉ……大丈夫だったかなぁ」

くろりん(……)

みもりん「ちょっとー、何か言ってよー! まぁどうせクロのことだし、軽口しか叩かないだろうけどー」

くろりん(…………素晴らしかったぞ)

みもりん「へ?」

くろりん(……)

みもりん「ね、ねぇ……今何て言ったの? もう一回っ、もう一回言って!」

くろりん(う、うるさいっ…、二度は言わん…)

みもりん「ふふっ、クロも可愛いとこあるんだー?」

くろりん(……さっさと帰るぞ、そしてさっさと夕飯を作れ)

みもりん「あー! またご飯の時に入れ替わろうとしてるー! ずーるーいーっ!!」

くろりん(……お前、少しは周りの目を気にしろ……私まで恥ずかしくなってくる……)

みもりん「へ…? あ……ここ街中だった…」

くろりん(まったく……)



くろりん(嫉妬……しているのか、私は……あいつの才能に……いや、違う……才能は私もあいつも同じものを持っている筈……)

くろりん(努力、してきたのだな……あいつはこれまで……それも私は知っている……一番近くで見てきたのだ。……自分に嫉妬するとは、不思議なものだ……)
154: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/26(木) 23:45:28.77 ID:kQnZmwLs.net
━━


りっぴー「やっと撮影終わったー! 疲れたにゃぁー」

シカコ「8人になって初めての撮影だっけ? やっぱまだ慣れないねー」

ジョルノ「うぐっ、腰も膝もバッキバキや……」
フラッ

そらまる「ナンジョルノ先輩、しっかりー!」

Pile様「じゃあみんな、お疲れー! またねーん♪」

くっすん「えー! もう帰っちゃうのー?」

Pile様「だって疲れちゃったしー、お腹ぺっこぺこだしー」

うっちー「私も明日、朝早いから先に帰るね~」

Pile様「じゃあ駅まで一緒に行こ、うっちー」

うっちー「うぇ~い」

シカコ「くっすんくっすん! よしのんが救助を求めてる!」

くっすん「ほぇ? 私に?」

ジョルノ「くっすぅ……くっすぅ……私は……もう……だ、め……」
ドサッ

くっすん「なんちゃーんっ!!」

Pile様「んじゃお先ー♪」

うっちー「みんな、またね~」

えみつん「ちょーっと待ったーーっ!! 」
156: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/26(木) 23:55:30.68 ID:kQnZmwLs.net
Pile様「え、どうしたの? えみつん……泊まりにくる?」

うっちー「えみつん、うちに泊まりたいの? 私、朝早く家出るけどそれでも良ければ」

くっすん「あ、久しぶりだし私の家来なよ! えみつん」

シカコ「私も久々にえみつんと遊びたいかも!」

りっぴー「あー、ずるいずるーい! 私もえみつんと遊びたいよー!」

ジョルノ「えみつん、私を家まで送り届けて……そして添い寝して」

そらまる「ていうかぁ~、穂乃果ちゃんを一番最初にリザーブしたのニコだし~☆」

えみつん「え? なにこのいきなりのモテ期……んー、だ・れ・に・し・よ・う・か・なぁー? って! そうじゃなくて!!」

Pile様「そうじゃなかったら何なの?」

シカコ「勿体ぶりすぎー」

えみつん「誰のせいだ、誰の…」

ジョルノ「それで、どしたの? えみつん」

くっすん「あ、なんちゃんが復活した!」

ジョルノ「さすがに寝転がったまま片肘ついて聞く話じゃない気がして…」

りっぴー「なんだろー?」

えみつん「あのね、みんなに聞いてもらいたい話があって…」


えみつん「すずのことなんだけど」
158: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/27(金) 00:13:35.60 ID:S6l+TcX5.net
━━数日後


みもりん「あ、また郵便きてる……この前のオーディションの結果……」
ゴソッ

みもりん「……え? 嘘……合格……!?」

みもりん「やった…! やったやった! 受かったんだ私っ! ……って何で喜んでるんだろ、私…」

みもりん(役者になりたいの? 私…。声優をきっぱり辞めてクロと一緒に役者の道に……)

みもりん「……どうしたらいいんだろ」

みもりん「……ねぇ、クロ受かったよ私……褒めてくれる?」

みもりん「……あれ? まだ寝てるのかなぁ」


みもりん「……今の隙に、これを捨てちゃえば……私は、まだ……」


みもりん「……っ」


みもりん「すぅーっ……」


みもりん「クローーーー!!!!」

くろりん(…っ!? な、なんだ…どうした…?)

みもりん「やっと起きた…、この寝ぼすけ。ほらこれ」

くろりん(ん…?)

みもりん「合格だって。すごいでしょ? さすが私ーって感じ?」

くろりん(ほ、本当か……これでまた舞台に……っ)

みもりん「えへへ、もっと褒めてよー」

くろりん(よくやった…、さすがは私だ)

みもりん「これからいっぱい稽古積んで、また大勢の人の前でお芝居したいなぁ」

くろりん(あぁ…、そうだな…)

みもりん「……でも、その前に私のお願い聞いてくれる?」

くろりん(お願い?)

みもりん「うん、あのね──」
172: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/27(金) 21:28:38.35 ID:S6l+TcX5.net
みもりん「みんなとちゃんと話がしたいの。あんな別れ方したままあれっきりだし…」

くろりん(……駄目だ、それは許さない)

みもりん「何それ、私はクロにこんだけ付き合ってあげてるのにー! クロ、自分の思い通りにならないと気が済まないなんてワガママだよ!」

みもりん「さすが何年も前の私、子供だねー、ガキだね、ガキ!」

くろりん(酷い言われようだな。大体、そんなこと言って実際に会えば揺れるに決まっている)

くろりん(また声優に戻りたいなどと泣き言言われても面倒だ。絶対に無いと言い切れないだろう? この前は見逃してやったが、あんな事今後は許さない)

みもりん「クロの意地悪っ……わからず屋! 自己中! いっつもいっつも偉そうにしてーーっ!!」

くろりん(何とでも言え。……お前が何と言おうがお前は芝居に向いている。才能も持ち合わせていながら努力も惜しまない……私なんかより遥かに優れている)

くろりん(お前は役者になるべき人間なのだ。その為には余計な物を断ち切る必要がある。夢を叶えるということは非情になる、ということだ)

くろりん(どうか私に……私が掴めなかった夢を、見せてくれ。三森すずこ)

みもりん「クロ……」

くろりん(ほら、今日はもう休め。最近、疲労が溜まっているだろう。役者にとって自己管理は大切なことだからな)

みもりん「……」
175: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/27(金) 21:43:51.86 ID:S6l+TcX5.net
━━数日後


くろりん(ほら、さっさと支度をしたろ)

みもりん「わかってるってー、もううるさいなぁ……まだ時間全然余裕あるんだから平気だよー」


みもりん(ここ最近、クロが表に出てくることは極端に少なくなっていた。今日だって新事務所に挨拶に行く日なのにクロは全部私に任せっきり…)

みもりん(認めてくれたってことなんだと思うけど…、それは同時に私が不穏な行動をとろうとすればそれをいつでも阻止出来るという脅しみたいなもので)


みもりん「クロはさー、私のこと信用してるの? してないのー?」

くろりん(何だその質問は……意図が解らんことには答える気にもなれん)

みもりん「べーつにー…」

くろりん(……?)






ガチャ…


みもりん「失礼します。今日からお世話になります黒川鈴子です」

「あぁ黒川さん、じゃあさっそくだけどこっちに来てこの書類に目を通しておいてもらえますか?」

みもりん「はい」
176: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/27(金) 21:56:32.88 ID:S6l+TcX5.net
みもりん「ふぁ……疲れた……あの書類、記入すること多すぎ……もうこんな時間かぁ…」

みもりん「お腹すいたぁ……今日は久しぶりに外で食べて帰ろうかな」

くろりん(一人で外食とは寂しい女だな、お前は)

みもりん「うっさい!」


みもりん(その夜は最近頑張ってる自分への御褒美としてちょっと高めなレストランに行った)


みもりん「あぁ…美味しかったぁ……これで明日も頑張れそう」

くろりん(そうか、それは良かったな。そんなことより終電の時間は大丈夫なのか?)

みもりん「あ、やばっ! 急がなきゃ!」
タタタタッ


ガタンゴトン……ガタンゴトン……


みもりん「……」

くろりん(……?)

みもりん「……」

くろりん(……おい、家とはまったく別の方面だが、何処に向かっているのだ?)

みもりん「……」

くろりん(おい、三森)
178: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/27(金) 22:04:44.18 ID:S6l+TcX5.net
━━


くろりん(ここは……?)

みもりん「あぁー電車乗り間違えて変な所に来ちゃったー、もう終電ないし家に帰れないよーどうしよー」

くろりん(……)

みもりん「そうだー、確かこの駅の近くにはあの子の家があったんだ、うん、仕方ないし泊めてもらおう」

くろりん(お前……)




くろりん(この私を騙したな…)

みもりん「だって言っても聞いてくれないし、だったら自分で勝手に行くしかないじゃん!」

みもりん「私だって会いたいんだもん! ちゃんと謝りたいんだもん!」

くろりん(よりにもよって、この女の家とは…)


ピンポーン…


ガチャ…


みもりん「……こんばんわー」

Pile様「いらっしゃい」
179: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/27(金) 22:15:04.63 ID:S6l+TcX5.net
みもりん「あ…、久しぶり……だね…」

Pile様「玄関で立ち話もなんだし、上がったら?」

みもりん「待って! その前に、その……私、あの時は本当にごめ…っ、うぁ…く、」

みもりん(クロ……っ、やっぱり……)

くろりん「……」

Pile様「ど、どうしたの……」

くろりん「いや…」

くろりん(三森め、私の知らない間にこの女とメールのやり取りを……。私もナメられたものだな……)

Pile様「三森さん…? ちょっと、何かあったの…?」

くろりん「気が変わった。悪いが今日は帰ることにする」

みもりん(……っ)

くろりん「ではな。もう二度と顔を見ることもないと思うが」
スッ

Pile様「……」






Pile様「……待ってよ」
181: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/27(金) 22:22:14.99 ID:S6l+TcX5.net
くろりん「……何か用か?」

Pile様「だってもう電車なくて変えれないでしょ、だったらせめて朝まで居たらいいじゃん」

くろりん「……」

みもりん(ねぇ、返してよ。私の身体……クロ、酷いよ……っ、私は友達にも会っちゃいけないの……?」

くろりん(……そう、だな)

みもりん(クロ…)

くろりん(なら私自らこの女の相手をしてやるとするか)

みもりん(え…?)

くろりん(夢を叶える為には、非情に成りきらないといけない……私が教えてやろう)

くろりん(これは私を裏切ったお前への罰でもある)

みもりん(ちょ、ちょっと何するつもり!?)

くろりん「……」


Pile様「三森さん……」

くろりん「お前の言う通りだな。外は寒いし、言葉に甘えお邪魔するとするか」

Pile様「うん、さぁどうぞー」

みもりん(……)
183: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/27(金) 22:36:16.06 ID:S6l+TcX5.net
Pile様「何か飲む? 海外の通販ですごいお洒落な紅茶買ってみたからそれでいい?」

くろりん「……」

Pile様「え、なに? 私の顔に何か付いてる?」

くろりん「……懲りないな、お前も」

Pile様「へ?」

くろりん「あのような暴言を浴びせられ、まだコイツ…私と関わりを持とうするのか」

くろりん「ならば今一度、次ははっきりと言ってやろう」

くろりん「私はお前のことが嫌いだ」

Pile様「……っ」

くろりん「声優を辞め、もうお前との繋がりは消えた。これ以上、私の邪魔はしないでもらいたい」

Pile様「……」

くろりん「話は以上だ。お前と話すことなどない。ではこれにて失礼する」
スッ


Pile様「……すーちゃん…、やだよ……声優辞めたって……私たち、友達でしょ……?」

くろりん「お前は嫌いなやつと友達になりたいと思うか? 思わないだろう? それと同じだ」
184: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/27(金) 22:49:34.80 ID:S6l+TcX5.net
Pile様「やだっ…! やだやだっ! 私はすーちゃんのこと好きだもんっ!」

くろりん「話が通じない相手というのは厄介なものだな…」

Pile様「すーちゃんも私のこと好きなはずだもんっ……、絶対絶対そうだもんっ…!」

くろりん「ならお前でも解るように話してやろう。私は役者を目指す、その為にはお前たちのような声優という低俗な者達と遊んでいるわけにはいかないのだ」

くろりん「私にとって悪影響しか及ぼさないからな」

Pile様「て、低俗って……っ」

くろりん「お前は昔、歌手をやっていたのだろう? いつまで経っても芽が出ない、そこで声優へ転機。今でこそ、そこそこ人気が出てきたようだが」

くろりん「これは遊び以外のなにものでもない、と私は思うが……お前だって本当は歌の仕事がしたい」

くろりん「だから名を上げる為に、声優を踏み台にしているのだ」

Pile様「ち、違うっ……私は……」

くろりん「まぁお前がどう考えていようと私には関係ない。そこを通してくれ」

Pile様「……やだ」

Pile様「すーちゃんが仲直りしてくれるまで……帰さない……っ」

くろりん「……なら、力ずくでも」

みもりん(クロ、手を上げたりなんかしたら私一生あんたのこと許さないよ)
187: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/27(金) 23:03:16.26 ID:S6l+TcX5.net
━━早朝


Pile様「……」

くろりん「こんな時間まで付き合わされるとは……もう充分だろう?」

Pile様「…………うん」

くろりん「……さらばだ、達者でな。Pileよ」


ガチャ…







みもりん(……)

くろりん「……怒っているのか」

みもりん(怒ってないと思うの……?)

くろりん「……まぁ元々は私を騙してこんな所へ連れてきたお前が悪い。反省することだな…」

みもりん(…………騙してごめん)

くろりん「その素直さ気味が悪いな…」

みもりん(あんたが反省しろって言ったんでしょ!)

くろりん「まぁ……そうだが……」

みもりん(ごめんね……。騙してごめんね、クロ)

くろりん「……というかここは何処だ」

みもりん(あんたは私なんだから知らないわけないと思うけど…)

くろりん「知らん。まったく見覚えがない」

みもりん(ホントにお芝居のことしか興味ないんだね……。えーと、まず東京駅まで出て、そっから山手線で渋谷まで行ってそこから…)

くろりん「……面倒だな」

みもりん(え、ちょっ…!?)


みもりん「はぁ…、また面倒ごとは私に押し付けて……」

くろりん(あの女と何時間も話すのはさすがに骨が折れた……疲労困憊だ……私はもう眠る……)

みもりん「ホント勝手だなぁ……昔の私ってこんなんだったっけ…?」
189: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/27(金) 23:19:10.86 ID:S6l+TcX5.net
舞台……ミュージカル……演劇……芝居……役者……


幼い時分からそういうものに憧れて、憧れは夢に変わっていった


毎日毎日、稽古に励んで……苦しいことも悲しいことも辛いことも、痛いほど経験してきた


念願叶って、初めて人前に出た時……その舞台から見た景色はとても素晴らしくて、キラキラ輝いていて、ここまで頑張って良かったと思えた


そして今度はもっともっと大勢の人の前で役を演じて、沢山の人を感動させられたら……って更に努力を重ねた


その為に色んなものを犠牲にしてきたけど、自分の夢の為に必要なことだと言い聞かせたら納得することは簡単だった


でも、大きな舞台に立つのは難しくてなかなか思うようにいかない日々が何年も続いた

こんなに頑張ってるのに何で……何で……って


そんな時、あの話を持ち掛けられたのだ


『声優になってみないか?』


違う、私が目指していたのは役者であって、そんな……声優なんかには……


その誘いに首を縦に振ったのは私じゃない……


私の中に潜んでいた弱い私……


三森すずこだった
190: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/27(金) 23:34:39.65 ID:S6l+TcX5.net
━━


ワイワイ……ガヤガヤ……


くろりん(んっ……)

みもりん「あ、やっと起きた?」

くろりん(……随分と騒がしいようだが、ここは……)

みもりん「もうすぐ着くから」

くろりん(またお前は勝手なことを…!)

みもりん「勝手なのはクロも同じ。お互い様だよ」


ガチャ…


みもりん「おはようございます! 三森すずこ入ります!」


えみつん「あ、すず! おはよ!」

りっぴー「みもちゃんみもちゃんー! 来てくれたんだー!」

そらまる「すず……すずぅーっ!!」

みもりん「ごめんね、そら。心配ばっかりかけて…」

そらまる「うん……っ」


Pile様「……すーちゃん」

みもりん「Pileちゃん……その、昨日は、っていうか今日は」

Pile様「事前に話聞かされてなかったらあんなの精神崩壊してたよ…、ふふっ」

みもりん「ほんとに……ごめんね」

Pile様「…許さない」

みもりん「え…?」

Pile様「あんだけ嫌い嫌いって言われたんだもん……大好きって言ってくれなきゃ、許さないよ」

みもりん「Pileちゃん……うん、大好きだよ」

Pile様「うぅ…、も、もっかい言って…!」

みもりん「大好きっ♪」

Pile様「うん……ゆ、許してあげ、りゅ……////」
192: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/27(金) 23:59:39.07 ID:S6l+TcX5.net
くっすん「ちょっとちょっとー! なに二人でいちゃついてるのー?」

シカコ「お熱いことでぇー」
ニヤニヤ

Pile様「そ、そんなんじゃにゃいって…!」

ジョルノ「なんやかんやで、まぁこれでやっと9人揃ったねぇ…」

うっちー「みもりんいないとなんか不思議な感じだったもんね」

みもりん「な、なんじょるの先輩……御迷惑おかけしてすみませんでした……」

ジョルノ「…おい、南條」

みもりん「うぁ…、あれはそのっ、違うんですーっ!!」

シカコ「あはははっ」


「μ'sさん、まもなく開演します! よろしくお願いします!」


えみつん「よし、みんな行こう!」

うっちー「いつものやる?」

ジョルノ「じゃあ今日はみもちゃんが掛け声やって」

みもりん「えぇ!?」

Pile様「私もさんせーい」

りっぴー「なんか新鮮で良いかもね!」

みもりん「う、うん…わかった!」


みもりん「みゅ、みゅぅ……」

ジョルノ「もっと気合入れんかいっ!」

そらまる「ミューズっ!!!!」

シカコ「って何でそらがやってんの! おいしいとこ取り!?」

くっすん「ほらー、みもりんがやんないからー」

みもりん「よ、よーしっ……」


みもりん「みゅぅずっ!! ミュージック!!」

「「「「スタートーー!!!!」」」」


みもりん(クロ、今度は私の夢……見ててね。すごく綺麗な景色が見渡せる……とっておきの特等席だよ)
214: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/28(土) 21:16:25.66 ID:K7H9RGKn.net
━━何日か前


えみつん「──というわけなんだけれども…」


「「「「…………」」」」

えみつん「……あれ? あ、あの、みなさま……反応を頂いてもヨロシイデショウカ?」

シカコ「え、えーと……最初にくっすんが言ったネタにみもりんがそれに乗っかって、更にそれをえみつんがパクったってこと?」

えみつん「どう聞いたらそうなるの!?」

りっぴー「あ、わかった! ドッキリだ! みもちゃんがいなくなったのも全部ドッキリなんでしょー?」

くっすん「じゃあ何処かにカメラが隠されてる…!?」

えみつん「だからドッキリでもなくてー!! ホントのことなんだってー!!」

うっちー「あはははは、えみつんは面白いなぁ~! よし、飲みに行こ!」

シカコ「あ、私も行く行くー!」

うっちー「久しぶりのPrintemps飲みだぁ♪」


えみつん「……みんなっ! 真面目に聞いてよ……全部、本当のことなの」

えみつん「みんなならわかるでしょ!? すずが冗談や気まぐれであんなことする人じゃないってこと!」

Pile様「……」

そらまる「……うん、そうだよ……えみつんの言うことはちょっと奇想天外過ぎるように聞こえちゃうけど、あれはすずの本心じゃないと思う…」

えみつん「そらまる…」

りっぴー「うーん…、確かにえみつんの言うことが正しかったら全部つじつまが合うよね?」

えみつん「……本当のことだよ。お願い、私を…すずを信じて、みんな」


ジョルノ「…え? ってことはマジなの…?」

えみつん「だから何回も何回もそう言ってるじゃんーっ! ナンジョルノ先輩ーっ!」
216: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/28(土) 21:30:47.20 ID:K7H9RGKn.net
シカコ「てことは、くっすんが最初に言ってたこと全部当たってるじゃんっ!」

くっすん「おぉぉ、私すごいっ! やっぱり希とずーっと一緒にいるからスピリチュアルな何かが乗り移ったのかなぁー」

うっちー「くっすん、ブラボー!」

りっぴー「くっすん! くっすん!」

ジョルノ「ま、まぁ私はくっすんより早く気付いてたけど? 最初に怪しいと思ったの私だし?」


Pile様「……すーちゃんが私やみんなに言ったことはその別人格の仕業ってこと……?」

えみつん「…うん、そうだよ」

りっぴー「もう一人のみもちゃんかぁ…」

シカコ「悪いみもりん、即ちブラックみもりん」

えみつん「悪い…っていうのとは違うらしいんだけど…」

くっすん「そのブラみものせいで、みもりん苦しんでるんだ……」

Pile様「……私、酷いこと言っちゃった……そんなこと全然知らなくて、すーちゃんにあんな酷いことを……っ」

そらまる「それをいうなら私だって……一緒にいる機会、一番多いのに信じてあげられなくて…」

シカコ「私も…」

くっすん「私とくっすんも…」

ジョルノ「うん、みんなそう……ん? くっすんも二人いる……?」

りっぴー「くっすん、ボケない! なんちゃんもツッコまないの!」


Pile様「謝らなきゃ……っ! すーちゃんに謝らなきゃ……」

えみつん「待って!」

Pile様「え?」

えみつん「連絡するのは駄目みたい。ブラックみもりんに知られちゃまずいから…」
217: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/28(土) 21:57:30.90 ID:K7H9RGKn.net
Pile様「まずいって…、謝るだけだよ? 別にすーちゃんが反応してくれなくたって、私が謝りたいだけで…」

えみつん「……すずはまた私たちの元に戻りたいって思ってるの」

えみつん「だから、これから行う作戦は慎重にならなきゃいけない」

そらまる「作戦…?」

えみつん「すずが考えた、みもりんμ'sに復帰大作戦……!」

シカコ「おぉ、まんまや…」

ジョルノ「何なの? その作戦は…」

りっぴー「でもどんな作戦立ててもそのブラックみもりんに邪魔されちゃうんじゃ…」

えみつん「すずから送られてきたブラックみもりんの資料によると、12時間以上間隔を空けないと再び身体を奪うことは出来ないらしいんだよね…」

くっすん「へぇー」

えみつん「だからそれを利用することにしたの」

うっちー「ちょっとまだ全然話が見えてこないんだけど…」

えみつん「もうすぐ私たちの…、μ'sのライブがあるでしょ?」

そらまる「大きいライブで9人揃わないのなんて南條さんがいなかった時以来か…」

えみつん「……すずは、そのライブに出たいって」

Pile様「え……!?」

そらまる「ほ、ホントに…!?」

えみつん「今も黒みもの目を盗んで練習してるって言ってた」

うっちー「大丈夫なの…? だって私たちと合わせた練習なんてしてないんでしょ? ぶっつけ本番なんて…」

えみつん「勿論すずもそれを一番気にしてた……皆で作る大切なライブってことわかってるし……。だから、一人でも反対する人がいれば綺麗に諦めるって……」

シカコ「そ、そうなんだ……」

えみつん「私たちはプロ……メンバーも大事だけど、ファンの皆様に最高のパフォーマンスを見せることが何より大切なこと。みんなもわかってると思う…」

えみつん「だから最高のライブを披露するうえで、すずが必要か、そうじゃないか……意見を聞かせてください」

「「「「…………」」」」

くっすん「えーと、えみつん…」

えみつん「あ、ていうかこれじゃ言いづらいよね…、なら匿名でみんなこの紙にでも」

りっぴー「違う、違うって、えみつん」

えみつん「え?」

Pile様「あのね、くっすんが…というか私たちが言いたいのは」

ジョルノ「はぁ…、9人揃ってない状態で最高のライブが出来るわけないでしょ?」
218: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/28(土) 22:06:25.50 ID:K7H9RGKn.net
そらまる「うん…、私たち8人がどんなに頑張って完璧な歌やダンスをしても、多分それは最高とは呼べない」

うっちー「μ'sは9人でμ'sだから…、8人だけでのパフォーマンスが最高であっちゃいけないんだよ」

シカコ「私たちにはみもりんが必要。みもりんじゃなくてもここにいる誰か一人でも欠けたら駄目なんだよ」

Pile様「私たちが最高であるには、9人じゃなきゃ駄目なの!」

えみつん「みんな……っ」

えみつん「……うんっ! そうだよねっ!!」


りっぴー「それで、作戦っていうの詳しく聞いてもいい?」

えみつん「うん、作戦は……そのライブの前日の夜……深夜が理想かな」

ジョルノ「……あぁ、なるほどね」

くっすん「え? なんちゃんわかっちゃったの?」

ジョルノ「深夜に黒いのを呼び出して朝くらいにまたみもちゃんに身体返せばライブが始まる時に邪魔はされないってことでしょ?」

りっぴー「なんちゃんかしこい!」

ジョルノ「えへへぇ、もっと褒めてー、りっぴー」

りっぴー「えらいえらい、おりこうさん」
ナデナデ

えみつん「南條さんが言ってくれたのでほぼ正解です」

そらまる「呼び出すって何か良い方法でもあるの?」

えみつん「……まぁ、あるにはあるんだけど……」

ジョルノ「私たちに会わせることでしょ? 黒いのが声優である私たちを目の敵にしてるのなら、黒いのが黙ってないだろうよ」

えみつん「せ、正解ーっ!」

ジョルノ「よっしゃ」

くっすん「なんちゃんえらいえらいー」
ナデナデ

ジョルノ「うへへぇ…」
219: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/28(土) 22:26:17.74 ID:K7H9RGKn.net
えみつん「……でもね、これに関してすずはあまり乗り気じゃないんだ…」

くっすん「どゆこと?」

えみつん「相手にするのはすずじゃなくて、ブラックみもりんだから……だから、その……」

そらまる「酷い言葉浴びせられたり、最悪の場合は殴られることも…」

シカコ「おぉ…、バイオレンスみもりん…」

うっちー「だったらみんなで捕まえちゃえばいいんじゃない? ロープで縛って動けなくしたり」

ジョルノ「いやいや、身体はみもちゃんなんだしそんなこと出来ないよ。それに私たちの意図を知られて計画がオシャカにされるかもだし」

えみつん「なるべく自然な感じで接したいから、一人の方がいいのかなって思う…」

りっぴー「一人かぁ…、誰がやるか決まってるの?」

えみつん「ううん、かなり危険なことかもしれないから……私が」

シカコ「はいはい! じゃあ私やる!」

えみつん「へ?」

りっぴー「いやいや、ここは同じリリホワの私でしょ!」

くっすん「それだったら一番最初にブラックみもりんを見破った私が!」

ジョルノ「くっすんにそんな危ないことさせられないって…、何かヘマしそうだし……ここは群を抜いて最年長の私が」

そらまる「ナンジョルノ先輩はすぐやられそうだからなぁ…、ここは腕っぷしに自信のあるそらまる大先生にお任せを」

うっちー「じゃ、じゃあ私も」

Pile様「……私がやる!」

Pile様「私に、やらせて…!! お願いっ…!!」

えみつん「パイちゃん…」

ジョルノ「大丈夫?」

くっすん「この前はすぐ逃げ出してたけど…」

Pile様「大丈夫……今度は絶対、逃げたりしないから……っ」

Pile様「すーちゃんに…、酷いこと言ったの、謝りたい……信じてあげられなかったから、信じてあげたい……守ってあげたい…、助けてあげたい……っ」

Pile様「また一緒に、μ'sしたいから」
223: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/28(土) 22:53:28.68 ID:K7H9RGKn.net
━━


ワーワー……キャーキャー……


みもりん(みんなのお陰で、私は今このステージに再び立つことができてる)


みもりん「クロ、見てくれてる? これが私が…、私たちが五年間かけて辿り着いた景色だよ」

くろりん(…………)

みもりん「まぁいいや、見ててね。出来れば私と同じことをクロにも感じてほしい」

みもりん「演じることの楽しさ、歌うことの楽しさ、表現することの楽しさ、これら全部ひっくるめて、私の夢──」

みもりん「私、今すごくドキドキしてる……緊張してる……でも、楽しい」


えみつん「──さぁ、夢を叶えるのはみんなの勇気」


みもりん(……クロ、夢は一人で叶えるものじゃない、みんなで叶えるものなんだよ)

みもりん(クロが間違ってるなんて言ってるわけじゃないよ…。でもね、信じ続けていれば絶対夢は叶う)

みもりん(その時、一人じゃなくて周りにみんながいてくれた方がきっと嬉しい。いっぱいいっぱい嬉しくなれるし、いっぱいいっぱい楽しいに決まってる)

みもりん(楽しいことが大好きな私だもん。クロも、そうでしょ?)


みもりん(どうかな? 今の私、最高に楽しそうじゃない?)

くろりん(……私にばかり話しかけているとミスするぞ)

みもりん(ふふっ、そうだね。いつだって完璧主義な三森すずこがそんなんじゃカッコ悪いもんね)

くろりん(……私はお前のカッコ悪い所ばかり見させられている気がするが)

みもりん(はいはい、じゃあ今日は張り切ってクロにカッコいい所見せちゃおうかなぁ)

みもりん(見直すよ? 惚れちゃうよ? 離れたくないーってなっちゃうよ?)

くろりん(無駄口叩いてないでお前はステージに集中しろ!)

みもりん(はぁーい、……怒られちゃった)
226: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/28(土) 23:09:13.49 ID:K7H9RGKn.net
━━


ワーワー……キャーキャー……

ワーワー…





みもりん(……終わった。私の、ラストライブ)

みもりん(私、やり遂げたよ)

みもりん(……結果的にみんなも騙しちゃった。クロにも悪いことしちゃったよね……でも)

みもりん(すっごく楽しかったなぁ……。うん、後悔なんてしてない……後悔なんてしたら、前には進めないから)


えみつん「すずー、お疲れ様ー!」

そらまる「ていうか個人練習だけなのに完璧だったじゃん! やっぱりすずはすごいなぁー」

ジョルノ「ほんとにね。さすがみもちゃんね」

みもりん「えへへー、でしょでしょー?」

みもりん(これが最後ってことはまだ内緒にしておこう。今日は夢のままで……)


シカコ「打ち上げ行こー!」

りっぴー「みもちゃんも来れそう…?」

みもりん「う、うん……多分……」

Pile様「またアイツが何か言ってるの? だったら今度こそ私がガツンと」

うっちー「Pileちゃん、次は精神科に通院することになっちゃうよ…?」

くっすん「Pileちゃんはメンタル弱いからー」

Pile様「むぅ、くっすんに言われたくないー!」


みもりん(……クロ)

くろりん(……お前の勝手に付き合わされて私はもうクタクタだ。寝る……好きにしろ)

みもりん(クロ、ありがとね…)


みもりん「打ち上げ行くー!!」
228: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/28(土) 23:28:18.82 ID:K7H9RGKn.net
━━翌日


みもりん「うぇぇ……頭痛い……気持ち悪い……ん?」

みもりん「…あれ? 何で私こんな格好してるの…?」

みもりん「昨日は家に帰ってお風呂入って着替えてそのままベッドで寝たはず……まさか、クロっ!?」

くろりん(遅い目覚めだな、だらしない…)

みもりん「私の身体使ってたでしょ…? 何してたの…?」

くろりん(ちょっと外に用事があって、な)

みもりん「用事……?」

くろりん(鞄の中を見てみろ)

みもりん「鞄の中……んー……」
ゴソゴソ

みもりん「あ、何これ……紙、書類……ってこれ、劇団の事務所の…、何でビリビリに破かれて」

くろりん(……もう必要ないだろ、お前には)

みもりん「へ…?」

くろりん(……辞めてきてやった。感謝しろよ、三森すずこ)

みもりん「クロ……? ってあんたはまた勝手に!! 私に相談くらいしてくれてもいいじゃんっ!!」


くろりん(……悪くない、と思ってしまった)

みもりん「え?」

くろりん(ステージに立ち、歌い、踊るお前を見て……良いものだと)

くろりん(お前の仲間も、そしてお前の夢も…)

みもりん「い、いいの…? お芝居は…」

くろりん(お前がやりたくなったら、その時はやればいい。それだけだ)

みもりん「クロ……」
230: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/28(土) 23:42:02.26 ID:K7H9RGKn.net
みもりん「…ありがと」

くろりん(……じゃあな)

みもりん「え? 何…? クロ、いなくなっちゃうの!?」

くろりん(私がいなくなってお前に何か不都合があるのか? あれほど嫌っていたくせに)

みもりん「そ、そうだけど…、でもそんな、いきなり……嘘でしょ?」

くろりん(そもそも私がこうして出てこられるようになったのはお前にまだ未練が残っていたからだ)

みもりん「そうなの…?」

くろりん(弱さ、不安、過去を羨んだり、まぁそういったもので……しかし、今のお前なら大丈夫だろう)

くろりん(役者の道を捨て、選んだのだろう? 声優としての自分を。ならば思うがままに突き進め)

みもりん「うん、クロのお陰で気付けた…、再確認出来た。私にはこんなに素晴らしい、頼りになる仲間がいるんだって」

みもりん「私の選んだ夢は、こんなにも素敵なんだって」

くろりん(……今のお前は輝いているよ。昔より、ずっと、ずっと)

みもりん「うん…、ありがと」

くろりん(…私を落胆させてくれるなよ、三森すずこ)

みもりん「ホントにいなくなっちゃうの…、クロ…っ」

くろりん(メソメソするな、情けない…。でもまぁ…、楽しかったぞ。……色々、すまなかったな…)

みもりん「クロ…、クロっ…!!」

くろりん(さらばだ。達者でな、三森すずこ)

みもりん「クロぉ…、ひぐっ……うん…っ、ばいばい……っ」
231: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/28(土) 23:59:50.52 ID:K7H9RGKn.net
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クロがいなくなって一週間、色んな会社に謝罪して回った

ライブでのいきなりの復帰。
このインパクトが項を奏してか三森すずこの知名度もぐんと上がり、企業側も反応も悪くないものだった

なんとか今まで通り、声優を続けられることになって一安心

μ'sもミルキィも今の私の大切な夢。なんとかるるもはよくわからないけど
なんちゃらかんちゃらはもっとよくわかんない……


Pile様「嫌い嫌いよやんなっちゃう」
チラッ

みもりん「うぇ…」


ジョルノ「おい、南條。群を抜いてなんたらかんたら」
チラッ

みもりん「ふえぇぇ…」


Pileちゃんやナンジョルノ先輩には、いじられることも多くなった


クロ、ありがとね。

今も何処かで見ててくれてるのかなぁ。
見てくれてるよね。だってクロは私なんだもん


私の想い、希望、夢。楽しくて、嬉しくて、幸せな、素敵な夢。


それらが全部詰まった私の、私の──



2ndAlbum『Fantastic Funfair』

2015年4月8日発売

よろしくね!



━━fin━━
239: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/03/01(日) 00:06:22.18 ID:tOl0qT/y.net
これにてー
続きはありません
また気が向いたら新しい何か書くねぇ

思いつきで書き始めたんだけど、途中からもっと設定練っておけば良かったというパターン。ていうか毎回これだ
書き溜めとか出来ないし、思い付いたらすぐ書きたくなるのだから仕方ない
中の人SSもDanDan増えてきて嬉しいけどまだ足りない
もっとみんな書きましょ
ではではー
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『みもりん「や、やめてっ……出てこないでっ……黒川鈴子!」』へのコメント

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