真姫「いつかまた」

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真姫-アイキャッチ15
1: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/03/12(土) 01:22:26.89 ID:IZyBWqMy.net
――終わってしまった。

体からストンと、芯が抜け落ちたようにへたり込んだ時、改めてその事実を認識し、私から気力を攫って行った。

(そりゃあ、そうに決まっているじゃないの。だって、みんなで目指したのはあのステージなんだから)

最初に自分たちが集まったのは何だったかと言えば、穂乃果が音ノ木坂の廃校阻止の為、である。
よくよく考えてみれば、確実ではない上に望みも薄い、選択としてはまず間違いであろうと今でも思うような方法で。

活動を行うに当たり、たまたまピアノを弾いていた自分を発起人である彼女が見つけ、スカウトしてきたのだ。
思い返せば思い返す程よくわからない。ピアノを弾ければ曲も作ることも出来るとか、そのまま曲を作ってくれとか。

「まぁ元々作っていたとは言え、それでそのまま受けて作っちゃう私も、相当なもんだわ」

でも、正直に言えば、彼女にはとても感謝をしている。あのままでいた場合、私はきっと、ピアノを、曲を、捨ててしまっていた。
その前に輝かせることが出来た。私の好きなピアノを、私が産んだ曲を、私の好きな人たちで作り上げ、輝かせた。
もしかしたら誰も聞くことはなく、誰に聞かせることはなかったかも、生まれることすらなかったかも知れない曲たちが。

元スレ: 真姫「いつかまた」

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2: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/03/12(土) 01:24:19.17 ID:IZyBWqMy.net
とにかく紆余曲折があって私たちは廃校を阻止したのだが、その時に目標としていたラブライブ。
1度目は諦めざるを得ない状況となり辞退となった大会が再度開かれ、2度目の大会で優勝を目指してやってきた。
そしてまさに、その目標である優勝を果たし、今は再度それを――終わったことを、実感していたところである。

精一杯のパフォーマンスをして、全て出し切ったと言える。
ステージ上はとても楽しかったし、ずっと、今が終わらなければと、どれだけ考えたことか。
優勝したことよりも、みんなで、私も含めた9人で、あの場所で踊っていることが、ただただ嬉しかった。

「終わっちゃった。もう、あとは卒業式を迎えてにこちゃんたちはいなくなって、私たちは学年が上がって……。
 存続した音ノ木坂には新しい子たちが来て、私たちもその内に卒業する」

もちろん当然のことだ。それが分からない程、私はもう子供ではいられず、いつかはそうしたことも、何も思わなくなるのだろうか。
何となく、それは酷く寂しいものだと思い、時間が過ぎることが少し恐ろしくも思えた。

そのままどれだけ呆けていたのだろうか。春になる前のヒヤリとした冷気に、体を震わせた。
あのステージ上で全てを出し尽くしたからなのか、自分の中の熱が抜けてしまったように感じてしまう。
3: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/03/12(土) 01:25:38.15 ID:IZyBWqMy.net
キラキラとした輝きの中で、μ'sは踊り歌い、たくさんの人がそれを観てくれていて、それぞれがそれぞれを支えて。
素敵なパフォーマンスだったと自分でも思えるし、優勝出来たということは、事実そうなのだろう。

「……ピアノでも弾こうかしら。気晴らしに、そうね。最近はμ'sの曲ばかり弾いていたし、たまには気の向くままに」

………………

ピアノの前に座り、ジッと考えること数分。
気の向くままにとは思ったものの、いざ弾くとなると思い浮かぶのはμ'sの曲ばかりだ。
さすがにここまで自分の中で存在が大きくなっているのかと思うと、苦笑いもしてしまうものだろう。

いや、無理もないのかも知れない。たった一年にも満たない時間の中でその存在が大きくなってしまう程、μ'sとしての活動は素晴らしいものだった。
μ'sの曲しか浮かばないのであれば、仕方がないだろう。腕を伸ばし、鍵盤に指を乗せ、ゆっくりと息を吸い込む。
時期は少し過ぎてしまっているが、何となく。先ほどの冷気当てられたのもあるのか、頭の中に浮かんだ曲に合わせ、鍵盤を押し込む。
4: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/03/12(土) 01:26:47.76 ID:IZyBWqMy.net
一つ音が跳ねれば、流れるように次々と音を紡いでいく。それぞれの大切なものを詰め込んだ、大切な曲。
本来であればベルの音などが入っているのだけれど、ピアノのみのシンプルな演奏。
聴く人なんて誰もいないのに、それでも、なるべく暖かい音色になるように意識をして指先を動かす。

Snow halation、私たちの作ったラブソング。
なのだが、私が抱いている気持ちに似ているような気もしていた。
ねぇ海未。今の気持ちが空から降ってきただなんて、ロマンチックよね。

Aメロの途中から音の数を増やし、Bメロで溜めて溜めて、リズムで助走を付けたら、大きく跳ね上がる。
自分でも弾いていてドキドキする。サビの疾走感、冬の冷たい空気を切り、走るような。
そしてサビの終わり際ではまた大きくリズムを取り、これでもかとメロディーを押し込んでいく。

みんなで叶える物語。
みんなで作ったこの曲も、その物語の一つであり、だからこそ、弾いてる内に目頭が熱くなった。
5: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/03/12(土) 01:27:28.96 ID:IZyBWqMy.net
…………

何曲かを演奏し、汗だくになりながら天井を見上げる。
概ね満足ではあるし、私としても不満などはない。
とても素晴らしいものを作ったと、自信を持って言える。

むしろそれを批判することは、誰が許そうと私は許せない。
だってそれは、優勝を果たした曲を批判することは、他のスクールアイドルの子に対する侮辱にも聞こえるから。

しかし、だ。
絶対に素敵なものであり、優勝を果たした曲だが、心の中で何か引っかかっている。

「……足りない。いえ、この曲に足りないものがある訳ではなくて、いろいろな曲を弾いてみたものの、今は何か違う気がする……」
6: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/03/12(土) 01:28:51.05 ID:IZyBWqMy.net
考え、考え。もしかしたらこれは作曲家特有の感覚なのか。そう思うと、少しだけ口角が上がった。
今までに作った曲は間違いなく自分たちの曲だし、自分たちの為の曲だった。
しかし、そのいずれもが、ラブライブや廃校を阻止することを意識して作られていた。

「私たちの、私たちの為の、ただそれだけの為の、曲。最後に作ったKiRa-KiRa Sensation!も素晴らしいけど、ちょっと違うわね」

自分たちの曲というだけではなく、自分たちの為だけの曲。とても傲慢で、同時に酷く素敵な、終わりではなく、結び目になるような曲。
何となく今求めているのは、それだと確信していた。今の気持ちでしか作れない、過去と未来に向けての今の曲。
それがないと言うのなら、今からでも作ればいい。

誰に聞かせることもなく、誰が歌うこともなく、きっと私の中だけで消えてしまうかも知れない。
それでもいいのだ。ただ、私が私たちだけの為の曲がないことに納得がいかないから、作る。
そして、もしかしたらそれが、今の私の、何とも言えない気持ちに、ケリをつけてくれるかも知れないから、作ろう。
7: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/03/12(土) 01:29:39.59 ID:IZyBWqMy.net
「あぁでも、何年かしたらみんなに聞かせて、ふふ……せっかくなら凛や穂乃果、にこちゃんとかが。
 いえ、みんながこの曲で踊りたかった!って言うような、言ってしまうようなものを作りましょう」

とびきり幸せで、とびきり楽しくって、私がμ'sにいて感じた楽しいも嬉しいも、そして離れていってしまうことに対する悲しいも寂しいも。
全てを混ぜ込んだそんな曲を、誰かを納得させるのではなく、自分が納得する曲を、作ろう。

ゆっくりと鍵盤を押す。そのままいくつか叩いたところで、ため息を一つ。
考えながら作ることが、本当に正解なのか問い、首を振る。
感覚に任せるべきだと判断し、一つ一つの音を丁寧に拾い上げる。

リズムもガタガタで、ただ何となくを紡ぎ、紡ぐことで、一歩を踏み出していく。
たどたどしくも確実に音を重ね、何となく音を掴めたところで、一息。

「ダメね、感覚に任せようとしても、どうしても大切な曲だと思って、力が入っちゃうんだもの……」

メンバーに対する感謝や、私たちを取り巻くその全てに対して、どう真摯であるか。
これまでとこれからを考えて作ることが、枷になってしまっている。
9: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/03/12(土) 01:30:53.64 ID:IZyBWqMy.net
そう考えるとユメノトビラを作った時に、状況は似ているのかも知れない。
三年生の為に、それだけが先行してがんじがらめになり、一歩も動けなくなる。あの時もそうだった。
もっと楽に、誰かの為ではない。自分たちの為なのだから、自分の、自分が納得できれば、それでいいのだ。

「と、イントロはこんなものかしら。イメージとしてはセンターのいない、みんなが手を取り合っている感じ。
なるべく誰かのイメージに傾いてしまわないようにってところはクリア出来てるとして、Aメロ……。
……そう、そうね。歌に集中できるようになるべく控えめに、ここはそれぞれにスポットの当たる感じで。
最初はやっぱり穂乃果よね?μ's自体、穂乃果から始まったんだもの。うん、穂乃果のソロからAメロに入る」

頭の中で曲構成を考え、曲の輪郭が見えてきたら真正面から向き合う。
あとは少しずつでも弾いていきながら、その輪郭をはっきりとした形にしていく。
10: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/03/12(土) 01:31:49.24 ID:IZyBWqMy.net
ある程度Aメロのイメージが定まってきたところで、一度頭から弾いてみる。
……最初は穂乃果の、本当に思いつきだったのかも知れない。
ただ、もしも彼女が廃校を阻止したいと思って、違う行動を起こしていたら、私は一体どうしていたのだろうか。

思ってみれば、一つでも何かが違ったら、もっと違う未来だったのかも知れない。
例えば、もしもにこちゃんが最初にやっていたスクールアイドルで、成功していたとしたら?
廃校なんてなかったら、あの3人が最初のライブで諦めていたら、穂乃果が私に気づかなかったら、最初のラブライブで優勝していたら――。

(あ……)

まだ思いついていなかった、Aメロの最後。
頭の中が爆ぜたように、イメージが湧き上がり、ニヤリとしてしまう。
そうだ、楽しい曲なのだ。全部全部、プラスもマイナスも全て内包した、私たちの歌だ。

(グリッサンドを入れて、一気に――!)

鍵盤の上、指を、横へと滑らせる。
曲を盛り上げるのと同時に、私の中で少しだけ感情が漏れ出たのか、喉の奥から呼吸が漏れた。
11: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/03/12(土) 01:32:30.19 ID:IZyBWqMy.net
穂乃果は、μ'sを作り、みんなを引っ張ってくれて、私をスカウトしてくれた。
無茶な、曲を作ってくれと、会ったばかりの年下の人間に対して、そんなお願いをしてきて。
私の中で終わったと思っていたものを生かしてくれた。それは、これから感謝をしてもしても、足りないことに思える。

私の作った曲に、寄り添う詩を書いてくれた海未。私は彼女の書く詩が好きで、なおかつ、詩に飲まれない曲を作らねばと必死にもなれた。
作曲家と作詞家はセットである。とまでは思われているかも知れないけど、少なくとも私は私で海未を信頼していて、それに相応しい曲を作ろうと思えた。
それに、トレーニング内容を考えたり喝を入れたり、リーダーを支えてμ'sを締めてくれていたのは、間違いなく彼女だ。

あれだけの衣装。あのおっとりとした性格のことりが、どうやって生み出したのか、正直検討もつかない。
ただ、彼女の作る衣装は素敵だったし、特に、KiRa-KiRa Sensation!の衣装はそれぞれのことをよく捉えていて、よく見ているのがわかって、非常にことりらしく、嬉しかった。
スクールアイドルの自分、というものは想像できていなかったが、ことりの衣装を着る時に私は、毎回とてもドキドキしていたのをよく覚えている。
12: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/03/12(土) 01:33:11.93 ID:IZyBWqMy.net
もしも私があの時に生徒手帳を落とさなかったら、違う人が拾っていたら、花陽が届けてくれなかったら、花陽がスクールアイドルに興味がなかったら。
自分は花陽が加入する決意をした時に、一緒に入っていたし、3人の時のμ'sは花陽が講堂に入ったことで、穂乃果が決心したと聞いた。
もしかすると、穂乃果がいなければそもそもμ'sは生まれなかったが、花陽がいなければμ'sはもう今なかったかも知れない。

そういった意味では、花陽がアイドルを好きでスクールアイドルをやりたがっていたと、花陽の背中を押した凛。
彼女がいなければ花陽は決断出来ず、私もキッカケがなければ入るのが遅れて……というのは、十分にあり得る。
それに、ファッションショーでの成功は、間違いなく一歩勇気を出して踏み出せた凛の功績だと、私は思っている。

実は、あまり面には出せてはいないのかもしれないけれど、私は本当にこの2人が好きだし、この2人がいてくれてよかったと思っている。
たまに幼馴染である2人に、私だけ途中の参加であると気後れしてしまう部分もあるが、それでも迎え入れてくれていて。
作曲のプレッシャーがのしかかってきた時も、彼女たちがいてくれることでバランスが取れていて、私はいつも、何だかんだで救われているのだ。
13: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/03/12(土) 01:34:09.51 ID:IZyBWqMy.net
そうだ、それに、希。何かを見透かしたようにしていて、自分のことは見えないようにしていて。
私のこともわかっているかのように振舞って、みんなをうまく調節しているくせに、自分のこととなると途端に下手くそな振る舞いだ。
そういう点では似ている部分も多いのかもしれない。私はあんなに器用じゃないけれど、まぁ、お互いに面倒臭いところがある訳だし。

にこちゃんは、一体どれだけの気持ちでいるのだろうか。話に聞いた限り、彼女の気持ちを考えると胸が苦しくなる。
他の部員がいなくなってしまった後でもあの場所にいて、1人になっても夢を追い、ようやくまた掴んだハズなのに、もう時間がなくなってしまう。
面と向かって言ったりはしないけど、本当に頼れる先輩で、実はあなたを心から尊敬しているの。冗談でも何でもないけれど、気づいているかしら?

音楽は諦めていたハズなのに、私は救われた、救われてしまった。絵里も、バレエを止めたハズなのに、μ'sでまた踊っていた。
こう考えるとBiBiって似たものが集まったのかしらね?なんて軽口を言えるハズはないけど、一度諦めた好きなことをまた出来るなんて、素敵だと思うの。
だから、絵里。お互いに、もう諦めずに好きなことを、続けていけたらもっともっと素敵だと思わない?
14: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/03/12(土) 01:34:51.05 ID:IZyBWqMy.net
歯を、食いしばっていた。心の内に溜めたものが溢れ出してしまわないようにと、必死に、力を入れていた。
気付いたら全然考えていなかったハズのサビまで弾き切っているのだから驚きだ。
頭を空っぽにして、という訳ではない。ずっと、ただただμ'sのことを考えていた。1人1人、私はまだまだ、もっとみんなでいたい。

今、私はどんな顔をしているのだろう。幸せなことだけを考えて考えて、ありったけの感情をぶつけた。
次に湧いてきた感情は、寂しいや悲しい、そういったワガママでどうしようもない、甘い自分の姿だ。
肩で息をしながら、少しだけ震える指で、ゆっくりと音を紡いでいく。

本当に幸せだったのだ。私が、大好きな音楽をできたことが。大好きな人たちと、μ'sというグループになれたことが。
あの活動そのものが、もうこれから先の私にとっての大切な宝物で、忘れることはないし、忘れたくないと思う。
こんなことを言うと凛やにこちゃんは似合わないなんて笑うかもしれないけど、本当に、本当に離れたくない。許されるなら、終わりたくなんてないの。
16: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/03/12(土) 01:35:31.78 ID:IZyBWqMy.net
思わず、鍵盤に力が入り、強く、強く鍵盤を押し込む。何故か濡れていた鍵盤で指が滑ったが、何も気にならない。
どこか冷静な自分が、こんな感情任せの曲を譜面に起こすことができるのかと聞いてくるが、知ったものか。
私が、本当に、本気で魂を込めた曲なのだ。頭や体が覚えていなかろうが、私が作っているのだから問題はないだろう。

そうだ、いつだか凛に勧められて読んだ漫画。そうだ、状況は全く違うし、こっちはピアノだけれど。

(そうね、命を、ピアノに吸わせているみたい)

そして差し掛かる大サビ――。
きっと、わかってくれる。μ'sのみんなは、私がどういう気持ちでいて、どういう気持ちを抱いていたか。
みんなと一緒にいることが出来て、本当に、本当に幸せだったの。感謝してもしても足りないくらい楽しくて、嬉しかった。
18: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/03/12(土) 01:37:04.36 ID:IZyBWqMy.net
もちろん、だからこそ今、決勝が終わって、これから三年生が卒業を迎えて離れてしまうことが悲しい、寂しい、嫌で仕方がない。
それくらいに大きいものを、私はみんなに貰った。だから、きっと、あの決断は間違っていない。間違えているハズがない。

それを間違いだと言う人がいようと、私が保証する。
間違えてなどいるものか。
みんなで決めた決断を、誰が否定できるものか。

ゆったりとした動きに合わせて、そろりと曲は締められる。
最後の音が止まった時、力がストンと抜けてしまった。
両腕をダラリと垂らして、天井を見つめ、ただただ、喉の奥から絞り出る音が部屋に響く。

(……そうね、今の内に出せるものは出しておきましょう。別に全てが終わるわけじゃないのだから)
19: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/03/12(土) 01:37:45.75 ID:IZyBWqMy.net
これからも私たちは、μ'sではなくなってしまっても、それは関係なく、生活をしていかなければならない。
当然μ'sとして活動していたことは消えないし、今まで作った曲はもちろん、今吐き出したこの曲もたしかにある。

それだけだ、それだけで充分だと思える。
全ての終わりではないのだから、もうずっと、会えなくなる訳でもない。

「うん、みんな、ありがとう。それに、これからも、よろしくね」

グッと拳を握り、袖で目をこする。少しだけ瞼が重たい気もするが、気のせいだろう。

「ひとまずは、この曲を思い出して譜面に起こすことから始めようかしら」

いつか、そのうちに、きっとこの曲をみんなで聴こう。
聞かせた時にどんな反応をするのか、今から楽しみに思う。

おわり
20: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/03/12(土) 01:38:28.06 ID:IZyBWqMy.net
思ったよりもかなり短かったな、さいなら
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