【SS】梨子「このまま負けたんじゃ……何かくやしいや……」 ことり「そうこなくっちゃ!」 ~ミュージカル 『テニスのお姫様』~

シェアする

梨子-アイキャッチ3
1: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:00:32.26 ID:qIasrOC/.net
 
テニミュパロSS

要所要所で設定の改変在り

テニプリを知らなくても多分問題なし




    【プロローグ】


梨子「ハァッ!!」スッパーン!

ことり「ふふ」スッ…

梨子(しまった! ついトップスピンを……)

ことり「……ことりのおやつにしちゃうぞ!」チュンッッッ!!!

   シュルルルル!

審判「ゲームセット! ウォンバイ南、6-4」


ことり「対戦ありがとうございました♡」ニコニコ

梨子「はぁ……。また負けちゃったか」
 

※ 動画が多数ある為通信量制限の無い環境からの閲覧を推奨します。
※ 前作記事へのリンクです(管理人)


【SS】にこ「穂乃果、あんたは……。あんたは音ノ木の柱になりなさいっ!」 ~ミュージカル 『テニスのお姫様』~

元スレ: 【SS】梨子「このまま負けたんじゃ……何かくやしいや……」 ことり「そうこなくっちゃ!」 ~ミュージカル 『テニスのお姫様』~

スポンサーリンク
2: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:02:49.27 ID:qIasrOC/.net
梨子(私は桜内梨子。東京某所のテニススクールに通う中学3年生です)

梨子(そして今対戦していた相手は、同じく中学3年生の南ことりちゃん)

梨子(ことりちゃんとは数年前に、ここで知り合い仲良くなり、それから度々練習や試合を一緒に行っています。でも滅多に勝てないんだよね)


梨子「ねぇ、本当にスクール辞めちゃうの?」

ことり「うん。高校は中学と違って硬式テニス部があるし、これからは部活動として頑張ろうと思うんだぁ~。だからここに来るのは今日でおしまいなのっ」


梨子(この子はいつも笑顔で優しい良い子だ。しかし、テニスを楽しんではいるものの情熱が感じられない。勝ちへの執念がまるでないのだ)

梨子(テニスは好きだが勝敗への拘りが少ない点など、私と似通っているようにも思える)

梨子(だからだろうか。少し人見知りで、慣れない相手との会話が得意ではない私でも、ことりちゃんとはすんなり親しくなることができた)


梨子「そっか。中には部活とスクール通いを両立させてる子もいるけど、やっぱり大変そうだもんね。そういえばどこの高校行くんだっけ?」

ことり「音ノ木坂だよ」

梨子「嘘っ!? ことりちゃんもなの?? 私も音ノ木坂だよ!」

ことり「そうだったの!? 受験人数多かったしまるで気が付かなかったよぉー。それに、梨子ちゃんはUTXに行くのかと思い込んでて……」

梨子「私もことりちゃんはUTXに行くものだとばかり……」
4: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:04:16.67 ID:qIasrOC/.net
ことり「両方テニスの名門校だけど、ここ数年だとUTXの方が少し優勢って感じだもんね。でもことりは音ノ木坂の方が良いなぁ~って」

梨子「私の場合テニス部云々は関係ないかな。部活とかやるつもりないし、単に家から近くて偏差値もそんなに悪くないから選んだだけ」

ことり「えぇ~。一緒に音ノ木テニス部入ろ?」

梨子「ん~……私、部活ってよく分からないんだよね」

梨子「スクールの方が効率の良い練習が出来るような気がするし。何より……部活やってる人たちが1番力を注いでいるであろう、団体戦にまるで興味が湧かなくって」

ことり「どうして?」

梨子「ほら、結局テニスのシングルスってさ、コートに立ったら孤独な闘い……1人で頑張る競技でしょ?」

梨子「なのに私が負けたせいでチームの足をひっぱったり、逆に自分が勝ってもチームメイトのせいで敗退とかどうも釈然としない」

梨子「それに、好きで自分のためにやってるスポーツなのに、仲間のために頑張るのって何か違うような気がするし──理由を挙げるならそんな感じかな」

ことり「あ~ちょっと分かるかも。ことりも自分のせいでチームが負けちゃったら凄く嫌だなぁ」

梨子「そういうこと。だからせっかくのお誘いだけど、テニス部に入るつもりはまったくないんだ。ごめんね?」

ことり「残念……。でもせっかく一緒の学校になるんだし、これからもよろしくね!」

梨子「もちろん! また対戦してね」

ことり「うんっ。いつでもリベンジ待ってます♡」
6: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:06:34.07 ID:qIasrOC/.net
 



梨子(それから1年と少しが経過した)


梨子(何度かことりちゃんと対戦する機会はあったけど、私は未だことりちゃんを超えることが出来ていない)

梨子(まるで勝つことができない……というわけではないのだ。何度も戦えば、ほんの数回は勝てる。しかし、そんな勝利は所詮時の運にすぎないのだろう)

梨子(もちろん負けるより勝つ方が嬉しい。しかしどうしても勝ちたいというわけではないし、別に焦る必要も無理に頑張る必要もないかな?)


梨子(放課後、楽し気な顔で部活へ向かうことりちゃんをほんの少し羨ましく思いながら、私はいつもそそくさと帰路につく)

梨子(学校帰りにテニススクールへ向かうことも多いので、帰路というのは語弊があるかもしれないが……まぁいいとしよう)

梨子(このままスクールで頑張っていれば、特別何かをしなくても、いつかことりちゃんを超える日が訪れるのではないか)

梨子(そんなことを漠然と考えていたというのに──)


  ×       ×       ×


   ~静岡県沼津市、浦の星女学院~


梨子「東京にある音ノ木坂学院という学校から転校してきた、桜内梨子といいます」

梨子「えぇと、趣味は絵画と手芸と料理です。あと、ピアノやビオラやテニスも好きです。その、……よろしくお願い申し上げます」ペコリ


梨子(──まさか自分が転校しなければならないなんて、予想外にも程がある)
 
8: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:07:45.65 ID:qIasrOC/.net
梨子(このみかん山の真ん中にある学校を始めて見た時は都会とのギャップにとても驚いたし、今でも戸惑いは大いにあるけれど、父の仕事の都合による転校なので仕方がない)

梨子(それに関しては割り切るしかないとして、これからテニスはどうしよう?)

梨子(基本的にインドア派で地味で控えめな私のことだ。テニスを辞めてしまったら、学校のない日は引き籠ってしまうに違いない)

梨子(別にテニスで高みを目指しているわけではないし、家に居るのは好きなのでそれはそれで構わないのだが、やはりテニスを続けられるものなら続けたいと……)


  「ねえねえ! テニスが好きってホントっ!?」ズズズイッ!

梨子「えっ? その……」

 「コラッ! 転校生さんビックリしちゃってるじゃん!」

  「あぅ……」

曜「あ、私は渡辺曜。ヨロシクねっ!!」

千歌「名乗りもしないでいきなりゴメンゴメン……。えっと、高海千歌です! 以後お見知りおきを!」

梨子「渡辺さんと高海さん、ですね。よろしくお願いします」ペコリ

曜「クラスメイトなんだから気軽に名前で呼んでくれていいよー!」

梨子「は、はい……」
9: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:08:46.99 ID:qIasrOC/.net
千歌「それよりテニスだよテニスっ! 音ノ木坂テニス部っていったら全国大会の常連さんで有名なところだよね? やっぱり梨子ちゃんも強いの?」キラキラッ

梨子(うっ……瞳が眩しい)

梨子「テニスは個人的にやってただけで部活には入ってなかったの。強いかどうかと聞かれれば微妙なところだけど、そこそこ出来るとは思──」

千歌「はいコレ入部届け! 入部お願いしますっ!!」

梨子「──えぇ!? だから部活はやってなかったし、これからテニス部に入る予定もとくになくて……」

梨子(もしどこかしらに入部するとしても、美術部とかそういう……)

千歌「浦女は廃坑目前でお金がないから、実績残さないとうちの部が潰れちゃうんだよぉ~……。部員も凄く少ないし、1人でも戦力が必要なの!!」

千歌「数年後廃坑になることはもう確定しちゃってるんだけど、せめて最後に浦女テニス部を輝かせたくって……。だからどうか! 音ノ木パワーをお貸しください!」

梨子「そ、そんなこと急に言われても……」

千歌「とりあえず体験入部からでいいんで! お願いしますっ!!!」ガバッ!!


梨子(うぅぅ……ことりちゃんの「おねがぁい♡」並に断り辛い。どうしよぉ~~~!?!)


 
10: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:10:04.91 ID:qIasrOC/.net
 
    【Genius 0:あらすじ ~これまでのテニスのお姫様~】


穂乃果『だって可能性感じたんだ そうだ…ススメ~~~♪』

穂乃果『後悔したくない 目の前に 僕らの道があるぅぅぅううう~~~♫』


  レッツゴー! ドゥーン! アーイ ドゥーン! アイ ライブ! イェス ドゥーン! アーイ


穂乃果「私、高坂穂乃果! テニスの名門校音ノ木坂学院に通う、高校2年生!!」

穂乃果「えっ、廃校? なんのこと?? やだなぁ~。名門校が廃校になるなんてことあるわけないじゃん」

穂乃果「生徒数も部員数も結構多いんだよ。前年度も今年度も関東大会ベスト4で、全国大会出場校!! 凄く強い学校なんだ!」

穂乃果「その辺のことは、これまでのお話をみてもらえればよく分かると思うんだけど……」


ヒデコ「一々前スレ(http://hope.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1445054291/)を読むのは面倒臭い」

フミコ「もしくはっ! 前スレを読んだけど内容忘れちゃった」

ミカ「そんなあなたのために、私達があらすじを紹介しちゃうよ~!!」

穂乃果「あらすじー、チェックチェックぅ~♪」
 
11: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:11:29.67 ID:qIasrOC/.net
 
  ~♪       ~♪       ~♪

   ♪. これが音ノ木レギュラー陣なのだ!
     (原曲……これが青学レギュラー陣なのだ!(2ndシーズンver.)  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=YBauRvE3qPE




穂乃果「よぅし! まずは音ノ木坂レギュラー陣を私が紹介して──」

 |8・)

穂乃果「──あ、ことりちゃん!」

ほのヒフミ「「「「どうぞどうぞ」」」」スススッ…


ことり『データテニスって分かるかな~? あらゆるプレイをデータで分析~♪』

ことり『沈着冷静に その資料基に 勝利を導く頭脳プレイヤー♫』

ことり『小泉花陽! 我らがブレイン♪』

  花陽「お米スムージー。コレを飲めば必勝間違いなしです!」


花陽『華麗すぎる技鍛え抜く 敵を突き刺すツリ目で攻撃♪』

花陽『怯む相手めがけー 完膚なきまでにー リズミカルな一撃 打ち続ける♫』

花陽『これこそが 西木野真姫なんです♪』

  真姫「私の美技に酔いなさい!」
12: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:12:51.99 ID:qIasrOC/.net
 
真姫『小さなシグナル キャットガール 変幻自在に相手を惑わす♪』

真姫『アクロバットプレイには目を見張るわ どんなにきわどい攻撃だろうと~♫』

真姫『笑顔で躱すわ 星空凛♪』

  凛「にゃんにゃんにゃ~ん! 余裕余裕☆」ブイブイ!


凛『飛び跳ねまくり元気印 凛よりもポジティブ 愛は太陽♪』

凛『空を目指しジャンプ打ち下ろす打球ぅ~ 不屈の心はあなたの武器だよ♫』

凛『みなぎるパッション! 高坂穂乃果!!』

  穂乃果「やるったらやる! 私は上に行くよっ!!」


穂乃果『普段は優しい先輩が 試合始まると即 ペテン師に変わるぅ~!?』

穂乃果『そのミラクルショットはぶっ飛ぶ威力 スピリチュアルパワー消すこと無理無理♫』

穂乃果『パワー自慢の 東條希だ♪』

  希「希パワーたぁ~っぷり注入! はーいプシュ!!」


希『冷静で温かい瞳ぃ~ チームを見つめる頼れる後輩や~♪』

希『的確な指示と堅実なプレイでぇ~ 熱くなったらクールダウンさせるぅ~♫』

希『常識人 尾崎まこ♪』

  まこ「みんな、 まだまだ行けるよ!」
13: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:13:59.48 ID:qIasrOC/.net
 
まこ『神業を操る天才 誰もが瞠目する女♪』

まこ『そんな彼女だけれど 慢心はしない~ あくまでもー ぴゅ~あぴゅ~あー♫』

まこ『コートに舞い降りる 南ことり♪』

  ことり「ことりのおやつにしちゃうぞ♡」


ヒデコ『仲間たちの前を行く あふれる自信とー♪』

フミコ『威厳に満ちたまなざしで 未来を見据えるー♫』

ミカ『音ノ木坂の柱とも 言える女ー♪』

ヒフミ『『『それが矢澤にこ 我らが部長ぉ~~~♪♪♪』』』

  にこ「全員で大会を勝ち抜くこと、今はそれのみよ」


にこ『培うという事は 成長しあう事♪ 寒くて上等~ これがにこの女子道~♫』

にこ『我ら音ノ木まっすぐに 前を見据えてぇ~♪』

にこ『頂点の勝利目指し 駆け上がろうぉ~~~♫』

  にこ「音ノ木ッ!」  「「「「「ファイト!!!」」」」」

  ~♪       ~♪       ~♪


穂乃果「この8人が団体戦の正レギュラーだよっ!」

フミコ「りんぱなペア・まこまきペアがダブルスで、矢澤部長・東條副部長・穂乃果・ことりちゃんがシングルスだね」

ミカ「メンバー紹介も終わったことだし、早速第1幕のあらすじにいってみよー!」
14: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:16:04.30 ID:qIasrOC/.net
 
    ≪第1幕、地区予選・都大会編≫


地区予選を無事勝ち抜き、都大会へと歩を進めた音ノ木坂学院硬式テニス部の面々。
都大会も順調に勝ち進み決勝戦進出を果たす。
決勝の対戦相手は、テニスのエリート東雲学院だ。

『UTX氷の女帝・綺羅ツバサ』『UTXのバイブル・絢瀬絵里』『音ノ木の魔法使い・矢澤にこ』と肩を並べる名選手、『東雲のテニスの鬼・結城紗菜』をエースに据えた強豪校である。


  <音ノ木坂学院 都大会決勝戦オーダー表>

 ◆ダブルス2………尾崎(1年)、西木野(1年)
 ◆ダブルス1………小泉(1年)、星空(1年)
 ◆シングルス3……東條(3年)
 ◆シングルス2……高坂(2年)
 ◆シングルス1……矢澤(3年)
 ◆控え選手…………南(2年)


  <東雲学院 都大会決勝戦オーダー表>

 ◆ダブルス2………近江(3年)、近江(1年)
 ◆ダブルス1………御堂(1年)、宮下(1年)
 ◆シングルス3……吉川(3年)
 ◆シングルス2……支倉(2年)
 ◆シングルス1……結城(2年)
 ◆控え選手…………クリスティーナ(3年)

http://i.imgur.com/Kq7D64s.jpg
1451919632-1-レス14-画像
↑東雲レギュラー陣参考画像


あと少しで都大会優勝。
気合いの高まる一同であったが、試合直前に星空凛が負傷してしまう。

負傷した凛は、UTX学院の統堂英玲奈と園田海未に助けられ大事には至らなかったものの、ダブルス1出場は断念することに。
ここまで無敗の最強タッグ、りんぱなゴールデンペア瓦解の瞬間である。


ヒデコ「東雲戦で印象に残った試合っていうと……」

穂乃果「やっぱりアレだよアレ!」

ほのヒデ「「ダブルス1っ!!」」

フミコ「凛ちゃんが捻挫で試合に出られなくなっちゃって、この時補欠だったことりちゃんが花陽ちゃんと組むことになったんだよね」

ミカ「シングルスだと今大会全勝を誇ることりちゃんが、あんなにダブルス苦手だったなんてすごく意外だったなぁ」

穂乃果「アハハ、ことりちゃんは前衛不慣れだからね。間近でスマッシュくらったら怖くなっちゃっても仕方ないよ。でもそのままで終わらないのがことりちゃんだぁー!!」
15: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:17:56.96 ID:qIasrOC/.net
近江姉妹VSまこまきペアのシングルス2。
参謀である小泉花陽の的確な作戦と、西木野真姫のリズムに乗った美技が見事に噛み合い、この試合は6-3で音ノ木坂の勝利。

そして問題のダブルス1。ことぱなペアVSココ・優理ペア。
凛と一緒でなければ真価の発揮できない花陽と、まともにダブルスのできないことりによる相性最悪ペア。
試合は一方的な展開をみせる。

5-2で東雲が大きくリード。そんな絶体絶命の最中、ことりが心中を吐露する。


  ×       ×       ×


ことり「ちっちゃい頃からずっと思ってたことがあるんだ。穂乃果ちゃんが羨ましいな……って」

ことり「勝ったら全力で喜んで、負けたら心の底から悔しがる。でも、いつも楽しそうにテニスしてるの」

花陽「なんだか凛ちゃんみたい」

ことり「ふふ、そうだね。私にはどちらも足らない感情だったから、小さい頃は羨ましくて、最近ではもう考えないようにしてた」

ことり「でもね、今……とっても悔しい。頑張るかよちゃんを間近で見て、私も本気で頑張りたいって思えるようになったの!」

花陽「ことりちゃん……」

ことり「今までごめん! 今更遅いかもしれないけど、私に本気でダブルスをやらせてくださいっ!!」

花陽「うん、もちろんだよっ!」ギュッ!



花陽「悔いの残らないようにやろう! 最後まで必死に足掻いて、とことんテニスを楽しみましょう!!」

ことり「ありがとう……。もう、どんなスマッシュからも逃げたりしないっ」

ことぱな「「これが私たちのダブルスです!!」」


  ×       ×       ×


結果は2-6の惨敗であったが、勝敗に固執することのなかったことりの内面がこの試合を期に変化。
音ノ木の天才として異彩を放っていた強者が、更なる成長を遂げた。
16: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:19:08.59 ID:qIasrOC/.net
吉川瑞希VS東條希のシングルス3は、まさに互角のパワー勝負。
途中まで一進一退の様相を呈していたが、最後はラッキー東條の“スピリチュアルテニス”が炸裂!
7-5で音ノ木坂の勝利だ。

試合を観察していた統堂英玲奈曰く──

「どこまで運でどこから実力なのか分からないのが、ラッキー東條の恐ろしさとでも言えばいいのだろうか」
「東條希……。穏和な顔して非常に小賢しい、とんだペテン師だよ」

──とのこと。


最後は、支倉かさねVS高坂穂乃果のシングルス2。
東雲のブレイン神谷理華の作戦に従い、穂乃果のミスを誘う器用なプレイングで有利な試合運びをみせるかさね。
理華の思惑通り苦戦を強いられる穂乃果であったが、持ち前の根性と体力とパワフルさで7-5の逆転勝利を果たす。

これにより3勝1敗で、見事音ノ木坂学院の都大会優勝である!

正レギュラーを温存していたがために準々決勝で東雲学院に敗れてしまったUTX学院も、5位決定戦にはベストメンバーで挑み関東大会へと歩を進めた。


穂乃果「東雲戦、ことりちゃん達は負けちゃったけどすごく良い試合だったよね!!」

ミカ「うんうん!」

穂乃果「またかさねちゃんと戦いたいな~」

フミコ「全国大会でも当たるといいね」

ヒデコ「それじゃあ次は第2幕だ!」
17: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:20:27.53 ID:qIasrOC/.net
 
    ≪第2幕、関東大会修行編≫


都大会優勝により関東大会のシード権をゲットし、少し気の抜けていた穂乃果達。
そんな彼女達の前にとある悲報が届く。

トーナメント抽選の結果、音ノ木坂学院の初戦の相手はなんと──前関東大会覇者であるUTX学院!

シード権により1回戦は免除されているものの、2回戦……つまり音ノ木坂にとっての初戦でUTXと戦うことに。
だがこれにより油断はなくなり、気の引き締まる一同であった。


それから数日後。
矢澤にこが今大会終了と共にテニスを辞めるつもりであるということを、穂乃果・凛・花陽の3名は知ることになる。

にこは己の成長に限界を感じていた。
そして何より、対戦相手から笑顔と身体の自由を奪い、絶望を植え付ける自身のプレイスタイルを嫌っていた。

しかしそれに猛反発する穂乃果。
にこは穂乃果にとって自分を鍛えてくれた恩師であると同時に、部長兼エースで強さの象徴なのだ。
そこで穂乃果は、にこに本気の勝負を挑む。


ミカ「……ん? なんでこの流れで穂乃果と部長が試合することになるのかよく分からないんだけど」

穂乃果「テニスを通してなら想いが伝わるんじゃないかな~って思ったんだよね。まあ結局ボロ負けしちゃったんだけどさ」タハハ…

ヒデコ「私達はこの時のことをよく知らないけど、なんかヤバイ試合だったんでしょ?」

穂乃果「うん。視力とか手足の感覚とか奪われちゃってほんと大変だったよー。途中の記憶が曖昧だし最後は気絶しちゃったし」

フミコ「なにそのテニスこわい……」
18: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:21:06.89 ID:qIasrOC/.net
 
試合後、穂乃果の想いを汲み取ったにこは部活引退後もテニスを続けることを誓い、こう語る。


  ×       ×       ×


にこ「だからそれまでに、立派な音ノ木の柱になりなさいよね」

にこ「柱っていうのはね、チームを支える精神的支柱、皆をぐいぐい引っ張っていく中心人物。そういう存在になってくれって意味」

にこ「今日の試合で確信したわ、穂乃果は紛れもなく無限の可能性を秘めているって。だから──」


にこ「──あんたは音ノ木の柱になりなさい!」

穂乃果「……っ!」コクリ!


  ×       ×       ×


フミコ「穂乃果が次期音ノ木の柱か~」

ミカ「らしいちゃらしいけど、どことなく違和感があるよね」アハハ!

ヒデコ「わかるわかる」

穂乃果「もうっ! 次いくよ次!!」
19: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:22:54.71 ID:qIasrOC/.net
 
    ≪第3幕、関東大会編≫


ついに訪れた関東大会当日。
当然の如く1回戦を突破したUTX学園は、2回戦にて音ノ木坂学院との対決を迎える。


  <音ノ木坂学院 関東大会2回戦オーダー表>

 ◆ダブルス2………小泉(1年)、星空(1年)
 ◆ダブルス1………尾崎(1年)、西木野(1年)
 ◆シングルス3……東條(3年)
 ◆シングルス2……南(2年)
 ◆シングルス1……矢澤(3年)
 ◆控え選手…………高坂(2年)


  <UTX学院 関東大会2回戦オーダー表>

 ◆ダブルス2………黒川(3年)、堀(3年)
 ◆ダブルス1………統堂(3年)、優木(3年)
 ◆シングルス3……絢瀬(3年)
 ◆シングルス2……石井(2年)
 ◆シングルス1……綺羅(3年)
 ◆控え選手…………園田(2年)

(黒川・堀・石井の3名は、実在する人物をモチーフにしたオリキャラ……程度の認識で呼んでもらえると幸いです)


黒川・堀ペアVSゴールデンペアのダブルス2。
花陽のデータを上回る堀の“FLAREサーブ”と黒川の機敏な動き──通称“ダンス殺法”により序盤は翻弄されるが、ここで凛と花陽の“シンクロ”が発動。

“シンクロ”とは、想いや思考の共有状態。2人で行うデータテニス。
凛持ち前のスピード&アクロバティックに花陽の先読みが加われば、最早取れない打球はない。

6-3で、音ノ木坂の逆転勝利である。


続いて統堂・優木ペアVSまこまきペアによるダブルス1。
完敗を覚悟していたにこであったが、意外なことに1ゲーム目からデュースに縺れ込む接戦となる。

しかし 「1-2、UTXリード」 この状態から英玲奈とあんじゅの“レーザービーム”による猛攻が始まる。
あんじゅが模倣できるのは英玲奈のレーザーだけではない。
ことりの必殺技“コトリ返し”や、まるで凛の様なアクロバティックプレイまで炸裂。

「1-5」 あと1ゲーム取られれば負けてしまう。
追い詰められたこの状況で、まこまきペアの超守備型フォーメーション“まこちゃんのテリトリー”が炸裂!
粘りに粘った結果、真姫とあんじゅが力尽き、最後は英玲奈が決める。

3-6でUTXの勝利だ。
20: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:25:23.36 ID:qIasrOC/.net
絢瀬絵里VS東條希のシングルス3。
この2人は3年程前からの深い仲で、希を鍛え上げたのは絵里……つまり師弟対決である。

絵里の方が1枚も2枚も上手。
だが、ペテン・運・オカルト・天候・スピリチュアル・挑発、それら全てを駆使した希のプレイスタイルは絵里にいつも通りの実力を発揮させない。
序盤は絵里の力を封じ込め完全に優勢な希であったが、いつまでも小細工の通じる相手ではなく一気に追いつかれてしまう。

このまま絵里が勝つかのように思われたが、パワープレイヤー同士なのが禍し両者共負傷。
試合の続行を望む絵里と希であったが、選手の消耗を嫌った両陣営の判断によりこの試合はノーゲームとなる。


石井VS南ことりのシングルス2。

ことりの超回転は石井のライジングショットにより対策されており、2ゲーム連取されてしまう。
しかしその対策を軽々上回るのが天才。
以降は1ゲームたりとも取らせはしないワンサイドゲーム。

最後はにこのショットを参考にしたことりの新技、“ことり式・にこぷりドライブ”により決着。
6-2で音ノ木坂の勝利だ。


ついに綺羅ツバサVS矢澤にこのシングルス1。
『魔法使い』と『氷の女帝』による、頂上決戦と言っても差し違えない部長対決が始まる。

にこは昨年度の大会において、都大会と関東大会で2度も絵里と激戦を繰り広げている。
結果は1勝1敗であったが、その際にこは肩を壊し、更には魔法のようは超絶技巧の対策までされてしまっているのだ。

UTXの頭脳ともいえる絵里の作戦と、ツバサのとてつもない運動神経がにこを追い詰める。
その結果、にこは昨年壊した肩を無意識に庇い、肘や腕に余計な負担をかけてしまう。

魔法は効かない、腕は痛める、そんな絶望的な状況ながら執念で戦い続けタイブレイクに突入。
永く壮絶なタイブレイクの果て、僅差でツバサが勝利を収める。


これにて、2勝2敗1分。
第六試合、控え選手によるシングルスを行うことに。


フミコ「あの部長対決は熱かったね。あんなに白熱したタイブレイクは初めて見たよ」

穂乃果「去年のにこちゃん対絢瀬さんの試合も熱かったけど、それ以上の接戦だったもんね~」

ミカ「その後の穂乃果対園田さんの試合も凄かったよ!」

穂乃果「えへへ~」
21: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:27:27.42 ID:qIasrOC/.net
 
  ×       ×       ×


海未(……王者UTXの命運が、私の手に懸かっているということですか)

穂乃果(にこちゃんの想い、皆の応援、ちゃんと受け取ったよ。対戦相手の園田さん、とっても強そうな人だけど、でもっ!)

海未(物凄いプレッシャーですね。しかしここで臆する私ではありません!)


ほのうみ((……この試合、絶対に勝つ!!))



にこ「穂乃果、あの日の放課後に言ったこと覚えてる?」

穂乃果「うん」


  ~♪       ~♪       ~♪

   ♪.あなたこそがテニスのお姫様
     (原曲……あいつこそがテニスの王子様  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=ymtnEGGoPWY




にこ「穂乃果、あんたは……。あんたは音ノ木の柱になりなさいっ!」

穂乃果「…………」コクリ!



審判「ザ・ベストオブ・ワンセットマッチ!」

     UTX学院 園田
        VS
    音ノ木坂学院 高坂

審判「音ノ木坂サービスプレイ!!」
 
22: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:28:12.30 ID:qIasrOC/.net
 
ことり『行け! 穂乃果ちゃん♪ あなたの行く手には 私たちの世界があるぅ♫』

希『跳べ! 穂乃果ちゃん♪ 何も恐れぬ あなたのクールなガッツを 見せてくれ~♫』


穂乃果「…………ッ!」パコーン!


真姫『そこよ! 穂乃果~♪』
  穂乃果「よそ見してていいの?」

真姫『稲妻と見紛う♪』
  穂乃果「どんどんいくよっ!」ヒョーーーーーーーイ スッパーン!!

真姫『サムライサーブで決めろ~♫』
  フミコ「またサムライサーブが決まったぁ!」


凛『いいぞ! 穂乃果ちゃん♪ 目にもとまらぬ スピードを持つスマッシュを ぶちかませぇ~♫』


海未「返せない球ではありません!!」パンッ!


ミカ「あぁあ! サムライサーブを返された!!」

花陽「いえ、あのサムライサーブは……」

ことり「本気じゃないっ!」

真姫「わざと穂乃果のやつ……」

凛「そうにゃそうにゃ!」

希「返せるレベルで打ったみたいやね」
24: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:29:27.76 ID:qIasrOC/.net
穂乃果「……ハッ!!」ピョンピョコピョンピョン!


まこ『GO! 穂乃果ちゃん♪』
  ここあ「あれはにこぷり!?」

まこ『果敢な態度で♪』
  海未「何なのですかこの人は……っ!」

まこ『新しい技操れ♫』
  穂乃果「どんどんいくよっ!」


花陽『オーライ! 穂乃果ちゃん♪』
  こたろう「すごいー……」

花陽『怯むんじゃないよ♪』
  こころ「にこぷりの動きをいつの間に!?」

花陽『あなたに不可能なことは 何もない~♫』


真姫「けどにこぷりのモーションだけ真似したってしょせんはハッタリ。二度目は通用しないわね」

穂乃果「うぅ~」シュン…


ことり『あらゆる人を 瞠目させる♪ あなたのテニスは 至高の技ぁ~♫』

にこ『あんたは音ノ木の 柱になれ♪ 私たちの栄光を導けぇ~♫』


海未「くっ!」パコーン!

穂乃果「たぁ!」スパーン!


海未(こうなっては仕方がありません。……あの型を使いますっ!)スゥゥ…

http://i.imgur.com/vCW0n6T.jpg
1451919632-1-レス24-画像


絵里「出た出た! 海未の演舞テニス!」ハラショー!

ツバサ「海未の奴、あの独自のフォームにかえて急に伸びてきたわね」

英玲奈「あいつの実家が、日舞・古武術・剣道・弓道等の道場をやっているらしい」

あんじゅ「海未にとって、あのフォームが自然体なのね」
25: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:30:55.33 ID:qIasrOC/.net
 
理華『相変わらずだね 高坂穂乃果♪ 勢いの良いプレイで 試合を盛り上げるー♬』

かさね『あなたは~ かさねを熱くする~♪ あなたは~ 人を惹きつける~♬』

瑞希『Place tension♪ Best condition♫ You are the best♪』

かさね・瑞希・理華『『『You are the princess of tennis~♫』』』


海未「ヴェッア゙ア゙!」スッパーーーン!!!


ことり「まずいよ穂乃果ちゃんっ!」

希「なんなんや、あいつ……」

凛「ちょっと強くないかにゃー?」

花陽「こんなに早く台頭してくるとは、ノーマークでした……」

まこ「何もデータないの!?」


花陽「いえ」メガネ スチャッ!

花陽「園田海未選手、2年、アグレッシブベースライナー。性格は冷静沈着で他人に流されない」

花陽「少し人見知りで奥手な面もありますが、常に前向きで、虎視眈々とレギュラーの座を狙っていたようです」

花陽「誕生日は3月15日、血液型はA型、好きな言葉は……」


海未「 ラ ブ ア ロ ー シ ョ ッ ト で す ! ! 」デデドン!


海未『ラブアローショット 射~抜~け~♪ 山頂アタックです 頂上~ま~で~♫』

海未『追いかけるのが 快感です~♪ 追いついて 倒してみせます~♫』


穂乃果『ラブアローショットって 言う~け~ど~♪ 私には関係 な~い~さ~♫』

穂乃果『敵が強ければ 強いほど~♪ 対等にぶつかり合うだけ~♫』

海未『ラブアローショット♪ ラブアローショット♪ 射抜けッ!!』ズキュンッッッ!

穂乃果「私は上に行くよっ!」ズドーーーン!!
26: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:32:32.70 ID:qIasrOC/.net
 
雪穂「今度はお姉ちゃんの反撃、“閃光R”ッ!! 凄い! 両者一歩も譲らないよ!!」

亜里沙「お互い大技出しまくりだね!」ハrrrショー!

雪穂「いけーっ! お姉ちゃーーーん!!」


雪穂『私の目標さ 高坂穂乃果♪ まっすぐ見据えた視線 揺らぐことなどない~♫』

亜里沙『あなたは~ 亜里沙を熱くする~♪ あなたは~ 人を惹きつける~♫』

ゆきあり『『Place tension♪ Best condition♫ You are the best♪ You are the princess of tennis~♫』』


あんじゅ「絵里、なんか震えてない?」

絵里「…………」プルプル…プルプル…
http://i.imgur.com/R8r7rSV.gif

英玲奈「そういうあんじゅ、お前も。私もだが」

ツバサ「なんとしても勝って海未。私たちは……ここで負けるわけにはいかない!!」


海未「あと10ゲームはいけます」フフン!

穂乃果「ふぅん。私あと20ゲームはいけるよっ!」

海未「減らず口を!!」ハァッ!!


にこ「相手が緩急をつけ始めたわ、あの時のにこと同じね。さぁ、どうする穂乃果」


にこ『あんたの 真摯な態度が むかつくほどだわ♪』

希『しかし人の心を 動かすそのオーラはなんだー♫』

にこ『にこに人生をー 考えさせる♪ 強さゆえの 厳しさぁ~♫』

希『その高貴な輝きに 人は瞬きを忘れるー♪』


穂乃果「…………!」スパーン!

海未「ッ」ボカッ!


ヒデコ『照れくさいほどの~♪ 呼び名が似合う~♫』

フミコ『あなたは まさしく~♪』

ミカ『テニスのお姫様~♫』

ヒフミ『『『You are the princess of tennis~♪』』』
27: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:33:44.30 ID:qIasrOC/.net
 
穂乃果「あなたのハートをリターンエース!」パッッッコーーーン!!


凛「うをぉーーー! とまらないにゃー!!」

ことり「穂乃果ちゃん凄いっ!」

まこ「そっか。穂乃果ちゃんずっと補欠で皆の試合を見てて、鬱憤が溜まってたんだね」

希「そして、あの部長対決を目の前で見たんや。いつも以上にテンションが上がってプレイできるのも頷ける」

真姫「いいえ。あれが本来の、彼女のベストテンションなのかもしれない……」


穂乃果「あと100ゲーム、ファイトだよっ!」


  『『『『『Place tension~♪(You are the best)』』』』』

  『『『『『Best condition~♪(Princess of tennis)』』』』』

  『『『『『You are the best~♫(You are the) You are the princess of tennis~~~♪♪♪』』』』』


穂乃果「────ッ!」スッパーーーン!

海未「っ!?」ドサッ!

  ~♪       ~♪       ~♪


穂乃果「わーい! 勝ったぁぁぁあああ!!!」ピョンピョーン!

審判「ゲームセット!! ウォンバイ高坂! ゲームカウント6-4!!」


ことり「やったね穂乃果ちゃーーーん!!!!!」モッギュー!

凛「テンション上がるにゃーーー!!!」>ω</

希「スピリチュアルやね!」

花陽「よかったぁ……」ウルウル…

にこ「……フフッ」



審判「以上により、3勝2敗、ワンノーゲーム。音ノ木坂学院の勝利です!」

審判「両チーム共、整列してください」

審判「礼っ!」


  「「「「「ありがとうございました!!!」」」」」ペコリ!
 
28: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:35:57.59 ID:qIasrOC/.net
ツバサ「…………」

  「「「「「UTX! UTX! UTX! UTX! UTX! UTX!」」」」」


にこ「……敗者戦トーナメント、負けんじゃないわよ」

ツバサ「えぇ。王者UTXが、このまま終わるわけにはいかないもの」

にこ「次はにこが勝つわ」

ツバサ「勝つのは私……いいえ、私達よ!」


  にこツバ「「全国で会いましょう!!」」


  ×       ×       ×


穂乃果「でねでねっ! 実はこの後海未ちゃんと仲良くなったんだよ!」

ヒデコ「昨日の敵は今日の友ってやつ? 穂乃果らしいねぇ」


そして音ノ木坂学院は、負傷したにこと希を温存しつつも暫く順調に勝ち進む。
しかし準決勝、Y.G.国際学園との試合で1勝3敗につき敗北。

http://i.imgur.com/bPR4g6U.jpg
1451919632-1-レス28-画像
↑Y.G.国際学園 参考画像

敗者復活戦トーナメント優勝、東京・UTX学院。
コンソレーション勝者、神奈川・千歳橋高校。
ベスト4、東京・東雲学院。並びに、東京・音ノ木坂学院。
準優勝、千葉・藤黄学園。
優勝、神奈川・Y.G.国際学園。

以外が、関東代表として全国大会への進出権を手にした6校だ。


穂乃果「にこちゃんと希ちゃんが出れない間は、代わりにヒデコもシングルスレギュラーだったもんね。お疲れさま!」

ヒデコ「いやはや……準決勝では負けちゃって申し訳ない」

穂乃果「まぁあの時は私も負けちゃったし……。逆に全勝中のことりちゃんとゴールデンペアは凄いよねぇ」

ヒデコ「うん? あぁー、ことりちゃんと花陽ちゃんが組んだ時のやつはイレギュラーだし、その試合を抜きで考えると全勝なのか」

フミコ「ちなみに副部長も、1度引き分けちゃっただけで無敗だよ」

ミカ「全国大会は一体どうなるんだろう? 楽しみだね!」


穂乃果「それじゃあここからついに新章! 第4幕、全国大会編(1日目)のスタートだぁぁぁあああーーー!!!」

 
29: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:38:11.22 ID:qIasrOC/.net
 
    【全国大会編(1日目)オープニング】


 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. それは選手たちの奇跡 ~ 僕らはコートのなかで
     (原曲……それは僕たちの奇跡、僕らは今のなかで)


穂乃果『さぁー夢をーーー 叶えるのは皆のプレイ~♪』

ことのぞにこ『『『負けないー♫』』』

まこまきりんぱな『『『『心でー♫』』』』

  『『『『『勝利へ駆けていこ~~う♪』』』』』


ことほの『『真っ直ぐなー打球がー みん~なを結ぶー♪』』

ことほの『『本気でもー不器用ー ぶつ~かり合うテクニック♫』』

まこまきりんぱな『『『『それでもー見たいよー 大きな夢はー♪』』』』

まこまきりんぱな『『『『ここにあるよー 始まったばかりー♫』』』』


  ことほの『『わかってる~』』

のぞにこ『『楽しいだけじゃない 試されるだろ~う♪』』

  まこまきりんぱな『『『『わかってる~』』』』

のぞにこ『『だってその苦しさも~ミライ♫』』

  まこまきりんぱな『『『『打つんだよ~』』』』

ことほの『『集まったら強い自分になってくよー♪』』

  まこまきりんぱな『『『『きっとね~』』』』

のぞにこ『『変わり続けてー♫』』

  ことほの『『We are winner!』』
 
30: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:38:45.49 ID:qIasrOC/.net
 
  『『『『『それぞれが好ーーーきなことで 頑張れるなら♪』』』』』

  『『『『『新しい 場所が ゴールだね♫』』』』』

  『『『『『それぞれの好ーーーきなことを 信じていれば♪』』』』』

  『『『『『ときめきを 抱いて 進めるだろう♫』』』』』

  『『『『『恐がる癖は捨てちゃえ とびきりのショットで♪』』』』』

  『『『『『跳んで跳んで高く 僕らはコートの~なかでー♫』』』』』


  『『『『『今ここ~でー 出会えた奇跡♪』』』』』

  『『『『『忘れな~いでー 僕たちのテニス~……♫』』』』』

 ~♪      ~♪      ~♪
 
31: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:40:03.98 ID:qIasrOC/.net
 
    【Genius 1:もう1人のお姫様】


   ~園田道場~


穂乃果「メェェェン!!!」バシィィィ!!!

海未「遅いっ! 小手!!」バチンッ!!

穂乃果「うわぁ!?」


ことり「えっと、1本! ……で良いのかなぁ?」

海未「ええ。いきなり審判の真似事をやらせてしまいすみません」

ことり「ううん。2人の真剣勝負、すごい気迫で見てて楽しかったよっ」

海未「ありがとうございます」

穂乃果「海未ちゃん容赦なさすぎだよー! それに強すぎっ!!」

海未「穂乃果こそ、本当に竹刀を握るのが数年ぶりなのですか? そうとは思えない程の腕前でしたね」

穂乃果「へへへ~」

海未「しかし竹刀を振り下ろす際、若干軸がブレているように思えます。そこさえ改善すれば更に早い斬撃を放てるようになりますよ」

穂乃果「それができるようになれば、ラブアローショット打てるようになるかなぁ?」

海未「向き不向きもありますし、それはなんとも言えませんが……。しかしその努力が無駄になることはないかと」

海未「全国大会まであとほんの数週間。この短期間で、テニスの技術を急激に引き上げることは不可能でしょう。技術を伸ばすために大切なのは日頃の積み重ねですから」

海未「しかし普段はやっていない運動に手を出すことで、いつもとは違う筋肉が鍛えられたり、何か新たな技のヒントを得ることは出来ると思うのです」

穂乃果「ほうほう」
32: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:41:12.63 ID:qIasrOC/.net
海未「というわけで、トレーニングを兼ねた山登り強化合宿を企画中なのですが、共に修行をしてくれるという方が現在絵里先輩しかいないんですよ」

海未「よろしければ穂乃果とことりも御一緒していただけないでしょうか?」

穂乃果「山で修行!? なんか冒険みたいで楽しそうだね!! でもUTXの修業についてっちゃって大丈夫なの?」

海未「えぇ。女性2人ではいざ何かあった時危険ですし、絵里先輩も東條さんを誘ってみると言っていましたので」

ことり「山かぁ……。ことりはちょっと遠慮したいかな」アハハ…

穂乃果「じゃあ私も誰か誘ってみるね!」


  ×       ×       ×


   ~西木野病院付属リハビリ用スポーツ施設~


凛「おぉ~! トレーニング器具がいっぱいで凄いにゃー!!」

真姫「デッショー?」

凛「でも、なんでリハビリ施設に低酸素マスク付きのランニングマシーンがあるの? こういうのって本格的なジムにしか無いイメージなんだけど」

真姫「フフン! パパにお願いして買ってもらったのよ。これでスタミナ不足を克服してみせるわ!!」

凛「よーし。凛も目一杯走るぞー!!」



花陽「アドバンテージレシーバー。レシーバーマッチポイント」


まこ「はぁ……はぁ……」

にこ「…………」


にこ(まこはここ最近、前に詰めるのがどんどん上手くなってきたわね。後衛だけでなく前衛も無難に熟せるようになって戦術の幅が増えた)
33: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:43:22.49 ID:qIasrOC/.net
まこ「えい!」シュッ!!

にこ(相変わらず綺麗なスライスサーブ。でもっ!)パコン!

  パコーーン! ポーン スッパーーン!! パコン! ポーーン! ポーン パッコーーン

にこ「これでおわりよっ!」ピョンピョコピョンピョン!

まこ(ベースラインより少し前に立つ。あまり前に詰め過ぎず、けどいつでも前に飛び出せるように構えておけば……)

まこ(“にこぷりドライブ”と“にこぷりドロップ”のどちらにも対応できるはず!)

にこ「甘いッ!!」シュピン!!

まこ「っ……!」

まこ(あの跳ねる動きはブラフ!? ロブでもドロップでもなく、普通にクロスへのストローク……完全に裏をかかれた!)


花陽「ゲームセット! ウォンバイ矢澤、6-1」


まこ「うぅぅ~。にこちゃんの強さは嫌というほど知ってるけど、ここまで完敗だとやっぱり悔しいなー」

にこ「去年は真姫と2人がかりで手も足も出なかったくせに、今はタイマンで1ゲーム取れたんだから随分成長してると思うわよ」

にこ「最後もデュースまでいって良い感じだったじゃない」

まこ「もしさっきのゲームを取れたとしても、結局6-2で負けちゃってたかな。そろそろラケット持つのも辛いし……」

にこ「この世紀の魔術師にこにーにこちゃんが本気出してるんですもの! そのくらいとーっぜんじゃない!!」フフン!
34: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:45:05.60 ID:qIasrOC/.net
にこ「……で、花陽の目から見てにこのフォームはどうだった? やっぱりまだどっか変なのかしら?」

花陽「ううん。もう大丈夫だと思うよ!」

にこ「そ、良かった。肩を庇うあまり肘や腕に余計な負担をかける打ち方になってるなんて言われても、正直まるで自覚ないし、改善できたかどうか自分じゃ判断できないもの」

まこ「自覚ないのによく打ち方を直せたね」

花陽「まぁ、自分では目視できないにも関わらず“ブレ球”を打てちゃうにこちゃんだから……」

にこ「ふっふ~ん! にこに器用さで敵う奴なんて居やしないわ!」ドヤァ!


  ドタバタ ドタバタ ドタバタジャンゴー

凛「ダレカタスケテーー!!!」

花陽「凛ちゃんっ!?」

にこ「急にどうしたってのよ。あんたと真姫は向こうでトレーニング中じゃなかった?」

凛「真姫ちゃんが大変なの! ランニングマシーンで一緒に走ってたらいきなり倒れちゃって……」

まこ「えぇぇ!??」

にこ「と、とにかく様子見に行くわよ! ホントにヤバそうだったら救急車──」


真姫「…………」フラフラ… フラフラ…


まこ「あ、真姫ちゃん」

凛「凄い倒れ方したのに動いてなの!?」

真姫「……平気、よ……。凛、あなた、大袈裟に……騒ぎ過ぎなのよ…………」ハァ… ハァ…

にこ「いやどう見ても平気じゃなさそうなんだけど」
35: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:46:13.00 ID:qIasrOC/.net
花陽「ねぇ、一体どんなトレーニングしてたの?」

凛「低酸素マスクつけながらずっと走ってただけだよ?」

まこ「ずっとって……もしかして私とにこちゃんが試合してる間ずっと!?」

凛「うん。走るペースはノンビリだったしあんなの余裕余裕!」ブイブイv

にこ「真姫もバカねぇ。そんなこと常人がやったら酸欠で倒れるに決まってるじゃない」

真姫「うっさいわね……」ハァ… ハァ…

凛「まるで凛が人外みたいな言い草だにゃ……」


まこ「もうこんな無茶しちゃ駄目だよ?」

真姫「えぇ……」

まこ「空返事してるだけでしょ」

真姫「……なんで分かるのよ」

まこ「あはは。そりゃ~ずっとペア組んでるんだもん。花陽ちゃん達みたいに“シンクロ”はできなくたって、このくらいお見通しだよ」エヘッ

真姫「…………」


真姫(はぁ……中学の頃からこの子にはずっと敵わないわね。でも、私は無理しなくちゃいけないのよッ!)

真姫(統堂英玲奈・優木あんじゅとの試合。あの時まこちゃんは完璧なゲームメイクをみせていた。私にもっと体力さえあれば、きっと逆転勝利することだって……)


   ピロリン♪

凛「にゃにゃ?」

花陽「凛ちゃんのケータイ?」

凛「うん。あ、穂乃果ちゃんからだ!」
36: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:47:05.36 ID:qIasrOC/.net
 
  ×       ×       ×


   ~数日後、UTX学院~


英玲奈「練習そこまで! 1年生はボールの片付けとコート整備、始めっ!!」

  「「「「「はい!!」」」」」


あんじゅ「つ~か~れ~た~……。最近レギュラーの練習メニューだけキツすぎるんじゃないかしらぁ?」

英玲奈「全国大会は目前なのだから当然だろう」

ツバサ「そんな大事な時期なのに絵里と海未は休み? 昨日も見なかった気がするんだけど、もしかして一緒に風邪でもひいちゃった?」

英玲奈「その件に関してならこの前説明したはずだが……」

ツバサ「忘れちゃった」

英玲奈「ハァ……」ヤレヤレ

あんじゅ「たしか、修行の旅に出るとかそんな感じだったわよねぇ~」

ツバサ「へぇ」


英玲奈(旅ではないのだが……まぁいいか。こいつ等相手に事細かく説明するのも面倒だしな)
37: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:48:46.29 ID:qIasrOC/.net
 
  ×       ×       ×


   ~山奥~


希「えりち大丈夫?」

絵里「もぅ無理おうち帰りたい……」グッタリ…

海未「企画中はノリノリだったというのに、今になって何を言っているのですか」

絵里「えぇ、たしかに登山には賛成したわ。でも山籠もりに賛成したつもりは一切ないのだけど」

希「あはは……」


海未「穂乃果の腕を見てください」

穂乃果「ほぇ?」

絵里「細くてツヤツヤのとても綺麗な腕ね。山籠もりのせいで少し汚れてしまっているのが勿体ないくらいだわ」

穂乃果「照れちゃうよぉ~」///

海未「では穂乃果、軽く腕を曲げてみてください」

穂乃果「えいっ」ムキッ!

希「おぉ! 元からそこそこ筋肉あったにしても、たったの数日でこの成長は凄いやん」

海未「普段は細腕であるにも関わらずこの膨らみ! 非常にしなやかで質の良い筋肉がついた証です!」

海未「どうですか! これがこの強化合宿による成果ですよ!!」

希「せやね。海未ちゃんの考えた修業が凄いのは認める。けどいくらなんでも、山籠もりはやりすぎやと思うんよ」

穂乃果「寝袋とか持って来いって時点でおかしいと思ったんだよね~」

絵里「私はてっきり、山小屋に寝泊まりしつつ日を跨いで登山するものだとばかり……」
38: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 00:50:07.47 ID:qIasrOC/.net
 
海未「すみません……。皆さんの気持ちも考えずに、私は身勝手な修業メニューを押し付けていたというわけですね……」シュン…

絵里「海未……」

希「そんなに落ち込まなくても、分かってくれればええんよ」ニコッ

海未「ありがとうございます。では、今日はもう遅いですしここで一晩明かし、朝一番で下山しましょう」

絵里「ハラショー」

穂乃果「ヤッター! 数日振りの下界だー!!」

海未「下界? 降りたらすぐに、反対側にそびえ立つあの山に向かって山頂アタックですよ?」

穂乃果「えぇえ!?!?? また山に登るつもりなのっ!?」

海未「皆さんは山籠もりではなく普通に登山をしたい、という話ではなかったでしょうか?」キョトン

絵里「あなたどれだけ山が好きなのよ……」

希「もうダメや……海未ちゃんの中では、山に登る事自体が目的になっとる……」

穂乃果「何のために修行してるのか忘れちゃったの……?」

海未「忘れるも何も登山に理由は要りません! なぜ山に登るのか? そこに山があるからだ! 非常に素敵な格言では──」


凛「テニスで勝つために来たはずにゃぁぁぁぁぁあああああ!!!!!」


海未「──ッ!?」ハッ!!

穂乃果(まさか本当に忘れてたのっ!??)
39: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 01:01:16.52 ID:qIasrOC/.net
 
  ×       ×       ×


   ~浦の星女学院~


千歌「ハイパーチカっちドラァァァイブ!!!」グウォン!!!

梨子(強力なトップスピン……でも、効かないよ!)スパーーーン!!


ルビィ「ゲ、ゲームセットっ! えっと……うぉんばい桜内、7-5」


千歌「うぅぅぅぅ~~~。せっかく梨子ちゃんには勝ち越してたのに、これで引き分けかぁ……」

鞠莉「エキサイティン☆ 梨子の“回転殺し”は凄いわね!」

梨子「前の学校にとんでもない超回転を操る天才が居て、その人と何度も手合わせしてたら自然と身につきました」

千歌「やっぱり音ノ木坂はすごいなぁ~! 都大会でも関東大会でも、あのUTXより上だったんでしょ?」

梨子「今年はそうらしいね。でも関東大会でほとんど互角な試合展開だったみたいだし、UTXを低くみるより同レベルって考えといた方が良いんじゃないかな」

果南「全国大会はそんな強豪校しか居ないんだろうね。まぁ難しいこと考えたって仕方ないか」

曜「うんうん。面舵いっぱい! 前進あるのみ!! ヨーソロー!」

梨子「たしか『ようそろ』って、後進を意味する言葉じゃなかったっけ? なのに面舵で前進なの?」

千歌「細かいことは気にしない気にしな~い!」
40: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 01:02:59.66 ID:qIasrOC/.net
花丸「色々と気にしなさすぎな気が……」

ダイヤ「このおバカさん達相手に全うな発言をするだけ無駄ですわよ」

曜「ちょっ! 私はこの2人ほど頭弱くないって!!」

ちかなん「「!??」」

善子「フフ、皆頼りなくって困っちゃうわよね~。やっぱり全国制覇のためには、この堕天使ヨハネの秘められし力を覚醒させるしかないのかしら?」キャピッ★



梨子(ここに転校してきて早数ヶ月。最初は仕方なく体験入部しただけだったというのに、いつの間にやらテニス部に馴染んでる自分がいる)


梨子(千歌ちゃんと曜ちゃん、そして千歌ちゃんの幼馴染の松浦果南さん。最初はその3人しかいなかったこの弱小テニス部が、今では私を含め9人だ)

梨子(しかも地区大会・県大会・中部大会を勝ち抜き、全国大会出場というのだから驚き……でもないのかもしれない。面子が面子だしね)


曜「チカちゃんはパワーが足りないから押され負けることが多いんだよ。もっと筋トレしないと!」

千歌「えぇぇ~」

果南「筋トレが嫌なら一緒にダイビングでもしてみる?」

曜「それもいいねぇ! 水泳は全身の筋肉を使うから良い運動になるぞー!」
41: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 01:08:46.31 ID:qIasrOC/.net
梨子(さてさて。なぜこんな部員数1桁の極小テニス部が、全国の大舞台まで歩を進めることが出来たのか。異様なメンバーの紹介といこう)


梨子(渡辺曜、2年。高飛び込みが得意で、暇さえあれば海で泳いでいる元気なスポーツガール。趣味が筋トレというだけのことはあり、かなりのパワープレイヤー)

梨子(松浦果南、3年。曜ちゃんと同じく泳ぎが得意で筋肉自慢なパワープレイヤー。瞬発力はともかく、持久力なら曜ちゃん以上の体力お化けさん)

梨子(この2人の力は、男子テニス部に交じっても通用するであろうというレベルだ。泳ぎやテニス以外のスポーツをやらせても、きっと非凡な成果を残すことだろう)


善子「全国大会っていったら、やっぱりテレビで放送されたりするのかしら? アァン♥ 画面越しに世界中の人間をリトルデーモンにしちゃったらどうしましょ~う★」

ルビィ「テレビっ!? うぅぅぅ……、映りたくないよぉ~~~」

花丸「そんな心配するだけ無駄だと思うずら」


梨子(黒澤ルビィ、1年。地元の名家である黒澤家の娘。引っ込み思案で男性恐怖症な女の子)

梨子(お裁縫が上手で、私達のレギュラージャージを作ってくれたのは彼女だったりする。ユニフォーム代すら部費で降りない我が部において、大変頼れるマネージャーだ)


花丸「色即是空……」


梨子(国木田花丸、1年。お寺生まれお寺育ちで、どこか達観した面を持つ図書委員。その冷静さを活かした堅実なプレイは見ていてとても安心できる)

梨子(方言の強い喋り方は特徴的だが、内面的には浦女テニス部で数少ない普通な子。ちなみにルビィちゃんとは昔からの親友らしい)
42: イタリア系フランス人の父と日本人の母の間に生まれたハーフ? 知らない子ですね…(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 01:15:28.71 ID:qIasrOC/.net
梨子(この2人は非常に良い子で可愛らしい後輩である。別にもう1人の後輩に可愛げがないという意味ではないのだが……)


善子「あら? そんなにこちらを見つめてどうしたの?」


梨子(津島善子、1年。自称堕天使で薄幸の美少女。「私の名前はヨハネよ!」と主張して止まないのだが、人前でヨハネと呼ぶのに抵抗があるため私はよっちゃんと呼んでいる)

梨子(言動は痛々しいものの、本当は心優しい子だ。しかし心根とは裏腹、プレイスタイルには優しさの欠片もなく、敵を容赦なく地獄の底まで叩き落とす危険な一面も──)


善子「もしかしてヨハネのチャームは同性すら魅了してしまうというの!? いやん! ヨハネったら罪な子っ♥」クネクネ

梨子「……ゴメンそういうのじゃないから」


梨子(──危険なのはプレイスタイルだけではなく、よっちゃんの頭かもしれない……)


鞠莉「問題児だらけなこの部が優勝できるように、私がメンバー1のビジネス感覚を駆使してちゃ~んとマネジメントしてあげる!」

鞠莉「最っ高のシナリオを描いてみせるわっ☆」


梨子(小原鞠莉、3年。アメリカンハーフで運動神経抜群。選手として強いだけではなく、浦女テニス部のブレインでもある)

梨子(父がホテルチェーンを経営している影響かどうかは分からないが、彼女のプランは理知的で非常に頼りになる)
44: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 01:23:39.74 ID:qIasrOC/.net
ダイヤ「黒澤家の娘に敗北は似つかわしくない……この私が参加する以上、絶対に優勝の2文字以外は許されないわよ?」


梨子(黒澤ダイヤ、3年。ルビィちゃんの姉で我が部のエース。幼少期から数多くの習い事をしていたらしく、テニスもその内の1つ)

梨子(元々テニススクールでその力を振るっていたのだが、千歌ちゃんの熱心な──もとい強引な勧誘によりここに入部することに)

梨子(これまでの大会では各校エースの息の根を悉く止めてきた。その大胆かつ素早く相手の急所をつくプレイスタイルから、“殺し屋”なんて異名で呼ばれていたりいなかったり……)


梨子(とまぁそんな具合に、マネージャーのルビィちゃんを抜いて考えると丁度8人。団体戦にギリギリ出場することのできる人数が都合よく揃ったわけである)

梨子(しかも全員それなりのテニス歴、そしてかなりの強さときている。地区予選なんてそれはもう圧勝であった)


梨子(そして最後に、我らがリーダー高海千歌!)


千歌「全国大会なんて、こんな田舎に住んでる私たちにはどうせありえない遠い世界だってあきらめてたけど……でも──」

千歌「──せっかくここまできたんだもん! やってみなくちゃ何も始まらない」

果南「そうだね。やる以上とことん上を目指さなきゃ!」

曜「ここまできたからにはもう一蓮托生! 全国大会だろうが何だろうが、どこまでもついてくよ!!」

千歌「っ!!」グッ!


千歌「みんな! 思い切って一歩を踏み出そう!!」

  「「「「「おぉーーー!!!」」」」」

 
45: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 01:25:52.49 ID:qIasrOC/.net
 
  ~♪       ~♪       ~♪

   ♪.THIS IS THE PRINCESS OF TENNIS ~浦の星女学院ver.~
     (原曲……THIS IS THE PRINCE OF TENNIS  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=Yg6cK32Yw_I




鞠莉「知ってるかい?」

  『『『『『YOU KNOW? あの子がテニスの天才少女♪』』』』』

ルビィ「知ってます!」

  『『『『『WE KNOW あの子がテニスのお姫様♪』』』』』

花丸「かっこいいずら」

  『『『『『YOU KNOW? あの子がテニスのミラクルガール♪』』』』』

ダイヤ「いい感じだわ」

  『『『『『WE KNOW あの子がテニスのお姫様♪』』』』』


  『『『『『勝って勝って勝ちまくる 最強の浦女レジュラー陣♫』』』』』

  『『『『『一歩も退かない 真っ向勝負で~♪』』』』』

  『『『『『相手を徹底的に 叩き~潰すのさぁぁぁあああ~♫』』』』』


  千歌「千歌は上に行くよ!」
 
46: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 01:26:36.37 ID:qIasrOC/.net
 
千歌『冷たく燃え上がる 心の中の炎♪』

千歌『明日をこの手に入れるために 負けるわけにはいかないんだ♫』

千歌『一緒に立ち向かう みんなで叶える夢♪』

千歌『確かな未来見つけるために 限界まで走り抜けてやるぅー♫』


千歌『いつまでも 挑み続けてゆこ~う♪』

  『『『『『SHE IS THE PRINCESS OF TENNIS♪』』』』』

千歌『どこまでも 戦い続けてゆこ~う♫』

  『『『『『SHE IS THE PRINCESS OF TENNIS♫』』』』』

千歌『それが千歌の生きてる 証なのさぁ~!』


  『『『『『THIS IS THE PRINCESS OF TENNIS♪』』』』』

  『『『『『SHE IS THE PRINCESS OF TENNIS♫』』』』』

  『『『『『THIS IS THE PRINCESS OF TENNIS♪』』』』』

  『『『『『SHE IS THE PRINCESS OF TENNIS♫』』』』』


  『『『『『YES.NOW YES.NOW YES.NOW YES.NOW♪』』』』』


     『『『『『……LET'S PLAY!!』』』』』

  ~♪       ~♪       ~♪
 
48: 名無しで叶える物語(禿)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 03:46:56.11 ID:eD+S5+Jk.net
サンシャイン編まで書いてくれるとはこれはまたいいっすねぇ… 所で前作の石井さんと黒川さんって誰がモデルなんですかね?
51: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 19:08:45.99 ID:qIasrOC/.net
>>48
堀=ぱいちゃんの本名 黒川=みもりんの本名 石井=そらまるの本名
モチーフがあった方が解説(↓)させやすかったので


花陽「黒川選手、3年。身長160cmで血液型はAB型」

花陽「特技の踊りを活かした舞うような動き、通称“ダンス殺法”の使い手。素早くコートを駆け巡り、華麗な体裁きの美しいプレイを得意としています」

花陽「持久力も高く、攻守共にバランスの取れた良いプレイヤーです」


花陽「堀選手、3年。身長158cmで血液型はO型」

花陽「普段は如何にもUTXの生徒らしい気品あるお嬢様でありながら、いざ試合になると情熱的な一面も。この人の高速サーブ……通称“FLAREサーブ”には要注意!!」

花陽「ダイナミックで激しい動きを得意とした、攻撃的なプレイヤーです」


花陽「石井選手、2年。身長159cmで血液型はO型」

花陽「華麗な体捌きの黒川選手・絢瀬選手とは打って変わって、少々動きが固くフットワークの重いなどの欠点が目立ちます」

花陽「しかし集中力や粘り強さ、頭の回転の速さが素晴らしく、決して一筋縄ではいかないまさに曲者っ! 両親が空手家な影響もあってか、パワータイプなプレイヤーです」
53: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 19:11:24.36 ID:qIasrOC/.net
 
    【Genius 2:邂逅】


千歌(都会の人たちは、私たちの住んでる静岡県沼津市に対してどんなイメージを持ってるのかな? やっぱり超ド田舎って感じ?)

千歌(ぶっぶー、残念でした~! たしかに自然は多いし田舎といえば田舎なんだけど、そこまで辺境の地ってわけじゃないんだよ)

千歌(交通の便も結構よくってね、沼津駅から1駅隣の三島駅まで行って、そこから新幹線に乗ればたったの1時間弱で東京に行けちゃうのだ!)


千歌(……まぁ新幹線使うとお財布が軽くなっちゃうし、今は鈍行の始発でノンビリ東京へ向かってるんだけどね)


曜「電車飽きたー!」

ルビィ「どんどん混んでくる……あうぅ、男の人がぁ~~~」ガクブル

ダイヤ「まったく情けないですわね。ほら、私と鞠莉の間に来なさい」

ルビィ「うぅぅぅ……」トテトテ

鞠莉「おぉ~よしよし」


花丸「…………」ペラッ…ペラッ…

善子「こんな人混みの中でよく読書なんてできるわねぇ」

花丸「読書というか、これは雑誌だけど……」

果南「文学書じゃないなんて珍しいね」

花丸「関東からは6校も全国に出てくるみたいだから、関東大会の特集記事を読んでライバル校の研究中ずら」

ルビィ「マルちゃんは勉強熱心だね~」
54: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 19:14:35.83 ID:qIasrOC/.net
千歌「ずっと電車に揺られてたら、なんだか眠くなってきちゃった」

梨子「もうすぐ東京着くのに寝ちゃ駄目だよ?」

千歌「……ぅん」ウトウト

曜「アハハ、皆緊張感ないな~」

梨子「私は結構ドキドキしてるけど……」

曜「え、なんで? 1番東京慣れしてるでしょ?」

梨子「東京にドキドキしてるんじゃなくて大会のことを言ってるの!」

曜「あ、そっちか」

果南「私達からしたら東京に行くこと自体結構ワクワクだよね」

曜「私は一昨年家族旅行で行ったもんねー!」

千歌「いいなぁ! うち旅館だし家族旅行なんて全然できないよ~」

果南「あら起きたの? そういえば私も東京なんて修学旅行以来かな」

梨子「あれ? 修学旅行以来ってことは、2・3年ぶりなだけなんじゃ」

曜「違う違う。東京に行くのは小6で、中3の修学旅行は京都奈良なんだ~」


   マモナクー トウキョー トウキョー


ようちかなん「「「東京だーーー!!!」」」

ダイヤ(田舎者感丸出しで、恥ずかしい方達ですわね……)

千歌「ここでついに始まるんだ……全国大会っ!!」
 
55: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 19:15:55.75 ID:qIasrOC/.net
 
  ~♪       ~♪       ~♪

   ♪. いよいよ全国大会っ!!
     (原曲……いよいよ全国大会  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=pW6wvKTpsMM




よはまるびぃ『『『ハロー グッデイ ハウアーユー♪』』』


善子『いよいよ始まるわ~ 全国大会が~♪』

ルビィ『日本一が~ 決まるってわけだね~♫』

花丸『全国の精鋭がー ここに集う~って事だぁー♪』


花丸「さっき読んでた雑誌によると、関東から勝ち上がってきた学校の内、Y.G.国際学園・藤黄学園・音ノ木坂学院・UTX学院が特に強いみたいずら」

ルビィ「九州大会を1位通過した青藍高校も、全国大会常連校で強いみたい……」

善子「ヨハネの堕天使レーダーによると、東北でトップの紫苑女学院から闇のオーラを感じるわよ?」

ルビィ「うぅぅ……。私達、大丈夫かなぁ?」
よはまるびぃ『『『心配っ! だけど ドンウォリー♪』』』

よはまるびぃ『『『浦女は ぜったい 負けるもんかぁー♫』』』


ルビィ「ちなみに全国大会は、県大会や中部大会とは少しルールが違うんだよね?」

花丸「うん。大会特別ルールで試合の順番が──」

善子「どぅめどぅめどぅめ~! それを説明するのはヨハネの役目なのっ!」


善子『それはね! シングルスとダブルスを 交互にやるって事♪』

よはまるびぃ『『『まずはシングルス3から そしてダブルス2 シングルス2 ダブルス1 シングルス1の順番さぁあぁぁ~~♫』』』


よはまるびぃ『『『心配っ! だけど ドンウォリー♪』』』

よはまるびぃ『『『浦女は ぜったい 負けるもんかぁー♫』』』

よはまるびぃ『『『浦女! ファイッ オー ダ・ダ・ダッシュ!』』』

よはまるびぃ『『『浦女! ファイッ オー ダ・ダ・ダぁ~ッシュ!!』』』

  ~♪       ~♪       ~♪
 
56: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 19:20:10.15 ID:qIasrOC/.net
 

ようちかなん「「「東京っ! 東京っ! 東京~~~!」」」ルンルン♪


千歌「あれっ? 他のみんなは?」

曜「いつの間にか私達3人しか居なくなってる……ハッ! まさか他の6人迷子になっちゃったとか!?」

果南「違うよ……。これ多分、迷子になったのは私達の方なんじゃ……」

ようちかなん「「「…………」」」ゴクリ…


ようちかなん「「「どうしよぉぉぉおおおーーーー!!!」」」


  ×       ×       ×


   ~全国大会会場~


凛「やっぱり全国の舞台はおっきいにゃ~!」

まこ「関東大会の時も結構大きな会場だったけど、今回はそれ以上の規模だね」

花陽「緊張するよぉぉぉ~~~」

真姫「試合前からビビってどうすんのよ……」
57: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 19:22:52.80 ID:qIasrOC/.net
ことり「ことりも去年は緊張したなぁ」

凛「そっか、ことりちゃんは去年もここで戦ってるんだもんね」

ことり「うん。残念ながら音ノ木坂は初戦敗退だったけど……」

真姫「フフ、今年はこの私が優勝に導いてあげるわ!」

にこ「茶化したい発言ではあるけど……あんたらルーキー4人には結構本気で期待してるわ。任せたわよ!」

まこ「任されました!」

凛「目指せ! 全戦全勝!!」

真姫「当然ね」

花陽「が、がんばりますっ!」


真姫「そういえばさっきから穂乃果と希の姿を見かけないんだけど、どうしたのよ」

ことり「あの2人なら外に遊びに行ったよ? 海未ちゃんを無理矢理引きずってるとこを見かけたけど……」

にこ「大事な日だっていうのに呑気なもんねぇ。まぁ開会式まで結構時間あるし、遊びに行くくらい構わないけど」

凛「じゃあ凛もどっか遊びに──」

にこ「ふんっ!」ガシッ!!

凛「──ゔに゙ゃッ!!」

にこ「都大会の時みたいに怪我されても困るから、あんたはここで大人しくしてなさい!」

凛「にこちゃん酷いにゃ……」グヘェ…
58: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 19:24:26.43 ID:qIasrOC/.net
 
  ×       ×       ×


   ~ショッピングモール、洋服店の試着室~


穂乃果「イェーイ☆ どうどう? 似合う??」クルン

海未「なぜ私までこんなヒラヒラした恰好をしなければならないのですか……」

希「2人共すっごいカワイイやん! ことりちゃんに写メ送ったげよ」パシャ! パシャ!

海未「勝手に撮らないでください!!」///

穂乃果「まあまあ。山で暴走気味だった海未ちゃんへの罰なんだから!」

海未「罰ってなんですか罰って……。私は早く仲間の元へ戻りたいのですが」

穂乃果「えぇ~! もうちょっと遊んでこうよー!」

希「せやね。まだそこそこ時間もあるんやし」

海未「はぁ……」



穂乃果「さて、次はどこ行こっか?」

希「開会式の後はすぐに試合始まるし、糖分補給とか良いんやない?」

穂乃果「良いねぇ! パフェ食べたいパフェ!」

海未「太っても知りませんよ?」

穂乃果「その分動くから大丈夫!!」

海未「そんなこと言って試合に出られなかったらどうするつもりですか。自分の番まで回ってこない、もしくは補欠という可能性も──」

希「ちょいストップ」

海未「──はい?」
59: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 19:26:16.40 ID:qIasrOC/.net
希「あれ見てみ」



  「あれっ? 他のみんなは?」

  「いつの間にか私達3人しか居なくなってる……ハッ! まさか他の6人迷子になっちゃったとか!?」

  「違うよ……。これ多分、迷子になったのは私達の方なんじゃ……」


  「「「どうしよぉぉぉおおおーーーー!!!」」」



海未「持ち物や服装から察するに、私達と同じく大会出場者でしょうか?」

希「多分そうやろうね。もし彼女達がレギュラーだとして、このままほっとけばライバル校が1つ減るかもしれないわけやけど……どないする?」

海未「愚問ですね。助けるに決まっています」

希「ふふ、怪我した凛ちゃんも助けてくれた海未ちゃんならそうすると思ってたよ」

海未「ならなぜ悪魔の囁きのような真似を……」


穂乃果「へぇ~、3人は県外から来たんだ」

千歌「そうなの。そしたら仲間とはぐれちゃって……」

曜「今電話したら迎えに行くから現在地を教えてくれって言われたんだけど、ここどこ?」

穂乃果「お友達も土地勘無いんだったら、どこどこに居ますとか言っても分からないよね。なら会場で合流した方が早いんじゃないかな? よければ案内するよ!」

果南「おっ、ナイスアイディア! そうしてもらえると助かるよ」


希「流石穂乃果ちゃん。うちらの出る幕はなさそうやん」

海未「なぜ初対面の相手とああも自然に会話できるのでしょう……。少し羨ましいです」
60: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 19:33:50.83 ID:qIasrOC/.net
 
  ×       ×       ×


  穂乃果『あ、もしもし。お電話変わりました、高坂穂乃果です!』

梨子(高坂穂乃果? どこかで聞いたことあるような……)

梨子「桜内梨子と申します。何やらうちの者が迷惑かけちゃったみたいですみません」

  穂乃果『いえいえ気にしないでください! 今から会場に向かうんで御安心を!』

梨子(東京に住んでたとはいえ会場近辺の地理に詳しいわけじゃないし、そうしてもらった方が助かるかな?)

梨子「ありがとうございます。……はい……はい、ではっ!」ピッ


善子「おバカさんたちは大丈夫そう?」

梨子「うん。親切な人たちが会場まで連れてきてくれるって」

善子「そ、良かった。……まぁヨハネからしたら人間共の些事なんてどうでもいいんだけど!」

ダイヤ「怪しい方に騙されているわけではありませんよね?」

ルビィ「ひぃい!? やっぱり東京は怪しい人や危険な人が多いの……?」

鞠莉「そりゃあ人口がまるで違うんだから、良い人も悪い人もこっちの方が多いでしょ」

花丸「全員で会場入り口に居ても邪魔になっちゃうし、オラが待ってるから皆は先に会場内へ行ってて」

ルビィ「わ、私もマルちゃんと一緒に居るね!」
61: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 19:58:07.94 ID:qIasrOC/.net
 
  ×       ×       ×


千歌「あぁ~、やっぱり穂乃果ちゃん達は東京の人なんですね」

希「住んでるのは千代田や秋葉の方面やけどね」

果南「アキバってあのオタク街で有名ところだよね? なんていうか、お店ばっかりのイメージなんだけど」

曜「わかるわかる! 人は沢山集まってても住んでる人は居なさそうなイメージ!」

穂乃果「あはは。テレビとかで取り上げられてる部分はたしかにお店ばっかりだけど、秋葉原全体がそうなわけじゃないよ」

千歌「やっぱりイメージと現実は違う者なんだね。……あっ、もしかしてアレが会場!?」

海未「ええ、そうですよ」

曜「す、すごいコートの数……」

千歌「こんなの初めて見たよ……」

希「そうなん?」

果南「うん。うちらの高校はコートが1つしかなかったから」

海未「1つ!? それでどうやって全国大会へ出場できるほどに充実した練習を!?」

曜「今では部員が9人に増えたけど、元々ここの3人だけの部活だったから1面で十分足りたんだ」


海未(9人??? 団体戦に出るには最低でも8人必要。それをギリギリ満たす人数で、ここまでの大会を勝ち抜いたというのですか!??)

希(個々の能力がヤバそうやね。どうにか少しでも情報を引き出したいところやけど……)
62: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 19:59:25.77 ID:qIasrOC/.net
ルビィ「みんなぁ~! ここですよ~~~!!」ピョンピョン!

千歌「あ、ルビィちゃん!」

花丸「合流出来て良かったずら」

千歌「わざわざ外で待っててくれたの? ありがとぉーー!!」モッギュー!

ルビィ「はわわっ!」

花丸「く、くるしい……」


希「ふふ、微笑ましいなぁ」

果南「ここまで連れてきてくれてありがとう。本当に助かったよ」

ようちか「「ありがとうございました!!」」

希「いえいえ~」

穂乃果「仲間と会えて良かったね!」

千歌「うんっ! あとは全国の舞台で穂乃果ちゃんと戦えたら最高なんだけどなぁ~」

穂乃果「私も千歌ちゃんと戦いたい!! なんなら今からそこのコートで──」

花丸「同校以外の大会出場選手同士が、大会期間内に手合わせすることは禁止されています」

千歌「えっ!?」

穂乃果「そ、そうなの?」

海未「……知らなかったのですか? だから剣道や修行は共にすれども、テニスの勝負は行わなかったではありませんか」


穂乃果(テニスしてなかったことにそんな理由があったなんて……。海未ちゃんが山登りしたかっただけだと本気で思ってたなんて言えない)

海未(だんだんと穂乃果の事が分かってきました。絶対に今、何か失礼なことを考えていますね……)


千歌「何はともあれ本当にありがとうございました! 皆さんと試合できることを祈っています!!」

穂乃果「こちらこそ!! お互い、ファイトだよっ!」
63: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 20:00:57.21 ID:qIasrOC/.net
 
  ×       ×       ×


のぞほの「「ただいまー!」」

まこりんぱな「「おかえりー!」」

にこ「お、戻ってきたわね」

ことり「希ちゃん写メありがとねっ! 穂乃果ちゃんも海未ちゃんもとっても可愛かったよ!!」

穂乃果「えへへ~」


真姫「で、着せ替えショーにしては妙に時間かかってたみたいだけど、一体どこで何してたのよ」

穂乃果「迷子を助けてたの!」

真姫「ハァ?」

希「この大会のために田舎から出てきた子達が道に迷ってたんよ」

にこ「ふぅん。どこのどいつよ」

希「強そうな子達だったし情報収集したかったんやけど、実は学校名どころか何県の人なのかすら聞きそびれてしもうて……」

花陽「その人達の名前だけでも分かってれば、選手リストから学校を割り出すことも可能だよ?」

穂乃果「ううん、分からないままでも大丈夫! 互いに勝ち続ければ必ずどこかで戦えるんだから!!」

ことり「あはは、穂乃果ちゃんらしいね」
64: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/05(火) 20:04:35.59 ID:qIasrOC/.net
穂乃果「なんとなくなんだけど、あの人達とは絶対に戦う……私達が倒さなきゃいけない相手なんだって、そんな気がするんだ」

にこ「倒さなきゃいけない相手、ねぇ。全国はヤバイ連中だらけだっていうのに、これ以上敵を増やすのはやめてもらいたいもんだわ」

希「でも穂乃果ちゃんが言うと、本当に戦うことになってしまいそうやねぇ」

まこ「あぁぁ……、ただでさえトーナメント運がないのに……」

凛「そうなの? UTXが真逆でラッキー! くらいしか気にしてなかったにゃ」


http://i.imgur.com/rrAS47m.jpg
1451919632-1-レス64-画像
↑トーナメント表


花陽「関東大会で私達が負けたY.G.国際学園や、東北大会1位通過の紫苑女学院が同じDブロックに居て、隣のCブロックにはあの東雲学院や千歳橋高校」

花陽「そしてその紫苑女学院とは、順当にいけば2回戦であたることになりますっ!」

穂乃果「うわぁ……」

真姫「東雲も千歳橋も1度倒した相手だし、Cブロックは大したことなさそうね」

花陽「Cブロックが弱いとは思わないけど……。でも、とりあえずDブロックを勝ち抜いて準決勝までたどり着ければ、決勝進出のチャンスはかなりあると思うよ!」

にこ「そうね。AブロックのUTXやBブロックの藤黄学園を今から恐れてても意味ないし、目先の目標としてとにかくDブロックを勝ち抜きましょう」


にこ「さぁ、油断せずに行くわよー!!」

  「「「「「おぉぉーーー!!!!」」」」」

 
68: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 00:18:18.92 ID:SXoQZ40G.net
 
    【Genius 3:全国大会、START!!】


  「選手宣誓。藤黄学園部長、門田剣」

剣「はいっ!!」

http://i.imgur.com/iDQNTB0.jpg
1451919632-1-レス68-画像
↑門田剣 参考画像


英玲奈(昨年度の大会では藤黄にしてやられたからな。今年こそ念願の優勝を果たす!!)

鞠莉(ふ~ん。あれが去年の全国優勝校にして、今年は関東大会準優勝校の部長さん……凛々しくていかにも強そうな人ね)

かさね(出た! 藤黄! この前の準決では負けちゃったけど、今回はオトノキも藤黄も倒してみせる!!)

絵里(……選手宣誓、ちょっぴりやってみたかったわ)


剣「宣誓! 我々、選手一同は、日頃の修行と鍛錬の成果を発揮し、一戦一戦全力でプレーすることを誓います!! 選手代表、門田剣」

  「それでは只今より、全国女子高校硬式テニス、全国大会を開始いたします」

 
69: 今年はうるう年!(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 00:21:05.63 ID:SXoQZ40G.net
 
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. 24/366
     (原曲……24/365  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=dmwLL3p5Hf0




浦女・千歳橋一同『『『『『ウォーウォーウォー ウォーウォーウォー♪』』』』』

UTX・青藍一同『『『『『ウォーウォーウォー ウォーウォーウォー♫』』』』』

音ノ木・紫苑一同『『『『『ウォーウォーウォー ウォーウォーウォー♪』』』』』

  『『『『『ウォーウォーウォー♫♫♫(ウォーウォーウォー ウォーウォーウォー)』』』』』


  『『『『『テニスの試合に賭けた 私の24時間 トゥエンティフォー♪』』』』』

  『『『『『勝つためだけに生きる 私の366日 スリーシックスシックス♫』』』』』


千歳橋一同『『『『『テニスボールを弾丸にしてー バキューンと一発♪』』』』』

青藍一同『『『『『目にも止まらぬ速さで 相手のコート打~ち抜く快感♫』』』』』

UTX一同『『『『『フルスイングで雷起こし キラッと一撃ぃー♪』』』』』

紫苑一同『『『『『思いもよらぬ鋭さ あなたのコートを切り裂く 圧巻♫』』』』』


音ノ木一同『『『『『見ててよね 私ぃ~ 頂点に立つー♪』』』』』

浦女一同『『『『『必殺技を操り テクニックを身に付け♫』』』』』

音ノ木・浦女一同『『『『『やってやる! 燃えてるか? 燃えてるか? 燃えてるかぁ~~~♪♪♪』』』』』


浦女・千歳橋一同『『『『『ウォーウォーウォー ウォーウォーウォー♪』』』』』

UTX・青藍一同『『『『『ウォーウォーウォー ウォーウォーウォー♫』』』』』

音ノ木・紫苑一同『『『『『ウォーウォーウォー ウォーウォーウォー♪』』』』』

  『『『『『ウォーウォーウォー♫♫♫(ウォーウォーウォー ウォーウォーウォー)』』』』』


  『『『『『テニスの試合に賭けた 私の24時間 トゥエンティフォー♪』』』』』

  『『『『『勝つためだけに生きる 俺の366日 スリーシックスシックス♫』』』』』


  『『『『『必勝の炎は 青く燃えるぅー♪』』』』』

  『『『『『必勝の炎は 熱くー燃えるぅぅぅうううーーー♫♫♫』』』』』

 ~♪      ~♪      ~♪
 
70: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 00:25:15.66 ID:SXoQZ40G.net
 
   ~Cブロック、浦の星side~


千歌「そろそろ試合開始だねっ」ワクワク

善子「ええ。一体どんな人がヨハネの生贄になってくれるのか楽しみだわ!」

千歌「そういえば初戦の相手って関東なんだよね? 穂乃果ちゃん達は東京の人みたいだし、初っ端から戦えたりしないかなぁ?」

曜「私もあの人達と戦いたい!」

鞠莉「残念でした~。これから戦う千歳橋高校は、東京ではなく神奈川県のようね。ちなみに関東大会は5位でギリギリ通過みたい」

ダイヤ「そんなのでは相手にならなそうですわね」

鞠莉「初戦なんだし、肩慣らし程度の感覚で戦えばいいんじゃない?」


梨子「えっと、千歌ちゃん達を助けてくれた3人の名前は?」

果南「たしか……穂乃果と希と海未、だったよね」

千歌「うん!」

ルビィ「マルちゃんの読んでた関東大会の雑誌に名前が載ってたりはしないの?」

花丸「1人1人の紹介まではされてなかったような……。あ、でもこのページに目立った個人の特集があるずら」

千歌「どれどれ~」
71: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 00:31:04.70 ID:SXoQZ40G.net
千歌「えぇと……、関東大会から自校を全国大会へ導いた≪9人の女神≫」

曜「うわぁ! なんかカッコイイ」


千歌「第9位。皆のアイドル、優木あんじゅ(UTX) 多彩な技真似で相手を翻弄。その美貌とプレイスタイルで会場沸かす!」

千歌「第8位。コートの貴公子、相川涼(藤黄) プレイ・井出達・何もかもが格好良く優雅。その流し目に女性陣は全員メロメロ!」

千歌「第7位。音ノ木の天才、南ことり(音ノ木坂) 負傷した部長に代わるエース。数多の超回転やカウンターを自在に操るエンジェル!」

千歌「第6位。UTXのバイブル、綾瀬絵里(UTX) 名門UTX学院の頭脳。パワーとテクニックを兼ね備えたパーフェクトなテニスで華麗に試合を制す!」

千歌「第5位。驚異のアクロバティック、星空凛(音ノ木坂) 女子高生離れなスピードとアクロバットを駆使し、ダブルスを1人で勝利に導く超新星!」

千歌「第4位。テニスの鬼、結城紗菜(東雲) 東雲学院の絶対的エース! 攻守隙無し、趣味も無し、全てをテニスに捧げてきた女!」

千歌「第3位。神速の一振り、門田剣(藤黄) 彼女のスイングはまさに神速。居合の構えから放たれる目にも留まらぬバックハンドは、全てを切り裂き突き進む!」

千歌「第2位。氷の女帝、綺羅ツバサ(UTX) 常軌を逸した運動神経と洞察眼で、コートを支配する凍てつくクイーン。負け知らずの絶対王者!」

千歌「第1位。吹き荒れる異国の風、イザベラ(Y.G.国際学園) 個性豊かで国籍もバラバラな面々を、その圧倒的強さとカリスマをもってまとめあげる無敵の部長!」


千歌「聞いたことある名前もいくつかあったけど、こうやって改めて見て見るとやっぱり凄い人だらけだね」

梨子(ことりちゃんってそんなに評価されてるんだ……。なんだか少し嬉しいな)
72: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 00:38:58.76 ID:SXoQZ40G.net
鞠莉「……奇妙だわ」

曜「なにが?」

千歌「わかった! 音ノ木坂で有名な……名前忘れちゃったけど魔法使いさんが居ない!」

花丸「これはあくまで関東大会で活躍した人物を取り上げた雑誌」

花丸「南ことりの項で『負傷した部長』と書かれているのを鑑みるに、音ノ木の魔法使い矢澤にこの名がないのは妥当ずら」

ダイヤ「奇妙なのは、『ダブルスを1人で勝利に導く超新星』という部分……そうでしょう?」

鞠莉「Rigft! その通りよ!」

果南「別に変じゃなくない? その星空さんのペアが弱いから、1人で勝ち続けてるってだけのことでしょ?」

花丸「オラ達のような少人数ならともかく、部員の大勢居る名門校が雑魚をレギュラーにする理由がない」

鞠莉「そういうこと。だから星空凛のペアには、目立たなくとも何かしらの役割があるはずよ」

鞠莉(……たとえば花丸のプレイみたいな、ね)


ルビィ「あ、あのっ! そろそろ試合開始時刻です!」

千歌「よし! 出撃準備だぁー!」

鞠莉「そうね。音ノ木坂の話は一旦忘れて、目の前の敵をいかに仕留めるかに集中しましょ☆」

善子「フフッ、この堕天使パワーで全てを闇に葬ってあげる!!」
73: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 00:43:32.11 ID:SXoQZ40G.net
 
  ×       ×       ×


   ~Aブロック、UTXside~


英玲奈「ぬぁぁぁあああ!!! 関東大会で2戦目から音ノ木坂とあたったことといい、なぜ我々はこうもツイていないのだ!」


海未「統堂先輩が取り乱すなんて珍しいですね」

絵里「まぁ仕方ないわ。初戦から九州1位の青藍高校が相手ですもの」


ツバサ「安心しなさい! 心労中の英玲奈に代わって、たまには私が部長らしくオーダーを提出してきたわ!!」ドン!

英玲奈「……ちょっと待て。おい絵里、ツバサにオーダーの話はしたのか?」

絵里「……いいえ。していないわ」

英玲奈「…………」

絵里「…………」

英玲奈「まさかとは思うが、おまえの独断と偏見によりオーダーを決めたわけではあるまいな……?」

ツバサ「そのまさかだけど何か?」


  <UTX学院 全国大会1回戦オーダー表>

 ◆シングルス3……石井(2年)
 ◆ダブルス2………園田(2年)、優木(3年)
 ◆シングルス2……綺羅(3年)
 ◆ダブルス1………黒川(3年)、堀(3年)
 ◆シングルス1……絢瀬(3年)
 ◆控え選手…………統堂(3年)


英玲奈「な、何だこのオーダーは……」ワナワナ…

あんじゅ「あら珍しい。英玲奈が補欠ね」

ツバサ「英玲奈を労わってみた結果こうなったの」

英玲奈「余計なお世話だッ!」
74: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 00:47:45.46 ID:SXoQZ40G.net
絵里(普段は大将なツバサ自身を真ん中にもってきたあたり、シングルス1まで出番回ってくる機会がほとんどなかったのを実は僻んでたりするのかしら?)

石井(全国の大舞台で私が先発ッ!? ヤバイヤバイ怖いヤバイヤバイヤバイ……)ガクブル…


ツバサ「ちなみに私の勝利で華麗に終わらせる算段だから、シングルス3とダブルス2に負けは許されないわよ」

石井「ひぃい!??」

海未「無駄なプレッシャーをかけるのはやめて下さい」

ツバサ「大丈夫。石井はプレッシャーをバネに這い上がるタイプだし、海未は……まぁペアがあんじゅだからどうにかなるでしょ?」

石井(むしろプレッシャーに押し潰されそうなんですがそれは……)

海未「はぁ……」



審判「それでは只今より、東京・UTX学院と、福岡・青藍高校の試合を行います」

審判「両チーム共、整列してください」

審判「礼っ!」

   「「「「「よろしくおねがいします!!」」」」」



しずく「対戦、よろしくお願い致しますね♪」

石井「は、はいっ! こちらこそよろしくお願いします! 本日は九州1位に胸を借りるつもりで──」

石井(……違う。こんな弱気じゃ駄目だ。私は強い! 私は強い!! 私は強いっ!!!)

石井「──今日は勝ちに来た!!」クワッ!

しずく「……あらあら」


あんじゅ「あの子が挑発紛いの発言するなんて意外ねぇ~」

ツバサ「フフ。これでこそ、氷のエンぺレスであるUTXレギュラーに相応しいわ」


審判「ザ・ベストオブ・ワンセットマッチ!」

     UTX学院 石井
        VS
      青藍高校 桜坂

審判「青藍サービスプレイ!!」


http://i.imgur.com/kHFhzJP.jpg
1451919632-1-レス74-画像
↑桜坂しずく 参考画像
75: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 00:51:27.62 ID:SXoQZ40G.net
しずく「えいっ!」シュ!!

石井(強力なスライスサーブ……。得意なアレで決めてやる!!)

石井「どりゃあ!!」バッコーン!


海未(跳ね際ドンピシャのライジングショット! しかし少し焦りすぎです、これではネットに……)

  ペチッ! コロコロコロ…

しずく「ッ……」

石井(やった! マグレとはいえ初手からコードボール。運はこちらに味方してる!!)


  ×       ×       ×


   ~Cブロック、浦の星 VS 千歳橋、シングルス3~


善子「ハァアアア!!!」ズバーーーン!!

ななか「くぅ……」ポーーン

善子(よく今のを拾ったわね。でもこれで、オ・ワ・リ♪)

善子「地獄に墜ちなさい★」スッパーーーーン!!!

ななか「きゃあ!!」


審判「ゲームセット! ウォンバイ浦の星、津島。6-3」


http://i.imgur.com/AYnnWdD.jpg
1451919632-1-レス75-画像
↑森嶋ななか 参考画像


ななか「うぅぅ……。まさか私が無名校の1年に負けるなんてー!」

善子「この堕天使ヨハネから3ゲームも取っちゃうなんて中々凄かったわよ? あなたもリトルデーモンにしてあげましょうか?」

ななか(リトルデーモン???)

善子「うぅ~ん。でもうちの猛者共と比べちゃうと、やっぱり都会のもやしっ子って感じもするわねぇ」

ななか「あなた以外のメンバーもそんなに強いの?」

善子「もっちろん! 認めたくはないけど、ヨハネと同格かそれ以上の逸材しかいないわよ」


ななか(浦の星とかいう無名校、なーんか面白そうな香りがするなあ~とは思ってたけど……こりゃ面白いなんてレベルじゃ済まなそうね)
 
76: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 00:54:21.46 ID:SXoQZ40G.net
千歌「えっと、次は千歌と曜ちゃんの番だっけ?」

果南「それはダブルス1でしょ? 次はうちの頭脳2人の出番だよ」


審判「ザ・ベストオブ・ワンセットマッチ!」

    千歳橋高校 佐伯&下園
        VS
   浦の星女学院 小原&国木田

審判「千歳橋サービスプレイ!!」


http://i.imgur.com/0Esmoqa.jpg
1451919632-1-レス76-画像
↑佐伯麗音&下園咲 参考画像


麗音「よーし、いっちょかますよ!」

咲「ふれー! ふれー!」

麗音「たぁ!!」スパーーン!

花丸「……!」パコーーン

  パコンッ!! ポーン スッパーーン!! パコン! ポーーン! ドカーーン! パッコーーン

鞠莉(OK! 敵の行動パターン、大体読めたわ)スタタタ


ダイヤ「鞠莉がポーチに……」

曜「こりゃ決まったね」


鞠莉「…………」パコン…

麗音「っ!?」

麗音(強打されると思って下がったのに、ただの弱くて浅いボレー……)

咲(完璧なタイミングで裏をかかれたッ!!)

鞠莉「あはっ、エキシティン☆」


審判「ゲーム浦の星、1-0。チェンジコート!」
77: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 01:02:10.07 ID:SXoQZ40G.net
 
  ×       ×       ×


   ~Aブロック、UTX VS 青藍、シングルス3~


石井(あと1点で勝てるのに……中々決められないっ)

しずく「まだ終わらせません!」スッパーーン!!

石井(ヤバッ! 横を抜かれた!!)


審判「アウト! ゲームセット! ウォンバイUTX、石井。7-6」


石井「ぜぇ……はぁ……」

しずく「ふぅ……。お手合わせありがとうございました」コクリ

石井「ありがとうございました」ペコリ



石井「…………」トボトボ

黒川「おつかれ~! あれ? 勝てたのに嬉しくなさそうだね」

石井「だって……最初の1点も最後の1点も偶然みたいなものだし……」

堀「運も実力の内、勝ちは勝ちだよ!」


英玲奈(桜坂しずく。流石は九州トップ校の先鋒、テニスの腕だけではなく精神面も出来の良い選手だな。あれでまだ1年というのだから末恐ろしい)

英玲奈(しかし次の戦いに切り替えていかねば)


英玲奈「ダブルス2の対戦相手。九条聖来と藤城悠弓は、古い付き合いで中々のコンビネーションらしい」

英玲奈「海未、慣れていないあんじゅとのペアはやり辛いかもしれないが……よろしく頼むぞ」

海未「はい! 必ずや、勝利をこの手に収めてみせます!!」
78: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 01:02:55.52 ID:SXoQZ40G.net
あんじゅ「対戦ヨロシクね~」ヒラヒラ

聖来「お互いがんばりましょう! えいえいおー! です!」

海未「え、ええ」

海未(……なんだか少し気が抜けてしまいますね。この緩さも相手を油断させる戦法なのでしょうか?)

悠弓「はじめましょう。時間がもったいないわ」キリッ!

海未(九条聖来と藤城悠弓。性格は真反対のようですが、一体どのようなペアなのやら)


http://i.imgur.com/vs9WQCh.jpg
1451919632-1-レス78-画像
↑九条聖来&藤城悠弓 参考画像


審判「ザ・ベストオブ・ワンセットマッチ!」

   UTX学院 園田&優木
        VS
    青藍高校 九条&藤城

審判「UTXサービスプレイ!!」


海未「では、いきますっ!」スッパーーン!!

聖来(ふふ、余裕です!)パコーーン!!!

あんじゅ「あらっ?」スカッ

海未(え……? いきなり優木先輩の横を抜いた!?)

審判「0-15」
79: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 01:04:01.23 ID:SXoQZ40G.net
海未(リターンエースなど、2度と取らせません!!)スッパーーン!!

悠弓「ふっ!」ズバーーン!!

海未「ッ」ポーーン

悠弓「東京の名門校もこの程度?」ドカーーーン!!

審判「0-30」


絵里(流石は超強豪校。海未は山修行でかなりパワーアップしたとはいえ、一筋縄では勝たせてもらえそうにないわね)


審判「ゲーム青藍、1-0。チェンジコート!」


悠弓「やるからにはもう少し気合いを入れて欲しいわね」

海未「くぅ……」

あんじゅ「…………」


  ×       ×       ×


   ~Cブロック、浦の星 VS 千歳橋、ダブルス2~


咲「つ、つよい……」

麗音「勝手に諦めたら承知しないからっ!」

咲「分かってますよ!!」スパーーン!!

鞠莉(残念だけど、これでおわりよ)

鞠莉「チャオ♪」ドーーーン!!


審判「ゲームセット! ウォンバイ浦の星、小原・国木田。6-2」


鞠莉「イエーイ☆」

花丸「よかったぁ。これで一安心……」ホッ…
80: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 01:09:35.94 ID:SXoQZ40G.net
千歌「お疲れさまー! 2人共かっこよかったよー」

ルビィ「完璧でスマートな試合運び……本当に凄いっ!」ピョンピョン!

鞠莉「まあね!」

花丸「なんだか照れちゃうずら」


果南「良い流れだね。私も乗るっきゃない、このビッグウェーブに!」

曜「ふぁいとーっ!!」

果南「おーー!!」



いるか「…………」スタスタ

いるか(せっかく全国まで来たのに、ここで負けたら全て終わっちゃう……。でも、そう簡単にはやられないもんね! というか絶対勝つ!!)


http://i.imgur.com/oJGxQj6.jpg
1451919632-1-レス80-画像
↑須田いるか 参考画像


果南「ふむふむ……」ジロジロ

いるか「……ま、まじまじと何ですか?」

果南「良い筋肉だねぇ」

いるか「まさかの筋肉フェチさんっ!?」

果南「違う違う。プロだと全身ムキムキも珍しくないけど、学生のテニスプレイヤーって利き腕と太腿に筋肉が偏りがちだったりするからさ」

果南「でもあなたは全身のバランスとしなやかさが良い感じだなぁと思って」

いるか「そりゃ~テニスだけじゃなく水泳でバリバリ鍛えてますから!!」

果南「ほほう、泳ぎが得意な方ですか。……この戦い、海の女として意地でも負けられないな」
81: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 01:13:31.67 ID:SXoQZ40G.net
 
審判「ザ・ベストオブ・ワンセットマッチ!」

     千歳橋高校 須田
        VS
     浦の星女学院 松浦

審判「浦の星サービスプレイ!!」


果南「そ~れッ!」ズドーーーン!!!!!

いるか(何このサーブ重たっ!??)パコン! ペチッ

審判「ネット。15-0」

いるか「つっっ……」ビリビリ


ルビィ「うわぁ……」

梨子「ネットとはいえ、あのサーブを片手で打ち返しちゃうなんて凄い1年生ね」

千歌「けど腕痛そ~」

花丸「……南無三」


  ×       ×       ×


   ~Aブロック、UTX VS 青藍、ダブルス2~


あんじゅ「…………」ピョンピョコ ワチャワチャ

悠弓(妙な動きね。まるでスプリット・ステップの出来損ないじゃない)パコーーン

あんじゅ「ふふっ」シュタタタッ スパーーン

聖来(……もう1度横を抜いちゃいます!)ズバーーン!!

あんじゅ「残念☆無念☆また来週~」クルリン ドカーン!

聖来「うぇえ!?」

審判「ゲームUTX、2-2」


絵里(穂乃果のノーブランド・ステップに凛のアクロバティック。そしてお次は……)


あんじゅ「……いくで!」グググ…

あんじゅ「ドーーーン!!!」ズドーーーン!!!!!

海未(強烈なジャックナイフ! ナイスショットですっ!!)

審判「ゲームUTX、4-3。チェンジコート」
82: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 01:15:46.25 ID:SXoQZ40G.net
英玲奈「ふむ……高坂穂乃果、星空凛、東條希。お前達と修行を共にした3名か」

絵里「ええ。でも海未にはもう1人、最近仲良くしている音ノ木坂の子が居るみたいなのよね。あんじゅはそれを知っているかしら?」

英玲奈「さぁな」


あんじゅ「……あんじゅのおやつにしちゃうぞ!」チュンッッッ!!!

悠弓(何よこの超回転!?)

   シュルルルル!

審判「ゲームUTX、5-4。チェンジコート」


あんじゅ「どう? わたしとのダブルスも中々愉快でしょ?」

海未「美味しいところを全て持っていかれているようで、失礼ながらあまり面白くありませんね」

あんじゅ「あら残念」

海未「……最後の1ゲームは、進化した“演舞テニス”をお見せしましょう!」


  ×       ×       ×


   ~Cブロック、浦の星 VS 千歳橋、シングルス2~


いるか「むーーー!」スパーーン!

果南「うらァ!!」ドゴーーーン!!!

いるか(何なのこの人!? 球威がヤバすぎる……っ!)ポーーーン!

果南(よし! チャンスボール!!)

果南「ラストォォォオオオ!!!」ズッドォォォォォオオオオオーーーーーン!!!!!

審判「アウト!」

果南「あららっ……?」
83: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 01:18:07.13 ID:SXoQZ40G.net
曜「アハハ! 今のが決まったらカッコよく終わってたのに締まらないなぁ~」

ダイヤ「あなたのプレイも人のことは言えないと思うのだけれど」

千歌「ていうかお相手さんも相当強いね!」

鞠莉「対戦相手の須田いるか。関東大会の戦績をスマフォで軽く調べてみたんだけど、準々決勝で音ノ木のエースから5ゲームも奪ったんだとか」

千歌「へぇ~」

善子「エースって言っても、部長の負傷による代理エースなんでしょ? 2番手に負けちゃうなんて所詮小物じゃない!」フフフ!

花丸「その発言の方がよっぽど小物っぽいずら」

善子「そんなことないわよっ!!」ムキィーーー!


梨子(音ノ木坂の代理エース、つまりことりちゃんに7-5で負けた? パッと見、私の知ってることりちゃんより須田いるかさんの方が強そうに感じるけど……)

梨子(お別れしてからの数ヶ月間で、ことりちゃんもそれだけ成長してるってことなのかな)


鞠莉「まぁ何にせよ、満身創痍ながら果南とパワーで渡り合うなんて……都会っ子もそうそうバカにはできなさそうね」


果南「今度こそラストーーー!!!」ズッドォォォオオオーーーン!!!

審判「ゲームセット! ウォンバイ浦の星、松浦。7-5」

果南「っしゃ!!!」

いるか「くっそ~~~~!!!」

果南「ナイスガッツだったよ。対戦ありがとう!」スッ…

いるか「……グスン……こちらこそ!」ガシッ!
84: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 01:19:45.37 ID:SXoQZ40G.net
 
審判「以上により、3勝0敗で浦の星女学院の勝利です」

審判「両チーム共、整列してください」

審判「礼っ!」


  「「「「「ありがとうございました!!!」」」」」ペコリ!


千歌「よぉ~し! このまま勝ち進むぞー!!」

  「「「「「おぉーー!!!」」」」」


  ×       ×       ×


   ~Aブロック、UTX VS 青藍、ダブルス2~


海未(──侵掠すること、火の如く!!)スッ…

海未「メェェェエエエン!!!」ゴゴゴゴゴォォォォォオオオオオ!!!

聖来(っ!? なんて強力なグラウンドスマッシュなの!!?)

審判「15-30」


英玲奈「ほほう。海未の“演舞テニス”は主に日本舞踊や古武術の動きを活用していたが、ついに剣道の動きまで取り入れたか」

絵里「ええ。正確無比な “ラブアローショット”も弓道で得た感覚を利用した技だし、長年園田家で身に着けた動きを惜しみなく生かしたテニスが出来ているわ」


悠弓「舐めるなァ!!」ズバーーン!!

海未「…………」ユラリ…

海未(──徐かなること、林の如く)フワッ コロコロコロ…

悠弓(そんなっ! 全力で打ち込んだのに、球威を完全に殺された……)

審判「15-40。レシーバーマッチポイント!」
85: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 01:21:40.68 ID:SXoQZ40G.net
英玲奈「日舞の緩やかでしなやかな動きも更に極めたようだな」

絵里「そうね。たとえ山籠もり中であっても、毎朝足場の悪い中で日本舞踊のレッスンを欠かさなかった海未だからこそたどり着けた領域」

絵里「黒川の“新・ダンス殺法”を『風』と『山』に例えるなら、海未の“新・演舞テニス”はまさに『火』と『林』よっ!」

ツバサ「新・ダンス殺法? 何ソレ」

絵里「ふふ、多分その内分かるわ」


海未「射抜け──“ラブアローショット”ッ!!」ズキュンッッッ!

聖来「抜かせませんっ!!」ズサァァァーーー!! ポーーン

あんじゅ「……アデュー」シュピンッッッ!!!

悠弓「ぐっ……」


絵里「最後の最後で英玲奈の“レーザービーム”ね」

英玲奈「フッ。あんじゅの奴、中々粋な真似を」


審判「ゲームセット! ウォンバイUTX、園田・優木ペア。6-4」



ツバサ「海未、あんじゅ、お疲れ様。さて、ようやく私の出番ね! ちゃちゃっと決めてくるわ!」

あんじゅ「任せたわよぉ~」

海未「部長の本気を思う存分ぶつけてきてください!」

ツバサ「もちろん! 相手が強豪だろうと関係ない、王者は我々よ!!」
86: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 01:23:59.69 ID:SXoQZ40G.net
 
 「「「「「勝つのはUTX! 負けるの青藍! 勝つのはUTX! 負けるの青藍!」」」」」

  「「「「「勝つのはUTX!! 負けるの青藍!! 勝つのは青藍!! 負けるの青藍!!」」」」」 

   「「「「「勝者はツバサ! 敗者は永山! 勝者はツバサ! 敗者は永山! 勝者は……」」」」」

   パチンッ!!
ツバサ「私よッ!」

  「「「「「ヒュ~♪」」」」」


みなみ「……あまり品の良い応援とはいえませんね」

ツバサ「あらどうも」

みなみ「たしかに私たちはもう後のない状況です。しかしこれでも九州大会の1位、あまり侮っていると痛い目をみますよ?」

ツバサ「安心して、油断なんてしてないから。全身全霊をもって、敵は全て叩きのめす!」キッ!

みなみ「……っ」ゾクリ


http://i.imgur.com/xWWuGpJ.jpg
1451919632-1-レス86-画像
↑永山みなみ


審判「ザ・ベストオブ・ワンセットマッチ!」

     UTX学院 綺羅
        VS
      青藍高校 永山

審判「UTXサービスプレイ!!」


ツバサ(……関東大会2回戦敗北の汚点を払拭するためにも、私達に負けは許されない)

ツバサ(この全国で優勝して、氷のエンぺレス──王者の誇りを取り戻す!!)スッッッパーーーン!!
87: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 01:28:57.03 ID:SXoQZ40G.net
 
  ~♪       ~♪       ~♪

   ♪. 私たちの辞書に敗北はない
     (原曲……俺たちの辞書に敗北はない  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=DRtdkmZWy9c




  『『『『『振り返るな 過去は忘れろー♪ 前だけ見ていろ そこにあるのは未来♫』』』』』

  『『『『『それも勝利する未来 そぉれだけさぁ~♪』』』』』

  『『『『『悔しくても 後悔するなー♪ いつでも勝負は 気紛れな時の運♫』』』』』

  『『『『『次は私たちの勝利 決まってるさぁ~♪』』』』』


  『『『『『勝者は一時の王者 トップにいる奴は引きずり落とせ~♫』』』』』

  『『『『『そうだ 力ずく ありったけのガッツで♪』』』』』

  『『『『『私たちの辞書に敗北はない~♫』』』』』

  『『『『『敗者は永遠の刺客 たゆまない努力で叩きのめすわ~♫』』』』』

  『『『『『そうだ 力ずくありったけのガッツで♪』』』』』

ツバサ『私たちの辞書に敗北はない~♫』

  『『『『『そうだ 力ずく ありったけのガッツで♪』』』』』

  『『『『『私たちの辞書に敗北はないッ!!』』』』』


  ~♪       ~♪       ~♪
 
88: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 01:32:54.26 ID:SXoQZ40G.net
 
ツバサ(……“インサイト”ッ!!)ギロリッ!!

みなみ(っ!? 何なの……まるでこちらの嫌なコースや球種が、全て見抜かれているような……)

ツバサ「ほぅら、踊れ!!」バコーーーン!!!!

みなみ「きゃっ!?」グルン!

審判「ゲームセット! ウォンバイUTX、綺羅。6-1」


審判「以上により、3勝0敗でUTX学院の勝利です」

審判「両チーム共、整列してください」

審判「礼っ!」


  「「「「「ありがとうございました!!!」」」」」ペコリ!


ツバサ「無敗で優勝を成し遂げる。それだけを見据えて突き進むわよ!!」

  「「「「「はいっ!!!!」」」」」



   ■全国大会 第1回戦 終了

http://i.imgur.com/kfWzF7c.jpg
1451919632-1-レス88-画像
↑第1回戦、全試合の結果

 
94: 名無しで叶える物語(はんぺん【22:09 震度1】)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 22:20:29.02 ID:SXoQZ40G.net
 
    【Genius 4:波乱の2回戦】


穂乃果「食堂まであるなんて、さっすが全国大会だねぇ」

凛「ラーメンあるかにゃー?」

穂乃果「私も何かガッツリしたもの食べたい!」

にこ「午後も試合あるんだからあんまり食べ過ぎるんじゃないわよ」

ほのりん「「は~い!!」」

にこ(ったく、テキトーに返事してるだけじゃないでしょうね……)


凛「あっ!」

穂乃果「ぅ絵里ちゃん!!」

絵里「こんにちは。あなた達も今から昼食?」

凛「うん。絵里ちゃんも一緒に食べよ?」

絵里「……私は別に構わないけれど」チラリ

にこ「…………」ムスー

穂乃果「にこちゃんも良いよね?」

にこ「良くないわよ! にこが敵と好き好んで慣れ合うわけないでしょーが!!」

穂乃果「えぇー」

凛「にこちゃんのケチ!」

にこ「ぬぁんでよ!!」
95: 名無しで叶える物語(はんぺん【22:09 震度1】)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 22:23:53.39 ID:SXoQZ40G.net
 
絵里(ハッキリ断ってくれて正直助かったわ。凛と穂乃果が居るにしても、矢澤さんと一緒に食事というのも気まずそうだし)


  ピーピー!  ギャーギャー!  ニャーニャー!

絵里「その様子を見るに、初戦は快勝だったようね」

にこ「当っ然」

穂乃果「あのねあのね! シングルス3は希ちゃん、ダブルス2が凛ちゃんと花陽ちゃんで、シングルス2の私がバシッと決めたんだよ!!」

凛「穂乃果ちゃん強かったにゃー!」

穂乃果「凛ちゃんもね!」

絵里「ハラショー。2人共偉いわ」ナデナデ

ほのりん「「えへへ~」」


にこ(何でよりにもよって絢瀬にこんな懐いてるわけ!? 数日間山で一緒に過ごしただけでしょ??)イライラ

絵里(あぁ~2人共カワイイ、凄くカワイイ!)

絵里(UTXでは「しっかり者だけどちょっと怖い先輩」って感じのイメージが付いてしまっているし、年下とこういう距離感で接するのってたまらないわね!)ニヘラー


にこ「あんた等いつまでじゃれあってんの。とっとと食事しないと2回戦始まっちゃうわよ」

絵里「あら? もしかして、私に後輩を取られて嫉妬でもしているのかしら?」ニヤニヤ

にこ「なっ……そ、そんなわけないでしょッ!!!」

凛「あー、必死になって否定するあたり怪しいにゃ~」ニヤニヤ

穂乃果「もしかして図星だった? にこちゃんったらそんなに私たちの事好きだったの?」ニヤニヤ

にこ「……あんま調子乗ってると引っ叩くわよ…………」ワナワナ…
96: 名無しで叶える物語(はんぺん【22:09 震度1】)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 22:25:19.50 ID:SXoQZ40G.net
 

  「ぴゃーーー!!!!!」ガシャーーン!!!


凛「ッ!!」ダッ!

絵里「!?」

穂乃果「今の悲鳴、もしかして花陽ちゃん? ……って凛ちゃん走るのはや!? 待ってよ~」スタスタ

にこ「はぁ……。どいつもこいつも手がかかるわね……」

絵里「楽しそうで少し羨ましいわ。UTXテニス部のことはもちろん好きだけれど、少しお堅い部分があるから」

にこ「あんたや統堂みたいな堅物が中心に居るせいなんじゃないの? それに、そっちはそっちで部長や優木が問題児じゃない」

絵里「ふふ、手厳しいわね」

にこ「まぁね。花陽に何があったのか気になるしもう行くわ」

絵里「ええ。さようなら」

にこ「……あ」

絵里「?」

にこ「えっと、その、去年の事はもう気にしないでくれていいから」

絵里「矢澤さん……」

にこ「……それじゃ」プイッ!


絵里(あなたも大概堅物で素直じゃないわよね。……でも、ありがとう)

絵里(もし決勝で当たれたとしたら、今度はもうオーダーで避けるような真似はしないわ。全力であなたを、今一度地べたへ引き摺り下ろしてみせる!)
97: 名無しで叶える物語(はんぺん【22:09 震度1】)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 22:26:36.19 ID:SXoQZ40G.net
 
  ×       ×       ×


花陽「…………」ボロ…

凛「だ、だいじょうぶ?」

花陽「私とお米は無事だったけど、うぅぅ……大事な大事なメガネがぁ……」

にこ「何をどうしたら眼鏡がそんなに大破するのよ」

ことり「かよちゃんがご飯のおかわりからテーブルに戻ってくるときに躓いちゃって、それで……」

まこ「ご飯を絶対に溢さないよう頑張った結果、顔面からビターンといっちゃったんだよね」

穂乃果「痛そぉ~……」

真姫「レンズがここまで砕けておきながら、顔には絆創膏で済む程度の怪我しか負わなかったあたり不幸中の幸いね」

花陽「うん」グスン…


希「眼鏡の予備とか持っとらんの?」

花陽「ラケットなら念のため2本持ってきてるけど、眼鏡の予備なんて常備してないよぉ」

にこ「じゃあ裸眼でテニスは出来るわけ?」

花陽「何も見えなくなるわけじゃないし、一応できないこともないけど……えっと……いつも通りとはいかないと思う。……ごめんなさい」シュン…
98: 名無しで叶える物語(はんぺん【22:09 震度1】)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 22:27:59.74 ID:SXoQZ40G.net
真姫「あと30分程で試合開始。全試合がスムーズに進んだ場合、一試合が20分ちょいだと仮定して、花陽をダブルス1に置けば1時間半以上の猶予があるわけだけど」

真姫「一旦家に帰るか、もしくは今から近くの眼鏡屋まで行ったとして、1時間半でどうにかなる?」

凛「家に帰ると往復で丁度1時間半くらいだよね。この辺に眼鏡屋ってあったっけ?」

花陽「近くにお店があったとして少し厳しいかも……。自分の視力と完全に一致した眼鏡は、市販をそのまま買うんじゃなくてやっぱり作ってもらうしかないから」


にこ「一番最悪なのは不戦勝になるパターン。間に合う確証がない以上、どちらの選択肢も駄目よ」

にこ「まぁ嘆いてても仕方ないわ。幸いギリギリでオーダー提出前だし、なんとかするしかないわね」

希「ゴールデンペアはにこっちと並ぶ音ノ木坂の最高戦力。ちょっとくらいパフォーマンスが落ちるからって、出さない手はないんとちゃう?」

凛「ん~~~。かよちんが本調子じゃないと“シンクロ”もあんまり上手くいかなくなっちゃうから、ミカ先輩とフミコ先輩に出てもらうのが安全策だと思うにゃ」

フミコ・ミカ「「えっ!??」」

にこ「そうね。いきなりで悪いけど出て貰える?」


フミコ(いつもなら快く引き受ける場面ではあるけど……)

ミカ(全国大会団体戦……去年0-6でボロ負けしたトラウマがっ!)


ことり「…………」グッ

ことり「にこちゃん」

にこ「ん?」

ことり「1つ提案があるんだけど──」
99: 名無しで叶える物語(はんぺん【22:09 震度1】)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 22:29:46.58 ID:SXoQZ40G.net
 
  ×       ×       ×


   ~紫苑女学院side~


仁美「……シュッ!…………シュシュッ!!」

命「コラッ! シャドーボクシングはやめて下さい!」

仁美「血沸き肉躍る戦いが俺達を待っていると思うと、体の疼きが止まらなくてな」ブン! ブン!

命「血沸き肉躍る!? あなたはテニスを何だと思っているんですか!!」

仁美「テニスも拳のぶつかり合いも、戦いであるという点において違いはない。この世界を支配するもの……それは力だ」

千鶴子「あらあら。この世界は力ではなく愛によって成り立っていますのよ? つまり戦いも愛情表現の1つ、決して野蛮な行いではありませんわ」

さゆり「何言ってるの? 戦いと日常は表裏一体。即ち、家もコートも全てが戦場であるというのにっ!」バキュンバキュン!!

命「うぅぅ……この人達と話していると頭が痛くなってきます……」
100: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 22:31:11.63 ID:SXoQZ40G.net
 
睦月「カッカッカッ! そんなことより、2回戦のオーダーが発表されましたぞ!!」


  <紫苑女学院 全国大会2回戦オーダー表>

 ◆シングルス3……兵藤さゆり(3年)
 ◆ダブルス2………黒羽咲夜(3年)、黒羽咲良(1年)
 ◆シングルス2……鬼崎アキラ(2年)
 ◆ダブルス1………坂巻千鶴子(2年)、志賀仁美(3年)
 ◆シングルス1……福原命(1年)
 ◆控え選手…………月島結架(2年)


http://i.imgur.com/sglmihV.jpg
1451919632-1-レス100-画像
↑紫苑女学院メンバー画像(高天原睦月はマネージャー)


  <音ノ木坂学院 全国大会2回戦オーダー表>

 ◆シングルス3……東條希(3年)
 ◆ダブルス2………尾崎まこ(1年)、西木野真姫(1年)
 ◆シングルス2……高坂穂乃果(2年)
 ◆ダブルス1………星空凛(1年)、南ことり(2年)
 ◆シングルス1……矢澤にこ(3年)
 ◆控え選手…………ヒデコ(2年)


結架「あっちゃ~、今回は補欠にされちゃったかー。それにしても、オトノキのダブルス1なんか変じゃない?」

睦月「ふむん。まさか南氏をダブルスで起用してくるとは……吾輩の予測とは大きく外れた模様。それにしても、なぜ小泉氏の名前が無いのですかな?」

アキラ「さてねぇ。まぁオーダーなんてどうでもいいさ。誰が相手だろうと、アタシは勝つだけだッ!」ニカッ!

結架「流石は我らがエース! たっのもしぃ~!!」
101: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 22:35:25.21 ID:SXoQZ40G.net
 
  ×       ×       ×


   ~音ノ木坂学院side~


花陽「ことりちゃん……本気なのぉ……?」

ことり「うんっ」

にこ「もうオーダーは提出しちゃったんだし、今更どうしようもないわよ」

花陽「相手は東北大会優勝校なんだよ!? 元凶である私が言えたことじゃないけど……生半端な体制で勝てる相手じゃありません!」

ことり「どうしても、ダブルスに弱い自分の殻を破ってみたくなったの」

穂乃果「お。久しぶりに負けず嫌いモードだねっ」

ことり「えへへ~」


にこ(今回の元凶も、都大会でことりに勝ちへの執念を芽生えさせたのも、全ての原因は花陽にある)

にこ(だから今回もまた、ことりが化けてくれるんじゃないかと期待してダブルス出場を認めたけわけだけど……やっぱりまずかったかしら?)

にこ(いや。完全に後衛向きのことりと前衛向きの凛、2人の相性的にはそこまで無謀な賭けじゃないはずよ)


真姫「ダブルスで強くなりたい気持ちは良いことだと思うけど、どう考えてもぶっつけ本番でやるべきことじゃないわよね」

凛「凛はことりちゃんとの初ダブルス楽しみだにゃー! でもでも、かよちんと一緒じゃない時の凛はただの雑魚だから期待しないでね?」

ことり「ダ~メっ♡ いっぱい期待しちゃいます!」

凛「えぇーーー」
102: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 22:36:29.47 ID:SXoQZ40G.net
穂乃果「大丈夫! 1回戦の時みたいにまた私がでバシッと決めてくるから、ダブルス1まで回さないもんね~」

にこ「それは無理よ」

穂乃果「酷い!? 何で!??」

花陽「穂乃果ちゃんの対戦相手、鬼崎アキラ選手。昨年の大会時点ではまだ1年生ながら、団体戦・個人戦共に大活躍した紫苑女学院のスーパーエースです」

穂乃果「どのくらい強いの?」

にこ「穂乃果に分かりやすいように例えると、絢瀬絵里や綺羅ツバサ級のバケモンね」

穂乃果「うへぇ」

にこ「今のあんたに勝てとは言わない。てゆーかにこに勝てない時点で絶対無理」

穂乃果「うぅぅ……」

にこ「でも本気で音ノ木の柱になる気があるなら、来年までには超えなきゃいけない壁の1つよ。今日は良い経験だと思って、少しでも何か吸収してきなさい」

穂乃果「なにさなにさ! 戦う前から私が負けるって決めつけちゃって!! 全員ぎゃふんと言わせてやるんだからー!!」


希「とはいえ負け濃厚なのは事実。シングルス2とダブルス1が正直期待できないとなると……」ヒソヒソ…

まこ「あれ? これ、私達と希ちゃんとにこちゃんは負けが許されないんじゃ……?」ヒソヒソ…

希「そういうことやね」ヒソヒソ…


真姫「ふん。どんな状況だろうと勝てば良いだけの話じゃない」

にこ「その通り! さぁ、油断せずに行くわよー!!」
103: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 22:39:25.18 ID:SXoQZ40G.net
 
  ~♪       ~♪       ~♪

   ♪. MUST BE:STRONG!!
     (原曲……Must Be Strong!  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=M921pZUZCvQ




穂乃果『強くなるんだー♪』 『『『強くなるんだ~♫』』』
  『『『強くなるんだー♪』』』  『『『強くなるんだ♫』』』

  『『『『『Must Be Strong~♪ Must Be Strong~♪ Must Be Strong~~~♫』』』』』


  『『『『『強くなるんだー♪(Must Be Strong!) 強くなるんだー♫(強くなるんだ!)』』』』』

  『『『『『Must Be Strong! Must Be Strong!』』』』』

  『『『『『誰よりもー 力つけー 敵に勝つ~♪』』』』』

  『『『『『Must Be Strong! Must Be Strong! Must Be Strong!』』』』』


希『未来は~いつも♪ うちらが~作る♫』

花陽『ボヤボヤしてたらー♪(未来を~♫) 昨日のままさー♪(つくれ♫)』

穂乃果『ハードな一撃で♪(Must Be Strong!) 今日に風穴♫(Must Be Strong!)』

凛『時間を追い越すー♪(追い越す~♫) 凛のポテンシャ~ル♪』

ことり『遠い空の彼方に見えるぅー♪(遠い空の彼方~♫) 明日が生まれる♪』

  『『『『『その場所に走ろう~~~♪♪♪』』』』』


  『『『『『Must Be Strong! Must Be Strong!(強くなるんだ~♪ 強くなるんだ♫)』』』』』

  『『『『『Must Be Strong! Must Be Strong!(強くなるんだ~♫ 強くなるんだ♪)』』』』』

  『『『『『Must Be Strong! Must Be Strong!』』』』』

  『『『『『Must Be Strong~! Must Be Strong~! Must Be Strong!!』』』』』
 
104: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/06(水) 22:40:27.10 ID:SXoQZ40G.net
 
ことり『見据える~先に♪ 理想が~見える♫』

にこ『グズグズしてたらー♪(見据える~♫) 夢と消えるわー♪(理想♫)』

真姫『鮮やか~に切り裂く♪(Must Be Strong!) 挫折と~迷い♫(Must Be Strong!)』

まこ『如何なる時でもー♪(いつでも~♫) 沈着冷静~♪』

穂乃果『地平線を超えてまっているぅー♪(地平線を超えて~♫) 世界と呼ばれる♪』

  『『『『『その高見目指そう~~~♪♪♪』』』』』


  『『『『『Must Be Strong! Must Be Strong!(勝利を目指せ~♪ 勝利を目指せ~♫)』』』』』

  『『『『『Must Be Strong! Must Be Strong!(勝利を目指せ~♫ 勝利を目指せ~♪)』』』』』

  『『『『『Must Be Strong! (強くなるんだ~♪) Must Be Strong! (勝利を目指せ~♪ 勝利を目指せ~♫)』』』』』

  『『『『『Must Be Strong! (強くなるんだ~♪) Must Be Strong! (勝利を目指せ~♫ 勝利を目指せ~♪)』』』』』

  『『『『『遠い♪(遠い) 空の♫(未来が~) 彼方に♪(いつもー) 見える♫(いつも)』』』』』

  『『『『『Must Be Strong! Must Be Strong!! Must Be Strong!!!』』』』』

  ~♪       ~♪       ~♪



審判「それでは只今より、岩手・紫苑女学院と、東京・音ノ木坂学院の試合を行います」

審判「両チーム共、整列してください」

審判「礼っ!」

   「「「「「よろしくおねがいします!!」」」」」

 
106: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 00:30:20.65 ID:nbaOTeK4.net
 
    【Genius 5:修行の成果】


さゆり「こちら兵藤。只今より試合を開始する」

アキラ「頑張れ!」

睦月「兵藤さゆり軍曹よ、ちょいと待ちなされ!」

さゆり「うん?」

睦月「敵の東條希という女、なんでも一部では“スピリチュアルテニスのラッキー東條”などというケッタイな通り名で呼ばれているらしい」

さゆり「運任せのプレイヤーってこと?」

睦月「カッカッカッ! 運だけで全国大会常連校のレギュラーにはなれんよ。東條氏のプレイスタイルは、ズバリ “劣化パーフェクトテニス”だ!」

命「パーフェクトテニス……UTX学院のバイブル、絢瀬絵里さんですね?」

睦月「うむ。吾輩の調査によると、その2名は数年前から深い交流があるらしい。これは推測にすぎないが、絢瀬氏が東條氏の師匠なのかもしれないなぁ」

睦月「パーフェクトテニスの劣化版とはいえ、パワーとテクニックを兼ね備えたそのプレイは十分に驚異的。しかも絢瀬氏より悪知恵の働く狡猾な性格ときている」

睦月「パワーとテクニックに、豪運と詐欺を織り交ぜた“スピリチュアルテニス”。音ノ木1の曲者を決して侮ることなかれ!」

さゆり「ラジャー!!」
107: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 00:31:03.84 ID:nbaOTeK4.net
 
花陽(試合に出られないながらも、私も頑張りますっ!)


花陽「兵藤さゆり選手、3年。身長163cmで血液型はO型。通称“スナイパー”」

花陽「コートのどこでも狙い撃てる抜群のコントロールと、選球眼が非常に優秀なプレイヤーです」

真姫「北陸大会の選手のことまでよく調べてあるわね」

花陽「有名所だからね。全国大会初出場校のこととかは全然分からないけど、紫苑女学院レギュラーのデータはバッチリだよ!」

花陽「この兵藤選手は、コントロール力なら……えっと、希ちゃん以上なんじゃないかなぁ?」

希「コントロールに選球眼の良い選手か~。そんなら基本的にはパワーでゴリ押ししつつ、時々小細工を織り交ぜる感じで戦ってみようかな?」

花陽「うん。それで大丈夫だと思うよ」

希「よっしゃ。まずは1勝、うちに任せとき!」
108: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 00:34:23.63 ID:nbaOTeK4.net
 

審判「ザ・ベストオブ・ワンセットマッチ!」

     紫苑女学院 兵藤
        VS
     音ノ木坂学院 東條

審判「音ノ木坂サービスプレイ!!」


希「そりゃ!」ズバーーーン!!!

さおり(はやいっ!?)


真姫「なんか希のパワー増してない?」

穂乃果「地獄の山籠り修行をすれば、嫌でも力つくよね~」

凛「そうにゃそうにゃ」


希「ドーーーン!!!」ズドーーーン!!!!!

審判「ゲーム音ノ木坂、1-0。チェンジコート」


仁美「あらあら」

結架「わあ! 一方的にやられたね」

さゆり「1ゲーム目は様子見だからいいのー! これから全てを撃ち抜くよ!」
109: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 00:35:19.57 ID:nbaOTeK4.net
さゆり「っ!!」スッパーン!!

希(おぉ! 速いし狙いも鋭いサーブやん)ポーーン

さゆり「……狙い撃つ」バキュン!!!

希「なっ!?」

審判「15-0」

希(完全にコートの隅……隅というか、むしろライン上を狙われた!?)


ことり「わぁ~凄いコントロール」

まこ「これが東北1位……」

花陽「うぅぅ。今みたいな際どい球が、アウトかインか見えないよぉ……」

にこ(この様子じゃ、今回は花陽を外して正解だったみたいね)


さゆり「それっ!!」バキュン!!!

希(あちゃ~、こりゃ取れん)


審判「ゲーム紫苑、1-1」

 審判「ゲーム音ノ木坂、2-1。チェンジコート」

  審判「ゲーム紫苑、2-2」

    審判「ゲーム音ノ木坂、3-2。チェンジコート」

 
110: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 00:36:48.83 ID:nbaOTeK4.net
希「ふぅ……」

花陽「互いにサービスゲームを譲らない、都大会決勝と似た試合運びだね」

希「せやなぁ。何度もラインスレスレを正確に射抜くあのコントロール何なん? しかも毎回嫌な方向に打たれるし、あんなの取れるわけないやん」

にこ「イレギュラーバウンドやコードボールを狙って成功させてるあんたの言えた台詞じゃないわよねソレ」

穂乃果「たしかに!」

希「うちがそういうのを狙うんは、余裕がある時か、もしくはよっぽど賭けに出なきゃならん場面だけやって。そんなにバンバン多用出来る技ってわけやないんよ」

にこ「知ってるわよ。あんたの攻撃って基本的に、サーブとジャックナイフ以外使い勝手悪いわよね」

にこ「でもどっかで相手のサービスゲームをブレイクしないと、このままずっといたちごっこよ?」

希「分かっとる」


   ヒュゥゥゥ……

希(良い風吹いてる。そろそろお得意の小細工……もとい、山で身に着けた新技のお披露目といきますか!)
111: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 00:45:09.09 ID:nbaOTeK4.net
さゆり「っ!!」スッパーン!!

希「ふ!」パコン…

さゆり「?」スタタタタ パコーーン!!

希(今やっ!!!)ポーーーーーーーン

さゆり(ふぅん。浅いレシーブで前におびき寄せて、次にロブで頭上を抜く戦法か。でも焦りすぎたようだね! このロブ、どうみてもでかすぎ──)

   ヒュゥゥゥ……

さゆり(──風でロブが押し返された!??)

審判「イン! 15-0」

希「お、ラッキー!」


さゆり(う~ん、アンラッキー。まぁこういう失点は仕方ないか。はい次っ)スッパーン!!

希「ふ!」パコン…

さゆり(また?)スタタタタ パコーーン!!

希(さぁ、もう1球いこうか。風の止まんうちに!!)ポーーーーーーーン

さゆり(またでかすぎるロブ……? でも今はほぼ無風だし、さっきみたいな偶然が連続で起きるはずない!)

   ヒュゥゥゥ……

審判「イン! 30-0」


さゆり「な、なんで……」

希「ふふ。スピリチュアルやね」ニヤリ
112: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 00:47:08.92 ID:nbaOTeK4.net
凛「希ちゃん凄いにゃー!!」

真姫「……どういうことなの? まさか、数秒後の風の動きを読んでるわけじゃないでしょうね?」

凛「そのまさかだよ」

真姫「ハァア!?」

花陽「希ちゃんの新しいデータGETです! 以前は太陽の位置を利用して戦ってたこともあったけど、今度は風まで利用するなんてっ」

穂乃果「あの過酷な山籠もりは、私たちに様々な変化をもたらしたのさ」フッ…

真姫「イミワカンナイ!」

穂乃果「星座とか山にある食べられる草とか、希ちゃんは元々自然のことに詳しかったからね。風の動きまで分かるようになってもあんまり不思議に思わないけどな~」

真姫「私からしたら不思議すぎるんだけど?」

にこ「真姫の聴力だって大概でしょうが」

まこ「あはは」

真姫「ムッ」


希「とうっ!!」バゴーーーン!!!

審判「ゲーム音ノ木坂、4-2」


希「よっしゃ!」

さゆり(まさかこのタイミングでブレイクされるなんて! ヤバイヤバイヤバイ!!)

希「そちらさん、選球眼には自信あるんやなかったの?」クスクス

さゆり「なっ……!?」ワナワナ…


希(さっきまで堅実だったプレイが、焦りと怒りで隙だらけになっとるで?)バッコーーーン!!!

審判「ゲーム音ノ木坂、5-2。チェンジコート」
113: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 00:48:05.85 ID:nbaOTeK4.net
さゆり(落ち着け……。私は正確無比なスナイパー。技もメンタルも、そう容易く揺らいだりしない……)スー…ハー…


さゆり「はっ!!」バキュンッッッ!!!

希(クッ……! 完全にうちのペースかと思いきや、ここにきて精度が更に増しとる!!)

審判「ゲーム紫苑、3-5」


希(逆転なんか……絶対にさせへん!!)ドカーーーン!!!

さゆり(何度でも狙い撃つ!!)

希(相手はいつも、うちの届かない箇所を的確に射抜いてくる。ってことは逆にわざと隙をみせれば……)

さゆり「はっ!!」バキュンッッッ!!!

希(思った通り! 来る場所さえ読めていれば、最初の一歩を早めに踏み出すことも可能! つまり届く!!)シュタタタタ!!

希「……いくで!」グググ…

希「ドーーーン!!!」ズドーーーン!!!!!


凛「おぉぉーーー!!」

穂乃果「綺麗なジャックナイフ! ドンピシャで決まったぁ~~~!!!」


審判「ゲームセット! ウォンバイ音ノ木坂、東條。6-3」


まこ「やったぁ!」

ことほの「「イエーイ!」」パチン!

にこ「幸先の良いスタートね」
114: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 00:50:13.20 ID:nbaOTeK4.net
希(得点だけ見れば余裕のある勝利って感じになったけど、実際のところ結構いっぱいいっぱいやったなぁ)

希(あそこで都合よくブレイクできなきゃ負けてたかもしれん。これが東北1位の実力か……)

真姫「勝てたっていうのに何辛気臭い顔してるのよ。安心しなさい。あとは私達とにこちゃんが勝って、無事2回戦突破よ」

穂乃果「真姫ちゃん酷い!」

凛「フシャーー!!」

ことり「ことり達も勝つよっ」

真姫「はいはい」



さゆり「うぅ~……みんなゴメン」

睦月「うむむ。勝っておきたい一戦であったが仕方あるまい、切り替えていきましょう! 次の試合のデータもお任せアレ~」

睦月「次のペアは非常に分かりやすい。尾崎まこは状況判断に秀でた守りの要、しかし攻め技に欠ける。対して西木野真姫は攻めは上手いもののスタミナ不足ですぞ」

命「相変わらずお詳しいですね」

睦月「フハハ! 全国大会出場選手の過去の公式戦データは、吾輩の発明したハイパーソフトが全てオートで収取してきてくれるのだ!」


睦月(ちなみに、公式戦のデータしか取集できないので、関東大会以降どれだけ強くなったかまでは分からないが難点である!)


咲夜「ふふふ……。先刻の戦いでこの空間に瘴気は満ちた。時は来たり」

咲良「試合……緊張……」

咲夜「お姉ちゃんが付いててあげるから大丈夫よ。敵も機関の連中も、全て私が葬ってあげる」

咲良「……うん」
115: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 00:51:51.23 ID:nbaOTeK4.net
 
まこ(1回戦目は出番回ってこなかったから、これが私にとって全国大会初試合)

まこ(しかもシングルス2とダブルス1のことを考えると絶対に落とせないし、結構なプレッシャーだなぁ……)


にこ「まこ。ちょっと観客席見てみなさい」

まこ「ん? ……あ、意外と人少ない」

にこ「全国大会だからって全ての試合が注目されてるわけじゃないわ。関東大会で統堂・優木ペアと戦った時の野次馬の数と比べたら、このくらいどってことないでしょ?」

花陽「対戦相手の黒羽姉妹にしても、統堂選手や優木選手ほど凄い相手ってわけじゃないよ。コンビネーションが良くて普通に強いダブルスペアって感じかな」

にこ「そういうことだから、いつも通りに頑張ってきなさい!」

まこ「うんっ!!」



審判「ザ・ベストオブ・ワンセットマッチ!」

    紫苑女学院 黒羽&黒羽
        VS
   音ノ木坂学院 尾崎&西木野

審判「紫苑サービスプレイ!!」

 
116: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 00:53:35.29 ID:nbaOTeK4.net
咲夜「くらいなさい……ッ!」スッパーーーン!!

まこ「えいっ!」パッコーーン!!

  パーンッ!! ポーン! スパーン! パコーン ドーン! ポーン スッパーン! パコーン!


花陽「クロスと前衛オーバーのロブを駆使して、前衛にボールを触らせない後衛同士の一騎打ち。落ち着いていて凄くいい感じですっ!」

穂乃果「さっきは少し緊張してるみたいだったけど、普段通りで安心したよ~」

にこ「あんたの知ってる普段通りとは少し違うと思うわよ?」

穂乃果「?」


まこ(今だ!!)スタタッ!

咲夜「えっ?」スパーーン

咲良(……後衛が……前に?)

咲夜(なん……だと!? 尾崎まこは守り一辺倒なはずではッ!?)

まこ「はっ!!」パコン!!

審判「0-15」


凛「すごいすごい!」

穂乃果「まこまきペアがダブルポーチしてるところなんて初めて見たよ!!」

希「うちらが山で修行してた間に、他の皆も成長したってことやね」

にこ「あんたら以外は、この大銀河宇宙ナンバー1テニスプレイヤーのにこにーにこちゃんが直々に面倒みてあげてたんだから! そんなのあったりまえよ!!」ドヤァ!!


まこ(もういっちょ!!)パコン!!

審判「ゲーム音ノ木坂、1-0。チェンジコート!」
117: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 00:55:16.93 ID:nbaOTeK4.net
ことり「にこちゃんの育成能力は凄いよね~。ことりも結構鍛えてもらっちゃったもん」

にこ「フフン! 当然じゃない!! もっと矢澤部長のことを崇め奉り──」

凛「そんなことよりまた変わった動きしてるにゃ!」

にこ「──そんなことって何よ!!!」


まこ「…………」スッ

真姫「…………」スッ

咲良(前衛が……ネット中央で中腰気味な姿勢……。そして後衛も……ほぼ中央からサーブの構え……?)

咲夜(ふふふ。一見すると左右がガラ空きで意味不明な陣形だけど、これは“アメリカンフォーメーション”ね)

咲夜(私がリターンする直前に、敵は必ず左右のどちらかに動く。アメリカンフォーメーションはただの奇襲戦法。知っていればどうということはないわ!)

まこ「えい!」シュッ!!

咲夜(とりあえず初手はロブで様子見)ポーーーン

真姫(ま、そうなるわよね)


花陽「これはアイフォーメーション、もしくはアメリカンフォーメーションっていう陣形だね」

希「オーストラリアンフォーメーションなら聞いたことあるけど、それとは何か違うん?」

花陽「えっと、たしかにその2つは共通した利点が多いんだけど、前衛の立ち位置が違ったりとか他にも細かい点で差異が──」ウンヌンカンヌン
118: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 00:58:01.37 ID:nbaOTeK4.net
穂乃果「そもそもこのフォーメーションにどんな意味があるの?」

にこ「前衛に向かってリターンなんてしたくないし、真姫が右に動くか左に動くか分からない以上どうしてもリターン時にプレッシャーがかかるでしょ?」

にこ「まこのスライスサーブは別段強力なわけじゃない。けど、現に相手は攻め込まずロブへ逃げた」

にこ「本来はこちらが攻めるため奇襲陣形なわけだけど、相手に攻めを躊躇させるという点ではすでに成功よ」

穂乃果「ふむふむ」

ことり「でも、やっぱりおかしくないかなぁ?」

にこ「何が?」

ことり「こういうのって、前衛がこっそりサインを出したりするものでしょ?」

穂乃果「たしかに! そうしないと、真姫ちゃんもまこちゃんも同じ方向に動いちゃうかもしれないもんね」

ことり「でもそういう仕草は見られなかったし……」

にこ「どれだけ新たなフォーメーションを会得しようが、ゲームメイクをするのはあくまでまこの仕事。真姫が指示出しなんてしないわ」

凛「ハッ!! まさかあの2人も“シンクロ”を!??」

にこ「違う違う。ほんの少し……それこそコンマ数秒だけまこが先に動いて、それとは逆サイドに真姫が動く。それだけの話よ」

希「うん? 逆ならまだ分かるけど、真姫ちゃんが振り返りもせずまこちゃんの動きを把握して動くなんてこと──あ、まさか音でっ!?」

にこ「正解! ほんの一歩、普通なら聞こえない程度の足音を、真姫は完璧に聞き取って後衛の動きを判断しているのよ」

凛「まこちゃんすごいにゃー!」

穂乃果「凄いのは真姫ちゃんじゃないの?」

凛「え? だって真姫ちゃんはまこちゃんの動きに合わせて動いてるだけなんでしょ? ダブルスは指示出す方がかよちんみたいに凄くないとダメだからね!」

花陽「必ずしもそういうわけじゃないと思うけど……」アハハ…


ことり(凛ちゃんは日常ではかよちゃんを引っ張ってるけど、試合中はその逆でリードされたがってる……。ことりは凛ちゃんとのペアでどう戦うべきなんだろう?)
 
119: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 01:00:10.78 ID:nbaOTeK4.net
 
  パーンッ!! ポーン! スパーン! パコーン ドーン! ポーン スッパーン! パコーン!

咲夜(驚異的なサーブではない。せっかくの攻め時なのに、また後衛対決を強いられるなんて……クッ)スパーーン!

真姫(甘いクロスね。これなら届く!)シュタタタッ!

咲夜(しまった!!)

真姫(……ピアニッシモ)ポン、コロコロコロ…

審判「30-0」


にこ「安定しているように見える後衛同士のラリーも、長引けばいつか綻びが出来る。それをいかに前衛が見逃さずに決めるかがこの試合のポイントね」

にこ「ことりと凛の即席ペアに、ここまで綺麗な試合運びを求める気はないけど、見てるだけでも結構勉強になるでしょ?」

ことり「うんっ。凄くためになるよ!」

凛「そっか~。これが普通のダブルスなんだね!」

花陽(凛ちゃんとことりちゃんに普通のダブルスができるのか物凄く不安だよぉ……)


真姫(よし、チャンスボール!)スッ…

咲良(また……ドロップボレー……?)グッ…

真姫(フォルテ!!)ズッバーーーン!!!

咲良「ぅゎ……」

審判「ゲーム音ノ木坂、2-0」


まこ「ナイスショット!」

真姫「美しいボール捌き、そして華麗なる緩急からなるリズムの支配。これぞ天才まきちゃんに相応しい戦い方よね」

まこ(調子良さそうだし、もっとノッてもらおうかな)

まこ「ヨッ! 流石真姫ちゃん! スーパールーキー!!」

真姫「フフ、私の美技に酔いなさい!」
120: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 01:03:25.11 ID:nbaOTeK4.net
 
  ~♪       ~♪       ~♪

   ♪.酔いなさいボレロ
     (原曲……酔いしれろボレロ  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=hI977kjhG74




真姫『何が見たい まきちゃんの何がぁ~♪ 何が知りたい まきちゃんのどこがぁ~♫』

真姫『瞳が潤むほど 魅せてあげるぅう~♪ 私の美技に 酔いなさいボレロ~♫』

真姫『何が欲しい あなたにあげようぅ~♪ 何がやりたい あなたとしようぅ~♫』

真姫『鳥肌が立つほど 教えてあげるぅう~♪ 私の美技に 酔いなさいボレロ~♫』


真姫『そう女神が降臨したように♪ あなた達には見えているのでしょ♫』』

真姫『ギリシャ神話のムーサのように♪ そう私は テニスという芸術 私だけの美学ー♫』


真姫『ムーサである私は 怯えるあなたを見据え♪ 壮絶な~技で~ あなたを倒すぅー♫』

真姫『その美技! 美しい技 完璧なる美技♫』

真姫『美技を! 携え私舞~う コートという名の劇場でぇ~♫』

真姫『るるるるるぅ~る♪ らららららららら♪ 観客の絶賛が聞こえるー♫』


真姫『酔いなさい ボ~レ~ロぉぉぉ~~~♪♪♪』

  真姫「決めるわ!」スッッッパーーーン!!!

  ~♪       ~♪       ~♪


審判「ゲームセット! ウォンバイ音ノ木坂、尾崎・西木野ペア。6-2」

 
121: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 01:04:28.31 ID:nbaOTeK4.net
 

※ムーサ(Musa)とは、ギリシア神話で文芸をつかさどる女神達。
   英語・フランス語の複数系でミューズ(Muse)となる。
 
 
122: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 01:05:55.42 ID:nbaOTeK4.net
 
まこ「やったーーー!!」

真姫「関東大会で戦った人達の方がよっぽど強かったわね。それとも私が強くなりすぎたのかしら?」

まこ「あはは。あんまり調子に乗りすぎちゃ駄目だよ?」

真姫「分かってるわよ。でもどちらにしろ、この程度で1位だなんて東北はレベルが低──」

   ゾクッ……

アキラ「…………」ゴゴゴゴゴ…

真姫「──っ!? 」

アキラ「東北大会でぶつかった皆を侮辱する発言は控えてもらいたいな」

真姫「……わ、悪かったわね」


真姫(何なのコイツ……。オーラなんて馬鹿馬鹿しいものを信じてるわけじゃないけど、なんとなく感じ取れてしまう……)

真姫(にこちゃんの言ってた「絢瀬絵里や綺羅ツバサ級のバケモン」なんて発言は、どうせ過大評価だろうと思ってた。でも違う)

真姫(圧倒的強者の風格、間違いなく……穂乃果じゃ手も足も出ない程に強い!!)ゴクリ…
126: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 19:31:45.26 ID:nbaOTeK4.net
 
    【Genius 6:軽業×天才】


アキラ「…………」

真姫「…………」タジッ…


にこ(ふぅん。にこと初対面の時は無謀にも喧嘩売ってきたあの真姫が、鬼崎アキラの力を正しく感じ取っている。随分と成長したわね)

にこ(でも喜ばしいことばかりではない。まこはダブルスの才能に満ち溢れているのに対し、真姫は元々生粋のシングルスプレイヤー)

にこ(まこまきペアは日に日に強くなってはいるけど、このままじゃ真姫のシングルスにおける才能を埋もれさせてしまう……)


穂乃果「よぅし! このまま気持ちよく3勝して、2回戦も突破だよ!」

真姫「穂乃果、以前にこちゃんと本気で試合した後にぶっ倒れたって本当?」

穂乃果「うん。本当だけどそれがどうかしたの?」

真姫「……別に何でもないわ。ただ、あんまり無茶するんじゃないわよ」


にこ(真姫をシングルスに出せば、多分穂乃果に勝らずとも劣らない活躍をしてくれると思う。でも、だからといってまこまきペアの代わりが居るわけでもない)

にこ(ダブルスとシングルスをどちらでも熟せる人材は、チームにとって絶対プラスになると思うんだけど……)

にこ(そもそもシングルス枠は補欠含め空きなんてないし、結局のところ現状維持がベストってことなのかしらね?)
127: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 19:33:37.62 ID:nbaOTeK4.net
穂乃果「真姫ちゃんは意外と心配性だなぁ~。倒れたのはにこちゃんの魔法が原因なだけだし今日は大丈夫だって!」

真姫「あっそ、ならいいわ。ただ……今回の試合も十分用心することね」

花陽「うんうん。とっても強い対戦相手だからね! 鬼崎アキラ選手、2年。身長164cmで血液型はA型なオールラウンダー」

花陽「力強いし足も速い! そしてスタミナも凄いっ! 序盤から凄い勢いのあるプレイスタイルなのに、終盤になると更にギアを上げてくる超人です!!」

花陽「その迫力満点なプレイ故に、“鬼神の鬼崎”なんて通り名も!」

凛「き、きしん……?」

穂乃果「了解! 相手が誰だろうと、勝つったら勝つよ!!」



審判「ザ・ベストオブ・ワンセットマッチ!」

     紫苑女学院 鬼崎
        VS
     音ノ木坂学院 高坂

審判「音ノ木坂サービスプレイ!!」


穂乃果「…………」シャキッ

アキラ(妙な構えだな。まるで、刀でも構えているかのような)

穂乃果「すぅー……はぁー……」

穂乃果「ハッッッ!!」ヒョーーーーーイ

アキラ(お? おぉお!?? なんだこのバカ高いトスは???)

穂乃果(最初から……全力で行くッ!!!)スパーーーン!!!


凛「出たぁ! 穂乃果ちゃんの“サムライサーブ”!!」

ことり「いっけ~!!」


アキラ「うをぉ!?」パコン ペチッ…

審判「15-0」

穂乃果「よっし!!」
128: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 19:35:56.45 ID:nbaOTeK4.net
まこ「……もしかして、案外いけそう?」

にこ「いや、単に“サムライサーブ”が初見殺しなだけよ」

希「サーブは打つ方も受ける方も、瞬間的な集中力が必要とされる。せっかく感覚を研ぎ澄ませても、穂乃果ちゃんのトスでタイミングを狂わされてしまうからね」


審判「30-0」


アキラ(あっちゃ~。2連続でサービスエースかよ。でもまぁ、もう見切ったぜ)

穂乃果「!!」スパーーーン!!

アキラ「あらよっ!!」バッッッシーーーーーン!!!!!

審判「30-15」

穂乃果(うわぁリターン速すぎぃ!!)

穂乃果(でもでもっ! こんなことで諦めたりなんか──)

アキラ「…………」ゴゴゴゴゴゴ…

穂乃果(──え? 鬼の……覇気ッ!?)


審判「ゲーム紫苑、1-0。チェンジコート」

 
129: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 19:38:57.06 ID:nbaOTeK4.net
穂乃果(私は……負けないっ!!)ダッ

   ズドーーーン!!!!

アキラ(へぇ。これが睦月のデータにあった“閃光R”ねぇ。なら!!)

   ズバコォォォオオオーーーン!!!!!

穂乃果(そんな……。渾身の一撃が、希ちゃん以上に強力なジャックナイフで打ち返された……)

アキラ「ヘヘッ!」


審判「ゲーム紫苑、3-0。チェンジコート」


希「あまりにも一方的な試合展開やね……」

ことり「ホノカチャン……」

にこ(穂乃果……。相手がいくら鬼神とはいえ、あんたは手も足も出ないままで終わるようなタマなの?)


穂乃果「をぉぉぉぉぉおおおおお!!!!!」バコーーーン!!!!

アキラ(良い気迫だ。アタシ以外がこの子と戦ってたら少し危なかったかもしれないな)パコン!!

穂乃果(絶対に最後まで諦めない! 届けぇーーーーー!!!)ズサァァァーーー!! ポーーーン

アキラ(ほほう、よく拾うねぇ~。だが!)

アキラ「終わりだァ!!!」ドガーーーーーーン!!!!!


審判「ゲームセット! ウォンバイ紫苑、鬼崎。6-2」


アキラ「ふぅ~う。ギアを上げた後半になってから2ゲームも取られてかなりビビったよ。対戦ありがとう!」

穂乃果「ありがとうございました……」シュン…

 
130: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 19:41:53.11 ID:nbaOTeK4.net
真姫「勝つったら勝つとか大口叩いておいて、いくらなんでもあっさり負け過ぎじゃない?」

凛「ちょっとダサくないかにゃー?」

穂乃果「うわぁ~~~ん!!!」

ことり「よしよし。穂乃果ちゃんはよく頑張ったよ」ナデナデ

穂乃果「ぅぅぅ……」ギュッ

ことり(えへへ。役得役得♡)(^8^)


にこ「……花陽、希。今の試合どう思う?」

花陽「正直驚きました。普通の高校生なら、途中で休憩でも挟まない限り試合が進めば進むほどプレイの質は落ちる。体力的にも精神的にも当然です」

花陽「でも今の試合はまるで真逆っ! 鬼崎アキラ選手が時間の経過とともにギアを上げてくるのは知ってたけど、後半それに喰らいついていた穂乃果ちゃんも……」

希「穂乃果ちゃんが取った2ゲーム。その2ゲームの間は、めっちゃハイテンションな試合だったやん」

希「まるでにこっちと試合した時の覚醒モード……とまではいかなくとも、それに近い雰囲気やったね」

にこ「えぇ。穂乃果の技量や安定性はまだまだだけど、ほんの少しの間だけとはいえにこや鬼崎アキラの力を上回ってみせたのも事実」

花陽「……っ」ゴクリ…

にこ「穂乃果がもしこの覚醒じみた力を、無意識ではなく自由なタイミングで使いこなせるようにさえなれば……」
131: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 19:44:19.84 ID:nbaOTeK4.net
 
凛「かーよちん! 次の試合のアドバイスお願い!」

ことり「おねがぁい♡」

花陽「あ、そうだった! 話込んじゃっててごめんね?」

花陽「坂巻千鶴子選手、2年。身長162cmで血液型はO型の前衛。志賀仁美選手、3年。身長167cmで血液型はB型の後衛」

花陽「ダブルスにしては珍しく、後衛がバンバン打ち込んで前衛が守備的な動きをするペアみたい。特に志賀選手の強さには要注意です!」

凛「身長の高い方が後衛で低い方が前衛なのも珍しいね」

にこ「そう? あんただってチンチクリンのくせに前衛じゃない」

凛「にこちゃんにだけは背のこと言われたくないにゃー!!」プンスカ!!

ことり(チンチク凛……カワイイっ)



睦月「次の試合はおそらく勝ち確! 星空凛氏は小中学生時代からジュニア大会でブイブイいわせている猛者のようだが、小泉花陽氏意外とのダブルス経験は皆無」

睦月「そして南ことり氏は数多の神業を扱う天才的プレイヤーであるものの、ダブルスだと都大会でボロ負けしている模様!」

千鶴子「うふふ。頑張って勝ちますわ」

仁美「フッ……勝者こそ正義。誰が相手だろうと、俺の力で捻じ伏せてやる」

さゆり「ひゅ~。燃えてるねぇ」
132: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 19:46:50.13 ID:nbaOTeK4.net
命「あの……。ダブルス1でこちらの勝利は堅いとして、その後私が矢澤にこさんに勝てる可能性はあるのでしょうか……?」

睦月「音ノ木の魔法使いさんか~。たしかに分の悪い勝負ではあるが、そう悲観することもあるまい。勝てる可能性もあるさ!」

命「本当ですか!?」

睦月「うむ! そうだなぁ。うちのアキラ氏のようにデタラメな強さを有する猛者……所謂化け物級の選手が、この大会に何人居ると思う?」

結架「そんなの、全選手のデータを集めてる睦月くらいしか知らなくない? きっと無名校の中にも強敵は居るんだろうし」

睦月「その通り! たとえば全国大会初出場校である浦の星女学院、そこのエース黒澤ダイヤ氏もその1人である」

睦月「他には有名所だと、UTXの綺羅ツバサ氏と絢瀬絵里氏、東雲の結城紗菜氏、藤黄の門田剣氏、Y.G.国際学園のイザベラ氏などが挙げられますぞ!」

仁美「肉弾戦なら俺が最強なのだが……」

命(……ならなぜあなたはテニス部に)

命「つまり、矢澤さんはとても強いものの……異常な強さの域には達していないと?」

睦月「カッカッカ! 仮にも綺羅氏・絢瀬氏・結城氏と肩を並べる東京都四天王の一角。一概にその域に達していないと断言することはできないが、うむむ……」

睦月「云わば普通に強いプレイヤーと威容に強いプレイヤーの境界線。非常に微妙なラインと言えよう」


命(都大会でTOP4に数えられているような人ですらその程度の位置付け……これが、全国っ……)

 
133: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 19:47:57.44 ID:nbaOTeK4.net
 
審判「ザ・ベストオブ・ワンセットマッチ!」

    紫苑女学院 坂巻&志賀
        VS
    音ノ木坂学院 星空&南

審判「紫苑サービスプレイ!!」


仁美「行くぞ!!!」ズッバーーーーン!!!

ことり「っ!?」バシィィ!! コロコロコロ…

凛(ぅにゃ!? ことりちゃんがまともにリターンできないなんて……)

審判「15-0」

仁美「しゃあ!!」


ことり「凛ちゃん。あのサーブ凄く重たい、気を付けて」

凛「うんっ」グッ

仁美(ほう、星空凛がリターンの時はダブルバック陣形か)ズッバーーーーン!!!

審判「フォルト」

凛(……うん。たしかに速いサーブだけど、凛の動体視力なら見切れる!)

仁美(入れッ!!)ズッバーーーーン!!!

凛(これだけ下がって待ち構えてれば、重たいサーブもなんとか打ち返せるもんね!!)ポーーン

仁美(随分と甘いリターンだ。すぐに終わらせて──)

凛「!!」シュタタタタタッ

仁美(──あれだけ後方でリターンしておきながら、もうネットに詰めてきているだと!?)バシーーーーーン!!!

凛「ほっ!」パッコーーン!

審判「15-15」

千鶴子「あらあら。ボレーであっさり決められてしまいましたね」

仁美「チッ……」
134: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 19:51:44.06 ID:nbaOTeK4.net
にこ「どんな時でもことりが後衛で凛が前衛。この戦い方は互いの守備範囲がハッキリしてるから、ことりと花陽がペアを組んだ時みたいにボールの譲り合いは起こらずに済みそうね」

希「あの重たいサーブもしっかり下がって両手を使えば打ち返せるみたいやし、どうにかなりそうやん!」


ことり「えい」ポーーーン

仁美「ッ!!」バシーーーーーン!!!

凛「よっと!」クルリン パコーン!

審判「30-30」

ことり「凛ちゃんナイスぅ~」

凛「ワーイ!」


仁美「あの前衛、なんて出鱈目な動きだ……」

千鶴子「ショットが速いわけでもコントロールが良いわけでもありませんけど、とにかくスピードが厄介ですわね」

仁美「マークできるか?」

千鶴子「うふふ、わたくしにお任せあれ」


千鶴子「…………」スススッ…

凛「?」

千鶴子「……うふ」ピタリ

凛(目の前に突っ立たれて鬱陶しいにゃ)

千鶴子「あなた、間近で見るととっても可愛らしいですわね」

凛「にゃにゃ!? り、凛よりことりちゃんの方が断然可愛いと思いますけどっ」///

千鶴子「その恥じらいっぷり……ふふふふふ、食べちゃいたい♥」ジュルリ

凛「ひぃいい~~~!??」


花陽(凛ちゃん逃げてぇぇぇえええーーーー)
135: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 19:54:43.02 ID:nbaOTeK4.net
仁美「ぅらァ!!」ズッバーーーーン!!!

ことり「っ!!」パコン

凛(ことりちゃんがなんとかリターンしてくれた! 相手はまた打ち込んでくるだろうけど、今度も凛がボレーで決めちゃうもんね!!)シュタタッ

千鶴子「逃がしませんわ」シュタタッ ボインボイン

凛「……ッ」

  ズバーーン!! スパーン! バコーン! グヲォン! パコン! スッパーン!! スパーーーン! ポーーン

凛(常に目の前に立たれるせいで視界が塞がれて、相手の後衛がどこにボールを打ってくるか見えない!)

凛(っていうかタワワな果実がすんごく目障りにゃぁぁぁあああ!!!!!)イラァ

仁美「ハッ!!!」バシーーーーーン!!!

凛(あぁ!!)スカッ

審判「40-30」


凛「ゴメン、真横抜かれちゃった……」

ことり「気にしなくっていいよっ!」

千鶴子「うふふふふ♥」

凛「……っ」ゾクリ…
136: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 19:58:19.04 ID:nbaOTeK4.net
花陽「ぅぬぬぬぬ……」ウズウズ

真姫「ちょっと落ち着きなさいよ。花陽らしくないわねぇ」

花陽「落ち着いてなんかいられないよ! 凛ちゃんが色んな意味で狙われてるんだよ!?」

まこ「い、色んな意味で……」アハハ…

穂乃果「でもなんであんなに容易くマークされちゃってるの? 凛ちゃん足速いんだから振り切ればいいのに」

希「相手の前衛を振り切るためだけに、無暗矢鱈な動きをするっていうのもなぁ~」

真姫「凛が本気で左右に動いたとして、それにことりが合わせられるわけないじゃない。2人共左右の同じサイドに立っちゃったらそれこそ隙だらけよ」

穂乃果「でもさぁ、敵の前衛も中々ショットを打ちにくいはずだよね? だって凛ちゃんに合わせるように動いてるわけだし」

にこ「そうね。両前衛をなるべく試合から排除して、打撃力の高い志賀仁美を活かす作戦なんじゃない?」

穂乃果「後衛同士の1対1になるなら望むところじゃん! ことりちゃんはすんごく強いんだし!」

花陽「う~ん……志賀選手は紫苑女学院の2番手でかなりの凄腕。同じ2番手対決だし、ことりちゃんでも勝てるかどうか……」


凛(しまった! また抜かれた!!)

ことり(……フォローしようにも届かないッ!)

審判「ゲーム紫苑、1-0。チェンジコート」


凛「ぅ~……」シュン…

千鶴子「あらあら。あんまりそそる表情ばかりしていると、思い切りハグしちゃいますわよ?」

凛(この人怖いぃぃぃ~~~)ガクブル
137: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 20:04:32.84 ID:nbaOTeK4.net
 
にこ(さて、次はことりがサーブのターン。お得意のアンダーカットサーブでペースを掴めるといいけど……)


ことり「いきます!」カッッッ!!

仁美(一球目は様子見がてら、とりあえず軽く救い上げてみるか)ポーーーン

ことり(よし、チャンスボール)グウォン!

   グウィィィィン!!!

千鶴子「えっ!??」

審判「15-0」

仁美(睦月から聞いてはいたが、なんつーキレッキレのバギーホイップだ……)

千鶴子(ただ単に救い上げるだけのリターンでは打ち込まれてしまう。かといって良いリターンをするのは難しそうなサーブですし、どうしましょう?)


ことり「…………」シュ… カッッッッ!!!

千鶴子「う……」パコン ペチッ…

審判「ネット。30-0」

千鶴子「さっき以上に跳ねなかった。……サーブを打つ前に、手で回転を加えたわけね」

仁美「どれだけ強力な回転を加えようが所詮はただのアンダーカット。球速は非常に遅く、跳ねるタイミングを見極めるのも容易い」

仁美「2球も見れば十分だ、次は返せる」


ことり「…………」シュ… カッッッッ!!!

仁美(フン。今度は跳ねないタイプでなく曲がるタイプか。この2つを使い分けて掻き乱す作戦だろうが、俺の反射神経を舐めるなッ!!)パッコーーーン!!

ことり「っ!」ポーーーン

仁美「どりゃあ!!!」ドッカーーーン!!!

凛「にゃにゃ~~~!???」

審判「30-15」

仁美「フッ、力こそ正義だ」
138: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 20:07:55.72 ID:nbaOTeK4.net
 
ことり(このくらいで……負けない!!)


審判「ゲーム音ノ木坂、1-1」

 審判「ゲーム音ノ木坂、2-1。チェンジコート」

  審判「ゲーム紫苑、2-2」

   審判「ゲーム紫苑、3-2。チェンジコート」


凛「うにゃ~……」

にこ「一進一退の攻防が続いてるわね。ダブルスのド下手だったことりがここまでやるなんて凄いじゃない」

ことり「えへへっ」

真姫「でも、凛の動きはどうも鈍いわね。このままじゃ勝てないわよ?」

凛「そんなこと言われたって~」

にこ「実際問題、凛が本気で左右に跳び回ったとして、それをフォローするのなんて花陽以外には不可能でしょ」

ことり「…………」

ことり(やっぱりことりには、凛ちゃんに指示を出したり上手にフォローしながら戦うなんて無理。どうせ無理ならいっそのこと……)

ことり「凛ちゃん。次のゲーム、いつも通りに思いっきり動いてもらえるかなぁ?」

凛「えっ!? けどそんなことしたら……」

にこ「やめときなさい。次はまたことりがサーブのターン。せっかく有利な1ゲームなんだから、このタイミングで変な作戦に出る必要はないわ」

ことり「にこちゃん、凛ちゃん、お願い。とりあえず次の1ゲームだけでいいから、ことりを信じてみてほしいの!」

花陽(どう考えてもにこちゃんの言ってることの方が正しい。だけど……)

にこ(ことりの進化を狙ってダブルスに出場させた以上、本人の意思を無下にするわけにもいかないか……)

にこ「仕方ないわねー! 凛、中途半端が一番駄目よ。やる以上ことりとの位置関係なんて気にせず、とにかくあんた自身がノビノビとプレイできるように動きなさい!」

凛「了解だにゃ!!」
139: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 20:12:17.57 ID:nbaOTeK4.net
ことり「…………」シュルル… カッッッッッ!!!!!

仁美(見飽きたぜ。慣れればどうということはない、打ち込んでやる)ズバーーン!!

ことり(今のことりなら……普通の攻撃やカウンター以外にも回転を活かせるはず!!)グヲォン!

凛「にゃーーー!!」シュタタタタタッ

千鶴子(マークを外された!?)

仁美(たしかにとてつもないスピードだが、俺が打つよりも前に動いたところで意味はない。逆サイドがガラ空きだ)パッコーーーン!!

   グウィィィィン

ことり「ふふ」

仁美(何ィ!? 俺のリターンが勝手に曲がった!??)

凛(なんだかよく分からないけど、凛の目の前にボールが来たにゃ! チャンスっ!!)

凛「えい!」パコーーン!!

審判「15-0」


穂乃果「うそっ!? 相手もバギーホイップショット使えるの?」

真姫「そんなはずないわ。たしかにボールが曲がったけど、バギーウィップとは打ち方がまるで違うもの」

  スパーン! バコーン! グヲォン! パコン! スッパーン!! スパーーーン! ポーーン

希「この長いラリーの中、ことりちゃんがほとんど動いとらん……」

まこ「これってもしかして……」

穂乃果「にこちゃんのっ!?」

花陽「そんなまさか……あれはにこちゃんの超絶技巧+相手の癖や弱点を見抜く観察眼があってこそできる神業! まさに魔法!! それを真似するなんてこと……」


仁美(クソッ! 思うようにボールを飛ばせない、一体どうなっているんだ!!)

凛(今だッ!!)シュタッ!!

凛「星空バズーカぁ!!」クルリン ズバーーーン!!

千鶴子(またしてもわたくしのマークが……)


審判「ゲーム音ノ木坂、3-3」

 
140: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 20:18:51.93 ID:nbaOTeK4.net
仁美「クッ……、俺の球が操作されているなんて……」

千鶴子「相手の陣形は滅茶苦茶、とてもまともなダブルスをできているとは言い難い動きですのに……」


凛「ことりちゃん凄すぎるにゃー!! これって“矢澤ゾーン”だよね?!」

ことり「ん~。ボールを自分の元に集めるって点では同じだけど、原理がまるで違うから……」

ことり(にこちゃんは相手の返球コースを上手い具合に制限・誘導して“矢澤ゾーン”を作り出してるけど、ことりの場合回転で無理矢理それっぽいことをしてるだけなんだよね)

ことり「ふふふ、名付けて“ワンダーゾーン”です!」エヘッ♡



アキラ「“ワンダーゾーン”ねぇ……。いくら音ノ木の天才とはいえ、こんな技メチャクチャすぎね?」

睦月「カッカッカ! 一見すると超回転により全てのボールを自分の元へ吸い寄せているように見えますが、そんな物理法則を無視した技など現実ではあり得ませんぞ」

命「では、これは一体……?」

結架「どーなってんのさ」

睦月「強力なスピンによって、一定の方向意外に打ち返しにくくしている……といったところでしょうなぁ。吾輩の推測にすぎませんが」


穂乃果「ことりちゃん凄~い!」

にこ「ことりはにこ程小手先の技術が凄いわけでも洞察力に優れているわけでもないけど、それを補って余りある超絶回転の使い手よ」

にこ「現に今までだって、“裏・コトリ返し”で相手に思い通りの返球をさせない場面は何度かあった」

にこ「関東大会でみせた“ことり式にこぷりドライブ”の前例もあるんだし、“矢澤ゾーン”と類似した技を操れることにも頷けるわ」

希「これが……天才ッ」ゴクリ…


にこ(自分で言っていて恐ろしいわね。花陽がことりのデータだけは取れないと言っていたのにも納得できる)

にこ(ことり、あんたの底はどこにあるの……?)


千鶴子「ワンダーゾーンだかなんだか知りませんけど、あの技が直接得点に繋がっているわけではありません」

千鶴子「南さんがラリーを操作し星空さんがボレーで決める。前衛が打ち込む隙を作り出すための、つまり合わせ技のようなもの」

千鶴子「わたくしがもっとマークを強め、アクロバティックさえ封じてしまえば……」
141: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 20:23:20.33 ID:nbaOTeK4.net
 
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. アクロバティック×ジーニアス
     (原曲……アクロバティック&ジーニアス  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=qYEVnmJTzeU




凛「にゃにゃっ……にゃにゃっ……」シュッ…シュッ…シュッ…シュッ…

千鶴子(左右への動きがあまりに早すぎる!?)

凛「へへっ、進化したのは希ちゃんやことりちゃんだけじゃないもんね!!」


ことり『動きは~俊敏~ 重力~無視~♪ どこまでも~ボールに~喰らいつ~く~♫』

ことり『目にも留まらぬ~その~姿は 残像を生む~♪ あの子はテクニシャン♫』

ことり『驚異の アクロバティックプレぇ~イ!』


穂乃果「足場の悪い山で身に着けた新技、“星空印のステップ”が炸裂だぁ!!」

希「まるで猫やね!」

ことり「……ことりのおやつにしちゃうぞ!」チュンッッッ!!!

仁美「しまった!!」

   シュルルルル!

まこ「決まったー!  “コトリ返し”!!」


千鶴子『やはりあ~なたは~ 天才~なのね~♪ 進化を~し続ける~プレイヤー♫』

仁美『追いつめられるとー 不可能を可能に変えるー♪ しかし俺は負けないー♫』

仁美『打ち破る ワンダーゾーン~~~♪』
 
142: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 20:24:25.03 ID:nbaOTeK4.net
 
   シュルルルル!

ことり「ダメですよ。ことりをフリーにしちゃ」

千鶴子「……粘りますわよ!」

仁美「当然だ!」


仁美・千鶴子『『守れぇー 攻めろぉー♪ 持てる限りの力を出して♫』』

ことりん『『受けろぉー 叩けぇー♪ 限界はないぃー♫』』

音ノ木一同『『『『『攻めろぉー 守れぇー♪ 大胆不敵神出鬼没♫』』』』』

紫苑一同『『『『『叩けぇー 受けろぉー♪ 容赦はするなぁ~♫』』』』』』

  『『『『『攻めろぉー 攻めろぉー♪ そのポテンシャル今ピークだよ♫』』』』』

  『『『『『叩けぇー 叩けぇー♪ 一歩も引くなぁ~♫』』』』』

  『『『『『Keep on Fightin' Keep on Fightin' Keep on Fightin'~♪』』』』』

  『『『『『そこだ いいぞ もう誰にも止められないほーどー♫』』』』』

  『『『『『お前ら イキまくってるよぉぉぉ~~~♪♪♪』』』』』

 ~♪      ~♪      ~♪


仁美「をォォォオオオ!!!」ドカーーーン!!!!!

ことり「ぢゅ゙ん゙っっっ!!」スパーーーン!


穂乃果「今のはっ!」

にこ「あんのバカっ! スマッシュカウンターは危険だから止めとけって言ったのに」

希「でもまぁかっこええラストやん」


審判「ゲームセット! ウォンバイ音ノ木坂、星空・南ペア。7-5」
 
143: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 20:27:34.40 ID:nbaOTeK4.net
 
仁美「グッ……」ギリリ…

凛「やったにゃぁぁぁあああ!!!!」イェーイ!

ことり「わぁ~い♡」イェーイ!

千鶴子「……2人のプレイから愛を感じました。テニスがお好きなのですね」

凛「はい! 好きだし楽しいです!」

ことり「好きなことで勝つのって、やっぱりすごく嬉しいですっ」

千鶴子「うふふ。あなた達と対戦できてよかったわ」

仁美「……ここから先の戦はお前等に託す。俺を倒した以上、負けは許さん!! 絶対に勝ち続けろ!!!」

ことりん「「はい!!」」


審判「以上により、3勝1敗で音ノ木坂学院の勝利です」

審判「両チーム共、整列してください」

審判「礼っ!」


  「「「「「ありがとうございました!!!」」」」」ペコリ!




   ■全国大会 第2回戦 終了

http://i.imgur.com/7LTw5EH.jpg
1451919632-1-レス143-画像
↑第2回戦、全試合の結果

 
144: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 23:54:08.47 ID:nbaOTeK4.net
 
    【Genius 7:マリーのシナリオ】


善子(ハァ~イ、堕天使のヨハネよ♥)

善子(うふふ。ヨハネはね、絶世の美女にして、沢山のリトルデーモンを従える高位の堕天使なの★)

善子(だけど、1回戦2回戦共に楽々勝ち抜いて絶好調なヨハネちゃんにも、実は1つだけ悩みが……)


善子(それは、小さな頃から不運の連続ってこと。クジを引けば絶対外れるし、遠足の日は雨なんてもうあたりまえ! 道を歩けばドブに嵌るしっ!!)プンプン!

善子(まさに薄幸の美少女。この不幸体質も、神様に妬まれるほどの美貌を持ったが故の対価なのかしら? 本っ当にいつもいつも不運の連続なんだから)


善子(そして現に今、この瞬間も──)

   ベチャッ!!

善子「ギャーーーーー!!!!!」

 
145: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 23:55:20.83 ID:nbaOTeK4.net
 
  ×       ×       ×


まこ「あまぁ~い」モグモグ

凛「試合後のアイスは美味しいにゃ~」ペロペロ

真姫「たしかに、単なる食堂のデザートにしてはそこそこの味ね」パクパク

花陽「ふふ、お疲れさま」モフモフ


花陽(全国大会の試合日程は以下の通り)

花陽(1日目、つまり今日行われたのは1回戦と2回戦。2日目である明日は3回戦と準決勝。そして最終日、3日目に決勝戦……といった具合です)

花陽(大会が行われている3日間、地方から遠征してきてる人達は近くのホテルに泊まったりするみたいだけど、都心住まいの私達は現地解散)

花陽(現在は1年生のレギュラー4人組で食堂に立ち寄って、楽しくアイスを食べながら帰るところです。あっ、家についたら予備のメガネ引っ張り出さなきゃ……)


真姫「そういえば凛、さっきの試合一体どうしちゃったのよ?」

凛「ん? 何が?」

真姫「今までは花陽とシンクロ状態にない限り、アウトとかネットとかそういうミスショットが多かったでしょ?」

真姫「それなのに、今日はことりと組んだにも関わらずほとんどミスなくプレイしてたじゃない」

凛「これも修行の成果だにゃ!」
146: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 23:56:43.27 ID:nbaOTeK4.net
 ・

 ・ ・

 ・ ・ ・

 ・ ・ ・ ・

 ・ ・ ・ ・ ・


   ~数日前、山奥~


凛「おまたせ~! 山中駆け回って木の実を拾い集めてきたよ!」ドッッッサリ!!!

穂乃果「つかれたー! 木の実集めなんてさせてどうするつもりなの?」ドッサリ!

海未「ふむ……穂乃果と私は同程度、凛が1番大量に集めましたか。流石の身体能力と身のこなしですね」

凛「へへ~ん!」

海未「足場の悪い山の中を駆け回ること自体修行の1つではありますが、もちろんそれだけではありません。今からこの木の実を、絵里先輩目掛け投げて下さい」

穂乃果「えっ?」

絵里「遠慮はいらないわ。本気でかかってきなさい」ブンッ! ブンッ!

凛「まさかその木の棒で打ち返すつもりですか……?」

絵里「そのまさかよ。ラケットと同じくらいの長さで、尚且つほぼ真っ直ぐな木の枝を数本見繕っておいたから、私の見本の後あなた達にも同じことをやってもらうわ」

穂乃果「見本ってそんな大げさな~。木の枝で何かを打つことくらい、私にだってできますよ!」

絵里「ふぅん。とにかく投げてごらんなさい」
147: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/07(木) 23:57:45.98 ID:nbaOTeK4.net
穂乃果「…………」ギュッ…

穂乃果「えいっ!!!」ビュンッッッ!!!

希(流石トスのめっちゃ上手な穂乃果ちゃん。軽くて投げにくい木の実にも関わらず、スピードもコントロールも抜群やん!)

絵里「イィィィーーーーー!!!!!」カッキーーーーン!!

穂乃果「ぎゃあ!???」ビクゥゥゥ!!!

海未「っ!」パシッ!!

穂乃果(海未ちゃんが咄嗟に助けてくれなきゃ……眉間に当たってた……)


海未「まったく、危ないではありませんか」

絵里「ご、ごめんなさい……。ほぼ真っ直ぐに打ち返せる自信はあったけれど、まさかここまで上手くいくとは思わなくって」

穂乃果(真っ直ぐ打ち返せる自信!?)

穂乃果「今のマグレじゃないんですか? 木の枝で打つこと自体は簡単でも、思い通りの方向に打つなんて……いくら絵里さんでもそんなこと……」

希「それがえりちには出来てしまうんよ。さっき聞いた通り、あの枝は真っ直ぐで長さもラケットと同じくらい」

希「つまりラケットのド真ん中にジャストミートさせることのできる選手なら、理屈上は疑似バットの芯でボール……もとい木の実を捉えることも可能っちゅうわけや」

絵里「その通り。少しでも枝の中心を外して打てば、木の実はあらぬ方向へ飛んでいく。これは確実にスイートスポットで打つための練習よ!」

絵里「希と一緒に木の実を投げるから、あなた達3人はそこに並んで。私の納得のいくリターンを出来た人から休憩に入っていいわよ」


 ・ ・ ・ ・ ・

 ・ ・ ・ ・

 ・ ・ ・

 ・ ・

 ・
148: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/08(金) 00:02:03.20 ID:JexComoj.net
まこ「へぇ~、そんな練習までしてたんだ。なんだか楽しそうだね!」

凛「凛だけずっと休憩に入れなくて辛かったよ……」

真姫「でもそのおかげでショットが上手くなったんでしょ? 良かったじゃない」

まこ「けど、どうしてここまで凛ちゃんを鍛えてくれたんだろう? 互いに高め合うライバル校っていうと聞こえはいいけど、結局のところ敵校同士なんだし」

凛「全国大会のトーナメントはもう決まってたし、音ノ木坂にリベンジするためにも決勝まで勝ち進んできてほしいって言ってたにゃ」


花陽「……嘘ではないんだろうけど、きっと、それだけが目的じゃないよ」

凛「?」

花陽「綺羅選手は絢瀬選手のアドバイスに基づいて戦い、にこちゃんに勝つことが出来た。なのに絢瀬選手自身は希ちゃんと引き分けちゃったのはどうしてだと思う?」

真姫「そりゃ単に希が強かったからでしょ?」

まこ「にこちゃんは絢瀬さんの想像通りの強さだった。それに対して、希ちゃんは絢瀬さんの想像を上回る成長を見せたから……ってことかな?」

花陽「うん。いくら“パーフェクトテニス”の使い手っていっても、誰に対しても同じ戦い方が適切とは限らない。だから相手の戦力を分析して、それに合わせたプレイをしてるんだと思う」

花陽「数年前に絢瀬選手が鍛えた希ちゃんと、関東大会時点の希ちゃんではあまりにもレベルが違った。だからこそ負傷……そして引き分けに至ってしまった」

花陽「もし初めから希ちゃんの強さを正確に把握していれば、当然事前に対策を練ることもできただろうし、普通に絢瀬選手が勝ってたんじゃないかなぁ」

真姫「つまり山での修行は、凛・穂乃果・希の強さを正確に把握するためのものでもあったってこと?」

花陽「多分そうだね。私みたいに試合を観察してデータ採取するよりも、間近で直に接した方がより正確なデータを取れるだろうし……」
150: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/08(金) 00:12:22.61 ID:JexComoj.net
花陽(あの日、関東大会前日……私は絢瀬選手と対峙している)

花陽(試合をしたわけじゃなくって、言葉による駆け引きみたいなもの。でも、それだけで十分理解できた)

花陽(最近凛ちゃんと穂乃果ちゃんは凄く懐いてるみたいだけど、あの人はただの優しいお姉さんなんかじゃない。知的で、冷徹で、勝利に貪欲で、非常に優秀な名参謀です)

花陽(凛ちゃん達を育ててくれた点に関しては感謝しています。だけど、とてもじゃないけど安心できる相手じゃない。こちらも相手の情報をもっと集めて──)


   ベチャッ!!

善子「ギャーーーーー!!!!!」

花陽「ぴゃぁぁぁあああ!!???」


善子「だ、大事なジャージが……」ワナワナ…

花陽「ごっ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃぃぃいいい~~~」

善子「ごめんじゃないわよ!! もぉーーー!!! 」

花陽「ひぃぃ」

真姫「まったく、食べ歩きしながら考え事なんかしてるからそうなるのよ……」

善子「いくら不運なヨハネでも、見ず知らずの通りすがりにアイスぶつけられたのなんて生まれて初めてなんだけど!? 一体どうしてくれるのよ!!」

まこ(よ、よはね……?)

凛「あの、すみませんでした。許してもらえませんか?」ペコリン

花陽「本当にごめんなさい……ハンカチお貸しします……」スッ…

善子「うっ……」


善子(アイスぶつけてきた張本人はかなり反省してるみたいだし、そのお友達にまで謝られちゃこれ以上怒るのも大人げないかしら?)フキフキ
 
151: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/08(金) 00:24:25.56 ID:JexComoj.net
 
善子(まっ、ヨハネは悠久の時を生きる堕天使だし? リトルデーモンを統べる長だし?)フキフキ

善子(少女の過ちを許す寛大な心も必要よね~。あぁん、ヨハネったらなんて聖人君子なの~~~★)


真姫「っていうかあなた、ちょっと大げさに怒りすぎじゃない? 高級ドレスならともかく、ジャージなんて洗えば済む話でしょ?」

善子「なっ!?」カッチーン!

まこ「ちょっと真姫ちゃん。こっちが悪いんだしそういう言い方は……」

善子「あのねぇ! これは友だt……じゃなくって、従順なるリトルデーモンがわざわざ作ってくれた大切なレギュラージャージなのよ!?」

善子「値段じゃないの! 大事なモノなの!! それをこんなベチャベチャにしておきながら何よその態度!! 呪うわよ!!!」

真姫「ハァ? 呪うとかヨハネとか、さっきから頭おかしいんじゃないの? やれるもんならやってみなさいよ!!」

善子・真姫「「…………ッ!!」」バチバチバチッ!!


花陽(私のせいなのに、なんで代理戦争みたいなことになっちゃってるの~~~!???)アタフタ


  「チャオ~♡ 喧嘩はダメよ?」


まこまきりんぱな「「「「!??」」」」

鞠莉「フフフ」フリフリ

善子「あらマリー。居たの?」

鞠莉「あなたの怒鳴り声が聞こえたから様子見に来てあげたのよ」

善子「余計なお世話! 心配してくれなんて言ってませ~ん!!」ベェー!


鞠莉(この子はいつもおこちゃまね~。でもこの巡り合わせは凄くラッキーだわ! この出会いには感謝しなくっちゃ!)
152: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/08(金) 00:26:52.88 ID:JexComoj.net
鞠莉「うちの後輩がごめんなさいね。あなた達、音ノ木坂学院のテニス部員でしょ?」

凛「はいそうです!」

善子「え、そうなの!?」

鞠莉「今朝雑誌で見たばかりじゃない。この短髪ちゃんがゴールデンペアの前衛よ」

凛「そこまで知ってるんですか!?」

まこ「凛ちゃん・ことりちゃん・にこちゃん辺りの有名選手は顔がわれてるんじゃないかな?」

鞠莉「That's right☆ 後衛はどなた? え~と、あなたかしら?」

まこ「いえ、違います」

真姫(なんでまこちゃんをゴールデンペアだと思ったのよ。どう考えても、この中で1番強そうなのは私でしょ?)ムッスー…

花陽「えっと、その……私です。この度は大変ご迷惑を……」オドオド

鞠莉「ふぅ~ん」ニヤリ


鞠莉(このまま互いに勝ち進めば、明日の準決勝で戦うことになる相手)

鞠莉(ゴールデンペアの強さの秘密と矢澤にこの魔法については、事前に詳しい情報が欲しかったのよねぇ。この状況を利用しない手はないわ!)


鞠莉「そんなに脅えなくっても大丈夫よ。洗濯すれば済む話なんだし、クリーニング代払え!みたいに脅すつもりは全然ないから」

鞠莉「ただ……1つだけお願いを聞いてもらえると嬉しいなぁ~、なんてっ」

花陽「お願い、ですか?」

鞠莉「有名なゴールデンペアに、是非ともお手合わせ願いたいのよ。今からそこのコートで試合しましょ?」

りんぱな「「えぇえ!?」」

善子「ちょっと! ヨハネが腹立ててるのはそこの生意気な赤毛──むがっ」

鞠莉「こ~ら、余計なこと言わないの。……これも浦女優勝のためなんだから」ヒソヒソ

善子「へ???」
153: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/08(金) 00:34:40.75 ID:JexComoj.net
花陽「あの、すみません、今試合をするのはちょっと……」

鞠莉「え~。そんな釣れないこと言わないでよ? ネ?」

凛(かよちんの視力さえ問題なければ強気に出られるのに!)グヌヌ…

鞠莉「ねぇ良いでしょ? ささっ、レッツバトル!!」グイグイ

花陽「うぅぅ……ダレカタスケテーーーー!!!!」


  「ちょっと待ちなさい!!」ドン!


鞠莉「っ!」

善子「?」

まこまきりんぱな「「「「にこちゃん!!」」」」

にこ「ったく。どこの誰だか知らないけど、何うちの部員に絡んでんのよ? 絡むっつうことは絡まれる覚悟あるんでしょうね?」

鞠莉「ワオ! 音ノ木の魔法使いさんね? 絡まれる覚悟……ってことは、もしかしてあなたが代わりにが相手してくれるの!?」

にこ「えぇ。少し前から話聞かせてもらったけど元々の非はこっちにあるみたいだし、草試合くらいやってあげても構わないわよ」

鞠莉(本当になんてラッキーなの!? まさか大本命がお出ましだなんて……願ってもない展開だわ!!)

鞠莉「私の名前は小原鞠莉。よろしくね、矢澤にこさん」フフッ

にこ「にこの後輩を怖がらせた罰として、たっぷり可愛がってあげるニコ~」


真姫「ねぇにこちゃん、これって問題にならないわけ?」ヒソヒソ

にこ「さぁ? 相手は多分、わざと学校名を名乗ってない。十中八九同じ大会に出てる選手なんだろうけど、そうじゃない可能性もあるわけだし」

真姫「大会出場選手同士の試合であることを知らなかったってことにしてしまえば、相手はともかくこちらに非はないってこと? そんなの唯の屁理屈じゃない」

にこ「別にそれでいいのよ。どうせバレやしないんだし」

真姫「あのねぇ……」


にこ(それに音ノ木レギュラーの中で自分だけまだ試合してないから、全国の猛者相手に肩慣らししておきたいしね)フフン
154: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/08(金) 00:40:22.85 ID:JexComoj.net
 
  ×       ×       ×


まこ「それでは只今より、矢澤にこと小原鞠莉の試合を行います」

善子(なんでこうなっちゃったのかしら。これじゃヨハネが蚊帳の外じゃない!)

まこ「ザ・ベストオブ・ワンセットマッチ、矢澤サービスプレイ!」


にこ「……はっ!」パコン!!

鞠莉(体格的に予想はついてたけど、やっぱり大したサーブじゃない。遅いし軽いわっ!)スッパーーン!!

  ポーン ドーン! ポーン スッパーン! ポーン スパーン! ポーン パコーン!

凛「おぉ~。にこちゃん相手に良いラリーしてるにゃ!」

真姫「音ノ木坂の強さを知ったうえで挑んでくるだけのことはあるわね」

善子「あったりまえよ! ヨハネと愉快な仲間達は、魔を統べる最強無敵軍団だもの!」

真姫「キモチワルイ」

善子「ぬぁんでよ!??」


まこ「デュース」

鞠莉「ウフフ」

にこ「へぇ、中々やるじゃない」パコン!!

鞠莉(動きは概ね掴めた。とりあえず、まずは浅いリターンで……)ポン

にこ(うん? 今まで結構打ち込んできてたのに、いきなりパターンが変わったわね。そこまで良いドロップショットってわけでもないし、一体何が狙い?)スタタタッ ポーン

鞠莉(背丈にもパワーにも恵まれていない彼女は前衛が得意なタイプではない。前に誘い出されてもそこに留まらず、必ず後ろに下がろうとする。まずはチェック其の1)スパーーン

にこ「うっ」ポーーン

にこ(後ろ歩きしてる足元を狙ってくるなんて、中々ヤなことしてくるわねぇ)

鞠莉(これで一瞬動きが固まる。このタイミングで深く大きなロブを! チェック其の2)ポーーーン

にこ「チッ……」スタタタタッ ポーン

鞠莉(常に下がることを意識している相手にロブを上げても、追いつかれてしまうことなんて想定済み。でも、これでチェック其の3)スッパーン!!

にこ「くぅ……」スタタッ ポーーーン

鞠莉(このラリー、もはや私の想定通り。これで……チェックメイト!!)ズドーーン!!!

まこ「アドバンテージレシーバー」
155: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/08(金) 00:43:41.31 ID:JexComoj.net
真姫「打ち返しにくい厭らしいボールばかり打つのがにこちゃんのオハコなのに、凄く打ち込みやすいロブをあげちゃったわね」

凛「もしかして、にこちゃんが相手の思うがままに打たされてる!?」

花陽「それに、まるで動きも完璧に読まれているような……」

善子「ふっふ~ん! 全てはマリーの思い通り。マリーが描き出すシナリオから逃れることなんてできないわ!!」


鞠莉「AHAHAHAHA!!」ドガーーーン!!!

まこ「ゲーム小原、1-0。チェンジコート」


にこ「…………」

花陽「にこちゃん……」

にこ(動きが読まれてる。それに、ラリーの中で敵を思うがままにコントロールするこの実力)

にこ(まるでにこの技術に花陽のデータテニスが加わったかのような相手ね。やり辛いったらないわ……)


鞠莉「いくわよっ」スッパーーン!!
 
156: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/08(金) 00:45:16.36 ID:JexComoj.net
 
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. 鞠莉オネット
     (原曲……マリオネット  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=5J_xL9uhSIs




  ポーン シュパーーン! ポーン スッパーン! ポーン パコーン! ポーン スパーン!


鞠莉「矢澤にこ、あなたはたしかに強い。でも私には勝てない」パッコーーーン!!

にこ「っ……」ポーーン

鞠莉「なぜなら、世界各地で様々な強敵と手合わせしてきた私には、あなたのようなプレイヤーの行動が手に取るようにわかる」ドーーン!!

鞠莉「テクニック特化型選手の傾向と対策もバッチリだもの!」


鞠莉「丸見えよ。あなたの弱点!!」ズバーーン!!


鞠莉『勝~利はシナリオにぃー 約束され~ているのよぉー♪』

鞠莉『起承転結 私の描いた シナリオは無敵ぃ~♫』

鞠莉『起承転結 私の操作する ラリーはす・て・きぃ~♪』


  ポーン ドーン! ポーン スッパーン! ポーン スパーン! ポーン パコーン!

鞠莉「エキサイティンっ☆」ドーーーン!!

 ~♪      ~♪      ~♪


まこ「ゲーム小原、3-0。チェンジコート」


善子「おたくの部長も可愛そうに。あまりにも一方的な試合ね」

真姫「うっさい!」イライラ


鞠莉(やっぱり予想通り! パーフェクト!!)

鞠莉(千歌や脳筋コンビみたいに単純な子の場合、矢澤にこの高度な技に対抗できず負けちゃうのかもしれないけど、私にとっては相性抜群の対戦相手だわっ♡)


凛(ま、まさかにこちゃんが……どこの誰かも分からない馬の骨に負けちゃうの!??)
 
162: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/09(土) 00:24:47.75 ID:FwPDZMlK.net
 
    【Genius 8:I'm soldier heart 負けないからね It's danger game】


鞠莉(……チェックメイト!!)ズドーーン!!!

まこ「ゲーム小原、4-0」

鞠莉「あはッ☆ シャイニンっ*゚+ :。.。 。.。:+* .。*」


善子「ハーッハッハッハ!! 圧倒的ね、我が軍は!!」

鞠莉「んもぉ~、何が我が軍よ……あら?」フラフラ…

善子「???」

にこ「よっ!」パコン!!

鞠莉「Oopsッ!」

まこ「15-0」

善子「ちょっとちょっと! マリーがふらついた隙にサーブ打つなんてズルイじゃない!」

まこ「互いに定位置についていたし、余程もたもたしない限りどのタイミングでサーブを行うかはサーバーの自由ですよ」

善子「クッ、審判を味方につけるなんて卑怯ね」

まこ「一応公平にジャッジしてるつもりなんだけどなぁ……」
163: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/09(土) 00:25:55.85 ID:FwPDZMlK.net
にこ「次いくわよ!」パッコン!!

鞠莉「ハァ!!」スッパーーーン!!

  ポーン ドーン! ポーン スッパーン! ポーン スパーン! ポーン パコーン!

にこ(……機は熟した)グッ

にこ「……!」シュピン!!

鞠莉「ッ!?」

鞠莉(今一瞬ボールが見えなかった……。ふぅん、これが消える魔球ってわけね)

まこ「30-0」

 シュピン!!

  まこ「40-0」

   シュピン!!

    まこ「ゲーム矢澤、1-4。チェンジコート」


鞠莉(この1ゲームで目は慣れた。この魔法はもう通用しないわ)

鞠莉(まだ3ゲームも私がリードしてるわけだけど、ここからどう挽回するつもりなのかしら?)フフフ

にこ「な~に余裕ぶってんのよ。あんたも鈍いわねぇ」

鞠莉「はい? あららららっ」フラフラ

鞠莉(足が……もつれるッ)

   バタリ!!

善子「ど、どうしたの!? 大丈夫!??」

鞠莉「えぇ、平気よ。ちなみに……この現象も矢澤にこの魔法のはず……」

善子「えぇぇ!??」

鞠莉「トップスピンやスライスなど微妙な回転をランダムに打ち続けることで、相手の感覚を狂わせる」

鞠莉「数センチ単位で様々な曲がり方をするボールは、そのまま打ち返そうとしても中々思うように打てず、手首や足腰に負担がかかる無理な打ち方を強いられ続けるの」

にこ(よくそこまで詳しく調べたわねぇ)

鞠莉「そうやって徐々にダメージが蓄積され、だんだん体の感覚が失われていくデンジャラスな魔法……」

善子「なにそれ怖っ!!」
164: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/09(土) 00:34:42.74 ID:FwPDZMlK.net
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. にこちゃんの暗闇
     (原曲……幸村の暗闇  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=05fA1XFMpjk




花陽「いよいよ……にこちゃんのテニスが始まったね……」

善子「こんなのどうしろっていうのよ!?」

  にこ「…………」ポーン

  鞠莉「うっ……」フラフラ

真姫「考えても無駄よ。一度魔法にかかってしまった以上、何人たりとも逃れることはできない」

凛「もはやにこちゃんの勝利に死角はないにゃー!」

  にこ「…………」スッパーーン!!

にこ『あんたを蝋人形にす~る にこのテニスのデザインで♪』

にこ『手足の感覚奪い去~る にこのテニスのロジックで♫』

にこ『なす術などな~いー あがく事すら♪ あんたの体はー にこのコントロール次第ぃ~♫』

にこ『だから 観念す~るのねー 諦める事よー♪ あんたはもう生きる 屍ぇ~♫』

にこ『シナリオなど崩壊するだろう~~~♪』


まこまきりんぱな『『『『にこちゃんのテニス もう小原さんは動けま~い♪』』』』

まこまきりんぱな『『『『にこちゃんの誘いで きっと小原さんは負け~る♫』』』』

まこまきりんぱな『『『『最強~部長ー! 音ノ木エース♪ にこちゃんのー テ~ニ~ス~に隙はない~~~♫♫♫』』』』

  鞠莉「っ……」クラクラ

にこ『あんたはでくの坊になった にこの一打の攻撃で♪』

にこ『あんたは既に金縛り~よ にこの一打の魔法でね♫』

にこ『何も出来ない~わー 嘆く事すら♪ あんたの体はー にこのコントロール次第ぃ~♫』

にこ『だから 観念す~るのねー 諦める事よー♪ あんたはもう生きる 屍ぇ~♫』

にこ『シナリオなど崩壊するだろう~~~♪』


まこまきりんぱな『『『『にこちゃんのテニス もう小原さんは動けま~い♪』』』』

まこまきりんぱな『『『『にこちゃんの誘いで きっと小原さんは負け~る♫』』』』

まこまきりんぱな『『『『あま~りに~ 差が有りすぎる♪ 可哀想だねー 小原鞠莉さん~~~♫♫♫』』』』

 ~♪      ~♪      ~♪ 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)
165: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/09(土) 00:52:19.22 ID:FwPDZMlK.net
 
鞠莉「うっ!!」ポーーーン バタリ

まこ「アウト。ゲーム矢澤、5-4。チェンジコート」


鞠莉(Shitッ!! 今の1ゲーム、全て私のミスで終わってしまった……。これが“矢澤ファントム”だっていうの!?)

鞠莉(ありえない……こんなのありえない!!)


にこ「チェンジコートなんだけど、いつまでそこで倒れてるつもり? 降参でもする?」

鞠莉「だれが降参なんてっ! ……その魔法、どこぞのバイブルさんみたいにバランスや柔軟性の優れたプレイヤーには、効き目がないはずじゃなかったの……?」

善子「マリーの運動神経やバランス感覚は凄いのよ! 乗馬テク半端ないんだから!!」

善子(そりゃ1番手のダイヤよりは弱いけど、マリーは果南や曜に匹敵する強者なんのにッ!)

にこ「まっ、簡単な話よ。金髪異人キャラ同士とはいえ、パワー・テクニック・そして体幹に至るありとあらゆる全てにおいて、絢瀬絵里の方が上ってだけ」

にこ「にこの技が効かない相手なんてほんの一握り。多分大会出場選手の内、魔法の通用しない相手は二桁も居ないんじゃないかしら」


真姫(出場しているのは計32校。正レギュラーは8人として、32×8=256人。その256人中、10人弱に魔法が効かない?)

真姫(つまりにこちゃんはギリギリTOP10入りってとこなのかしら。普段は大銀河宇宙ナンバー1テニスプレイヤーとか言ってるくせに、意外と厳しい自己評価ね)
 
166: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/09(土) 00:54:15.46 ID:FwPDZMlK.net
 
にこ「無駄話はおしまいよ。降参する気がないなら、さっさと立ちなさ──」


  「試合続行を認めるわけにはいかないわぁ」


にこまり「「ッ!??」」

凛「絵里ちゃんっ!」


絵里「…………」キリッ!

海未「…………」ザッ!

黒川(……えぇ~何この雰囲気)メンドクサ…


善子(な、なんかカッコイイ!!)キラキラ

にこ(絢瀬に園田に黒川? 珍しい組み合わせね)


海未「音ノ木坂の生徒ではないと見受けられる御二人、あなた方も大会出場選手ですね?」

鞠莉「さぁどうかしら」

海未「とぼけても無駄です。あなたと同じジャージを着た選手3名と面識があります。学校名までは存じ上げませんが、その3名は大会に出場する旨の話を確かにしていました」

凛「あ、もしかして穂乃果ちゃんと希ちゃんが話してた迷子のこと?」

海未「ええ、多分そうだと思いますよ」

善子(……あの3バカね)

海未「例え既に敗退していたとしても、大会終了まで他校の出場選手と試合を行うことは禁じられているはずですが……まさか知らなかったなどと言うつもりではないでしょうね?」

鞠莉「お堅いわね。日本人はユーモアが足りないんじゃないかしら?」

善子「あれ? マリーって一応日本人よね?」

鞠莉「うっ……ま、まぁ細かいことはいいじゃない」
167: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/09(土) 00:56:02.47 ID:FwPDZMlK.net
絵里「さっき誰かさんが金髪異人キャラと言っていたけれど、私は血縁的に4分の3日本人であるし、国籍も列記とした日本人よ」

絵里「いくらロシア愛が深いとはいえ、異国の者扱いは心外だわ」

にこ「ったく、わざわざそんな文句を言うために来たわけ?」

絵里「そんなわけないでしょう? 練習をするためこのコートへ来てみたら、あなた達が規則違反を犯していたから咎めにきたのよ」

にこ「告発でもするつもり?」

絵里「反則で強豪校が減ってくれるなら喜ばしいことね」

凛「いくらなんでもそれは鬼畜すぎるにゃー!!」

絵里「フフ、冗談よ。今回だけ特別に見逃してあげるから、大会委員会あたりにバレる前に早く帰りなさい」

凛「はぁ~い」


善子「立てる? ほら、つかまって」

鞠莉「……ありがと」ヨロヨロ

善子「マリーをこんなボロボロにして……絶対許さないんだから!! あんた達覚えてなさいッ!!」

真姫「何よそのありきたりな捨て台詞。っていうか挑んできたのはそっちデッショー?」

善子「フン! まぁいいわ、本選で目に物みせてあげる。精々寝首を洗って待ってることね」

凛「す、すごい小者っぽい……」

まこ「負けフラグってやつ?」

真姫「ここまでやられ役っぽいこと言う人初めて見たわね」

善子「うっさい! 震えて眠れ!!」

鞠莉「もういいからホテルに戻りましょ? 疲れた……」

善子「あ、うん」

鞠莉「矢澤にこさん、いきなり勝負ふっかけて悪かったわね。それじゃあチャオ~……」フリフリ
168: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/09(土) 00:58:25.38 ID:FwPDZMlK.net
にこ「…………」

花陽「自称ヨハネさんの力はまだ未知数だけど、小原鞠莉さん、結構凄かったね」

にこ「ええ。音ノ木坂やUTXでも、十分レギュラー入りできる実力者って感じだったわ」

海未「そんなに強いのですか?」

にこ「あんたや穂乃果と同程度か、もしかしたらそれ以上よ」

海未(……手厳しいお言葉ですね)

にこ「初めはゴールデンペアに挑もうとしてたことから推測するに、多分ダブルスもいけるクチでしょうし、もしかしたらまこまきペアより強いかもしれないわね」

真姫「ハァ!? そんなわけないじゃない!」

まこ「まぁまぁ」


海未「先程の口ぶりから察するに、彼女達はまだトーナメントに残っている選手のようでしたが」

絵里「その可能性は高そうね。もうじき音ノ木坂と戦うことになるチームってところかしら」

凛「えぇっと、今Dブロックに残っているのは凛達と国際学園で~、Cブロックは東雲と……どこだっけ?」

花陽「たしか静岡県の学校だったと思うよ」

まこ「さっきの人達は、その学校のレギュラーである可能性が高いってわけだね」

花陽「うん。全国大会初出場のところだし注目校でもないから、データとかは特に集めてないけど……ごめんなさい……」

にこ「32校すべてのデータを集めるなんてまず無理でしょうし、花陽が気に病むことはないわ。その辺のことは実際に戦うことになってから考えましょ」

凛「えぇ~、さっきの人達より東雲と戦いたいにゃ! 凛は都大会決勝で戦えてないし!」

絵里「そんなことより、まずはY.G.国際学園に勝つことを考えたらどうかしら。ほら、凛と小泉さんしか関東大会で勝てなかった相手でしょう?」

真姫「っ……」イラッ

凛「関東大会の時はにこちゃんと希ちゃんが居なかったからダメだったけど、今の万全なオトノキなら絶対負けないよ!」

真姫「わ、私達だって今度こそ勝つわよッ!!」

海未「随分な自信ですね」

真姫「……悪い?」

海未「そういうわけではありませんが、慢心は油断の元ですのでお気を付け下さい」

絵里「そうね。リベンジを果たすためにも、あなた達には決勝戦まで勝ち上がってきてもらわないとならないもの」

真姫「上等じゃない! Y.G.国際もさっきの奴等もUTXも、全部倒してみせるわ!」

絵里「えぇ、決勝で会いましょ」フフッ
169: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/09(土) 01:00:09.67 ID:FwPDZMlK.net
 
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. danger game
     (原曲……危険なゲーム  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=eOlPQCW6EzQ




真姫『移り行く時代の~ 私先頭を歩く♪』

真姫『追いかける輩に~ 決して捕まえられない♫』

真姫『私のテニスプレイ まさにイマジネーション♪』

真姫『もうすぐ始まる danger game~♫』

真姫『嵐の前のー静けさにー 戦慄の刹那ぁ~♪』


絵里『めくるめく季節に~ 君は今何を思う♪』

海未『迫りくる嵐に~ あなた立ち向かう覚悟♫』

絵里『君に透けて見える 熱く燃えるパッション♪』

海未『もうすぐ始まる danger game~♫』

うみえり『『嵐の前のー静けさにー 戦慄の刹那ぁ~♪』』

うみえりまき『『『戦慄のーーー 刹那ぁ~~~♫♫♫』』』

 ~♪      ~♪      ~♪


海未「あの西木野真姫という方、なんとも強気というか……はっきり言って生意気な1年生ですね。合宿で仲良くなるまで非常に礼儀正しかった凛とは大違いです」

絵里「ほんとにね。もしうちに入学していたら、心身共に鍛え甲斐のある子だったでしょうに」

海未「いつも以上に恐ろしいスパルタ教育になりそうですね。絵里先輩はああいうタイプに厳しいですから」

絵里「ふふふ」

黒川(あぁ~、私はこいつらの後輩じゃなくてホント助かった。てか帰ってパクチー食べたい)


海未「しかし益々燃えてきました! 優勝に向け、鍛錬スタートです!!」




   ~ミュージカル 『テニスのお姫様』~

    全国大会編(1日目)  ─了─

 
171: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/09(土) 02:00:31.34 ID:FwPDZMlK.net
ここまで 2日目編の開始は数日後になるかもしれません


>>159 >>161
一応自分の中の空想を形にしてみた

http://i.imgur.com/i7r4a5s.jpg
1451919632-1-レス171-画像

↑あくまで個人的な空想イラストなので、各々の好きなまこちゃんを想像しながら読み進めてもらえると嬉しいです
175: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/12(火) 18:46:20.91 ID:FAFLD54h.net
 
    【全国大会編(2日目)オープニング】


ツバサ「あなたたちは、何のためにテニスをやる」

イザベラ「貴様たちは、テニスをやって楽しいか」

剣「私たちの、目指すものはどこにあるのか」

紗菜「私たちが、行き着くところはどこなのか」


にこ「……さぁ、油断せずに行くわよっ!!」


 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪.THE☆TOP
     (原曲……THE TOP  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=5ef6NgI4xsI




音ノ木一同『『『『『THE TOP! TOP! TOP! TOP!』』』』』


UTX一同『『『『『DETERMINATION TO WIN それは勝利への決意♪』』』』』

YG一同『『『『『STAIRWAY TO THE TOP ここは頂点への階段♫』』』』』

東雲一同『『『『『登りつめろ 休むことなく♪』』』』』

藤黄一同『『『『『前進あるのみ GO FORWARD GO FORWARD♫』』』』』

浦女一同『『『『『勝ち続けろ 振り返らずにぃ~♪』』』』』


  『『『『『昨日よりは今日 今日よりは明日 明日よりは未来♪』』』』』

  『『『『『そこが行き着く場所さ THE TOP!』』』』』


イザベラ『万全の態勢は 隙のない心から♪』

涼『パートナーシップは信頼の 名ぁ~の下に♫』

ことり『芽生えた勝利への 執念に感謝♪』

優理『あたしのマジモードの 限界は無限♫』


  『『『『『昨日よりは今日 今日よりは明日 明日よりは未来♪』』』』』

  『『『『『そこが行き着く場所さ THE TOP!』』』』』
 
176: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/12(火) 18:47:46.42 ID:FAFLD54h.net
 
梨子『セオリーを凌駕することも たまには必要♪』

曜『この力尽きるまで 限界突破だーよ♫』

かさね『自信と気迫がー 新境地切り開ぁ~く♪』

善子『地獄の果てまで堕ちましょうよ♫ ……すぅ♥てぇ♥きぃ♥』


千歌『そう 千歌は行ーくー 高みを目指しーてー♪』

穂乃果『そして~私は奪い取る 音ノ木の柱♫』

ほのちか『『THE TOP~! THE TOP~~!!』』


UTX一同『『『『『DETERMINATION TO WIN 負け知らずで辿り着く♪』』』』』

YG一同『『『『『STAIRWAY TO THE TOP 新たな試練 覚悟の上♫』』』』』

東雲一同『『『『『信じあおう 阿吽の呼吸♪』』』』』

藤黄一同『『『『『結束は固い DON'T BE AFRAID♫』』』』』

浦女一同『『『『『勝ち続けろ 振り返らずにぃ~♪』』』』』


音ノ木一同『『『『『昨日よりは今日 今日よりは明日 明日よりは未来♪』』』』』

音ノ木一同『『『『『そこが行き着く場所さ♫』』』』』

  『『『『『THE TOP! TOP! TOP! TOP! TOP!』』』』』

  『『『『『THE TOP!!!』』』』』

 ~♪      ~♪      ~♪

 
177: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/12(火) 18:50:36.49 ID:FAFLD54h.net
 
    【Genius 9:東雲に集う我ら、選ばれしテニスのエリート】


   ~Dブロック、音ノ木坂side~


にこ「ついに3回戦。準々決勝にして、各ブロックの決勝戦よ!」

穂乃果「今日2回勝てば明日はもう決勝か~。なんだか早いね」

真姫「そりゃ地方大会の時点で相当足切りされてるわけだし、当然よね」


花陽「3回戦のオーダーが決定したよぉ~」


  <音ノ木坂学院 全国大会3回戦オーダー表>

 ◆シングルス3……東條(3年)
 ◆ダブルス2………尾崎(1年)、西木野(1年)
 ◆シングルス2……矢澤(3年)
 ◆ダブルス1………小泉(1年)、星空(1年)
 ◆シングルス1……南(2年)
 ◆控え選手…………高坂(2年)


  <Y.G.国際学園 全国大会3回戦オーダー表>

 ◆シングルス3……レオ(2年)
 ◆ダブルス2………ラクシャータ(2年)、エマ(3年)
 ◆シングルス2……イザベラ(3年)
 ◆ダブルス1………ジェニファー(2年)、マリア(1年)
 ◆シングルス1……蘭花(1年)
 ◆控え選手…………レベッカ(2年)

http://i.imgur.com/bPR4g6U.jpg
1451919632-1-レス177-画像
↑Y.G.国際学園メンバー画像(早乙女紫はマネージャー)



穂乃果「えぇぇえええ!? にこちゃんが最後じゃないの!??」

にこ「オーダー提出前にその話はしたはずだけど?」

穂乃果「いやぁ~、その時は自分が補欠ってことしか気にしてなくって」アハハ…
178: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/12(火) 18:52:15.68 ID:FAFLD54h.net
花陽「Y.G.国際学園は関東大会で1度戦った相手。しかもこちらが負けています」

花陽「お互い手の内が分かってるわけだし、せめてオーダーでプレッシャーをかけれたらなぁと思って普段と順番を入れ替えてみたんだけど……」

ことり「エースで大将のイザベラさんと戦わなくても済むよう、それまでに終わらせる作戦だったんだよね?」

にこ「えぇ。だけど相手も同じことを考えていたなんて……まぁこちらもまったく同じことをしてるわけだし文句は言えないけど」

希「これまでずっとシングルス1だったイザベラさんが、まさかシングルス2に来るなんて想定外やなぁ」

穂乃果「にこちゃん……その人って、すんごく強いんでしょ?」

にこ「心配すんじゃないわよ。絶対に勝てる試合も、絶対に勝てない試合もありゃしないわ」

希「…………」


希(自分は絶対に勝てる! にこにー最強! 一見思い上がりにも感じられるその自己暗示こそが、いつものにこっちのスタンスなんやけどね)

希(今回は大見栄切れない程の相手っちゅうわけか……)


にこ「とにかくっ! 気合い入れてくわよぉー!!」

  「「「「「はい!!!」」」」」

 
179: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/12(火) 18:54:50.45 ID:FAFLD54h.net
 
審判「それでは只今より、東京・音ノ木坂学院と、神奈川・Y.G.国際学園の試合を行います」

審判「両チーム共、整列してください」

審判「礼っ!」

   「「「「「よろしくおねがいします!!」」」」」



花陽「3回連続で先鋒任せちゃってごめんね? 初手が希ちゃんだと安心感があるから、つい……」

希「うちが先鋒だと安心できるん? なんだか嬉しいなぁ。シングルス3の相手はたしか、前に穂乃果ちゃんを倒した人やね」

花陽「うん。関東大会の時点で相手の強さや戦い方は分かってると思うけど、気を付けてね!」


レオ「レオ、ガンバル。絶対、負けない。必ず、勝つ!」

希(おぉ、怖い怖い)

希「うふっ、お手柔らかに~」


  ×       ×       ×


   ~Cブロック、東雲side~


浦女一同『『『『『港の町から来た刺客……♪ 港の町から来た刺客……♫』』』』』


浦女一同『『『『『ダークホース 巻き起こすーよ 番狂わせのぉ~嵐♪』』』』』』

浦女一同『『『『『ダークホース 驚くなーよ 私たちは~シャイニング・アーティスト♫』』』』』』


曜「ヨーソロォォォォォオオオオオーーーーー!!!!!」ドッガァァァァァアアアアン!!!!!

紗菜「ひぃいい!??」

審判「アウト! ゲームセット! ウォンバイ東雲、結城。6-3」

曜「ぐわぁ!! 無念……っ!」ガックリ…
180: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/12(火) 18:57:35.73 ID:FAFLD54h.net
紗菜「な、何なのよあの怪力バカ!」

かさね「お疲れ~! こんな凄いパワープレイヤーにも勝っちゃうなんて、さっすが紗菜ちゃんだね!!」

紗菜「と~っぜんよ! こんな無名校さっさと倒して、今度こそオトノキをぶちのめすんだから」

理華「次の相手が音ノ木坂とは限らないんじゃないかな。現在音ノ木坂が戦っているY.G.国際学園は、関東大会優勝校なのだから」

紗菜「ふん。オトノキはそう簡単にやられる程ヤワじゃないでしょ? 特にあのムカツク女は……」


  ──そんなこと言われてもぉ~、うちのチームは強さも可愛さも宇宙一だから、このままにこにー抜きで全国制覇しちゃうかもしれないニコー♡


紗菜「関東大会では綺羅ツバサに先を越されたけど、全国の舞台で矢澤にこに恥かかせるのは私の役目よ!」

紗菜「あのふざけた笑顔を泣きっ面に……っていうか腕と手首超痺れるんだけど」ヒリヒリ!

かさね「大丈夫?」

紗菜「だいじょうばないだいじょうばない」

瑞希「おいおい、こんなとこでエースが負傷したんじゃ洒落になんないよ」

ココ「今すぐ冷却します!」シューーー!!
181: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/12(火) 18:59:43.03 ID:FAFLD54h.net
かさね「ねぇねぇ。浦の星女学院の人達って一体何者なの?」

理華「さぁ? 昨年度までの公式戦記録は一切なし、今年の注目校ってわけでもないから何とも」

理華「ただ1つ分かっているのが……」


  <浦の星女学院 全国大会3回戦オーダー表>

 ◆シングルス3……渡辺(2年)
 ◆ダブルス2………国木田(1年)、黒澤(3年)
 ◆シングルス2……小原(3年)
 ◆ダブルス1………桜内(2年)、高海(2年)
 ◆シングルス1……松浦(2年)
 ◆控え選手…………津島(2年)


  <東雲学院 全国大会3回戦オーダー表>

 ◆シングルス3……結城(2年)
 ◆ダブルス2………近江(3年)、近江(1年)
 ◆シングルス2……御堂(1年)
 ◆ダブルス1………支倉(2年)、吉川(3年)
 ◆シングルス1……クリスティーナ(3年)
 ◆控え選手…………宮下(1年)


理華「このダブルス2の黒澤という選手がエースで、相当危険らしい」

かさね「危険?」

理華「地方大会で浦の星に敗れたと思われる選手達に、SNS上であることないこと言われていたのを発見してたのさ。プレイも性格も怖いとか、“殺し屋”だとかなんとか」

クリスティーナ「コロシヤ!?」

優理「テニスプレイヤーとは思えない異名だな……」

ココ「……遥ちゃん達、殺されちゃうんですか?」ガクブル

遥「え゙っ」

理華「傷害事件やトラブルは一切起こしていないようだし、相手の技や闘志を殺してしまうようなプレイをする……ということじゃないかな」

理華「信憑性に欠ける情報元ではあるが、話題を集める程に強いという点は事実だからね。中々興味深いプレイヤーだ」


瑞希「ほらほら、試合試合! 彼方、遥、相手が凄そうだからってビビるんじゃないよ!!」

遥「が、がんばります!」

彼方「今日は……あんまり眠くないし……多分、大丈夫……」ウツラウツラ…zzz

遥「お姉ちゃん!? しっかりしてよもぉ~!!」

クリスティーナ「お二人に、神のご加護があらんことを」
199: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/13(水) 23:58:35.75 ID:DpZJw2ZF.net
>>181 浦女オーダー表訂正


  <浦の星女学院 全国大会3回戦オーダー表>

 ◆シングルス3……渡辺(2年)
 ◆ダブルス2………国木田(1年)、黒澤(3年)
 ◆シングルス2……小原(3年)
 ◆ダブルス1………桜内(2年)、高海(2年)
 ◆シングルス1……松浦(3年)
 ◆控え選手…………津島(1年)
 
182: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/12(火) 19:03:43.39 ID:FAFLD54h.net
 
   ≪東雲学院テニス部レギュラーのおさらい≫


  ・神谷理華(2年)
東雲のマネージャー兼参謀。化学が好き。わりと淡泊な喋り方。

  ・支倉かさね(2年)
都大会決勝で穂乃果と戦った人。手芸やコスプレが好きなオールラウンダー。スクフェス総選挙2連続1位。

  ・吉川瑞希(3年)
都大会決勝で希と戦った人。元バスケ部で、得意技はダンクスマッシュ。かさねと仲が良い。

  ・結城紗菜(2年)
都大会決勝でにこと戦う予定だった人。東雲のエースで、にこツバえり並に強いらしい。ツンデレ。

  ・御堂優理(1年)
都大会決勝でことぱなペアと戦った前衛。口調は荒いが悪い人ではない。テニスは宮下ココから教わった。

  ・宮下ココ(1年)
都大会決勝でことぱなペアと戦った後衛。素で「はわわわわわ~」とか言っちゃう系女子。

  ・近江彼方(3年)
都大会決勝でまこまきペアと戦った前衛。遥の姉。いつも眠そうにしている。

  ・近江遥(1年)
都大会決勝でまこまきペアと戦った後衛。彼方の妹。いつも姉の世話を焼いている。

  ・クリスティーナ(3年)
都大会決勝で控え選手だった人。神に仕えしシスターさん。


http://i.imgur.com/lrB8vQh.jpg
1451919632-1-レス182-画像
(↑参考画像)
183: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/12(火) 19:05:24.06 ID:FAFLD54h.net
 
審判「ザ・ベストオブ・ワンセットマッチ!」

   浦の星女学院 国木田&黒澤
        VS
    東雲学院 近江&近江

審判「浦の星サービスプレイ!!」


花丸「えい!」パコン!!

遥(少し大きい、かな?)スルー

審判「フォルト」

花丸「失敗しちゃったずら……」

ダイヤ「滅多にミスのないあなたが初っ端からフォルトだなんて、縁起が悪いですわね」

花丸「ごめんなさい……」

遥(そっか。黒澤さんがどれだけ強くても、ペアまで同じくらい強いとは限らないよね。よし、後衛勝負に持ち込もう!)


紗菜「全国まで上り詰めてくるプレイヤーって大体それなりの風格があるものだけど、国木田とかいうあの如何にも地味な後衛、強そうなオーラが皆無ね」

かさね「もぉ~。相手批判はダメだよ?」

紗菜「違うわ。批判というか、むしろ逆。フォルトとはいえ打ち方も球筋も悪くないのに、強さが一切感じられないの。……不自然なくらいに」
184: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/12(火) 19:08:52.08 ID:FAFLD54h.net
花丸「えい」パコン!!

遥「!」スパーン!

ダイヤ「…………」シュタタタタッ!

遥(うそっ!?)

ダイヤ「ハァ!!」ズバーーン!

審判「15-0」


瑞希「クロスへのリターンに初手から無理矢理突っ込むなんて、殺し屋さんはギャンブラーなのかぁ? たまたま決まったから良いもののストレートがガラ空きじゃん」

理華「それはどうだろうか。黒澤ダイヤに対する恐れがバレていたのかもしれない」

瑞希「???」

理華「彼女を避けてリターンしたいなら、前衛オーバーのロブかクロスへ打つかの二択。もしストレートにロブを打たれたとしても、ロブなら後衛が追いつける」

理華「つまり、ストレートへの強打があり得ないと読めていたのだとしたら、クロス一点読みの動きは分の悪いギャンブルでも悪手でもないよ」


  スパーン! パコーン ドカーン! ポーーーン パコーン! スッパーン! パッコーン!! ズバーン!

花丸「わっ……」ポーーン

遥(お姉ちゃん! チャンスボール!!)

彼方(少し下がれば……スマッシュできる……)ドッカーン!!

ダイヤ「ふん!!」ズバーーン!

彼方「っ……!?」

審判「ゲーム浦の星、1-0。チェンジコート」


遥(下がりながらのスマッシュでいくら体重が乗ってなかったとはいえ、あんなあっさり打ち返してくるなんて……)

ダイヤ「…………」ギロリ

遥「ひぃっ」ビクッ

彼方「……?」キョトン


ダイヤ(あの前衛、あんな眠たげな顔で試合に挑むなんて気にくわないですわね。テニスは神聖な競技だというのに)イラッ…

ダイヤ「テニスを舐めている者との試合に意味などありません。花丸、速攻で終わらせますわよ」

花丸「うん!」

ダイヤ「……黒澤ダイヤ、推して参ります!!」ゴゴゴゴゴゴ……
185: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/12(火) 19:11:13.43 ID:FAFLD54h.net
 
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪.私殺し屋と呼ばれる女
     (原曲……俺は殺し屋と呼ばれる男  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=H1O_snQbaTI




ダイヤ『私殺し屋と~ 呼ばれる女~♪』

ダイヤ『きらめくキラー 標的は貴女♫』

ダイヤ『完膚なきまで~ 叩き潰す♪』


ダイヤ『みっともない 貴方の姿に♪』

ダイヤ『仲間達は幻滅するだろう♫』

ダイヤ『私は貴方を~ 笑い者にする♪』

ダイヤ『いい気味だわ♫』


ダイヤ『容赦はしない 息の根止めるわ~♪』

ダイヤ『まるでヒットマン 非常な私よ~♫』

ダイヤ『焦点バッチリ覚悟しろ♪』

ダイヤ『私の性根を見せつけてやるぅーーー♫』


  ダイヤ「……ッ!!!」スッパーーーン!!!

 ~♪      ~♪      ~♪
 
186: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/12(火) 19:13:34.58 ID:FAFLD54h.net
紗菜「どんな打球も、完璧に封殺されているわね……」

優理「ヤバイな、もうマッチポイントだ」チッ…

ココ「はわわわ! ファイトですぅ~~~!!!」


彼方(このままやられっぱなしは……嫌だ……)スッパン!!

ダイヤ「ふっ!!」シュパーーン!!!

遥(どんな強敵でも、倒すんだっ!!)パコン!!!

   スゥゥゥゥーーー…………

審判「ゲームセット! ウォンバイ浦の星、国木田・黒澤ペア。6-1」


遥「えっ……」

彼方「今……なに、が……?」

ダイヤ「何を呆けているの? 最後の一点を花丸が決めた、単にそれだけのことでしてよ」

花丸「えへへ、美味しいとこ取りしちゃった♪ 対戦、誠にありがとうございました!」ペコリ!

遥(国木田さんのショットに気が付かなかった。というより……)

彼方(ダブルスなのに……試合の途中から……片方の存在を忘れていた? いくら私が……ボ~っとしてるからって……そんなこと、あるわけ……)


ダイヤ(花丸のステルスめいたこの能力。ダブルスでしか発揮されないものではあるけれど、非常に強力ですわね)

花丸(どうかマルのことはあんまり気にせず、もしなんかヘマをしたとしても……見なかったことにしてくれたらとーっても嬉しいなって)

花丸(オラはただ、そんなことを想いながらプレイしていただけずら)


彼方「負けちゃったわ……」

遥「……すみません」

理華「お疲れ様。敵はエースなんだし仕方ないさ。まだ1勝1敗、あとの試合を取りに行こう」

理華「今回は相手校の情報がほとんどないから試合前のアドバイスができなくて申し訳ないが……優理、頼んだ」

優理「うっす」
187: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/12(火) 19:19:27.30 ID:FAFLD54h.net
鞠莉「対戦ヨロシクぅ~☆」

優理「……こちらこそ」キッ

鞠莉「ふぅん。さっきの眠たそうな人と違って、あなたの瞳は闘志でメラメラね」

優理「まぁ、負けるわけにはいかないんで。……準決勝で戦いたい相手が居るんすよ」

鞠莉「アハッ♪ 私も負けるわけにはいかないのよね~。昨日は後輩の前でカッコ悪いとこみせちゃったし、汚名返上しておかないと!」


審判「ザ・ベストオブ・ワンセットマッチ!」

   浦の星女学院 小原
       VS
    東雲学院 御堂

審判「東雲サービスプレイ!!」


優理「さーて、おっぱじめようかね」ズッバーーン!!

優理「ワオ! キョ~レツぅ」スッパーーン!


かさね「おぉ! 互角なラリー!」

ココ「優理ちゃん! がんばれー!!」

瑞希「ガンガンいけぇー!!」


優理「どりゃあああ!!」バコンッ!!!

鞠莉(あら、ナイススマッシュ。追うだけ無駄ね)

審判「ゲーム東雲、1-0。チェンジコート」

優理「っしゃあ!!」


理華「こういう時、優理の度胸と意地は頼もしいねー。敵の強さは未知数、学年は2つ上。にも関わらず、まるで物怖じしていない」

クリスティーナ「ダブルスだったとはいえ、あの天才・南ことりさんを倒した実力は伊達ではありませんね!」
188: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/12(火) 19:21:14.54 ID:FAFLD54h.net
優理(もういっちょ!!)バッコーーーン!!!

審判「ゲーム東雲、2-0」


瑞希「うんうん。良い感じっ!」

紗菜「…………」

かさね「紗菜ちゃんどーしたの? せっかくこっちが2ゲーム連取してるのに、難し気な顔しちゃって」

紗菜「1ゲーム目は非常に良かったわ。でも2ゲーム目のスマッシュ、打ったというより打たされていたように見えて」


審判「ゲーム浦の星、1-2。チェンジコート」

 審判「ゲーム東雲、3-1」

  審判「ゲーム浦の星、2-3。チェンジコート」

   審判「ゲーム浦の星、3-3」


クリスティーナ「追いつかれてしまいました……」

紗菜「やっぱり。試合が進めば進むほど、優理の動きが読まれてる」


鞠莉「シャイニンっ☆」スパァァァン!!

審判「ゲーム浦の星、4-3。チェンジコート」
189: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/12(火) 19:22:14.89 ID:FAFLD54h.net
かさね「うわぁ逆転されちゃった」

理華「…………」

優理「理華先輩。あたし……勝ちたいです」

理華「……動きが読まれているからといって、普段と違うことをしようとしては駄目だ。練習で出来ないことが本番で出来るわけがない」

優理「でもこのままじゃ負けちまうッ!!」

理華「落ち着け。闘志を燃やすのは良いことだが、冷静さを欠いては勝てる試合も勝てない」

理華「ぅ……」

理華「それに、このままやれとは言っていないさ。ここから先は──」


鞠莉「それ!」スッパーーン!

優理「っ!!」パコーーン!!

優理(リターンしたら……即ネットにつく!!)シュタタッ!

鞠莉「!?」パッコーーン!!

鞠莉(今まで彼女は、隙を見て前に出てくることは多かったけど、いきなりネットスレスレまで詰めてくることはなかったのに……)

優理「ハァァァ!!」パコンッッッ!!

審判「0-15」

 審判「0-30」

  審判「15-30」

   審判「15-40」

    審判「30-40」

     審判「ゲーム東雲、4-4」


かさね「やった! 追いついた!!」
190: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/12(火) 19:24:47.25 ID:FAFLD54h.net
クリスティーナ「理華さん、先程どのようなアドバイスをなされたのですか?」

理華「簡単なことさ。ただ、いつも通りに戦わせているだけだよ」

クリスティーナ「?」

理華「さっきまでの優理はココと組んでいる時に比べ、得意なネットプレイが減っていた」

瑞希「そりゃシングルスなんだから多少は下がるっしょ」

理華「それが読まれていたのだろう? だから普段ダブルスをしている時と同じくらい、思い切って前に詰めてみろと言ったんだ」

理華「もっとも、次のゲームから相手はロブを多用してくるだろう。そうなれば嫌でも下がらざるを得ない」

紗菜「そうなったら、後はもう当人同士の実力勝負しかないわね」

理華「あぁそうだね。ほぼ敵情報の無い現状、私の指示では1ゲーム巻き返すのが限界だ……中々歯痒いよ」


鞠莉(プレイスタイルを前衛的にチェンジしてきたからって、そんな手が通用するのは1ゲームだけよ!!)パッコーーーン!

審判「ゲーム浦の星、5-4。チェンジコート」


鞠莉「エキサイティンっ☆」スパァァァン!!

審判「40-15」


瑞希「……浦の星マッチポイントか」

ココ「優理ちゃん……負けないでっ!!」


鞠莉「フフフ」ポーーーン

優理(この程度のロブ、追いつける!!)シュタタタ パコーーン!

鞠莉(チェック)ポン…

優理(今度はドロップショットかよ! 届けェ!!)ズサァァァァ ポーーン

鞠莉(チェックメイト!)スッパーン!!!


ココ「あっ!」

理華「ここまで、か……」
191: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/12(火) 19:26:45.17 ID:FAFLD54h.net
優理(読まれてるからってそれがなんだ! あん時あの天才は、試合の中で成長してみせた……)


  ──天才とは名ばかりの逃げ腰ヤローかと思ったが、最後はあたし好みのナイスガッツだったぜ

  ──えへへ、ありがとうございました。


  ──序盤みっともない試合しちゃってごめんね? もし再戦の機会があったら、今度は最初から全力でぶつかります!

  ──おぉ、怖い怖い。……でも、楽しみにしとくっす。


優理(なら、あたしだって! 試合の中で変わってやるよォ!!)

優理「終わってたまるかぁぁぁああああああ!!!!!」ズサァァァァーーーーー!!!!!

鞠莉(うそっ!? 今のボールにまだ追いつくの!??)


  ポーーーン! ペチッ……


審判「ネット! ゲームセット! ウォンバイ浦の星、小原。6-4」


鞠莉「ふぅ。あぶないあぶない」ホッ…

優理「クソォ……」

鞠莉「あなた、強いわね。中々シナリオ通りの試合運びが出来なくて大変だったわ」

優理「…………」

鞠莉「フフフ。対戦、ありがとうございました」

優理「……あざっした」
192: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/12(火) 19:29:01.38 ID:FAFLD54h.net
優理「…………」トボトボ…

ココ「優理ちゃん……そんなに落ち込まないで?」

かさね「そうそう! かさね達とクリス先輩が勝てば良いだけの事なんだから!」

優理「……ぅッス。後は任せました!」ペコリ

瑞希「よぅし! 任されたっ!!」


かさね「勝って大将戦に繋ぐよ」

瑞希「モチのロン!」

かさね「絶対勝つぞー!!」

かさね・瑞希「「おぉーーー!!!」」


 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪.ここからが…私達
     (原曲……ここからが…俺達  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=To0mshb15aE




  『『『『『『追いつめられた もう後はない♪』』』』』

  『『『『『『だから燃えるねー やってやろうじゃないかー♫』』』』』

  『『『『『『ここからが…私達の本領発揮だ~♪』』』』』


  『『『『『『ここから先の 道は見えない♫』』』』』

  『『『『『『ならば進路はー 自ら切り開こーう♪』』』』』

  『『『『『『ここからが…私達の 最高の見せ場ぁ~~~♫』』』』』
 
193: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/12(火) 19:31:28.68 ID:FAFLD54h.net
 
  『『『『『『勝~負とはー 予測の付かない未来♪』』』』』

  『『『『『『笑顔になるか涙になるか 誰にも分からな~い♫』』』』』

  『『『『『『でも勝ち負けの行方は 必ず変えることが出来る♪』』』』』

  『『『『『『今 歯を食いしばれば~ ギリギリ ギリギリ♫』』』』』

  『『『『『『きっと 勝利は我~が手にぃー♪』』』』』


瑞希『壁にぶち当たったらー その壁を乗り越えようー♪』

優理『乗り越えられない壁なら 叩き壊せばいいぜー♫』

ココ『冷静に考えればー 必ず道があるはずー♪』

彼方『道が見つからないのなら…… 道なき道を行くわ……♫』


クリスティーナ『みんなで祈りを捧げー この危機に立ち向かおうー♪』

遥『つらい時こそ忘れるな 笑顔は武器になる♫』

紗菜『培ってきた実績 そこに答えを見出せ♪』

かさね『大丈夫さ かさね達なら 今までも これからも 無敵だぁ~~~♫』


理華『たとえ離れてもー 私の心はお前達のー 許にある♪』

理華『選手ではないけどー 私の魂はー お前達と共に試合に挑む♫』

理華『勝~て 怯むな 前に前にススメ→♪』


  『『『『『『ここからが~…私達の 本領発揮だぁぁぁあああ♪♪♪』

 ~♪      ~♪      ~♪


かさね(きっと音ノ木坂はY.G.国際学院を倒してくるはず! 穂乃果ちゃんにリベンジするためにも……)


かさね「己の新境地に辿り着く……そして、勝つ!!」

 
201: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/14(木) 00:02:31.49 ID:R+t6HJq1.net
 
    【Genius 10:ダークホース】


   ~Dブロック、Y.G.国際学園side~


まこ(前半から中盤にかけて、真姫ちゃんが思う存分暴れてくれた。タイブレイクまで長引いてしまった今、ここからは私の“テリトリー”で手堅く着実に勝ちに行く!)パコン!

エマ「手強いっ!」

ラクシャータ「うぅ……甘口カレーのような優しい試合とはいきませんね……」


紫「基本的な陣形に、アイフォーメーション、そして尾崎さんのテリトリー。多彩な戦法で、予想外な強敵ですね……」

イザベラ「クッ……関東大会の時点では大したことのない相手だったというのに、ここまで腕を磨いてきたか」

蘭花「敵のノコリをかんがえると、落とすわけにはいかない一戦アル。このままじゃマズイですネ」


真姫(最後は私の美技で決めてやるわ!)スタタタッ

まこ「真姫ちゃん! アウトだよ!」

真姫「っ!」ピタッ

真姫(……ほぼライン上だけどギリギリでアウト。相変わらず、信頼性バッチリの選球眼ね)


審判「アウト! ゲームセット。ウォンバイ音ノ木坂、尾崎・西木野ペア。7-6」


http://i.imgur.com/bPR4g6U.jpg
1451919632-1-レス201-画像
↑Y.G.国際学園 参考画像
202: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/14(木) 00:06:30.14 ID:R+t6HJq1.net
 
イザベラ(……これで2敗。本格的にヤバイな)


レオ「みんな、ごめん。初戦でレオが、負けたせいで、迷惑を……」

イザベラ「過ぎたことを気にしても仕方ないさ。まだ敗退が決定したわけではない」

紫「でも……次に部長は勝ってくれるとして、後の2戦はどうしましょう……。ゴールデンペアと音ノ木の天才ですよ?」

イザベラ「案ずるな……私は強い! ので、矢澤にこを完膚なきまでに叩きのめすことができる! そうなれば今後の試合はどうなると思う?」

マリア「エースがボロボロに完敗すれば、オトノキの士気は下がる……?」

ジェニファー「わお! 精神的アドバンテージで私たちの勝率が上がるわね! だけど敵のやる気を削いで勝つなんて、なぁんか嫌な作戦」

イザベラ「仕方ないだろ。義では全国は獲れん。……貴様等も後れを取るなよ!!」

  「「「「「ハイ!!」」」」」


  ×       ×       ×


   ~Cブロック、浦の星side~


鞠莉「勝てた勝てた~♪」

ルビィ「お疲れ様っ」

果南「おつかれ。良い試合だったじゃん」

ダイヤ「結城紗菜以外にも、骨のある選手が居るようですわね」

鞠莉「本当はもっとスマートに勝ちたかったんだけど、まっ、これはこれで楽しかったわ☆」
203: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/14(木) 00:11:45.65 ID:R+t6HJq1.net
千歌「次はついに千歌の出番だ~」ウキウキ

曜「負けちゃった私の分まで頼んだよ」

千歌「まかせて!」

梨子「頑張ろうね」

千歌「うん! 勝とう!!」



審判「ザ・ベストオブ・ワンセットマッチ!」

   浦の星女学院 桜内&高海
        VS
    東雲学院 支倉&吉川

審判「浦の星サービスプレイ!!」


千歌「ハッ!!」スパーーーンッ!!

かさね(なんとなく弱そうな雰囲気とは裏腹に、結構速いサーブだ……。だけどっ!)パコーーン!!

瑞希「ナイスリターン!」

かさね(へへっ! 速いだけで軽いし、瑞希ちゃんのサーブと比べたら全然遅いもんね!)

千歌「おっとっと……」ポーーーン

かさね「任せたよ!」

瑞希「おうっ!!」ピョーーーーーン!

千歌(えぇぇええ!? この高さのロブに前衛が届いちゃうの???)

   ドッカーーーーーン!!!!!

審判「0-15」

瑞希「どうだ! あたしのボールさばき!」


ココ「やった! 先制点!」

理華「いつも以上に良いダンクスマッシュだ」

紗菜「絶好調みたいね」

クリスティーナ「こうなった瑞希さんは、もう誰にも止められません!」


瑞希「そぉぉぉおおおおい!!!」ドッカーーーーーン!!!!!

審判「ゲーム東雲、1-0。チェンジコート」
204: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/14(木) 00:17:06.45 ID:R+t6HJq1.net
千歌「すごい! あのひと只でさえ千歌より10cmくらい大きいのに、もっっっのすごい跳んだよ!?」

曜「ちょいちょい! ストレートで1ゲーム落としといて何喜んでんのさ!!」

梨子「私も何も出来なかったし……ごめん」シュン…

曜「あ、いや別に梨子ちゃんのことは責めてないよ!?」

ダイヤ「遊んでないで早く勝ってきなさい」

千歌「は~い!」

鞠莉(遊んでいた──というより、これが千歌なりのファイティングスタイルなのよね。日頃の賢さや学力はともかく、この子の勝負運やセンスは計り知れないものがある……)


千歌「さぁ! こぉーい!!」ブンブン!

かさね「なら……遠慮なく!」バコーーン! シュルルル

梨子(かなりキレの良いスピンサーブ!)

千歌「ぅ!?」ポーーン

瑞希「ヤァァアーーー!!」ピョーーーン!  ドッカーーーーーン!!!!!

審判「15-0」

かさね・瑞希「「いえぇ~い!!」」パチーン!
205: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/14(木) 00:18:28.32 ID:R+t6HJq1.net
梨子(なるほどね。強烈なスピンサーブでレシーバーを崩して、そこを攻撃力のある前衛が叩く)

かさね(もいっちょ!!)バコーーン! シュルルル

梨子(王道な良い戦法だけど、残念! 私に回転は通用しない!)スッパーーン!!

瑞希「ちっ」

かさね(上手い具合にリターンされたからって、それがなんだ!!)シュッタタッ パコーン!!

千歌「をぉーーーー!」

瑞希(前衛が少し下がってる。ローボレーか)

千歌「ハイパーチカっちドラァァァイブ!!!」グウォン!!!

かさね(ドライブボレー!? うわわっ)ポーーン ペチッ

審判「ネット。15-15」


ルビィ「すごいすごい!」

ダイヤ「千歌のトップスピンに梨子の“回転殺し”、上手く噛み合っていますわ」

曜「なんだか相手は仲良さそうなペアだけど、仲の良さならチカちゃん達だって負けてないからね!」


かさね「ふっ」カッッ

梨子(スライスも……効きません!)パッコーーーン!!

審判「ゲーム浦の星、1-1」
206: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/14(木) 00:24:54.19 ID:R+t6HJq1.net
瑞希(1ゲーム取られたなら更に取り返してやる!)

瑞希「どりゃああ!!」ズッバーーーン!!!

梨子(スマッシュだけでなく、ストロークまで凄いパワーですね。だけど千歌ちゃんなら!)

千歌「ハイパーチカっちドラァァァイブ!!!」グウォン!!!

瑞希(あたしの渾身の一撃をノーバウンドで軽々返しただって!? しかも強打ってどーゆーことなのさ!!)

審判「ゲーム浦の星、2-1。チェンジコート」


瑞希「一本……」ピョーーン

瑞希「……集中!!!」ズバーーーン!!

梨子(凄く速いジャンピングサーブ……。これじゃあどうにか打ち返したところで……)ポン

かさね「よーし! チャンスっ!!」パコーーン!!

審判「ゲーム東雲、2-2」


クリスティーナ「一進一退の攻防ですね」

遥「あの高海という選手、華奢で細腕なのに瑞希先輩のパワーショットを軽々と……」

理華「体全体を使って、重い球に上手く対抗している。多分パワープレイヤーとの対決に相当慣れているんだろう」

紗菜「そりゃあ渡辺みたいなバカ力が仲間に居るわけだし」

理華「もしかしたら、渡辺曜以外にもパワータイプの選手が居るのかもしれないね」

紗菜「あんなのが他にも居るとか考えたくないんだけど……」
207: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/14(木) 00:26:42.34 ID:R+t6HJq1.net
千歌「いくよ!」

かさね「ばっちこーい!!」

千歌(千歌のサーブが、速いフラットサーブだけだと思わないことだね!)バシィィィン!!

   シュルルルルルルッ

かさね「ぬわぁああ!?」

梨子「ナイッサー!」

千歌(どうだ! チカのツイストサーブは!!)

梨子(ふふ。派手なサービスエースが取れて、千歌ちゃん嬉しそう)


瑞希「おーおー。かさねのキックサーブよりキレッキレだな」

かさね「怖かったぁ……」

瑞希「顔面に向かって跳ね上がってくることが事前に分かってさえいれば、打ち返せないこともないっしょ。スピードは大したことないし心構え次第でどうにかなるって」

かさね「う、うん」


千歌(スピードは大したことない。そう思ってくれるならこっちのモンっ!)スパーーーンッ!!

瑞希(クッ! 今度は1ゲーム目で使ってた速いフラットサーブかよ!)ポーーン

梨子「……は!!」ズバーーン!!

審判「30-0」
208: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/14(木) 00:31:35.60 ID:R+t6HJq1.net
千歌「ハぁッッ!!」バシィィィン!! シュルルルルルルッ


紗菜「敵ながら、個人技もチームワークも申し分ないわね」チッ…

理華「情報アドバンテージがまるでないのが痛いな」

彼方「まさに……ダークホース……」


かさね「……っ」パコーーン!

梨子「…………」ポンッ… コロコロコロ…

審判「ゲーム浦の星、3-2。チェンジコート」

千歌「おぉーー! 梨子ちゃんナイスぅ♪」

梨子「千歌ちゃんが好機を生み出してくれるおかげだって。後半戦もこの調子でいけそう?」

千歌「だいじょ~っぶ!! あのね、疲れるどころかどんどん元気が湧いてくるの!」

千歌「ほんの数ヶ月前までは、身内同士でしかテニスしたことなかったけど……初めて会う強敵との試合って凄く楽しい!!」ピョンピョン

梨子「そうだね。凄く楽しいっ!」ニコッ!


梨子(元々テニスは楽しかった。けど千歌ちゃんとテニスをしていると、私の知らない自分が出てきそうになるっていうか──何だか心が躍る)

梨子(もしかしたら、この高揚感が「勝ちたい」っていう気持ちなのかな……?)


千歌「よし、ドンドンいくよ!!」

梨子「うん!!」


瑞希(この2人……かさねのテクにもあたしのパワーにも、一切臆さず突っ込んできやがる!)

かさね(高海さんは穂乃果ちゃんみたいに、単純でミスを誘いやすい系の人かと思ったけど全然違う。性格とは裏腹に……プレイは冷静なテクニシャンだ!)
209: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/14(木) 00:33:51.76 ID:R+t6HJq1.net
 
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. Be☆Cool!
     (原曲……Be Cool  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=IJHgD-6lWNc




梨子『ビー☆クール♪ カッカしないで 冷静に場を読めー♫』

梨子『ビー☆クール♪ イラつかないで 確実に見据えろー♫』


千歌『千歌は試合のたびに成長する♪ 相手を利用して 敵の一歩前を先んずる♫』

千歌『千歌はコートの中で 無意識に学ぶぅ~♫』

りこちか『『どうすれば勝てるか~ 勝利の法則♪』』


  千歌「さぁ、ガンガンいくよ!!」グウォン!!!


梨子『ビー☆クール♪ ガッツ隠して 落ち着き失うなー♫』

梨子『ビー☆クール♪ ビビる事なく 着実に押さえろ ビー☆クール♫』


千歌『力では負けてしまう相手でも♪ 突破口探して 敵の思い込みの裏をかく♫』

千歌『千歌は試合のたびに 直感で動く~♫』

りこちか『『こうすれば勝てるね~ 勝利のあり方♪』』


梨子『ビー☆クール♪』

千歌『ビー☆クール♫』

りこちか『『ビー☆クール♪♪』』

 ~♪      ~♪      ~♪


梨子「……たぁッ!!」シュパァーーン!!

かさね「うにゅっ!」ドサァァアッ!!

審判「ゲームセット! ウォンバイ浦の星、桜内・高海ペア。7-5」

りこちか「「やったぁ!!」」

 
210: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/14(木) 00:35:56.55 ID:R+t6HJq1.net
  ×       ×       ×


   ~Aブロック、UTXside~


海未「射抜け──“ラブアローショット”ッ!!」ズキュンッッッ!

   スタタッ ポーーーン

海未(ギリギリで打ち返してきましたか。しかし、これにて終わりです)

海未(──侵掠すること、火の如く!!)スッ…

海未「メェェェエエエン!!!」ゴゴゴゴゴォォォォォオオオオオ!!!

審判「ゲームセット! ウォンバイUTX、園田。6-3」


審判「以上により、3勝0敗でUTX学院の勝利です」

審判「両チーム共、整列してください」

審判「礼っ!」


  「「「「「ありがとうございました!!!」」」」」ペコリ!



海未「ふぅ……」

海未(1回戦はダブルス、2回戦は補欠だった私にとって、これが全国大会シングルスにおける初試合にして初勝利です! やりました!!)パァァアア!!

絵里「試合前は緊張していたのに、今は随分と嬉しそうね」

海未「はい! 人前は苦手でしたが、大舞台で試合をすることが癖になってしまいそうです!!」


英玲奈「おい絵里! おしゃべりしている場合ではないぞ!!」

絵里「え?」

英玲奈「音ノ木坂と国際学園の試合がまだ続いているらしい。それも、矢澤にこ対イザベラの大熱戦だそうだ!」

絵里「何よそのマッチング!? 大一番じゃない!!」

英玲奈「詳細は走りながら話す。とにかく偵察に向かおう!」

絵里「ええ」

海未「私も行きますっ!!」


あんじゅ(わたしもぼちぼち観戦しに行こうかしらぁ?)
211: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/14(木) 00:39:59.92 ID:R+t6HJq1.net
 
   タッ タッ タッ タッ タッ 


英玲奈「シングルス3は7-5で東條希の勝ち。ダブルス2は7-6で尾崎・西木野ペアの勝ち」タッタッタッ

英玲奈「そして現在行われているのが、矢澤にことイザベラによるシングルス2ということらしい」タッタッタッ

海未「矢澤さんがシングルス1ではないなんて珍しいオーダーですね」タッタッタッ

絵里「多分エース対決を避けようとした結果、それが裏目に出たのでしょうね」タッタッタッ

海未「なぜエース対決を避ける必要が? うちの部長なら、むしろ喜びそうなものですが」タッタッタッ

絵里「彼女の魔法と呼ばれるほどの技術は、高校生の域を遙かに逸脱している。けれど根源的な肉体面では、全国大会出場プレイヤーのレベルに達しているとは言えない」タッタッタッ

絵里「この大会は3日間に渡る連戦なわけだし、なるべく消耗させたくないというのもあるのでしょうね」タッタッタッ

英玲奈「そうかもしれないな。大抵の相手には余裕で勝つことができるだろうが、エース対決により絵里やツバサと戦った時のようになってしまえば負担が大き過ぎる」タッタッタッ


   タッ タッ タッ タッ タッ 


英玲奈「よし、Dブロックの試合会場に着いたぞ!」

海未「現在の得点は……」

英玲奈「5-4でY.G.国際学園のリード、か」

絵里「……このゲームを落としてしまえば、矢澤さんの負けね」


絵里(あなたがUTX以外に負ける姿なんて見たくない。お願い……勝って!!)
212: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/14(木) 00:49:44.15 ID:R+t6HJq1.net
にこ「いくわよっ!!」ピョンピョコピョンピョン!

絵里(同じフォームから成るロブとドロップの打ち分け、“にこぷりドライブ”or“にこぷりドロップ”!)

にこ「…………」チョン…

イザベラ「っ!!」スタタタタタタタッ!!!


海未「速い!」

英玲奈「なんて瞬発力だ!」

絵里「短距離なら、私やツバサ以上の足の速さかもしれないわね……」


にこ「……!」シュピン!!

英玲奈(出たな。激しい緩急による疑似的なレーザービーム──消える魔球!)

イザベラ(ボールは決して消えたりなどしない)スッパーーーン!!!


にこ「はっ!」ガッ!

海未(この打ち方は増える魔球、もとい“ブレ球”ですか)

イザベラ(ボールは分身などしない……常に1つだ)バッコーーーン!!!
213: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/14(木) 00:51:13.22 ID:R+t6HJq1.net
 
  ポーン スパーン! ポーン ドカーン! ポーン スッパーン! ポーン パコーン!


イザベラ(矢澤にこ。この大会において、もっとも技術が高い選手は貴様だろう)


にこ「……っらァ!!」パッコーーン

イザベラ(どんな逆境にも諦めないその精神力も素晴らしい)


にこ「ぅあ!」ポーーーン

イザベラ(しかし、生まれ持った運動神経やスポーツの才能、それらが著しく欠落している。多少の差であれば努力と工夫と技術で補えたのだろう。だが……)

イザベラ(私との圧倒的な差は、どう足掻いたところで覆せはしない!)


にこ「ぁぁぁあああ!!!」スパーーーン!

イザベラ(東京都四天王の1人、音ノ木の魔法使い矢澤にこ。可哀想だが……貴様の負けだッ!!)


イザベラ「滅びよ……」ズガァァァーーーン!!!
216: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/14(木) 22:09:11.47 ID:R+t6HJq1.net
 
    【Genius 11:にこ、敗北】


にこ「ぁぁぁあああ!!!」スパーーーン!

イザベラ「滅びよ……」ズガァァァーーーン!!!

にこ「ッ……!!!!」シュタタタ! ズサァァァァーーー……


英玲奈「…………」

海未「そん、な……」

絵里「……っ」ギュッ


審判「ゲームセット! ウォンバイY.G.国際、イザベラ。6-4!」


海未(部長や絵里先輩とほぼ互角な実力者である矢澤さんが……まさか負けてしまうなんて……)

絵里「…………」クッ…

英玲奈「気持ちは分からんでもないが、そう悲し気な顔をするな」

英玲奈「体力・腕力・脚力・跳躍力・瞬発力。身体面のありとあらゆる全てにおいて各上の相手から4ゲームも奪ったんだ。十分過ぎるほど……良く戦ったよ」


にこ「…………」

にこ「………………」

にこ(“矢澤ファントム”が上手く嵌った時以外、まるで点が取れなかった……)

イザベラ「テクニックでは私の完敗だ。アウトやネットになる球ばかり打たされた時は焦ったよ」

にこ(綺羅ツバサ戦や去年の絢瀬絵里戦で分かっていたことだけど、やっぱり私の魔法は──)

イザベラ「有意義な試合だった。対戦感謝する」

にこ「……………………」


にこ(──本当の強者には通用しないッ)ギリッ…
217: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/14(木) 22:10:55.95 ID:R+t6HJq1.net
 
   ~Cブロック、浦の星side~


審判「ゲームセット! ウォンバイ浦の星、桜内・高海ペア。7-5」

りこちか「「やったぁ!!」」


かさね「そんなぁ……。せっかく、せっかく全国大会まで上り詰めてきたのに」ウルウル…

瑞希「バカっ! かさねは来年もあるんだから泣くなよ!!」

かさね「そうだけど……瑞希ちゃんと一緒の団体戦はこれでおしまいじゃん……」

瑞希「うっ」ウルッ…

かさね「瑞希ちゃん……」

瑞希「かさねぇ……」

かさね・瑞希「「うわぁぁぁぁぁあああああん!!!!!」」ギュゥ!


梨子「な、なんだか物凄く申し訳ない気分に……」

千歌「別にいいんじゃないかな?」

梨子「え?」

千歌「勝ったら思い切り喜ぶ! 負けたら泣いちゃうくらい悔しがる! そういうのもテニスの面白いところだと思うよ?」

果南「テニスの……というより、スポーツ全般そんな感じがするけどね」

曜「うんうん! 水泳もテニスも、真剣勝負なら何でもそういうものだって。だから勝った人は笑ってなきゃ!」

梨子「それでも私は……やっぱりこういう光景を見ちゃうと、心の底から喜ぶのは憚られるというか……」

果南「コラコラ。勝者は敗者の想いを乗せて勝ち進む責任があるんだから、そんなんじゃ駄目だぞ~」

梨子「敗者の……想い……」
218: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/14(木) 22:18:10.61 ID:R+t6HJq1.net
かさね・瑞希「「ぅぅぅぅぅううううう~~~」」シクシク

紗菜「ちょっと! さっさと立ちなさい! 審判困ってるでしょ?」

かさね「そうだね……ごめん」

紗菜「私だって……我慢、してるんだから……。あんた達も今はシャキッとなさい!!」

瑞希「……おう!」グッ


審判「以上により、3勝1敗で浦の星女学院の勝利です」

審判「両チーム共、整列してください」

審判「礼っ!」


  「「「「「ありがとうございました!!!」」」」」ペコリ!



かさね「あの……後味悪くしちゃってゴメンね?」

梨子「いえいえそんな!」

瑞希「ほんと……我ながら情けない……」

千歌「気にしないでください! 大丈夫ですって!」


曜「チカちゃんも、負けて泣くことはよくあるもんね~」

果南「小さな頃は特によく泣いてたよね」

千歌「余計なこと言わないでよ! もぉー!!」

瑞希「アハハ。私たちの代わりに、優勝、頼むよ!!」

千歌「はいっ!!」

かさね「あれ? 浦の星に優勝を託すの??」

瑞希「え、何かおかしなこと言った?」

かさね「だってほら。かさね達、都大会で音ノ木坂に負けてるし、関東大会では藤黄に負けてるし……」

かさね「浦の星の皆さんは気を悪くしないで聞いてくださいね? 負けたところに優勝を託すなら、その、申し訳ないんですけど……正直同じ関東の学校が良いかなぁって」

瑞希「あぁ、言われてみればたしかに」

千歌「えぇ~」ガックシ

かさね「……なんかごめん」
219: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/14(木) 22:20:25.32 ID:R+t6HJq1.net
かさね「でもでも! もし準決勝で音ノ木坂と戦うことになったら、高坂穂乃果って人にだけは負けてほしくないの!!」

梨子(っ!? 高坂穂乃果って、あの時電話で話した……)

かさね「あ、穂乃果ちゃんはかさねが都大会決勝で負けちゃった相手なんだけどね? リベンジしたくってさぁ~」

かさね「昔のかさねは穂乃果ちゃんより弱かった。でも現在のかさねなら穂乃果ちゃんより強いかもしれない!」

かさね「それを証明するためには、今日かさねに勝ったあなた達に──」

千歌「ちょ、ちょっと待ってちょっと待って!!」

かさね「ん?」

曜「穂乃果ちゃんって……あの名門校オトノキのレギュラーだったの……!?」

かさね「あれ? 知り合い?」

千歌「知り合いというか、迷子になった時助けてもらった恩があって」

果南「もしかして、海未と希もオトノキなの?」

瑞希「ウミってのは知らないけど、東條希なら音ノ木坂の副部長だよ。ちなみにあたしの宿敵だったり!」


鞠莉「…………」

善子「オトノキとは変な因果が絡み合っているようね。クックック……これもまた運命の導きか」フッ…

鞠莉「運命っていうか、昨日のイザコザは私の故意なんだけど」

ルビィ「昨日のいざこざ?」キョトン

ダイヤ「まさかあなた達、他校生と問題を起こしたわけでは……」

善子「そそそそそんなわけないじゃない! 争いは同レベルの間でしか起こらないのよ? この堕天使ヨハネが矮小な人間如きと──」アタフタ!
220: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/14(木) 22:27:24.21 ID:R+t6HJq1.net
 
  ×       ×       ×


   ~Dブロック、Y.G.国際学園side~


紫「すごいっ! すごい試合でした!!」

イザベラ「申し訳ない」

紫「え?」

イザベラ「試合前、矢澤にこを完膚なきまでに叩き潰すなどと言っておきながら、ただの良い試合を繰り広げてしまった」

イザベラ「己の糧になる素晴らしい一戦ではあったが、これでは音ノ木坂の士気を下げるに至るかどうか……」

ジェニファー「こ~ら! そんなこと気にしないの! それとも、そんなに私達が頼りない?」

イザベラ「そういうわけでは……」

イザベラ(いや、頼りないと思っていたのかもしれないな。部長の私がチームを信じられないでどうする!)

イザベラ「……前言撤回だ。敵の士気など関係ない! 後は託した! とにかく勝て!!」

ジェニファー「そうこなくっちゃ!」

マリア「はいっ! なんとしても、勝ってみせます!!」

蘭花「みなさん、がんばりまショウ! ラストに備えて、ウォーミングアップしてくるアル!」
221: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/14(木) 22:29:01.86 ID:R+t6HJq1.net
 
審判「ザ・ベストオブ・ワンセットマッチ!」

    音ノ木坂学院 小泉&星空
         VS
 Y.G.国際学園 ジェニファー&マリア

審判「Y.G.国際サービスプレイ!!」


マリア「先手必勝!」ズッバーン!!

ジェニファー「Nice serve!」

花陽「…………」ポーーン

ジェニファー(かなり甘いリターンね。さぁマリア、決めちゃって!!)

マリア「フォぅ!!」ッパーーーン!!

   シュンッ!!

凛「ふっ」

ジェニファー「!?」

マリア(私が打った場所に、既に敵の前衛が!?)

凛「にゃーー!!」パッコーーン!!

審判「0-15」

穂乃果「凛ちゃんナイス!」

まこ「ことりちゃんとのダブルスで披露した“星空印のステップ”。この動きによって、左右への俊敏性が更に増してるね!」


ラクシャータ「……あの時を思い出しますね」

レベッカ「ええ。関東大会で私達が負けた時とおんなじ。こちらのやりたいことが、全て読まれちゃってる……」


審判「ゲーム音ノ木坂、1-0。チェンジコート」
222: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/14(木) 22:31:14.35 ID:R+t6HJq1.net
花陽(関東大会準決勝では、まこまきペアを倒した要注意な2人)

花陽(ジェニファー選手、2年。身長165cmで血液型はA型。趣味は人助け。パワフルなボレーが武器なネットプレイヤー)

花陽(マリア選手、1年。身長163cmで血液型はA型。趣味はフラメンコ。機敏良くボールに喰らいつくオールラウンダー)

花陽(……うん、データは完璧。ここまでは計画通りな試合展開です)


審判「ゲーム音ノ木坂、2-0」


ことり「かよちゃん……いつもとちょっと違う?」

希「さっきの試合、色々堪えたんやろうなぁ。にこっちのことを慕っとるし、なにより参謀として助けになれなかったショックもあるんやない?」

にこ「……馬鹿言ってんじゃないわよ。花陽はには毎度毎度、感謝しきれないくらい助けられてるわ」

にこ(あの子は選手でありながら、さながらマネージャーのような役割まで果たしてくれてる。そのせいで花陽自身の練習時間が削られてしまっているのは問題点だけど……)


審判「ゲームY.G.国際、1-2。チェンジコート」


絵里「ハラショー! また凛が決めたわ!!」

英玲奈「敵の行動を完璧に把握したうえであのアクロバティックな動き。これをやられる相手は溜まったものじゃないな」

海未「全ては小泉さんとシンクロしているおかげだということが分かっていても、まるで凛が賢いようにみえてしまいますね……」


審判「ゲーム音ノ木坂、3-1」


花陽(にこちゃんが綺羅ツバサ選手と戦った時も、イザベラ選手と戦った時も、私は何もできなかった……)

花陽(アドバイス次第でどうにかなるような相手じゃないっていうのもあるけど、それでも、まるで自分自身が負けちゃったみたいに悔しくて……)


イザベラ「良いぞ! 押してる!!」

レオ「目指せ、ギャクテン、勝利」

レベッカ「いっけぇ~~~!!!」


審判「ゲームY.G.国際、2-3。チェンジコート」
223: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/14(木) 22:32:34.90 ID:R+t6HJq1.net
花陽「…………」

凛「かよちん、大丈夫?」

花陽「……ごめん。試合中なのに、つい余計なこと考えちゃった」

凛「大丈夫にゃ! ラリーしてる時は的確な指示しかとんできてないし」

花陽「凛ちゃんは凄いよね。私が無茶な指示をしても、それにちゃんと応えてくれる。それに比べて、私は……プレイもメンタルもずっと弱いままで……」

凛「強い、とは少し違うかもしれないけど……かよちんは凄い! 誰よりも凄いよっ!!」

凛「凛が笑顔で居られるのも、安心して試合に挑めるのも、どんな時もずっとかよちんが側に居てくれてるからだもん」ニャハハ!

花陽「凛ちゃん……」

凛「だから、ね? 今日もかよちんの“データテニス”で、凛を最強無敵の前衛にしてほしいにゃ~」

花陽「……そうだね」メガネ スチャッ

花陽「もう迷ったりしない。私は私らしいテニスを貫くよ!」

凛「うんっ!」


花陽(傍からは足手まといな後衛にしか見えないかもしれないけど、そんなの関係ありません!)

花陽(私の“データテニス”と“シンクロ”で、凛ちゃんを誰よりも強くしてみせる!!)
224: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/14(木) 22:36:17.86 ID:R+t6HJq1.net
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪.データは嘘をつきません
     (原曲……データは嘘をつかないよ  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=A0BdhiHrUf4




花陽『偶然はない あるのは必然だけ♪』

花陽『積み重ねた事実 デ~タ~はぁー 嘘をつ~きま~せん♫』

花陽『まぐれはないよ 全ては計算済み♪』

花陽『予測可能なんです デ~タ~はぁー 嘘をつ~きま~せん♫』


花陽(私が読み解くのは、敵の強さだけじゃありません!)

花陽(凛ちゃんは私の知らないところで進化した。腕力も脚力もコントロールも、全てがパワーアップしてる)

花陽(それらも完璧に感じ取り、データに組み込み、凛ちゃんの全てを活かしてみせます!!)


花陽『必要~なのは データを伝播する シンクロ♪』

花陽『大切~なのは データをあやつる フィーリング♫』

花陽『今の凛ちゃんは誰にも負~け~ないっ♪』パコン!


審判「ゲーム音ノ木坂、4-2」


花陽(凛ちゃん! 2歩右後ろに下がって、チャンスボールくるよ!!)

凛(りょーかい!)

   ポーーーン

花陽(スマッシュを待ち構えるため、前衛がコート中央よりに下がる確率90パーセント。そのままジェニファー選手の横を貫いて!)

凛「星空バズーカぁ!!!」クルリン バコーーーン!!


審判「ゲーム音ノ木坂、5-3」


花陽『完璧~なんです データが相方と結びつけば♫』

花陽『勝利~目前 データが導く ウィニングショット♪』

花陽『今の凛ちゃんは誰にも負~け~ないっ♫』

花陽『そう データは嘘~をつか~な~いぃー♪♪』

 ~♪      ~♪      ~♪ 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)
225: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/14(木) 22:38:22.99 ID:R+t6HJq1.net
 

マリア「うぁあああ!!!」パコーーーン!!

凛「残念☆無念──」クルリン

ジェニファー(またあのアクロバティックショットがくるっ!)

凛「──また来週~!」スカッ!

マリア「空振り!??」

マリア(いやっ、さっきまでほとんどサーブとレシーブしかしてなかった後衛が、このタイミングで前に……)

花陽「…………」チョン コロコロコロ…

ジェニファー「Oh NO~~~!!」

審判「ゲームセット! ウォンバイ音ノ木坂、小泉・星空ペア。6-3」

りんぱな「「イェイっ!!」」パッチーン!!


蘭花(ウォーミングアップから戻ってきたら、試合が終わっていたネ……)ガクリ…
226: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/14(木) 22:39:18.45 ID:R+t6HJq1.net
海未「ラストが後衛の、ドロップボレー……?」

英玲奈「相変わらずバレーボールじみた時間差攻撃だな」

絵里「小泉さんの掌の上で踊らされているとも知らずに、凛の動きばかりを追っているから裏をかかれるのよ」

英玲奈「そうはいっても、得点源ほぼが全て星空凛なのだからそちらを注視してしまうのは当然だろう。おまえならどうやってゴールデンペアを倒すというんだ?」

絵里「そうねぇ……。凛は私が少し鍛えたとはいえ、所詮は付け焼刃。単体で見る分にはそこまで強いプレイヤーじゃない」

絵里「ゴールデンペアの要は小泉さんなのだから、そちらを攪乱するしかないんじゃないかしら?」

英玲奈「攪乱か。口で言うのは簡単だが、何をどうすれば小泉花陽を翻弄できるのやら」

絵里「それはほら、えっと……直接戦えば、きっと試合のなかで弱点も視えてくるはずよ!」

英玲奈「はぁ……」


審判「以上により、3勝1敗で音ノ木坂学院の勝利です」

審判「両チーム共、整列してください」

審判「礼っ!」

  「「「「「ありがとうございました!!」」」」」ペコリ!
227: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/14(木) 22:40:37.95 ID:R+t6HJq1.net
 
あんじゅ「何はともあれ、これで全国大会ベスト4が出揃ったわね~」

英玲奈「そうだな。というかあんじゅ、いつの間に」

あんじゅ「うふふ。気になって見に来ちゃった」

海未「ベスト4というと──」


 Aブロック突破、東京・UTX学院

 Bブロック突破、千葉・藤黄学園

 Cブロック突破、静岡・浦の星女学院

 Dブロック突破、東京・音ノ木坂学院


海未「──この4校ですね」

絵里「藤黄学園。関東大会決勝ではY.G.国際に敗れた準優勝校だけれど、敗れたとはいえかなり僅差だったわね」

英玲奈「一部の評価では、あの関東決勝の結果はマグレであり、実際は藤黄の方が強いという意見もあるようだが……」

あんじゅ「別に藤黄の評価なんてどうだっていいわよ~。誰が相手だろうと絶対倒して優勝するって、ツバサが息巻いてるんだし」

絵里「そうね。いくら前年度のトップとはいえ、臆していたら何も始まらないわ!」
228: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/14(木) 22:44:03.71 ID:R+t6HJq1.net
イザベラ「音ノ木坂諸君!」

希「うん?」

イザベラ「我々一同、貴様達と戦えたことを誇りに思っている。……あと2戦、負けてくれるなよ」

希「うちらに任せとき!」

イザベラ(だが、来年全国を制するのはY.G.国際学園だ。私が居なくとも、こいつ等ならきっと成し遂げてくれるさ)


にこ「…………」

穂乃果(……にこちゃん)

ことり(あ、少し良くない感じかも……。にこちゃんはエースとして、自分は負けちゃいけないと思い込んでる節があるから……)


絵里(今のところ矢澤さんの戦績は、地区大会で0勝0敗・都大会で0勝0敗・関東大会で0勝1敗・全国大会で0勝1敗の、計0勝2敗)

絵里(他校との野良試合や部内での練習試合でどれだけ勝ち続けたところで、公式戦の結果がここまで悪いとそりゃ凹むわよね。……無駄にプライド高そうだし)

絵里「…………」フム…

あんじゅ「あら、どうしたの?」

絵里「決勝の相手、もしかしたら音ノ木坂ではなくなってしまうかもしれないわ」

海未「穂乃果達が準決勝で負けるというのですか?」

絵里「昨日の2人が浦の星の選手という確証はまだないし、どのような学校かはまるで分からないけれど、ここまで勝ち上がってきている時点で強さはお墨付き」

絵里「そんな強敵相手に、柱の折れた音ノ木坂は一体どこまで戦えるのかしら……という意味よ」

英玲奈「幸い、2つの準決勝が同時に行われることはない。観戦するのが楽しみだな」

絵里「ほんとにね」


絵里(……矢澤さん。あなたはここで立ち上がれなくなってしまうような、その程度の選手なの?)

絵里(あなたを沈めるのは私の役目。昨年の1勝1敗に決着を付けるためにも──この絶望から這い上がってみせなさい!!)



   ■全国大会 第3回戦 終了


http://i.imgur.com/9pO4EYU.jpg
1451919632-1-レス228-画像
↑第3回戦、全試合の結果
233: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/15(金) 20:31:45.76 ID:XsIsjSol.net
 
    【Genius 12:Ms.パーフェクト】


穂乃果「えっ? 私達の試合って、何時から開始か決まってないの?」

希「そうやで~。初戦から3回戦までは色んな試合が同時進行やったけど、準決勝はたった2つやん?」

凛「なるほどー。だからUTXと藤黄学園の試合が終わった後で、音ノ木と浦の星が戦うんだね」

希「うんうん。そういうこと」

真姫「ちなみに、観客席とかが一番大きなコートを使ってやるみたいね。緊張なんてするんじゃないわよ?」

まこ「が、がんばるよ……っ!」

にこ「…………」

希(いつもうちらの前を堂々と歩んでくれてた部長が、今は下ばっか向いとる。こんな時こそうちがしっかりせな!)グッ


花陽「うぅぅぅ」

ことり「かよちゃんどうしたの?」

花陽「時間がないのぉ!」

まこ「時間?」

花陽「浦の星女学院のことを色々と調べたいんだけど、今は至高のランチタイムっ!」

花陽「昼休憩が終わったら、間もなくUTX対藤黄戦が始まっちゃうし……その試合からは当然片時も目が離せません!!」

花陽「つまり時間があるのは今だけ。こうなったら、プライドも矜持も捨て去り食事しながらノーパソを弄るしか……」

花陽「いやでもそれは大事な大事なご飯への冒涜! そんなことをするわけにはいかないし……ダレカタスケテー!!」


ヒフミ「「「チョットマッテテー!!!」」」


花陽「!?」

ミカ「花陽ちゃん達が試合を頑張ってる間に、浦女について調べておいたよ!」

穂乃果「さっすが~!」

フミコ「といっても、今年度大会におけるオーダーや戦績を調べたくらいだけど……。一応、地区予選から全国大会3回戦までのものをまとめておいたから」ドッサリ

ヒデコ「ごめん、選手個々のデータはちょっとしか集まらなくってさ」

花陽「あ、ありがとうございますっ! 物凄く助かります!!」

穂乃果「それでそれで、浦の星ってどんな学校なの?」

ミカ「それはね──」
234: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/15(金) 20:35:36.45 ID:XsIsjSol.net
 
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. 君のプレイは輝いてるかい?
     (原曲……コートで会おう!  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=yO_6wIT4uDY




  ヒフミ「「「──こんな学校さ!!」」」


浦女一同『『『『『楽しむためのテニス 子供の頃から今まで♪』』』』』

浦女一同『『『『『好きだからこそ 上手くなりたい♪ 忘れるなポリシー♫』』』』』

  ようちかなん「「「Hey!!!」」」

浦女一同『『『『『勝つためだけのテニス 試合をするなら必ず♪』』』』』

浦女一同『『『『『敗北なんか かっこ悪いね♪ 見せるなシンパシー♫』』』』』


浦女一同『『『『『生きてる~意味が そこにはある♪』』』』』

浦女一同『『『『『喜怒哀~楽すべて 感じら~れるー♫』』』』』

浦女一同『『『『『私達の永遠 それはテニスコートさ♪』』』』』

浦女一同『『『『『ねえ君のテニス プレイは 輝いてるか~い?』』』』』
 
235: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/15(金) 20:36:38.29 ID:XsIsjSol.net
 
  ヒデコ「3回戦でシングルス3だったのが渡辺曜。シングルス2が小原鞠莉」

ようまり『『楽しむためのテニス 子供の頃から今まで♪』』


  ヒデコ「ダブルス1を務めていたのが高海千歌と桜内梨子」

  ミカ「この高海千歌って人、2年生なのに浦女テニス部のリーダーなんだってさ!」

りこちか『『好きだからこそ 上手くなりたい♪』』

浦女一同『『『『『忘れるなポリシー♫』』』』』


  ヒデコ「3回戦でダブルス2だったのが、国木田花丸と、スーパーエースの黒澤ダイヤ」

  フミコ「浦女の選出は毎回バラバラみたいだから、オーダーはまさに予測不能だね」

ダイまる『『勝つためだけのテニス 試合をするなら必ず♪』』


  ヒデコ「シングルス1、松浦果南。控え選手、津島善子」

  ミカ「高海千歌・渡辺曜・松浦果南の3人は、昨日穂乃果と東條副部長が会った人なのかな?」

ヨハかな『『敗北なんか かっこ悪いね♪』』

浦女一同『『『『『見せるなシンパシー♫』』』』』


浦女一同『『『『『勝負はいつも 予測不~能♪ 起承転~結だね 物語ぃー♫』』』』』

浦女一同『『『『『スリリングな一瞬 それはテニスコートさ♪』』』』』

浦女一同『『『『『ねえ君のテニス プレイは 輝いてるか~い?』』』』』

浦女一同『『『『『輝いてるかい!?』』』』』

 ~♪      ~♪      ~♪
 
236: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/15(金) 20:41:56.66 ID:XsIsjSol.net
希「あの迷子さん達、まだ勝ち残ってたんやなぁ」

穂乃果「ついにあの人達と戦えるんだ……。うをぉおおおお!! 燃えてきたぁぁぁあああ!!!」

希「ふふ、良かったやん」

ことり(えっ……梨子ちゃん?)


真姫「小原鞠莉……。昨日のあいつ等、やっぱり浦の星の選手だったのね」

穂乃果「知り合いなの?」

凛「うん。ちょこっとだけど」

まこ「この中に自称よはねさんも居るのかな?」

真姫「多分そうなんじゃない? あのムカツク厨二女、思いきりぶちのめしてやるわ!」


ヒデコ「1つ気になったのが、この桜内梨子って名前」

ことり「…………」

フミコ「私達、同姓同名の人と去年同じクラスだったの。まぁその人はもう転校しちゃって音ノ木には居ないんだけど」

ことり(どうして……? テニス部には入らないって言ってたのに)

穂乃果「へぇ~。1年の頃私とことりちゃんはヒデコ達と別のクラスだったし、その人のこと知らないや」

ミカ「ことりちゃんは知ってたりしないの? 仲良さそうに会話してるとこを、見かけたことがあったようななかったような~」

ヒデコ「どっちだよ」

ミカ「覚えてないよ! 桜内さんとはほとんど関わり無かったし、あんま気にしてなかったもん!」

ことり「……去年度までオトノキに居た梨子ちゃんと、同一人物で間違いないと思うよ」

穂乃果「えっ、そうなの!?」

ことり「うん。あの子もテニス上手だったし、たしか……転校先は静岡県って言ってたはずだから」

ヒデコ「そういうことなら、私たちの知ってる桜内さんで間違いなさそうだね」


ことり(梨子ちゃん……)
237: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/15(金) 20:44:50.52 ID:XsIsjSol.net
 
  ×       ×       ×


千歌「ついに穂乃果ちゃん達と試合できるんだ~」ウキウキ!

果南「楽しみだね」

曜「そういえば梨子ちゃんは、音ノ木坂に知り合いや戦いたい相手って居るの?」

梨子「戦いたい相手って言われると困るけど、戦いたくない相手ならやっぱり矢澤先輩かな。遠目にプレイを見たことがあるんだけど何だか怖かったし……」

梨子「あと、ことりちゃんとは友達だよ」

千歌「ことりってあの『音ノ木の天才・南ことり』のことでしょ!? そんな人と仲良いなんて凄いじゃん!!」

ルビィ「どんな人? 天才っていうくらいだから、やっぱりお姉ちゃんみたいにキリリとしてて冷徹な怖い人だったり……」

ダイヤ「……誰が冷徹ですって?」

ルビィ「ひゃああ」ブルブル

梨子「あはは。ことりちゃんは凄く可愛くてフワフワした雰囲気の優しい子だよ。試合中もにこにこしてることが多いし、まるで怖い感じはしないかな」


花丸「オーダー考えないと……」

善子「音ノ木坂の今までのオーダーを見る限り、真姫ってのはダブルスプレイヤーみたいね。ヨハネはこの人と戦いたいからダブルスに出させて頂戴!」

梨子「え、よっちゃんダブルスやるの?」

善子「ムッ。何か問題でも?」

ダイヤ「あなたの破天荒なプレイは、あまりダブルスに向いていなくてよ」

善子「ハァアア!? ヨハネはシングルスでもダブルスでも敵無しなんですけどぉー?」

ダイヤ「そういうセリフは、この黒澤ダイヤに勝ってから口になさい」

花丸「まぁオラが組めば問題ないずら」
238: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/15(金) 20:47:50.10 ID:XsIsjSol.net
鞠莉「あ、今回は私補欠に回るわね」

花丸「なぜ?」

鞠莉「だって全国に来てからずっと試合に出ずっぱりだし、たまには休んだっていいでしょ?」

鞠莉(矢澤にこ以外に負ける気は更々ないけど、唯一プレイスタイルがバレちゃってるから念の為にね。セミファイナルなんだし勝率は少しでも上げてかなくっちゃ!)

鞠莉「それと、ゴールデンペアを倒す作戦を思いついたんだけど──」ヒソヒソ

花丸「……ん」コクリ


  ×       ×       ×


英玲奈「皆、準備は良いか?」

堀「今日はサーブの調子も絶好棟だから任せといて~!」

絵里「私もバッチリよ!」

黒川「ぼちぼちって感じ」

あんじゅ「じゃあわたしもぼちぼちってことで」

石井「精一杯頑張ります!!」

ツバサ「藤黄は去年が黄金期。今年はある程度弱体化してるだろうし、どうせまた私の番まで回ってこないんでしょー?」


ツバサ・黒川・あんじゅ「「「…………」」」グダー

絵里・堀・石井「「「っ!!」」」キリッ!


英玲奈「お前等、もう少し統一感を持ってくれくれないだろうか」


海未(やる気ある人とない人が見事に半々とは情けない……)

海未(いざ試合が始まれば全員燃えるのは分かっているのですが、今の姿はとても他校生に見せられませんね)
239: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/15(金) 20:52:26.88 ID:XsIsjSol.net
絵里「たしかに昨年が黄金期であったことは事実だけれど、当時2年でレジュラーだった門田剣・相川涼・紫藤美咲は今年も健在」

海未「気を抜ける相手ではない、ということですね。今回は控えながら、命一杯応援させていただきます」

ツバサ(私個人は、去年も藤黄に勝ってるし~)


英玲奈「おっと、オーダーが確定したようだ」


  <UTX学院 全国大会準決勝オーダー表>

 ◆シングルス3……絢瀬(3年)
 ◆ダブルス2………統堂(3年)、優木(3年)
 ◆シングルス2……石井(2年)
 ◆ダブルス1………黒川(3年)、堀(3年)
 ◆シングルス1……綺羅(3年)
 ◆控え選手…………園田(2年)


  <藤黄学園 全国大会準決勝オーダー表>

 ◆シングルス3……綾小路(2年)
 ◆ダブルス2………斉木(1年)、紫藤(3年)
 ◆シングルス2……門田(3年)
 ◆ダブルス1………相川(3年)、白瀬(1年)
 ◆シングルス1……黒崎(2年)
 ◆控え選手…………桐原(2年)


http://i.imgur.com/zHlqACO.jpg
1451919632-1-レス239-画像
↑藤黄学園メンバー画像(設楽ふみはマネージャー)


石井(シングルス2、門田剣……。なにこの絶望的な組み合わせ……嘘でしょ!?)ガーン!!

黒川(うわぁ~。準エースの相川涼が相手なの? ヤバそー)
240: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/15(金) 20:54:56.75 ID:XsIsjSol.net
英玲奈「大切な準決勝だ。ツバサ、何か部長らしい一言を頼む」

ツバサ「別に準決勝だろうと決勝だろうと、今までとやることは変わらないわ。無敗で優勝を成し遂げ──あっ」

絵里「どうしたの? 締まらないわね」

ツバサ「えっと、ほら。1敗くらい許してあげるって言っとかないとシングルス2が可哀想かなぁーって」

石井「ゔ……」

黒川「え。1敗までってことは、私達は負けちゃ駄目なの?」

堀「いやいや勝とうよっ!」ビシッ!!

絵里「黒川さんの場合、試合が始まればどうせ負けず嫌いモードになるのでしょう?」

黒川「まーね」

英玲奈「石井の対戦相手は門田剣か……。藤黄の部長にしてエース。そういえば、昨年度の全国大会でうちの元部長を倒したのもこの女だったな」

あんじゅ「でもまぁ勝負に絶対はないんだし、試合前から弱腰になるのはやめましょ? リラックスリラックス~」

石井「は、はい……」

ツバサ「さぁ、とにかく勝ちに行くわよー!!」



審判「それでは只今より、東京・UTX学院と、千葉・藤黄学園の試合を行います」

審判「両チーム共、整列してください」

審判「礼っ!」


   「「「「「よろしくおねがいします!!」」」」」
 
241: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/15(金) 20:59:54.71 ID:XsIsjSol.net
 
 「「「「「勝つのはUTX! 負けるの藤黄! 勝つのはUTX! 負けるの藤黄!」」」」」

  「「「「「勝つのはUTX! 負けるの藤黄! 勝つのはUTX! 負けるの藤黄!」」」」」 


姫乃「UTXのバイブル、絢瀬さんですね? 対戦の程、よろしくお願い致します」ペコリ

絵里「えぇ。よろしくお願いします」

絵里(この威圧的なUTXコールの中、臆することなく真っ直ぐ見据えた視線。単なる鈍感な人なのか、それとも実力に裏付けられた自信の表れなのか……)

姫乃「あなたのような名選手と手合わせ出来て光栄です。しかし負けるつもりはありませんから!」

絵里「こちらこそ負ける気はないわよ?」

姫乃「私は努力で天下を勝ち取る物語が好きです。全国2連覇を成し遂げるためにも、あなたを打ち破ってみせます!!」


審判「ザ・ベストオブ・ワンセットマッチ!」

    UTX学院 絢瀬
       VS
    藤黄学園 綾小路

審判「藤黄サービスプレイ!!」


姫子「たぁ!!」スッパーーン!!

絵里「イィーーー!!!」バッコーーーン!!!


凛「ついに準決勝だにゃー!」

穂乃果「絵里ちゃん凄~い! ナイスリターン!!」

希「んー。でも中々攻めきれん感じやね」

まこ「互いに冷静だしコントロールも抜群、長引きそうな試合だね」


審判「デュース!」


真姫「あの絢瀬絵里と互角にやり合うなんて、藤黄の人は一体何者なのよ?」

花陽「綾小路姫乃選手、2年。身長158cmで血液型はA型。明るく努力家な性格がプレイにも表れてて、力強くも堅実なラリーを得意とするプレイヤーだよ」
242: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/15(金) 21:04:32.48 ID:XsIsjSol.net
絵里「ハァ!!」パーーン

姫乃「…………」フンワリ

絵里「イィィィーーー!!!」スッパーーーン!!!!!


凛「絵里ちゃんのテニスは相変わらずうるさいにゃ」

希「アハハ! それ本人に言ったらどんな反応するか気になるなぁ~」

穂乃果「えっと、『ホー!』がロブで、『イー!』がストロークで……あとは何だっけ?」

花陽「『イー!』はアプローチ。『ホー!』はロブ。『ハァ!』はパス。『フッ!』はドロップ。それぞれのショットに最も適した発声はそんな感じだったと思うよ」


絵里「ハラショーーー!!!」

姫乃「…………」フワッ!

絵里「イーーー!!!」スッパーーーン!!!

姫乃「はっ!」ズバーーーン!!!

絵里(球が急に速く!?)

姫乃(ふふ。時には繊細に、そして時には大胆に! テニスはメリハリが重要です♪)

審判「ゲーム藤黄、1-0。チェンジコート」


絵里(器用なプレイに、ある程度のパワーまで兼ね備えている。更にラリー中の駆け引きまで上手。これはかなりの長期戦になりそうね……)
243: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/15(金) 21:09:46.76 ID:XsIsjSol.net
審判「ゲーム藤黄、2-0」

 審判「ゲームUTX、1-2。チェンジコート」

  審判「ゲーム藤黄、3-1」


千歌「おぉ~。予想外に藤黄学園が押してる!」

鞠莉「それはどうかしら」

千歌「え?」

花丸「本気で走れば追いつけそうなボールも、敢えて追わなかった場面が何度かあったように見えたずら」

千歌「手加減してるってこと?」

鞠莉「ん~、別に手抜きってわけじゃないと思うけどぉー」


審判「ゲームUTX、2-3。チェンジコート」

 審判「ゲームUTX、3-3」

  審判「ゲーム藤黄、4-3。チェンジコート」


ことり「2人共凄く強いね」

穂乃果「まさに大接戦!!」

希「いんや、えりちが優勢……というか多分勝ち確やで」

穂乃果「???」

希「序盤からずっと長い長いラリーの応酬やし、ここまで結構な時間試合してるやろ? でも、こんな試合を続けているのに──」


姫乃「はぁ……はぁ……」

絵里「……フッ」ファサッ

姫乃(さあ、……もう一踏ん張り)ゼェ…ハァ…


希「──ほらな?」

穂乃果「おぉ! 絵里ちゃんはまだまだ元気そう!!」

花陽「決して綾小路選手がスタミナ不足なわけじゃない。なのにここまで余力に差があるのは、きっとペース配分の問題だろうね」
244: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/15(金) 21:15:58.12 ID:XsIsjSol.net
英玲奈(流石はUTXのバイブルだ。全国大会準決勝という大舞台にも臆せず、常に普段通りのパーフェクトな試合運びをみせている)

英玲奈(相手も浅慮なわけではないが、今まで踏んできた場数がまるで違う)


絵里「フッ!」チョン…

姫乃「っ!!」スタタタッ パーンッ!!

絵里「ホォーーーーーーー!!!」ポーーーーン!!


ダイヤ「高所からガクリと落ちるトップスピンロブ。巧みな技ですわね」

ルビィ「しかもバックラインギリギリっ!!」

果南「こんな長い試合の終盤。心身ともに消耗しているだろうに、この抜群なテクニック。恐ろしいメンタルの強さだ」

曜「ああいうコントロール見習わないとなー」


絵里「ハラショーーー!!!」ズッバァァーーーン!!!!

審判「ゲームセット! ウォンバイUTX、絢瀬。6-4」


凛「あにゃぁぁぁあああ!!!」

穂乃果「絵里ちゃんカッコイイーー!!!」

希「ヨっ! バイブル!! Ms.パーフェクト!!!」


絵里(……観客席からの声援が恥ずかしいのだけれど)


姫乃「あぁ……負けちゃいました……」

絵里「良い試合をありがとう」スッ

姫乃「……ありがとうございましたっ!」ギュ!
245: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/15(金) 21:17:32.51 ID:XsIsjSol.net
 
英玲奈「さっ、絵里の勝利に続くぞ!!」

あんじゅ「はぁ~い」


 「「「「「勝つのはUTX! 負けるの藤黄! 勝つのはUTX! 負けるの藤黄!」」」」」

  「「「「「勝つのはUTX! 負けるの藤黄! 勝つのはUTX! 負けるの藤黄!」」」」」 


美咲「次の的球はUTX! なーんちゃって♪」

風「よーし! 今日も走りまくるぞー!!」


あんじゅ「うふふ」

英玲奈「いざ尋常に……勝負ッ!!」

 
249: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 00:13:41.04 ID:4OOoimI/.net
 
    【Genius 13:宣戦布告】


審判「ザ・ベストオブ・ワンセットマッチ!」

   UTX学院 統堂&結城
       VS
   藤黄学園 斉木&紫藤

審判「UTXサービスプレイ!!」


英玲奈「ふんっ!」スパーーン!!

風「ほ!」パコーーン

  スパーン! パコーン ドーン! ポーン スッパーン! パコーン! パーンッ!! バッコーーン!!

英玲奈(よし。前衛、紫藤美咲の脇が少し開いた。狙い撃つ!)スッ…

英玲奈「……アデュー!!」シュピンッッッッッ!!!!

美咲「わあっ!?」

風「まっかせろぉぉぉおおおーーー」シュタタタタタターーーーーッ!!!

英玲奈「なにィ!?」


あんじゅ(あらら。逆サイドに居た後衛が、英玲奈の“レーザービーム”に追いつくなんて……)


穂乃果「うわっ、何今のスピード!?」

真姫「凛より足速いんじゃない?」

凛「カッチーン」
250: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 00:16:34.75 ID:4OOoimI/.net
ことり「さっきの綾小路さんも凄かったけど、今度の人も凄いね~」

花陽「斉木風選手、1年。身長162cmで血液型はO型。アスリート気質で、卓越した足の速さとスタミナを持つ後衛型の選手です」

花陽「どんな打球にも追いつき延々と打ち返してくるその異様な持久力から、“4つの肺を持つ女”なんて呼ばれたりもしてるみたい」

まこ「4つの肺……」

凛「で、でもでもっ! 凛の方が遅いなんてことはありえないよね!??」

花陽「ん~~。単純な足の速さなら負けちゃってるんじゃないかなぁ?」

凛「そんなーーー!!」ガーン!!

花陽「大丈夫だよ。ネット際でボールの方向を瞬時に判断して、左右に跳びつく速度なら勝ってるから」

花陽「それに凛ちゃんの場合、ただ足が速いだけじゃなくって私の先読みで初速がかなり有利になるし」

凛「なぁ~んだ。かよちんと一緒の状態で勝てるなら何の問題もないにゃ!」

真姫「だとしても、普通の足の速さが凛以上っていうのはとんでもない後衛ね」

花陽「うん」
251: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 00:20:31.44 ID:4OOoimI/.net
まこ「じゃあ、あの前衛はどんな人なの?」

花陽「紫藤美咲選手、3年。身長167cmで血液型はAB型。その長身も驚異的ながら、1番注目すべき点は──」


美咲「ほいっと!」パコンッ!

あんじゅ「え?」

英玲奈「んなっ!?」

英玲奈(昨年から知ってはいたが、なんて急角度なボレーなんだ! こんなショット打たれたらもう終わりじゃないか!!)


花陽「──非常に角度をつけた難易度の高いボレーを、的確に決めてくるそのコントロール力ですっ!」


美咲「ふふ。天才的ぃ☆」

審判「ゲーム藤黄、1-0。チェンジコート」


英玲奈「…………」クッ…

絵里「キツそうね」

英玲奈「それはそうだ。紫藤美咲のアタッカーとしての実力はあんじゅ以上。そしてあの斉木風とかいう1年、新人の癖して私以上の守備力ときている」

絵里「紫藤さんは攻撃専門で斉木さんは守備専門。裏を返せば、前衛の守備力ならあんじゅが勝っているし、後衛の攻撃力なら英玲奈の方が上よ?」

英玲奈「そんなことは分かっている。だが、後衛が守り前衛が攻めるのがダブルスの基本だからな」

英玲奈「無理に私が攻めたりあんじゅに守らせたりしたところで、あまり良い成果は生まれんだろう」

あんじゅ「じゃあ、たまには変わったことでもしてみる~?」カミノケ クルクル

英玲奈「ふむ……」
252: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 00:29:47.99 ID:4OOoimI/.net
風(2ゲーム目もいただいちゃうよっ!)パコーーン!

英玲奈(大したことないサーブだな。球威で押し切る!!)ズバァーーン!!

風「うを……」パコーン

英玲奈(今だ!)スタタタッ

美咲(後衛が前に!?)

英玲奈「ハァ!!」ドーーーン!!

英玲奈(その俊足を持ってしても、2人がかりの攻めには対応しきれまい!)


千歌「おぉ~ダブルポーチ!」

梨子「あ、今度は優木さんが下がってダブルバック……」

鞠莉「ふぅ~ん。攻めと守りが極端に二分化されている藤黄のペア相手に、同時に攻めたり守ったりして掻き乱そうってわけね」


あんじゅ「リズムに乗るわ」タン…タン… スタタタッ

英玲奈(紫藤美咲にあの恐ろしいボレーを打たせるわけにはいかない以上、どうにかして後衛を打ち破る他ない)

あんじゅ「リズムを上げるわ!」シュタタタタッ!

英玲奈(ダブルポーチでゴリ押す。もしくは逆にダブルバック。いくらとてつもない守備力とはいえ、2人で守りに徹すればこちらに分がある)


希「スプリットステップからのリズムアップ。“まこちゃんのテリトリー”をやってる時の真姫ちゃんやね」

真姫「相変わらず嫌な物真似テニスね」

凛「オトノキの選手は個性的だから真似しやすいのかにゃ?」


美咲(ついさっきまでダブルバックだったのに、またダブルポーチ!?)

あんじゅ「ほいっと!」パコンッ!

風(急角度なボレー……追いつけないッ!)ズサァァァーーー

あんじゅ「ふふ。天才的ぃ☆」

審判「ゲームUTX、1-1」
253: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 00:33:13.64 ID:4OOoimI/.net
英玲奈(フッ。1度あんじゅを乗せてしまえばこちらのものだ!)

あんじゅ「っ!」バコーーン! シュルルル


まこ「お、スピンサーブ」

真姫「よくあるサーブだけど、これも誰かの真似だったりするのかしら?」


あんじゅ「一本……」ピョーーン

あんじゅ「……集中!!!」ズバーーーン!!


希「スピンサーブに引き続き今度はジャンピングサーブ。ってことは東雲の模倣やろか?」

穂乃果「そっか。都大会の準々決勝で、UTXは東雲と戦ってるんだもんね」

凛「レギュラー温存とかいう舐めたマネして準々決勝で負けたとか、ちょっとダサくないかにゃー?」

花陽「あ、あれは舐めプとかじゃないよぉ。あの作戦のせいで、UTX正レギュラーのデータが中々取れなくて大変だったんだから……」


審判「ゲームUTX、2-1。チェンジコート」


英玲奈「……アデュー!!」シュピンッッッッッ!!!!

風(追いつけるっ!!)シュタタタタッ! パコーーン!!

あんじゅ「……アデュー!!」シュピンッッッ!!!

風「くぅっ!」ダダダッ


英玲奈(ダブルバックから2つのレーザー。どれだけ足や体力に自信があろうと、追い続けるのに限界が来るはずだ)フッ…

あんじゅ(相手の体力が尽きて来たら、またダブルポーチで攻め立てようかしらぁ~?)
254: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 00:35:54.39 ID:4OOoimI/.net
ルビィ「……藤黄の後衛さん、かわいそう」

善子「さっきから左右に走らされてばっかりね。まぁあの狂気溢れるボレーは打たれたくないだろうし、前衛を避けるのは当然だと思うけど」

ダイヤ「あの如何にもスタミナがありそうな後衛相手に持久戦を挑み、その上で優位に立つあたり、UTXは非常に侮れない学校ですわね」

ルビィ「それにさっきから周りがざわついてる様な……。そういえば、マルちゃんの持ってた雑誌に優木さんのことが書かれてたよね?」

花丸「うん。多彩な技真似で相手を翻弄。その美貌とプレイスタイルで会場を盛り上げるとか……たしかそんな感じだったずら」

鞠莉「優木あんじゅの美貌と次々に様変わりする派手なプレイはスタンドを魅了する。もう会場はUTX応援モードだし、藤黄はアウェイでさぞかし戦い辛いでしょうね~」

善子「まさにチャームってわけね!」


審判「ゲームUTX、5-3」


あんじゅ「ウフフ♪」

風「ぜぇ……はぁ……」

美咲(風がこんなに疲れるなんてこと初めてだわ。フォローに回りたいけどそんなことしたら攻め手がなくなるし、どうしたら……)

英玲奈(疲労。そしてあんじゅの“フルハウス”によるプレッシャー。もう勝負は見えたな)


あんじゅ『あなたを惑わすー わたしのフルハウス♪』

あんじゅ『大衆に戸惑うあなたを 翻弄してあげるぅ~~~♫』

あんじゅ『どこを見てるのわたしはここよッ!』

  あんじゅ「……完っ全にフルハウス♡」


審判「ゲームセット! ウォンバイUTX、統堂・優木ペア! 6-3」
 
255: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 00:37:02.01 ID:4OOoimI/.net
鞠莉「エクセレンっ☆ 見応えある試合だったわ!」

花丸「うん」

善子「ヨハネだって観衆を魅了することくらいできるしぃー!」ツーン!

ルビィ「あれ? いつの間にか4人居なくなってる?」

ダイヤ「あぁ、彼女達なら──」



審判「ザ・ベストオブ・ワンセットマッチ!」

    UTX学院 石井
       VS
     藤黄学園 門田

審判「藤黄サービスプレイ!!」


剣「自分まで負けるわけには……」グググ…

剣「いかない!!」スパァン!!

石井(速いっ! でもこれくらいなら、部長や絢瀬先輩のサーブで慣れてる!!)パコーーン!

剣「さあ、行くぞ!」スッ…

石井(出た……居合の構え)

剣「はぁぁぁあああッ!!」シュンッッッ!!!

石井「っ!?」

石井(は、早すぎる……!!)
256: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 00:39:35.93 ID:4OOoimI/.net
ことり「藤黄の部長さん、やっぱり凄い……」

穂乃果「去年の大会でも大活躍だったもんね!」

凛「へぇー。凛はあんまり知らないにゃ」

花陽「門田剣選手、3年。身長165cmで血液型はA型。抜刀術の要領で抜き放たれるバックハンドはまさに神速! 非常に攻めの上手いアグレッシブベースライナーです」


剣「ッ!!!」シュンッッッ!!!

審判「ゲーム藤黄、1-0。チェンジコート」


花陽「ちなみに実家は神社なんだって。たまに巫女さんとしてお手伝いしてることもあるみたい」

真姫「なんでそんなテニスに関係ないことまで知ってるのよ」

花陽「関係なくないよ。真姫ちゃんの聴覚や穂乃果ちゃんの“サムライサーブ”みたいに、その人の生い立ちや経験がプレイのルーツになってる場合も珍しくないし」

ことり「海未ちゃんの“演舞テニス”も、まさにそんな感じだよね」

真姫「む。たしかに言われてみればそうね」

まこ「門田剣さんの場合、剣道……じゃなくて抜刀術だから、本物の日本刀使って居合斬りとかしてるのかな?」

花陽「うん。園田さんみたいに、色々と和風なものを嗜んでいるみたい」

穂乃果「海未ちゃんも門田さんも剣道部に入ればもっと凄かったんじゃない?」

希「その辺は突っ込んじゃアカン……」
257: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 00:41:43.06 ID:4OOoimI/.net
 

  「あっ! 穂乃果ちゃん!! 希さ~ん!!」トテトテ


希「おぉっ!?」

穂乃果「あ! 千歌ちゃん達だ!!」

千歌「やっぱりここに居たぁー!」

梨子(高坂穂乃果さんってこの人か。どこかで聞いたことある名前だと思ったら、よくことりちゃんと一緒に居た人だったんだね)

凛「どうしてここに!?」

曜「さっき声が聞こえた気がしてさ、来ちゃった!」

希「あぁ~。多分えりちを応援してた時の事やね」

果南「あなた達が音ノ木レギュラーだってことは今日になって知ったんだけどさ、そんなの予想外過ぎて驚いたよ」

希「そりゃお互い様やね。まさか準決勝で戦うことになるなんてこっちも思っとらんかったし」

千歌「負っけませんからねー!!」

穂乃果「こっちこそ!!」

希(お~お~。いつになく燃えとるなぁ)
258: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 00:43:01.69 ID:4OOoimI/.net
ことり「…………」

梨子「……久しぶり」

花陽(この人が桜内梨子さん?)

ことり「久しぶり。テニス部、入ったんだね」

梨子「うん。最初は美術部にでも入るつもりでいたんだけど、ちょっと色々あって。ことりちゃんに誘ってもらった時は断っておきながら、なんかゴメンね?」

ことり「ん、気にしないで」


ことり「……ねぇにこちゃん。ちょっと席外して良いかな?」

にこ「ん? 半年振りの再会程度じゃそこまで積もる話もないだろうし、UTXと藤黄の試合が終わるまでに戻ってくるならどこ行ってても構わないわよ」

にこ(ぶっちゃけにこと花陽さえ観察しときゃ問題ないだろうし)

ことり「ありがとぉ! さっ、梨子ちゃん行こ?」グイッ

梨子「えぇ!? ちょ、急になんなの!??」

ことり「いいからいいから~」グイグイ

   タッタッタッ!

穂乃果「……行っちゃった」

千歌「梨子ちゃんが拉致られたぁ!!」



剣「…………」スッ…

剣「はぁぁぁあああッ!!」シュンッッッ!!!

石井「ぐっ!」

審判「ゲーム藤黄、3-1」
259: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 00:51:49.82 ID:4OOoimI/.net
 
  ×       ×       ×


ことり「この食堂のパンケーキ、凄く美味しいよね~! んん~~~、しあわせぇ♡」パクリ!

梨子「えっと……さっきお昼食べなかったの?」

ことり「食べたよ? でもデザートは別腹なのっ!」

梨子「ことりちゃんは変わらないなぁ」

ことり「ううん、変わったよ。すっごく変わった。……梨子ちゃんは?」

梨子「さぁどうだろ。最近、前よりは真面目にテニスをやってる気はするけど……」

ことり「梨子ちゃんもそうだったんだねっ! 実はことりもそんな感じなの」

梨子「団体戦って嫌なイメージがあったけど、やってみると全然違った」

梨子「自分のためのテニスなら楽しめればそれでいい。けど、団体戦では皆のために頑張ろうって思える」

ことり「チームのために頑張る。それが梨子ちゃんの見つけた答えなんだね」

梨子「……うん。ことりちゃんは? 今、なんのためにテニスをしてるの?」

ことり「秘密です♡」

梨子「ズルイなぁ」

ことり「えへへ。ことりに勝てたら教えてあげる」

梨子「負けるなんて微塵も思ってないくせに」

ことり「ふふ、そうかも。別に梨子ちゃんを舐めてるんじゃなくて、誰と戦うことになっても負けるつもりはないから」
260: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 01:05:33.02 ID:4OOoimI/.net
梨子「……ちょっとビックリ。本当に変わったんだね。昔のことりちゃんは、強いのになぜか自分に自信がなかったっていうか……勝利宣言なんて初めて聞いたよ」

ことり「もうすぐ3年生は部活引退。そしたらことりがエースだから、絶対に負けちゃいけないの」

梨子「そうなの? エースだって人間なんだから、負ける時は負けるのが普通じゃない?」

ことり「えっと、にこちゃんの受け売りなんだけどね。エースが絶対無敵ならそれはチーム全体の自信や安心感に繋がるから、勝ち続けなきゃいけないんだって」

ことり「もちろん負けることのない人なんて居るわけないし、あくまで心構えの問題なんだろうけど……」

梨子「だとしても、そんなことを想いながら試合に挑むなんて矢澤先輩は凄いね。物凄い重圧だろうし、何より負けた時凄く辛そう」

ことり「そうだね。だから今にこちゃんは、人一倍傷ついてるんだと思う。そういうわけで、現在ことりはいつも以上に負けられないんだぁ」

梨子「ふぅん。でも私だって……少なくとも、私の知ってることりちゃんよりは強い自信があるよ」

ことり「ことりに勝つのはまだ早いよ。なんちゃって♪」

梨子「あはは、怖いな~」


梨子「……これ以上一緒に居ると本気でやり辛くなっちゃいそうだし、そろそろ千歌ちゃん達の所に戻っていい?」

ことり「うん。ついつい長話ししちゃってごめんね? 久しぶりに梨子ちゃんとお話しできて、凄く楽しくなっちゃった♡」

梨子「ありがと。それじゃあ、また後で!」

ことり「うんっ」



ことり「……」

ことり「…………」

ことり(チームのために戦う、かぁ。新しい学校で、自分の本当の居場所を見つけ出したんだね)
261: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 01:19:18.90 ID:4OOoimI/.net
 
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. はんどい~ん♡は~んど
     (原曲……Hand in Hand  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=LwD5VJhZ7R0




ことり『人はいつでも1人 だから友を求める♪』

ことり『さりげない優しさで 繋がる喜び はんどい~ん♡は~んど♫』

ことり『君は今誰かと 時を分かち合っているのか♪』

ことり『君は今どこかに 自分の場所を見つけ出したのかー♫』


ことり『人は孤独を知って 初めて愛感じる♪』

ことり『何気ない一言で 消えさる寂しさ はんどい~ん♡は~んど♫』


ことり『ことりはー ここに居るよぉー いつだってぇ~♪』

ことり『ことりはー 側に居るよぉー どんな時だってぇ~♫』

ことり『もしー 明日へー 辿り着けない~のなら~♪』

ことり『さぁ 手を伸ばしてごらん はんどい~ん♡は~んど♫』

ことり『さぁ 手を伸ばしてごらん は~んどい~ん♡はぁ~~~んど♪♪♪』

 ~♪      ~♪      ~♪


ことり「ふふ。梨子ちゃんが元気そうで良かったぁ」

ことり「楽しみだな……準決勝っ!」
 
266: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/17(日) 20:39:50.30 ID:uiqZ4cqn.net
 
    【Genius 14:不吉な予兆】


鞠莉「あのUTXの子、ナイスファイトね~」

ルビィ「ここまで一方的にやられてるのにまだ諦めてないね!」


石井「だぁぁぁあああーーーーー!!!!!」ズバァーーーン!!

剣(その不屈の精神に敬意を表し、最後までこちらも全力を尽くそう!)スッ…

石井(またアレが来る!!)

剣「はぁぁぁあああッ!!!」シュンッッッ!!!

石井「ぐあっ……」


審判「ゲームセット! ウォンバイ藤黄、門田。6-2!」


千歌「うわぁ~これが全国優勝校の力かー!」

希「去年の藤黄はもっと凄かったんよ?」

曜「うひゃ~……」

果南「今でも十分凄いのに、これ以上か。……凄まじいね」


梨子「ただいま」

曜「あ。おかえりー!」

千歌「大丈夫だった? カツアゲとかされなかった!?」

穂乃果「ことりちゃんがそんなことするわけないよ! 優しいもん!!」

梨子「あはは。カツアゲとかはされなかったけど、優しくはなかったかなぁ」

穂乃果「えっ?」

曜「ケンカでもしたの?」

梨子「喧嘩ではないけど、互いに宣戦布告……みたいな。似合わない真似しちゃった」

穂乃果「互いにか~。ことりちゃんが宣戦布告っていうもあんまり想像つかないや」


梨子(ことりちゃんの試合にかける想いや気迫、とっても伝わってきた)

梨子(私も……本気になれるかな?)
267: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/17(日) 20:41:31.35 ID:uiqZ4cqn.net
 

石井「うぅぅぅ……」シュン…

ツバサ「どんまいどんまい」

絵里「お疲れ様。良い粘りだったわ」

英玲奈「あぁ。負けてしまったものの、ベストは尽くせていたさ」


黒川「さぁーて、後輩の尻拭いと行きますか!」

堀「うん! 頑張るっ!!」



剣「ふぅーいい汗かいた。あと2勝、頼んだよ!」

小雪「はい! 勝ってみせます!」

涼「ワタシと雪ちゃんのコンビネーションなら、そこらのペアに遅れはとらないとも」

小雪「涼ちゃん。今日もよろしくね?」

涼「もちろんさ。コートはひとときの夢、テニスはエンターテインメント! さぁ、いざ舞台へ!!」ザッ!


   ワーーー!!  カッコイイーーー!!!  リョウサマーー!  ガンバッテーーー!!


審判「ザ・ベストオブ・ワンセットマッチ!」

   UTX学院 黒川&堀
       VS
   藤黄学園 相川&白瀬

審判「UTXサービスプレイ!!」
 
268: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/17(日) 20:43:48.75 ID:uiqZ4cqn.net
黒川(出だしからアレ決めちゃえ!)

堀「…………」コクリ

堀(あらゆるエナジーを……チカラに変えるっ!!)ビュウンッッッッッ!!!!!

小雪「え???」キョトン

審判「15-0」

小雪(まるで体が動かなかった。剣先輩のバックハンド以上のスピードだなんて……嘘でしょ!?)

涼「凄まじい球速だ……。反応すらできなくとも、今のは仕方ないさ。徐々に目を慣らしていこう」

小雪「うん!」


凛「相変わらず嫌なサーブだにゃ」

千歌「なんだかダブルス2の時並に会場が盛り上がってない?」

穂乃果「だね」

花陽「相川涼選手が原因だと思います。あの人は非常に人気の高いプレイヤーですから」

千歌「言われてみれば、昨日読んだ雑誌にもそんな感じの事が書かれてたような……」

梨子「たしかにカッコイイね。なんていうか、少し宝塚っぽい雰囲気?」

曜「あ、ちょっと分かるかも!」

まこ「スター選手ってやつなんだね」
269: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/17(日) 20:46:09.47 ID:uiqZ4cqn.net
希「で、実力の程はどんな感じなん?」

花陽「相川涼選手、3年。身長168cmで血液型はAB型。藤黄学園の2番手でオールラウンダー。苦手なプレイも特になく、そのスター性に恥じぬ実力者です」

果南「そのわりにはかなり苦戦してるっぽいけど? 早くも1ゲーム終わりそうだし」

花陽「如何に相手に気持ちよく打たせないかが重要なテニスという競技において、サーブは唯一誰にも邪魔されることなく出来るプレイです」

花陽「UTXの堀選手は、そのサーブを最も武器にしている人ですから」

真姫「さっきのサーブ、前より更に速さ増してない?」

花陽「うん。もしかしたら今大会の最速記録かもしれないね」

花陽(それに……)


審判「フォルト」

堀「……っ!!!」ビュウンッッッッッ!!!!!

小雪「うっ……」スカッ!

黒川「ないすぅー!!」

審判「ゲームUTX、1-0。チェンジコート」


花陽(……やっぱり。今の1ゲームでフォルトはたったの2回、ダブルフォルトは無し)

花陽(あの“FLAREサーブ”、私達と戦った時に比べて速度だけでなく精度まで上がってる!!)
270: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/17(日) 20:49:56.63 ID:uiqZ4cqn.net
梨子「えっと、小泉花陽ちゃん……だっけ? あの小さな後衛の解説もしてもらっていいかな」

花陽「お任せ下さい!」

花陽「白瀬小雪選手、1年。身長147cmで血液型はB型。体が柔らかく小技の器用なカウンターパンチャー」

花陽「相川涼選手とは昔からとっても仲良しで、公私共に最高のコンビネーションなんだそうです」

果南「準エースと仲が良いからって、それを理由に名門校のレギュラーは勝ち取れないよね」

花陽「もちろん。パワーにも体格にもまるで恵まれていないプレイヤーですが、それを補って余りあるのが──」


小雪「えい!」ポーーーン

黒川(はいはい、アウトアウト。あからさまにコース狙いすぎだっての)

審判「オンザライン。15-0」

堀「ゔぇぇえ!?」

黒川「……マジ?」


花陽「──針の穴を通すようなコントロール力」

梨子「ライン上……」

千歌「す、凄い……っ!」

花陽「その精度に限定して云えば、紫苑のスナイパー・音ノ木の魔法使い・UTXのバイブルすら凌ぐ、今大会ナンバー1の選手です」


審判「ゲーム藤黄、1-1」

小雪「やった!」キャッキャ!

涼「流石は雪ちゃんだ!」
271: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/17(日) 20:53:31.91 ID:uiqZ4cqn.net
黒川(あぁ~今度は私がサーブの番か。別に苦手なわけじゃないけど、流れ断ち切るようなビッグサーブは打てないからなー)スッパーーーン!

小雪「えい!」ポーン

堀(どれだけコントロールが良くても、こんなに遅い球なら追いつけ……コースが際どすぎて追いつけない!?)ダダダッ

黒川「はぁ……」

黒川(決勝まで温存しておきたかったけど、ここで負けるわけにもいかないししゃーないか)

黒川(……──疾きこと風の如く!)スゥゥゥッ…

小雪「!?」

涼「いつの間にッ!」

黒川「ハァ!!」ズバーーーン!!

審判「15-0」


ツバサ「おぉ! この前絵里が言ってた“新・ダンス殺法”っていうのは今のやつ!?」

絵里「えぇ。特殊なステップから成る、まるで瞬間移動めいた歩法よ。踊りには自信のある私やあんじゅにすら真似のできない芸当だわ」

あんじゅ「前々から舞う様な動きをしてたけど、より磨きがかかった感じね」

英玲奈「それに堀のサーブもかなり安定してきた。これなら、決勝では『例の作戦』を決行できそうだな」

海未「はい。こちらも準備万端です!」


黒川(ゴールデンペアにリベンジするための秘策だったんだけど、1回見せちゃった以上もういいや~)

黒川(──疾きこと風の如く!)スゥゥゥッ…


千歌「またさっきの凄い動きだ!」

花陽「こ、こんなのデータにありませんっ」

凛「うぬぬぬぬ……」


  ──凛ちゃん以上に跳べちゃうのぉ!?

  ──すんごいキレッキレの動きだにゃ……

  ──もっと跳んでみも☆

  ──うにゃっ


凛「あの時以上の身の熟しなんて認められないわぁ!」

花陽「アハハ……」
272: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/17(日) 20:57:35.33 ID:uiqZ4cqn.net
 
審判「ゲームUTX、2-1。チェンジコート」


 審判「ゲーム藤黄、2-2」


  審判「ゲームUTX、3-2。チェンジコート」


ツバサ「4ゲームに1つは堀のサーブで絶対取れる。あとは3ゲーム中1ゲームどうにかすれば、何があっても負けようがないわね」

英玲奈「逆に言えば、他3ゲームを全て取られてしまえば負けるということだ。あの相川涼がこのまま素直に敗れてくれるとは到底思えん」


堀「たぁ!!」ズバーーン!!

涼「雪ちゃん、ワタシに任せて!!」タタタタッ

小雪「うんっ」

涼「ハッ!!」ドカーーーン!!!

審判「ゲーム藤黄、3-3」


堀(この人、パワー・スピード・テクニック、全てが凄い……)

黒川(でもそういう奴とは今まで何度も戦ってきてるんだよねぇ。こっちにもパーフェクトな人居るし)

黒川「ふっ!!」クルクルッ バコーーン!! シュタッ

小雪(さっきからその身軽な動きはなんなの!?)

審判「ゲームUTX、4-3。チェンジコート」

黒川「…………」チラリ

黒川(猫ちゃん見てるー? フフフ、これがプロ級のアクロバットだよ)ドヤァ!


凛(……なんかむかつくにゃ)
273: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/17(日) 21:04:57.88 ID:uiqZ4cqn.net
涼「ハァッ!!」ドカーーーン!!!

黒川(うわ、スマッシュも強っ!)

審判「ゲーム藤黄、4-4」


堀(あらゆるエナジーを……チカラに変えるっ!!)ビュウンッッッッッ!!!!!

涼「くっ!」

審判「ゲームUTX、5-4。チェンジコート」


小雪(追い詰められた……。でも! 諦めない!!)ポーーーン

黒川(アウトに見えるけど……どうせあなたのボールはネット上に落ちるんでしょ? だったらどこに打たれようが追うまでっ!)

黒川(──疾きこと風の如く!)スゥゥゥッ… パコーーン!!

小雪(速い選手との手合わせは、風ちゃん相手で慣れてます!)ポーーーン

黒川(あぁ~。この距離は流石に無理だわ)

黒川「もう動くの疲れたから任せるねー」

堀「あぁもう!!」ダダダダダダッ!!


花陽(堀選手はサーブばかり注目されがちですが、決して他がダメというわけではありません)

花陽(ダイナミックで激しい動きを得意とした攻撃的なプレイヤー。そもそもサーブが得意ということは、上から打ち下ろす動作が上手なわけで……)


堀「ワーーーーンダッフォォォォォオオオオオ!!!!!」ドガァァァァーーーーーン!!!

小雪「きゃあ!!?」

涼(限りある人生! 諦めてしまうなんて勿体ない! 最後の瞬間まで、抗ってみせるさ!!)ダッ!!

堀(嘘!? 今のスマッシュに追いつかれるなんて!!)
274: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/17(日) 21:06:43.11 ID:uiqZ4cqn.net
涼「はぁぁぁぁああああああーーーーーー!!!!!!」

   バシィィィィィン!!!!! カランカラン…

涼「くっ……」

小雪「涼ちゃん!?」

涼(力には自信があったんだが……まさかラケットを弾き飛ばされるなんてッ)

小雪「大丈夫っ!?」

涼「なんとかね……。ゴメン、負けてしまったよ」


黒川「あっぶなー」

堀「よ、よかったぁ~~~……」ヘタリ…


審判「ゲームセット! ウォンバイUTX、黒川・堀ペア。6-4」


英玲奈「かなり危なっかしい展開だったな」

絵里「そうね。2人の体力は非常に削られていたし、今のスマッシュを返されていたらそのまま逆転されていた可能性は大いにあるわ」

ツバサ「何はともあれ勝ちは勝ち! 勝ち誇りましょ!」

あんじゅ「うふふ。その通りね~」



審判「以上により、3勝1敗でUTX学院の勝利です」

審判「両チーム共、整列してください」

審判「礼っ!」


  「「「「「ありがとうございました!!」」」」」ペコリ!
 
275: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/17(日) 21:08:55.33 ID:uiqZ4cqn.net
 

審判「続きまして、静岡・浦の星女学院と東京・音ノ木坂学院の試合は、只今から1時間後に開始致します」

審判「両行の代表者は、30分以内に本部までオーダーを提出して下さい」


  ×       ×       ×


にこ「あんた今まで何してたのよ」

ことり「ごめんねぇ。パンケーキ食べたから、そのまますぐに試合してお腹痛くなっても困るし、食後の軽い運動してたら遅くなっちゃった」テヘッ

にこ「はぁ……。まぁいいわ。全員揃ったことだし、花陽、任せたわよ」

花陽「はい! お任せあれ!」

花陽「……って言いたいところなんだけど、今回は正直、事前に策を練りようがありません」

まこ「ヒデコ先輩達が集めてくれたデータによると、たしか浦女のオーダーは毎回バラバラで予測不能なんだっけ?」

花陽「そうなの。でも1つだけ相手のオーダーで決まっている点を発見したよ」

穂乃果「おぉ!」

花陽「地区予選から今日の試合に至るまで、国木田花丸という選手はダブルスにしか出場していないの」

花陽「もっともペアは毎回バラバラだし、他7人がまるで読めない以上あんまり意味はないんだけどね」

花陽「と、いうことで……」チラリ…

希「…………」コクリ
276: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/17(日) 21:12:18.22 ID:uiqZ4cqn.net
 

希「うちに任しとき! 今日はうちが名誉監督やぁー!!」ドン!!


真姫「イミワカンナイ」

花陽「考えても答えが出ない以上、希ちゃんのスピリチュアルに賭けてみるのも悪くないかなって」

穂乃果「いいねぇ面白そう! 希ちゃんの占いは結構当たるし!!」

希「おっ! 良いこと言ってくれた穂乃果ちゃんには、輝かしき先鋒の座をプレゼント!」

穂乃果「ワーイ!! シングルス3だ!」

にこ「ちょっと希、ふざけんじゃないわよ」

希「ふざけとらんよ? 午前中は補欠で体力有り余ってるやろうし、今まさに燃えてる穂乃果ちゃんに出だしを任せて景気付けるのは悪くない案やと思うけど」

にこ「理由があるならちゃんと言いなさいよね」

希「わかったわかった。シングルス2、ことりちゃん! 理由は……そうするのがええって、カードがうちにそう告げたんや」ドヤ!

希「あ、大将は考えるまでもなくにこっちね。理由は特になし!」

にこ「…………」

にこ(まぁなんとなく察しはつくけど……)


にこ「希……心配かけて悪いわね」ボソリ…

希「ん、気にしなくてええよ。いつも部長任せやし、たまにはうちも副部長らしくしっかりせんとね」ヒソヒソ


希(勢い任せに見せかけてこのオーダー、実はうちと花陽ちゃんにより色々考えられとる)

希(シングルス3はさっき述べた通り。シングルス2は、自分が出るよりことりちゃんに任せた方がええやろ。最近ノリにノッてるしね)
277: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/17(日) 21:15:23.65 ID:uiqZ4cqn.net
希(でもってにこっちを最後に回したのは、今のコンディションでなるべく戦わせたくないから)

希(控えに回そうかとも思ったけど、たとえ弱った状態であってもうちや穂乃果ちゃんより強いやろうからにこっち補欠案は無しや)


希「んで、問題は2つのダブルス」

凛「問題?」

希「さっきタロットで占ってみたんよ。その結果……まずダブルス1の占いで引いたんが、『塔』のカードの逆位置」

まこ「塔ってかなり良くない感じのカードだよね」

穂乃果「まこちゃんもタロット詳しいの?」

まこ「特別詳しいわけじゃないけど、テレビや雑誌の占いコーナーは結構好きだよ! タロット占いの場合、逆位置だと意味が逆転するから~……」

凛「凄く悪いカードの反対ってことは、凄く良いことが起きるんだね! やったにゃ!」

まこ「多分そのはず!」

希「残念でした~。基本的にはまこちゃんの説明通りなんやけど、この塔のカードだけちょっと特殊なんよ」

希「正位置だと凄くネガティブな感じで、逆位置なら少しネガティブな意味合いって感じやん?」

真姫「ニワカ晒したわね」

まこ「うぅ……///」
279: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/17(日) 21:19:02.23 ID:uiqZ4cqn.net
希「意味は色々とあるんやけど、テニスの試合に当てはめて説明するなら……緊迫、突然のアクシデント、不幸、無念、屈辱って感じやろか」

ことり「それでも正位置よりはマシってことなんだよね?」

希「せやで。そんでダブルス2の占いで引いたのが、『死神』のカードの正位置。意味は破滅・損失・失敗・災難・危険とか……そんな感じや」

花陽「ぴゃあ……」

真姫「何よそれ、どっちも同じようなものじゃない。占いなんて信じてないから別にどうだっていいけど」

ことり「負傷者が……出ないといいけど……」

凛「凛はいい結果の時だけ信じて、悪い占いは気にしないことにしてるよ!」


希「じゃあまこちゃんと花陽ちゃんが好きな方を選んでええよ」

まこ「…………」

花陽「…………」

まこ「……どっちがいい?」

花陽「どっちも怖いよぉ……」
280: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/17(日) 21:21:00.04 ID:uiqZ4cqn.net
まこ「ねぇ希ちゃん、どちらかというとどっちの方が危険なの?」

希「んー。逆位置で多少マシになってるとはいえ、やっぱりダブルス1の『塔』の方が悪いかな」

穂乃果「へぇ~なんか意外。死神の方が怖そうな名前なのに」

希「死って言っても本当に死ぬわけやなくて、物事の終わりや新たな転換期って意味も秘めとるからね。意外とそこまで不吉なカードじゃないんよ」

真姫「なら私がダブルス1やってあげる。オカルトなんて実力で捻じ伏せてやるわ!」

まこ「そうだね! 花陽ちゃんと凛ちゃんもそれでいい?」

花陽「う、うん」

凛「大丈夫にゃ!」


真姫(認めたくはないけど、私達はゴールデンペアより弱い。仮に、仮に希の占いが当たるものだとして、凛と花陽を危険に晒すわけにはいかないわ)

まこ(怖いけど……決勝の事を考えると仕方ないよね。よぅし、頑張らなくっちゃ!)

花陽(ゴールデンペア抜きでUTXに勝てる可能性0パーセント)

花陽(心苦しいけど……たとえ守ってもらってでも、私と凛ちゃんは万全の状態で明日を迎えなくてはならない責任があるんです)
281: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/17(日) 21:31:24.04 ID:uiqZ4cqn.net
 
  ×       ×       ×


鞠莉「AHAHAHA! やったわ! パーっフェクト☆」

果南「どしたの?」

鞠莉「両校のオーダーが決定したのよ。フフフ! 面白いくらいに、想定していたシナリオ通り組み合わせよ!!」

善子「クックック、我が生贄に不足はないようね」

ルビィ「?」キョトン

花丸「気にしない方が良いずら」

梨子「……私も、負けられないや」

ダイヤ「誰が相手であろうと、勝利の2文字以外許されないということに変わりはありませんわ!」

千歌「…………」ウズウズ…

曜「嬉しそうだね」

千歌「もちろん! さぁ皆、勝ちに行こう!!」


千歌「浦女ぉ~~~~~」

  「「「「「ファイ、オォー!!!」」」」」
282: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/17(日) 21:41:46.63 ID:uiqZ4cqn.net
 
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪.ZERO to ONE Step!
     (原曲……One More Step  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=G1wwUNVYdh4




 『ZERO to ONE Step……』 『ZERO to ONE Step……』

  『ZERO to ONE Step~!』 『ZERO to ONE Step~!』

   『ZERO to ONE Step~!』 『ZERO to ONE Step~~~!』


  『『『『『ZERO to ONE Step! 登りつめろ~ 後一歩で全国決勝ー♪』』』』』

  『『『『『ZERO to ONE Step! ピラミッドの~ とがった先まで手を伸ばせー♫』』』』』


ダイヤ『振り返れば 長い道のりだったわ♪』

ルビィ『辿り着いたよ♪』

ダイルビ『『ファイナルは目の前♫』』

花丸『気を抜くな 決意新たに一致団結♪』

善子『燃える想いを♪』

よはまる『『コートにぶつけて♫』』

  『『『『『ここで一気に駆け上がる~ ZERO to ONE Step! 勝利をゲットだー♪』』』』』
283: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/17(日) 21:42:15.84 ID:uiqZ4cqn.net
 
曜『見据える先 夢見ていた場所へ♪』

梨子『一緒に行こう♪』

ようりこ『『前進あるのみ♫』』

果南『攻めていくよ それが最大の防御だから♪』

鞠莉『油断大敵♪』

かなまり『『気分引き締めて♫』』

  『『『『『ここで一気に駆け上がる~ ZERO to ONE Step! 勝利をゲットだー♪』』』』』


  『『『『『ZERO to ONE Step! 見上げてみろ~ 優勝が燦然と輝くー♪』』』』』

  『『『『『ZERO to ONE Step! 全国一~ あのまぶしい場所を手に入れろー♫』』』』』


千歌『まだまだだね ここまできたけれど♪』

千歌『ユメノトビラを 開ける事はできない~♫』

千歌『この試合勝てば トビラの鍵が手に入る♪』

千歌『はやる気持ちを~ テンションに変えて~ 内浦魂の炸裂♫』

千歌『ZERO to ONE Step! 勝利をゲットだぁー♪』
 
284: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/17(日) 21:42:58.58 ID:uiqZ4cqn.net
 
  『『『『『ZERO to ONE Step! 見上げてみろ~ 優勝が燦然と輝くー♪』』』』』

  『『『『『ZERO to ONE Step! 全国一~ あのまぶしい場所を手に入れろー♫』』』』』

  『『『『『ZERO to ONE Step! 登りつめろ~ 後一歩で全国決勝ー♪』』』』』

  『『『『『ZERO to ONE Step! (ZERO to ONE Step~) ピラミッドの とがった先まで手を伸ばせー♫』』』』』


  『『『『『ZERO to ONE Step! ZERO to ONE Step! ZERO to ONE Step~~~♪♪♪』』』』』

 ~♪      ~♪      ~♪


審判「それでは只今より、静岡・浦の星女学院と、東京・音ノ木坂学院の試合を行います」

審判「両チーム共、整列してください」

審判「礼っ!」

   「「「「「よろしくおねがいします!!」」」」」



穂乃果「…………」ザッ

千歌「…………」スタッ

穂乃果「千歌ちゃん!! 勝負だぁーーーっ!!!!!」

千歌「望むところだぁーーー!!!!!」
288: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/18(月) 23:44:22.25 ID:rKeGXsPm.net
 
    【Genius 15:テニスのお姫様対テニスのお姫様】


ツバサ「…………」

絵里「あら、ツバサが他校の試合観戦なんて珍しいじゃない」

ツバサ「決勝で浦の星女学院とやり合う可能性もあるわけだし、多少は知っておこうと思ってね」

ツバサ「なんとなく、強そうな気もするし」


穂乃果「…………」ザッ

千歌「…………」スタッ

穂乃果「千歌ちゃん!! 勝負だぁーーーっ!!!!!」

千歌「望むところだぁーーー!!!!!」


  <浦の星女学院 全国大会準決勝オーダー表>

 ◆シングルス3……高海(2年)
 ◆ダブルス2………松浦(3年)、渡辺(2年)
 ◆シングルス2……桜内(2年)
 ◆ダブルス1………国木田(1年)、津島(1年)
 ◆シングルス1……黒澤(3年)
 ◆控え選手…………小原(3年)


  <音ノ木坂学院 全国大会準決勝オーダー表>

 ◆シングルス3……高坂(2年)
 ◆ダブルス2………小泉(1年)、星空(1年)
 ◆シングルス2……南(2年)
 ◆ダブルス1………尾崎(1年)、西木野(1年)
 ◆シングルス1……矢澤(3年)
 ◆控え選手…………東條(3年)
289: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/18(月) 23:45:43.16 ID:rKeGXsPm.net
まこ「プレイヤー情報はほとんどないんだよね?」

花陽「それでもまったくないわけじゃないよ。ヒデコ先輩達が頑張って掻き集めてくれたデータによると……」

花陽「高海千歌選手、2年。身長157cmで血液型はB型。ソフトボールとか卓球とか鉄棒とか、テニス以外のスポーツも結構得意みたい」

希「短期間でそんなこと調べ上げたのは流石やけど、プレイスタイルは不明っちゅうわけかぁ」

ことり「それでも穂乃果ちゃんならっ」

凛「やってくれるはずにゃ!」


審判「ザ・ベストオブ・ワンセットマッチ!」

   浦の星女学院 高海
       VS
   音ノ木坂学院 高坂 

審判「浦の星サービスプレイ!!」


曜「トばしてけー!」

果南「かっとばせー!」

千歌「わかってるってぇー!!」バシィィィン!!

   シュルルルルルルッ

穂乃果「わぁあああっ!?」ドサッ!

審判「15-0」


ルビィ「やった! いきなりサービスエース!」

鞠莉「ワオ☆ 初手からツイストサーブなんてノリノリねっ」
290: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/18(月) 23:47:16.10 ID:rKeGXsPm.net
千歌「いくよ!」バシィィィン!!

   シュルルルルルルッ

穂乃果(さっきはビックリしちゃったけど、ツイスト回転なら真姫ちゃんのキックサーブで慣れてるもんね!!)スパーーン!!

千歌(おぉ! 鋭い切り返し!!)スタタタッ バシィィーーン!!

  スッパーン! ドーーーン!! パコーン! シュパァーーン! バコーーン! ポーン

穂乃果(……今だ!)ダッ

真姫(出たわね。前方に向かい飛び上がる勢いを利用し、全体重を乗せて叩き込むバックハンド。穂乃果の“閃光R”っ!)

希(腕力と体重移動だけやない。ラケットのスイートスポットで打つ技術も、えりちとの修行で身についとる!!)

   ズドーーーン!!!!!

千歌「わわぁ!」ズテッ ポーーーン

希(ハァァ!?? 穂乃果ちゃんの球威に押されてズッコケながらも、ノーバウンドで打ち返してきよった!!!)

穂乃果「……えっ?」

審判「イン。30-0」

千歌「やったー!」
291: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/18(月) 23:50:26.17 ID:rKeGXsPm.net
 
あんじゅ「今のまぐれかしらぁ?」

英玲奈「いや! 再び高坂穂乃果の強打をローボレーで打ち返したぞ!」

海未「コート後方で戦うでもネットに詰めるでもなく、まさか中央付近に陣取るなんて……」


審判「40-0」


絵里(後方で構えるなら、ワンバウンドしたボールを打つストローク。前方で構えるなら、手を前方につき出す形で放つボレー。それが一般的な戦い方)

絵里(通常のボレーやストロークと比べてローボレーは難しい。比較的握力の弱い女性にとって、ローボレーはより難易度が高いとも言われているわね)

絵里(だというのにあの高海千歌という人は、好き好んでこのプレイスタイルを?)


穂乃果「おおおおおおお!!!!!」ズバコォォォーーーン!!!

千歌「ふんぎっ!」スパーーン!

穂乃果(全力全開のパワーショットが、またノーバンで返された……!?)

審判「ゲーム浦の星、1-0。チェンジコート」


千歌「わーい無失点!」

曜「今日のチカちゃんは調子最高だね!」

梨子「いくらなんでも強すぎるんじゃ……」

果南「んー。チカはさ、小さな頃からこんな感じで、私や曜以上の運動神経を発揮することがあるんだよ。稀にだけど」

曜「うんうん。普段はそこまで凄くないくせに」

千歌「ひどい!」

果南(今日は本当に調子良さそうだ。この分だと多分……まだまだエンジンかかるぞ!)
292: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/19(火) 00:00:45.19 ID:1l5sZ6aa.net
穂乃果「…………」シャキッ

千歌「?」

穂乃果「すぅー……はぁー……」

穂乃果「ハッッッ!!」ヒョーーーーーーーーーーイ

千歌(たっか! 綺麗なトスだなぁ~………………まだこない…………こない………………来たッ!!)パコーーン!!


海未「穂乃果の“サムライサーブ”を、初見でああも容易く打ち返すなんて!」

ツバサ「彼女、まだまだ荒削りだけどセンスは抜群に良いわね」

英玲奈「まさかツバサがセンスを褒めるとはな」

ツバサ「1ゲーム目の“閃光R”に対する反応もそう。倒れながらの不格好リターンに見えるけれど、体全体を利用して球威を殺していた」

ツバサ「テニスのセンスというよりは体を動かすセンスね。基本から外れたプレイが目立つけど、四肢の使い方がとにかく上手いのよ」


穂乃果(パワーで駄目なら、小技も交えて……)チョン…

千歌(あんまり下がって待ち構えることがないから、ドロップショットなんて怖くないんだよね~。むしろ浅くて打ち込みやすいよ!!)ズバンッ!!


審判「0-30」


希「力押しも小細工も効かん。なんちゅうことや」

凛「穂乃果ちゃんの腕力は、関東大会の時とは比べ物にならないくらいパワーアップしてるのに!」

花陽「もしかしたら相手チームには、穂乃果ちゃんや希ちゃん以上のパワープレイヤーが居るのかもしれないね」

まこ「たしかに、重たいボールに物凄く慣れてるような感じがする……」


審判「ゲーム浦の星、2-0」
293: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/19(火) 00:10:46.72 ID:1l5sZ6aa.net
穂乃果「……っ」ジリッ…

千歌「よ~し、このサービスゲームも貰っちゃうもんね!」

穂乃果(大丈夫……ツイストサーブは問題なくリターンでき──)

千歌「ハッ!!」スパーーーンッ!!

穂乃果「──ッ!?」

審判「15-0」


にこ「……上手いわね」

花陽「うん。高海千歌選手のツイストサーブは真姫ちゃんのキックサーブと比べて、回転で勝るかわりに速度は劣ってる印象だったけど……」

真姫「今のフラットサーブは中々のスピードだわ」

ことり「穂乃果ちゃん……」ギュッ…


審判「30-0」

 審判「30-15」

  審判「40-15」

   審判「ゲーム浦の星、3-0。チェンジコート」


千歌「やったー!」

穂乃果「ッ……」

千歌「ふっふっふ! 穂乃果ちゃん、まだまだだね!!」ドヤ!
294: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/19(火) 00:16:56.69 ID:1l5sZ6aa.net
海未「まさか高海千歌さんが、ここまでデタラメな強さの持ち主だったなんて……」

ツバサ「まだまだ荒削りだって最初に言ったでしょ? センスや才能はともかく、そこまでデタラメに強いわけではないわ」

海未「そうでしょうか。こういう言い方をするのは自分を高評価しているようで気が引けるのですが……」

海未「穂乃果はああ見えて関東大会でこの私を倒しています。しかしその穂乃果が、現に手も足も出ていないではありませんか」

絵里「高海さんの中途半端な立ち位置に鋭いパッシングショットは非常に有効。海未の得意な“ラブアローショット”なら、彼女の横をあっさり抜けるんじゃないかしら」

海未「言われてみれば……たしかに……。そう言われると隙の多い選手の様に見えないこともありませんね」

あんじゅ「つまり相性の問題ってこと~?」

英玲奈「音ノ木坂の選出負け、か」


千歌「~~~♪」ルンルン

ダイヤ「油断は禁物ですわよ」

千歌「油断なんてしてないよ? このまま終わってくれる人じゃないと思うし」

善子「どーゆーこと?」

千歌「う~ん、理由を聞かれてもなんとなくとしか答えられないけど……」
295: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/19(火) 00:18:15.62 ID:1l5sZ6aa.net
穂乃果「…………」

穂乃果(どうしよう。このままじゃ、負けちゃう……!)

希「穂乃果ちゃん! しっかりするんや!」

希「千歌ちゃんが凄いのは見てれば分かる。せやけど、にこっち以上に強い?」

穂乃果「そ、そんなことないっ! 絶対絶対にこちゃんの方が強いよ!!」

希「ほんなら、そのにこっちから4ゲーム奪取した穂乃果ちゃんが、1ゲームも取れないまま負けるわけないやんなぁ?」

穂乃果「…………」

希「テニスはメンタル面が重要なスポーツやけど、穂乃果ちゃんの場合それがより顕著なように思う」

希「気持ちで押し負けちゃあかん! あの時の、無我夢中でにこっちと戦った時の感覚を思い出すんや!!」


穂乃果(あの時の……感覚……)ゴクリ

穂乃果(そうだ。いくら千歌ちゃんが強くても、にこちゃん以上に強いなんてことはあり得ない)

穂乃果(あの時の……にこちゃんとやりあった時の私ならっ!)
296: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/19(火) 00:22:06.95 ID:1l5sZ6aa.net
穂乃果「…………」シャキッ

穂乃果(勝つことだけを念頭に、あとは無に……)

穂乃果「すぅー……はぁー……」

穂乃果(思考をクリアに……ただ、勝利だけを見据えて……)

千歌(あれ? なんか急に穂乃果ちゃんの雰囲気変わった?)

穂乃果「…………」ヒョーーーーーーーイ

穂乃果「!!」スッパーーーン!!!!

千歌(速さが増してる!!)パコン!!

  バコーーン! ポーン スッパーン! ズバーーン! パコーン! シュパーーン

穂乃果(そう……これだ。まるで無意識に、体がボールへ喰らいついてくれるようなこの感覚……)スゥゥゥ…

千歌「!?」ゾクリッ!

穂乃果「ハッ!!」シュパン!!!

千歌(……とれないっ)

審判「15-0」


まこ「やった!」

凛「今完全に敵の横を抜いたにゃ!!」

ことり「…………」

ことり(……穂乃果ちゃん?)
297: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/19(火) 00:26:12.84 ID:1l5sZ6aa.net
 
審判「30-0」


希「キタ! ついにキタで!!」

にこ「そうね。あの時と同じく……普段の漲る闘志とは異質の、まるで研ぎ澄まされた刃のような気迫」


審判「40-0」


千歌(なんなの!? プレイのキレが急に変わった。それに何より……)

穂乃果「…………」シャキッ

千歌(まるで……刀の切っ先を突き付けられているかのような嫌なオーラ!)

穂乃果「ッ!!」スッパァァァーーーン!!!

審判「ゲーム音ノ木坂、1-3」


ことり「穂乃果ちゃんが……なんだかことりの知らない人みたい……」

真姫「たしかに、妙に冷静な打ち筋も、何考えてんだか分からない表情も……らしくないわね」

にこ「あんた達は知らないだろうけど、これが穂乃果の秘められた力よ」

希「己の本能の赴くまま無となり戦う。言うなれば“無我の境地”」
298: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/19(火) 00:29:09.12 ID:1l5sZ6aa.net
真姫「……無我ねぇ。いまいちピンとこないんだけど?」

希「分かりやすく言い換えると、一種のゾーンみたいな現象やろうか」

凛「ゾーンって、“矢澤ゾーン”や“ワンダーゾーン”みたいな?」

希「ちゃうちゃう。何て言うかこう、極限に研ぎ澄まされた超集中みたいなやつのことや」

凛「むむむ……」

花陽「えっと、1流の選手が会見とかで、『ボールが止まっているかのように見えた』とか言うことがあるでしょ? そういう状態のことだよね」

希「そうそう。そういうんは多かれ少なかれ誰にでもあるものやと思うけど、穂乃果ちゃんの場合それが人一倍強いんやろうなぁ」


審判「ゲーム音ノ木坂、2-3。チェンジコート」

 
299: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/19(火) 00:30:16.49 ID:1l5sZ6aa.net
 
千歌「ハイパーチカっちドラァァァイブ!!!」グウォン!!!

穂乃果「…………」パコン!

千歌(くぅぅ~、あっさり打ち返された!)


ルビィ「千歌ちゃーん! ガンバレーー!!」

曜「引くなー! 攻めてけ~!!」

梨子「むしろ一旦守った方が良いような……」

鞠莉「そうね。ゾーンは偶発的なものだしどれだけ長続きするかも分からない。相手の集中力がきれるまで、テキトーに凌ぐのが得策だと思うけど~」

果南「チカは私や曜みたいな重い球を受け流すのは得意でも、それ以外のプレイスタイル相手には攻め勝つことしか考えないからなー」

ダイヤ「ふん。情けない」


審判「ゲーム音ノ木坂、3-3」

 
300: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/19(火) 00:33:28.41 ID:1l5sZ6aa.net
善子「んもぉ~! せっかく大幅にリードしてたのに追いつかれちゃったじゃない!!」

花丸「ピンチ……」

善子「てゆーかあのお相手なんなの? 肌が震え立つような闇のオーラを感じるわ!」

果南「闇云々はよくわからないけど、なんだか冷たいよね」

曜「うんうん。私達を助けてくれた時の明るい穂乃果ちゃんとは別人みたい! だけど……」

果南「そうだね。チカはこんなことで怖気づく人じゃない!」


穂乃果「…………」キッ!

千歌「うぅぅぅ……」ガクブル

梨子(……いや結構ビビってるように見えるんだけど)


千歌「ま、負けないもん!」
301: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/19(火) 00:35:49.14 ID:1l5sZ6aa.net
 
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. 千歌は燃える
     (原曲……俺は燃える  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=n0lzzJSz9zs




千歌『取り囲まれた刃の壁に 竦み上がる肩 震える指先ぃー♪』

千歌『追い詰められた冷気の小部屋 体の芯まで凍えさす あの子の殺気ぃー♫』

千歌『……でもそれがなんだぁぁぁあああーーー!!!』


千歌『千歌は燃える 熱く激しく燃えるぅ~♪』

千歌『炎天下の日差し 刃を溶かして鉄から蒸気へ♫』

千歌『千歌は燃える 熱く激しく燃えるぅ~♪』

千歌『灼熱の炎 氷点下を沸点まで押し上げるねぇーーー!』


千歌『瞳閉じれば見えて来るー 見えないものまで見えて来るー あなたの心も見えて来る♪』

千歌『切羽詰れば詰まる程ー 切り抜ける術が身につくねー 力もますますみなぎるね♫』

千歌『負けない 千歌は絶対負けない あなた打ち負かし~♪』

千歌『萎れたあなたに こう言い放つのさっ♫』


  千歌「君のテニスは輝いてるかい?」シュパァァァアアアン!!

  審判「ゲーム浦の星、5-3」
302: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/19(火) 00:37:25.34 ID:1l5sZ6aa.net
 
真姫「せっかく追いついたと思ったのに、マズイわね」

花陽「今の穂乃果ちゃんは相手の苦手なコースを全て把握しているかのような動きをしているにも関わらず、それに対応されはじめています!」

  穂乃果「…………」フフッ!

凛「でも穂乃果ちゃん笑ってるにゃ!」

ことり「うんっ、いつもの穂乃果ちゃんみたい!」

まこ「それって喜んでいいの!? ゾーン状態が終わっちゃったんじゃ!」

希「いんや、これもにこっちと戦った時と同じ」

にこ「あの底なしに天衣無縫なプレイが、また始まるっ!」

  穂乃果「ねぇ、楽しんでる?」スッッッパーーーン!!!


穂乃果『私燃える 熱く激しく燃えるぅ~♪』

穂乃果『灼熱の炎 氷点下を沸点まで押し上げるねぇーーー!』

穂乃果『勝つよ 私必ず勝つよ あなた打ちのめし~♫』

穂乃果『干からびたあなたに こう突きつけてやる♪』


  穂乃果「Dancing court on we...It's a fight!」


千歌「くっ……」ポーーーン

穂乃果「跳べるよ、いつだって跳べる──あの頃のように!!!」スタタタ タンッ!

曜(えぇぇぇえええ!??)

果南(曜以上の跳躍力っ!?)

ルビィ(この高さのロブに届いちゃうのぉぉぉ???)

穂乃果「たぁぁぁあああ!!!」バコーーーン!!!!!

審判「ゲーム音ノ木坂、5-5」

 ~♪      ~♪      ~♪
 
303: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/19(火) 00:48:59.98 ID:1l5sZ6aa.net
凛「やったーーー!!!」

まこ「再び追いついたっ!!」


穂乃果「よっと」スタッ!!

千歌(す、凄いっ……! まるで背丈が違うはずなのに、午前中に戦った吉川さん並の高さと迫力のダンクスマッシュ!!)

穂乃果(追いかけてばっかはもう飽きたよ! こっから先は、私がリードする!!)

千歌(どれだけ突き放しても簡単に追いついてきちゃうね。だからって勝ちを譲る気は1ミリたりともないけど!!)


穂乃果「ふふっ」

千歌「あははっ」


ほのちか((この試合……最高に楽しい!!))



絵里「ペース配分なんてまるで考えていないこんな試合、普通ならそろそろテンションが下がる頃合いなのに」

あんじゅ「2人共とっても元気いっぱいねぇ~」

海未「プレイの質が下がるどころか、両者更にペースを上げてくるとはっ!」

ツバサ「……混ざりたい」ウズウズ

英玲奈「フッ、この試合にツバサが混じったらとんでもないことになりそうだな」
304: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/19(火) 00:50:44.12 ID:1l5sZ6aa.net
 
穂乃果(どれだけペースを上げてきたって、“ノーブランド・ステップ”で追いついてやるっ!!)スパーーーン!!!

審判「ゲーム音ノ木坂、6-5。チェンジコート」


ダイヤ「常に同点かリードでしたのに、まさかこのタイミングで逆転されるなんて……」クッ

鞠莉「デンジャラスな展開ね!」

曜「負けるなぁーーーー!!」

果南「巻き返せぇぇぇえええ!!!」

梨子「千歌ちゃーーーんっ!!!」


千歌「ハイパーウルトラチカっちドラァァァイブ!!!」グウォォォン!!!!!

審判「ゲーム浦の星、6-6。タイブレイク、高海トゥサーブ」


千歌「へへっ、そろそろ疲れてきたんじゃない?」

穂乃果「そっちこそ! 私まだ、あと100ゲームはいけるよ!」

千歌「千歌はまだ1000ゲームくらい余裕だもんね~!」

穂乃果「なら私だってあと10000ゲームくらい──」


にこ「ったく、公衆の面前で馬鹿丸出しなこと言ってんじゃないわよ」

真姫「聞いてて恥ずかしくなる会話はやめてもらいたいものね」

希「なにはともあれタイブレイク! こっからが正念場や!!」
309: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/20(水) 00:19:18.30 ID:zuHJzVcg.net
 
    【Genius 16:運命的ライバル】


鞠莉「敵のジャックナイフもどきに千歌のドライブボレー。激しい技の応酬ね!」

花丸「相手の覚醒モード、終わる気配がないずら……」

果南「でもチカだって更に燃えてる!」

曜「チカちゃん! 燃え尽きてでも勝てぇぇぇえええ!!!」


千歌「言われなくてもーーーーー!!!!!」グウォォォン!!!


  ──せっかくここまできたんだもん! やってみなくちゃ何も始まらない。

  ──みんな! 思い切って一歩を踏み出そう!!

  ──ここでついに始まるんだ……全国大会っ!!

  ──あとは全国の舞台で穂乃果ちゃんと戦えたら最高なんだけどなぁ~。

  ──勝ったら思い切り喜ぶ! 負けたら泣いちゃうくらい悔しがる! そういうのもテニスの面白いところだと思うよ?

  ──ついに穂乃果ちゃん達と試合できるんだ~。

  ──望むところだぁーーー!!!!!

 
310: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/20(水) 00:19:56.27 ID:zuHJzVcg.net
 
穂乃果「まだまだぁぁぁあああああ!!!」ドガァーーーン!!!


  ──よ~っし! 一緒に全国に行こう!! みんな続けぇぇぇえええーーー!!!

  ──叶え! 私たちの夢! 叶え! あなたの夢! 叶え! 皆の夢ぇぇぇえええーーー!!

  ──私も千歌ちゃんと戦いたい!! なんなら今からそこのコートで……。

  ──お互い、ファイトだよっ!

  ──互いに勝ち続ければ必ずどこかで戦えるんだから!!

  ──相手が誰だろうと、勝つったら勝つよ!!

  ──千歌ちゃん!! 勝負だぁーーーっ!!!!!



千歌「穂乃果ちゃん!」

穂乃果「千歌ちゃん!」


  ほのちか「「勝負だよッ!!!」」

 
311: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/20(水) 00:22:16.56 ID:zuHJzVcg.net
 
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. あなたを倒したい!
     (原曲……コイツを倒したい!  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=QPZpuz2J8gU




穂乃果『面白いなこの子 思ってた通りだね♪』

穂乃果『自由に跳ね回れる やっと本領発揮だぁー♫』

穂乃果『私勝つまで終わらない どんな打球でも打ち返してやるもんね~~~♪』

穂乃果『打ってみなよ 挑んできてよ やってやる 倒してみせる♫』


千歌『面白い人だ 予測付かない攻め方♪』

千歌『結構やるみたい デタラメだけどヤバイねぇー♫』

千歌『どこまで続く この勝負 千歌の本気が奔流となって溢れる~~~♪』

千歌『負けるもんか 負けてたまるか 受けてみて 千歌の一撃♫』


ほのちか『『考える先に体が動く~ テニスボールは伝達分子♪』』

ほのちか『『私とあなたの脳細胞が 条件反射するぅーーー♫』』
 
312: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/20(水) 00:24:23.77 ID:zuHJzVcg.net
 
穂乃果『遠慮なく行くよ 天衣無縫へ♪』

千歌『なんだそれ!? 打ち返せばいいんでしょ♫』

穂乃果『返してみて 閃光R♪』

千歌『どんな重い球も返しちゃう 無尽蔵な体力だね♫』

穂乃果『遠慮無しのテクニックだね♪ 野性的なカンで 動いてみせる♫』

千歌『こんなラリーは 初めてだぁー♪』


穂乃果『あなたを倒したい!』

千歌『あなたを倒したい!』

ほのちか『『あなたを た・お・し・た・い~~~♪』』

ほのちか『『あなたを た・お・し・た・いぃぃぃいいい~~~~~♫♫♫』』

  ズバーーーン!!!  ドカーーーン!!!  スッッパァァァアアアーーーン!!!

海未「なんて激しいタイブレイクなのですか!!」

絵里「まるでツバサと矢澤さんの試合並ね」

ツバサ「フフ、どちらが勝ち上がってきても楽しめそうだわ」


  穂乃果「らぁ!!」ズバーーーン!!

  千歌「まだ終わらせない!!」スッパーーーン!!!
 
313: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/20(水) 00:24:59.23 ID:zuHJzVcg.net
 
希「昨日の朝、穂乃果ちゃんが言ったこと覚えてる?」

真姫「ええ」


  ──なんとなくなんだけど、あの人達とは絶対に戦う……

  ──私達が倒さなきゃいけない相手なんだって、そんな気がするんだ。


希「きっと運命的にお互いが何かを感じ取ったんやろうね。絶対に、この相手には負けられないと」

にこ「にしてもマズイわね。いい加減穂乃果のスタミナにも限界が来てる」

まこ「でもそれは相手も同じはず!」

ことり「穂乃果ちゃん! 勝って!! おねがぁいっ!!!」


  穂乃果「…………」スッ

  千歌「…………」サッ

  ほのちか「「あぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!!!」」

    ドガァァァァアアアアン!!!!!

 ~♪      ~♪      ~♪


ルビィ「っ」><

曜「うわぁ~凄い土煙!」

梨子「一体……どうなったの!?」
314: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/20(水) 00:30:09.00 ID:zuHJzVcg.net
千歌「ハァ…………ハァ…………」

穂乃果「…………フゥ……」


審判「ゲームセット! ウォンバイ音ノ木坂、高坂! 7-6!!」


千歌「あぅ~~~」バタン

穂乃果「へへっ、勝っ……た……」バタリ…


ことり「穂乃果ちゃんっ!!」タッ

梨子「千歌ちゃん!!」スタタ

ことり「穂乃果ちゃん! 穂乃果ちゃん大丈夫!?」ユサユサ

穂乃果「すぅー……すぅー……」

ことり「ね、ねてる……?」

梨子「……千歌ちゃん」

千歌「ぅぅぅぅ……もう立てない動けない~~~……」グデーン

梨子「なんとか大丈夫……みたいだね。お疲れ様、かっこよかったよ」

千歌「たはは、負けちゃったけどねー」グッタリ…


ことり「お互い、破天荒な相方を持つと大変だよねぇ。その分すっごく楽しいけど♡」ヒソヒソ

梨子「あはは、ちょっと分かるかも」ヒソヒソ
315: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/20(水) 00:31:44.94 ID:zuHJzVcg.net
英玲奈「……なんという試合だ」

あんじゅ「プロでもそうそうみられないような戦いだったわね」

英玲奈「特にタイブレイク中の強さなど桁違いではないか! ツバサ、絵里、お前達ならあの2人に勝てるか?」

ツバサ「もちろん!」

絵里「私は無理ね。あくまでタイブレイク中の強さに限って言えばの話だけれど」

絵里「倒れてしまう程消耗する瞬間的な爆発力。そんなもの長引かせれば良いだけの話でしょう? ゲームメイクとペース配分には自信があるもの」

海未「この試合もかなりの長期戦でしたが、さらに長引かせてみせると……?」

絵里「ええ。単純な体力勝負ならきっと勝てない。けれど無理な飛ばし方さえしなければ、最後までコートに立っていられるのは私よ」



審判「続きまして、浦の星女学院と音ノ木坂学院による第2試合を行います」

審判「両選手、前へ!」


穂乃果「すぅー……すぅー……」

凛「気持ちよさそうに寝てるにゃー」

花陽「ふふ。穂乃果ちゃんの勝利を無駄にしないためにも頑張ろうね」

凛「うん!!」グッ!


果南「悪いけど負けないよ。さっきの試合を見て、燃えてる女が若干居てね」

曜「をぉぉぉぉおおおお!!!! ヨーソローーー!!!!!」メラメラ

果南「さ、熱が冷めないうちに始めよっか」

曜「勝利に向かって、全速前進! 敬礼っ!!」ビシッ!!
316: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/20(水) 00:35:19.87 ID:zuHJzVcg.net
 
審判「ザ・ベストオブ・ワンセットマッチ!」

   浦の星女学院 松浦&渡辺
        VS
   音ノ木坂学院 小泉&星空

審判「音ノ木坂サービスプレイ!!」


花陽(ヒデコ先輩達が集めてくれたデータによると──松浦果南選手、3年。身長160cmで血液型はO型。ダイビングと操船が得意)

花陽(渡辺曜選手、2年。身長157cmで血液型はAB型。高飛び込み選手としての実績もあるんだとか)

花陽(両選手ともバリバリの体育会系。持久戦でも腕力勝負でも、普通にやったらまるで勝ち目がなさそうな相手だね)


花陽(……でも!)パコン!

曜(緩いサーブだな~。いきなり打ち込んじゃお!!)ズバァーーーン!!!

花陽(凛ちゃん、おもいっきり右に跳んでっ!!)

凛「余裕余裕!!」クルリン スパーーン!

曜(完全に読まれた!?)

審判「15-0」


花陽「えい」パコン!

果南(また緩いサーブ。これも打ち込んじゃまずいのかな? だったら!)ポーーーン

凛「おぉ~。打ちやすそうなロブだにゃ!」

果南(待ち構えられてる!?)

曜(わっ! なんで前衛がこんなに下がって立ってるの???)

凛「ハッ!!!」バコーーーン!!

審判「30-0」
317: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/20(水) 00:37:58.01 ID:zuHJzVcg.net
まこ「凄い! データテニスとシンクロ炸裂だ!!」

真姫「事前のデータがないなんて話がまるで嘘のようね」


花陽(うん、やっぱり思った通り。たとえデータがなくたって、直前の動作や目線で行動の把握しやすい相手です!)


審判「ゲーム音ノ木坂、1-0。チェンジコート」


曜(サーブで巻き返す!!)ズバァーーーン!!

花陽(2人共パワー極振り型。私にとって最も戦いやすい相手!)ッパーーーン!!

果南「ッ!?」

審判「0-15」


まこ「うそぉ!? 花陽ちゃんが前衛の横を抜く高速リターンを!!」

真姫「花陽のリターンエース……というか、速いリターン自体かなりのレアね」

にこ「相手の力を利用しているのよ。そもそも花陽はボールを打ってない。ただ、ラケットに当ててるだけ」

希「相手の打つ球が強ければ強いほど、ラケットにボールを当てただけでも強く跳ね返る。その理屈は分かるけど、面の角度を調節するのがかなり難しいんやない?」

にこ「ええ。あのリターンをするには、ラケットの角度をかなり正確に調整しなければならない。だから花陽にはそれだけをトコトン叩き込んだわ」
318: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/20(水) 00:40:19.36 ID:zuHJzVcg.net
にこ「花陽は体力があるわけでも足が速いわけでもなければ、球を打つ……つまり腕を振るう力も弱い。反面、米俵を軽々持ち上げたり、支える力だけは相当強いの」

ことり「支える力……。だから相手のボールを打たずに、当てて跳ね返す技を練習したんだね」

にこ「そういうこと。相手の打ってくるコースを先読みし待ち構える。もちろん、ラケットがブレないようにしっかり支えてね」

にこ「“データテニス”という独特な戦い方を武器とする花陽に対し、にこが唯一教えることのできた技術よ」


審判「ゲーム音ノ木坂、2-0」


花陽(このゲームは凛ちゃんがサーブの番。サーブ&ボレーですぐに前へ出るとはいえ、私達にとって1番嫌な陣形)

花陽(だから無理に攻め込まず、いつも以上に“見”に徹する。相手の癖や細かいデータを収集してみせます!)


曜「ヨーソロォォォオオオーーー!!!」ドッガァァァアアアン!!!!

審判「ゲーム浦の星、1-2。チェンジコート」


花陽(うん、取られちゃったけどこれで良し。相手の打ってくるコース予測は既にほぼ完璧です!)
319: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/20(水) 00:41:32.55 ID:zuHJzVcg.net
曜「ふぅ~。なんとか1ゲーム取り返した!」

果南「つってもまだまだ劣勢だけどね」

鞠莉「ノンノン。これでOKよっ☆」

曜「?」

鞠莉「今回のオーダー決めの時、ゴールデンペアを倒す作戦があるって言ったでしょ?」

果南「そういえばそうだったね」

曜「そういうのは試合前に教えてよー! で、どうすればいいの?」

鞠莉「試合前にって言われても、まずは好き勝手に戦ってほしかったからね~。ここまでの3ゲームで見えてきたこともあるし」

鞠莉「私が最初に思い描いたシナリオはこう。曜と果南のパワフルコンビによるハードショットで無理矢理ゴリ押す!!」

曜「ちょっとなにそれぇ!」

鞠莉「ふざけてるわけじゃないのよ? ゴールデンペアは昨日見た感じだと非力そうに見えたし。だから力押しが最適解かなぁ~って」

果南「……昨日?」

鞠莉「あ、それは気にしないでっ! とにかく力押しが1番良いって思ってたの。でも、思わぬ伏兵が居た」

曜「小泉花陽ちゃんだね」

果南「私達の打球を受け続けてビクともしないなんて驚きだよ。で、結局どう戦えば良いわけ?」
320: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/20(水) 00:43:59.87 ID:zuHJzVcg.net
鞠莉「ズバリ……今まで以上のパワー!!」

ようかな「「???」」

鞠莉「さっきまではたまにロブを上げたり試行錯誤しながら戦ってたみたいだけど、もう何も考えなくていいわ。どうせ頭空っぽなんだからっ☆」

曜「ひどい!」

果南「はは……まぁあんまり否定できないけどね」

鞠莉「コースを狙っても緩急をつけてもどうせ読まれちゃう。だったら、コートの中央付近とか打ち込みやすい場所しか狙わなくていいから、とにかく筋肉で押し切って!」

果南「メチャクチャな作戦だなぁ……」

曜「でも面白そう!」

鞠莉「今日はアウトもネットもダメよ? 相手に取られても良いから、全力全開のハードショットをエンドレスに打ち込み続けること! 以上!!」

鞠莉「それじゃあ元気にレッツゴー☆」

ようかな「「おぉーー!!」」
321: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/20(水) 00:45:12.38 ID:zuHJzVcg.net
果南(サーブから……全力でッ!!!)ズバァァァーーーン!!!!!

花陽(サービスゾーンのド真ん中。凄く打ち返しやすい位置ではあるけど……)

花陽「っ!」ッパーーーン!!!

花陽(今まで以上に重たい!!)ズシ…


ツバサ「浦女のプレイスタイルが少し変わったわね」

英玲奈「そうだな。元々攻撃的だったのが、更に強引な攻め方をしているようにも見える」

あんじゅ「ヤケクソになって強打を繰り返してるって感じなのかしらぁ?」

英玲奈「いや、むしろこれは……」


曜「ヨーソロォォォォォオオオオオーーーーー!!!!!」ドッガァァァァァアアアアン!!!!!

凛「残念☆無念☆また来週~!」クルリン スッパーーーン!!

審判「ゲーム音ノ木坂、3-1」

曜「クッソ~」

凛「へへーん! 余裕余裕っ」ズキッ


凛(……ちょっと破壊力ヤバくないかにゃー?)
322: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/20(水) 00:53:16.17 ID:zuHJzVcg.net
ツバサ「ふぅん、そういうこと」

あんじゅ「どういうこと?」

海未「もしや……昨年度の関東大会準決勝で、絵里先輩が矢澤さん相手に行ったのと同じような戦法なのでは!?」

絵里「でしょうね。小泉さんは両手でしっかりラケットを持ち跳ね返しているだけだから、どんな強打を喰らおうが然程の痛手ではない。けれど凛の場合……」

英玲奈「アクロバティック故に片手でラケットを持つしかない。それが仇になるということか」

絵里「ええ。凛が非力なわけではないけれど、異常な体力や脚力に比べ腕力は並程度。ネット際、つまり敵との至近距離で、あんな重い球をボレーし続けていれば──」


果南「おぉぉぉぉぉおおおおお!!!!!」ズッドォォォォォオオオオオーーーーーン!!!!!

凛「……ぅにゃッ」バシィィィン! カランカラン…

花陽「凛ちゃんっっっ!?」


真姫「凛のラケットが……ッ!!」

ことり「弾き飛ばされた!?」
323: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/20(水) 00:56:32.11 ID:zuHJzVcg.net
果南「もういっちょおおおおお!!!!!」ズバコォォォォォオオオオオーーーーーン!!!!!

審判「ゲーム浦の星、2-3。チェンジコート」

果南「どうだッ!!」

曜「ナイスショーット!!」

花陽(いくらなんでも……パワーが女子高生離れしすぎていますっ!)

果南「筋肉には自信あるんだよね~」ムキッ!

果南「言ったでしょ? さっきの試合を見て、燃えてる女が『若干居る』って」ゴォォォオッ!!!


凛「っ……!」ズキズキ…


花陽(ダブルス2。『死神』のカードの正位置。意味はたしか……物事の終わり・新たな転換期・破滅・損失・失敗・災難・危険、だったよね)

花陽(破滅や災難って、もしかして凛ちゃんの肉体の事なのぉ!?)


花陽(攻めるにしても守るにしても、私の跳ね返しだけじゃ限界がある。凛ちゃんの腕や手首がダメになっちゃったら私達はそこまで)

花陽(どうしよう。このままじゃ……一気に逆転されちゃいますっ!!)
327: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/21(木) 20:32:55.63 ID:s3p106rl.net
 
    【Genius 17:パワー&パワー!!】


花陽「凛ちゃん、ベースラインまで下がってみようか」

凛「えっ!? 凛はまだまだいけるよ!」

花陽「うん。今は大丈夫だろうけど、試合はまだまだ中盤。あんなに力強い打球をネット際で受け続けたら、凛ちゃんの細腕じゃ多分……最後までもたない」

凛「……うん、わかったにゃ」


果南(へぇ。前衛を下げてダブルバック陣形か)

曜「さっ、いくよ!!」ズバァァァーーーン!!!

花陽「っ!」ッパーーーン!!


ツバサ「あのデータベースちゃん、日和ったわね」

あんじゅ「でも星空さんを守るためには下げるしかないんじゃない?」

海未「凛を下げてしまえばゴールデンペアに攻め手が無くなります。これでは無駄に試合が長引き、腕へのダメージも蓄積されていく一方です」


凛「っく!」ポーーーン

曜「とうっ!!」ピョーーーン!!!

花陽(流石は高飛び込み選手! 跳躍力が穂乃果ちゃん級ですっ!!)

曜「どーーーん!!!」ドガァアアアアン!!!


英玲奈「防戦一方、そして守りきれているわけでもない。まさにジリ貧だな」

絵里「けれど凛に後衛としての技能がないことは、小泉さんが1番理解しているはずよ。それでも下げたということは、きっと何か策があるはず……」
328: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/21(木) 20:36:19.00 ID:s3p106rl.net
果南(チカや曜に負けないくらい、まだまだ燃えてやる!!)ズドォォォォォン!!!!

凛(コートど真ん中! 余裕で取れる!!)

凛「うっ」ポーン ペチッ

凛(ボールが重すぎるにゃ……)

審判「ネット。ゲーム浦の星、3-3」


凛「かよちんゴメン。追いつかれちゃった」

花陽「大丈夫、凛ちゃんのせいじゃないよ」

凛「……ねぇ、まだ前に出ちゃいけないの? かよちんのことは信じてるし試合の指示には絶対従うけど、防戦一方じゃどうしようもないよ!」

花陽「そうだね。でも、今の持久戦で新たに視えてきたこともあるよ」

凛「にゃにゃ?」


曜「暴れたりないね! 暴れたりないよー!!」

果南「さぁて、フルスロットルでいこうか!」

曜「うんっ、ガンガン攻めるぞー!!」ブンブン!


ルビィ「これ……相手大丈夫なのかなぁ?」

花丸「音ノ木坂が本気で優勝を目指すなら、この試合は降参するのも1つの手。選手が故障する恐れのある勝負をこのまま続けるのは得策じゃないずら」

鞠莉「作戦を考えた私としても、素直にリタイアしてくれるとありがたいんだけどね~」
329: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/21(木) 20:41:12.56 ID:s3p106rl.net
 
曜(もっともっと全速前進!)グググッ


曜「ヨーソロォォォオオオーーー!!!」バチコォォォォォォォォーーーーーーーーン!!!!!

花陽「きゃあ!!」バシィィィン!!! カランカラン…

凛「かよちんっ!!!」


まこ「あぁ! 今度は花陽ちゃんのラケットまでっ!!」

希「嘘やろ!? なんちゅう馬鹿力や!」

ことり「こんなことって……」

にこ「花陽が実際にパワーショットを打てるかどうかはともかく、単純な腕力だけなら希と穂乃果に準じて高いはずなのに……ッ」

真姫「凛の細腕じゃあんなハードショットに太刀打ちできないし、一体どうしたら……」


曜「果南ちゃん!!」

果南「曜っ!!」

ようかな「「おおおおおおおお゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙!!!!!!!」」


  ようかな「「パワーだッ!!!」」

 
330: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/21(木) 20:43:02.84 ID:s3p106rl.net
 
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. Power! IS the BEST
     (原曲……Power is the best  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=qXjxSlpfhSE




ようかな「「ぬをぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!!!!!!」」


果南『パワー!』  曜『パワー!』  果南『パワー!』  曜『パワー!』

ようかな『『パワー・イズ・ザ・ベスト!!!』』


果南『攻撃は最大の防御ー 押せ押せ押せぇ~! 押しまくれ♪』バゴォォォオオオン!!!

  ようかな「「っしゃあ!!」」

果南『疲れきった体でもぉー 気合一発で再点火ぁ~♫』

  曜「ヤァッ!!」ドガァアアアアン!!!

果南『燃えるよ まだまだ♪ 照らし尽くせ サンシャイン!』

果南『私の根性 見くびるなかれぇー!』

ようかな『『パワー・イズ・ザ・ベスト!!!』』
 
331: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/21(木) 20:43:28.46 ID:s3p106rl.net
 
曜『禍転じて福となす 行け行け行けぇ~! 行きまくれ♪』

  花陽「っ!!」ッパーーン!!

  ダイヤ「音ノ木坂も中々粘りますわね」

曜『こらえてきたハートでもぉー 堪忍袋の~緒が切れりゃ~♫』

  果南「だぁぁぁあああ!!!!!」ズドォォォオオオーーーン!!!

  千歌「いやっ! 果南ちゃん達もまだまだ押してるっ!!」

曜『吠えるよ ガンガン♪ 叩きのめす ヨーソロー!』

曜『暴れたりない 暴れたりないよぉー!!』


果南『パワー!』  曜『パワー!』  果南『パワー!』  曜『パワー!』

 果南『パワー!』  曜『パワー!』  果南『パワー!』  曜『パワー!』

果南『パワ!』  曜『パワ!』  果南『パワ!』  曜『パワ!』

 果南『パワ!』  曜『パワ!』  果南『パワ!』  曜『パワ!』

ようかな『『パワー・イズ・ザ・ベスト!!!!!』』

 ~♪      ~♪      ~♪
 
332: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/21(木) 20:54:15.22 ID:s3p106rl.net
 
曜「らぁぁぁあああ!!!!!」バチコォォォォォーーーーーン!!!!!

凛「ハァーーー!!!」バシィィィ──

   ──ビリビリッ!!!

凛(うっそ!??)

花陽(えぇえ!? ガットが破けちゃったのぉ!??)


審判「ゲーム浦の星、5-3。チェンジコート」

ようかな「「よぉーーーっし!!」」パチンッ!!


千歌「相手のラケット突き破るなんてすっご~い! あのゴールデンペアに勝てそうじゃん!!」

善子「1-3の状況から一気に4ゲームも巻き返すなんて流石ね!」

曜「ぜぇぜぇ……中々疲れたけどね……」

ルビィ「はい、水分補給どうぞっ」スッ

果南「ありがと」ゴクゴク

曜「おぉ~生き返るー!」ゴクゴク

梨子「曜ちゃん大丈夫?」

曜「うん! 鍛えてるから!!」

ダイヤ「とはいえ潜水や遠泳のような持久力勝負は、果南と比べ不得手なのも事実。ラスト1ゲーム、早いところ終わらせるべきですわね」

曜「むぅ。遠泳も潜水も皆の中で2番目に凄い自信あるのに、不得手とか言われるとなんかムカツク……」
333: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/21(木) 20:55:50.88 ID:s3p106rl.net
 

真姫「…………」サワ…サワ…

凛「くすっぐたいにゃ~」

真姫「ちょっと肘曲げて見て」

凛「うん、平気平気!」グイグイ

真姫「じゃあ今度は手首」

凛「……平気だよ?」グイ…

花陽「凛ちゃん、正直に答えて」

凛「…………ちょびっと痛いです」

真姫「まぁこの程度一晩寝れば治るわ。……あくまで、現段階ではの話だけど」

まこ「つまりこれ以上無理すると、明日の決勝に響くかもしれないっ……てこと?」

希「凛ちゃん抜きでの優勝はありえへん。きちんと先を見据えるなら、ここらで退くのが最善策かもしれんなぁ」

真姫「えぇ、全くもって同意見ね」

凛「そんなぁ! ラケットの替えもあるし、まだ戦えるのに!!」


  穂乃果「すぅー……すぅー……」zzz


ことり「にこちゃんなら……どうする?」

にこ「そうね。……判断は花陽に委ねるわ」

花陽「え゙ぇ゙っ!?」
334: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/21(木) 21:05:46.91 ID:s3p106rl.net
にこ「ただし、凛の体が心配だとか凛の気持ちを汲みたいだとか、そういった感情論は全て排除して考えること」

にこ「このまま試合を続ける危険性。この試合を落としたとして、準決勝敗退してしまう可能性。そういったものを全て加味して計算しなさい」

花陽「計算しようにも、残りの試合で出てくる選手のデータがほとんどないから……」

にこ「それでも花陽だったらある程度予測演算することが出来るはずよ。浦の星女学院は無名校ながら、全国大会準決勝まで勝ち上がってくる実力校」

にこ「そんな連中相手に、こっちの残り選手……ことり・まこ・真姫・そしてにこは勝つことが出来るのかどうか」

にこ「敵のデータなんてなくたって味方のデータはある。あくまでデータに基づいて、冷静に、平静に、仲間の強さを値踏みしなさい」

花陽「…………」コクリ


にこ(幸いあの3人の調査によって、相手のエースが黒澤ダイヤという情報はある。そしてそいつと大将戦を行うのは他でもない私)

にこ(ここまで敵校エースに2連敗中の矢澤にこに、オトノキの命運を賭ける価値があるのかどうか。……あんたならそれを正しく判断できるはず)
 
335: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/21(木) 21:08:12.00 ID:s3p106rl.net
 
花陽「…………」

花陽「………………」

花陽「……決めました。もう少しだけ戦ってみるね」

凛「やったー!」

真姫「……はぁ。どうなっても知らないわよ」

花陽「心配しないで。危険だと判断したらすぐに試合をやめるから」

真姫「そもそも戦い続けたとして、この状況から勝てる算段はあるわけ?」

花陽「それは問題ないよ! それと凛ちゃん、そろそろ前に出てみよっか」

凛「わーい! かよちんがそう言うなら大丈夫だね! それじゃあ、行っくにゃ~!!」



花陽(現在9ゲーム目。私がサーブで凛ちゃんが常にネットにつける、最も得意な陣形。どの道もう後がないし、流れを掴むなら間違いなく今です!!)

花陽「えいっ!」パコン!

曜(相変わらず弱いサーブ! 前衛に取られたって構うもんか。またラケットぶち抜くつもりで、全力全開でぶつかるのみ!!)ズガァァァァアアアアン!!!!!

花陽(凛ちゃん! 避けて!!)

凛(えぇっ!?)ヒョイ

花陽「ハ!」ッパーーーン!!

曜(こんなリターン楽々打ち込める!!)バゴォォォオオオン!!!
336: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/21(木) 21:12:07.02 ID:s3p106rl.net
真姫「花陽の跳ね返しで戦えばたしかに凛に負担をかけずにすむけど、これじゃ結局防戦一方のままじゃない」

にこ「違うわ。花陽がリターンする場所をよく見てみなさい」

真姫「……もしかして、短髪の方に球を集めてる?」

にこ「それだけじゃないわよ」

まこ「わかった! 渡辺さんの足元や前後を狙ってるんだ!」

希「なるほどぉ~。足元を狙われた場合、強打で返すには膝を上手く使わなきゃあかん。前後への動きも脚に結構負担がくるやん」

ことり「でもあんな如何にもスポーツ得意そうな人が、そのくらいで膝にダメージくるかなぁ?」

にこ「別に膝を壊そうってわけじゃないでしょ。膝に負担のかかる動きっていうのは、ただ走ったりするよりも余計に体力を使うもんよ」


審判「アウト! 30-15」


曜(う……脚が中々キツイ!!)ズバァァァァアアアアン!!!!! ペチン!!

審判「ネット! 45-15」


鞠莉「あぁもう!! コートのド真ん中しか狙わなくても構わないから、今日はアウトやネットはダメって言ったのにぃ~~~」

ルビィ「曜ちゃんのフォームが乱されてる……」

ダイヤ「あのようなハードショット、正しいフォームで打たなければコートに入らなくて当然ですわ」

善子「疲れてくれば自然とフォームも崩れる。ふぅん、まんまと敵の策略に嵌まっちゃってるわけね」
337: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/21(木) 21:14:28.87 ID:s3p106rl.net
 
審判「アウト! ゲーム音ノ木坂、4-5」


凛「さぁ、巻き返すにゃ!!」

花陽「うん!」


花陽(持久戦を仕掛けたことで視えてきたもの。それは、非常に似通ったパワープレイヤー2人の、ちょっとした差異)

花陽(渡辺曜選手は、反射神経も足の速さも跳躍力も松浦果南選手より上。その反面、ほんの若干ながら持久力で劣ることに気がつきました)

花陽(もちろん松浦果南選手と比べればという話であって、渡辺曜選手も物凄い体力の持ち主ではあるんですけど……)

花陽(それでも、そこが相手を崩す足掛かりになる!)


鞠莉「果南! 下がりなさい!」

果南「うん?」

鞠莉「次のゲーム、曜はサーブだけ打ったらなるべくコートの端っこに突っ立てること!」

曜「えぇえ!?」

果南「ちょいちょい、私1人で勝てるわけないって」

鞠莉「ノープロブレムっ☆ 別に数ゲーム落としてタイブレイクまで縺れ込んだって構わないわ」

鞠莉「曜のスタミナ回復は早い。だから曜が復活するまでの間、とにかく果南が粘りに粘って!!」

果南「ガッテン!!」
338: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/21(木) 21:16:33.34 ID:s3p106rl.net
果南(──つっても、1人でパワフルショット打ち続けるのは無理だって)ポーーン

凛(チャンスだ!)

凛「くるりんビーム!!!」クルリン スッパーーーン!!

審判「15ー30」

果南「あっちゃ~」

果南(……まっ、中々ラリー続いたし良しとしますか)

果南(今の私の役目は攻撃じゃない。曜の体力が回復するまで、とことんボールを繋いで繋いで繋ぎまくる!!)


海未「このゲーム、先程から松浦果南さんが一人で走り回っていますね」

英玲奈「精神面、持久戦共に、とても良い粘り方だ」

ツバサ「もう片方に回復されたらオトノキにとって相当ツライ展開になる。ここで早めに攻めきれるかどうかが勝負所ね」

あんじゅ「てゆ~か小泉さん、さっきはラケットを落としたのに今はまるでそんな素振りがないわねぇ」

絵里「まぁこれだけ下がってしっかり両手で打っているわけだし、そもそも1度ラケットを飛ばされたのが不自然なくらいであって……まさかっ!」

海未「まさかアレは……渡辺曜さんに気持ち良く強打させ続け体力を奪うための演技!?」

絵里「小泉さんの知略ならあり得るかもしれないわね」

英玲奈「……なんて恐ろしい参謀だ」
339: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/21(木) 21:17:40.58 ID:s3p106rl.net
凛(また打ち込めるっ!!)

凛「星空バズーカぁぁぁあああ!!!」ズバァーーーン!!!

審判「15ー40」


まこ「やったぁ! あと1ポイントで追いつけるよ!!」

希「逆転みえてきたやん!!」

ことり「凛ちゃん! かよちゃん! がんばれぇ~~~!!」


凛(よし! このゲーム、これで貰いっ!!)

凛「星空ぁ~~~────」

   パシッ!

凛「──ッ!?」

花陽「…………」

審判「30ー40」


ことり「……え? えぇっ!??」

真姫(花陽が凛の腕を掴んで、動きを強制的に止めた……?)

にこ「今の流れなら逆転勝利できたでしょうね。でもシンクロ状態の花陽には、凛の手首の調子がきっと誰よりも良く分かったんじゃない?」

希「これ以上続けるのは危険っちゅうことか……」
340: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/21(木) 21:19:15.51 ID:s3p106rl.net
花陽「……松浦果南さん、渡辺曜さん、せっかく白熱した試合だったのにごめんなさい」

曜「ど、どういうこと???」

凛「かよちん……凛は、凛はっ! まだまだ戦えるのに」ウルウル

花陽「ごめんね凛ちゃん。でも忘れないで」

花陽「ゴールデンペアの使命は、今無理をして勝つことじゃない。明日万全の態勢で試合に臨み、優勝を勝ち取ることなんだって」

凛「…………」

凛「……分かったにゃ」グスン

花陽「審判さん。リタイアします」


審判「音ノ木坂学院の棄権により、ダブルス2、浦の星女学院の勝利とします!」

 
341: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/21(木) 21:21:46.38 ID:s3p106rl.net
曜「……き……けん……?」ポカーン

果南「……残念だけど、しゃーなしかな。ここまでゴリ押しの試合に付き合ってくれてありがとね」

花陽「いえ。むしろ最後まで続けないで逃げ出す様な形になってしまい、申し訳ありません」

曜「ラストは華麗に復活してカッ飛ばしたかったけど……。でも楽しかったよ! 対戦ありがとう!!」

凛「ありがとう……ございました……」ヒック…

花陽「…………」ヨシヨシ

花陽「今までパワープレイヤーとの試合経験は何度もありますが、こんな負け方をしたのは初めてなんです」

花陽「とても良い勉強になりました。本当に、ありがとうございます!」ペコリ!



あんじゅ「これってもしかして、わたし達の知る限りでゴールデンペア初めての敗北?」

英玲奈「そうだな。もっともここで棄権していなければ、渡辺曜が復活する前に攻め切れていた可能性も十分あるように見えたが」

海未「これにて1勝1敗。先の見えない展開となってしまいましたね」

絵里「今の選択が後々、吉と出るか凶と出るか……」

ツバサ「それは神のみぞ知るといったところかしら」フフッ
344: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/23(土) 14:31:35.31 ID:wp+qX8df.net
 
    【Genius 18:超回転VS回転殺し】


穂乃果「……………」zzz


穂乃果「…………ぅぅ~ん……」

希「お、穂乃果ちゃん起きた?」

穂乃果「……ん…………うん?」

ことり「穂乃果ちゃん、おはよう♡」

希「おはよ~さん。良い寝顔だったでー」ニヤニヤ

穂乃果「えっ!? 私寝ちゃってたの!?? 試合は……えぇと、私千歌ちゃんに勝てたよね!? アレ夢じゃないよね!???」

ことり「だ、だいじょうぶだよっ! 穂乃果ちゃんはちゃんと勝ったから!」

穂乃果「よかったぁ~……」
345: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/23(土) 14:33:43.56 ID:wp+qX8df.net
凛「うにゃー」

真姫「……はい。とりあえず湿布貼っといたから、今日はもうラケット振ったり右腕を酷使しないこと」

真姫「しっかり安静にしておけば、明日には何事もなくなってると思うわよ」

花陽「真姫ちゃんありがとう」

凛「ありがとにゃ!」


穂乃果「もしかして今ダブルス2が終わったとこ?」

ことり「うんそうだよ」

穂乃果「じゃあ次はことりちゃんの試合だし、サクッと勝っておしまいだね!」

ことり「えっと、その……」

穂乃果「ん?」

凛「……穂乃果ちゃんごめん。凛達負けちゃった」

穂乃果「…………?」

穂乃果「…………えぇええええ!????」

にこ「あんた起きてからどんだけ驚けば気が済むのよ」

穂乃果「だ、だって! 凛ちゃんと花陽ちゃんが組んで負けたところなんて、今まで1度も見たことないし……」


穂乃果(フミコ・ミカペアやまこまきペアより強いのはもちろんなこと、のぞにこペアにすら安定して勝ち続けてるゴールデンペアが……本当に負けちゃったの!?)
346: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/23(土) 14:38:14.32 ID:wp+qX8df.net
凛「ゴールデンペアが負けるのなんてこれで絶対に最後だよ! きっと穂乃果ちゃんは、凛とかよちんの負けるところなんて一生拝めないにゃ」

花陽「ふふ、そうなるように頑張ろうね!」


凛「よぉ~し、そうと決めたら次の試合次の試合! かよちん、次の人って元オトノキ生なんでしょ? どんな人なの?」

花陽「桜内梨子選手、2年。身長160cmで血液型は──あ、私よりことりちゃんの方が詳しいのかなぁ?」

ことり「血液型はA型。誕生日はたしか9月19日。好きなことは絵やお料理や手芸や楽器。楽器以外はことりも好きだから、かなり趣味が合うんだ~」

ことり「基本的には後衛タイプ。でも、ネットプレイも熟せる準オールラウンダー。得意技は相手の回転を器用に打ち消す、通称“回転殺し”だよ」

ことり「体力や腕力やスピードが特別凄いわけじゃないけど、弱点になるほどダメなわけでもなくて、コントロールや状況判断力の高い選手……って感じかなぁ?」

穂乃果「おぉ! 詳しい!!」

ことり「梨子ちゃんとは中学3年生の頃からの付き合いで、ことりにとって多分、穂乃果ちゃんと雪穂ちゃんの次に沢山試合を重ねた相手だから」
347: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/23(土) 14:39:00.33 ID:wp+qX8df.net
真姫「でも、回転を打ち消すって……」

まこ「もしかしてことりちゃんの天敵!?」

ことり「ううん。むしろことりにとって相性の良い対戦相手なの。勝率もかなり良いんだよ~」

ことり「これといった隙や弱点のない梨子ちゃんだけど、そんな人にも攻略法がまるでないわけじゃないの。それはね……──」



曜「うはー! 1セットマッチでこんなに体力削られたのは生まれて初めてだよ~」

ルビィ「お、お疲れ様です! しっかり休んでね」

ダイヤ「御見事な試合でしたわ」

果南「どうも。幼馴染の負け分くらい、きっちり取り戻しとかなきゃと思ってね」

千歌「わぁ~! 果南ちゃんステキ! 流石! ポニテ! 筋肉! カッコイイ!!」キャーキャー!

果南「褒め方雑だなおいッ!」ビシッ!

千歌「えへっ」

梨子「…………」
348: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/23(土) 14:40:23.90 ID:wp+qX8df.net
曜「チカちゃん試合後ぶっ倒れてたわりには元気だねぇ」

千歌「いやこれ明日になったら筋肉痛ハンパないって……」

曜「あ、私も結構くるかも……」

善子「ちょっとー! 頂点を狙うヨハネ達にとって、明日が真のジハードなのよ!?」

果南「チカは一応リーダーなんだから、もうちょいしっかりしてもらわないと」

千歌「わ、わかってるって!!」アセアセ!


梨子「………………」

善子「あら? リリー緊張しちゃってる?」

千歌「目ぇ瞑ってるしお昼寝とか?」

果南「チカじゃないんだからそんなわけないでしょ」

梨子「……ん、ちょっと精神統一してた」
349: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/23(土) 14:42:35.14 ID:wp+qX8df.net
鞠莉「ジャパニーズメディケーションって目を閉じることが多いわよね」

曜「めでぃけいしょん……?」

千歌「メディケーションって言ったらほら、なんか健康管理的なアレだよアレ!」

ダイヤ「それはセルフメディケーションのことでしょう? medicationの単語そのものの意味は、瞑想や黙想だったはずですわよ」

鞠莉「イグザクトリ~☆」

梨子「目を閉じないタイプの瞑想もあるみたい。だけど私は目を閉じる方が好き、かな」

梨子「それと自分でも意外なんだけど、なんでか緊張はしてないよ。不思議と落ち着いてる」

千歌「おぉ~」

梨子「……それじゃ、ことりちゃんを超えてくるね」スッ…


梨子「浦の星女学院、全国決勝進出。そして優勝のために!! 」
350: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/23(土) 14:44:07.45 ID:wp+qX8df.net
 
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. ♡←HEAT UP(ステキヒートアップ)
     (原曲……Heat Up  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=UPT5sSlIvrM




浦女一同『『『『『ヒート・アップ! ヒート・アップ! ヒート・アップ♪』』』』』

浦女一同『『『『『ヒート・アップ! ヒート・アップ! ヒート・アップ♫』』』』』


浦女一同『『『『『熱い心 燃える魂 揺れるジャージ 私たちの鎧 ヒート・アップ♪』』』』』


ダイヤ『極めろ頂点 それは今しかなーいー♪』

梨子『このメンバーでこそ 天下が取れーるぅ~♫』

ルビィ『こんな試合は沼津じゃ 味わえないよ♪』

鞠莉『完ペキ☆シャイニン☆パーフェクト パーフェ~クト♫』


花丸『ちょっと上へ登ってみたくなったずら♪』

果南『燃えて来たねぇー サンシャイン♫』

曜『暴れたりないな まだ暴れたりないよ~♪』

善子『ヨハネは引く気ない~わよ♫』

千歌『見せつけてやる! 内浦スピリッツ♪』
351: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/23(土) 14:45:02.18 ID:wp+qX8df.net
 
浦女一同『『『『『ヒート・アップ! ヒート・アップ! ヒート・アップ♪』』』』』

浦女一同『『『『『ヒート・アップ! ヒート・アップ! ヒート・アップ♫』』』』』


音ノ木一同『『『『『絶えず進め 負けを断ち切れ 唸るラケット 私たちの行方 ヒート・アップ♪』』』』』


希『山での修行にでもー 耐え抜いてきた~♪』

ことり『スピン任せのカットサーブ♫』

真姫『私の邪魔する奴は 誰も許せな~い♪』

にこ『にこぷりショットのキレ~♫』

まこ『ファイオー音ノ木♪』

  穂乃果「うん! ファイトだよっ!」


音ノ木一同『『『『『ヒート・アップ! ヒート・アップ! ヒート・アップ♪』』』』』

音ノ木一同『『『『『ヒート・アップ! ヒート・アップ! ヒート・アップ♫』』』』』
 
352: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/23(土) 14:46:52.09 ID:wp+qX8df.net
 
絵里『(ヒート・アップ!)ここまで来たら~♪ (ヒート・アップ!)後には引けな~い♫』

英玲奈『(ヒート・アップ!)本来の我々のー♪ (ヒート・アップ!)力を示すのだー♫』

UTX一同『『『『『ヒート・アップ! ヒート・アップ! ヒート・アップ♪』』』』』

UTX一同『『『『『ヒート・アップ! ヒート・アップ! ヒート・アップ♫』』』』』


ツバサ『(ヒート・アップ!)完全勝~利♪ (ヒート・アップ!)一度も負けるこ~となく♫』

UTX一同『『『『『(ヒート・アップ!)エンペラーの名をー (ヒート・アップ!)知らしめるのだー♪』』』』』

UTX一同『『『『『ヒート・アップ! 秘めた思い ヒート・アップ! 固めた決意♫』』』』』

UTX一同『『『『『ヒート・アップ! 軋むシューズ 我々の轍 ヒート・ア~ップ♪』』』』』
 
353: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/23(土) 14:47:38.62 ID:wp+qX8df.net
 
UTX一同『『『『『ヒート・アップ! ヒート・アップ! ヒート・アップ♪』』』』』

音ノ木一同『『『『『ヒート・アップ! ヒート・アップ! ヒート・アップ♫』』』』』

浦女一同『『『『『ヒート・アップ! ヒート・アップ! ヒート・アップ♪』』』』』

  『『『『『ヒート・アップ! ヒート・アップ! ヒート・アップ♫』』』』』

  『『『『『ヒート・アップ!!』』』』』

 ~♪      ~♪      ~♪



審判「ザ・ベストオブ・ワンセットマッチ!」

   浦の星女学院 桜内
       VS
    音ノ木坂学院 南 

審判「浦の星サービスプレイ!!」

 
354: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/23(土) 14:49:29.31 ID:wp+qX8df.net
梨子(サービスゾーンの隅を狙ったり、相手のバックハンドを狙ったり、コントロール重視でサーブを打つのは得意だけど……)

梨子(ことりちゃん相手にそれをやっても器用に返されちゃうから、比較的効果は薄い。ことりちゃんに有効なのはコレだっ!!)ズバァーーン!!!

ことり「!?」

審判「フォルト」

梨子(おしい。ちょっと大きすぎたかな)

ことり(球威が……半年前とまるで違う!)タジッ…


梨子(さっきのサーブを恐れて下がったね。ならセカンドサーブは、なるべく弱く……浅く……)ポーン…

ことり「っ!?」スタタッ ポーーン

梨子(ほら、やっぱり慌てた。リターンが甘いよ!!)ドーーーン!!

審判「15-0」


穂乃果「……ことりちゃんが初っ端から掻き乱されるなんて!」

真姫「嫌なスタートね」
355: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/23(土) 14:50:43.55 ID:wp+qX8df.net
梨子(今度は……入って!!)ズバァーーン!!!

梨子(よし! 入った!!)

ことり「っ!」スパーーン


千歌「わ~珍しい! 梨子ちゃんが力任せのサーブを2度も打ったよ」

善子「へぇ。意外と力あるのね」

曜「まぁ私や果南ちゃんと練習試合する機会も多かったしねー」

善子「でもヨハネと戦う時はあんなサーブ打ってこなかったわよ?」

花丸「多分南ことりさんに有効なサーブが、力押しってことかと……」


梨子(ことりちゃんは生粋のカウンター型。だから自分のペースで試合を進めるというよりも、まずは相手のプレイに合わせて戦う傾向にある)

梨子(私のプレイに合わせようと思っていたところに想定と全く違う球を打たれたら、それはもうビックリしちゃうはずだよね)

ことり「は!」スッパーーン!!

梨子(まぁこの新しいパワープレイも既に攻略されかかっちゃってるけど、それも想定済み……)チョン コロコロコロ…

審判「40-15」


鞠莉「グ~ッド! 今度はいつもの梨子らしい繊細なショットだわ」

果南「色んな戦い方で相手の不意を突く。上手いね」

千歌「この調子でいっけーーー!!」
356: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/23(土) 14:52:29.23 ID:wp+qX8df.net
梨子「たぁ!!」バシィーン!!

ことり(ことり相手にトップスピン? 多分誘われてるんだろうけど、こんなチャンスボールを見過ごすのも勿体無いし……よし、やっちゃいます!)

ことり「……ことりのおやつにしちゃうぞ!」チュンッッッ!!!

   シュルルルル!!!

凛「出たー! ことりちゃんの必殺技“コトリ返し”!!」

まこ(さっきことりちゃんが言ってた桜内梨子さんの攻略法その1。普通の回転は器用に打ち消せても、ことりちゃんの生み出す超回転までは完璧に打ち消せない!!)


梨子「ハッ!!」スパァーーーン!!!

ことり「あ、あれ……?」キョトン…

梨子(ふふ。私が成長は戦い方の多様化だけじゃない。“回転殺し”も更に極めたよ)

審判「ゲーム浦の星、1-0。チェンジコート」


希「お相手さん器用やな~。見知った各上相手の戦い方を熟知しとる」

穂乃果「希ちゃんが絵里ちゃんと戦う時にやってたみたいな?」

希「そうそう。普通に戦っても勝てないなら、相手に本来の実力を発揮させなきゃいいだけの話やん?」

穂乃果「なるほどぉ! でも次はことりちゃんがサーブの番。嫌な流れも断ち切れる……はずっ!」
357: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/23(土) 14:53:49.15 ID:wp+qX8df.net
ことり「…………」シュ… カッッッッ!!!

梨子(凄い。昔以上の回転数、ほとんどバウンドしてくれないや……)ポーーン

ことり(やっぱり普通にリターンされちゃった。でもことりのサーブは打ち返したところで救い上げるような形にしかならない、つまりチャンスボール!)グウォン!

   グウィィィィン!!!

梨子(趣味や思考はわりと近いのに、プレイは地味な私と真逆で相変わらずド派手だね)クスッ


鞠莉「ワ~オ! アンビリーバボぅ!!」

千歌「なにあれ!?? 見た見た!? ボールがすんごい曲がったよ!!」

ルビィ「い、今の技……お姉ちゃんなら出来たりする?」

ダイヤ「馬鹿言わないで。軽い曲球なら打てても、あの様な曲がり方を再現するのは不可能ですわ」

果南「腕の振り上げ方がヤバイ。あんなの普通の人が真似しようとしたら、きっとすぐに肩痛めるか脱臼しちゃうって」


まこ(ことりちゃんが言ってた桜内梨子さんの攻略法その2。体力は並なんだから、バギーホイップショットで左右に振り回し続ければいつか勝てる!)
358: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/23(土) 14:56:01.70 ID:wp+qX8df.net
  バコーーン! パコーン! ポーーン シュッ パコーン! スッパーーン!! スパーン パコン


まこ「……あれ? なんだかバギーホイップショットを打たせてもらえてない感じ?」

希「今度は“回転殺し”というよりも“回転封じ”って感じの戦い方やね」

花陽「たった数プレイを見た感想なんだけど……多分あの人は、回転技に強いことを除けば地味で普通なプレイヤーなんだと思います」

真姫「地味で普通?」

花陽「うん。小原鞠莉選手ほど対戦相手を操作するのが上手なわけでもなく、高海千歌選手ほどローボレーに長けていたり爆発力があるわけでもない」

花陽「そこそこ力強いショットを打てるみたいだけど、松浦果南選手や渡辺曜選手には遠く及んでいないし、それにエースの黒澤ダイヤ選手にも当然劣るだろうから……」

凛「つまり実は弱いプレイヤーってこと?」

花陽「ん~、浦女レギュラーの中で下位ではあるんだろうね。だからといって、決して弱いわけじゃないけど」

希「なるほどな~。だから各上選手を掻き乱しつつ戦うのに慣れているし、己の未熟さを正確に把握してるからこそ油断なく盤石な試合運びができるっちゅうわけか」
359: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/23(土) 14:58:46.48 ID:wp+qX8df.net
梨子(ここだ!!)ズッバァァァーーーン!!!

審判「ゲーム浦の星、2-0」


梨子(よし! この感じならいける!!)

ことり「…………」

  バコーーン! パコーン! ポーーン シュルルル パコーン! カッッッ!! スパーン パコーーン


海未「……まさかことりが劣勢とは。予想外です」

ツバサ「あの桜内梨子とかいう人、スピンへの耐性が異常に高いようね」

あんじゅ「得意な技が通用しないのは痛手ねぇ~」

英玲奈「南ことりから天才的な超回転を除いてしまえば、ただの平凡な選手に過ぎないということか」

絵里「逆に言ってしまえば、南さんは回転というたった1つの武器で、希や穂乃果の上に君臨するプレイヤーなのよ?」

絵里「そんな人の操る回転技を、このまま全て打ち消し続けることが出来るとは考え辛いわ」
360: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/23(土) 15:02:12.76 ID:wp+qX8df.net
ことり(バックラインギリギリの、とびきり深いボールを叩き込む!)スッパーーーン!!

梨子「っ!」シュッ!!

ことり(深いボールを自然に打ち返せばスライス回転になる。そしてそのバックスピンを……)スッ…

ことり「……ことりのおやつにしちゃうぞ!」チュンッッッ!!!

   シュルルルルルルルッッッ!!!!!

梨子(今まで見たこともないような超絶トップスピン!? しまった!)シュパーーーーーーーーーン

審判「アウト、30-30」

梨子(あまりの回転力に、ボールが勝手にラケット面を滑り抜けていくなんて……)

ことり「ふふ。“裏・コトリ返し”ですっ! 梨子ちゃんの“回転殺し”が進化してるのとおんなじで、ことりの回転もパワーアップしてるんだよ~」
361: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/23(土) 15:02:42.91 ID:wp+qX8df.net
鞠莉「あらら。梨子の“回転殺し”を前にプレイスタイルをチェンジするでもなく、あくまで真っ向勝負で打ち破ろうってわけね」

ダイヤ「プレイスタイルを変えないのではなく、変えられない……という風にも見えますわ」

曜「私や果南ちゃんが力押し専門なのと同じで、あの人はスピンの専門家ってこと?」

ダイヤ「恐らくそうなのでしょうね。果たしてそれが欠点となるのか、それとも1つの道を究めた者が真の強者足り得るのか……」


ことり「え~いっ!」シュルルルルッ!!!!

審判「ゲーム音ノ木坂、1-2。チェンジコート!」


穂乃果「おぉー! ここでブレイク! ことりちゃん良い感じじゃん!」

ことり「えへへ♡ でも多分、もうそろそろ“裏・コトリ返し”も通用しなくなると思うなぁ」

凛「なんでなんで?」

ことり「ことりは昔からバックスピンや横軸の回転はよく使ってたけど、トップスピンを使うようになったのは最近なの」

ことり「だから虚を付けた。だけどそういう搦め手って、梨子ちゃんには短い間しか効かないと思うんだ~」
362: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/23(土) 15:05:13.94 ID:wp+qX8df.net
穂乃果「そういうものなの?」

ことり「うん。梨子ちゃん本来の繊細で丁寧なボール捌きと、最近身に着けたっぽいパワーショット。ことりは最初その使い分けに戸惑っちゃったけどもう慣れたし……」

にこ「逆もまた然りってわけね」

ことり「そういうことっ」

ことり(梨子ちゃん相手じゃ“ワンダーゾーン”も通用してくれないし、少し困っちゃうなぁ。それでももちろん負けるつもりはないけど)


ことり「…………」シュ… カッッッッ!!!

  バコーーン! パコーン! ポーーン シュルルル パコーン! スッパーーン!! シュッ

ことり「……ことりのおやつにしちゃうぞ!」チュンッッッ!!!

   シュルルルルルルルッッッ!!!!!

梨子(この“裏・コトリ返し”は、回転を打ち消さない限りまともに打ち返せない。だからって逆回転で対抗しようなんて無理に決まっている)

梨子(だから動きをより丁寧に……しなやかに……ラケットでボールを包み込むように……っ!)スゥゥーーー……フワッ! コロコロ…

ことり「えっ」

梨子「……“桜包み”」

審判「0-15」
363: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/23(土) 15:08:52.24 ID:wp+qX8df.net
 
希「なんや今の!?」

にこ「複雑な回転の球も包み込むように捕らえ、無回転にして返すなんて……凄い技術ね」


ことり「っ!!!」シュルルルルッ!!!

梨子(……“桜包み”)スゥゥーーー……フワッ! コロコロ…

ことり(あっ……また回転を消されちゃった)

審判「ゲーム浦の星、3-1」



英玲奈「……ふむ。絵里、先程己の発した言葉を覚えているか?」

絵里「な、なんのことかしら」

英玲奈「南ことりの操る回転技を、このまま全て打ち消し続けることが出来るとは考え辛い。と、言っていたように思うのだが」
364: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/23(土) 15:09:29.43 ID:wp+qX8df.net
あんじゅ「桜内さんにはそれが可能みたいね~」ウフフ

絵里「何よもう! 私だって間違えることくらいあるわよ!」

あんじゅ「あはははは。絵里が怒った~」

絵里「うっ……」グヌヌ

海未「ことりがピンチだというのに何を遊んでいるのですか。まったく」

ツバサ「南さんの顔を見てみなさい。とてもピンチには見えないわ」


  ことり「……ふふ」ニコッ


ツバサ(間違いない。あの天才……まだまだ爪を隠している!)

 
368: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/24(日) 21:46:24.98 ID:myQtxtXx.net
 
    【Genius 19:天才と凡人?】


審判「ゲーム浦の星、3-1」


ことり(ふふっ。梨子ちゃんと戦うの、懐かしくってなんだか楽しいな~。前よりとっても強くなってるし)ニコニコ


梨子(不利な状況なのに笑ってる……?)

梨子(昔のことりちゃんなら、負けても楽しそうにしてることは珍しくなかった。でも今のことりちゃんは勝利に固執しているはず)

梨子(まだまだ余裕ってこと? ……まぁそんなことを考えたって仕方ないか。このサービスゲームも貰うまでっ!!)ズバァーーン!!!

ことり「はいっ」スパーーーン!

梨子「ハッ!!」ッパーーーン!!

ことり「え~い」ポーーーン

梨子(打ちやすいロブだね、スマッシュで打ち抜く!!)ドカーーーン!!!

ことり「ぢゅ゙ん゙っっっ!!」スパーーーン!!!!

梨子「!???」

審判「0-15」
369: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/24(日) 21:48:03.38 ID:myQtxtXx.net
英玲奈「今のはもしや、都大会決勝でみせたスマッシュカウンターか!?」

海未「スマッシュに無理矢理突っ込み跳ね返すこの技は、あの場限りの偶然の産物かと思っていましたが……」

あんじゅ「完っ全に会得してるみたいね~。これなら回転技ではないから、桜内さんにも通用しそうだわ!」


ことり「フッ」スッパーーーン!!

審判「ゲーム音ノ木坂、2-3。チェンジコート!」


  グウィィィィン!!! パコーーーン! グウィィィィン!!! スッパーーン! グウィィィィン!!!

梨子「はっ……はっ……」スタタタタタタ! パッコーン!!

梨子(なんで……。バギーホイップショットを打ちにくいように戦ってるはずなのに、どうしてこんなに連発されるの!?)


花陽「7……8……。す、すごいです! これで9連続バギーホイップショット!! あぁ! 10連続っ!!」


梨子(ッ! もう追いつけないっ……)ヨロッ…

審判「30-0」
370: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/24(日) 21:52:24.70 ID:myQtxtXx.net
穂乃果「一体どうなってるの? バギーホイップショットは打たせてもらえないんじゃ……」

希「相手は序盤と変わらず、ことりちゃんが横回転をかけ辛いようなボールを打ち続けているように見えるんやけど」

真姫「もしかして最初から、どんなボールがきてもどんな体勢からでも、好きなようにバギーウィップを打てたってこと……?」

まこ「それに単に打ってるだけじゃない、左右への振り幅がどんどん大きくなってるよ!」


ことり(迷いの振り子が止まらない──)

ことり「──“スピンテリブル”」グウィィィィイイイイイン!!!!!!

梨子「ぐっ……」ズサァーーー…

審判「ゲーム音ノ木坂、3-3」


梨子(そんな……対ことりちゃん用の戦い方が、悉く打ち破られていく!)

ことり(ことりの弱点なんて、そう簡単に見破らせません)エヘッ!
371: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/24(日) 21:54:26.33 ID:myQtxtXx.net
穂乃果「……す、すぴんてりぶる! すぴんてりぶるだって!!」

凛「かっこいいにゃぁぁぁぁぁあああああ!!!」

真姫「何が“スピンテリブル”よ。ただの連続バギーウィップじゃない。……まぁ凄いのは認めるけど」

まこ「でもテリブルって何?」

希「恐ろしいとか、恐怖とか、そういう意味やったと思うけど」

にこ「こんなとんでもない曲球の連発、やられる方からしたらたしかに驚異的でしょうね」


ことり「……!」チョコン…

梨子(今度は浅いリターン? ならこのまま前に出て、ネットプレイで押し切る!!)スタタ ズバーーン!!

ことり(足から膝、膝から腰、腰から胴、胴から肩、肩から肘、肘から手、手からラケット……)

ことり(無理に力まず、力を自然に伝達させ、ボールの上部を擦るように───思い切り腕を振りぬく!!)グウォン! パコーーーーーーーーーン

梨子「???」

梨子(あまりにも大きすぎるトップスピンロブ。いくらドライブ回転によって落ちやすくなるとはいえ、こんなのどう見てもアウ──)

   ガクッ
372: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/24(日) 21:55:37.97 ID:myQtxtXx.net
梨子(──!? ボールがここまで急激に落ちるなんてそんなっ!!)

審判「イン。ゲーム音ノ木坂、4-3。チェンジコート!」


梨子「……とても普通のボールの動きじゃない。まるで魔法でも見てる気分だよ」ハァ…ハァ…

ことり「それ正解っ♡ “ことり式・にこぷりドライブ”っていって、自分なりに打ち方をアレンジしたにこちゃんの技なの」

梨子(やっぱりことりちゃんは凄いね。矢澤先輩の、魔法と称される技まで扱えるなんて……)ハァ…ハァ…


ルビィ「お、追い抜かれちゃった……」

善子「リリー! しっかりなさーーい!!」

花丸(この流れって……もしかして……)


ことり(このサービスゲームもことりのモノにしちゃうぞ~)シュ… カッッッッ!!!

梨子(このアンダーカットサーブを打ち返すのは得意だけど、その後をなんとかしないとっ!)パコン!
373: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/24(日) 21:56:19.25 ID:myQtxtXx.net
ダイヤ「また劣勢の様ですわね」

鞠莉「スピンで梨子をムリヤリ倒そうなんて! なんなのよもぉ~」

花丸「『1-0』、『2-0』、『2-1』、『3-1』……」

善子「???」

花丸「……『3-2』、『3-3』、『3-4』、そしてこのゲームを南さんが取れば『3-5』」

ルビィ「マルちゃん? どうしたの?」

花丸「えぇと、3-1でリードしてから、3-5まで大きく逆転されてしまうこの流れ……ちょっとした既視感ずら」

千歌「あっ! 曜ちゃんと果南ちゃんがゴールデンペア相手にやったのとまったく同じだ!!」

曜「マジぃ!??」

果南「まさか南ことりはこの展開を狙ってやってるっていうの?」

花丸「さぁ。そこまでは分からないけど……」

善子「そんなのあり得ないわ! 偶然よ偶然!!」
374: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/24(日) 21:59:18.11 ID:myQtxtXx.net
梨子「っ」シュッ!

ことり「……ことりのおやつにしちゃうぞ!」チュンッッッ!!!

   シュルルルルルルルッッッ!!!!!

梨子「……“桜包み”」スゥゥーーー……シュパーーーーーーーーーン

梨子(え!? 回転が……打ち消せない!!)

審判「アウト、40-15」


梨子「そんな……どうして……」

ことり「その技って多分すごく繊細で、完璧な打ち方をしなきゃダメなんだよね? だから沢山走らせて体力を奪っちゃえば、フォームが崩れてくれるかなぁって」

ことり「かよちゃん……あ、小泉花陽ちゃんのことね。かよちゃんが渡辺さん相手にやったのと同じことだよ」


絵里「流石は音ノ木の天才といったところかしら。もう通用しないかと思われた“裏・コトリ返し”に、息を吹き返させたわ」

海未「バギーホイップショットの連発で左右に大きく揺さ振り、時たまドロップショットとトップスピンロブで前後ダッシュも強制させる……」

海未「恐ろしいですね。ことりとはあまり戦ってみたくないです」
375: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/24(日) 22:00:33.94 ID:myQtxtXx.net
絵里「本来得意なはずのスピン技に翻弄されるなんて、桜内さんの立場からしたら堪ったものじゃないでしょうね」

海未「これが天才と普通のプレイヤーの差……精神的にも体力的にも、そろそろ限界でしょうか」


ことり「えいっ」グウィィィイイイン!!!

梨子「はっ……はっ……」スタタタタ!! パコーーーン!!

ことり(迷いの振り子が止まらない──“スピンテリブル”!)グウィィィィイイイイン!!!!

梨子「ぅ……」ドサリッ…

審判「ゲーム音ノ木坂、5-3」


梨子「……はぁ…………はぁ…………」

梨子(やっぱり……凡人の私に勝ち目なんて……)


ダイヤ「……梨子が立ち上がらないわね」

鞠莉「心までポッキリいっちゃったのかしら……」

千歌「そんなっ! 梨子ちゃんはそう簡単に諦めるような人じゃないよ!!」


梨子「……」

梨子「…………」

梨子「………………」
376: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/24(日) 22:01:02.35 ID:myQtxtXx.net
梨子(皆、ごめんなさい。……千歌ちゃん、ごめんね)

梨子(ことりちゃんを超えるとか、そんな偉そうなことを言っておきながら……どうやっても勝てそうにないや……)


  ──ねえねえ! テニスが好きってホントっ!?

  ──はいコレ入部届け!

  ──数年後廃坑になることはもう確定しちゃってるんだけど、せめて最後に浦女テニス部を輝かせたくって……。

  ──とりあえず体験入部からでいいんで! お願いしますっ!!!

  ──全国大会なんて、こんな田舎に住んでる私たちにはどうせありえない遠い世界だってあきらめてたけど……でも。

  ──みんな! 思い切って一歩を踏み出そう!!


梨子「っ……」
377: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/24(日) 22:01:52.57 ID:myQtxtXx.net
 

  ──元々テニスは楽しかった。けど千歌ちゃんとテニスをしていると、私の知らない自分が出てきそうになるっていうか──何だか心が躍る。

  ──もしかしたら、この高揚感が「勝ちたい」っていう気持ちなのかな……?

  ──敗者の……想い……。

  ──自分のためのテニスなら楽しめればそれでいい。けど、団体戦では皆のために頑張ろうって思える。

  ──ことりちゃんの試合にかける想いや気迫、とっても伝わってきた。

  ──私も……本気になれるかな?


梨子(なんだろう、この感じ……。もうずっと倒れていたいくらい体は苦しいのに……地に伏したままじゃ、心が苦しい……)
378: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/24(日) 22:02:22.92 ID:myQtxtXx.net
 
   ザッ…  ザッ…  ザッ…

梨子(誰か……近づいてくる……?)

  「……ねぇ」

梨子(……ことり、ちゃん?)

ことり「本気でやってよ」

梨子「…………」


審判「こらキミ、チェンジコートはまだですよ」

ことり「はぁ~い♡」スタスタ!


善子「満身創痍の対戦相手に向かって本気でやれって……なんなのよアイツぅ!!」

果南「可愛い顔して鬼だな」


にこ「ちょっとことり何やってんのよ」

真姫「まったく、練習試合じゃないんだから」

ことり「えへへ……」


梨子「……」

梨子「…………」

梨子「……そうだね」

ことり「!」

梨子「このまま負けたんじゃ……何かくやしいや……」グッ…
379: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/24(日) 22:04:29.68 ID:myQtxtXx.net
 
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪.私は変わる
     (原曲……僕は変わる  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=nzbJsKJbH9M




梨子『ダメだね……このまま倒れてちゃ…… 自分に……負けてしまぁう♪』

梨子『がむしゃらという…… 言葉の意味が…… ようやく……♫』

梨子『……分かりそ~うだよぉぉぉおおおー♪♪♪』


  千歌「梨子ちゃんが!!」

  ようかな「「立ち上がった!!!」」


  ことり「そうこなくっちゃ!」

  ことり「でも……がむしゃらになって流れが変わるほど、テニスは甘くないよ!」

  梨子「やってみなきゃ……分からないよっ!!」スッパーーーン!!
 
380: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/24(日) 22:04:58.64 ID:myQtxtXx.net
 
梨子『私は変わる 負けるのが嫌だから♪ 進化するよ この試合を糧に♫』

梨子『やってみなくちゃ分からない 行けるとこまで行き着いてや~る♪』

梨子『自分を追いつめてみせる♫』

梨子『誰も知らない自分に 今 生まれ変わるぅー♪』


梨子『絶対に負けられな~い♪ 絶対に負けられな~い♫』

梨子『負けて~なるのものかぁー!』


  ことり「凄い底力だね。だけど、これでおしまいだよ!」シュルルルルルッ!!!

  梨子「決めさせるかっ!!」スタタタタ スパァーーン!!
 
381: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/24(日) 22:05:58.39 ID:myQtxtXx.net
 
梨子『この汗には 血の匂いがしている♪ 初めてだよ 闘志が傷ついた♫』

梨子『血まみれになっても勝ちたい 浦の星を優勝に導く♪』

梨子『それが私の願いなのさ♫』

梨子『誰も知らない自分に 今 生まれ変わるぅー♪』


梨子『絶対に負けられな~い♪ 絶対に負けられな~い♫』

梨子『負けてなるのものか!』


  梨子「このチームを全国優勝へ……。それが私の願い」

 ~♪      ~♪      ~♪


梨子「だから絶対に負けられないんだぁ!!」ズバァァァーーーン!!!

審判「ゲーム浦の星、4-5。チェンジコート!」

梨子「よしッッッ!!!」グッ!!


るびまる「「やったぁ!!」」

善子「土壇場で1ゲーム返したわ!!」
382: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/24(日) 22:07:43.82 ID:myQtxtXx.net
ことり「…………」クスリ…

梨子「…………」キッ!


ことり(ふふ。ここからが本番、かな?)シュ… カッッッッ!!!

梨子(これ以上長期戦をすれば不利になる一方。だからって焦っちゃ駄目だ。レシーブをしたら、攻め急ぎ前に出る姿勢を見せて──)パコン!

ことり(ネットにつかせません!)グウォン! パコーーーーーーーーーン

梨子(──そう来ると思ったよ。ボールの着地点を読めてさえいれば、そんなのただの深いロブに過ぎない!)ズバァーーーン!!


穂乃果「あぁっ、“ことり式・にこぷりドライブ”がスマッシュで返されたっ!!」

真姫「あんな後ろから打たれたスマッシュなら弾道予測も容易。それに、ことりにはアレがある!」


ことり「ぢゅ゙ん゙っっっ!!」スパーーーン!!!!

梨子(いくら矢澤先輩の魔法を扱えるようになったからって、ことりちゃんはあくまでことりちゃんだ)

梨子(中3・高1の2年間、何度も試合を重ね、ほんの数回とはいえ倒すことのできた相手に過ぎない。だから絶対に勝ち筋はある!)
383: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/24(日) 22:08:45.14 ID:myQtxtXx.net
梨子(それに私を変えてくれた千歌ちゃんのためにも……負けるわけにはいかない!!)カッ!

ことり(よ~し、スライス回転。だったら!)

ことり「……ことりのおやつにしちゃうぞ!」チュンッッッ!!!

   シュルルルルルルルッッッ!!!!!

梨子「…………」スッ…


英玲奈「桜内梨子が瞳を閉じたぞ!?」

あんじゅ「まさかこのタイミングで諦めちゃったの~?」

ツバサ「いや……この感じは……」

ツバサ(天才対凡人の試合かと思っていたけどとんでもない。この子、試合の中で大いに化けるわよッ!)


梨子(全神経を研ぎ澄ませろ……ボールの気配を感じ取れ……)

梨子(そして、その超絶回転を完全に打ち消す!!)スゥゥーーー……フワッ! コロコロ…

ことり「っ!!」

審判「0-15」


果南「あのヤバイ回転を再び打ち破った!!」

曜「でも今梨子ちゃんが目を瞑ってたように見えたけどっ!?」

千歌「凄い! 凄いよ梨子ちゃーーーん!!」
384: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/24(日) 22:10:53.85 ID:myQtxtXx.net
 
梨子(瞳を閉じて、ボールを……ことりちゃんの心を……すべてを感じ取る)

梨子(……心の目で見なければものごとはよく見えない、肝心なことはいつも目で見えないんだ)


 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. CLOSED EyE
     (原曲……クローズドアイ  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=eZYVjbXh044




梨子「いつかこんな日がくるような気がしていたよ。ことりちゃんを相手に、自分の全てを賭けて戦う時が!!」パッッッコーーーン!!


梨子『クローズドア~イ 心の瞳で~ 見えないものまで感じ取ろうー♪』

梨子『クローズドア~イ 手探りで捉える 分かり切った~セオリー♫』

梨子『何処に動くか~は 目覚めた第六感が 教えてく~れる♪』

梨子『私のフォーカス 今は君しか見えないぃー♫』
 
385: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/24(日) 22:11:20.00 ID:myQtxtXx.net
 
梨子『見事だね にこぷりドライブ♪』

梨子『でも形は模倣出来ても 精神まで真似は出来~ない♫』

梨子『君の本質を探る 惑わされるもんか♪』


梨子『クローズドア~イ 瞳を閉じて~ 心のまま私は君を思うー♪』

梨子『クローズドア~イ 暗闇の中から 浮かび上がる真実ー♫』

梨子『クローズドア~イ クローズドア~イ♪』

 ~♪      ~♪      ~♪


梨子「!!!」スッパーーーン!!

審判「ゲーム浦の星、5-5」
386: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/24(日) 22:12:43.02 ID:myQtxtXx.net
ルビィ「やった! ついに追いついた!!」

鞠莉「エキサイティ~ン☆」

ダイヤ「現在あの子の精神は、極限まで研ぎ澄まされていますわ」

千歌「このままいけば逆転できるっ!!」

ダイヤ「いえ。どれだけ精神面で勝っていようと、それで勝てるとは限らない」

千歌「え……」


ことり「えいっ」グウィィィイイイン!!!

梨子「はぁ……はぁ……」タッ…タッ…タッ…! パコーーーン!!

梨子(今の私なら、ことりちゃんがどこにどんなボールを打ってくるのか手に取るようにわかるのに……体が重いっ)ゼェ…ハァ…


ダイヤ「地に伏したあの時、既にスタミナは尽きかけていたはず。最早気力で動き続けているに過ぎませんわ」

ダイヤ「残念ながらこの試合……勝敗は、とっくに決していましてよ……」
392: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/26(火) 22:07:58.18 ID:iTT2bhfN.net
 
    【Genius 20:勝敗を隠す冷たいカーテン】


海未「時折みせる、瞳を閉じながらにして敵の打球を観測しているかのようなあの動き……神懸かっていますね」

絵里「凄いわ。こんなの努力したからっといって可能なことじゃない。まさか浦の星が、こんな天才を眠らせていたなんて……」

ツバサ「そもそも才能のないプレイヤーが準決勝まで上がってこれるわけがない。大切なのは、努力によって己の才をどこまで開花させることができるかよ」


ことり「えいっ」グウィィィイイイン!!!

梨子「はぁ……はぁ……」タッ…タッ…タッ…! パコーーーン!!


あんじゅ「桜内さんすごい猛反撃だったのに、一気にペースが落ちてきちゃったわね~」

英玲奈「試合中盤、あれだけ左右に走らされていたんだ。こうなってしまっても仕方あるまい」


審判「ゲーム音ノ木坂、6-5。チェンジコート」
 
393: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/26(火) 22:09:47.83 ID:iTT2bhfN.net
まこ「また“スピンテリブル”……」

真姫「あんなフラフラな相手、わざわざこれ以上走らせなくても勝てそうなものなのに」

凛「ちょっとえげつなくないかにゃー? いつものほんわか優しいことりちゃんが、なんだか今は少し怖いにゃ……」

花陽「あの2人って仲良しさんなんだよね?」

穂乃果「友達だからじゃないかな? ことりちゃんは優しいからこそ、多分……こうするしかないんだよ」

凛「え?」

にこ「相手をとことん走らせて、限界まで体力を奪ってから勝つ。もちろん他の方法でも勝てるんでしょうけど、それが現在もっとも安牌な勝ち筋よ」

にこ「最後の最後まで死ぬ気で勝ちにしがみついてくる桜内梨子に、こちらも本気で応えたいのなら……」

希「どれだけ可哀想な展開になってしまっても、いたぶり続けるしかないっちゅうことか……」
394: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/26(火) 22:12:28.03 ID:iTT2bhfN.net
ことり「…………」グウィィィイイイン!!!

梨子「はっ……はっ……はっ……はっ……」タッ…タッ…タッ ポーーン!

ことり(これがことりの戦い方なの。梨子ちゃん、ごめんね。そして──)グウィィィィィイイイイイン!!!!

梨子(もう体が思うように動かない……。しまった! 足が縺れッ)グラッ

梨子「ぁああっ!!」ドサァァァーーーー

ことり(──満身創痍になりながらも最後まで戦ってくれて、本当に……本当にありがとう)

審判「ゲームセット! ウォンバイ音ノ木坂、南。7-5」


梨子「…………っ……うぅっ…………」

ことり「…………」

梨子「……っ……初めてだよ…………負けて、こんなに、悔しいのは……」

ことり「嬉しいよ。そんなになるまで、必死に向かってきてくれて」

ことり「こんな大舞台で本気の梨子ちゃんと初めて戦えちゃって、ことりはとっても幸せですっ♡」エヘッ

梨子「はは……敵わないなぁ」
395: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/26(火) 22:13:58.27 ID:iTT2bhfN.net
千歌「……むぅ」

曜「何ムスッとしてるのさ。負けちゃったけどいい試合だったじゃん!」

千歌「あの南ことりさんは、千歌の知らない梨子ちゃんをいっぱい知ってるんだろうなぁーと思って」

果南「お、嫉妬?」

千歌「そういうんじゃないけどさー」


ことり「ハイ、つかまって?」スッ

梨子「ありがと……わわっ」ヨロッ…

ことり「ふふ。ことりがしっかり支えてあげま~す」


穂乃果「いいねぇ~青春だね~」

真姫「何親父臭いセリフ言ってんのよ」

穂乃果「この大会が終わったら、私、本気モードのことりちゃんにリベンジするんだ!」

花陽「それはちょっと悪いフラグのような……」


希「は~い楽しいお喋りはここまで! 次は問題のダブルス1や!!」
396: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/26(火) 22:16:34.52 ID:iTT2bhfN.net
まこ「シングルス2は希ちゃんの占いがかなりあたっちゃったよね」

凛「危険な試合だったしとんだ災難だったにゃ……」

希「でも『死神』のカードの正位置には、物事の終わりや新たな転換期って意味も秘められとるって言ったやろ?」

希「あの試合はゴールデンペア連勝記録の終わりであると共に、更なる成長への再スタートなんだってプラスに考えよ?」

凛「うん!」


希(まぁタロット占いって曖昧な暗示が多いし、何が起きたとしても大抵なんとなくあたったような気がしてしまうものなんやけどね)

希(せやけど、今回は妙にあたりすぎてる。こりゃ次もかなり気を引き締めていかないとアカンかもしれんで……)
397: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/26(火) 22:17:18.67 ID:iTT2bhfN.net
希「そんでダブルス1。『塔』のカードの逆位置。意味は……緊迫、突然のアクシデント、不幸、無念、屈辱」

まこ「怖いけど、頑張るしかないね!」

真姫「えぇもちろん! 音ノ木の天才はもう1人居るんだってことを、思う存分世間に知らしめてやるわ!!」



梨子「…………」ヨロヨロ…

ことり「梨子ちゃんをお届けにまいりました~」

千歌「梨子ちゃんお帰り! 南さんもありがとうございます!」

ことり「いえいえ」

梨子「ただいま。えっと……もう後が無くなっちゃってゴメ……んんぅ」モガッ!

善子「それ以上言ったら堕天使の雷を喰らわすわよ」

梨子「よっちゃん???」

善子「ラストのダイヤが負けるわけないんだし、次の試合はこのヨハネが華麗に制するんだもの! あなたは安心して休んでなさい」

花丸「オラも頑張るずら!」

梨子「2人共……ありがとう。後の事は安心してお任せします!」
398: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/26(火) 22:18:54.73 ID:iTT2bhfN.net
ことり「うふふ。でもうちのまこまきペアは強いよ~」

善子「マコとマキ? あの強気で生意気なツリ目女はどっちなの?」

ことり「ことりは生意気だなんて思ってないけどぉ、強気でツリ目の子なら西木野真姫ちゃんだよ。真姫ちゃんとお知り合い?」

善子「フフ。神のちょっとした悪戯によって、争い合う運命(さだめ)にあるというだけのことよ」ザッ スタスタスタスタ

花丸「まだ審判に呼ばれてないのに……待って~」

曜「あ、追わない方が良いよ」

花丸「え?」

曜「ここは海辺の町じゃないから中々気づけなかったんだけどさ、この雲と空気の感じって……」


善子「出てきなさい! 西木野真姫!! 貴女はこの堕天使ヨハネが、直々に葬ってあげ──」


   ポツポツポツ… ザァァァァァアアアアアア!!!

 
399: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/26(火) 22:20:55.00 ID:iTT2bhfN.net
曜「ほら。やっぱり降ってきた」

果南「結構強い雨だね」

ルビィ「ここは屋根があってよかった~」

千歌「アハハ! コートに居る善子ちゃんだけびしょ濡れだー!」

善子「んもーー!! どうしていつも私だけ不幸に苛まれるの~~~!!」

ダイヤ「私だけ? あなたの雨女っぷりの巻き添えにあった審判さんが1番の被害者ですわ」

善子「キィィィ~~~!!!」


真姫「…………」

まこ「…………」

真姫「……止みそうにないわね」

まこ「そうだね。希ちゃんの占いで出た『突然のアクシデント』って、もしかしてこれのこと……?」


審判「浦の星女学院対音ノ木坂学院の準決勝。只今をもちまして、雨によるサスペンデッドゲームとします」

審判「尚、試合の続きは明朝9時から行い、その結果をもちまして、午後は予定通り決勝戦を行うものと致します」

審判「以上!」
400: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/26(火) 22:21:51.05 ID:iTT2bhfN.net
真姫「この程度の雨で延期? せっかく良い感じに高まってたのに」

まこ「仕方ないよ。楽しみは明日にとっておこう」

真姫「っ……」

希「そうと決まったからには、明日に備えて早いとこ帰り支度せんとね!」

まこ「ほら、真姫ちゃん帰ろ?」

真姫「……分かったわよ」


善子「フン! どうやら寿命が延びた様ね。だけど優勝へ進むのは我らが浦の星女学い──」

果南「はいはいこっちも撤収するよー」

善子「ちょっとぉ! 最後まで言わせなさいよぉぉおお!!」


まこ「…………」

まこ「明日勝ち上がって、そして優勝旗を持ち帰るのは……私たち音ノ木坂学院だよ!」
401: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/26(火) 22:23:10.11 ID:iTT2bhfN.net
 
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. Rain halation
     (原曲……ヘビーレイン  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=7l2Swm2nc6Y




まこ『降りしきる 土砂降りの雨ぇ~♪』

まこ『恵みの雨か 試練の雨か 焦る気持ちを覆うハレーショ~ン♫』

真姫『激しく降る 横殴りの雨ぇ~♪』

真姫『吉と出るのか 凶になるのか 勝敗を隠す冷たいカーテ~ン♫』


まこまき『『はやる心に 水を差す雨♪ 濡れて滲むよ 明日への指針~♫』』

まこ『不安募らす 雨音ノイズ♪ 自分だけの思いに耳を澄まそう~♫』
 
402: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/26(火) 22:23:54.52 ID:iTT2bhfN.net
 
まこ『挑む気力持ち続けようー♪』

まこ『自分信じて チーム信じて 今はただ過ぎ去るのを待とう♫』


まこ『生きる気持ち熱く燃やそうー♪』

まこ『降る雨粒 跳ね返すのさ マイナスをプラスに変える今♫』

音ノ木一同『『『『『ヘビーレ~イン♪ ヘビーレ~~イン♪♫♪』』』』』

 ~♪      ~♪      ~♪
 
403: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/26(火) 22:25:20.84 ID:iTT2bhfN.net
 
  ×       ×       ×


雪穂「えぇーーーい!!」ズバァーーン!!

ことり「……ことりのおやつにしちゃうぞ!」チュンッッッ!!!

   シュルルルル!!!

ことり「はい、6-1でゲームセット♪」

雪穂「くっそ~」ヘタリ…

ことり「雨の中屋内コートにいきなり呼び出した上に、全力気味で勝負しちゃってごめんね?」

雪穂「はぁ……。大会で疲れてることりちゃん相手なら、ワンチャンあるかと思って受けて立ったのになぁ~」

ことり「ふふ。ことりに勝つのはまだ早いよ♡」

雪穂「なんか“ワンダーゾーン”とかいう新技ズルくない? 普通に打ち返してもボールが全てことりちゃんの立ってる方へ飛んでっちゃうし」

雪穂「それを打ち破ろうと本気でドライブショット叩き込んだら“コトリ返し”の餌食だしさー。こんなの勝ち目無いじゃん!」
404: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/26(火) 22:27:30.89 ID:iTT2bhfN.net
ことり「う~ん、でもまだ“ワンダーゾーン”は不安定だから。……なんか練習台にしちゃったみたいでごめんなさい」

雪穂「それは別に構わないけどね」


雪穂「っていうかお姉ちゃんは大丈夫なの? 今矢澤さんにしごかれてるんでしょ?」

ことり「う~ん。試合で倒れちゃった後だし、無茶な練習してないかことりも心配だけど……」

ことり「でも希ちゃんも一緒に居るみたいだから、きっと平気なんじゃないかなぁ?」


  ×       ×       ×


凛「やっぱり試合後のラーメンは最高だにゃ~!」ズルズル!

花陽「あぁぁ! そんなにがっついて食べちゃって手首は大丈夫なのぉ!?」

真姫「別に箸を素早く動かすくらい問題ないわよ」

花陽「よかったぁ……」
405: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/26(火) 22:29:08.49 ID:iTT2bhfN.net
真姫「よくないわよ。何で私まで呑気に食事してなきゃならないわけ? こっちは体動かしくて仕方ないっていうのに」

まこ「実際のところ、私達が明日勝たないとかなりまずいんだよね?」

花陽「……うん。エース兼今回の大将である黒澤ダイヤさんの底がまるで分からないし、午後に決勝も控えている以上、どうにかしてエース対決は避けたい」

凛「ずっとエースとばかり戦ってたんじゃ、にこちゃんの負担が大きすぎるもんね」

まこ「だね。なんとかダブルス1で終わらせてみせるよ!」


まこ「でも私達が責任重大なのは、なにも準決勝に限った話じゃないでしょ? むしろ決勝の方が……」

凛「うん?」
406: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/26(火) 22:30:29.05 ID:iTT2bhfN.net
花陽「絢瀬選手や綺羅選手に勝つのは、正直にこちゃんやことりちゃんでも難しいと思う。もちろん勝てる可能性ならあるけど、決して安易なことじゃない」

花陽「だから仮にその2戦を捨て試合と見做す場合、ダブルスプレイヤーと絢瀬戦・綺羅戦以外を行うシングルスプレイヤーに課された最低条件は──」


  花陽「──必勝」


真姫「ヴェエ!? 最低条件が必勝って……イミワカンナイ!」

花陽「関東大会でUTXと戦った時は、最悪負けてしまっても敗者復活戦という道が残されていたわけだけど、今回はそうじゃないからね」

花陽「絶対的エースが2人も居るUTX相手に総合力で勝るためには、どんな試合になろうと私達が必ず勝つしかないんだよ」

まこ「…………」ゴクリ…
407: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/26(火) 22:31:55.17 ID:iTT2bhfN.net
 
  ×       ×       ×


穂乃果「!!!」バコォーーーン!!!

にこ「ふん」

希「アウト。ゲームセット。ウォンバイ矢澤、6-2」


穂乃果「はぁ……はぁ……」グッタリ

にこ「ぜんっぜんダメ! もう1試合ッ!!」

穂乃果「これ以上動いたら死んじゃうよー!」

希「このくらいで終わりにしとかんと、ほんまに明日穂乃果ちゃんが使い物にならなくなってしまうよ」

にこ「……それならそれで良いんじゃない?」

穂乃果「えぇええ!??」

にこ「ハッキリ言うわ。平常時のあんたは、にこ・ことり・希より弱い」

にこ「つまりあの無我や天衣無縫な強さを自在に操れるようにならない限り、どの道補欠で決勝戦に出られないわ」

穂乃果「うぅぅ……」
408: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/26(火) 22:34:20.55 ID:iTT2bhfN.net
にこ「逆に言えばにこより余程凄いポテンシャルがあるんだから! それを今引き出さないでどうすんのよ!!」

希「にこっち、あかん」

にこ「何? おかしなこと言った?」

希「その発言の正否はともかく、今のにこっちは焦ってる様にしか見えへんって。穂乃果ちゃんのことだけじゃなくて……自分自身に対して」

にこ「っ……」ギリッ…

希「3回戦で負けたのが悔しいのは分かる。せやけど、焦ったところで良いことないやん?」

にこ「悔しいとか悔しくないとかそういう問題じゃない。エースは勝ち続けなきゃ意味ないじゃない」

にこ「希だって分かってるんでしょ? もしにこが綺羅や絢瀬より強かったら、明日の試合、どれ程有利に進められることか」

希「もしかして……部長兼エースのくせして役に立ててないとか、そんなくだらんこと考えてない?」

にこ「ぅ、それは……」
409: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/26(火) 22:36:51.03 ID:iTT2bhfN.net
穂乃果「そんなの変だよ! 団体戦なのに、にこちゃん1人が重荷を背負う必要なんてないじゃん!!」

穂乃果「私やことりちゃん、まこちゃんや真姫ちゃんもにこちゃんのおかげで強くなれたんだよ?」

希「準決勝まで来れたのは、間違いなくにこっちの力が大きい。せやからたとえどんな結果が待ち受けていようと、音ノ木を高めた事実だけは誇ってええんやないかな」

にこ「希……、穂乃果……」


穂乃果「にこちゃん! 私、強くなりたい。もっと……もっと!! にこちゃんに安心して音ノ木の柱を任せてもらえるくらいにっ!!」

にこ「……」

にこ「…………」

にこ「…………フフッ」
410: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/26(火) 22:39:59.46 ID:iTT2bhfN.net
にこ「ったく。穂乃果を見てると、悩んでるのがバカバカしくなってきちゃったじゃない」

穂乃果「え゙っ」

にこ「らしくなく凹んで悪かったわね。希、コートに入って」

希「うち? まぁええけど」

にこ「穂乃果は審判台!」

穂乃果「私を鍛えてくれるんじゃないの!?」

にこ「ハードトレーニングはもう終わり。あんたはとにかく希を観察して、テンション任せじゃないパワープレイを少しでも覚えなさい」

にこ「穂乃果の体力が回復したら、もうちょい打ってあげるから」

穂乃果「うんっ!」
411: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/01/26(火) 22:41:28.55 ID:iTT2bhfN.net
 
にこ(私と希はともかく、穂乃果はちょっとしたきっかけさえ掴めば短期間でググッと伸びるはず)

にこ(穂乃果を鍛えると共に自分の調子を少しでも元に戻す。そしてなるべく万全の状態で明日を迎える。今やれることはもうそれしかない)


にこ(この限られた時間の中で最善手を。目の前まで迫った優勝の夢、にこは最後まで絶対に諦めないわよ!!)




   ~ミュージカル 『テニスのお姫様』~

    全国大会編(2日目)  ─了─

 
1: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 19:22:11.14 ID:vnoq97lN.net
 
    【前回のテニスのお姫様!】


穂乃果「ついに始まった全国大会! そして準決勝まで勝ち進んだ、私たち音ノ木坂学院!」

フミコ「セミファイナルで立ちはだかるのは、港の町からきたダークホース……浦の星女学院」

ヒデコ「どうやら今年の中部大会優勝校らしいよ。強敵に違いないね」

ミカ「全国初出場の学校とは思えない強さでホントもうビックリ! でも見事に2勝1敗まで持ち込むことに成功っ!」

穂乃果「あと1勝で決勝進出決定だったのに、なんと突然の大雨が!?」


 http://i.imgur.com/9Zbga01.jpg
1451919632-2-レス1-画像
  ↑これまでのトーナメント結果


フミコ「このタイミングで明朝に持ち越しだなんて、なんだか肩透かし喰らった気分だね」

ヒデコ「さて! 決勝戦行き最後の切符を手にし、UTX学院と死闘を繰り広げるのは、果たして浦女とオトノキどちらになるのか……」

ミカ「泣いても笑ってもこれにて最終幕! もうすぐ始まる全校大会最終日に──」



  ほのヒフミ「「「「──乞うご期待!!」」」」


 

※ ここから2スレ目です(管理人)

元スレ: 【SS】絵里「ネットを超えないですって!? そんな馬鹿な話……認められないわぁ!」 ~ミュージカル 『テニスのお姫様』~

3: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 19:25:37.16 ID:vnoq97lN.net
 
    【第5幕→第6幕 幕間】


   ~4月、新入生総当たり戦・最終日~


真姫「ハァッ!!」スッパーーーン!!

花陽「うっ」ポーーン

真姫「リズムを上げるわ!」シュタタタタタッ!!

花陽(私のボールに西木野さんが追いつき、鋭角にグラウンドスマッシュを打ち込んでくる確率、80パーセント。そして……)

真姫「私の美技に酔いなさい」スッ…

真姫(メゾ・フォルテ!!)ズバーン!!

花陽(それに私が追いつけない確率、100パーセントですっ! ダレカタスケテーーー!!!)


 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. リズムに乗るわ
     (原曲……リズムにのるぜ  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=u-qxIMic73Y




真姫『Hey! リズムに乗るわ デッショー? 私だけのリ~ズムよ♪』

真姫『このスピードにー 乗り切れるのはー この世に一人だけぇ~~♫』

真姫『Hey! リズム上げるわ デッショー? 私のバイブレーション♪』

真姫『感じてる間にー 移動してるさー 私そこに居ないぃ~~♫』


真姫『あなたは運のない 敗残者だわ 私の相手になるとはー♪』

真姫『惨めな姿さらして 地面にひれ伏す 哀れな姿が見えるわー♫』


真姫『Hey! ビート刻むわ デッショー? 私の鼓動の音さ♪』

真姫『あなたいざなうー 最期の旋律ー 残酷なリズムぅ~~♫』

  真姫「リズムに乗るわ!」スッパーーーン!!

 ~♪      ~♪      ~♪


フミコ「ゲームセット! ウォンバイ西木野、6-0」
4: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 19:27:20.88 ID:vnoq97lN.net
ミカ「すごい! 何あの新入生!?」

穂乃果「もしかしてこれで全勝!?」

ヒデコ「初日から今日までずっと速攻で勝ち続けてる。尾崎まこちゃんとの試合は唯一手こずっていたみたいだけど、それも最後には勝ってたし」

ミカ「入部早々矢澤部長に喧嘩ふっかけてた時はどうなることかと思ったけど……」

ヒデコ「あの天才ルーキー、口だけじゃないみたいだね」



希「うふふ。生意気なルーキー、大歓迎やん! 流石はにこっちが目を付けた子やね」

ことり「でも……凄く一方的な試合でかよちゃん可哀想……」

にこ「ことりは人のこと言えないでしょ? 去年こんな感じで周りを圧倒してたじゃない」

ことり「そ、そんなことないよぉ」

希「ん? かよちゃん?」

ことり「花陽ちゃんのことだよ。ほら、凛ちゃんがかよちんって呼んでるでしょ? この前2人と仲良くなったんだ~」

希「ことりちゃんは如何にも優しい先輩って感じやし、後輩から好かれそうやね」

ことり「そうかなぁ」エヘヘ♡
5: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 19:28:34.73 ID:vnoq97lN.net
 
真姫「…………」スタスタスタスタ


ことり「?」

真姫「にこちゃん、コートに入って」

にこ「また? あんたとはしょっちゅう打ってあげてるじゃない」

真姫「そうじゃないわよ! 私はこれだけ居る新入部員を全て倒したわ! だからいつもの指導テニスじゃなくって、そろそろ本気で試合してって言ってるの!!」

にこ「はぁ……」ヤレヤレ

にこ「ことり。悪いんだけど、ちょっと真姫に灸据えてやってくんない?」

ことり「えぇぇ……」


真姫(南ことり。たしかこの人って、“音ノ木の天才”とか言われてる昨年度のスーパールーキーよね)


真姫「いいわ。そのかわり、もし南先輩に勝てたら……」

にこ「そん時はもちろん本気で勝負してあげるわよ」

真姫「フフ。今日こそにこちゃんを倒してみせるんだから!!」
6: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 19:30:13.85 ID:vnoq97lN.net
 
  ×       ×       ×


ことり「…………」カッッッ!!

真姫(ただの遅いアンダーカット。私の事をバカにしてるの?)

真姫「っ!?」スカッ

真姫(この私が空振り!? う、嘘よこんなの!!)


希「ほとんど跳ねないカットサーブ。いきなり容赦ないな~」

にこ「ことりには本気でやれって言ってあるもの。まこまきペアをレギュラーにするつもりで勧誘したはいいけど、このままじゃ厳しそうだから」

にこ「元々の予定では──」


 シングルスレギュラー……にこ・希・ことり・ヒデコ

 ダブルスレギュラー………フミコ・ミカ・まこ・真姫


にこ「──こうするつもりだったのよ。あとは大穴で穂乃果が伸びてくるかどうかって感じなんだけど、嬉しい想定外もあったことだし」

希「ゴールデンペア?」

にこ「ええ。多くのジュニア大会で好成績を残してきたらしいあの2人が、まさか音ノ木坂に来てくれるとは思ってなかったわ」


にこ(つっても花陽は運動音痴にしか見えないし、凛のプレイはいつも雑だし、本当に強いのかまだ把握しかねるっていうのが本音だけど)



ミカ「ゲーム南、1-0。チェンジコート!」
7: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 19:32:50.93 ID:vnoq97lN.net
ことり「…………」スッ… グウォン!

真姫(バギーウィップ? そんなのボールの軌道が少し曲がるだけの魅せプレイでしょ?)

   グウィィィィン!!!

真姫「ヴェエ!??」

真姫(こんな曲がり方ありえないわ!!)


ミカ「ゲーム南、3-0。チェンジコート!」


ヒデコ「あらら、まるで勝負になってないよ」

フミコ「1年生のトップでも、やっぱりことりちゃんには歯が立たないみたいだね」

穂乃果「出る杭は打っとけっていうし! ことりちゃん、いっけーー!!」


ことり「えいっ」スッパーーーン!!

ミカ「ゲーム南、5-1」
8: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 19:33:51.31 ID:vnoq97lN.net
真姫「はぁ……はぁ……」スタタタタ!

真姫(まるで大人対子供。……何よこの惨めな試合ッ!)

ことり「ふふ」ニコニコ

真姫(さっきから涼しい顔してやりたい放題。ふざけるのも大概にしなさい!!)

真姫「西木野真姫を……なめんじゃないわよ!!!」グワァァァアアン!!!

ことり(苦し紛れに放たれたキレッキレのトップスピン。うん、絶好球っ)

ことり「……ことりのおやつにしちゃうぞ!」チュンッッッ!!!

   シュルルルル!!!

真姫「なっ……!?」

真姫(ボールがほとんど弾まずに、まるで地表スレスレを滑空する鳥の様に滑り抜けていく!?)

ことり「相手のトップスピンを利用して生み出す超スライス。ことりの必殺カウンター……“コトリ返し”、です!」


ミカ「ゲームセット! ウォンバイ南、6-1」
9: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 19:35:28.21 ID:vnoq97lN.net
真姫「っ……」

ことり「そのぉ、なんかごめんね……? 対戦ありがとうございました」ペコリ

真姫「…………」

真姫(まだ何もできてないのに……もう、終わりなの? 私の美技が通用しないどころか、むしろ全てカウンター気味に返されるなんて……ッ)


にこ「なぁ~に唖然と突っ立ってんのよ」

真姫「……だって、私はにこちゃんと初めて戦った時よりずっと強くなっているのよ? なのに……こんな惨敗ありえないじゃない!!」

にこ「ことりはにこが居ない間、音ノ木テニス部のエースを務めていた人だもの。あん時の通院中にこにーより何倍も強いのなんて当たり前でしょ?」

ことり「アハハ……」


真姫(怪我を完治した今のにこちゃんは、この南先輩以上に強いっていうの!?)

真姫(そんなのどう考えたって、今の私じゃ……敵いっこない……)ギリッ…


にこ「同級生相手に無双するのは結構! 鍛えたにことしても鼻が高いわ! でもね、それで良い気になるのはやめときなさいってことよ」

真姫「…………」シュン…
10: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 19:36:44.35 ID:vnoq97lN.net
凛「に~こせ~んぱ~い!」ピョンピョン

にこ「ん?」

凛「今の試合見てたら体がウズウズしてきちゃいました! 昨日西木野さんにコテンパンにされちゃったリベンジがしたいです!!」

にこ「そうねぇ。どうしよっかしら」

真姫「ハァ? 今私が酷い負け方したからって、自分にも倒せる可能性があるかもとか思ってるわけ?」

凛「うん!」

真姫「あなた昨日無駄に跳ね回ってプレイした挙句、ミスショットの連発で自滅してた下手糞な人……だったわよね? やめときなさい。まるで勝負にならないわ」

にこ(ったく、まだ己惚れてるみたいね。まぁ実際1年生の中で、真姫とまこはぶっちぎりの2トップなわけだし無理もないとは思うけど)

凛「何度やっても勝てないのは分かってるよ。でもそれはシングルスの話でしょ?」

真姫「ダブルスなら私に勝てるっていうの? ……良い度胸じゃない。なら今すぐ戦って──」

にこ「はいストーップ! 真姫はまだ疲れたままでしょ? どうしても試合したいなら今日の部活終わりにやること、いいわね?」

凛「やったにゃ!」

真姫「いくら疲れてるからって負ける気はしないけど……まぁいいわ」カミノケ クルクル
11: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 19:39:31.90 ID:vnoq97lN.net
  ×       ×       ×


にこ「1年! ボール拾いと……ここの1コートを除いてネットの片付け開始!」

  「「「「「はい!!」」」」」

にこ「まこまきと凛と花陽はこっちに集合。にこが審判やったげるから、試合始めるわよ~」


凛「テンション上がるにゃー!!」>ω</

花陽「よ、よろしくお願いします」オドオド…

まこ「こちらこそよろしくね!」

真姫「強さをほぼ均等にして戦うなら……総当たり戦で2位のまこちゃんが星空さんと組んで、1位の私は小泉さんと組めってこと?」

真姫「私はまこちゃん意外とダブルスやったことないんだし、星空さんのペアを強い人にする形でバランスとってもらった方がありがたいんだけど」

凛「何言ってるの? 凛とかよちんが組むんだよ?」

まこ「えっと、小泉さんの戦績は……」

花陽「うぅぅ……。高校から初めてテニスを始めたって人達には勝てたけど、恥ずかしながらそれ以外は全敗です……」ショボン…

まこ「あ、変なこと聞いちゃってごめん……。でもほら、これから一緒に頑張ればきっと強くなれるよ! うんっ!」

凛「西木野さんと違って尾崎さんは良い人そうだにゃー」

真姫「ちょっとそれどういう意味ぃ?」

花陽「ごめんなさいっ! 嫌味とかそういうのじゃなくて、その、凛ちゃんは素直なだけで悪気はないんです!」アタフタ

真姫(つまりただの本心ってことじゃない)イラッ!

まこ「真姫ちゃんも抑えて抑えて」

真姫「……フン」
12: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 19:41:10.51 ID:vnoq97lN.net
にこ「もう部活終わる時間なんだし、無駄話してないでとっとと始めるわよ!」

凛「はーい!」

真姫(明らかに運動音痴な小泉さんと、運動神経は良さそうだけどテニスが上手いとは御世辞にも言えない星空凛。こんなペアと戦ったところで、結果は見え見え──)


凛「ほいほ~い!」クルクルリン パコーーーン!

真姫(──ハァア!? ミスショットどころか正確にこちらの弱点ばかりついてくる……シングルスの時とまるで動きが違う!)

にこ(ふぅん。ゴールデンペア、思った以上にやるじゃない。真姫は結構ダブルスに慣れてきたとはいえ、まだまだ動きに改善点も多いわね)

にこ(まこが上手い具合にフォローに回っているけど、凛のアクロバティックな動きから放たれるミラクルショットを凌ぎ切れてはいない)


凛「くるりんビーム!」クルリン スッパーーン!

にこ「ゲーム小泉・星空ペア、2-0」


穂乃果「わー! 前衛が1人で戦ってる!」

ことり「かよちゃんはサーブとレシーブ以外ぜんぜんボールに触ってないみたいだし……」

希「こんなダブルス見たの初めてや」


まこ(2対1みたいな試合展開なのにどうして勝てないの!?)

凛「星空バズーカァァァアアア!!!」クルリン ズバーーーン!!!

にこ「ゲーム小泉・星空ペア、4-0」
13: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 19:43:12.67 ID:vnoq97lN.net
にこ(この前花陽から“シンクロ”の話を聞いた時は半信半疑……というかぶっちゃけほぼ信じられなかったけど、こりゃ信じるしかなさそうだわ)

にこ(花陽がデータを収集し敵の行動を予測、それを凛に伝播。それだけじゃない。多分花陽は、凛に力加減やコース打ち分けの指示まで的確に出している)

にこ(ミスショットがなくなって、更に敵がどこに打ってくるかあらかじめ分かっていれば凛は無敵ってわけね)


凛「残念☆無念☆また来週~!」ピョーン! パッコーーーン!!

にこ「ハイおしまい。6-0のワンサイドゲームで小泉・星空ペアの完全勝利!!」

凛「ワーーーイ!! やっぱり凛とかよちんのゴールデンペアは最強無敵だにゃ!」イェーイ!

花陽「やったね凛ちゃんっ!」ハイターッチ!!


真姫(南先輩からボロ負けしたどころの話じゃない。今度は1ゲームすら取れず、爪痕1つ残すことすら叶わなかった……)ガクッ…

にこ「いくらなんでもボロ負けすぎない?」

まこ「ごめんなさい…………うぅぅ~~~」シクシク

にこ「……泣いてんの?」

まこ「せっかくにこちゃ──じゃなくて矢澤部長に鍛えてもらったのに、この負け方は惨めすぎて……」

にこ「ほんとにね。師匠の前でなんて情けない負け方してんのよ、まったく……」
14: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 19:44:22.56 ID:vnoq97lN.net
にこ「でもまっ、まこも真姫も天狗にさえならなければどんどんランクアップできるわ。にこが保証してあげる!」

にこ「だからこれからも大銀河宇宙ナンバー1テニスプレイヤーであるにこにーにこちゃんの元で地道にコツコツと──」

真姫「フッ……フフフ、ッフフ………フフフフフ……」

凛「不気味な笑いだにゃ!?」

まこ「真姫ちゃんが壊れた!?」

にこ(ヤバ。灸を据えるにしても痛い目に合わせすぎちゃったかしら。で、でもゴールデンペアがここまで強いなんて予想外だしぃ……)ニコォ…


真姫「……にこちゃんに誘われて、ここに入って良かったわ。色んなテニスが倒せるもの」

にこ「まだそんな大口叩けるなんて良い根性してるじゃない」

真姫「今に見てなさい……。ゴールデンペアだか音ノ木の天才だか知らないけど、絶対まとめて倒してやるわ」グッ…

真姫「ナンバー1は私よッッッ!!!」


花陽「お、お手柔らかにお願いします……」

ことり「ふふ♡ ことりに勝つのはまだ早いよ」

凛「楽しみなライバルだにゃ!」


真姫(……私はこの3人の化け物を倒す)

真姫(這い上がってやる……這い上がってやるわ! 私が本気のにこちゃんとやりあうには、もう勝利しかないのよっ!!)
8



    第5幕→第6幕 幕間  ─了─

 
17: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 19:50:02.02 ID:vnoq97lN.net
 
    【全国大会編(3日目)オープニング】


穂乃果「にこちゃん!」

にこ「…………」

穂乃果「私、強くなりたい。もっと……もっと!!」



 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. どんなときもずっと勝者だよっ!
     (原曲……I'M ALWAYS WINNER  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=d_bw9zRz8p4




穂乃果『打ち負かせ トップになるためには~♪』

穂乃果『やり込めろ ゲットさいつかー NO.1♫』

穂乃果『追い抜かせ きっと勝てるはずだよ~♪』

穂乃果『押しまくれ 一歩も引くなー GO→DREAMIN'♫』


穂乃果『言葉にならない 雄叫びぃ~を♪ ボールに託して SMASH&RECEVE♫』

穂乃果『勝ちたい相手に 目で合図♪ 悪いね 今日は勝たせてもらうよー!』

穂乃果『YES I'M ALWAYS WINNER~♪』


穂乃果『駆け抜けろ 一気に頂点まで~♪』

穂乃果『いつの日か 絶対全国ー NO.1♫』

穂乃果『戦えば もっと強くなれるさ~♪』

穂乃果『突き進め 真っすぐ勝利ー GO→DREAMIN'♫』


穂乃果『言葉にならない 雄叫びぃ~を♪ ボールにたくして SMASH&RECEVE♫』

穂乃果『勝ちたい相手に 目で合図♪ 悪いね 今日は勝たせてもらうよー!』

穂乃果『YES I'M ALWAYS WINNER~♪』


ことのぞにこ『『『言葉にならない 雄叫びぃ~を♪ ボールに託して SMASH&RECEVE♫』』』

まこまきりんぱな『『『『勝ちたい相手に 目で合図♪』』』』 

穂乃果『悪いね 今日は勝たせてもらうよー! YES I'M ALWAYS WINNER~♪』

 ~♪      ~♪      ~♪

 
18: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 20:10:31.79 ID:vnoq97lN.net
 
    【Genius 21:それはそれぞれの想い】


   ~高坂家~


穂乃果「…………」zzz

雪穂「お姉ちゃーん! 早く起きてよーー!!」

穂乃果「ん~~~、あと5時間……」

雪穂「5時間も待ってたら準決勝終わっちゃうよ!?」

   ガラガラッ

ことり「おじゃましてま~す♡」

雪穂「あ、ことりちゃんおはよ! 今日は私も応援に行こうかと思ってるんだけど良いかな?」

ことり「もちろんっ。初日は1度学校に集まってから部員全員で会場に向かったんだけど、昨日・今日は現地集合ってことになってるから一緒に行こうね」

雪穂「ありがと。ほら、お姉ちゃんいい加減に起きてってば」

穂乃果「い~~~や~~~だぁ~……」zzz

ことり「アハハ……。昨日はにこちゃん希ちゃんと長々修行してたみたいだし、まだ眠くっても仕方ないよ」

ことり「ギリギリ間に合う時間まで寝させててあげよ?」

雪穂「もう。ことりちゃんは甘いんだから~」
19: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 20:11:18.25 ID:vnoq97lN.net
 
  ×       ×       ×


   ~道中~


凛「まきちゃんまきちゃんまきちゃ~ん!!」モッギュー!

真姫「ちょっ、やめなさいってば!」

凛「真姫ちゃんの言う通りにしてたらホントに1日で手首の痛みなくなっちゃったよ! 助かったにゃ~」

真姫「私が治療してあげたんだから、そんなの当然デッショー?」

花陽「ふふふっ♪」

まこ「微笑ましいね」

真姫「……何よ」

花陽「えっとね、テニス部に入って間もない頃は、まさか真姫ちゃんと凛ちゃんがこんなに仲良くなれると思わなかったから」

まこ「真姫ちゃんは昔から友達作るの苦手……ん~、苦手どころかド下手だもんね」アハハ!

真姫「ちょっと! 余計なこと言わないで!」

花陽「真姫ちゃんのこと最初は怖かったけど、本当は凄く良い人なんだな~ってことが段々分かってきて……」

凛「うんうん。口は悪いけど良い子で可愛いにゃ!」

真姫「べ、別に……。知性溢れるこの美貌は否定しないけど、良い子とかそんなんじゃ……」///

凛「あっ、もしかしてぇ~」

まこ「真姫ちゃん照れてるー?」ニヤニヤ

真姫「っ! カラカワナイデ!!」
20: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 20:11:59.14 ID:vnoq97lN.net
 
  ×       ×       ×


   ~最寄駅~


希「あ。えりちに亜里沙ちゃん!」

絵里「あら……希」

亜里沙「おはようございます!!」

希「おはよ~さん。今日は亜里沙ちゃんも来るん?」

亜里沙「はい。最終日だし応援と観戦です!」

絵里「これから戦う相手とまさか駅でエンカウントだなんて、少しバツが悪いわね」

希「そう? 偶然にも朝から会えてうちは嬉しいけどなぁ。それにまだ戦えるって決まったわけやないし」

絵里「あなたが弱気でどうするの? 矢澤さん達に喝入れてあげなさいよ。そして、絶対に決勝まで来て頂戴」

希「そうやね。今回うちは名誉監督やから、希パワーた~っぷり注入してあげんと!!」
21: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 20:15:04.44 ID:vnoq97lN.net
 
  ×       ×       ×


   ~全国大会会場~


にこ「……………」

にこ「…………………」

にこ(勝っても負けても、これが高校生活最後の団体戦……。昨日みたいな不甲斐ない姿は2度と晒すもんですか!)

にこ(どれだけ不恰好でも、最悪またどこかが故障してしまっても構わない。だから……だからどうか今日は勝利をっ!!)


凛「あ、にこちゃん見~っけ!」

まこぱな「「にこちゃんおはよう!」」

にこ「おはようニコ~」

真姫「……おはよう。私達が一番乗りかと思ってたのに早いわね。ずっと1人で待ってたの?」

にこ「早く目が覚めちゃったんだからしょうがないでしょ。まぁ睡眠不足って程でもないから大丈夫よ」

花陽「あの、睡眠以外の調子は……どう?」

にこ「花陽、ごめん」

花陽「えっ?」

にこ「部長が頼りないばっかりに苦労かけるわね。多少はマシになったけど、正直なところまだ昨日の負けを完全に払拭できたとは言い難いわ」

凛「にこちゃんが素直で気味悪いにゃ……」

にこ「ぬぁんでよっ!!」

花陽「ふふ、いつもの雰囲気でちょっと安心しました」

まこ「あんまり気負わないでね。私達が勝てば黒澤ダイヤさんと戦わなくて済むんだし、その先ことは準決勝突破してから考えればいいじゃん!」

にこ「……そうね。無駄な重圧を感じるのなんてもうやめて、たまにはあんた等と並んで戦わせてもらうわ」


にこ(いくら私がエースだからって、音ノ木坂は決してワンマンチームなんかじゃない)

にこ(もちろんなんとしてでも勝ちたいけど、それはそれよ)

にこ(最後くらいプライドやポリシーなんてかなぐり捨てて、後輩に肩を預けてみるのも悪くない……かもね)
22: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 20:16:39.46 ID:vnoq97lN.net
 
  ×       ×       ×


   ~会場付近、ホテルの一室~


ルビィ「ふわぁ~……」ウトウト…

ダイヤ「いつまで寝ぼけているのですかこの愚妹は」

ルビィ「ご、ごめんなさいぃぃぃ」

曜「でも会場近くのホテルに泊まれると、試合直前までノンビリしてられて良いねー!」

果南「しかもここ、こんな良いホテルなのにチカんちの旅館より安いんじゃない?」

千歌「それは鞠莉ちゃんが居るからでしょ!? うちだって友情割すればこのくらい安くなるからぁ! ……多分」

鞠莉「ここはパパが経営してるわけじゃなくて、姉妹店なだけなんだけどね~」

千歌「し、姉妹店っ! なんて美しい響き! これが大手ホテルチェーンと田舎の旅館の差か……」グヌヌ

梨子「私は千歌ちゃんちの旅館も凄いと思うけど……」
23: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 20:17:30.84 ID:vnoq97lN.net
 
   コンコン


梨子「はーい」

花丸「マルでーす」

善子「ヨハネも居るわよ!」

梨子「今開けるね」カチャッ

花丸「ただいま」

ルビィ「おかえりっ」

善子「地獄から只今帰還したわ!」

曜「ただのウォーミングアップで大袈裟だな~」


千歌「よぉーし。それじゃあみんな、今日も張り切っていこうね」

千歌「東京を、全国の舞台を、そして何よりもテニスを! 最後まで楽しもうっ!!」


  「「「「「おぉー!!!」」」」」

 
25: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 20:21:06.59 ID:vnoq97lN.net
 
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. 浦女☆HEROSメドレー
     (原曲……ザ・レギュラー~THIS IS THE PRINCE OF TENNIS~VICTORY  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=wH8gESirFEo




  『『『『『THIS IS THE PRINCESS OF TENNIS♪』』』』』

善子(貴女もヨハネのリトルデーモンにして、ア・ゲ・ル♥)

   『『『『『THIS IS THE PRINCESS OF TENNIS♫』』』』』

鞠莉(勝利はシナリオに約束されているのよ☆)

 『『『『『THIS IS THE PRINCESS OF TENNIS♪』』』』』

ルビィ(が、がんばルビィっ!)

    『『『『『THIS IS THE PRINCESS OF TENNIS♫』』』』』

曜(優勝に向かって全速前進! ヨーソロー!)

 『『『『『THIS IS THE PRINCESS OF TENNIS♪』』』』』

果南(一緒にハグしよっ♡)

  『『『『『THIS IS THE PRINCESS OF TENNIS♫』』』』』

梨子(このチームを全国優勝へ……。それが私の願い)

    『『『『『THIS IS THE PRINCESS OF TENNIS♪』』』』』

花丸(……色即是空)

  『『『『『THIS IS THE PRINCESS OF TENNIS♫』』』』』

ダイヤ(この私が参加する以上、絶対に優勝の2文字以外は許されなくてよ)


   ズンチャ♪   ズンチャ♫   ズンチャ♪


  『『『『『勝ち残るぞ 勝ち残るぞ♪』』』』』

  『『『『『前に進もう 前に進もう♫』』』』』

  『『『『『どんなに~未来が~ いばらの道の彼方~でもっ♪』』』』』

 
26: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 20:22:22.23 ID:vnoq97lN.net
 
梨子『生きてる今の 思いを込めたスマッシュ♪』

梨子『君に届け 私達からの 魂の叫びさぁぁぁ~~~!!!』


ダイヤ『冷たく燃え上が~る 心の中の炎♪』

ダイヤ『明日をこの手に入れるため~に 負けるわけにはいかないんだ♫』

  『『『『『一緒に立ち向か~う みんなで叶える夢♪』』』』』

  『『『『『確かな未来見つけるため~に 限界まで走り抜けてやるぅー♫』』』』』

千歌『いつまで~も 挑み続けてゆこーーう♪』

  『『『『『SHE IS THE PRINCESS OF TENNIS♪』』』』』

千歌『どこまで~も 戦い続けてゆこーーう♫』

  『『『『『SHE IS THE PRINCESS OF TENNIS♫』』』』』

千歌『それが千歌の生きてる 証なのさぁ~~~!』

  『『『『『THIS IS THE PRINCESS OF TENNIS♪』』』』』

  『『『『『THIS IS THE PRINCESS OF TENNIS♫』』』』』

  『『『『『YES.NOW YES.NOW YES.NOW YES.NOW♪』』』』』

     『『『『『……LET'S PLAY!!』』』』』


  『『『『『行~くよー Go for it 力出し切るまで NEVER GIVE UP♪』』』』』

  『『『『『や~るよー JUST MY TURN 必ず奪うぅーー♫』』』』』

  『『『『『V.I.C.T.O.R.Y V.I.C.T.O.R.Y  V.I.C.T.O.R.Y♪』』』』』

 ~♪      ~♪      ~♪

 
27: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 20:23:20.16 ID:vnoq97lN.net
 
  ×       ×       ×


   ~音ノ木坂side~


にこ「音ノ木レギュラー陣! 集合っ!!」

  「「「「「はいっ!!!」」」」」

希「さぁ、みんな揃ったところで情報整理といこっか」


  <浦の星女学院 全国大会準決勝オーダー表>

 ◆シングルス3……高海(2年)
 ◆ダブルス2………松浦(3年)、渡辺(2年)
 ◆シングルス2……桜内(2年)
 ◆ダブルス1………国木田(1年)、津島(1年)
 ◆シングルス1……黒澤(3年)
 ◆控え選手…………小原(3年)


  <音ノ木坂学院 全国大会準決勝オーダー表>

 ◆シングルス3……高坂(2年)
 ◆ダブルス2………小泉(1年)、星空(1年)
 ◆シングルス2……南(2年)
 ◆ダブルス1………尾崎(1年)、西木野(1年)
 ◆シングルス1……矢澤(3年)
 ◆控え選手…………東條(3年)


希「シングルス3は7-6で穂乃果ちゃんの勝ち。ダブルス2は4-5からの途中危険でこちらの負け。シングルス2は6-4でことりちゃんの勝ち」

希「そんで続くダブルス1について、花陽ちゃんヨロシクぅ!」

花陽「はいっ! それではダブルス1で戦う対戦相手2人のデータを紹介します」
28: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 20:25:16.84 ID:vnoq97lN.net
花陽「国木田花丸選手、1年。身長152cmで血液型はO型。多分浦の星唯一のダブルス専門プレイヤー。お寺生まれで聖歌隊に所属している図書委員なんだそうです」

ことり「お寺なのに聖歌隊?」

凛「なんだか変だにゃ」

花陽「津島善子選手、1年。身長156cmで血液型はO型。自分のことを堕天使ヨハネって名乗ってたあの人が、どうやらこの津島選手のようです」

希「寺生まれの子に堕天使さんのペアか~。えらいスピリチュアルな組み合わせやね」

真姫「やっとあのムカツク厨二女を捻り潰せるってわけね」

まこ「よしっ、気合い入れるぞー!」


にこ「今のまこまきペアがそう易々やられるとは思わないけど……念の為、にこの対戦相手の事も教えてもらえる? 今からある程度算段を立てときたいし」

花陽「はいっ。黒澤ダイヤ選手、3年。身長162cmで血液型はA型。名家のお嬢様。浦の星女学院初の全国へ導いた立役者で、部員からの信頼も厚いそうです」

花陽「エースなだけあって、プレイスタイルに関してもちょっとだけデータがあったよ。攻撃型のオールラウンダー、しかも急戦タイプみたい」

穂乃果「休戦? 休みながら戦うの?」

ことり「休むじゃなくて急ぐ、なんじゃないかなぁ?」

花陽「うん。バリバリの速攻型プレイヤーってことだよ。単に短時間で勝ててしまう程強いのか、それとも持久戦が苦手なのかってことまでは分からないけど……」

真姫「…………」


真姫(にこちゃんの魔法は、どれも長時間戦う中で効力を発揮するものばかり。なのに無理矢理急戦に持ち込まれてしまうのなら酷く厄介ね)

花陽(今までにこちゃんは、絢瀬絵里選手・綺羅ツバサ選手・小原鞠莉選手・イザベラ選手のような超強敵とでも持久戦を演じてみせた)

花陽(だけど、もし黒澤ダイヤ選手が今までの強敵以上により攻撃的で、速攻に特化しているのだとしたら……)

にこ(考えるまでもなく相性最悪じゃない)チッ…
29: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 20:26:52.40 ID:vnoq97lN.net
まこ「そ、そんな深刻そうにしなくても大丈夫だよ! ほら、私達が勝てば良いだけのことなんだし!」

真姫「それもそうね。どうせにこちゃんまで出番回ってこないんだから、ビビッてないで大将らしく堂々と構えてなさい」

にこ「はいはい。そうなることを祈っとくわ」

花陽「それと、もう1つ嫌な情報というか……その人の異名が……」

穂乃果「異名?」

花陽「中部地区では各校エースの息の根を悉く止めてきた、その大胆かつ素早く相手の急所をつくプレイスタイルから──」


  ×       ×       ×


   ~観客席~


あんじゅ「──殺し屋!?」

絵里「えぇ。そう呼ばれているのだそうよ」

ツバサ「偉く物騒な異名を持っているのね。その静岡のエースは」

英玲奈「本当にそいつテニスプレイヤーか?」

絵里「多分そうだと思うけれど。私だって直接プレイを見たことはないし、その通り名以外の事については何も知らないわ」

ツバサ「そんなのとあたる矢澤さんも運がないわね」

海未「…………」

あんじゅ「どうしたの~? 神妙な顔しちゃって悩み事かしらぁ?」

海未「あ、いえっ、何でもありません……」アセアセ

絵里「……海未?」


海未(気がかりなことがあるのは事実ですが、しかし──)
30: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 20:28:45.24 ID:vnoq97lN.net
 
 ・

 ・ ・

 ・ ・ ・

 ・ ・ ・ ・

 ・ ・ ・ ・ ・


   ~数十分前~


海未「~~~♪」スタスタ

海未(程良い緊張感、なんだか体が軽いですね。私の試合まではまだまだ時間がありますが、これなら良い調子でプレイをすることができそうです!)

海未(……ん? 物陰から聞き覚えのある声が)


堀「えっ、えぇええ!?? 本気で言ってるの!?」

石井「はわわわわ……」

黒川「うん。そんなに驚くこと?」

堀「だって……。今までずっと一緒に戦ってきたのに、そんなこと1度も教えてくれなかったじゃん!!」

黒川「だってさー、『全国大会で自分が1度でも負けたらテニス辞めま~す』なんてことをペアに教えたら、絶対気にされちゃうし変にプレッシャーかかるでしょ?」

石井「……⊂(^ω^;)⊃」

堀「そりゃ気にするって……」


海未(もしも負けたら黒川先輩がテニスを辞める!? なぜですっ!?)

海未(極度の負けず嫌いなのは知っていますが、テニスに特別拘わったり己の何かを賭けるような方ではないじゃありませんか!!)
31: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 20:30:20.58 ID:vnoq97lN.net
黒川「実はこの前大会的なやつに出たんだけど、あ、テニスじゃなくて踊りながら歌ったりする感じのやつね」

石井「ふむふむ」

黒川「そしたらなんか良い線いっちゃってさー、そういう系統の専門学校の人から声かけてもらえたわけよ。特待生になれるってさ」

堀「わぁ! すごいじゃん!!」

黒川「でしょ?」フフン!

石井「おめでとうございますっ!!」

黒川「まぁ私だし。そんくらい余裕かな」ドヤァ!


黒川「まぁそんなわけで、高校卒業したら本気でそっちの道目指すかもしれないんだよねぇ。そしたらテニスやる暇なんてどの道無くなるだろうし」

堀「じゃあ……もし今日の決勝も勝てたらどうするつもり? テニスを続けて、歌やダンスの道は蹴っちゃうの?」

黒川「ん~~、どうしよっか。私欲張りだし、正直何も捨てたくない。でもどちらを選ぶにしても厳しい世界だから二足の草鞋なんて不可能じゃん?」

石井「じゃあ負けたらテニスを辞めるって決めちゃうのはまだ早いんじゃ……」

黒川「そう? 高校生レベルでほいほい負けてたらプロなんてなれるわけないんだし、妥当な選択だと思うけど」

堀「あの関東大会2回戦目を除けば全勝中なのに……」

黒川「そりゃそうだけど、ゴールデンペアっつってもただの1年生2人組だよ? もしも二連敗するようじゃ……テニスの道なんてお話になんないでしょ」グッ…


 ・ ・ ・ ・ ・

 ・ ・ ・ ・

 ・ ・ ・

 ・ ・

 ・
 
32: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 20:31:05.88 ID:vnoq97lN.net
海未(──やはり今、口にすべきではないのでしょうね。本人もあの2名以外には隠しているようでしたし)

ツバサ「あ、試合が始まるみたいよ」


審判「それでは只今より、静岡・浦の星女学院対、東京・音ノ木坂学院の試合を再開いたします」

審判「ダブルス1の出場選手、前へ」


善子「……フフン♪」スタスタ

真姫「…………」キッ!

まこ「…………」ザッ

花丸「…………」ペコリ


亜里沙「雪穂ぉ……あの人達なんか怖い」

雪穂「そうだね。ピリピリしてるのが客席まで伝わってくる」ゴクリ


花丸「……よろしくお願いします」

善子「今大会で最強のルーキーは誰なのか、その身をもって思い知るがイイわ!」

まこ「えっと、よろしくお願いします……?」

真姫「遊んであげるわ。精々楽しみましょ」

善子「……クスクス」

真姫「フフフフフフッ!」

善子「アーッハッハッハ!!」


善子・真姫((コイツは絶対に叩きのめすっ!!))
37: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 23:50:11.87 ID:vnoq97lN.net
 
    【Genius 22:堕天使ヨハネ】


審判「ザ・ベストオブ・ワンセットマッチ!」

   浦の星女学院 国木田&津島
        VS
   音ノ木坂学院 尾崎&西木野

審判「音ノ木坂サービスプレイ!!」



まこ「…………」スッ

真姫「…………」スッ

善子「ハァ? 前衛も後衛もセンターラインで構えるなんて何のつもり?」

花丸(これは……)


曜「わっ、変わった陣形!」

鞠莉「アメリカンフォーメーション、もしくはアイフォーメーションっていう奇襲戦法ね」

千歌「マルちゃんはこのフォーメーション知ってるのかな?」

ルビィ「多分知ってはいると思うけど……」
38: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 23:56:35.77 ID:vnoq97lN.net
まこ「えいっ!」シュッ!!

花丸(アメリカンフォーメーションを使ってくる相手と、実際に戦うのは初めてだ……)パコーン!

真姫「ふふっ、ドンピシャね!!」ズバァーーーン!!!

まこ「ナイスショット!!」

審判「15-0」

善子「いきなり敵の前衛に向かってレシーブするなんて何考えてんのよ! んもぉ~~~!!」

花丸「し、失敗しちゃったずら……」


 審判「30-0」

  審判「30-15」

   審判「40-15」

    審判「ゲーム音ノ木坂、1-0。チェンジコート」


穂乃果「おぉ~! いきなり押せ押せだ!!」

希「やっぱり初手から奇襲を仕掛けたんは大成功みたいやね」

にこ「序盤は普通に戦って、中盤からのフォーメーション変化で相手を翻弄するのが最近のまこまきペアにおける基本戦術」

にこ「なのにいきなりアイフォーメーションを使いだして違和感あったけど、これは希の指示?」

花陽「私と希ちゃんで考えました!」
39: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/10(水) 00:00:09.90 ID:mbPtD0ld.net
希「一昨日千歌ちゃん達と初めて会った時に、部員がたったの9人だとかコートが1面しかないとかそんなこと言ってたのを思い出したんよ」

凛「にゃにゃ? それとアイフォーメーションが有効なことに何か関係あるの?」

希「うん。そんな少人数な所と練習試合を組んでくれる学校もそうそうおらんやろうし、あの子達はずっと内輪のみで鍛錬を積み重ねてきたはずや」

凛「そっかー。色んな人と戦えるオトノキと違って、対戦人数がすごく少なくなっちゃうってことだね」

希「そうそう。テニススクールとかの経験がある子を除くと、内輪意外と戦うのなんてこの大会が初めてって人がほとんどなんやないかな?」

にこ「だから捻り手に耐性がないってわけね」

ことり「音ノ木坂が名門校で良かった~」

花陽「とはいえ少数精鋭には少数精鋭の良い点もあると思うよ。連携の取りやすさとかタッグ戦の練度とかね」

穂乃果「だから全員ダブルスが出来るし、誰との組み合わせでもOKってこと?」

花陽「多分そうなんじゃないかなぁ。たった1つのコートを有効利用しようと思えば、必然的に複数人が入り乱れた練習が増えるだろうし」
40: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/10(水) 00:01:05.79 ID:mbPtD0ld.net
善子(ヤッバ! 靴紐ほどけた!!)

善子「きゃあ!!」ズテッ!

審判「ゲーム音ノ木坂、2-0」

善子「イタタタタ……」

花丸「大丈夫?」

善子「なんでこう不幸なのよー! 試合前にちゃんと結んだはずなのにぃー!!」


ルビィ「マルちゃん! よっちゃん! が、頑張って~~~!!」

鞠莉「あらら。序盤からズタボロね~」

ダイヤ「いくらなんでもあっさりやられ過ぎではなくて?」

曜「あの子等とは高校生になるより前から遊びで一緒にテニスしてたことはあるけど、何せ身内でしか試合してこなかったからなー」

千歌「1ゲーム目からあんな見たことないフォーメーションやられちゃったら、そりゃ調子狂っちゃうよね~」

梨子「そんな呑気な……」

果南「まぁ平気でしょ。昨日の雨に引き続き、善子の怒りゲージが着々と溜まってるみたいだし」
41: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/10(水) 00:06:48.45 ID:mbPtD0ld.net
 
真姫(さて、この3ゲーム目は私のサービスゲーム。ここは“新・まこちゃんのテリトリー”で一気に畳みかける!)スッパーーン!!!

花丸「…………」ジィ…

花丸(速くて鋭いフラットサーブ。でも、速いサーブなら千歌ちゃんやダイヤちゃん、重いサーブなら曜ちゃんや果南ちゃん相手で慣れてる!)パッコーーン!


果南「お。今度は至って普通のラリーが続いてる」

鞠莉「いかにも尾崎まこが後衛で西木野真姫が前衛って感じのペアだし、それが逆になると攻め辛いんじゃない?」

ルビィ「ならこのゲームはチャンスだねっ!」


善子「タァ!!!」ズバァーーン!!

審判「0-15」

善子「どうよッ!!」

花丸(やった! 初の先制点!)


真姫「ふぅん、中々やるじゃない。なら……」ポーン パシッ ポーン パシッ

まこ(やるつもりだね、キックサーブ!)

真姫「私の美技に酔いなさい!!」バシィィ!!

善子「うぎゃぁぁああ!???」サササッ!

花丸「……なんでボール避けちゃったの」

善子「し、仕方ないじゃない! あいつがツイスト使えるなんて思わなかったんだもの!! しかも千歌のやつより速いし!!」

審判「15-15」

真姫「ふふん!」ドヤァ!

善子「ぐぬぬ……」イラッ
42: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/10(水) 00:08:21.17 ID:mbPtD0ld.net
千歌「ぐぬぬ……」ムッスー

曜「なんでチカが怒ってんのさ」

千歌「だって! 千歌のツイストサーブより速いって言われた!!」

ダイヤ「速度はともかく回転は千歌のものより若干甘い。ツイスト回転自体には慣れているのだし、花丸なら1度見ただけで対応できるはずですわ」

ルビィ「で、でも……あのフォーメーションは……」


真姫「…………」スッ

まこ「…………」スッ


穂乃果「えっ!? 前後衛がいつもと逆の状態でアイフォーメーション!?」

ことり「ぶっつけ本番?」

にこ「こんな全国の大舞台、しかも相方に迷惑をかける恐れのあるダブルスで、ぶっつけ本番の技を試す奴なんて多分ことりしか居ないわよ」

ことり「えへへ……」

希「あの2人は前後逆の状態でもアイフォーメーションが使えるように、ちゃんと練習しとるよ」

凛「それにねそれにね。昨日までの試合だと分かり辛かったかもしれないけど、“まこちゃんのテリトリー”も関東大会の時よりずっとレベルアップしてるんだにゃ!」
43: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/10(水) 00:09:40.55 ID:mbPtD0ld.net
 
花丸(アメリカンフォーメーションは、ポーチに出る前衛の思い切りの良さと判断力が肝のはず。普段後衛であろう尾崎さんに出来るとは考えにくいけど……)パコーーン!

まこ(今だ!!)スタタッッッ!!

花丸(そんな!?)

まこ「えーーいっ!!」バコーーン!!

審判「30-15」

まこ「やった決まった!!」

真姫「まこちゃんナイスよ!」


にこ「元々テリトリーは、守りの要であるまこを軸に、足が速く多くのボールに追いつくことの出来る真姫を後ろに据える」

にこ「そして相手の1番近い場所からまこが状況を判断しゲームメイクするっていう、まこまきペアの超防御型フォーメーションだったわけだけど……」


まこ「はっ!!」スッパーン!

善子(ヤバ! 横を抜かれた!!)チッ

審判「40-15」


穂乃果「前衛まこちゃんの攻撃力が上がった?」

ことり「攻防一体だね」

にこ「そーゆーこと! もちろんスピードや球威は真姫が前衛の時に劣るけど、まこにはそれを補えるだけのモノがあるわ!」


善子「ぐっ……」

花丸(尾崎さんのボールはそんなに速くも重くもないけど、的確に隙をつくのが凄く上手ずら。どうしよう、この点差はかなり危険だ)
44: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/10(水) 00:11:16.96 ID:mbPtD0ld.net
真姫「偉そうな口叩いてたくせに、存外大したことないわね」

善子「ぬゎんですってぇ……」ワナワナ

真姫「前の3戦が凄かったからって身構えて損した気分だわ」

善子「…………」プッチーン…


千歌「あ、よっちゃんの目が充血しはじめた」

ルビィ「うぅぅ……これ絶対本気で怒ってるやつだよぉ~」ガクブル


善子(もう横を抜かせたりなんてするもんですか! また横を狙おうものなら、我が渾身のダークネスを込めた殺人ショットをぶち込んで──)

まこ(正面への注意が散漫だよっ!)バコーーン!!

善子「──ッッッ!!?」

   バッチィィィイイイン!!!

花丸(顔面レシーブ!?)

真姫(うわ、顔のド真ん中)

まこ(やっちゃったぁぁぁあああ!!!)


亜里沙「ハ、ハrrrショー……。こういう場合ってどうなるの?」

雪穂「テニスに顔面セーフは無いからね。わざとか偶然かに関わらず、体に当てた側の得点だよ」


審判「……ゲーム音ノ木坂、3-0」

まこ「ごっ、ごめんなさいごめんなさい!!」ペコペコ!!

善子「痛ッ……」

審判「試合は続けられそうですか?」

善子「……えぇ。怪我には慣れてるし、このくらい余ゆ──あ」ポタポタ…

花丸(鼻血……痛そう……)

審判「では、チェンジコートの前に止血を行ってください」
45: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/10(水) 00:13:09.73 ID:mbPtD0ld.net
 
ツバサ「わーお。見事なダイレクトアタック」

英玲奈「打ち返しにくい正面付近を狙っただけであって、体そのものを狙ったわけではないだろうが……」

あんじゅ「まさか鼻っ面に当たっちゃうなんてね。可愛そうだわ~」

海未「先程の靴紐が解けて転んだ件といい、何かと不幸な方なのでしょうか」

絵里「やられた津島さんはもちろんの事、相手に不本意な怪我を負わせてしまった尾崎さんのプレイに乱れが生じないかも心配だわ」



ルビィ「鼻にティッシュ詰めて氷で冷やして~……はい。とりあえず処置は完了だよ」

善子「……どうも」ズキズキ

千歌「え。上向かなくて良いの?」

ダイヤ「それは間違った治療法よ」

曜「もう血は完全に止まったみたいだね。よかったよかった」

善子「鼻血なんて元々どうでもいいっての。そんなことより顔が超痛いんですけど?」

鞠莉「まぁまぁ。次はあなたがサーブの番なんだし、思う存分暴れちゃいなさぁ~い」

善子「ええ」
46: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/10(水) 00:15:09.57 ID:mbPtD0ld.net
鞠莉「あ、そうそう。対戦相手のお2人、さっきあなたの鼻血面を見てニヤニヤしてたわよ~」

善子「……は?」

果南「謝ったのなんて口だけだよ口だけ。きっと内心では、善子が怪我して良い気味だと思ってるに違いない」

善子「ハァアア!? あと善子言うなっ!」

ダイヤ「それならまだマシな方ですわ。あの頭のおかしい厨二病に、公衆の面前で更に辱めを受けさせてやる……と、そう思っているに違いなくてよ」

善子「フッ、フフフフフフ……」ゴゴゴゴゴ…

ヨハネ「フハハハっ!! ヒーッヒッヒッヒ!!!!」

ルビィ「ひぃいい~!?」ビクゥッ!

ヨハネ「良い度胸じゃない……。奴等の身も心も叩き潰して、ヨハネに絶対服従の下僕(リトルデーモン)にしてやる……ッ!」スタスタ


梨子(……目の充血だけじゃない。よっちゃんの透き通るように白い肌まで、怒りで赤みがかってる)

花丸(あっちゃ~。久々にブチ切れずら。点差的には大ピンチだけど、こりゃ心配なのはむしろ相手の方なんじゃ……)

 
47: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/10(水) 00:16:47.93 ID:mbPtD0ld.net
梨子「ちょっと3人共! どうしてあんなキレさせるような真似を!?」

鞠莉「だってー、ここで負けるわけにはいかないもの~。堕天使パワーだかなんだか知らないけど、彼女の力を全開放させなくっちゃ☆」

果南「スポーツマンシップの欠片もない試合になりそうで心苦しいけど、まぁ仕方ないね。音ノ木坂には後でちゃんと謝ろう」

ダイヤ「大人とは汚い生き物でしてよ」

千歌「さ、さすが3年生……」

曜「悪い大人だ……」



審判「それでは、3-0・音ノ木坂リードの状態より、試合を再開いたします!」


花丸「…………」

真姫(へぇ。厨二女がサーブの時でも国木田さんは後方で構えるのね。まぁにこちゃん以上に小さいみたいだし、ネットプレイは端から諦めるってことなのかしら)

ヨハネ(こいつ等まとめて地獄へ引き摺り下ろしてやる)グッ…

ヨハネ「……ッ!!」ズッバーーン!!!

まこ(勢いは良いサーブだけど打ち返しやすい位置だ。さっきのは本当に申し訳ないけど、遠慮なんてしない!)スパーーン!

   スタタタタッ!!

まこ(えっ!? もう前に詰めてきてる!!)

ヨハネ「うらァ!!!」ドガァーーーン!!!

真姫(届け!!)パシィィィン!!

審判「アウト。15-0」

真姫「チッ……」

ヨハネ「フフ」


まこ「真姫ちゃんごめん。フォローありがと」

真姫「あの素早いサーブ&ボレーには要注意ね」
49: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/10(水) 00:18:19.94 ID:mbPtD0ld.net
 
ヨハネ「……ッ!!」ズッバーーン!!!

真姫(速さは私のフラットサーブ以上。といっても、希や穂乃果のサーブだってこのくらい速い。打ち返すだけなら余裕よ)ポーーーン

まこ(ナイスロブ! これならサーブ&ボレーをやられる心配もない!)

ヨハネ「クックック……」スッ

花丸(サーブの球威に押されてロブが若干浅い。ネットプレイは無理でも、これなら……)

ヨハネ「ハァァァアアア!!!」ズバァァァアアアン!!!!

真姫「ッ!?」

まこ(コートの中央よりやや後方から、こんなに鋭い球を打てるなんて!!)

審判「30-0」


千歌「ナイススマッシュ! 攻め切れそうな雰囲気だね!」

果南「球速だけじゃない! 善子自身のスピードも上がってる!!」

曜「ガンガンいっけーーー!!!」


ヨハネ「ヒャーーッハッハッハ!!!」シュタタタッ! パッッッコーーーーン!!!

審判「45-0」
50: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/10(水) 00:20:21.92 ID:mbPtD0ld.net
まこ「う~ん、どうしよっか」

真姫「ここから巻き返すのは厳しいし、3ゲームもリードしている以上この1ゲームは捨てて体力温存に努めるのが賢明な判断。って言いたいんでしょ?」

まこ「普通ならね。でもあの津島さん、怒り任せに暴れてるみたいだし」

真姫「もう少し粘って更に暴れさせ、後々潰そうってわけ?」

まこ「潰すなんて言い方をするつもりはないけど……まぁ概ねそういう作戦かな。ペース配分を何も考えてなさそうだから」

真姫「了解。ならレシーバーは私なんだし、あれでいきましょう」

まこ「うん!」


穂乃果「また出た! “新・まこちゃんのテリトリー”!!」

花陽「ううん。今度は普通の“まこちゃんのテリトリー”だと思うよ」

穂乃果「なんでなんで? 新しいやつの方が強いなら、昔のを使う必要はないでしょ?」

花陽「今回は津島善子選手の体力を奪うのが狙いだろうから、まこちゃんが攻める必要はないの」

花陽「だから相手を走らせるだけ走らせたら、こちらはボールを深追いせずに1ゲーム落とすつもりだろうね」
51: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/10(水) 00:22:28.89 ID:mbPtD0ld.net
 
真姫「…………」スタタタタ! パコーーン!!

ヨハネ「ハァアアア!!!」スタタタタ! バコォーーーン!!

真姫(私がこれ以上走らされちゃったら意味ないし、適当に強打させて終わりにしましょ)ポーーーン

花丸(よし。どこに打っても勝てそうなチャンスボール。でも……なんだか嫌な予感が……)


  ヨハネ「……貴女も赤く染めてあげるわァ!!!!」スッ


真姫「危ないっ!!」

まこ「え?」


   バッチィィィイイイン!!!!!


まこ「きゃああああ!!!!」ドサッ!

真姫「まこちゃん!!!」

花丸(あぁ~あ。顔面アタックやり返しちゃったずら)


審判「ゲ、ゲーム浦の星……1-3」
52: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/10(水) 00:25:09.41 ID:mbPtD0ld.net
 
まこ「うっ……」ズキズキ

真姫「見せて」

真姫(頬が真っ赤。でも口の中を切ったりはしてないみたいだし、出血は無し。本当は冷やしたいところだけど、これじゃタイムはもらえないでしょうね……)

まこ「ぅあ……痛い……っ」

真姫「耳や目や頭は大丈夫? クラクラしない?」

まこ「うん……なんとか大丈夫」ズキズキ

ヨハネ「フフッ、アハハハハ!! ハァーーーッハッハッハ!!!」

真姫「……アンタ、今わざとやったわね?」ギロリ

ヨハネ「クククッ、さぁどうかしら。そんなことより、いつまでも倒れてないでさっさとサーブ打ちなさいよ」

まこ「……はい」スクッ…



梨子(……ついに始まってしまった。痛々しい言動とは裏腹に、普段はとても心優しいよっちゃんの──隠れた1面がッ!!)

 
53: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/10(水) 00:30:53.90 ID:mbPtD0ld.net
 
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. 赤いデーモン
     (原曲……赤いデビル  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=viahdI87peM




ヨハネ「ヲォーーーーァッハッハッハッハッハ!!!」

ヨハネ「フアーーーーーァァァァァ!!! ッハァーーッハァ! ハァ! ヒャハッ!!」

ヨハネ「……アァアァアアア!!!」ズバァァァアアアン!!!!

まこ「ぅあぁああ!!」ドサッ!!


  『『『『『見ろよあの子(見ろよあの子) 赤く燃え上がる(赤く燃え上がる)ヨハネ~~~♪』』』』』

  『『『『『滾る血潮に(滾る血潮に) 刃を宿す(刃を宿す)♫』』』』』

  『『『『『コートを真赤に 色付かせるデーモ~~~ン♪♫♪』』』』』


ダイヤ『限界まで 追い詰められた~時に♪ 奴の闘争本能が爆発ぅー♫』

曜『興奮とー熱気で 全身はー血の色に染まり♪』

鞠莉『勝つためだけの殘酷なプレイスタイルにー 変化して行くぅ~~♫』


審判「ゲーム浦の星、2-3。チェンジコート」

  まこ「たぁ!!」パコーーン!!

  ヨハネ「ゥアァアア!!!」ズッバァン!!!

  まこ「……ッ!?」パコンッ

  まこ(なんとか返せたっ。でも……)

審判「ゲーム音ノ木坂、4-2」


ヨハネ『容赦はしない 貴女も赤く染めてやるぅ~♪』

ヨハネ『覚悟をしろよ ギッタギタに叩き切ってやる♫』

ヨハネ『堕天(お)ちる所まで堕天(お)ちろ 赤く抉った アリ地獄へぇぇぇえ゙え゙え゙♪』

 
54: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/10(水) 00:31:57.84 ID:mbPtD0ld.net
 
果南『怒り心頭に達した時こそー♪ 奴の本性覚醒する合図ー♫』

ルビィ『あの子のテ~ンションは 文字通り血沸き肉踊る♪』ビクビク

千歌『限界超える身体能力をー發揮し 敵を仕留めるぅ~~~♫』


ヨハネ『半端ないほどコートを 赤く染め上げるー♪』

ヨハネ『このダブルスを支配するのは このヨハネよ~♫』

ヨハネ『貴女達を溺れさす 赤い血溜まり レッドゾーォォォオオオ゙オ゙オ゙オ゙ン゙♪』


  『『『『『見ろよあの子(見ろよあの子) 赤く燃え上がる(赤く燃え上がる)ヨハネ~~~♪』』』』』

ヨハネ「ファハハハハフハハハハ!!!」バコーーーン!!!

  『『『『『滾る血潮に(滾る血潮に) 刃を宿す(滾る血潮に)♫』』』』』

真姫「畜生……畜生っ!!」ギリッ…

  『『『『『コートを真赤に 色付かせるデーモ~~~ン♪ デーモ~~~ン♪♫♪』』』』』

 ~♪      ~♪      ~♪


ヨハネ「ゎあああァアァアアアアア!! ヒャハハハハハハハァ!!!!」ズバァーーン!!!!

まこ「…………」ヨロヨロ パコーン

真姫「やめて……」

ヨハネ「アァーーーッハッハッハッハッハッハッハ!!!」ドカァァアアアン!!!

まこ「…………」グッタリ…

真姫「もうやめなさいよぉぉぉおおお!!!!」
64: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 14:50:05.82 ID:G1ZLYVkB.net
 
    【Genius 23:シナリオは Hi Hi Hi 壊せるものさ!】


ツバサ「津島善子さん。打球の威力・スピード・コントロール、どれをとっても驚くべき攻撃性だわ」

海未「……執拗に尾崎さんばかりを狙っていますね」

あんじゅ「まぁダブルスで一方を追い詰めるのは立派な作戦だし、悪いことだとは言えないけどぉ~……」

英玲奈「なんて痛々しい試合なんだ」

絵里「以前矢澤さんの肩を壊した私の言えたことではないけれど、見ていてあまり気持ちの良い試合ではないわね」


ヨハネ「ゎあああァアァアアアアア!! ヒャハハハハハハハァ!!!!」ズバァーーン!!!!

まこ「…………」ヨロヨロ パコーン

真姫「やめて……」

ヨハネ「アァーーーッハッハッハッハッハッハッハ!!!」ドカァァアアアン!!!

まこ「…………」グッタリ…

真姫「もうやめなさいよぉぉぉおおお!!!!」


審判「ゲーム浦の星、3-4。チェンジコート」
 
65: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 14:51:52.64 ID:G1ZLYVkB.net
 
希(結果の良くない占いなんか、ハズレてくれれば良かったのに……)


まこ「はぁ……はぁ……」

凛「まこちゃんっ! 大丈夫!?」

まこ「うん、ギリギリ大丈夫……」

ことり(っ……。腕とか脚とか、ボールをぶつけられた場所が青黒くなっちゃってる……)

にこ「この試合、もうまこが前に出るのはやめときなさい」

まこ「けど次は津島さんのサービスゲーム。2回に1回は真姫ちゃんが後衛になっちゃうんだし、その時は私が前に出ないと……」

真姫「そん時はダブルバックで良いでしょ? ラリー中に隙さえあれば、すぐ私が前に出るわ」

まこ「ううん。私なら……大丈夫だからっ」

花陽「でも危ないよぉ!」

まこ「あの人の暴走が始まってから唯一取れた1ゲームは、ほとんど私のボレーが得点源だった」

まこ「私が狙われてるってことは、自分さえきっちりボレーでカウンターできれば勝てる……そうでしょ?」

にこ「誰に似たんだか知らないけど、あんたも随分と強情になったわねぇ。昔はもっと聞き分けのいい子じゃなかった?」

まこ「私が変わったんだとしたら、多分にこちゃんと真姫ちゃんのせいだと思うよ」フフッ

真姫「ヴェエエ!? 私ぃ!?」
66: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 14:53:11.35 ID:G1ZLYVkB.net
にこ「ったく、仕方ないわねー! もうちょい好きにやらせてあげるわ!」

希「そんじゃ! 希パワーた~っぷり注入、はーいプシュ!!」プシューーー!

まこ「うひゃぁあ!??」ビクゥ!!

希「ふふ、ただの冷却スプレーやん?」

まこ「ビックリしたぁ……。あ、でも少し痛みが退いたかも」

希「まぁそれは一時的なものだと思うけど、気休め程度にはなるやろ。あと2ゲーム連取で終わるんやし、もう一踏ん張りやで!!」

真姫「えぇ」

まこ「うん!」



まこ「…………」グッ…

ヨハネ(所詮モブキャラの分際で、深淵より湧き出ずるヨハネの魔力にまだ抗おうっていうの?)

ヨハネ(貴女みたいなザコは……大物に喰われる運命なのよッ!!)ズッバーーン!!!

まこ「うっ」ポーーン

まこ(しまった! サーブの威力に押されて、リターンが甘く……)

ヨハネ「ククッ……散れェ!!」タタタッ ズバァーーーン!!

真姫「させるもんですかっ!!」スタタタッ パッコーーン!!

ヨハネ「ッ!」

真姫(よし! サーブ後ネットに突き進んできていた、厨二女の横を抜いてやったわ!!)

花丸「…………」スゥ… チョンッ コロコロコロ…

まこまき「「!??」」

審判「15-0」

まこ(い、いつの間に!?)

真姫(まるで認識外から急に現れたかの様な……一体どうなってるのよ!?)
67: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 14:57:02.67 ID:G1ZLYVkB.net
 
ダイヤ「一度花丸の術中に嵌ったが最後。もう2度と逃れることはできませんわ」

千歌「マルちゃんを見失わないように気をつければ気をつけるほど、よっちゃんへのマークが甘くなり……」

果南「善子への厳重注意体制に戻れば、またもや花丸を見失なう」

ルビィ「対戦相手の思考の外から攻める……。これが、これこそが、マルちゃんのテニスっ!」


花丸(ここから先は、ステルスマルの独壇場ずら!)


 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. ヨハネ~堕天使使い
     (原曲……デビル~猛獣使い  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=5CETHXiJETc




まこ(次は真姫ちゃんがレシーバー。……私が前に詰めないと)ジリッ…

花丸(度重なる痛みで本能的にネットプレイを恐れ、動きが硬くなっている。それによっちゃんばかりを気にしてると──)


ダイヤ『尾~崎は墜ちたわね 完全に♪』

  まこ(また国木田さんが消えたっ!?)アタフタ!

  真姫「まこちゃん! しっかりして!!」

ルビィ『し~かし流石だーね マルちゃん♫』

  花丸「──色即是空」パコン コロコロコロ…

  真姫「クッ……」

果南『あの赤目の善子を 巧く操っている♪』

梨子『マルちゃんはダブルスで 本来の真価~を 発揮すーる♫』

梨子『そうたとえ ヨハ~ネとでーも♪』


UTX一同『呆然と立ちつくす 尾崎ぃ~ それを見ている浦女レギュラー♫』

あんじゅ『哀れな構~図だわぁー♪』
 
68: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 14:58:33.31 ID:G1ZLYVkB.net
 
  まこ「…………」ガクゼン…

  真姫「まこちゃん!!」


  凛「完全にまこちゃんのテリトリーが狂わされてる……」

  ことり「全て逆をつかれて……っ!」

  審判「ゲーム浦の星、4-4!」


曜『お~いあの子見てみろ 目が赤い♪』

千歌『あ~の目は 血の赤なのかぁー♫』

鞠莉『非常事態で 危険信号の発令か♪』

梨子『よっちゃんを使いこなし 試合はマルちゃんの 手~の中♫』

梨子『テリトリーはどこ~へ行った♪』


UTX一同『西木野だけが ハッチャキにぃ~ それを見ている浦女レギュラー♫』

ツバサ『哀れな構~図だわぁー♪』

UTX・浦女一同『哀れな構~図だわぁー♫』

海未『哀れな~~~……ッ!!』

 ~♪      ~♪      ~♪


真姫「をぉぉぉおおおおお!!!!」シュタタタタタ! スパーーン!!

絵里(尾崎さんの分まで1人で奮起してるようだけれど……)

真姫「あぁぁあああ!!!」バッコーーーーーーン!!!!

審判「アウト! ゲーム浦の星、5-4。チェンジコート!」

絵里(まぁ、こうなってしまうわよね)
69: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 15:05:09.83 ID:G1ZLYVkB.net
 
ヨハネ「フフ、フフフフッ、アーッハッハッハッハ!! 良い様ね!!!」

真姫「ぐ……」

まこ「…………」

善子「ふぅ~~~……スッキリした」スゥゥゥーーー…


ルビィ「あ。肌の赤みや目の充血が元に戻った」

ダイヤ「……あと1ゲームで終わりだというのに」

千歌「間が悪いよね~」

鞠莉「善……じゃなかった。ヨハネちゃ~ん! カモーン!!」

善子「ん? なぁにマリー……ってうわわわーー!!」ヨロヨロッ!

梨子「大丈夫?」

善子「まるで全身の筋肉が悲鳴をあげているようだわ。クッ……この痛みは、力を欲し地獄の業火へ身を投じた者への対価ね」


ダイヤ(あの暴走は、脳のリミッターを外し限界を超えた身体能力の発揮しているにすぎない。それ相応のデメリットもあって当然ですわ)
70: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 15:06:59.95 ID:G1ZLYVkB.net
善子「……ねぇ。結構記憶が曖昧なんだけど、相手がボロボロなのって、えっと……ヨハネのせいだったりしちゃう?」

鞠莉「ノンノン。悪いのは概ね私とダイヤと果南だから、あなたが気にする必要はないわ。そんなことより今は勝つことだけを考えて頂戴」

善子「それもそうね」


善子(マリーは卒業後海外へ行っちゃう。この大会は、今の3年と一緒に出来る最初で最後の盛大な思い出作り)

善子(たとへ更に全身が軋み上がろうと、大将戦へ繋げるっきゃない!!)


鞠莉「ま、今のあなたには期待できそうにないけどね~」

善子「ぬゎんでよッ!!! イタタタタ……」

果南「コラコラ。もうまともに動けないくせに無理するんじゃないの」

善子「うぅ……」

鞠莉「でもそのことを相手に悟られてはダメよ。次のゲームなんだけどね? …………────」ヒソヒソ…

善子「ククククッ……OKよ。任せなさい!!」

鞠莉「…………」チラリ

花丸「…………」コクリ!
71: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 15:09:08.60 ID:G1ZLYVkB.net
 
善子「さぁラスト1ゲーム! 最早虫の息な貴女達を、このヨハネ様が蹂躙し尽してあげるわ!!」

真姫「チッ……」

花丸(このサービスゲームを取れなければかなり不利になってしまう。オラの仕事は……一気に勝ち切ること!)

花丸「いきます!!」スッパーーン!

まこ(このくらいのサーブなら、今の私でも強くリターンできる!!)スパァーーン!

善子「フフッ」スッ…

真姫(厨二女がスイングの構えに!?)

まこ(まさか今のレシーブに届くの!?)

花丸「……色即是空」パコン コロコロコロ…

まこまき「「っ!?」」

審判「15-0」


善子(流石はマリーの描いたシナリオね。もうまともにプレイ出来ない今のヨハネでも、敵の目を欺くことくらいならできる)

花丸(よっちゃんの色濃さを隠れ蓑に、オラがこっそりと点を取る。あと……3点!)スッパーーン!
72: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 15:11:19.76 ID:G1ZLYVkB.net
 
花陽「…………」メガネ スチャッ!

凛「かよちん?」

花陽「……やっぱり。津島選手の動きが鈍くなってる」

穂乃果「言われてみればたしかに!」

花陽「もしかしたらさっきまでの常軌を逸したプレイングは、穂乃果ちゃんの“無我”や“天衣無縫”に近いものなのかもしれないね」

希「一時的な限界突破系の能力かぁ~」


真姫(……だんだん分かってきた。厨二女はヒートダウン中、もうあまり気にする必要はなさそうね)

真姫(そして国木田花丸の力は、何も本当に姿の消えるオカルトチックなものではない。この人だけを注意しておけば見失うこともないわ)


鞠莉「エキサイティンっ☆ いける! いけるわ!!」

ダイヤ「善子のハッタリ効果も薄れてきているようですが」

鞠莉「そんなのと~っぜん織り込み済みよ。でもあと少しなら善子も多少は動ける。潜在的な恐怖を植え付けられた、尾崎まこへの抑止力程度にはなるわ」

千歌「じゃあ後は西木野さん対マルちゃんの1対1って感じ?」

ルビィ「ただの1対1だとマルちゃん不利なんじゃ……」

鞠莉「本当にタイマン勝負になるなら不利かもね。だ・け・ど」
73: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 15:13:24.00 ID:G1ZLYVkB.net
 
真姫「ハッ!!」スッパーーーン!!

善子「どりゃ!!」バッコーーン!!

審判「30-15」

善子「フフフッ。ヨハネを軽視してると痛い目見るわよ?」

真姫「っ……」

善子(あぁ~普通にボレーしただけで腕痺れるヤバイヤバイ)ジンジン

花丸(あと2点……っ!)


千歌「おぉー! よっちゃんが決めた!!」

曜「おせおせぇーーー!!!」

鞠莉「ネ? そう何度もボールを打つのは無理だろうし、ここぞというタイミングのみ動けって指示を出してあるわ」

果南「さっすが!」


真姫「アンタ、急に自分のプレイを捨てたわね」

善子(好きで捨てたわけじゃないっての。もうあんまり動けないんだからしょーがないじゃない!)

善子「マリーのシナリオは完全無欠♥ 矢澤にこみたいなよっぽどのイレギュラーが相手でもない限り、勝利は確実よ!」フフン!
74: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 15:15:19.28 ID:G1ZLYVkB.net
 
真姫「……テニスにはシナリオなんかないってことを、教えてあげるわ!!」


 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. シナリオは壊せるさ!
     (原曲……シナリオをぶち壊せ!  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=0uux56ZtlWA




希『テニスに シナリオなんか要らない♪』

のぞりん『『試合に取扱説明書が ついてると思ってんのか?』』


にこ『テニスに 筋書きがあ~るわけない♪』

にことり『『勝負は偶然と 必然で成り立つ駆け引きぃ~♫』』


音ノ木一同『『『『『シナリオは壊せるさ! シナリオに意味はない!』』』』』

ほのぱな『『プレイヤーが作り出すぅー ドラマの結末は♪』』

音ノ木一同『『『『『誰にも 分からなーい♫』』』』』


花丸「!!」カッ! ポーーーン

果南(良いスライスロブ! これは綺麗に深く伸びるぞ)

花丸(スマッシュも打ち辛いはず……)

真姫(意地でもブチ込んでやろうじゃない!!)シュタタタタ タンッ!!

善子「勝負よ! 西木野真姫っ!!」

真姫「うぉぉぉぉぉおおおおお!!!!!」ズバァァァアアアン!!!! シュルルルルルル

真姫(しまった! ガットとフレームの間で打っちゃって変な回転が……)

善子「へ???」

善子(ボールが……急にホップして……ッッッ!?!??)

   バッチィィィィイイイイイーーーーーーーン!!!!!

善子「ぐはっ……!!!」

 ~♪      ~♪      ~♪
 
75: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 15:16:52.07 ID:G1ZLYVkB.net
真姫「あっ……」

まこ(またボールが顔面に……)

善子「ほ、星が……見えるわ……★」バタリ!


審判「……デュース」


善子「…………」グッタリ…

真姫「…………」スタスタ

花丸「っ」

真姫「どいて」

花丸「……よっちゃんに、何するつもりですか?」

真姫「色々やり返したいのも山々だけど、私のジャンピングスマッシュで死なれても気分悪いし……診察してやろうってだけよ」

花丸「死ぃ!??」

真姫「1試合で2回も顔にボールを受けてるんだから、脳が揺さぶられてポックリなんて話もありえなくないってことよ」

花丸「うぅ……。診察、よろしくお願いします……」
76: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 15:18:54.56 ID:G1ZLYVkB.net
真姫「…………」スッ…

善子「…………」

真姫「脈は正常。顔色、舌ベロの色も異常なし。今はただ気絶してるだけみたいね」

花丸「ほっ……」

真姫「今は平気でも夜になって急に脳震盪が起きるケースもあるみたいだし、それなりに医学知識のある身としては即検査することをオススメするけど……どうする?」

花丸「え? どうするって……」

真姫「現段階では気絶しているだけである以上、即検査を強制することはできない。だからあなたが選びなさい」

真姫「リタイアして医務室へ運び込むか、それとも、叩き起こしてこのまま試合を続行するのか」

花丸「…………」


花丸(そ、そんなのオラに選べるわけないずら!)

花丸(ここでリタイアしたら全てが終わっちゃう。でも、危険な可能性が分かっていて叩き起こすなんてことも……)
77: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 15:20:58.23 ID:G1ZLYVkB.net
ルビィ「担架借りてきました~」ヨタヨタ

果南「でかした! いくよ曜」

曜「ガッテン!!」

花丸「え? え??」

曜「そ~っと乗せて。よし!」

善子「…………」

ようかな「「いっちにー、いっちにー、いっちにー、いっちにー」」スタコラ

花丸(行っちゃった……)


千歌「審判さん。この試合、棄権します」

審判「分かりました」

まこ「ふぅ……」ヘタリ…

真姫(釈然としない勝ち方だけど、まぁ、これ以上まこちゃんを戦わせないで済む点だけはありがたいわね)


審判「ダブルス1、浦の星女学院の棄権により、音ノ木坂学院尾崎・西木野ペアの勝利。よって、3勝1敗で音ノ木坂学院の勝利です」

審判「両チーム共、整列してください」

審判「礼っ!」

  「「「「「ありがとうございました!!」」」」」ペコリ!



花丸(そんな……。こんなにあっさりと……終わっちゃうなんて……)

 
78: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 15:26:31.87 ID:G1ZLYVkB.net
 
梨子「あ~あ。不幸なよっちゃんらしい負け方と言えばそれまでだけど……」

千歌「もっと全国大会を満喫したかったなー。まぁ負けちゃった千歌達は文句言えないか」

梨子「そうだね」

花丸「みんな……本当にこんな終わり方でよかったの!?」

ダイヤ「良いわけがありませんわ! 最初に言ったでしょう? この私が参加する以上、絶対に優勝の2文字以外は許さないと」

ダイヤ「しかし勝利とチームメイトの命を天秤に掛けたとあっては、黒澤家の名云々以前に人としての品格が廃ります」

千歌「流石ダイヤちゃん! 良いこと言うな~」

鞠莉「私はもう結構楽しめたしね~。もちろん優勝したかったけど、相手を危険に晒してまで勝とうとした結果がこれですもの」

鞠莉「これがその罰だというなら、甘んじて受け入れるしかないわ」


花丸「…………」シュン…

ルビィ「マルちゃん、そんなに落ち込まないで?」

鞠莉「そうよ。あなた達には来年だってあるんだから」

花丸「え? 来年は5人だから、団体戦には出られな……」

ダイヤ「出られますわ。適当に2人から名義貸ししてもらい、その2名を大将と補欠に置く。あとは常に3勝0敗か3勝1敗で勝ち進むのみです」

梨子「3勝1敗の場合6人必要だし、あと名義貸りるにしても3人──」

ダイヤ「何を言っていますの? 6人よ。愚妹も居れて」


ルビィ「えっ……えぇええぇぇえええええ!!???!??!?」

 
79: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 15:28:15.20 ID:G1ZLYVkB.net
ルビィ「む、むりむりむり! 私にこんなハードなスポーツができるわけないよぉ!!」

ダイヤ「皆がテニスをやっている姿を少し羨ましそうに見ていたことに、この私が気づいていないとでも?」

ルビィ「うぅぅぅぅ……」

千歌「そうだったの!? ならルビィちゃんも明日から新レギュラーだ!!」

ルビィ「え、あの、そのっ」

梨子「マネージャーの仕事ならこれからは全員で分担して行えばいいんだし、遠慮することはないんだよ」

ルビィ「でも、絶対にへたっぴだし……足引っ張っちゃうし……」

鞠莉「卒業するまでの間みっちり鍛えてあげるわ~」シャイニーン☆


ルビィ(そしたら私も、お姉ちゃんみたいにカッコよく……)


ダイヤ「私を目指したところで可能性はなくってよ」

ルビィ「!」ガーン!

ダイヤ「あなたが目指すべきは……この2人を足して割った感じかしら」スッ

花丸「オラぁ!?」

梨子「わ、私!?」


ダイヤ「さ、行きますわよ」

ルビィ「待って!」

ルビィ「私も! 選手としてあのコートに立ちたいっ! ……ううん、立ってみせます!!」
80: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 15:30:15.56 ID:G1ZLYVkB.net
 
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. サンシャイン、もっと
     (原曲……輝け、もっと  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=ypEF7F_pkrM




ダイヤ『見ろー まぶしいほどの~光を放ち♪』

梨子『見ろー 夢に手~を伸ばすー あの~姿♫』

千歌『戦うたびにー 技を身~に~付けてー♪』

鞠莉『戦うたびに 飛躍を~遂げるー♫』

ルビィ『負けるもんかー 私たちだってー♪』

浦女一同『『『『『あいつ等と~ 同ーじーさぁーー♪♫♪』』』』』


  千歌「あ~。それにしても悔しいなー」

  鞠莉「まぁ楽しみにしとこうじゃない。オトノキが優勝できるのかどうか」

  千歌「うん! あの人達なら、きっとやってくれる!!」


  ことり「……梨子ちゃん。あなたはことりの知ってる梨子ちゃんと違ったよ」

  ことり「ことりも更に本気で挑み続けるね」

  ことり「あと少し……最後まで、悔いの残らないようにっ!」


浦女一同『『『『『サンシャイ~ン もっとー♪』』』』』

浦女一同『『『『『太陽よりー燃えてか~が~や~け~♫』』』』』

浦女一同『『『『『サンシャイ~ン もっとー♪』』』』』

浦女一同『『『『『私あなたより もっとー 輝~いてみせるー♫』』』』』

 
81: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 15:31:34.52 ID:G1ZLYVkB.net
 
浦女・音ノ木一同『『『『『サンシャイ~ン もっとー♪』』』』』

浦女・音ノ木一同『『『『『太陽よりー燃えてか~が~や~け~♫』』』』』

浦女・音ノ木一同『『『『『サンシャイ~ン もっとー♪』』』』』

浦女・音ノ木一同『『『『『私あなたより もっとー 輝~いてみせるーーー♫』』』』』

 ~♪      ~♪      ~♪


英玲奈「……ラストが棄権とは、なんとも予想外な結末だ」

あんじゅ「そうね~。どっちと戦うことになっても面白そうだったし、正直どちらが勝ち上がってこようが問題ないけど」

海未「私は音ノ木坂が勝ってくれて嬉しいです!」

絵里「私もよ」

ツバサ「あら? あなたこの前、柱の折れた音ノ木坂は素人にしか見えないとかなんとか」

絵里「そんなことは言ってません! 素人って何よ!!」

ツバサ「あはは」


ツバサ(兎にも角にも、これで最終決戦の幕は切って落とされた!!)

 
82: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 15:34:29.89 ID:G1ZLYVkB.net
 

   ■全国大会 第4回戦(準決勝) 終了


    千葉・藤黄学園 静岡・浦の星女学院 敗退

 
90: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/12(金) 22:08:24.08 ID:vxjPcUGa.net
 
    【Genius 24:さぁ、油断せずに行くわよ】


千歌「ハイパーチカっちドライブ!!」カコンッ!!

穂乃果「うわぁ!!」スカッ!

凛「穂乃果ちゃんまた空振りだにゃ~」

曜「11-2でチカちゃんの大勝利ぃ~!!」

千歌「やった! 3連勝!!」


にこ「……なんでテニス会場の休憩場に卓球台があんのよ」

希「まぁええんやない? 他校の選手同士がテニスの試合をしちゃダメなんやし、かわりにテーブルテニスってのもアリやん?」


穂乃果「千歌ちゃん強すぎるよ~」

曜「この子んちは旅館だから、温泉上がりによくピンポンしてるんだよね」

穂乃果「そんなの強いに決まってんじゃん! ズルイズルイ!!」

千歌「へっへっへ、勝った者が正義なのだよ! ってなわけで穂乃果ちゃん、アイス奢りぃー!」

穂乃果「うぅぅ」シクシク
91: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/12(金) 22:10:21.10 ID:vxjPcUGa.net
凛「凛は卓球よりバドミントンの方が好きだにゃ~」

曜「羽ならあるけどやる? ラケットは持ってないけど、まぁテニスラケットを使えばいっか」

凛「わーい!! 早速勝負しましょ!」

曜「いいよー。昨日の試合は途中までしかできなかったし、今度こそ運動神経ナンバー1決定戦といこうか!」

凛「望むところです!!」


にこ「もうすぐ決勝なんだから暴れすぎんじゃないわよー!」

凛「はーい!」ズダダダッ!!!

にこ「……ほんとに分かってんのしら」

希「あはは。試合前に怪我するんは都大会の時十分反省してたし、今回はきっと大丈夫やろ」


  ×       ×       ×


ことり「つまり……ああなることが分かっていて、津島さんを暴走させたんですかぁ?」


果南(一見微笑んでいるのに雰囲気がヤバイっ!!)

鞠莉(……猛禽類のおやつにされる)

ダイヤ(なぜ私がこの様な目にッ!!)


梨子「こ、ことりちゃん! みんな反省してるみたいだし、あの、この辺にしといたら……」

ことり「梨子ちゃんは黙ってて」ピシャリ

梨子「ひゃいっ!」ビクゥ!!


梨子(ことりちゃんが未だかつてない程に……怖いっっっ!!)
92: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/12(金) 22:12:26.33 ID:vxjPcUGa.net
 
  ×       ×       ×


花丸「よっちゃんが目を覚ましたみたい。脳に異常はなかったそうずら」

真姫「そ。ついでに厨二病まで治してきてもらえばいいのに」

花陽「まぁまぁ」

ルビィ「あ、あの……尾崎さんの方は……」

真姫「一応医務室へ向かわしたけど、痣が酷いだけだし1週間もすれば全部治ると思うわ。問題は……」

花陽「あの体で決勝を戦いきれるかどうか、だよね」

真姫「えぇ。テニスをすること自体は平気でも、ダメージを負った肉体でUTXとの激戦は分が悪すぎる」

花丸「本当に申し訳ございませんでした……」

ルビィ「ごめんなさいぃぃぃ……」

真姫「あなた達に謝られたところで事態が好転するわけでもないし、もう頭下げないでいいわよ」


花陽(今のまこちゃんにUTXレギュラーを倒してもらおうなんてのは無茶振りすぎる)

花陽(じゃあ仮にメンバーから外すとして、誰と組んでも問題なくプレイできるまこちゃんの代わりを務められる人なんて居るの?)
93: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/12(金) 22:19:14.81 ID:vxjPcUGa.net
花陽(とりあえず私と凛ちゃんを除く5人の内から考えてみよう)メガネ スチャッ!

花陽(まずことりちゃんはありえないよね。凛ちゃんと組んだ時は運よく勝てたけど、あんなダブルスはいくらなんでも規格外すぎます)

花陽(真姫ちゃんも駄目かな。まこちゃん以外の人とダブルスをしたことなんてないし、そもそも誰かに合わせるようなプレイスタイルじゃない)

花陽(にこちゃん。前衛適性はゼロだけど、敵を崩すことから味方のサポートまでなんでもできちゃう。でもにこちゃんをシングルス枠から削るのは……)

花陽(次いて希ちゃん。にこちゃんと同じく攻守搦め手なんでもOK、更に前衛と後衛どちらもいけちゃうのも強みだね。現にのぞにこペアは凄く強い)

花陽(最後に穂乃果ちゃん。中学3年間軟式テニス部に所属していただけの事はあり、イメージと違って結構ダブルス出来るんだよね。どのポジションでも動けるし)

  ※中学軟式テニス部は、基本的にダブルスしか行いません。


花陽(にこちゃん・希ちゃん・穂乃果ちゃん。やっぱりこの3人の誰かに、まこちゃんの代わりとして真姫ちゃんと組んでもらうしかない)

真姫「花陽」

花陽(……いや、もっと別の可能性も模索すべき? でもせっかくここまで勝ち抜いてきた普段の組み合わせは、下手に弄らない方が──)ウゥム…

真姫「ちょっと! 花陽ってば!」

花陽「あっ、ごめん。なぁに?」

真姫「あなたさっきから難しい顔して頭働かせ過ぎよ。どうせ決勝の事考えててんでしょ?」

花陽「うん……」

真姫「まこちゃんが戻ってきたら、最後くらい全員で考えましょ。花陽1人が悩んだり責任をしょい込む必要なんてないわ」

花陽「そうだね、ありがとうっ」
94: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/12(金) 22:21:38.84 ID:vxjPcUGa.net
 
  ×       ×       ×


千歌「穂乃果ちゃんの奢りのアイスは、おっいしっいなぁー♪」ペロペロ

穂乃果「くそぉ~! 今度は私の得意分野でリベンジして、もっと高いもの奢らせてやる……」グヌヌ

千歌「リベンジなんかしなくっても、優勝してくれたらなんか奢ってあげるってー」

希「ならこんなのはどう?」

ほのちか「「?」」

希「決勝戦で勝てたら、優勝&ベスト4祝いの打ち上げ代を浦女持ち。そんで負けたら準優勝&ベスト4祝いの打ち上げ代をオトノキ持ちや!」

千歌「おぉ~面白そう!!」

穂乃果「すごい! すごいアイディアだよ希ちゃん! 天才っ!!」

にこ「ちょっとそれ1部の人が勝手に決めて良いことじゃないでしょ」

希「浦女リーダーとオトノキ副部長のOKが出たんやし大丈夫やろ」

にこ「……部長はにこなんですけど」
95: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/12(金) 22:23:38.21 ID:vxjPcUGa.net
希「まぁまぁにこっち。ちょっと耳貸しぃ」

にこ「んぅー?」

希「この賭け、どう転んでもうちらが有利なようになってるんよ」ヒソヒソ

にこ「なんでよ」ヒソヒソ

希「こういう打ち上げっていうんはレギュラーだけでやるもんじゃない。都合の悪い人を除いた部員全員で行うのが普通やん?」ヒソヒソ

にこ「あんた……まさかっ!?」ヒソヒソ

希「ふふ、そのまさかや。うちらが賭けに負けた場合、浦女9人分の値段をこちらの部員全員から折半で出し合うだけで済む」ヒソヒソ

希「せやけどうちらが賭けに勝った場合、浦女は何十人も居るオトノキテニス部員全員分の値段を払わにゃならんわけや!」ヒソヒソ

にこ「鬼ね……」

希「ニッシッシ」


希(それにラッキーガールのうちが優勝する方に賭けておけば、少しでも勝率が良くなりそうな気がするしね)

希(あと堕天使ちゃんのアンラッキーパワーにも期待しとこ。あの子が居る浦女は、きっと賭けに弱いハズ!!)ニヤリ!


千歌「???」
96: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/12(金) 22:25:13.57 ID:vxjPcUGa.net
 
まこ「お~い」トテトテ

穂乃果「あっ! まこちゃん!」

希「もう大丈夫なん!?」

にこ「うわっ、腕も脚も湿布とか色々貼りまくりじゃない」

千歌「い、痛々しい」

まこ「アハハ……自分で思ってた以上に痣が多くって……」

穂乃果「硬式ボールって当たると痛いもんねぇ……」

にこ「そんな姿になるまで頑張ってくれてありがとう。情けない話だけど、殺し屋と戦わないで済んで正直かなりホッとしたわ」

まこ「関東大会ではあんまり役に立てなかったから、その分巻き返さないとね。全国では今のところ全勝中だし次も頑張るよっ!」

にこ「……それは駄目よ」

まこ「そんな! なんで!?」

希「ほいっ」ヒョイッ!

まこ「っ!!!」ビクッ!

にこ「ほら、ボールにビビってるじゃない。ボールを怖がるやつにテニスができるわけないでしょう?」

まこ「今のは……ただの条件反射で……」

にこ「とにかくしばらくテニス禁止! いいわね?」

まこ「そんなのいいわけないよ!!」
97: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/12(金) 22:30:25.87 ID:vxjPcUGa.net
にこ「……にこと対戦して、テニスが怖くなったり嫌いになる選手を今まで沢山見てきた。今のあんたはそういう連中に似てる」

まこ「…………」

にこ「ここで無理をして、テニスを嫌いになんかなってほしくないのよ。来年や再来年の音ノ木坂が再び全国の舞台に立つために、まこは絶対に欠かせないんだから」

にこ「だからこれは部長命令じゃなく、丁度1年くらい前……偶然コートで出会って仲良くなった、ただの友達としてのお願い」

にこ「元気になるまでテニスは休んで」

まこ「……うん、わかった…………」シュン…


にこ(ふぅ……。つっても、まこ抜きでどう戦えばいいのかしらねぇ。とりあえず真姫を誰と組ますか考えるとして……)

にこ(ことりは論外。なら穂乃果──ほのまきペアは互いに可動域が広すぎる。2人の間を狙われでもしたら、ボールを取り合ってぶつかる姿が目に浮かぶわ)

にこ(にこまきペアは……無くはないけど今は避けたいわね。真姫の動きに合わせたりフォローするだけの余裕が、現在の自分にあるとは思えない)

にこ(じゃあのぞまきがベストな答え? 希なら私とのペアでダブルス慣れもしているし、視野も懐も広いから安心して真姫を任せられるけど……)

にこ(いや、そもそも真姫に即興ペアをさせようなんて考えが間違ってる。我の強すぎるあの子に、まこ以外と組んでダブルスなんて出来るわけがない)


希「にこっち?」

にこ「あー、駄目ね。考えれば考えるほど思考がネガティヴになっていくわ……」
98: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/12(金) 22:34:53.25 ID:vxjPcUGa.net
 
にこ(せっかく関東大会や昨日の負けは気にせず頑張ろうって誓ったのに。こんなんでUTXとまともに戦えるの……?)


   ザッ ザッ ザッ ザッ


まこ「っ!」

千歌「この大群は……」

穂乃果「海未ちゃん!」

希「えりち」

にこ「……綺羅ツバサっ」

千歌(やっぱり! あのテニスの名門、UTX学院だ!!)


希「UTXの大名行列が何の御用や?」

ツバサ「お邪魔だったかしら」

希「正直その通りやなぁ~」

絵里「あら、朝と違ってツレないのね」

希「あんま余裕ないんよ。分かるやろ?」

絵里「たまたま通りかかっただけで邪険に扱われるのも心外だわ。それに、余裕がないのは希じゃなくて矢澤さんの方でしょう?」

にこ「ッ」ギリッ…
99: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/12(金) 22:37:15.03 ID:vxjPcUGa.net
石井(あわわー! 一発触発!?)

海未(……とても口を挟める雰囲気ではありませんね)

黒川(なんでこの人達いつも好戦的なんだろ。めんどくさ)


ツバサ「以前戦った時のあなたはもっと自信に満ち溢れていて、私にとって数少ない好敵手だったというのに……今では平凡な1選手にしか見えない」

絵里「ほんとにね」

にこ「うっさいわね。関係ないでしょ」

絵里「……それもそうね」

絵里「私個人としては矢澤さんと最高の試合を繰り広げ、その上で打ちのめしたいところだけれど、チームとしてはあなたが潰れていてくれた方が好都合」

にこ「…………」

ツバサ「あなたの現状はともかく、これだけのメンバーが揃っているチームはそうは居ない。だからこそ、今度は絶対に負けたくないと思っている」

英玲奈「決勝戦まであと1時間。ほんの僅かな猶予を生かし、精々策でも練るが良い」


英玲奈「プレイでも頭脳戦でも、我々はそれを堂々と上回ってみせよう!!」

 
100: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/12(金) 22:39:45.96 ID:vxjPcUGa.net
 
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. バッド・エンド
     (原曲……デッド・エンド  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=uvhuwiqP4SE




石井『ここまで来て 立ち往生かいー♪』

  『『『『『オトノ~キ バッド・エンド♫』』』』』

あんじゅ『ここまで来て 詰めが甘いわぁ~♪』

  『『『『『オトノ~キ バッド・エ~~ンド♫』』』』』

黒川『あなた達所詮 崖っぷちー♪』

堀『危ない橋を渡っているのねー♫』

英玲奈『もう回り道すら 探す事は~ できない♪』

海未『行き止まりへの一方通行~♪』

  『『『『『バッド・エ~ンド♫』』』』』

絵里『これじゃ勝ったも同然 不戦勝と変わらない♪』


  『『『『『我々のやる気にー 水を注すなよー♪ 矢澤にこっ!』』』』』

  『『『『『今までの努力をー 無駄にする気かー♫ 矢澤にこっ!』』』』』


ツバサ『あとしばらくよ あとしばらくの 猶予をやろ~う♪ それが私の余裕の証し♫』

ツバサ『あなたが自信を取り戻し 試合をしたとしても 私の勝利は変わらないけれどー♪』

ツバサ『今あなたにやろう 私の~余裕ぅー♪ 今あなたにやろう 私の~余裕ぅー♫』

  『『『『『オトノ~キ バッド・エ~~ンド!!』』』』』

 ~♪      ~♪      ~♪
 
101: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/12(金) 22:42:48.18 ID:vxjPcUGa.net
 
ツバサ「さ、行きましょう」

絵里「えぇ」


  穂乃果「待ってくださいっ!」ザッ!

ツバサ「えっと、高坂さんよね? 関東大会での海未との試合や、昨日の浦の星戦は見事だったわよ」

穂乃果「ありがとうございます」

ツバサ「で、何かしら」

穂乃果「私達も……負けません! 絶対に勝ってみせます!!」

ツバサ「フフッ。矢澤さんが言い返してくるならともかく、あなたが宣戦布告だなんて……中々面白い人ね」

絵里「あなたの成長スピードには目を見張るものがあるし、将来きっと大物になる。でも、現段階ではまだまだ未熟すぎるわ。私やツバサの足元にも及ばない」

穂乃果「そんなのやってみなくちゃ分からないよ」

絵里「分かるのよ。テニスもバレエも勉強も、大切なのは日々の積み重ね」

絵里「もちろんメンタル面も重要だし根性論が無意味だとは言わないけれど、気持ちでカバーできる実力差なんてたかがしれているわ」
102: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/12(金) 22:46:11.09 ID:vxjPcUGa.net
穂乃果「理屈なんて捻じ曲げてでも勝つよ! 絵里ちゃんもツバサさんも倒して、絶対に優勝してみせます!!」

海未「穂乃果ッ! 部長と絵里先輩に挑もうだなんて……あなた本気ですか!?」

穂乃果「もちろん。私は、音ノ木の柱になるんだからっ」キッ

絵里「後悔……するわよ?」

ツバサ「アハハハハ! いいじゃない、楽しみだわ! それじゃあコートで会いましょう?」

穂乃果「…………」コクリ!!


  ×       ×       ×


   ~UTXside~


英玲奈「両者のオーダーが発表された。これだ」ピラッ


海未(こ、これは……)ゴクリ…

石井(音ノ木坂、普段とかなりオーダーが違う!)

黒川(私の対戦相手は~……ふぅん。よし、勝ってやる!)

絵里(矢澤さん、これがあなたの選択なのね)

堀(うぅ~~~結構緊張してきた……)


あんじゅ「へぇ~。色々と予想外な組み合わせね」

英玲奈「想定していた対戦相手とは大きくズレる組み合わせも見受けられるが、敵の奇策に狼狽える必要などはない!」

絵里「そうね。相手が誰であろうと、私達は私達のプレイを貫き通すまで!」

ツバサ「さぁ、今こそ王者の誇りを取り戻す時よ!!」
103: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/12(金) 22:47:24.90 ID:vxjPcUGa.net
 
  ×       ×       ×


   ~音ノ木坂side~


花陽「1!」

凛「2!」

まこ「3!」

真姫「4!」

穂乃果「5!」

ことり「6!」

希「7!」

にこ「8!」


にこ「さぁ、油断せずに行くわよ!!」

  「「「「「おぉぉぉおおおーーー!!!」」」」」
 
111: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/13(土) 23:00:55.18 ID:vBZMq5Hj.net
 
    【Genius 25:決勝戦、S.T.A.R.T!!】


雪穂「亜里沙ー! 早くしないと決勝戦始まっちゃうよー!!」

亜里沙「待ってよぉ~~~」トテトテトテ

亜里沙「わわっ!」ドカッ!

  「ッ! ……いってぇなぁ」

亜里沙(怖そうな人にぶつかっちゃったぁぁぁあああ)

亜里沙「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」

  「…………」ギロリ

雪穂(ヤ、ヤバいよ! この人絶対ヤンキーだよ!!)

  (な、なんでコイツ等こんなに脅えてんだ? アタシはぶつかられただけで何も悪ぃことしてねーよな??)

   バッ!!

曜「やいやい! 幼気な女の子に絡むたぁ良い度胸じゃないか!!」

果南「私達の目が黒い内はそんな狼藉認められないなー!!」

  「あァ? 勝手な言い掛かりつけてんじゃ……って、アンタ等は」

曜「あっ」

果南「あなたはたしか──」
112: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/13(土) 23:02:28.64 ID:vBZMq5Hj.net
 
  ×       ×       ×


審判「それでは只今より、東京・UTX学院と、東京・音ノ木坂学院による全国大会決勝戦を行います」

審判「両チーム共、整列してください」


ツバサ(敗北の屈辱を晴らし、王者の誇りを取り戻す)

  にこ(にこの代で……音ノ木坂を優勝へ……)グッ

英玲奈(どんな場でも平常心、平常心だ)

  希(神様仏様大明神様! ここはひとつ頼むでっ!!)

絵里(チームを勝利へ導いてこそのバイブルよ)

  ことり(……なにがなんでも勝ってみせる)

あんじゅ(今日くらいは始めっから本気、ネっ♡)

  穂乃果(やるったらやるっ!!)

堀(うわぁ決勝なだけあって観客数スゴっ! ビビる!!)

  真姫(決勝に立てないまこちゃんの分まで戦ってやるわ!)

黒川(大舞台に慣れるには良い機会かもね。ついでに勝とう、うん)

  凛(かよちんと一緒なら怖いものなしにゃ!)

海未(き、緊張などしてはいけませんっ! こここ心を落ち着けるのです!!)

  花陽(データと仲間を信じて戦うのみです)

石井(来年は私が最上級生。今のうちに学べるものは全て学ぼう)

  ヒデコ(補欠とはいえまさか私が……。いや、こんな弱気じゃ駄目だ!)


審判「礼っ!」

   「「「「「よろしくおねがいします!!」」」」」

 
113: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/13(土) 23:05:16.14 ID:vBZMq5Hj.net
 
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪.てにぷり勝ち道(ウィニングロード)
     (原曲……ウィニング・ロード  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=LmRjyFC5MX8




穂乃果『駆け抜けろ ウィニング・ロォォォオオオード!!!』


穂乃果『音ノ木の柱になる そう決めたからには♪』

穂乃果『更なる高みへ行こう 私の覚悟と責任は♫』

穂乃果『新たなテクにかかってる 天衣無縫の極み♪』

穂乃果『自在に操るまで 私はテニスにしがみつくぅー♫』


ツバサ『ここまでの道のり 茨のウィニング・ロード♪』

ツバサ『汗だくの歴史に 1つの答えが出る♫』


絵里『痛みを耐えたから 見えるわウィニング・ロード♪』

絵里『リタイアの屈辱 もう2度とは御免だわー♫』


堀『来たるべ~きチャンスを 狙ってやる♪』

石井『根性勝負は私の 縄張り♫』

凛『やっぱりそうこなくっちゃ 面白くない♪』

真姫『私をナメるんじゃないわよぉ~ ♫』

堀・石井・りんまき『『『『駆け抜けろ 勝利への道 ウィニング・ロード♪♪♪』』』』
 
114: ウィニング・ロード良い曲だよね(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/13(土) 23:07:29.11 ID:vBZMq5Hj.net
 
希『うちらは勝つ為に来たんや♪』

英玲奈『これにて遊びは終わりだ! アデュー♫』

まこ『無限の可能性~を 秘めた私達♪』

あんじゅ『あなた何処を見てるのよ♫ ウフッ♡』

えれあんのぞまこ『『『『駆け抜けろ 勝利への道 ウィニング・ロード♪♪♪』』』』


海未『データを易々と 取らせません♪』

花陽『この度私は過去を 凌駕する♫』

黒川『悪いけど同じ相手に 2度負けない♪』

ことり『ことりのおやつにしちゃうぞ! あな~たもぉ~♫』

海未・黒川・ことぱな『『『『駆け抜けろ 勝利への道 ウィニング・ロード♪♪♪』』』』


にこ『絶望の淵から 見上げたウィニング・ロード♪』

にこ『復活を果たして 真正面から見据える♫』


  『『『『『ここまでの道のり(ここまでの~)茨のウィニング・ロード♪』』』』』

  『『『『『汗だくの歴史に 1つの答えが出るー♫』』』』』

  『『『『『駆け抜けろ 勝利への道 ウィニング・ロード♪』』』』』

  『『『『『ウィニング・ロード ウィニング・ロード♫』』』』』

  『『『『『ウィニング・ロォォォオオオード♪♪♪』』』』』

 ~♪      ~♪      ~♪
 
115: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/13(土) 23:10:01.75 ID:vBZMq5Hj.net
 
  ×       ×       ×


かさね「あはははははは! 不良に間違われるとか笑えるぅ~~」ゲラゲラ

優理「こっちは笑えねぇっすから」

曜「いやはや申し訳ない」

ゆきあり「「すみませんでした……」」

瑞希「気にしなくっていいって。不良っぽい優理も悪いんだしね」

理華「目は口程に物を言うという諺もあるくらいだし、もう少し優しい目つきになったらどうだい?」

かさね「うんうん。優理ちゃんは口も人相もよろしくない!」

優理「あァン!?」

ココ「こらっ! そういうところが良くないんだよ。本当は凄く良い子なんだから、もっと誤解されないように振る舞わないと!」

優理「んなこと言われたって」

ココ「一緒に笑顔の練習する? ハイ笑ってー」ニヘラー

優理「いや笑わねーし……」
116: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/13(土) 23:13:26.26 ID:vBZMq5Hj.net
http://i.imgur.com/lrB8vQh.jpg
1451919632-2-レス116-画像

東雲の面々は何度も出てきてるけど、忘れた方のために一応参考画像
117: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/13(土) 23:15:08.38 ID:vBZMq5Hj.net
紗菜「ふぅん。あなた達、綾瀬絵里の妹と高坂穂乃果の妹なのね」

ゆきあり「「はい!!」」

千歌「それじゃあせっかくだし一緒に応援しよっか~。あ、でも亜里沙ちゃんはUTX側なのかな?」

亜里沙「大丈夫です! どっちも応援してるので!」

千歌「そっかそっか。あ、そういえばかさねちゃんゴメンね?」

かさね「ん? 何が?」

千歌「ほら、穂乃果ちゃんには負けるなって昨日言ってたじゃん。なのに負けちゃって」

かさね「あぁ~そのことね。準決勝なら実は観戦してたんだよー」

千歌「そうだったの!?」

かさね「うん。凄い戦いだった! 見ててこっちまで熱くなったもん!!」

千歌「えへへー」

かさね「来年も2人と戦いたい。千歌ちゃんも穂乃果ちゃんも倒したい! だからさ、また全国まで勝ち上がってきてよ」

千歌「もちろんっ!」
118: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/13(土) 23:18:15.28 ID:vBZMq5Hj.net
梨子「来年、人数はちょっと足りなくなっちゃうけど……」

ダイヤ「その辺は気合いでなんとかしてみせなさい」

理華「気合でどうにかなる問題なのだろうか……?」

瑞希「ってかそもそも、私と彼方とクリス抜きの東雲は全国に進めるのかぁー?」

紗菜「この私が居るのよ? 問題ないに決まってるじゃない」

クリスティーナ「それはそうと、ダブルス1で倒れてしまわれた方は大丈夫なのですか?」

花丸「よっちゃんなら念のため医務室で横にならせています。けどさっき様子を見に行ったら、もう元気そうでした」


ルビィ「あ、あの……、そろそろ試合が始まるみたいです」

かさね「おっ、先鋒は誰かな~?」


  ×       ×       ×


ツバサ「1試合も落とさず終わらせるわよ」

英玲奈「それだとおまえの出番はないが良いのか?」

ツバサ「む。それは少しつまらないわね」

絵里「完全勝利で優勝を成し遂げる。ツバサの楽しみより、そのことの方が優先に決まっているでしょう?」

ツバサ「分かってるわよー。絵里はお固いわね」
119: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/13(土) 23:20:47.45 ID:vBZMq5Hj.net
 
審判「シングルス3の出場選手、前へ!」


にこ「行ってきなさい、任せたわよ」

希「希パワーた~っぷり注入! はーいプシュッ!!」

花陽「相手のデータはさっき話した通りだよ。気を付けてねっ」

凛「さぁ、いっくにゃー!!」

穂乃果「ファイトだよっ!」

ことり「公式戦初のシングルス、頑張ってね♡」

まこ「……信じてる!」


  「「「「「勝つのはUTX! 負けるのオトノキ! 勝つのはUTX! 負けるのオトノキ!」」」」」

   「「「「「勝つのはUTX! 負けるのオトノキ! 勝つのはUTX! 負けるのオトノキ!」」」」」


堀「…………」スタッ!

真姫「…………」ザッ

堀(関東大会で統堂・優木ペアから3ゲーム奪ったルーキーちゃんだ。どれだけシングルスが出来るのかは知らないけど、怖いなぁ)

真姫(相変わらずウザったい応援団ね。こんな声援、私のプレイで黙らせてやろうじゃない)


亜里沙「えぇええ!? あの2人って両方ダブルスの人だよね!??」

雪穂「ほ、ほんとだっ! どうしてシングルス3に……」
120: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/13(土) 23:21:55.75 ID:vBZMq5Hj.net
理華「堀はダイナミックで激しい動きを得意とした、後衛ながらも攻撃的なプレイヤーだ。そして恐るべきは、あの超高速サーブ」

理華「サーブを最大限に活かそうとするのであれば、4ゲームに1度しかサーブが打てないダブルスより、2ゲームに1度打てるシングルスで起用するのは妥当だろう」

果南「でも今まではずっとダブルス選手だったんでしょ?」

理華「元々彼女のサーブ成功率はそこまで良くなかったようだ。だからこそ今までは、4ゲームに1度のサービスゲームに全集中力を注いできた」

理華「しかし鍛錬を重ねることによりサーブの精度が上がったのだとしたら、このタイミングでいきなりシングルスに出てくるのも頷ける」

理華「西木野側がどういう判断かは知らないが、尾崎負傷による苦肉の策か、もしくは他に理由があるのか……」

鞠莉「へぇ~。あなた詳しいのね」

理華「これでもマネージャーだからね。このくらいのデータ収集は当然さ」

ルビィ(わ、私データ収集なんてしたことないぃぃ……)

花丸(多分普通のマネージャーがやる仕事じゃないずら)



審判「ザ・ベストオブ・ワンセットマッチ!」

     UTX学院 堀
       VS
   音ノ木坂学院 西木野

審判「音ノ木坂サービスプレイ!!」

 
121: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/13(土) 23:23:57.60 ID:vBZMq5Hj.net
真姫「…………」ポーン パシッ ポーン パシッ

真姫(コートに独りで立つ。昔は当たり前のことだったのに、今では少し心細く感じる。だけど、まるで負ける気はしない!)

真姫「私の美技に酔いなさい!!」バシィィィ!!

堀「ッ」


穂乃果「おぉー!! いきなりキックサーブ決まったぁあああ!!!」

凛「すっごいにゃーーー!!!」


審判「15-0」

真姫「ふふん!」

堀(サービスエース取るのは気持ち良いけど、取られるのは気分悪いなぁ)ムゥ…

堀(顔に跳ね上がってくるサーブだろうと、次は返す!)グッ

真姫「ハァ!!」スッパーーーン!!!

堀(なっ!? 今度は普通のフラットサーブ、しかも速い!)ポーーーン

真姫(フォルテ!)ズバァーーーン!!!

審判「30-0」


曜「お! ツイストとフラットの使い分けで敵を崩す。チカちゃんみたいな戦い方だね」

遥「それにあの人、私達と戦った時より強くなってますっ!」

彼方「…………」zzz

花丸「サーブもそれ以外のショットも、全てが絶好超みたいずら!」
122: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/13(土) 23:26:22.96 ID:vBZMq5Hj.net
 
真姫「いくわよ」スッ

堀(来るなら来いっ!!)

真姫(ピアニッシモ……)チョン コロコロコロ…

堀「……ッ!?」

審判「ゲーム音ノ木坂、1-0。チェンジコート!」


黒川「あーらら。後ろで構えたらドロップボレーとか、見事に裏かかれちゃってるよ」

石井「完全に音ノ木のペース……。でもっ!」

黒川「うん。アレがある限り、あの子は負けやしない」


真姫(物は試し。普通より左寄りに構え、右のオープンスペースを意識させる……)

堀「……っ!!!」ビュウンッッッッッ!!!!! ペチン!!!

審判「フォルト」

真姫(よし)

堀(あらゆるエナジーを……チカラに変えるっ!!)ビュウンッッッッッ!!!!!

審判「15-0」

真姫「チッ……」
123: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/13(土) 23:29:23.99 ID:vBZMq5Hj.net
 
堀「……っ!!!」ビュウンッッッッッ!!!!!

真姫(なにこれイミワカンナイ)スカッ

審判「30-0」

真姫「……やるじゃない」


凛「あぁぁ。やっぱり“FLAREサーブ”速すぎるにゃー」

ことり「速すぎてまともに目で追えない……っ!」

花陽「右を意識するとフォルトになっちゃう癖も、やっぱり克服してきてるみたいだね」

まこ「でも見て、真姫ちゃんの立ち位置! あんな後ろに下がって構えてる!」

希「少しでもサーブの威力を殺そうっちゅうわけか」


堀(あらゆるエナジーを……チカラに変えるっ!!)ビュウンッッッッッ!!!!!

真姫(あたれ!!)パコン ペチッ

審判「ネット! ゲームUTX、1-1」

真姫(ボールが……前に飛んでくれなかった……)

堀「よしっ!!」


絵里「あそこまでスピードに乗ったサーブは当然それだけ重い。あんな後ろから辛うじてラケットに当てた程度じゃ、まともに打ち返せはしないわ」

海未「このままサービスゲームを取り続ければ、どこかで1度ブレイクするだけで勝てますね」

あんじゅ「でもそう簡単にブレイクさせてもらえるかしらぁ?」

英玲奈「焦らずじっくり行けばいいさ。こちらはサーブだけで大いに優位なのだから」
124: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/13(土) 23:30:57.79 ID:vBZMq5Hj.net
 
真姫「はぁぁぁあああ!!!」スッパーーーン!!!

堀「うっ」

審判「30-15」


あんじゅ「それにしてもあの子本当にダブルスプレイヤー? いくら日々成長しているにしたって、わたし達と戦った時より相当レベルアップしてない?」

英玲奈「これが本来の力なのかもしれない。奴は元々シングルス向きだからな」

ツバサ「そうなの?」

英玲奈「関東大会2回戦。あの時の試合、テリトリーで後ろに下がった西木野真姫と後衛対決をしていて彼女の才能を痛感した」

英玲奈「スポーツには目に見えない何かが間違いなく存在している。それは『流れ』や『リズム』と呼ばれる類のものだ」

英玲奈「そして西木野真姫と長時間打ち合っていると、こちらのリズムが悉く狂わされる。まるで流れを無理矢理持って行かれるかのような不愉快さとでもいうのだろうか」


審判「ゲーム音ノ木坂、2-1。チェンジコート!」


海未「……長く打ち合うことで狂わされるリズム」

英玲奈「そう、それはシングルスでこそ発揮される才能だ。もっとも“FLAREサーブ”がある限り、こちらも負けはしないだろうが……」
125: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/13(土) 23:32:07.25 ID:vBZMq5Hj.net
 
堀「……っ!!!」ビュウンッッッッッ!!!!!

真姫(ここまで速すぎると、音でボールの飛ぶ方向を聞き分けた頃には既にボールが手元へ来てしまっている)

真姫(それじゃ遅すぎるのよ。このサーブだけは耳に頼らず、反射で対応しないと!!)スカッ

審判「40-15」

真姫「クソッ……」


堀「……っ!!!」ビュウンッッッッッ!!!!!!

審判「フォルト」

堀(入れっっっ!!!)ビュウンッッッッッ!!!!!

真姫(僅かに視えた! いけッ!!)パコン ペチッ

審判「ネット。ゲームUTX、2-2」
126: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/13(土) 23:33:22.87 ID:vBZMq5Hj.net
 
ツバサ「互いに自分のサービスゲームを落とす様子はないわね」

絵里「しかし一撃必殺サーブの有無はかなり大きいハズよ。こちらはいつでもブレイクを狙っていけるけれど、相手はそもそもサーブを打ち返せない」

絵里「つまり西木野さんには、絶対に自分のサービスゲームを落とせないという壮絶なプレッシャーが──」


真姫「リズムに乗るわ!」トンッ トンッ シュタタタタッ!


穂乃果「出た! スプリットステップ!!」

にこ「無駄に多用はせずペース配分は完璧。真姫の奴、良い成長を遂げてくれたわ」

希「焦りも緊張も感じさせない素晴らしいプレイやん!」

にこ「下手に攻め急がずちゃんとゲームメイクできているのは、まこ、あんたがいつも真姫をヒートダウンさせてくれてたおかげよ」

まこ「そうかな? だったら嬉しいなぁ」


審判「ゲーム音ノ木坂、3-2。チェンジコート!」
127: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/13(土) 23:34:22.17 ID:vBZMq5Hj.net
 
絵里「──っ。彼女、思った以上に冷静ね」

ツバサ「ビッグサーブに対するプレッシャーはまるで無さそうだわ」

あんじゅ「そういえばあの子には、わたしの“フルハウス”によるプレッシャーも効き目薄かったものねぇ~」

海未「一体どのような心臓をしているのやら」


真姫「ねぇ」

堀「…………」

真姫「私もサービスゲームを落とさないから負けないわ。んで、あなたからリターンエースを奪って勝つのは……──」


  真姫「──私よ!」ズビシッ!!

 
131: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/14(日) 23:57:42.51 ID:Hd8OLDMP.net
 
    【Genius 26:似た者対決】


真姫「私もサービスゲームを落とさないから負けないわ。んで、あなたからリターンエースを奪って勝つのは……私よ!」ズビシッ!!

堀「上等っ!!」

堀(あらゆるエナジーを……チカラに変えるっ!!)ビュウンッッッッッ!!!!!


かさね「凄い試合になってきたねー!」

曜「お互いサービスゲームをずっとキープしてる!」

理華「でもこのままだと、堀のサーブを返せない西木野が不利だな」

花丸(オラ達を倒した以上、西木野さんには負けてほしくない!!)


堀「……っ!!!」ビュウンッッッッッ!!!!!

真姫「をぉぉぉおおお!!!」ポーーーン

真姫(やった! 返せた!!)

堀(そんなヒョロヒョロなリターンじゃ打ち込み放題だよっ!!)ズッバァァァアアアン!!!

審判「ゲームUTX、3-3」
132: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/14(日) 23:59:21.67 ID:Hd8OLDMP.net
 
穂乃果「あぁああ! せっかくリターンできたのに!!」

にこ「もっとまともに返せるようにならない限り、ブレイクの突破口は見つからなさそうね」

まこ「真姫ちゃん!! ガンバレーーー!!!」


真姫「ほんっと、ムカツクサーブね」カミノケ クルクル

堀(なんだろう。こんな生意気な1年、普通なら腹立たしいはずなのに……不思議と嫌いになれない。むしろ試合が楽しい!!)ニッ


黒川「お、いつも以上に燃えてるぅー」

石井「えっ、普段通りにしか見えないような」

英玲奈「長らくペアを組んできた、黒川にしか感じ取れない微妙な変化……ということか?」

黒川「ん~。そんな大層なもんじゃないけど、なんとなく? ほら、あの2人ってどことなく似てる気がするし」

絵里「似ている……かしら?」

英玲奈「ビッグサーバー、リズミカル且ダイナミックな動き、激しく攻撃的なテニス。たしかにプレイスタイルは類似点が多いようにも思えるな」

黒川「それに西木野真姫ってアレでしょ? あの~、なんだっけ、ほらアレだよアレ」

石井「???」キョトン

黒川「西木野なんとかセンターだっけ? あそこの1人娘」

ツバサ「えっ、何の話?」

海未「おそらく黒川先輩は西木野総合病院のことが言いたいのではないかと……」

黒川「そうそれそれ! 流石海未ちゃんよく分かってくれたね~。えらいえらい」ヨシヨシ

海未「や、やめてくださいっ!!」
133: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/15(月) 00:00:53.20 ID:gHo88x5C.net
海未「……そういえば、堀先輩も中々凄い育ちなのですよね?」

黒川「うんそだよー。でっかい病院の御令嬢って程じゃないにしろ結構お嬢様。そのわりにはちょいちょい庶民的だし私生活はポンコツだけど」

絵里(あなたには言われたくないと思うのだけれど……)

ツバサ「黒川の“ダンス殺法”然り、海未の“演舞テニス”然り、育ちや生い立ちはプレイに反映されるものね」

黒川「あと雰囲気も微妙に近い気がする」

あんじゅ「ふぅ~ん。プレイスタイルの似通ったお嬢様対決ってわけね。何か互いに通じるものでもあったりするのかしらぁ」


真姫「らァ!!」パッコーーーン!!

堀「ハッ!!」スッパァーン!!

真姫「ぁぁあああ!!!」ズガァァアアアン!!!


  真姫・堀((この人には、絶対負けたくないっ!!))

 
134: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/15(月) 00:03:13.74 ID:gHo88x5C.net
 
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. 鏡写しの私
     (原曲……鏡の中の俺Ⅱ  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=H189--ZyrHk




堀『な~ぜあなたは私を見~る 私の心を見据えるー♪』

真姫『赤裸々なまでの眼差し~は クールを装う私にー♪』

真姫・堀『『熱いハートを纏わせるぅ~~~♫』』

真姫『そ~う私は起爆剤 あなたと共に爆発♪』

堀『私たち似た者同士~さ クローンのような関係♪』

真姫・堀『『まるで鏡の 裏表ぇ~~~♫』』


堀『氷と~炎♪』
  真姫・堀『『Ice&Fire♫』』

真姫『冷酷と~情熱♪』
  真姫・堀『『Cool&Passion♫』』

堀『厳しさと~優しさ~♪』
  真姫・堀『『Hard&Gentle♫』』

真姫『涙と~笑いー♪』
  真姫・堀『『Tear&Smile♫』』

堀『矛盾めいた~パラド~ックス 鏡の中から覗いたー 私の姿♪』


真姫『憎しみと~愛ー♪』
  真姫・堀『『Hate&Love♫』』

堀『絶望と~希望♪』
  真姫・堀『『Despair&Hope♫』』

真姫『落胆と~喜び♪』
  真姫・堀『『Blue&Happy♫』』

堀『敗者と~勝者ー♪』
  真姫・堀『『Loser&Winner♫』』

真姫『矛盾めいた~パラド~ックス 鏡のこちらで戦うー 私の姿♪』

堀『鏡のこちらで戦うー 私の姿♪』

真姫『鏡のこちらで戦うー♪』

真姫・堀『『私のす~が~た~~~♪♫♪』』

 ~♪      ~♪      ~♪
 
135: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/15(月) 00:04:44.67 ID:gHo88x5C.net
 
真姫「私の美技に酔いなさい!」シュパァァァン!!!

審判「ゲーム音ノ木坂、6-5。チェンジコート!」


瑞希「ヒュ~♪ 両者一歩も譲らなすぎだろっ!」

ダイヤ「ここまで互角なぶつかり合いなど、そうそう見られるものではありませんわね」

瑞希「サービスを譲らない試合っていうと都大会決勝を思い出すよ。あたしもまたラッキー東條と戦いたいな~」

理華「大会が終わったら練習試合でも組むかい?」

優理「っ!」ガタリ!

かさね「ワーイ!!」

優理(今度はシングルスで南ことりと……っ!)

千歌「練習試合ってそんな気軽にできるもんなの!?」

理華「地区は違えどそこまで学校が離れているわけでもないし、顧問を通し相手校とコンタクトを取る事さえできればそう難しい話でもないさ」

曜「東京ずるいっ!!」

千歌「千歌達も練習試合したい!!」

梨子「また東京に来れば良いだけの事なんじゃないかな?」

ようちか「「その手があったか!!」」

クリスティーナ「東京に来るならいつでも歓迎致しますよ♪」
136: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/15(月) 00:05:51.34 ID:gHo88x5C.net
 
堀「……っ!!!」ビュウンッッッッ!!!!

審判「ゲームUTX、6-6。タイブレイク、西木野・トゥ・サーブ」


果南「とうとうタイブレイクか」

鞠莉「ここまではサービスゲームをキープさえできれば数点落としても問題なかったけど、ここからは1つのミスが勝敗を別けるわね」

花丸「まずは西木野さんの1本目……」


亜里沙「ねぇ雪穂。タイブレークって交互にサーブを打ちあって、先に7点取った方の勝ちなんだよね?」

雪穂「うん。まずは西木野さんが1回サーブ、次は堀さんが2回サーブ、西木野さんが2回、堀さんが2回、って感じで繰り返しだよ」

雪穂「あと、7点取っても2点差がつかないと勝ちにならないから……」

亜里沙「2人共サーブの時に点を取り続けたらずっと試合が続くってことだね」


堀「まさかここまで粘るなんて……。そろそろ破ってみせる!!」
137: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/15(月) 00:07:22.11 ID:gHo88x5C.net
 
ツバサ「タイブレイクの初球。ここは誰もが慎重になり、サーブのコース・威力共に若干甘く入る」

絵里「そしてそれは、絶好のリターンエースチャンスよ!」


真姫「ッ!!」バシィィィイイ!!!!

堀(このタイミングにもかかわらず、回転もスピードも増しているっ!?)スッパーーーーン!!

審判「アウト! 1-0、西木野」


凛「やったにゃ!」

花陽「でも、次は……あの“FLAREサーブ”」


堀「っっっ!!!」ビュウンッッッッ!!!!

真姫「らァ!!」パコン ペチッ

堀(ふふ。当ててきたのは見事だけど、またネットを越えなかったね)

審判「堀、1-1」


堀「……っ!!!」ビュウンッッッッ!!!! ペチン!!

審判「フォルト」

堀(入れっっっ!!!)ビュウンッッッッ!!!!

審判「堀、2-1」
138: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/15(月) 00:10:28.52 ID:gHo88x5C.net
穂乃果「このタイブレイクって、もしかして真姫ちゃんが相当不利?」

にこ「……そうね。相手はサーブだけでバンバン点を捥ぎ取っていくのに対し、真姫は普通にプレイをして得点につなげるしかない」


審判「西木野、2-2」

真姫「ッ!!」バシィィィイイ!!!!

堀「はぁ!!!」スッパーーーン!!

  ズバーーン!! スパーン! バコーン! パコン! スッパーン!! スパーーーン! ボーーン

希「アカン! サービスを落とすわけにはいかんのに、このラリー……ちょい劣勢や!」

まこ「真姫ちゃん……っ!」


堀(今までラリー中はずっとリズムを掴まれっぱなしだったけど──その支配! そろそろ打ち破る!!)ズガァーン!!!

真姫「クッ」ポーーーン


花陽(あぁ!! 堀選手相手にあんなロブをあげちゃったら!!)

にこ(サーブ並のスマッシュをぶち込まれる!!)


堀「らぁぁぁあああ!!!」ズッバァァァアアアン!!!!!

審判「堀、3-2」


凛「そんなぁ!!」

ことり「このままじゃ……負けちゃうっ」
139: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/15(月) 00:11:27.25 ID:gHo88x5C.net
海未「やりました! 相手のサービスから1度でもポイントを奪えればこちらのもの!!」

英玲奈「2度のサーブで一気に5-2までリードを広げられる」

絵里「勝負あったわね」


真姫「…………」スッ…

堀(は? 目を閉じた!?)

真姫(こうなったらもう、イチかバチかでやってみるっきゃない。元オトノキの先輩……あなたの心技、借りるわよ)

堀(諦めたのかなんだか知らないけど、これで終わりだよっ!!)ビュウンッッッッ!!!!

真姫「……」

真姫「…………」

真姫「……捉えた」スパンッ!!

堀「ッ!??」

真姫「言ったでしょ? あなたからリターンエースを奪って、勝つのは私だって」

審判「西木野、3-3」


堀(一体何がどうなっているの!?)
140: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/15(月) 00:13:15.27 ID:gHo88x5C.net
穂乃果「す、凄いっ……。凄い! 凄いよ真姫ちゃん!!」

花陽「今までも音を頼りに戦ってきてはいたけど、まさか目を瞑って音のみで打ち返しちゃうなんて信じられません!!」

にこ「前々から天才だとは思っていたけど、まさかここまでだったなんてッ!」


真姫(私の動体視力じゃあなたのサーブを完全に捉えることはできない。だから音にも頼りつつ打ち返そうとしてみたけど、それも無理だったわ)

真姫(やっぱり目を閉じて全神経を研ぎ澄ませると違ってくるものなのね。見ながら聞くより単に聞くだけの方が、より正確にボールの気配がわかる)


海未「なぜです……。西木野さんの聴覚が異常に高性能なのは知っていますが、仮に音でボールを捉えたとしても打ち返せないのでは!?」

あんじゅ「たしかに今までも何度か“FLAREサーブ”をラケット当てることは出来ていたけど、ネットより先までボールを跳ばせていなかったものね」

絵里「なんとなくラケットにボールを当てるのと、しっかり芯で捉えて打つのではまるで違う。それに多分……」

ツバサ「この長時間の攻防により、堀のサーブの威力がほんの若干ながら落ちてきている」

絵里「やっぱりね。何十球も全力全開のサーブを叩き込み続けてきたんだもの。疲労が蓄積されていないわけがないわ」


千歌「おぉぉぉおおお!!!! あの子また目ぇ瞑って打ったよ!?」

曜「梨子ちゃん以外にあんな真似できる人が居たなんて!!」

梨子「誰にでもできることではないはずなのに……」

果南「さっきのは偶然じゃないみたいだね」
141: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/15(月) 00:14:49.25 ID:gHo88x5C.net
 
ルビィ「凄い……私達の想像を遙かに超えてるっ」

花丸「オラはあんな天才と戦っていたの……!?」


 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. 神懸かりのテニス→だから勝つのは……!
     (原曲……神懸かりのテニス~だから勝つのは…  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=kHwNQ9ux2HY




ルビィ『見えない打球に食らいつ~き ボールを気配りだけで 的確に返す♪』

るびまる『『驚くべき天才 神懸りのテニス♫』』

花丸『暗闇の中で音を聞~き 瞬時に判断して リズミカルな美技♪』

るびまる『『驚くべき天才 神懸りのテニス♫』』


るびまる『『どーこーまーで 高まるんだ あのポテンシャ~ル♪』』

るびまる『『まるで宇宙のような深淵 そして無限~♫』』

るびまる『『まーさーしーくぅー 神懸~りのテニス♪』』


希『見~ろ! あの闘争心 露骨なまでの攻撃力♪』

穂乃果『凄い! あのメンタリティ 負ける事を許さぬ集中力ー♪』

のぞほの『『あれがあの子の凶器 正気の沙汰じゃな~い♫』』
 
142: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/15(月) 00:15:56.09 ID:gHo88x5C.net
 
真姫「私は……私はもう負けるわけにはいかないのよ!」

真姫「にこちゃんに誘われ入部した音ノ木坂学院テニス部。私にはある野望があった」

真姫「かつて自分がやられたように、今度はにこちゃんを完膚なきまでに倒しあの屈辱を味合わせてやる!」

真姫「でも私の野望は脆くも崩れ去った。3人の鬼才(バケモノ)によって」


  ことりんぱな「「「…………」」」ザッ…


まこ『行~け! 限界を超えろ 目を見張る満々な意欲♪』

にこ『変われ! 進化し続けろ なりふり構わず 勝ちにしがみつくぅー♪』

にこまこ『『あれがあの子の凶器 正気の沙汰じゃな~い♫』』


真姫「今に見てなさい……。ゴールデンペアだか音ノ木の天才だか知らないけど、絶対まとめて倒してやるわ」グッ…

真姫「ナンバー1は私よッッッ!!!」


  花陽「お、お手柔らかにお願いします……」

  ことり「ふふ♡ ことりに勝つのはまだ早いよ」

  凛「楽しみなライバルだにゃ!」


真姫「私は3人の鬼才(バケモノ)を倒してにこちゃんにリベンジしなくちゃいけないのに!」

真姫「這い上がってやる……這い上がってやるわ!」

真姫「私が本気のにこちゃんとやりあうには、もう勝利しかないのよっ!!」
 
143: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/15(月) 00:16:54.16 ID:gHo88x5C.net
 
真姫『負けるわ~けにはー いかな~い♪』

堀『友のた~め仲間のた~め そして何より自~分のためにも♫』

真姫『この試合落と~す訳にはいかない♪』

  まこ「あんな我武者羅な真姫ちゃんは久々だ!」

真姫・堀『『だから勝つのは私!』』


堀『負けるわ~けにはー いかな~い♪』

真姫『私ナンバーワンになる 音ノ木坂でト~ップになるため♫』

堀『今まで以上にー 勝利に固執する♪』

  石井「あんな堀先輩見たことない!」

真姫・堀『『だから勝つのは私!!』』


真姫・堀『『負けるわ~けにはー いかな~い♪ 負けるわ~けにはー いかな~い♫』』

真姫・堀『『負けるわ~けにはー いかな~い♪ 勝つのは私!!』』

 ~♪      ~♪      ~♪
 
145: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/15(月) 00:21:05.67 ID:gHo88x5C.net
 
真姫「っ!!」スパァーーーン!!

審判「西木野、19-19」

堀「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」

真姫「ぜぇ……はぁ……ぜぇ……はぁ……」


瑞希「どこまで続くんだ……!? このタイブレイク!!」

ダイヤ「西木野真姫があのサーブを打ち破って以来、どちらのサービスかということはあまり関係なくなっていますわね」

理華「たしかに堀はサーブの優位性を失ってはいるが、依然有利には違いない」

かさね「なんでなんで?」

理華「西木野の顔を見てごらん」

  真姫「はぁ……はぁ……」ポタポタ

かさね「わぁ! 滝のような汗!!」

理華「堀がサーブの精度を高めたように西木野もスタミナ不足の弱点を克服してきたようだが、短期間で体力を増やすにも限界があるからね」

果南「これ以上戦うのは限界って感じだね……」
146: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/15(月) 00:22:42.88 ID:gHo88x5C.net
 
真姫「うっ……」ヨロッ…

真姫「…………」バタリ!!


まこ「っ! まきちゃん!!!」

にこ「真姫ぃ!! ここまできて負けるなんてアンタそれで良いの!? 立ち上がんなさい!!!」


真姫「……」

真姫「…………」

真姫「………………」


  「西 木 野 真 姫 ぃ ぃ ぃ い い い ! ! ! ! !」


千歌「ぅえっ!?」

梨子「この声って……」

鞠莉「あんのバカ! ベッド抜け出してきたわね!?」


善子「このヨハネを!! 倒しておきながら!! みっともない姿晒してんじゃないわよッ!!!」

善子「貴女は今っ!! ヨハネから力を引き継いで!! コートに立っているのよ!?」

善子「貴女の使命は! 燃え尽きることじゃない!! 敵を焼き尽くすことでしょう!??」


  善子「立てぇぇぇぇぇえええええ!!!!!!!!!!」

 
147: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/15(月) 00:24:20.60 ID:gHo88x5C.net
 
真姫「…………」ググッ…

真姫「うっ……さい…………」


真姫(……耳障りな雑音ね。あんた少しにこちゃんと声にてて紛らわしいのよ)ヨロヨロッ…


花陽「真姫ちゃん! 真姫ちゃんがぁ!!」

凛「立ち上がったにゃ!!!」

希「スピリチュアルやぁぁぁあああ!!」

ことり「真姫ちゃん! いっけーーー!!」


堀(凄まじい勝利への執念……でも負けない! 私の前に立ち塞がる限り、何度でも全力のサーブを打ち続けてあげよう!)

堀(あらゆるエナジーを……チカラに変えるっ!!)ビュウンッッッッ!!!!

真姫「…………」シーン…

審判「20-19、堀リード」

真姫「……」

真姫「…………」

堀(……え? 無反応?)


絵里「あの子、もしかして……っ!」

ツバサ「西木野さん……気を失っても尚、コートに君臨するのね」
148: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/15(月) 00:25:22.63 ID:gHo88x5C.net
 
堀「はぁ……はぁ……」

真姫「………………」

堀「……凄いよ……あなた」パコン

審判「ゲームセット!! ウォンバイUTX、堀。7-6!」


  「「「「「UTX! UTX! UTX! UTX!」」」」」

   「「「「「UTX! UTX! UTX! UTX!」」」」」


堀「ぜぇ……はぁ……」フラフラ

黒川「チョーおつかれ~」

石井「お水どうぞ!」

堀「……ありがと」ゴクゴク

堀「…………」

黒川「ありゃ? せっかくこんな長い試合で勝てたってのに浮かない顔だね」

堀「あの子があとほんの少しでも経験を積んでいたら……。もしも同じ3年生、ううん、あの子が2年生だったなら……負けたのは──」

ツバサ「くだらない」

堀「えっ?」

ツバサ「同じコートに立った瞬間、学年も立場も関係ない。年上だろうと年下だろうと対等。そして強い物が勝つ、それだけよ」

ツバサ「あなたは強い。だから勝った。西木野さんのためにも誇ってあげなさい」

堀「っ!」

黒川(うわっ!? 部長が部長らしいこと言ってる!!)

石井(珍しいとか思っちゃってごめんなさい! でもすんごい珍しい!!)

ツバサ「お疲れ様。……良い試合だったわ」

堀「うんっ!!」
 
155: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/16(火) 22:32:49.96 ID:pvxjOxgs.net
 
    【Genius 27:チグハグ!?コンビネーション】


堀「ネオ・FLAREサーブッ!!」

あんじゅ「完っ全にロイヤルストレートフラッシュ」

黒川「動くこと雷霆の如し!!」

絵里「†ダスヴィダーニャ†」

英玲奈「これ、お土産(敗退への片道切符)だ」

海未「知りがたきこと……陰の如し」

石井「メテオドラァァァアアアイブ!!!」

ツバサ「翼王国─ツバサキングダム─!」


  真姫「ッ!?」


真姫「はっ……はっ……はっ……」

真姫「なんなのよっ! なんなのよアンタ達!!」

 
156: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/16(火) 22:36:37.49 ID:pvxjOxgs.net
 
花陽「絢瀬選手や綺羅選手に勝つのは、正直にこちゃんやことりちゃんでも難しいと思う。もちろん勝てる可能性ならあるけど、決して安易なことじゃない」

花陽「だから仮にその2戦を捨て試合と見做す場合、ダブルスプレイヤーと絢瀬戦・綺羅戦以外を行うシングルスプレイヤーに課された最低条件は──」

  花陽「──必勝」



絵里「そう、あなたは絶対に負けてはならなかった。命を懸けてでも勝たなければならなかった」

真姫「やめて……」

海未「オトノキはここで終わる」

真姫「やめなさいよ……」

絵里「あなたが、西木野真姫が負けたせいで、音ノ木坂学院は敗退する」

真姫「聞きたくない聞きたくない聞きたくないッ!!!」

海未「団体戦全国優勝は、あなたが目標とする矢澤さんの夢だったそうですね」

真姫「っ……!!」

絵里「あなたが奪ったのよ。矢澤さんの夢を、皆の夢を、音ノ木坂の未来を」



真姫「あぁぁあああぁあぁぁぁあああ゙あ゙あ゙ぁあああ゙あ゙あ゙あ゙!!!!!!!」バッ!!


凛「うにゃぁぁぁあああ!???」

まこ「びっくりしたぁ!」

花陽「真姫ちゃん! 酷くうなされてたけど大丈夫!?」

真姫「はぁ……はぁ……今の、夢? 試合は、シングルス3は……どうなったの!?」
157: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/16(火) 22:39:52.61 ID:pvxjOxgs.net
花陽「それは……」

まこ「タイブレイクを制したのは堀さんだったよ」

真姫「そう……。やっぱり私、負けたのね」

まこ「……うん。お疲れ様」

凛「ナイスガッツだったにゃ!」

花陽「見てて感動しちゃった」

真姫「…………」

真姫「……ごめん。みんな、うぅっ……ごめんなさい……っ!」

まこ「真姫ちゃん」ギュッ

真姫「っ……」

まこ「大丈夫、大丈夫だから」

真姫「うぅ……っ……うわぁぁぁああああぁぁぁ……」

まこ「…………」ヨシヨシ


穂乃果「真姫ちゃん……」

ことり「ことり達はそっとしといてあげよ?」

穂乃果「……うん、そうだね」
158: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/16(火) 22:41:27.80 ID:pvxjOxgs.net
 
まこ「…………」

真姫「……ぅぅっ…………」

まこ「少しは落ち着いた?」

真姫「えぇ」

まこ「どんな夢を見たのかは知らないけど、現実で真姫ちゃんを責める人なんて居やしないよ」

まこ「真姫ちゃんは謝らなきゃいけないようなことなんてしてない。最高の試合だった。何1つ悪くない! 真姫ちゃんは頑張った!!」

真姫「……ふふ、ありがと」


真姫「今やってるのはダブルス2よね。どんな感じ?」

花陽「えっと……」

凛「……あんまりよくない感じだにゃ」


真姫(そんなまさか! あの2人が押されてるっていうの!?)



あんじゅ「……あんじゅのおやつにしちゃうぞ!」チュンッ!! シュルルルルルッ!!!

審判「15-30」


英玲奈「……アデュー!!」シュピンッッッッッ!!!!

審判「15-40」
159: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/16(火) 22:44:07.27 ID:pvxjOxgs.net
 
あんじゅ(なぁ~んかつまらない試合よねぇ)

英玲奈(ツバサや絵里と戦うのを避けた結果がこのオーダーだったのだろうが、あまりに歯応えがなさすぎる)

あんじゅ(シングルスの強者が、ダブルスではただの雑魚なんてのはそう珍しい話じゃないのよね~)


  あんじゅ(ねぇ、や・ざ・わ・さん♪)クスクス


希「ぐっ……」

にこ「はぁ……はぁ……」

あんじゅ「ウフッ♡」

希「……舐め腐りおって。うちのスピリチュアルパワーを甘く見てもらっちゃ困るで!!」

英玲奈「あんじゅ。分かっているとは思うが奴の言葉に耳を貸すなよ」

あんじゅ「分かってるって~。スピリチュアルパワーなんてただのハッタリに決まってるわぁ」

英玲奈「口八丁手八丁で引き分けまで追いやられた、誰かさんの二の舞になるのは御免だからな」

あんじゅ「まったくもってその通りね」


ツバサ「アハハハハ! 誰かさんですってよ!」

絵里「…………」イラッ…
160: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/16(火) 22:48:14.50 ID:pvxjOxgs.net
海未「部長、不用意な煽りはやめてください」

ツバサ「でも絵里で遊ぶのって面白くない?」

絵里「怒るわよ?」

ツバサ「ハハっ、冗談よ冗談。そんなムキにならないでって。それよりお得意のかしこいかいせつを聞かせて頂戴」

絵里「ふぅ……矢澤さんの魔法はどれも遅効性。体の自由を奪うにしろ目の錯覚を利用するにしろ、長時間の打ち合いの中で効果が発揮されるものばかり」

絵里「それらは1対1だからこそ可能なこと。4人が入り乱れ打ち合うダブルスにおいて、あの魔法の様な現象を引き起こせるとは思えない」

ツバサ「私も左手打ちを交えることで、金縛りっぽいアレを凌げたりしたものねー」

絵里「あんな対処法が可能なのはツバサだけでしょうけど、ダブルスなら英玲奈とあんじゅがランダムに打つ、もしくは希と矢澤さんに交互に打たせるだけで済む話よ」

絵里「つまり今の彼女は……コントロールは良いものの、スタミナ・スピード・パワー共に並以下の選手に過ぎないわ!」


あんじゅ「さっ、チャチャっと勝ちましょうか」

英玲奈「あぁ。これにて遊びは終わりだ!!」
161: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/16(火) 22:49:59.55 ID:pvxjOxgs.net
 
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. 雑魚への輪唱曲
     (原曲……雑魚へのカノン  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=xX3b-uiOQ9Q




あんじゅ『雑魚は雑魚らしく しなさ~い♪』

英玲奈『お前の操る魔法をー♫』

あんじゅ『オカルトめいたハッタリはよせ~♪』

英玲奈『私は全て把握しているー♫』

あんじゅ『似合わないわ どんなポーズも~♪』

英玲奈『悪足掻きだな 全てのショット♫』

あんじゅ『雑魚は雑魚らしく 縮こまってなさ~い♪』

英玲奈『お前の神業は 無用の長物ぅーーー♫』


あんじゅ『取るに足らない小物達~♪』

英玲奈『私のプレイは進化するー♫』

あんじゅ『踏みつけるにはちょうどいいかも~♪』

英玲奈『お前のプレイは退化してるー♫』

あんじゅ『みっともないわ 無様な姿~♪』

英玲奈『通用しない どんなボールも♫』

あんじゅ『雑魚は大物に 喰われる運命~♪』

英玲奈『試合のペースに 着いてこられないぃーーー♫』

  あんじゅ「…………」ヒザカックン

  英玲奈「!??」カクッ!

あんじゅ『倒すわ 東~條 スピリチュアルテニスが な~によ♪』

英玲奈『愚かだ 矢澤にこ バインド魔法など 効かーない♫』

えれあん『『Ah雑魚じゃ 歯ごたえが無さすーぎーるなぁー(わぁ~)♪♫♪』』

 ~♪      ~♪      ~♪
 
162: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/16(火) 22:52:27.76 ID:pvxjOxgs.net
 
あんじゅ「ハイパーあんじゅドラァァァイブ!!!」グウォォォン!!!

にこ「うっ」スタタッ ポーーン

あんじゅ「射抜け──“ラブアローショット”ッ!!」ズキュンッッッ!

希(クソッ! 届かん!!)

審判「ゲームUTX! 3-1」


  「「「「「勝つのはUTX! 負けるのオトノキ! 勝つのはUTX! 負けるのオトノキ!」」」」」

   「「「「「勝つのはUTX! 負けるのオトノキ! 勝つのはUTX! 負けるのオトノキ!」」」」」


ツバサ「このままいけば余裕で勝てそうね」

海未「しかしダブルスで矢澤さんの魔法めいた技が通用しにくいということは、本人も当然分かっているはずですよね?」

海未「アドバンテージを失ってしまうにも関わらず、なぜ自らダブルス2に出てきたのでしょうか」

ツバサ「単に私や絵里と戦ってまた負けるのが嫌だったんじゃない?」

絵里「う~ん、もっとちゃんとした理由があると思うのだけれど。昨年までの音ノ木坂はダブルスが弱点と言われていたことは海未も覚えているわよね?」

海未「はい」

絵里「当時音ノ木レギュラーのダブルス枠といえば、フミコミカペアのみ。あとは旧部長・旧副部長・矢澤さん・希の内の誰かがダブルス……という形をとっていたわ」
163: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/16(火) 22:56:29.69 ID:pvxjOxgs.net
絵里「だからその頃は必然的に、希と矢澤さんが組んで団来戦に出てくることもそこそこあったのよ」

ツバサ「あぁ~。言われてみれば、あの2人が組んでたこともたまにあった気がするかも。ほとんど記憶にないけど」

絵里「この全国決勝という大舞台において即席ペアを起用するより、ある程度の公式戦経験のあるのぞにこペアが出た方が良いという判断かもしれないわね」

海未「なるほど。たしかに決勝で急な試みをするよりも、理に適っているようには思えます。しかしこの試合、その判断が裏目に出てしまったということですか」


英玲奈「フンっ!!」シュピンッッッッッ!!!!

あんじゅ「ナイスレーザー」

審判「30-0」

英玲奈(この調子なら5ゲーム目も軽々こちらのモノだ。もっとも、私に油断などを期待してもらっては困るが)


にこ「……ヤバイわね」

希「にこっちさっきから動き悪すぎやしない? もう負けは払拭したんやなかったの!?」

にこ「こちとらりんぱな・まこまき・フミコミカ以外を相手にダブルスやるのなんて相当久々なのよ?」

希「そんなんただの言い訳やん!! このヘタレ部長! ろくでなし! 貧乳!!」

にこ「ぬぁんですってぇぇぇえええ!!!」


あんじゅ「あらあら。あの2人仲良しなのかと思ってたけど、もしかして仲悪い?」

英玲奈「きっと他校生では分からない内部事情もあるのだろう。あまり触れてやるな」


英玲奈(人は追い詰められた時こそ本性が露わになるというものだからな)
 
164: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/16(火) 23:00:50.01 ID:pvxjOxgs.net
 
曜「あぁ~あ。嫌な雰囲気」

梨子「矢澤先輩と東條先輩のこと?」

曜「それもそうだけど、会場全体がさ」


  「「「「「UTX! UTX! UTX! UTX!」」」」」

     「「「「「UTX! UTX! UTX! UTX!」」」」」


瑞希「まるで技のデパートみたいな優木あんじゅのプレイが、すっかり会場を魅了しちゃってるもんなぁ」

雪穂「たしかこの現象、“フルハウス”ってやつですよね」

かさね「そうそう。アウェイだとやり辛いっきゃないよ~」

果南「そういえばさっきハイパーチカっちドライブも真似されてたよね」

千歌「嬉しいようなムカツクような……」ウヌヌ
165: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/16(火) 23:04:08.35 ID:pvxjOxgs.net
 
あんじゅ「メゾ・フォルテ」ズバーーーン!!

にこ「真姫の技なんかにやられるもんですか!!」スッパーーーン!!

あんじゅ「あ」

英玲奈(矢澤にこの打ったボールが、東條希の後頭部に直撃す──)

希「うわぁあああ!??!?」ササッ!

英玲奈(──ギリギリで避けたか。急な事態に私の動きが出遅れてしまった、これは取れんな)

審判「30-15」


にこ「えっと、ゴメン」

希「…………」イライラ

にこ「まぁ1点取れたし結果オーライよね」

希「んなわけあるかアホぉ!! にこっちが前衛出来ないからうちがずっと前に出てあげてるのに! これじゃ安心して前衛できんわ!!」

にこ「謝ってるのに何よその言い方! あんたさっきから喧嘩売ってんの!?」


あんじゅ「はぁ……」ヤレヤレ

英玲奈「くだらない試合だと言いたくなる気持ちは分かるが、最後まで気は抜くなよ」

あんじゅ「はいはい」
166: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/16(火) 23:05:57.11 ID:pvxjOxgs.net
 
黒川「あのペアうける~」

堀「そう? 内輪揉めとか見るの嫌い……」

絵里「ちょっとマズイかもしれないわね」

海未「オトノキがですか?」

絵里「いいえ、その逆よ」

石井「?」


希「おっとっと」ポーーーーーン

にこ「偉そうなこと言っときながらホームランとかふざけてんの!?」

希「なんなんソレ! アウトは誰にでもあるミスやろ!? さっきのにこっちと違って!」

にこ「あァん!??」

   ヒュゥゥゥ……

審判「イン! 30-40」

あんじゅ「えぇえ!?」

希「お、ラッキー」

にこ「ふん。こんなのただのマグレじゃない」

英玲奈「……今のロブが風で押し戻されたのか」
167: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/16(火) 23:09:07.62 ID:pvxjOxgs.net
 
海未「あの2人が仲違いし始めてから、心なしかこちらが押されているような……」

石井「もしかして今までの言い争いは全て演技!?」

黒川「そんなまっさか~。遊びならともかく公式戦だよ? そんな大事な場で喧嘩のフリとか、高校生にもなってしないでしょフツー」

絵里「試合中の希は、どこまでも狡猾でしたたかで貪欲よ。普通の常識なんて通用しないわ」



にこ「阿!」ススッ

あんじゅ(矢澤さんが打つの?)

希「吽!!」バッコーーーン!!

あんじゅ(しまった!)

審判「ゲーム音ノ木坂、2-3。チェンジコート!」


あんじゅ「何よ今のプレイ! 息ピッタリじゃない!」

英玲奈「ふむ……。どうやら我々は、奴のペテンにまんまと嵌っていたようだ」

希「あらら。もうバレてしもうた? でもまっ、こんな子供騙しで1ゲーム取れれば充分儲けもんや」

英玲奈「クッ……」
168: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/16(火) 23:12:01.61 ID:pvxjOxgs.net
にこ「ちょっと希!」

希「ん~?」

にこ「打ち合わせも無しにいきなり喧嘩売ってきた挙句、人のこと貧乳呼ばわりとかざけんじゃないわよ!!」ゲシゲシ!

希「いたいっ! いたいいたい! ごめん悪かったから脛蹴らんといてぇ~~~!!」

にこ「ったく! 自分がスタイル良いからってコノぉ!」ニゴォ…


あんじゅ(打ち合わせ無しって……さっきまでのは全てアドリブだったの!? かなりの信頼関係のようね)

英玲奈(即興で芝居をうっていたのか。プレイ・精神面共に、コンビネーションは相当なものだな)


にこ(さっきは希が頑張ってくれた。次のゲームは……私がッ!!)


にこ「ッ!!」パッコーーーン!!

英玲奈(サーブからして攻めたい心理が伝わってくる。ならば攻めさせてやろう)パコーン

にこ「はっ!」ガッ!

英玲奈(その打ち方“ブレ球”か。あいにく、私もあんじゅも動体視力は普通なのでな。増える魔球も然したる負担にはならんよ)パコーーン!!

にこ「いくわよっ!!」ピョンピョコピョンピョン!


穂乃果「ついに出たっ! にこぷり!!」

凛「あのモーションからどんなショットがくるかは予測不可能にゃ!!」
169: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/16(火) 23:15:04.42 ID:pvxjOxgs.net
にこ「…………」チョン…

英玲奈(“にこぷりドロップ”か。あんじゅ、任せた!)

あんじゅ「余裕余裕~! くるりんビーム!」クルリン スッパーーン!

にこ「……!!」ピョンピョコピョンピョン! パコーーーーーーーーーン

あんじゅ(今度は“にこぷりドライブ”ね。その急激に落ちるトップスピンロブ、技術は流石だと思うけどぉ~)

英玲奈「ふっ!!」スタタ! スッパーーーン!!!

にこ「……!!」ピョンピョコピョンピョン! チョン…

希(3連続にこぷりやて!?)

希「アカンにこっち!!」

あんじゅ「ふふっ、天才的ぃ☆」パコンッ!

希(うわっ。藤黄学園紫藤美咲さんの、超急角度ボレーか……)

審判「0-15」


にこ「はぁ……はぁ……」
 
170: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/16(火) 23:18:31.66 ID:pvxjOxgs.net
あんじゅ(にこぷりの同じモーションからどんなショットが打たれるのかは分からない)

あんじゅ(でもドロップショットはわたし、ロブは英玲奈が取るってあらかじめ守備範囲を決めておけば、見てから動いてもなんとかなる)

英玲奈(その技もシングルスでこそ映えるものだ。前後衛がハッキリしているダブルスでは効果が薄い)

英玲奈(通用しなければにこぷりのモーションは、ただ無駄に体力を消耗するだけの動きに過ぎん。残念だったな)


にこ(ちくしょう! ちくしょう!! なんでにこの技が全て通用しないのよっ!!)


穂乃果「うぅぅ、にこちゃん調子が悪そうだよぉ~」

ことり「どの魔法も封じられてかなり参ってるみたい……」

まこ「自分が今まで培ってきたものが通用しない。にこちゃん……辛いよね……」


海未「勝負アリです」

ツバサ「矢澤さんは墜ちた」

絵里「次は希の番ね」


希「…………」

希「っ……」


希「にこっちぃいいい!!!」

 
171: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/16(火) 23:20:29.12 ID:pvxjOxgs.net
 
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. 這い上がれにこっち
     (原曲……這い上がれ海堂  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=_h0JmW2g-P0




希『這い上がれ! にこっち! あなたの辛さは うちの痛み♪』

希『這い上がれ! にこっち! あなたの弱さは うちの励み♫』

希『悪友だかーらーこそー うちはあなたを支える♪』

希『戦友だかーらーこそー うちはあなたをバックアップ♫』


希『ま~かしとき うちの得意な ス~ピリチュアルパワぁー♪』

希『にこっちが 復活するまで うちの馬力は~~♫ 決して衰えないでっ!!』


凛「さっきから希ちゃんが1人でなんとかカバーしてる!」

  希「をぉおおお!!」スタタタタ! パッコーーーン!!

海未「ダブルスは2人でやるものですよ」


希「辛いんよね、にこっち。でも自分で這い上がってくるんや! 待ってるから!!」

英玲奈「……アデュー!!」シュピンッッッッッ!!!!

希「ッ!!!」ズサァァァアアアアーーーーー!!!!

にこ「希ぃ!!」

 ~♪      ~♪      ~♪


審判「ゲームUTX、4-2」


穂乃果(うわぁ!! かなり痛そうなこけ方!!)

ことり(すんごくピンチな状況なのに、その上希ちゃんが怪我でもしたら……)

花陽(この試合……絶望的ですぅぅぅ!!)ダレカタスケテーー!!
 
175: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/17(水) 23:51:55.76 ID:GxdHts2u.net
 
    【Genius 28:天に選ばれし女神】


英玲奈「……アデュー!!」シュピンッッッッッ!!!!

希「ッ!!!」ズサァァァアアアアーーーーー!!!!

にこ「希ぃ!!」


審判「ゲームUTX、4-2」


希「ぅあ……痛ッ……!」

にこ「希! 大丈夫!?」

希「……あはは。うちとしたことが随分ハデにすっ転んでもうた」

にこ「っ……。これでも巻いときなさい」

希「随分可愛らしいハンカチやな~。血ぃ付いてしまうかもしれんけどええの?」

にこ「んなこと気にすんじゃないわよ」

希「おおきに」グルグル ギュッ!

にこ「立てる?」スッ

希「うん」イタタタ…


英玲奈(膝を負傷したか。それもかなりの痛みとみえる)

あんじゅ(人の怪我を喜ぶのはいけないことだけど、東條さんの機動力が落ちるのはラッキーねぇ~)
 
176: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/17(水) 23:56:36.59 ID:GxdHts2u.net
 
にこ「……希、足引っ張って悪いわね」

希「ん、大丈夫。今までも一緒に危機を乗り越えてきた仲やん?」

にこ「ふふ。そろそろにこもカッコイイとこ見せなっくちゃね」

希「頼むでにこっち!」


真姫「へぇ~。らしくなってきたじゃない」

凛「希ちゃんがプレイでにこちゃんを呼び戻したにゃ!!」


にこ「作戦会議よ。ちょっと耳貸しなさい」

希「ん」

にこ「────」ヒソヒソ

希「…………」コクリ!


あんじゅ「何か仕掛けてくるつもりなのかしらぁ?」

英玲奈「フッ、真正面から受けて立とう」
177: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 00:00:42.19 ID:zCW158K2.net
 
あんじゅ「すぅー……はぁー……」シャキッ

あんじゅ「ハッッッ!!」ヒョーーーーーーーーーーイ スッパーーーン!!

にこ(“サムライサーブ”なんて効かないっての!)パコン!!

  スパーン! パコーン ドーン! ポーーン スッパーン! パコーン! パーンッ!! ポーーン

英玲奈(ほう。東條希も後ろに下がり、ダブルバック陣形で持久戦を挑んできたか)

あんじゅ(じゃあこっちもダブルバックで真っ向勝負といこうじゃない!)

英玲奈「……アデュー!!」シュピンッッッッッ!!!!

にこ「うっ」スタタタタ ポーーン

あんじゅ「……アデュー!!」シュピンッッッッ!!!


まこ「出たぁ! 2つの“レーザービーム”!!」

真姫「関東大会で私達がやられたやつね。忌々しいったらないわ」


にこ「にこのド根性ナメんじゃないわよ! どこまでも粘ってやろうじゃない!!」スタタタタッ!!

 
178: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 00:02:19.85 ID:zCW158K2.net
 
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. 待ってなさい希
     (原曲……待っててくれ桃城  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=5_MCIJ61PXQ




にこ『待ってなさ~い希 あんたの頑張りはにこの痛み♪』

にこ『すまないわ~ね希 あんたのフォローはにこの励み♫』

にこ『あんなにこは本来の姿じゃないっ! その歯がゆさは自分が一番感じてる♪』


にこ『本来のにこに戻るま~で あと少~し♪』

にこ『にこは必ず這い上が~る この借りはすぐ~に返すぅー♫』

にこ『待ってなさ~い希 あんたの頑張りに応えるまで♪』

にこ『こんちくしょう! 今に……今に見てなさい♫』


にこ「……!」シュピン!!

英玲奈「くっ!」スタタタ! ポーーーン

にこ「希、プレゼントよ。決めちゃいなさい」

希「をぉぉぉぉおおおお!!!!」バゴォォォーーーン!!!

 ~♪      ~♪      ~♪


穂乃果「キタキタキター! 希ちゃんのジャックナイフ!!」


希「ドーン!!」

審判「ゲーム音ノ木坂、3-4。チェンジコート!」
179: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 00:05:09.92 ID:zCW158K2.net
 
善子「オトノキの動きが変わったわね」

ルビィ「うん。えっと……それより寝てなくて大丈夫なの?」

善子「あのね、ヨハネは羨まれる美貌と溢れ出る闇の力によって天を追放されし堕天使なの。だからそこらの一般人とは生命力も桁違いなのよ」

亜里沙「ハラショー! 凄いです!!」

善子「でしょでしょ~?」


雪穂(イタイ人だなぁ)


理華「先程までは矢澤が攻め急いでたようだが、今度はとことんボールを繋いで隙を生み出し東條に決めさせる戦法か」

千歌「音ノ木の魔法使いってもっと凄いイメージだったんだけど、もしかして希さんの方が強いの?」

かさね「シングルスなら普通に矢澤さんの方が強いんじゃないかな? でもラッキー東條さんだって瑞希ちゃん並のパワープレイヤーだもんね」

瑞希「あぁ。パワーのない矢澤にこと違って、単純な決定力ならかなり高いはずだよ」
180: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 00:07:12.41 ID:zCW158K2.net
 
希「そりゃ!」ズバーーーン!!!

英玲奈(流石は絵里に鍛えられていただけのことはある。早くて重いサーブだ)スパーーン!

にこ「はっ!」ポーーン

希「…………」スタタタタ

英玲奈(ふむ、今度は前に出てくるのか。ならば横を射抜いてやろう!)シュピンッッッッッ!!!!

希(とどけぇっ!!)ダッ!! バコーーン!!

審判「15-0」

希「ぅぐ……」ズキズキ

にこ「希っ!!」

希「……大丈夫や」

英玲奈(今の“レーザービーム”に喰らいついたのは見事だが、その負傷した足でどこまで動けるかな?)


ことり「うぅぅ……希ちゃん痛そう……」

穂乃果「せっかく挽回できそうだったのにっ」

花陽「んー。もしかしたら、案外なんとかなるかもしれないよ」

凛「え? どういうこと?」

花陽「多分なんだけどね? えっと、──」ヒソヒソ
181: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 00:11:05.78 ID:zCW158K2.net
 
にこ「ふっ!」スパーーン!

あんじゅ「それっ!」ポーーーン

あんじゅ(負傷した東條さんの足では、このロブに届かないはず)

希「うおぉ~~~!!!」シュタタタ タンッ!!

あんじゅ(おもいきり跳んだ!?)

希「ハァッッッ!!!」ズドォォォオオオン!!!!

審判「ゲーム音ノ木坂、4-4」

希「よっと」シュタッ!


英玲奈「お、おいっ! 見たかあんじゅ! あいつ今怪我した方の足を軸に跳んだぞ!!」

あんじゅ「そんな! まさか怪我すらも演技だったというの!?」

英玲奈(迂闊だった……。今思えば、我々は誰も東條希の怪我を直接見ていない。すぐに矢澤にこがハンカチを巻いてしまったからな)

英玲奈「このペテン師め! 卑怯だぞ!!」

希「そんな人聞きの悪いこと言わんといてよぉ~。まったくの嘘ってわけでもないで、ホレ」シュルルッ

希「このハンカチ、ほんの少し血が滲んでるの分かるやろ?」

英玲奈「……ただの掠り傷ではないか」ワナワナ…

にこ「あっ! それにこのお気に入りなのに汚しちゃったの!?」

希「貸してくれたのにこっちやん?」

にこ「だって何かで膝を隠さなきゃ嘘が即バレバレだったじゃない! 丁度良さそうなもんがそれしかなかったんだから仕方ないでしょー!」
182: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 00:13:51.24 ID:zCW158K2.net
希「ん~。うちのポケットにも小さなハンドタオル入ってるんやけど」

にこ「なら最初からそれ使いなさいよ」

希「いやぁ~。せっかくにこっちが演技に乗ってくれたんやし、流れを任せといた方がそれっぽいかなーって」

にこ「フン、にこにーにこちゃんの女優魂ナメんじゃないわよ。あとソレ、ちゃんと洗って返しなさいよね」


あんじゅ(完っ全騙されたわぁ)

英玲奈(決勝だぞ……これは最終決戦なのだぞ!? にも拘わらず、こんなふざけた試合があってたまるか!! 許さん! 絶対に許さんッ!!)


穂乃果「悔しい! 見てるこっちまで騙されちゃった!」

ことり「敵を騙すにはまず味方からってやつだね。希ちゃんが怪我してなくって良かったぁ~」

凛「見抜いたかよちん凄いにゃー!」

花陽「えへへ」

真姫「私も気づいてたわよ」

まこ「本当に怪我してるならチェンジコートの時とか真姫ちゃんに診てもらえば良いのに、そうしなかったもんね」

穂乃果「おぉーたしかに!」
183: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 00:15:43.45 ID:zCW158K2.net
 
英玲奈(東條希っ! もう2度と貴様には騙されん!! スマッシュやジャックナイフも打たせてやるものか!!)


希「ふっふっふ。どんどんいくで!!」

  スッパーン! ポーン パコーン! ポーン バコーーン! ポーン ズバァーン!!

にこ「よっと」ポーン

英玲奈(決して強い打球ではないというのに、どうにも打ち返し辛いッ)ポーーーン

にこ「希! 今よ!!」

希「うちに任しとき!」スッ

えれあん((くるっ!!))

希「ほい」パコン ペチッ コロコロコロ…

あんじゅ(このタイミングでまさかのコードボール!??)

希「お、ラッキー♪」

審判「0-30」


瑞希「ようやくスピリチュアルテニスの本領発揮か!」

かさね「ついさっきまで完全にUTXのペースだったのに、すっかり試合の流れが変わったね!」

鞠莉「東條希。飄々としているように見えてとんだ策士だわ~」

ダイヤ「侮れない曲者の様ですわね」


理華(……どうにも不自然だ。曲者には違いないが、優木や統堂を圧倒出来る程に強いプレイヤーだったろうか?)
184: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 00:19:43.31 ID:zCW158K2.net
 
希「どりゃ!!」ズッバァーーーン!!

審判「15-40」


凛「また希ちゃんが決めたにゃー!!」

穂乃果「ガンガンいっけー!!!」


希「うちの勢いは誰にも止められへんでぇぇぇえええ!!!」ドガァァァアアアン!!!!

審判「ゲーム音ノ木坂、5-4。チェンジコート」

希「っしゃあ!!!」

英玲奈「クソォ!!」

あんじゅ「急になんなの!? もぉ~~~!!」


海未「かなりマズイですね」ゴクリ…

石井「完全に東條さんのペース……」

黒川「ふぅ~ん。スピリチュアルパワーとか胡散臭いけど、口先だけの選手じゃないんだ」

絵里「よくもやってくれたわね、希っ」ギリッ…

堀「今までは矢澤さんや南さんのプレイほど目立ってないイメージだったけど、こんなに凄い人だったんだね……」

ツバサ「…………」


ツバサ(明らかに強すぎる。いくら関東大会で絵里と引き分けたとはいえ、あの時と今では状況が違う。なのに、この強さの源は一体……)

ツバサ(見極めてやる。──“インサイト”ッ!!)キッ!!
 
185: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 00:22:34.79 ID:zCW158K2.net
 
  ズバァーン!! ポーン パコーン! ポーン バコーーン! ポーン スッパーン!

にこ「…………」ポーン

英玲奈「っ」パコン

希(今やッ!!)

希「ドーン!!」バゴォォォーーーン!!!

審判「15-0」



理華「なるほど。そういうことか」

瑞希「勝手に納得しちゃって何がどうしたってのさ」

理華「この試合、いつの間にやらほぼシングルスになっている」

かさね「うん? たしかに後半優木あんじゅさんは目立ってないけど、単にオトノキが統堂英玲奈さんにボールを集めてるだけだよね?」

かさね「なら2対1ではあってもシングルスっぽくはなくない?」

花丸「……あ、分かりました。東條さんもほとんどボールを打っていない」

ルビィ「え? えぇ!? 東條さんが1番目立ってるような……」

ダイヤ「それは最後の1球を決めているから目立っているだけ。逆にトドメ意外、東條希はラリーに参加していない。そう言いたいのではなくて?」

理華「その通り。この試合の後半戦、ほぼ矢澤と統堂の打ち合いのみで成り立っている。そして矢澤と1対1で長時間打ち合うということは……」
186: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 00:24:13.62 ID:zCW158K2.net
 
にこ「…………」ポーン

英玲奈「ッ!?」ビクンッ…

英玲奈(なんだ!? 体が……思ったように動かん!!)

審判「30-0」


あんじゅ「どうしたの? 今の普通に取れるボールよね」

英玲奈「すまない。足が一瞬硬直した」

あんじゅ「それって……」

英玲奈「あぁ……。いつの間にやら矢澤にこの術中に嵌まっていたようだ……うっ」クラッ…

あんじゅ「英玲奈!!」

英玲奈(なんということだ……。ダブルスならば、矢澤にこの魔法など驚異ではないはずなのに……ッ!!)


花陽「勝負あったね」

真姫「自らの力を過信してるから、まんまとにこちゃんの罠に嵌まるのよ」

まこ(真姫ちゃんは人のこと言えないような……)
187: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 00:25:56.83 ID:zCW158K2.net
 
花丸「聞いたことがある。矢澤さんの魔法の中には、手足の自由を奪うようなものまであるって……」

善子「あの時のマリーと同じねっ」

鞠莉「嫌な記憶だわぁ~……」

ダイヤ「ほう……やはり音ノ木坂と野良試合でも行っていたのね?」

善子「ギクッ!!」


梨子(これが……音ノ木の魔法使い。部長の本当の強さ!!)


 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. 魔法使い
     (原曲……神の子  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=JEJJw3eTm44




善子『あれが魔法使~い 聞きしに勝る凄さね♪』

善子『まさに神業~ 対戦相手は 無力よー♫』

鞠莉『これが魔法使~い なんという強さなのよ♪』

鞠莉『これが魔法使~い 私は力ない し~も~べ~♫』


音ノ木一同『『『『『魔法使い それがにこちゃん 天に選ばれし女神♪』』』』』

音ノ木一同『『『『『それがにこちゃんー にこちゃんー♫』』』』』

音ノ木一同『『『『『勝つとか負けるとかではなく 奴はテニスを支配する~♪』』』』』


音ノ木一同『『『『『対戦相手のその様は 奴が操るマリオネット♪』』』』』

音ノ木一同『『『『『自分の意志では動けなくなる 身も心もにこちゃん次第♫』』』』』

音ノ木一同『『『『『だから奴は 魔法使い♪』』』』』


音ノ木一同『『『『『天に選ばれし女神ー 天に選ばれし め~が~みぃ~~~♪♫♪』』』』』

 ~♪      ~♪      ~♪
 
188: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 00:29:03.38 ID:zCW158K2.net
 
あんじゅ(わたし達はとっくに、矢澤さんの掌の上で踊らされていたというの!?)

にこ(今更気づいたところで遅いわ。もう終わりよ!)ポーーン

英玲奈(なぜ手足が自由に動かない! 動けッ!! 動けぇぇぇええええ!!!!!)ダダダッ! ポーーーン

にこ「へぇ、やるじゃない。でもそんなロブじゃ……」

希「をぉぉぉぉぉおおおおお!!!!!」スタタタ タンッ

あんじゅ(ジャンピングスマッシュ!? 負けたくないっ! わたしならできる……アレで打ち返してみせるわ!!)ダッ!!

にこ(スマッシュ目掛けて駆けてきたですって? ……あんたまさか!??)

希「これでしまいや!!!」ズッドォォォオオオン!!!!

あんじゅ「ぢゅ゙ん゙っっっ!!」スパーーーン!!!!


希(しまった! ことりちゃんのスマッシュカウンターまで真似できたんか!!?)

にこ(今流れを変えられたらヤバイっ!!)

あんじゅ(お願い! 成功して!!)


  英玲奈「決まらんかぁぁぁあああ!!!!!」

 
189: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 00:31:56.03 ID:zCW158K2.net
 
審判「アウト! ゲームセット! ウォンバイ音ノ木坂、東條・矢澤ペア。6-4!」


英玲奈「っ……」ガクリ…

あんじゅ「そん、な……」


海未「こんな結果信じられません!」

石井「あの2人が負けるなんて……ッ!!」

絵里「いくらあんじゅとはいえ、見様見真似で完璧に模倣出来る技ではなかったようね」

ツバサ「東條さんの猛反撃にばかり気を取られていた時点で、敵の策略にまんまとかかっていたのよ。この試合の支配者は、間違いなく矢澤さんだわ」

黒川「どーゆーこと?」

ツバサ「えぇと~──」



紗菜「東條希の大暴れを可能にしていたのも、きっと矢澤にこの力なのでしょうね」

曜「うん???」

紗菜「“矢澤ゾーン”や“矢澤ファントム”って技は知ってる?」

ようちかなん「「「…………」」」ブンブン

鞠莉「私は知ってるわよ~。“矢澤ゾーン”はボールを自分に引き寄せる、“矢澤ファントム”はボールをアウトやネットにしちゃう魔法よね」

紗菜「そう。でもそれは、本当にボールを引き寄せたり遠退けたりする魔法を使っているわけではない」
190: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 00:35:17.04 ID:zCW158K2.net
鞠莉「理屈としては、ラリーを通じて『ある一定の方向意外には打ち返しにくいようにコントロールしている』ってところかしら」

梨子「じゃあこの試合で、東條先輩が自由に暴れることができたのもっ!」

紗菜「正解」

亜里沙「む、むずかしいです」ウーン…

雪穂「つまり簡単にまとめると、“矢澤ゾーン”や“矢澤ファントム”の応用で、チャンスボールが希さんの元へ集まるようににこさんが仕向けていた……ってことですか?」

紗菜「恐らくその通りよ」

理華「この一勝負の最大にして最恐のペテンは、まるで東條が試合のペースを握っているかのように見せかけていた点か」

果南「なんてテニスをするんだ」

梨子「最後の1ゲームまで、対戦相手も観客も、全員が騙されていたんですね……」


ダイヤ(音ノ木の魔法使い・矢澤にこ。その小柄で華奢な見た目からは想像もつかない強さの持ち主にして、魔法と見紛う神業の使い手)

ダイヤ(彼女の支配力と私の速攻、果たしてどちらが強いのか……準決勝で戦えなかったことがこの上なく心惜しいですわ)
 
191: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 00:38:50.07 ID:zCW158K2.net
 
希「あ、あぶなかった~~~」ヘタリ…

にこ「ほんと最後のがアウトで助かったわ。これ以上長引いてたらマジでヤバかった……」ハァ…ハァ…

英玲奈「グッ……無念!!」

あんじゅ「ねぇ、一体どこまでが作戦だったの?」

にこ「は?」

あんじゅ「あなた、序盤は本当に不調っぽかったていうか……ずっと鳴りを潜めていたじゃない」

にこ「鳴りを潜めるっていうか、そっちが勝手にダブルスのにこは弱いと思い込んでただけでしょ?」

にこ「にこにーは大銀河宇宙ナンバー1テニスプレイヤーよ? シングルスだろうとダブルスだろうと最強に決まってるじゃない!!」フフンッ!!

にこ「それに──」


  「にこーーー!! おめでとぉぉぉおおお!!!」

  「お姉さまぁーーー!!! カッコイイですぅぅぅ!!!」

  「さっすがお姉ちゃん!!!」

  「うぃなぁー……」


にこ「──たとえ“フルハウス”の状況下であっても、にこのことを応援してくれてる人の声はちゃんと届いてたしね」

あんじゅ「ふふ。流石は矢澤さんね」

英玲奈「……悔しいが完敗だ」

希「序盤はほんまにピンチだったくせに、よくもまぁそんなカッコつけれるもんやなぁ~」

にこ「うっさいわね! 余計なこと言うんじゃないわよ!!」

希「アハハ! 今のは褒め言葉やって」

にこ「どこがよ」

希「にこっちらしくて素敵って意味やん?」クスクス

にこ「ったく、調子いいんだから」



にこ「とにかくっ! これで無事1勝1敗」

希「うん! 勝負はまだまだこれからや!!」
 
198: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/19(金) 23:43:02.76 ID:RTvBA55M.net
 
    【Genius 29:ことり本来の姿】


ほのりん「「希ちゃ~~~ん!! にこちゃぁぁぁあああん!!!」」バッ!!

希「おおっと」ダキッ!

にこ「ぐえっ」ドサッ

凛「統堂さん達に勝っちゃうなんて凄いにゃーーー!!」

にこ「イタタっ……。あんた達いきなり抱き着いてくんじゃないわよ!」

希「ふふ。ゴールデンペアならもっと楽に勝てたのかもしれんけど、うち等は結構いっぱいいっぱいだったんよ?」

穂乃果「それでも勝てたんだから凄いよ! 一時はどうなることかと思ったけど、後半は2人らしい試合内容だったし!」

希「うちはちょっと相手を騙くらかしただけ。上手い具合にボールを操作してくれた、にこっちのおかげやん?」

にこ「あったりまえじゃない! テニスを支配する魔法使いにして、超絶ビューティフルハイパーグレイトマシンガンエキサイティングスーパー美少女!」

にこ「且! 大銀河宇宙ナンバー1テニスプレイヤーのにこにーにこちゃんなんですから!!」ドヤッ!


にこ(まぁ私が調子を取り戻せたのは、希が頑張ってくれたおかげなんだけどね)
 
199: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/19(金) 23:45:56.73 ID:RTvBA55M.net
真姫「ハァ。昨日はあんな落ち込んでたくせに、勝った途端これなんだから」

花陽「あはは。でもにこちゃんらしくて良いんじゃないかな?」

ことり「やっぱり部長はこうでなくっちゃ♡」

まこ「それにしょんぼりしてるにこちゃんより、こっちの方が好きでしょ?」

真姫「ヴェエ!? べ、別に好きとかそんなんじゃないけど……まぁにこちゃんはこうでないと倒し甲斐がないものね」


にこ「さぁて! 大将戦まで付き合ってやる筋合いはないわ。あと2勝、このままの勢いで勝ち逃げするわよ!!」

  「「「「「おぉーーー!!!」」」」」



英玲奈「皆っ! すまない!!」

あんじゅ「ごめんなさ~い」

英玲奈「完全勝利を掲げておきながら負けてしまうなんて、副部長として情けない! 私を殴ってくれ!!」

あんじゅ「……わたしは殴らないでちょうだいね」ヒキッ

ツバサ「いやどっちも殴る気とかないし……」

絵里「こんな言い方はしたくないけれど、相手が相手なのだからこの1敗は仕方ないものだと割り切りましょう」

絵里「音ノ木坂のオーダーはどう見ても、真ん中の3戦に戦力を集中させてきている。大将戦から逃げ切る作戦なのでしょうね」

海未「つまりダブルス2・シングルス2・ダブルス1の内、どれか1つでも取ることさえできれば……」

絵里「えぇ。UTXの勝利は堅いわ」

ツバサ「3勝0敗がベストではあったけど、もうこの際2勝2敗で大将戦に縺れ込んでも構わないわよ。私がこの手で優勝をもぎ取りたいし」

黒川「部長にゃ悪いけど、ダブルス1で終わらせるから」

絵里「そのためにも次の試合、必ず勝たなくっちゃね」
200: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/19(金) 23:56:02.49 ID:RTvBA55M.net
 
にこ「ことり。今のあんたにわざわざこんなこと言う必要はないでしょうけど、勝っても負けても良いなんて思いながら試合するんじゃないわよ」

ことり「もちろん。ことりはもう誰にも負けないよ……たとえ相手がにこちゃんであっても」

にこ「!!」


穂乃果(この2人は今までも何度か対戦してきたけど、ことりちゃんが勝利宣言なんて初めてだっ!)

希(今までシングルスレギュラーの力関係は、にこっちが絶対的なエース、うちやことりちゃんはそれを支えるポジションって感じで安定してたけど……)

真姫(ここにきて均衡が大きく崩れるわね)


にこ「へぇ~。ついにあんたまでこの矢澤部長に牙を剥こうっていうわけ?」

ことり「うん、そうなるね。にこちゃんは皆の頂点で目標だから」

にこ「…………」キッ

ことり「…………」ジィ…


凛(な、なんでこれから対戦するわけでもない2人が火花散らしちゃってるのー!?)

花陽(頂点で目標かぁ。ことりちゃんにとって、身内で唯一格上なのがにこちゃんだもんね……)


ことり「さっきの試合、にこちゃんが今まで通りの強さを取り戻してくれて嬉しかったんだぁ。これで心置きなくにこちゃんを超えられますっ!」

にこ「フッ、面白いこと言ってくれるじゃない」

にこ「ちょっと前までのあんたは、強いクセして闘争心もプライドもなくて正直つまんなかったけど……最近のことりはかなり好きよ」

ことり「えへへ♡」
201: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/20(土) 00:00:03.56 ID:b3nn7ob8.net
 

審判「シングルス2の出場選手、前へ」


ことり「それじゃあ見ててね、ことりの真の姿を」

にこ「えぇ。存分に力を揮ってきなさい!!」

穂乃果「ことりちゃん! ファイトだよっ!」

ことり「うんっ!」


にこ「ことりの奴、すっかり頼もしくなっちゃって」

希「嬉しそうやね」

にこ「まぁね。次期エースが本当ににこを超えてくれるなら、悔しいけどそれに越したことはないじゃない」

穂乃果「私も今まで知らなかったことりちゃんが見れて嬉しい!」

まこ「でも、真の姿を見ててねってどういう意味なんだろ?」

花陽「1回戦目は補欠、2回戦目は不慣れなダブルス、3回戦目は大将だったことりちゃんまで順番回らなかったし……」

花陽「そして準決勝では、スピンを打ち消したりなるべく封じ込めながら戦う桜内梨子選手が相手だったでしょ?」

凛「そっか! ことりちゃんはこの全国大会、まだ一度もフルパワーで戦えてないんだね」

真姫「準決勝でも充分鬼才を発揮してたのに、更に上があるっていうの!?」

希「そりゃ怖ろしい話やな~」

花陽「ことりちゃんのデータだけはどうやっても正確に取れないから、この試合……どうなるかまるで読めません!」
202: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/20(土) 00:02:39.06 ID:b3nn7ob8.net
 
英玲奈「絵里! 我が無念、おまえに託した!」

石井「ついでに関東大会での私の仇も取っちゃって下さい! お願いしますっ!」

絵里「ふふ、任せて!」



ことり「…………」トテトテ

絵里「…………」スタスタ


ことり(UTX2大エースの1人。そして去年、にこちゃんと1勝1敗した人)

絵里(穂乃果の幼馴染なのよね。凛も懐いているみたいだし、人見知りな海未ともすぐ仲良くなっちゃって、きっと凄く良い子なのでしょう)

ことり(にこちゃんを超えるためのステップに、これほど適した対戦相手はそう居ない……)

絵里(でも試合に私情は挟まないのが私の信条なの。だから手を抜くつもりはないわ)


ことり「対戦よろしくお願いします」

絵里「よろしくお願いします。お互いベストを尽くしましょう」

ことり「……はい」ゴクリ
203: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/20(土) 00:04:10.23 ID:b3nn7ob8.net
 
審判「ザ・ベストオブ・ワンセットマッチ!」

    UTX学院 絢瀬
       VS
    音ノ木坂学院 南

審判「音ノ木坂サービスプレイ!!」


ことり「……ッ!!」シュルルル… カッッッッッ!!!!!

審判「フォルト」

ことり(集中……焦らず、いつも通りに!)

ことり「…………」シュルル… カッッッ!!!

絵里(お得意のカットサーブ、何度見ても驚くべきキレね。けれどっ!)バッコーーン!!!


穂乃果「おぉっ! ライジングショット!」

希「僅かな跳ね際をああもドンピシャで叩いてくるかー」

真姫「完璧なタイミングね」

花陽「関東大会では石井選手のライジングショットにサーブを攻略されちゃったけど、多分あれを仕込んだのが絢瀬選手だと思うから……」

凛「絵里ちゃんの方がより上手なライジングの使い手ってわけだね」
204: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/20(土) 00:05:47.95 ID:b3nn7ob8.net
 
絵里「イーーー!!!」スッパーーーン!!!

ことり「っ」パコン

絵里「イィィィーーー!!!」ズバーーーン!!!


まこ「うわ、今度はとっても強力なストロークの応酬だ」

にこ「パワーじゃどう足掻いたってことりに勝ち目ないものね。このまま力技で押し切られなきゃいいけど」


絵里「フッ!」チョンッ コロコロコロ…

審判「0-15」


海未「やりました! 先制点です!」

英玲奈「豪快な強打からドロップショットへの切り替え、見事なボール捌きだ」

あんじゅ「あ。また南さんのアンダーカットを綺麗に返したわ」

ツバサ「毎度のことながら、“パーフェクトテニス”の安定感は抜群ね」


ことり(不利なパワー勝負に持ち込ませたりなんてしませんっ)グウィィィィン!!!

絵里「ハァ!!」シュタタタタッ スパーーーン!!

  グウィィィィン!!! パコーーーン! グウィィィィン!!! スッパーーン! グウィィィィン!!!


穂乃果「早速出た! “スピンテリブル”!!」

まこ「いきなり全力だね!」

希「そのままえりちをギッタンギッタンにしてまえー!!」
205: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/20(土) 00:08:17.95 ID:b3nn7ob8.net
 
ことり「はっ……はっ……」スタタタッ グウィィィィン!!!

絵里「ハァー!!」シュタタタタッ パコーーン!!

ことり「はっ……はっ……」スタタタタッ グウィィィィン!!!


真姫「1ゲーム目から互いに走り回されてるわね」

穂乃果「これならことりちゃんの方が有利そう!」

にこ「ハァ? どこがよ」

穂乃果「だって絵里ちゃんは左右にボールを打ってるだけだけど、ことりちゃんのバギーホイップショットはコートの外へ逃げるように曲がってるでしょ?」

凛「わかるにゃわかるにゃ。絵里ちゃんの方が沢山走らされてるもん」

希「いんや、あんまり良くない展開やと思うで」

穂乃果「え、どうして!?」

花陽「たしかに単純な走る距離で言えば絢瀬選手の方が大変。でもスタミナや体格差、リーチや歩幅でもことりちゃんが負けてるから……」

にこ「このまま走らさ続けたら、試合後半にはバテバテでしょうね」

凛「そんなぁ~……」

まこ「ことりちゃんは相手の体力を奪うのが得意なのに、逆に体力を奪われちゃうなんてっ」

希「えりちの“パーフェクトテニス”は、パワー勝負・コントロール勝負・スタミナ勝負、どんな土俵であれ完璧に戦えてしまう」

にこ「あいつはことりみたいに派手な技は持ってないけど、基本に忠実で只々上手い。隙が無いってのは本当に厄介なことよ」
206: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/20(土) 00:10:13.33 ID:b3nn7ob8.net
 
絵里「イィィィイイイーーー!!!!!」ズバァァァアアアン!!!

ことり「きゃっ」

審判「15-40」


千歌「ワオっ!」

曜「よーそろーーー!!!」

梨子「急にどうしたの?」

曜「え、なんかテンション上がんない?」

果南「見てるだけでワクワクしてくるハードショットだもんね」

瑞希「バイブルさんともパワー対決してみたいな~」

曜「うんうん!」

紗菜「私はもうあなたみたいな力自慢とは戦いたくないわ。腕痛くなるし」

曜「……昨日はすんませんでした」

花丸「オラもパワー勝負とかはちょっと……」

かさね「かさねもテクニック派! 力持ちさん達の感覚はよくわかんないよね~」

花丸・ココ・遥・クリスティーナ「「「「…………」」」」コクリ

瑞希「なにおう!」

梨子「アハハ……」
207: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/20(土) 00:13:30.81 ID:b3nn7ob8.net
 
  グウィィィィン!!! パコーーーン! グウィィィィン!!! スッパーーン! グウィィィィン!!!

絵里(あくまでバギーホイップショットに拘るのね。なら途中まではそれに付き合ってあげる。でも、タイミングを見計らって──)

ことり「……はっ」スタタタタッ グウィィィィン!!!

絵里(──今!)

絵里「ハラショォォォォォオオオオオ!!!!!」ズッバァァァアアアン!!!!!

ことり(うぅ、重たいッ)パコン ペチン…

審判「ゲームUTX! 1-0、チェンジコート!」


絵里(フフッ。あなたの細腕じゃ私の全力打球は返せないわよ?)

絵里(“UTXのバイブル”という立場上、頭脳やテクニックを持て囃されることが多いけれど、希並に腕力があるということも忘れてもらっちゃ困るわ)



にこ「これ以上あいつに強打させちゃダメよ。にこみたいに肩壊されでもしたら元も子もないんだから」

ことり「うん。分かってる」

花陽「絢瀬選手にはこれといった弱点がないけど、桜内さんみたいに回転に特別強いわけでもないの」

花陽「今のところバギーホイップショットが有効打になってないけど、他の得意技もドンドン使っていければ……巻き返せるチャンスはあると思うよ」

ことり「かよちゃん、せっかくアドバイスしてくれたのにごめんね? そう言われると次のゲーム、“スピンテリブル”で取り返してみたくなっちゃった」エヘッ

にこ「……あんたねぇ」

ことり「大丈夫。今度は上手くいく気がするの」
208: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/20(土) 00:15:31.69 ID:b3nn7ob8.net
 
凛「ことりちゃんって意外と強情?」ヒソヒソ

穂乃果「ん~。自分の意見を通そうとすることなんて滅多にないけど、その分主張する時は絶対曲げないかも」ヒソヒソ

凛「そういえば凛と一緒にダブルスやった時も、後半こんな感じだった気が……」ヒソヒソ

真姫(その時生み出したのが“ワンダーゾーン”なのよね。今回もあの時みたいな流れになればいいけど……)



絵里「いくわよ!!」ズッバーーーン!!!

ことり(速くて重いサーブ! でもこのくらいなら、まだ返せるっ!)パコーーン

絵里「イィーー!!!」バゴーーーン!!!

ことり「……っ!」グウィィィィン!!!!


英玲奈「ふむ。まだバギーホイップを打ち続けるか」

あんじゅ「ハードショットを防ぐにはこれしかないんじゃな~い? さっきのゲームも、絵里は打ち込むタイミングを見計らってる感じだったし」

海未「基本に忠実な強打を行うためには、止まる・構える・打つ、という3つのプロセスは必要不可欠です」

海未「そのため走らせ続けて構えにくい状況を維持していれば、強打の頻度を減らせるというのは分かりますが……」

ツバサ「それだと結局1ゲーム目みたいに、いずれ絵里に打ち込まれて終わるわよね。それでもこの戦い方に拘るのは何か作戦でもあるのかしら?」
209: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/20(土) 00:16:30.21 ID:b3nn7ob8.net
 
ことり「はっ……はっ……」スタタタタッ グウィィィイイイン!!!

絵里(ハラショー! 一段と凄い曲がり方ね。でも届く!)シュタタタタ! パッコーン!!

ことり「…………」スタタタッ グウィィィイイン!!!

絵里「ハァ!!」シュタタタタ! パッコーン!!

 ことり「…………」スタタッ グウィィィイイン!!!

 絵里「ハァ!!」シュタタタタ! パッコーン!!

  ことり「…………」スタッ グウィィィイイン!!!

  絵里「ホォーーー!!」シュタタタタ! ポーーーン!

   ことり「…………」スッ グウィィィイイン!!!

   絵里「ハァ!!」シュタタタタ! パッコーン!!



ルビィ「な、なんか、南さんだけだんだん走る量が減ってきてませんか?」

かさね「ホントだっ!」

花丸「……もしかして、そうなるように仕向けている?」

善子「まるでさっき話してた“矢澤ゾーン”みたいね!」

紗菜「みたいっていうか、コレ……」

理華「あぁ。まだ原理は分からないが、起きている現象は“矢澤ゾーン”そのものだ」
210: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/20(土) 00:19:03.87 ID:b3nn7ob8.net
雪穂「……“ワンダーゾーン”」ボソリ

亜里沙「え?」

雪穂「ことりちゃんの新技。私も昨日、これにコテンパンにされました」

鞠莉「でも準決勝では、こんな技まるで使ってなかったわよね~?」

雪穂「えっと……すみません。その辺は秘密ってことで」


鞠莉(ヒミツ。ようはそこが弱点ってことがバレバレよっ☆ 例えば回転を消したり封じたりする梨子相手には、使わないのではなく使えなかった、とかネ)



審判「15-30」

絵里「はぁ……はぁ……。それ、“矢澤ゾーン”とは少し違うようね」

ことり「ふふっ。通称“ワンダーゾーン”、です!」


海未(ラリーが続けば続くほど、絵里先輩ばかり一方的に走らされています! 先程まで両者左右に走っていたはずなのに、なぜっ!?)

ツバサ(──“インサイト”ッ!)キッ!!

英玲奈「一体どうなっている。“ワンダーゾーン”という名称はともかく、中身は完全に矢澤にこの魔法ではないか!」

あんじゅ「“矢澤ゾーン”はわたしでも真似できない技なのに、どうして南さんが扱えるの……?」

海未「そもそも絵里先輩に、矢澤さんの魔法は通用しないはずでは?」

ツバサ「この疑似矢澤ゾーン、ボールの誘導方法が本家とは違うみたいだわ。彼女の神業は全て超回転により成り立っている」
211: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/20(土) 00:23:42.80 ID:b3nn7ob8.net
 
ことり(迷いの振り子が止まらない──“スピンテリブル”)グウィィィィイイイイイン!!!!!!

絵里「はぁ……はぁ……」

審判「ゲーム音ノ木坂、1-1」


花陽「本当に“スピンテリブル”で1ゲーム取り返しちゃったのぉ!?」

凛「すごいにゃーーー!!」

希「“ワンダーゾーン”を織り交ぜることでえりちだけを走らせ、結果的にバギーホイップの恐ろしさを引き上げとるんか」

にこ「“スピンテリブル”と“ワンダーゾーン”の合わせ技なんて思い付くのは余裕でしょうけど、よくもまぁ実現させたわね」

真姫「……一体どんな回転をかけたらこうなるっていうのよ」


梨子(やっと見ることが出来る。昨日の試合で私が躱し続けた、今のことりちゃん本来の姿……)

優理(この強さがシングルスの南ことりか)ギリッ

ダイヤ(これまた壮絶な戦いになること、間違いないですわ)
212: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/20(土) 00:29:55.67 ID:b3nn7ob8.net
 
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪.ワンダーゾーン
     (原曲……手塚ゾーン  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=WhKceN-lTkc




雪穂「初めてだ……。こんなに本気のことりちゃんを見るのは」

亜里沙「お姉ちゃん……っ!」


にこ『プレッシャーなど~まるで見えないー 瞬間的に~生み出す回転ー♪』

真姫『相手の打球をー 倍のスピンでー 返球している♫』

にこ『白いオーラ♪』

にこまき『『奴を包むー ワンダーゾーン♫』』

にこ『弱点は……どこ~だ♪』


ツバサ『完全に~進化しているー 準決勝以上の~切れ味ぃー♪』

海未『目を瞠る姿ー あれがことりのー 本気なのですか♫』

ツバサ『白いオーラ♪』

うみつば『『奴を包むー ワンダーゾーン♫』』

ツバサ『攻めるなら……どこ~だ♪』


梨子『こーの~試合で~初めて~ 見ることができるぅー 彼女本来の姿ぁ~♪』

梨子『隙もなく ミスもなく 攻守完璧ー 真の実力は~♫』

浦女一同『『『『『誰にもわからないー♪』』』』』

梨子『ミステリーゾーンさぁ~♫』
 
213: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/20(土) 00:31:22.70 ID:b3nn7ob8.net
 
穂乃果『にこちゃんをー超えてーみせるって~~いうことは こういうことだったのかー♪』

穂乃果『完璧な試合運び 攻守完璧ー 私は超えてやるぅー♫』

音ノ木一同『『『『『誰にもわからないー♪』』』』』

穂乃果『ミステリーゾーンをぉ~~♫』


音ノ木・浦女・東雲一同『『『『『どこまでも無敗ー♪』』』』』

ことり『ことりは負けない~♫』

音ノ木・浦女・東雲一同『『『『『いつまでも無敗ー♪』』』』』

ことり『誰にも負けない徹底的に 勝利に固執する~♫』

音ノ木・浦女・東雲一同『『『『『どこまでも無敗ー♫』』』』』

ことり『ことりは負けない~♪』

音ノ木・浦女・東雲一同『『『『『いつまでも無敗ー♫』』』』』

ことり『誰にも負けない勝ち続けることが 宿命ぃ~♪』

音ノ木・浦女・東雲一同『『『『『それがー 南ことりぃ~~~♪♫♪』』』』』

 ~♪      ~♪      ~♪


審判「ゲーム音ノ木坂、2-1。チェンジコート!」


絵里(この追い詰められる感覚……まるで矢澤さんと戦った時の様。いいわ、巻き返してやろうじゃない!)

ことり「……このまま勝たせてもらいますっ!!」キッ!
 
218: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/21(日) 00:45:06.40 ID:Gkffz3XL.net
 
    【Genius 30:ファントム・オブ・ザ・テニス】


絵里「イィィィイイイーーー!!!!!」ズバァァァアアアン!!!

審判「アウト。デュースアゲイン」


希「えりちめ、力技で無理矢理 “ワンダーゾーン”を破る気やな?」

にこ「ことりの超回転を上回るパワーで強引に打ち込みまくれば、そりゃ一応破れはするんでしょうけど」

花陽「先程から目に見えてアウトやネットの数が増えています。ほぼミスをしないバイブルらしからぬ戦い方ですっ」


絵里「イィィィィィイイイイイ!!!!!」ズバァァァアアアン!!!

審判「ゲームUTX、2-2」


絵里(このゲームを取れたのは完全にマグレだわ。ゴリ押しはやめて、他の手段を模索しないと……)

絵里(かなりやり難い相手ではあるけど、UTXのバイブル・絢瀬絵里らしい冷静で堅実なプレイで勝ちに行かなくっちゃね)


凛「絵里ちゃん戦い辛そうだにゃー」

穂乃果「さっすがことりちゃん! 絵里ちゃんを翻弄してるよ!!」

にこ(私が絢瀬と戦った時も、2試合共序盤はこっちが優勢だったのよね。1戦目はそのまま勝てたけど、2度目は魔法が次々攻略されて負けた)

にこ(あいつと長時間やりあうのは危険よ。ことり! このまま押し切って!)


絵里「イィィィーーー!!!」ズバァーーーン!!!

ことり(フラット気味のショットだけど、少しトップスピンもかかってる。これなら!)

ことり「……ことりのおやつにしちゃうぞ!」チュンッッッ!!! シュルルルル!!

審判「ゲーム音ノ木坂、3-2。チェンジコート!」
219: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/21(日) 00:47:17.69 ID:Gkffz3XL.net
 
絵里「ふぅ……。せっかく追いつけたと思ったのに、またすぐにリードされちゃったわ」

ツバサ「でもそろそろ、疑似矢澤ゾーンにも慣れてきたんじゃない?」

絵里「えぇ。あの“ワンダーゾーン”という技、コートのセンター付近以外に返球しにくいようこちらをコントロールしている点では“矢澤ゾーン”と同じよ」

絵里「違いとしては、その誘導手段に超回転を用いているという点だけ。まぁそんなことあなたの洞察力なら既に見抜けているんでしょうけど」

ツバサ「もちろん」


あんじゅ「絵里は桜内さんみたいに回転を消せるわけじゃないでしょ~? なのにそんな状況下で、5ゲーム目は結構際どいコースを狙ってたわよね?」

あんじゅ「どうやってコーナーを狙ってるの?」

絵里「アウトしそうなくらいコートの外側を狙って打つのよ。そうすればボールがセンター付近に引き寄せられた時、丁度良くコーナーに入るわ」

海未「わざとアウトを狙う、ですか。中々怖い真似をしますね。ことりが回転を弱めればそのままアウトになってしまうのでは?」

絵里「ほんとにね。その辺は私と南さんの駆け引き勝負ってところかしら。そもそも加減がとても難しいし、戦い辛いったらないわ」


絵里「けれど徐々に慣れてきた。私のパーフェクトなテニスをもって、彼女の神業を完全に破ってみせる!」
 
220: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/21(日) 00:51:34.16 ID:Gkffz3XL.net
 
雪穂「ことりちゃーーん! 負けるなーーー!!」

亜里沙「お姉ちゃ~~ん! ガンバレ~~~!!」

梨子「ことりちゃーーん! いっけぇーーー!!」


絵里「フッ!」チョン コロコロコロ…

審判「30-15」


鞠莉「エキサイティンっ☆ この試合とてもハイレベルね!」

ルビィ「す、すごい……」

果南「でも徐々に綾瀬絵里が優勢になってきてない?」

ダイヤ「その様ね。あの“ワンダーゾーン”という技に、早くも対応しつつありますわ」

理華「この適応力の高さも、彼女のプレイが“パーフェクトテニス”と呼ばれる所以か」

かさね「バイブルとかパーフェクトみたいなそういうカッコイイ二つ名、かさねもちょっと欲しいかも」

善子「甘いわ! 二つ名とは欲っするものでもわざわざ考えるものでもない。ふとした瞬間に舞い降りてくるものなのよッ!」

亜里沙「ハラショー!」キラキラ


雪穂(それ感心するとこ? 亜里沙の感性が分からん……)

花丸(本当は普段から厨二ワードを色々考えてるくせによく言うずら)
221: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/21(日) 00:54:56.14 ID:Gkffz3XL.net
かさね「紗菜ちゃんは“東雲のテニスの鬼”って言われてるよね」

紗菜「嬉しくもなんともないけどね」

ダイヤ「“殺し屋”などという不名誉極まりない通り名より、余程マシではなくて?」

紗菜(……たしかに)

ルビィ(お姉ちゃん、その呼ばれ方意外と気にしてたの……?)



絵里(南さんが回転を強めるタイミングと弱めるタイミングが、微妙な打ち方の違いで判断できるようになってきた)

絵里(これで“ワンダーゾーン”への順応は完璧。このまま一気に逆転させてもらう!)


絵里「イィィーーー!!!」ズバーーーン!!!

ことり「ッ……」

審判「ゲームUTX、3-3」



穂乃果「あぁぁ! もう“ワンダーゾーン”がまるで効いてないよぉ!」

真姫「“スピンテリブル”を使おうものなら、1ゲーム目同様こちらも走らされてしまうようになってきたわね」

凛「でもことりちゃんにはまだまだ色んな技があるにゃ!!」
222: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/21(日) 00:57:27.29 ID:Gkffz3XL.net
 
絵里「ハァ!!」グウォン!!

ことり「……ことりのおやつにしちゃうぞ!」チュンッッッ!!!

絵里(あからさまなトップスピンを打ったのはわざとよ。“コトリ返し”はモーションが大きいから、フォームで打ってくる方向を予測しやすい)

絵里(だから一気にネットにつめて、ボレーで決めるっ!!)スッパーーーン!!!

ことり「っ……」

絵里(フフ♪ ノーバンで捌くことさえできれば、ほぼバウンドしない超スライスも怖くないわ)

審判「ゲームUTX、4-3。チェンジコート!」


にこ「ここで巻き返されたのはイタイわね」

まこ「せっかく序盤は良い感じだったのに……」

希「ことりちゃんの多彩な技がドンドン攻略されとるっ」

花陽「常に頭を使った的確な動き。私の場合頭は使えてもそれに体がついてってくれないから……敵ながら尊敬します」
223: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/21(日) 01:02:54.21 ID:Gkffz3XL.net
 
ことり「えいっ」グウォン! パコーーーーーーーーーン

絵里(にこぷりドライブね。普通のトップスピンロブなら私も使えるけれど、ここまで急激に落ちるやつは真似しようがないわ)

絵里(だからといって臆することはない。矢澤さんの様に同じフォームからロブとドロップを繰り出すことが出来なければ、対処するのも容易いもの!)

絵里「ハァ!!」スタタ スパーーン!


穂乃果「今度は“ことり式・にこぷりドライブ”まであっさり返されちゃった!?」

にこ「このまま1つ1つ、技を潰し続ける気でしょうね……」

凛「ヤバイにゃヤバイにゃ!!」


絵里「イィィィイイイーーー!!!」ズバーーーン!!!

ことり(また重いボール……っ!)ポーーーン

絵里(絶好の緩いロブね。決めさせてもらうわ!!)スタタタタ タンッ!

ことり(ジャンピングスマッシュがくる! ならカウンターでっ)

ことり「ぢゅ゙ん゙っっっ!!」スカッ

   ドッカァァァーーーン!!!

ことり(え!? うそっ!??)

審判「40-30」

絵里「よしっ!」

ことり(ラケットに……当たらなかった……)
224: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/21(日) 01:04:32.59 ID:Gkffz3XL.net
 
梨子「……信じられない。ことりちゃんの空振りなんて初めて見た!」

鞠莉「目測を狂わされたのかしら?」


絵里(あなたのスマッシュカウンターは、相手の打ち方や目線からスマッシュ着弾地点を予測し、そこに思い切り飛び込んでいるのよね?)

絵里(私、体幹や柔軟には自信があるの。体や手首を捻って、打つ寸前にほんの少し角度を変えることくらいなら可能よ!)


絵里「ハラショォォォォォオオオオオ!!!!!」ドッカァァァーーーン!!!

審判「ゲームUTX、5-3」



英玲奈「これで奴の技は全て攻略したな」

あんじゅ「ラスト1ゲームね」

海未「しかしことりは天才。何をしてきても不思議ではありません」

ツバサ「絵里なら逆転される隙なんて与えず、このまま一気に勝ちに行くでしょ」
225: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/21(日) 01:06:22.81 ID:Gkffz3XL.net
 
ことり「…………」

絵里(さぁどうする? このまま勝たせてもらえるならそれで良し。隠し玉でもあるなら、それも潰してみせる!)

ことり「…………」シュルル… カッッッ!!!

絵里(そのサーブはもう余裕よ!)ズバーーン!!


希「サービスで優位に立てないのはキツイなぁ……」

穂乃果「ことりちゃん!!」

花陽「がんばってぇ~~~!!」

にこ「ことりぃ! にこを超えるとか言っといて、このまま負けるんじゃないでしょーね!!」


ことり(そうだよね。これから使う技は、まだ上手くいくかどうか分からない。でも──)

ことり「…………」グッ…

ことり(──このまま終わるわけにはいきませんっ!!!)シュルルルルルルルッ

絵里「イィィィイイイーーー!!!」ズバァーーーン!! グイィィーーーーン

審判「アウト! 15-0」


絵里(何? 今の奇妙な感覚は……)
 
226: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/21(日) 01:08:34.03 ID:Gkffz3XL.net
 
ことり(意地と勇気がぶつかり合った関東大会決勝戦。あの試合をきっかけに、新しい自分を見つけることができたの)

ことり(だからもう、ことりは2度と負けない!)


 ・

 ・ ・

 ・ ・ ・

 ・ ・ ・ ・

 ・ ・ ・ ・ ・


   ~数ヶ月前。関東大会決勝、ダブルス1~


音ノ木一同『『『『『勇気ある者に 微笑め 勝利の神♪』』』』』

東雲一同『『『『『She leads to victory. Go for it!』』』』』


花陽『勇気ある限り♪』
  ことり『私は負けはしない♫』

ココ『意地でも~♪』
  優理『負けるわけにはいかねえさ!』


  『『『『『勇気バーサス意地! 勇気バーサス意地!!』』』』』


審判「ゲームセット! ウォンバイ御堂・宮下ペア、ゲームカウント6-2!!」

 
227: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/21(日) 01:11:51.97 ID:Gkffz3XL.net
 
ことり「ごめん。負けちゃった」エヘヘ…

穂乃果「いやぁ~、ことりちゃんが公式戦で負けるなんて滅多にないもんね。でも熱くてすごく良い試合だったと思うよっ!」

ことり「ありがと! 穂乃果ちゃん……今までことりが勝ちに拘ったことってあったかな?」

穂乃果「う~~ん、とくに思い当たらないなぁ。少なくとも私は、燃えてることりちゃんなんてさっきの試合で始めて見たもん」

ことり「そっか。やっぱりそうだよね」

穂乃果「どうかしたの?」

ことり「あのね、これまではあんまり勝ちたいとか思ったことってなかったの。楽しくテニスができればそれで良かったから」

ことり「でも今、凄く悔しくて……ちょっと自分で戸惑ってるっていうか……」

穂乃果「うぅむ……。分かるような分からないような」

ことり「穂乃果ちゃんも他の皆も、いつも必死に試合してるでしょ? えっと、なんていうかその……どうしてそんなに勝ちたいの?」

穂乃果「ん~、どうしてとかそんなこと考えたことないや」

ことり「そういうもの?」

穂乃果「うん。だって考えたところで本当に大した理由なんてないよ? 好きなことで負けるのは嫌だし、勝てた方が楽しいし、そのくらい」

穂乃果「あっ。でも今は団体戦だし、やっぱりこれかな。大好きな音ノ木テニス部の皆と一緒に優勝したい! これが1番の頑張る理由だと思うよ!!」
228: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/21(日) 01:13:39.34 ID:Gkffz3XL.net
 
ことり(好きなことで負けるのは嫌。勝てた方が楽しい。大好きな音ノ木テニス部の皆と一緒に優勝したい)

ことり(……自分が勝ちたい理由はどれなんだろう?)ウーン…


穂乃果「そんなに悩むことはないんじゃない? 頑張る理由なんて人それぞれだと思うし、勝ちたいから勝ちたいってだけで良いんじゃないかな?」

ことり「そう……だね……」


 ・ ・ ・ ・ ・

 ・ ・ ・ ・

 ・ ・ ・

 ・ ・

 ・


ことり(穂乃果ちゃん。見つけたよ、ことりの勝ちたい理由)シュルルルルルルルッ

絵里「ハァ!!」スパーーーン!! グイィィーーーーン

絵里(またボールが勝手に伸びた!?)

審判「アウト! 40-0」
229: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/21(日) 01:17:10.18 ID:Gkffz3XL.net
 
クリスティーナ「あの方がミスショットの連続だなんて珍しいですね」

ルビィ「急に何が……」

千歌「もしかして、ボールを自分のコートの真ん中に引き寄せるのが可能なら、その逆にボールを外に出しちゃうのも可能だったり!?」

善子「“ワンダーゾーン”の逆ってこと?」

花丸「南さん流の“矢澤ファントム”……?」

瑞希「あの天才、とんでもないな!」


絵里「フッ!」チョン ペチッ

審判「ネット! ゲーム音ノ木坂、4-5。チェンジコート!」

絵里「私に“矢澤ファントム”は通用しないはずなのに……ッ!」ギリッ

ことり「違います。これはにこちゃんの技法をことりなりにアレンジした技……“ワンダーファントム”です」


穂乃果「わんだーふぁんとむ……“ワンダーファントム”だってよ!?」

凛「かっこいいにゃぁぁぁぁあああ」

花陽「“矢澤ファントム”は敵の癖や弱点を見抜き、相手の苦手なボールを打ち続けることで自滅へ追い込むにこちゃんの卓越した技術があってこそ出来る技」

真姫「ことりににこちゃん程の、洞察力や小手先の器用さはないはずよね?」

花陽「うん。だから“矢澤ゾーン”を真似て“ワンダーゾーン”を生み出した時と同じく、足りない技術は超回転により補っているものと思われます!」メガネ スチャッ!
230: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/21(日) 01:18:47.67 ID:Gkffz3XL.net