真姫「ことりに罰を与えるわ」

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真姫-アイキャッチ10
1: Warning//Warning//R-18要素は一切ございません//Warning//Warning(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 22:22:14.70 ID:PQpo5SA4.net
ちらっと、
私の自室の外を覗いてみるけれど……。

まあ当然、
誰もいないわよね。

扉の鍵をちゃんと閉めて。
カーテンも閉めて。

「ま、真姫ちゃん。
 ごめん、ことりが悪かったから」

「今まで少しは我慢してたけど、今日はもうムリよ」

この前から私と付き合っているっていうのに、
南ことりさんは、とにかく皆に甘い。

穂乃果と海未はしかたないとして、
三年生や凛と花陽にも甘々なんだもの。

別にそれがことりの性格だってことは分かってはいるけれど、
皆と同じ扱いには納得いかないわ。


っていうのは、建前の話。

元スレ: 真姫「ことりに罰を与えるわ」

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2: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 22:25:06.50 ID:PQpo5SA4.net
もちろんちょっと気になりはするけれど
μ’sのメンバーに甘くなる気持ちは分かるし、
私もそこまで嫉妬深くはないもの。

ただ少し、
いたずらをしてみたかった、
ってだけ。

さっき用意したロープがカバンの中にあることを確認した私は、
少し勇気を奮い立たせるように深呼吸。

こっちをずっと見つめてくることりを気にせず、
部屋の真ん中に椅子を用意する。

「さ、ことり。座って?」

「う、うん……」

おとなしく座ることり。

とっても申し訳なさそうで、
どうすればいいのか分からない表情。
それはそうよね。

だってフリとは言っても
私がここまで怒った素振りを見せたことはなかったし、
学校帰りに家に連れてくるのも初めてだもの。
3: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 22:28:03.91 ID:PQpo5SA4.net
「好きよ」

「えっ?」


急なセリフにびっくりしているのも気にせず、
私はほとんどことりの太腿にまたがるようにして、
上に座ってキスをする。

目の前の彼女は、目を真ん丸に開いてびっくりしてるわ。

そうじゃないと困る。

私だって恥ずかしいけれど、
これも作戦の内だもの。

ふわふわとした甘い香りのすることりに
唇と体全体を押し付けながら、
ブレザーを脱がして彼女が抵抗できないうちに
さっきのロープを取り出して手を椅子に縛り付けてしまう。

「ま、まっ、真姫ちゃん!?
 何してるの、え……えっ!?」

「心配しないで、私は怒ってないわ。
 ちょっとお仕置きをするだけだから」
6: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 22:29:32.77 ID:PQpo5SA4.net
いったん離れて足も椅子に固定した私は、
カバンからマシュマロとビニール袋を取り出した。

「これが何か、分かるわよね?」

「ま、ましゅまろ?」

「ええ、そうよ。今からこれでお仕置きをするつもり」

「…………まさか、チャビーバニー、ですか?」

「そう、Chubby bunnyよ」

「え、えぇ〜!?」

この前にことりと一緒にネットで
海外のミュージシャンの動画を見てた時に発見した、
Chubby bunny。

何をするのかと思えば、
口に一つずつマシュマロを詰めながら、
「チャビーバニー」って言う欧米のゲームらしいんだけれど、
結構動画が上がってるのよね。

当然、
噛んだり食べたりしちゃ、ダメ。

喋れなくなった時点でぺってして終了で個数を競うんだけど、
ことりは

「ちょっと恥ずかしいし、もったいないからやりたくないかな〜」

なんて言ってたわ。


確かに上品とは微塵にも言えないし、
男の人がやってるのはなかなかグロテスクな感じだけれど……
ことりが口を大きく膨らませてるのを想像したらどうしても見てみたくって。

罰って名目ならいいんじゃないか、
ってずっと機会をうかがってたの。
8: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 22:32:05.36 ID:PQpo5SA4.net
「ほんとは嫌だけど、
真姫ちゃんが満足してくれるなら。
 頑張ってみるね」

ごめんことり。

ほんっとうにごめんなさい。

別に本当は怒ってないのに、
そんな顔をされたら罪悪感が湧いてくる。

「無理しなくてもいいのよ?
 嫌だったら今度デートするってことに変更してもいいし」

「ううん、問題ないよ」

「……分かったわ」

ちょっと焦りながら、
ほんのりピンク色をしたマシュマロの入った袋を開封する。

一つ手に取ってみるけど、
とってもふわふわしててさわり心地がいい。

ことりの肌には負けるけど、
それでもいい勝負をしそうなくらい。

「ルールについて教えておくわ。
 今からこれを一つずつことりの口に入れるから、
 一回ごとに『真姫ちゃん大好き』って言ってね」

「うん、分かった」
9: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 22:35:02.82 ID:PQpo5SA4.net
ちょっとくらいツッコミがあるのかと思ったけれど、
二つ返事で了承することり。

ほ、本当にいいのよね?

ちょっと心配になってきて震える手で、
マシュマロを彼女の口に運ぶ。

あーんって大きく口を開けるのを見てると、
何だかとっても変な気持ちにさせられるわ。

私から見て左側の頬の奥に、
ゆっくりとマシュマロを押し込む。

途中で指が口の内側に当たっちゃって、
温かい唾液が指先に付いたことにドキドキしつつ、
とりあえず一つ目は設置完了。

本当は恥ずかしいし、
もう顔も真っ赤だけれど。

わざわざことりの目の前で指を舐めてみせる。

ああ、もうっ。
何変なことしてるのよ、私ったら!

「へっ!?
ま、真姫ちゃん……?」

髪の毛先が飛び跳ねたかと錯覚するくらいびっくりした目の前の少女は、
マシュマロが出てきちゃうんじゃないのかと思うくらい
ぽかんと口を開けて私を見つめた後、
右頬をぷっくり膨らませながら赤くなって俯いてしまう。
10: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 22:38:03.78 ID:PQpo5SA4.net
ああ、私ってば。

本当に何をしてるのかしら。

いくらみんなと同じで構ってくれないからって、
こんなことしてたらダメじゃない。


なんて私がしょんぼりしているとことりはもう私の方に向き直っていて。

「真姫ちゃん、大好き」

少しでも私に嬉しくなって貰おうと思ってなのよね、
それはもう、
こんな状況に似あわないくらいの満面の笑みでことりはそう言ったの。

恥ずかしさを必死で我慢して、片方の頬を大きくしながら。

ことりにこんなことさせるなんて、
って罪悪感が私を襲ったけど、
それ以上に理性が吹っ飛んでしまった。

こんな天使みたいな優しくて可愛い子が、
大好き、だなんて。
11: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 22:41:07.68 ID:PQpo5SA4.net
さっきとは違って嬉しさで震える手で二つ目を取り出して、
今度は私から見て右側にマシュマロを入れる。

左と同じように、
ちゃんと一番奥におしつけるような配置。

多分絵の表現とかでよく見る頬をぷっくりさせてるくらいの大きさに、
もう二つ目でなっちゃってるわ。

「真姫ちゃん、大好き」

なにこれ。

なにこれ、
なにこれなにこれ。

可愛過ぎる、
ちょっとどうしたらいいのよ。
動画に録っておくべきだったかしら。

ま、待って、ダメよ。
そんなことしたらことりがかわいそう。
あぁ、でも、可愛過ぎる。

だってあの元から女の子らしくて美人なことりが目の前で縛られて、
大きく頬を膨らましながら
「大好き」って私の名前を呼んでくれてるのよ?

こんな頭をおかしくさせるもの、
見たことない。

と、とりあえず三つ目を……。
12: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 22:44:03.65 ID:PQpo5SA4.net
また最初のように、
左側のできる限り奥。

最初のマシュマロに押し付けるように3つ目を置いてみる。

このマシュマロって結構大きいから、
もうことりの口は意外と埋まっちゃってる。

多分、
右にあと一個と真ん中に一つでいっぱいね。

あとは隙間に押し詰めれるかの問題になりそう。

「まきちゃん、だいすきだよっ」

そんな状況でも私のことを大好きって
笑顔で言ってくれる彼女は、
間違いなく天使を超えてるわ。

こんな可愛い子、見たことない。
意味わかんないから。

自分が今どんな顔をしてるのかさっぱり分かんない。

何も考えられなくて無表情の境地に達してるのか、
それとも何をしてるんだろって真っ赤になってるのか、
はたまたことりにメロメロにされてとろんとした表情をしてるのか。

考えるだけムダね。
14: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 22:47:04.23 ID:PQpo5SA4.net
4つ目。

勿論配置は3つ目の対象位置。

ここまで来ると
もう本当に真ん中が一つ入るスペースが空いてるくらいで、
もう最初よりだいぶ大きくなったことりの頬。

口で空気を吸うのも少し難しそうで、
陶磁器みたいに真っ白な肌が少し赤くなってきてる。

彼女はほんっとうに肌が白いから、
赤が入るとびっくりするくらいわかりやすくて、
見てるだけでドキドキする。

「まきひゃん、あひしてふっ」

それでも。

そんな状況でも、
まだ私に向ける笑顔は絶やしてない。

可愛い、可愛い、可愛い。

もう何を見てるのか認識できないくらい、
脳が溶けちゃって、
もうとっくに何も考えられない。
15: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 22:50:03.38 ID:PQpo5SA4.net
5つ目。

最後のスペースの真ん中に、
ぎゅって押し込む。

なんかもうぴったり収まったみたいな感じで、
これ以上はことりには無理そう。

「まひひゃん、はひふぃははら」

とうとう口で息をするのは難しくって、
少し鼻で呼吸をしてる。

ほっぺはそれこそウサギみたいにぷっくりしてて、
ことりが私の衣装によく使う生地みたいに、
真っ赤。

笑顔を保つのも少し難しくなってきたみたいだけど、
私からは視線を全く離そうとしない。

ずっと可愛い顔と優しい瞳でこっちを見つめてくる。

「無理しなくていいのよ?
 もうやめる?」

私がそう訊いても、
意地になって首を横に振ることり。

もう私は、ことりの指示に従うしかない。

そんな表情でいやって伝えられたら、
誰も断れないわ。
16: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 22:53:36.41 ID:PQpo5SA4.net
むっつ、め。

もう口の中に入れるのも、
少し指に力を入れて押し込まないといけない。

彼女の慎ましやかな口にはこれ以上は絶対に無理。

「ひひゃ、はひふぃ」

隙間から小さく音が出てるだけで、
もう何を言ってるのかさっぱり分かんない。

私の名前も、
原型をとどめてない。

目元も少し潤んでいて、
薔薇色のボールみたいに丸く膨れた頬で、
ただただ私のことを上目づかいに、見上げることり。

その瞳はもう笑顔を作るのも難しそうで、
口の中がいっぱいで息苦しそうな小鳥みたい。

……たぶんこんなの見たら、
μ’sのメンバー全員が一発でやられちゃうわね。

向こう一週間は、
皆ことあるごとにことりの頭をなでていそう。


これは絶対にしてはいけない行為だったんだわ。

とっくになくなっていた理性のタガが
私に戻ってくる気配も微塵にない。

こんな悩殺爆弾を、生み出すべきではなかった。

「こ、とり……。
 ごめんなさい、私もうムリよ」

ことりの前にビニール袋を差し出して、
せめてもの配慮で目をそらす。

「まきちゃん、もういいよ」

ことりの声を合図に机に袋を置いた私は……
もう何も考えずに、
縛られていることりに抱き着いた。
17: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 22:56:19.94 ID:PQpo5SA4.net
口からはマシュマロのうっすらと
ピンクっぽい色で染まった唾液がこぼれていて、
それをそっと舐めとる。

甘い。
すごく、すごく甘い。

今まで口に入れた何よりも、確実に甘い。

「まきちゃっ、ちょっと、ダメだよ。
へんなこえ出ちゃうからっ」

ごめん、本当にもうムリなの。

もう私には自分で自分を抑える手段が何も残されてないの。

だって可愛過ぎるんだもの、あなたが。

ほんっとうに意味わかんない。
意味わかんないからっ!


キスをせめてもの配慮で優しくすると、
さっきのマシュマロの甘さが残ってる。

まだたった2回くらいしたことがあるだけだけれど舌を入れてみると、
口の隅々、
左の頬から右の頬まで、
やっぱりとてつもなく甘い。

多分マシュマロなんかだけじゃこんなことにはならないわ。

この人のお口が、
中毒症状を引き起こさせてるの。

元はと言えば、
彼女の私を構ってくれなかったあなたが悪いんだからね。
18: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 23:00:31.46 ID:PQpo5SA4.net
ことりの髪の毛が私の頬から首筋に触れて、
こそばゆい。

自分の髪も、
汗をかいてるから首にくっついて変な感じ。

当然額にも水滴は滲んできていて、
どっちの呼吸か分からないほど息が荒んできてる。

もともとお菓子みたいに甘い女の子スメルをまき散らかしてるのに、
本当にこの子はお菓子でさっきまで口をいっぱいにしていたんだもの。

鼻の奥なんか通り過ぎて脳を直接殺しにくるような香りが、
二人の間に漂ってる。


やたらと身を捩じらせてとろけそうな表情で
私を見つめてくるから一瞬疑問に思ったけど、
そういえば手足を縛っていたんだ、
と思い出す。
20: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 23:03:10.40 ID:PQpo5SA4.net
気付いた私が慌てて両方自由にしてあげると、
今度はことりにベッドへと押し倒された。

心臓が燃料をくべられた暴走列車みたいに音を立てて速くなる。
ことりの顔は今までで一番赤い気がするけれど、
それでもいたずらっ子みたいに表情が変わった。

全身がピクリと跳ねる。


「真姫ちゃん、嫉妬してくれたのっ?」

「……そうよ」

「真姫ちゃん、あんな態度取るの初めてだから、
びっくりしちゃった。
 また嫉妬したら私を縛るの?」

「もうしないわ。
 今回は、その、
ことりにいたずらしたかったから少しイジワルしただけで」

「真姫ちゃんもそんなこと考えるんだね。
 知らなかった」

「うぅ……」

「ごめんね。
 私が真姫ちゃんを一番みたいに扱ってあげてなかったから。
 皆に教えちゃう?」

「……うん」

「分かった」

そう言うとことりは、
私の手を縛ってしまった。

さっきまで彼女を縛っていたロープで。

「え?」

「別に私はこんなことするつもり、
 全くなかったんだけど……
 さっき縛られてたら真姫ちゃんに
 支配されてるみたいで興奮しちゃって。
 まだマシュマロ残ってるよね?」

「え……
 えぇっ!?」
21: >>19 なかなかハードな競技だぜ(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 23:06:12.20 ID:PQpo5SA4.net
私の携帯とマシュマロの入った袋、
さらにさっき使ったばかりのビニール袋をベットの上に置いた彼女は、
私を壁にもたれさせる。

そして次の瞬間、
まっすぐ伸ばしていた私の脚の上に座られてしまった。

「ね、ねえ。
 どうするつもり?」

「チャビーバニーしよっか、真姫ちゃんも」

「い、嫌よ!
 なんで私がっ」

「おねがい、真姫ちゃん」

「うぇえ……」

当然、断れるはずもないわ。

だってさっき縛られてから、
ううん、それ以前からずっとことりにドキドキしたままなんだもの。

そんな彼女のお願いは、断れない。
22: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 23:09:27.47 ID:PQpo5SA4.net
「ルールは簡単だよ?
 今からμ’sの皆に
 『明日の放課後大切な話をするから』
って電話をかけてもらうから、
 怪しまれた回数だけ『ことり、大好き』
ってマシュマロを口に入れてもらいますね」

「は……はぁっ!?
ちょっと、
ひょっとしてさっきの事根に持ってる?」

「だって、
いくら真姫ちゃんでも本当に恥ずかしかったんだもん。
一番大好きなのは真姫ちゃんだよって、
毎日言ってるのに……」

非常にマズい事態になったわ。

ことりはこういう時は、
本当に言うことをきかない。

どっちみち断る術はないけれど、
腹をくくるしかないわね。

逆に言えば普通に電話すれば一つもChubby bunnyする必要はないんだし。
23: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 23:12:07.00 ID:PQpo5SA4.net
「早く始めましょ。
 まずは1年からでいいでしょ?」

「うん、そうだね。
 え〜っと、あった。
みんな名前で登録してるんだね、かわいい」

今からすることに少し興奮気味のことりは、
当然のようにパスロックを外して花陽に電話をかけてくる。

そう、
いったい何の破壊力が高いかっていうと、
落ち着いたセリフに反してお互いにまだ真っ赤でそわそわしてるってこと。

あれ?

これ、問題ないのかしら。

『真姫ちゃん、どうしたの?』

「ああ花陽。別に大したことじゃないんだけれどね」

と、そこで。

ことりが私の胸に顔を埋めてきたの。

かんっぜんに想定外だった私は、
「はぅっ!?」と思わず変な声をあげてしまう。

『ま、真姫ちゃん大丈夫!?
 今すっごく変な声出てたけど』

「だっ、大丈夫よ。
 ちょっと足をぶつけただけだから。
 心配しないで、本当に何でもないから。
 うん、何でもないの。
 明日の放課後、練習の時に大切な話をしたいと思ってるから、
 それだけ知っておいて。
 じゃあね!」
24: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 23:14:26.79 ID:PQpo5SA4.net
ふぅ、とため息をついて、
ことりをじろりと睨む。

たぶん顔は真っ赤だから、
全然怖くはない。

「どういうこと?
 そんなの聞いてないんだけれど」

「でもちゃんと話し終わったら切ってあげたよ?」

「マシュマロは?」

「まず一個目達成だね」

「なんかすごいことやってるね、私達」って
自分のしていることに顔を真っ赤にしながら
ドキドキしている私の彼女。

今まで何もこういった事をしていなかった反動かしら?

ピュアな子で慣れてないからといって、
そんな風に目をキラキラさせるのはやめて。

可愛いって思っちゃうから。

「ほら、さっさと凛にかけなさい」

「うん、分かった。ちょっと待ってね…………はい、どうぞ」
25: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 23:17:05.07 ID:PQpo5SA4.net
「もしもし、凛?」

『真姫ちゃん?』

「ちょっと一つ連絡することがあってね」

『なになに〜?
 長いことだったらメモ用意してくるにゃ』

「そんな長い話じゃないわよ。
 ただ明日、
練習の後に皆に大切な話をしたいって伝えたかっただけ」

『うん………………うん?
真姫ちゃん、今誰かと一緒?』

「…………え。えっ!?
な、何よ急に!」

『だって真姫ちゃん以外にも声がするような気が……。
 それになんだかいつもより変だよ、真姫ちゃん。
 どこかは分からないけど、なんか変だニャ!』

「何もないわよ!
切るからね、また明日!」

…………これは、セーフ、よね?

「えへへ、またダメだったね真姫ちゃん」


まずいわ。

非常にまずい。

海未も、エリーもムリよ。
多分ごまかせない。

凛で気付くくらいだから穂乃果とかも
勘よく気付くかも。

希とにこちゃんは
この意味不明な状況を察して疑わないでくれるかしら……。

絶対そんなことしてくれないわね。

もう、どうすればいいの!?
このままことりに負けたくないわ。
なんかこうもあっさり連敗するのはイヤ。

……残された手段はあと一つね。
かくなるうえは――
26: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 23:20:10.93 ID:PQpo5SA4.net
――そう、心頭滅却の精神。
その一点張りよ。

いかなることにも興奮しなければ、
今の状況を脱することができるわ。

その為には完全に、
ことりの魅力発信装置と
私の受信装置を断つ必要がある。


ことりが穂乃果の電話番号を探しているうちに、
私は必死に考える。

まず最初に、
視覚から入ってくる可愛さを断つわ。

まあここは、当然対処すべきよね。

目を瞑るのは不可能。

でも今は電話中だから、
ことりと目線を合わせていなくてもそこまで指摘されることはない。
だから、
『ことりに視線を向けつつことりを見ない』ことにする。

顔からうなじ、髪の毛、鼻の下、
二の腕、太腿、腰、足先……。

そのどれもが魅力的すぎる。

だから私は、
ことりの服の第二ボタンをじっと見つめる。

これならずっとことりの方を向いているし、
少し斜め下に視線が行くから電話に緊張しているようにも考えられる。

ことり自体を見ているわけでもないから興奮もしないし、
むしろ『何でこんな可愛い子が目の前にいるのにボタンなんか凝視してるのかしら』
って冷静になることもできる。
27: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 23:22:00.22 ID:PQpo5SA4.net
次に、嗅覚。

ことりは常に非常に甘くて脳をくらくらさせる香りを発してる。

だからといって息を止めてしまうと、
後で息が苦しくなった時に怪しまれるし、
より大量の香りを吸いこんでしまう。

そこで――。

少しずつ私自身の汗の匂いに意識を集中させるのよ。

大量に息を吸わずに、今自分の頬を伝う滴に全嗅覚を向ける。

これもさっきの視覚と同じで、
『なんで自分の匂いなんか嗅いでるのかしら』
って冷静になるはずだわ。

策を巡らしながらことりの味がした口内を
完全に唾液で洗浄した私は、
最後に指先と下腹部、心臓にきゅぅ、
と力を入れ、力を抜いて、力を入れて……を繰り返す。

柔らかいことりの太腿の触り心地を、
他の体全体に意識を向けて分散するの。


――初めてやったけど、意外とできるものね。

多分だけど……なれてるわ、
クールなマッキーに。

ここまでくれば、
もはや脳トロボイス対策をするまでもないわね。

この勝負勝たせてもらったわよ、
ことり。
28: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 23:25:08.27 ID:PQpo5SA4.net
次は穂乃果ちゃんだね、
と言って電話をかけて耳元に押し当ててくれることり。

わずか10秒の間で完全に冷静さを取り戻した私は落ち着き払った様子で、
電話に出た。

『なに〜?なにかあったの、真姫ちゃん』

「あ、穂乃果?
 明日の練習の後に皆に大切な話を伝えたいの。
 他は特にないんだけれど、
それだけ連絡しておきたくて」

『うんうん、分かったよ。
 わざわざ連絡ありがとねっ!』

「ええ、それじゃ」

何とかばれずに済んだみたいね。

とりあえずこれで1個はマシュマロを防げたわ。

非常にスマートな回答、
さすがはクールマッキーね。

疑問の余地を挟む間もなく伝え終わったわよ。

途中でことりが焦って
思いっきり胸を押し付けてきたりしたけれど、
今の私には効かないわ。

「…………真姫ちゃんすごい。
 今の完璧だったんじゃない?」

「当然でしょ?
さ、さっさと後の4人も終わらせちゃうわよ」
29: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 23:28:10.36 ID:PQpo5SA4.net
「もしもし、海未?」

『はい、そうですが。
真姫、何か用事ですか?』

「明日の練習の後に皆に大切な話を伝えたいの。
 それだけ連絡しておきたくて」

『ああ、そういうことですか。
 分かりました。
 他の皆にも伝えておきましょうか?』

「ええ、お願いするわ。
 あとは三年生だけ連絡してないからお願いしてもらえる?」

『三年生ですね、分かりました。
 今から伝えておきますから、任せてください』

「さすがは海未ね。
 よろしく頼んだわよ」

『いえ、これくらい任せてください。
 曲の調子はどうですか?』

「……ええ、上手くいってるわ。
 ちゃんと明日には渡せる。
 じゃあ、また明日ね」


ことりはちゃんと電話を切ってくれたみたいで、
一安心して呼吸を整える。

流石は海未ね、機転がきくわ。

ついでに3年生にも連絡してくれるみたいだし、
私のマシュマロは2個で済みそうね。
30: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 23:30:04.74 ID:PQpo5SA4.net
でももう一人の二年生こと、
ことりの表情は……
いつの間にマシュマロを詰めたかしら?
っていうような膨れ顔。

「真姫ちゃん、私に6個も入れてきたよね。
 なのに、そんな卑怯な事して2個だけなの……?」

「え、ええっと、これはその……」

「もう、いいから。
 真姫ちゃんも私と同じで6個ね。
 穂乃果ちゃんの分だけナシにしてあげる」

やっぱり、そうなるのね。
31: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 23:33:19.73 ID:PQpo5SA4.net
袋からピンク色のマシュマロを一つ取り出して、
興奮気味に私の口へと運ぶことりさん。

初手はやっぱり、私と同じく右頬。

口の中に意外となんて感想を述べたらいいのか分からない
マシュマロが詰め込まれる。

やっぱり途中で私の口の中に指が触れて、
マシュマロとことりの指、その両方に感覚が支配される……。

本来はそう思っていたはず、よね。

でも今の私は、
さっき冷静になって海未と話した時に一つのことを思い出したの。

――海未に渡す曲の期日、明日じゃないっ!

そもそも今日ことりに嫉妬したのも
曲作りの最後の仕上げが上手くいってないのに、
他の皆を甘えさせてばかりで
私に少ししか構ってくれなかったからだわ。

あれだけ誘うようなマネをしておいて滑稽だけれど、
早く曲を仕上げなくちゃならない。

このままことりと、
あれよあれよと恋の波にのまれてしまったら、
間違いなく曲の制作が間に合わないッ!

しかも『大切な話がある』なんて言った手前、
何を話すのかと思えば
『ことりと付き合ってます。曲は完成してません』、
だなんて。

メンバー全員からの総攻撃をくらうことになることは
避けられないじゃない!
32: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 23:36:02.78 ID:PQpo5SA4.net
「あぁあ……!
もう、真姫ちゃん可愛過ぎ!
ほっぺがぷっくりして、
えっ、なにこれ!」

「……ことり、悪いことは言わないわ。
 今の内にやめておかないと後戻りできないわよ」

「真姫ちゃん、
ほらあれ言って?」

「ことり、大好き」

右頬がなんだがもふもふして想像してた以上に辛い。

これ、本当に6個も入るのかしら?
と思うことができるのも束の間、
更なる現状打開策を考えなければならない私。

天下無双のクールなマッキーなら、
無事明日を迎えられるはずよ。
33: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 23:38:57.66 ID:PQpo5SA4.net
「はい、二つ目だよ真姫ちゃん」

今度は左頬。

これ、やっぱり意外ときついわね。

思いっきりほっぺたが外側に向けて押し広げられる感覚が、
ずっと続いてる。

「ことり、だいすき」

好きって気持ちだけはちゃんと込めるようにしてるけれど、
ちょっと入ってるだけで声が口の中で鈍く響く感覚がするわ。

外から見たら、
たぶん今頃私のほっぺたはまんまるに膨れてる頃ね。

そんな私を見ていることりはというと、
びっくりするくらいとろんとしたような、
とんでもなく貴重なものを見てるような、
喜色満面の表情。

私もことりにやった時にあんな表情をしてたかと思うと、
なんだか変な気持ち。

でも、それでもことりはとっても可愛い。
この手のロープがなければ襲っちゃいたいくらい。

――ダメよ、そんなんじゃ。
タイミングはまだよ。
34: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 23:41:06.02 ID:PQpo5SA4.net
「はい、3つ目」

ことりに言われるままに口を開けて、
またマシュマロを詰め込まれる。

ぷくっと普段からは想像できないくらいに膨らんだ頬を見て、
目をきらっきらさせる私の彼女。

「あ〜ん、もう!
 真姫ちゃん可愛過ぎるからっ。
 もうどうすればいいのか分かんないよ!」

と、そこで。

ことりが私の脚から腰を上げて、
ベッドに横になって悶え始めてしまった。

これはチャンスと言わんばかりに、
私は後ろになっていた手を上から回して、
急いで袋の中にマシュマロを出す。

そして「えっ!?真姫ちゃんっ?」
って慌ててることりをロープで縛られたままの手で確保した。

さあ、ここからが大切よ。

ここで上手くセリフを誘導しないと
今日は一夜をちゅんちゅん明かすことになって、
明日の放課後には二人で音ノ木坂から逃避行する羽目になるわ。
35: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 23:44:37.45 ID:PQpo5SA4.net
「ごめんことり。
 さっきはあんなことさせて」

「……ずるいよ、真姫ちゃん」

まずはワンクッション。

出来るだけ冷静な声音を作って言うと、
ことりは目をそらしてくる。

最初から今日は何もしないと言ってはことりを傷つけてしまうわ。

慎重に言葉を選ぶの。

今彼女が求めてるものは何?

自分で言うのも自惚れてるかもしれないけれど、
たぶん私よね。

そして私をあげちゃうと、
二人はバッドエンド。

だから私は彼女の興味を引けてかつ、
私が妥協できるような条件を提示しなければならないわ。

「ことり。お詫びに、今日は私の家に泊まってく?」

「いいの?」

ことりがこっちを向く。

良い食い付きね。

私は冷静に作曲に打ち込める自信が、今はある。

ここですかさず先手を打ってエッチはなしと言っておけば、
耐えしのぐことができるはずよ。
36: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 23:47:11.89 ID:PQpo5SA4.net
「ええ、もちろん。
でもこんなに興奮した状態で言うのもおかしいけれど、
エッチなことはこれでおしまい。
絶対に寝不足になるから、
手を繋いで一緒に寝るだけにしましょ?」

「真姫ちゃんのイジワル。
 もうドキドキしてばっかりで、
収まりなんてつかないよ」

「ことり、ごめんなさい。
それは本当に私が悪いし、
本当のところを言うと私も全然収まりがつかないわ。
 でも今日は作曲をしなくちゃいけないのよ。
 また今度の休みまでのお楽しみにしましょ?」

「うぅ……」

「いいでしょ、ことり?」

「……いいよ」

最後に肯定を促すように耳元で名前を囁いてあげると、
今日一番の私色の顔で何とか納得してくれたみたい。

それに今言った事は、
別に嘘じゃないわ。

本当のこと。

ただ単にことりと一緒に寝るのも、
悪くないと思うの。

それに明日皆にこのことを話すんだから、
そういうことは公認になってからでもいいでしょ?
37: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 23:49:02.71 ID:PQpo5SA4.net
ほんとに寝ちゃったんだ、真姫ちゃん。

今はもうすっかり夜も更けて、
いわゆる深夜の時間帯。

あの後私は顔をずっと真っ赤にしたまま
真姫ちゃんと一緒にご飯を食べて、
一緒に明日の準備をして、
一緒にお風呂は……入らなかったけれど。

作曲のお手伝いになるように話し相手をしてあげていると、
あっという間に時間が過ぎちゃった。

それで結局、
私の大好きな彼女の宣言通り手を繋いで一緒に寝ているだけ。

なんでっ?
なんで真姫ちゃんはそんな冷静でいられるの!?

ことりはさっきから死んじゃいそうなくらいドキドキしてるのに、
すやすやと寝ちゃって。
私に襲われちゃっても知りませんからねっ。

なんて思ってしまったところで、
甘い誘惑が。

ひょっとして、
今真姫ちゃんを襲っても気付かれ、ない?

だめだめだめ、そんなのダメだよ。

ことりがおかしな人になっちゃう。

真姫ちゃんの傷つくようなことをしたらダメだって、
分かってるでしょ?
38: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 23:52:19.23 ID:PQpo5SA4.net
目の前にいる真姫ちゃんは、
確かに無防備すぎるけど……。

すやすやと寝息を立ててる表情も、
昼間に何度もあわせた艶々の唇も、
優しく握ってくれてる手も、
全部が愛しいから。

きっと私が普段からスキンシップしてあげてないから、
今日は暴走しちゃったんだよね?

私もさっきは、その、
勢いで色々やれちゃいそうだったけれど、
やっぱり恥ずかしいから。

じゃあ、その練習……

少しだけっ!

少しだけなら、
別にしてもいいよね?

私を無視して寝ちゃった真姫ちゃんが悪いんだから。

ほっぺにちゅって、しちゃうからね。

「……ことり、好きよ」

――私の気配、寝てても分かったのかな。

明日皆と別れた後で、
私からキス、してみてもいいのかな。

だから今はとりあえず、ほっぺに一
回だけ。

おやすみ、
真姫ちゃん。
39: 今日はキスの日らしいぜ(神宮)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 23:53:36.06 ID:PQpo5SA4.net
倍以上が昨日加筆したとこだから変なのあっても気にしないでくれ

俺はえっち目的のものは書くつもりはないし、今日も書いてない

オーケー?

そういうのは誰かに任せる

撤退するぜ
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『真姫「ことりに罰を与えるわ」』へのコメント

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