花陽(26)「初夏のはなよ酒」

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花陽-アイキャッチ24
1: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/21(土) 17:25:49.28 ID:pIRidyuS.net
ガチャッ

花陽「ただいま〜・・・今日も疲れました・・・」

仕事が終わり午後8時、ようやく安らぎの我が家に帰宅です♪

花陽「ご飯が炊けるまでには・・・、まだ時間がありますね」

なら、やることはひとつ!
もちろん、仕事終わりの一杯です!

元スレ: 花陽(26)「初夏のはなよ酒」

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2: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/21(土) 17:26:21.67 ID:pIRidyuS.net
花陽「今年もとうとう夏らしくなってきたね!」

まだ入梅前だけど、照りつける日差しや、灼けたアスファルトは夏の訪れを感じさせます。

花陽「日本の夏にはやっぱり冷酒ですよね?」

日本人たるもの、やっぱり暑い夏は是非冷酒・・・特に夏酒をいただきたいものです。
この時期は酒屋さんにも夏酒が多く並んでいて、見た目も涼しげなブルーの瓶や、キリッと辛い夏吟醸、フレッシュで爽やかな生酒などなど・・・種類も豊富です。
今日はそんな夏向きのお酒の中から、この一本・・・。
4: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/21(土) 17:27:11.13 ID:pIRidyuS.net
花陽「『五橋 純米 生酒』獺祭と並ぶ、山口県の人気銘柄だね」

使用米は山口県産の日本晴と山田錦。
夏酒としては比較的早い4月後半から販売されてるね。

花陽「合わせるおつまみは、イサキのお刺身にしましょう!お酒と同じく山口県産です♪」

本格的な夏の一歩手前、特に梅雨時期のイサキは非常に美味しいことで有名です。

花陽「イサキは皮も美味しいから、軽く塩で締めてから湯霜造りにしようかな」

塩を馴染ませてる間に、お湯を沸かして、お酒も用意して・・・。

うん!今日も楽しい晩酌になりそうです♪
6: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/21(土) 17:29:34.51 ID:pIRidyuS.net
花陽「さぁ、準備できましたよ♪」

テーブルにお酒とお刺身を並べて、準備は万端。
酒器も夏らしく青色のガラス製の物にしてみました!

花陽「早速お酒からいただいてみましょう♪」チビリ

花陽「おいしい・・・万人受けしそうな癖の無い甘みに、微かに残った爽やかなガス感・・・いいお酒だね」チビチビ

口当たりも良く柔らかい感じだけど、ボテっとはしてなくて後味は軽快。
とても上手くまとめられていて、純米吟醸と大差ない味わいだね。

花陽「・・・イサキさんも食べちゃおうかな」

皮付きのお刺身に山葵とお醤油と付けて、パクッと一口・・・。

花陽「うぅ〜ん、やっぱりこの時期のイサキは美味しいです!身の甘さに加えて、この皮の旨み・・・あぁ、お酒がすすみます」チビリ

居酒屋さんやスーパーではイサキは皮を引いてお刺身にしてることが多いけど、絶対もったいないよね!
だってこんなに美味しいんだもん。
8: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/21(土) 17:34:53.58 ID:pIRidyuS.net
花陽「はぁ・・・こうやって夏の肴で夏酒を飲む・・・いいものですね・・・」チビチビ

爽やかな冷酒を楽しむなら、やっぱり夏が一番でしょう。
季節の肴とセットならなおさらです。

花陽「冬の燗酒に夏の冷酒、この季節感も日本酒の醍醐味だよね」チビリ

なんて考えてたら、燗酒が飲みたくなってきました。
クーラーをきかせた部屋で燗酒っていうのも、いいかもしれないね・・・。

ピーピーピー!

花陽「あ、ご飯炊けたみたい!お酒の残りも・・・、蒸らし時間にちょうどよさそうだね♪」

部屋中に充満したご飯の匂い、美味しいおつまみ、美味しいお酒・・・。

花陽「これが、今日という日を生き抜いたごほうびです・・・」
11: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/21(土) 17:41:16.59 ID:pIRidyuS.net
花陽「そういえば・・・今日も課長はひどかったです・・・」

私の課の課長は、怠け者でいい加減で自由人で・・・とにかく非常識な人なんだけど・・・。

花陽「なんだか最近、ようやくスマホの使い方を覚えたらしいんですよ・・・」

会社の携帯がスマホになってから、早1年・・・機械オンチの課長もついに適応したみたいです。

花陽「自分で写真も送れるようになったし、ネット検索もできるようになったみたいなんだよね」

最初はかかってきた電話に出ることすら出来なかったことを考えれば、目覚しい進歩です。
13: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/21(土) 17:46:11.78 ID:pIRidyuS.net
花陽「それだけなら喜ばしいことなんです・・・そう、それだけなら・・・」

問題は課長の進歩がそこで止まらなかったことなんだよね・・・。

花陽「昨日ついにゲームアプリのインストールに成功しちゃったみたいで・・・今日は朝から仕事そっちのけでゲーム三昧ですよ!」

課長が仕事をしないのはいつものことだけど、さすがにゲームはないですよ・・・。

花陽「はぁ・・・課長があんなんじゃ、せっかく入ってきた新人さんにも示しがつかないじゃないですか・・・」

なんだか思い出したらなんだかイライラしてきました・・・。

花陽「もう!こういう時こそお酒ですよね!課長のことなんて忘れましょう!」ゴクゴク

ああ、荒んだ心にお酒が染みる・・・。
15: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/21(土) 17:51:10.04 ID:pIRidyuS.net
花陽「はぁ・・・今年ももうすぐ夏かぁ・・・」チビリ

ついこの間新年度が始まったと思ったら、気付けば桜も散り、サンサンと太陽の光が降り注ぐ季節になってました。
年を重ねるにつれて、時間の流れが早く感じるようになってきてる気がするね。

花陽「梅雨が終われば、本格的に夏の繁忙期だね・・・」チビチビ

夏、特にお盆の頃は仕事が大変な人も多いんじゃないかな?
業種によっては、お盆休みも関係なく働くこともあると思います。

花陽「さてと、そろそろご飯にしようかな・・・これから忙しくなるし、ちゃんと体力付けておかなくちゃね!」

窓の外、夏の星座たちを眺めながら、私の夜はすぎていくのでした・・・。
18: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/21(土) 18:01:39.15 ID:pIRidyuS.net
ガチャッ

凛「ただいま〜、今日も疲れたにゃ・・・」

仕事帰りにラーメン屋さんに寄って、部屋に着いたのが午後8時。
セットの餃子で軽くビールを飲んできたけど、まだまだ夜はこれからだもんね!

凛「いいお酒もあるし、もう一杯飲んじゃっと♪」

もう少し飲んじゃってるけど、仕事終わりの一杯だにゃ!
20: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/21(土) 18:07:16.36 ID:pIRidyuS.net
凛「今日はかよちんが進めてくれた日本酒を飲んでみるにゃ!」

この前かよちんと一緒に酒屋さんに行った時に「これ、凛ちゃんにぴったりだと思うな♪」って勧めてくれたんだよ。

凛「『新政 白麹仕込純米酒 亜麻猫』ラベルに猫の絵が描いてあるね」

・・・もしかしてかよちん、猫だからこのお酒を勧めたりしたのかな?

凛「おつまみは・・・冷凍の枝豆でいっか」

手の込んだ料理なんて出来ないし、枝豆ならどんなお酒にでも合うもんね。
さっそく枝豆を解凍して・・・。

よぉし、日本酒飲んじゃうよ!
21: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/21(土) 18:11:45.58 ID:pIRidyuS.net
〜〜〜〜〜〜

手早くお酒とお猪口、それからおつまみをテーブルに並べて準備完了!
かよちんの影響で日本酒を飲み始めてから、晩酌の準備にもだんだん慣れてきちゃったね。

凛「やっぱりこうやって日本酒の瓶をテーブルに置くと、大人っぽくていい感じ」

多分、今の凛はにこちゃんより何倍も大人だにゃ。

凛「お猪口にお酒を入れて・・・よし!いっただっきまーす♪」チビリ

凛「・・・これ、甘酸っぱくて美味しい!それになんだか日本酒っぽくなくて飲みやすい感じ・・・」チビチビ

甘酸っぱいって言っても、花陽浴みたいな甘み中心じゃなくて、酸味中心の甘酸っぱさ・・・って感じかな?

凛「これならかよちんが勧めてくれるのもわかるかも」チビリ

理由は猫だけじゃなくて、味にもあったんだね。
22: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/21(土) 18:14:51.76 ID:pIRidyuS.net
凛「そうだ、枝豆も食べよ」

お皿から枝豆を一房取って、口に当ててぷちっと押し出して・・・。

凛「・・・うん、平凡だけど合うね。やっぱり枝豆は万能おつまみだにゃ」チビチビ

ビールに枝豆、焼酎に枝豆、日本酒に枝豆・・・枝豆ってどんなお酒にも合うよね!

凛「冷酒と枝豆、なんだか夏って感じだよね」チビリ

夏・・・そうだよね、もうだいぶ暑くなってきたし、今年も夏は目の前なんだ。
24: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/21(土) 18:18:58.98 ID:pIRidyuS.net
凛「今年こそ・・・今年こそかよちんに好きだっていうんだ」

毎年そう思って、ずっと言えずにいた。
でも、星見をしたときに決めたんだ。今年こそはちゃんと伝えるって。

凛「女の子同士で好きだなんて、おかしいのはわかってる・・・」

困らせちゃうかもしれない、迷惑をかけちゃうかもしれない、もしかしたら嫌われちゃうかもしれない、でも・・・。

凛「それでも言うんだ、今年こそ・・・」

感じている不安をかき消すように、お猪口に残った日本酒をあおる。

凛「・・・甘酸っぱくて美味しい」

その甘酸っぱさが、何となくかよちんへの恋心に似ている気がして・・・
そんなお酒の味に自分の気持ちを重ねながら、凛の夜はすぎていきました・・・。
45: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/22(日) 17:45:17.99 ID:983PTrZj.net
ガチャッ

花陽「ただいま〜・・・うわぁ部屋も暑いね、とりあえずエアコン付けなきゃ・・・」

仕事が終わり午後8時、ようやく安らぎの我が家に帰宅です♪

花陽「ご飯が炊けるまでには・・・、まだ時間がありますね」

なら、やることはひとつ!
もちろん、仕事終わりの一杯です!
46: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/22(日) 17:46:04.35 ID:983PTrZj.net
花陽「さぁ、今日も夏酒を飲んじゃいます!」

今日もかなり気温が上がって、絶好の冷酒日和。
お仕事で疲れた体を、お酒で癒しちゃいましょう!

花陽「疲れた時には・・・やっぱり甘いお酒かな?」

疲れた体と心には、甘いものが一番。
と、いうわけで本日はこのお酒です!

花陽「『花陽浴 純米大吟醸 美山錦 直汲み』夏仕様の花陽浴です!」

春の無濾過生原酒から直汲み生原酒に変わり、ボトルも爽やかな水色。
夏の花陽浴直汲みシリーズの第一弾です。

花陽「おつまみは焼きそら豆にしようかな・・・」

茹でるか焼くかで迷ったけど、今日は焼くことにしましょう。
さやに軽く切れ込みを入れてから、魚焼きグリルでじっくり焼いていきます。

うん!今日も楽しい晩酌になりそうです♪
47: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/22(日) 17:51:52.62 ID:983PTrZj.net
花陽「さぁ、準備できましたよ♪」

テーブルにお酒とおつまみを並べて準備万端。
綺麗な水色の酒瓶、そしてそら豆の香ばしい香りがたまりません!

花陽「さてと、それではお酒から・・・いただきます♪」チビリ

花陽「うん、やっぱり美味しいね♪花の蜜や果物のような甘酸っぱさ・・・期待通りです!」

やっぱり夏も花陽浴は安心の味ですね。
この美山錦の純大は春にも飲んだけど、そのときの無濾過生原酒と比べるとガス感や酸味が少なく、上立ち香も控えめかな?

花陽「でも含み香がすごく良いね、口に含んだ瞬間に濃厚な甘い香りが広がって・・・これは堪りません」チビチビ

味も香りも、とても甘酸っぱくフルーティーで可愛らしい。
まるでパイナップルのリキュールを飲んでいるようにも感じるね。
48: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/22(日) 17:55:35.42 ID:983PTrZj.net
花陽「さてと、そら豆さんも食べちゃおうかな・・・」

火傷しないように注意しながら、まだ熱いさやから中身を取り出して・・・
ちょこっとお塩を付けて、パクッと一口。

花陽「うん!しっかり甘みもあるし、ほくほくしてて美味しい!花陽浴とも合うね・・・」チビリ

お酒には、自分が主役になれるようなお酒と、お料理を引き立てる脇役的なお酒があるけれど、花陽浴はあきらかに前者です。

花陽「ならいっそ、主役はお酒と決めておつまみを選んだほうがいいかもしれないよね・・・でも、前にカジキの竜田揚げと合わせたけどあれもなかなか・・・」チビチビ

このお酒と完璧に合うおつまみを見つけるのは、まだまだ先になりそうだね・・・。

ピーピーピー!

花陽「あ、ご飯炊けたみたい!お酒の残りも・・・、蒸らし時間にちょうどよさそうだね♪」

部屋中に充満したご飯の匂い、美味しいおつまみ、美味しいお酒・・・。

花陽「これが、今日という日を生き抜いたごほうびです・・・」
49: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/22(日) 17:56:36.84 ID:983PTrZj.net
花陽「そういえば、このお酒は手に入れるのが少し大変だったね・・・」チビリ

いつもの酒屋さんでうっかり買い逃しちゃって、ネット通販でも売り切れ、どうしようか迷った挙句・・・

花陽「花陽浴の蔵元、南陽醸造さんまで行ってきました!」

南陽醸造さんは東京から電車で約2時間ほどの、埼玉県羽生市にあります。
最寄り駅で電車を降りて、景色を眺めながら10分ほど歩けば、蔵は目の前です。

花陽「話には聞いてたけど、やっぱり小さな蔵だったね。周りも田んぼや畑が多くて、田舎のこぢんまりとした造り酒屋さんって感じだね」

事務所(多分)の隣には販売処が併設されていて、そこでお酒を購入することができます。
販売処にはお酒の他にも、「花陽浴」や「南陽」の文字が入ったお猪口や、前掛け、Tシャツなどのグッズが売られていました。
51: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/22(日) 17:59:08.94 ID:983PTrZj.net
花陽「私はお酒を3本、それからお猪口を買ってきました」

今こうして飲んでいる直汲みが買ってきたうちの1本だね。

花陽「もともと好きな銘柄だったけど、実際に蔵元まで足を運んで買ってきて、前よりもっと好きになった気がするね」チビチビ

お酒はその土地の風土、そして人が育むものです。
自分の好きなお酒がどんな場所で造られているのか、それを見れたことも収穫だったと思います。

花陽「6月は雄町の直汲み、その後は山田錦とさけ武蔵って言ってたかな?八反錦は9月の火入れまで待たなきゃいけないみたいだけど、これからも花陽浴は楽しみです・・・」チビリ

・・・蔵元まで行くのは楽しかったけど時間もかかるし、今度は買い逃さないように注意しないとだね。
52: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/22(日) 18:01:31.76 ID:983PTrZj.net
花陽「あっ、あとひとつ蔵元で気になることが・・・レジの横にお人形が置いてあったんだけど、あれはなんだったんだろう・・・?」

レジの横、小さな箱に制服を着た女の子のお人形が飾ってあったんだよね・・・。

花陽「お酒とは無関係だと思うけど、ちょっと気になるよね」

思い返してみると、制服のデザインに見覚えがあるような気がします。
それに気のせいだと思うけど、髪型や顔つきがなんだか私に似てたような・・・。

花陽「・・・まあいっか、あの人形が何なのかは今度蔵元に行く機会があったら聞いてみればいいよね。明日もお仕事だし、そろそろご飯を食べて明日に備えましょう!」

窓の外、夏の星座たちを眺めながら、私の夜はすぎていくのでした・・・。
68: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 17:06:06.42 ID:i8nEFJyg.net
ガチャッ

花陽「ただいま〜・・・うわぁ部屋も暑いね、とりあえずエアコン付けなきゃ・・・」

仕事が終わり午後8時、ようやく安らぎの我が家に帰宅です♪

花陽「ご飯が炊けるまでには・・・、まだ時間がありますね」

なら、やることはひとつ!
もちろん、仕事終わりの一杯です!
69: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 17:06:40.85 ID:i8nEFJyg.net
花陽「今日は頂いたお酒を飲みたいと思います!」

お客さんがお土産にと日本酒を持ってきてくれたんです。
夏酒ではないけど、せっかく頂いたんだしありがたく飲んじゃいましょう。

花陽「『磯自慢 中澄み 大吟醸』静岡県焼津市を代表する銘酒だね」

まさかこんなお酒が頂けるなんて思いませんでした・・・300mlの小瓶だけど、これ結構高いよね?

花陽「合わせるおつまみは鰹のお刺身にしましょう」

焼津といえば、日本を代表する鮪・鰹の水揚げ基地としても有名です。
ちょうど上り鰹の時期だし、合わせない手はありません。

花陽「軽くヅケにして・・・薬味も少し遊んでみようかな」

切りつけた鰹を煮切醤油に数分漬けて、薬味は和からしと一味唐辛子にしちゃいましょう。

うん!今日も楽しい晩酌になりそうです♪
70: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 17:11:15.61 ID:i8nEFJyg.net
花陽「さぁ、準備できましたよ♪」

いつも通りテーブルにお酒とおつまみを並べます。
いつもの一升瓶と違って、小ぶりな瓶はなんだか高級感があるようにも感じるね。

花陽「それではさっそくお酒から・・・いただきます♪」チビリ

花陽「・・・さすがにこのクラスのお酒は美味しいですね。華やかな上立ち香はしっかりと感じられて、口に含むと爽やかな甘みが心地いい・・・味も香りも透明感があって、とても綺麗なお酒だね」チビチビ

そして後味はすっきりとキレます。
華やかな上立ち香といい、後半のキレの良さといい、純米ではなかなかこうはいきません。
アルコール添加された大吟醸らしい、かなりお上品で爽やかな辛口酒だね。

花陽「最近人気のお酒は純米系、特に上立ち香よりも含み香を重視したものが多いけど、このお酒はまた違った味わいだね」チビリ

一時の度を越した醸造アルコールの添加などの影響もあり、酒は純米という流れが出来上がっているけれど、決してアルコール添加自体が悪いわけではないんだよね。
私も純米系のお酒を飲むことが多いけど、アル添にはアル添の美味しさがあるんです。
71: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 17:13:20.31 ID:i8nEFJyg.net
花陽「・・・このお酒なら、絶対鰹と合うよね」

このお酒のキレと鰹・・・合わせる前からわかります、絶対に相性いいです!
そんな確信めいた期待を胸に、まずは和からしを付けて一口・・・。

花陽「う〜ん!合う!合いますよ!からしの程よい辛味と鰹の味わい・・・最高です」チビチビ

味だけじゃなく香りの面でも、生臭さが消えて上り鰹特有の爽やかな香りが強調されてるように感じます。
普段は生姜と小葱を薬味にすることが多いけど、これも捨てがたいね。
江戸時代は鰹にはからしと相場が決まっていたみたいだし、先人の愛した組み合わせはさすがの味わいです。

花陽「さてと、今度は一味唐辛子をつけてっと・・・」

鰹に一味唐辛子をパラパラと振りかけて口に運びます。

花陽「これも合うけど・・・このお酒には和からしの方が良いかな?なんだかこっちは日本酒より焼酎に合いそうな気がするね・・・」

焼酎と合わせるなら小葱と一味唐辛子を散らして、ポン酢で食べたりするのもいいかもしれないね。
今度焼酎を飲むときにやってみようかな。

ピーピーピー!

花陽「あ、ご飯炊けたみたい!お酒の残りも・・・、蒸らし時間にちょうどよさそうだね♪」

部屋中に充満したご飯の匂い、美味しいおつまみ、美味しいお酒・・・。

花陽「これが、今日という日を生き抜いたごほうびです・・・」
74: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 17:19:38.56 ID:i8nEFJyg.net
花陽「それにしても、今日は暑かったですね・・・」

東京を始め、多くの地域で真夏日を記録したみたいです。
どうりで暑いはずですよ・・・。

花陽「暑いといえば・・・今日の課長ったらもう・・・」

やっぱり今日も課長はおかしかったんです・・・。

花陽「何かの切り替えがうまくいかなかったみたいで、会社のクーラーが付かなかったんですよ。そのせいで確かに社内はすごく暑かったんです」

そんな中、みんな上着を脱いでネクタイを外して、いわゆるクールビズで仕事をしていたんです。
でも、課長だけが脱いじゃいけないものまで脱いじゃったんですよね・・・。
76: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 17:20:31.56 ID:i8nEFJyg.net
花陽「いきなり『暑い!』って言ったと思ったら、ワイシャツまで脱いでタンクトップ一枚になっちゃったんですよ!?もう信じられません!」

お役所や一流企業でもクールビズが推進されているとはいえ、タンクトップで仕事をする会社員なんて聞いたことありません。

花陽「それでもまだ筋肉質な感じならよかったんだけど、あの課長だもん・・・」

私が言える立場じゃないけど、課長は結構・・・お腹とか・・・正直見苦しい感じです。

花陽「私や後輩が、服を着てください!って言っても『ちゃんとタンクトップ着てるじゃないか』とか言うし・・・」

結局、総務の人に怒られるまでは、タンクトップのまま・・・。

はぁ、思い出したらなんだかイライラしてきました・・・。

花陽「もう!こういう時こそお酒ですよね!課長のことなんて忘れましょう!」ゴクゴク

ああ、荒んだ心にお酒が染みる・・・。
77: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/23(月) 17:21:55.91 ID:i8nEFJyg.net
花陽「明日は今日よりは涼しくなるみたいだし、少しはすごしやすくなりそうだね・・・」チビリ

そうは言っても、梅雨、そして夏本番はもう目の前です。
すごしやすい気温の日は、どんどん少なくなることでしょう。

花陽「このすごしやすさを、思う存分満喫しておきましょう・・・」

梅雨や夏は外回りに出るのも億劫になっちゃうし、気持ち良い風を感じながら街を歩けるのは、この時期を逃せばだいぶ先になりそうです。

花陽「今のうちに行かなきゃいけない所は全部周っちゃいましょう!外回りは体力が大事、しっかりご飯を食べて明日も頑張っちゃいますよ♪」

窓の外、夏の星座たちを眺めながら、私の夜はすぎていくのでした・・・。
84: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/24(火) 23:14:38.07 ID:2DkZitoP.net
穂乃果「もう・・・雪穂のせいで待ち合わせに送れちゃったじゃん」

店番を代わってもらって家を出ようとしたら、雪穂ったらどこか行っちゃってるんだもん・・・。

穂乃果「30分遅刻かぁ・・・怒ってないかな」

そんな心配をしながら、待ち合わせの駅前にたどり着いた。
乱れた息を整えながら、周りを見回しているとすこし離れた場所から聞きなれた声が聞こえてきた。

凛「お〜い!穂乃果ちゃ〜ん!」

穂乃果「あっ、凛ちゃん!ごめんね〜、遅くなっちゃって」

凛「いいよいいよ、誘ったのは凛のほうなんだし」

待ち合わせの相手は凛ちゃん。
なにか相談したいことがあるみたいで、それならお酒でも飲みながらのんびり話そうかってことになったんだ。

穂乃果「お店はもう決めてるの?」

凛「うん、かよちんと真姫ちゃんとよく行くお店が近くにあるんだけど、そこでいい?」

穂乃果「もちろん!」

そんなわけで、今日は凛ちゃんと二人でお酒を飲むよ!
85: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/24(火) 23:17:12.42 ID:2DkZitoP.net
〜〜〜〜〜〜

凛ちゃんに連れられて歩くこと5分・・・目的のお店に到着した。
店内は結構落ち着いていて、客層も落ち着いた感じのおじさんたちが中心・・・正直女子向きのお店ではないよね。

「お待たせしました、お先にお通しと生ビールになります」

席に着いて最初の注文を済ませるとすぐにお通しとビールが運ばれてきた。
駅まで走ってきて喉が渇いてたから、もう我慢できないよ!

穂乃果「じゃあ早速」

凛「うん!」

ほのりん「かんぱ〜い♪」

凛ちゃんと軽くジョッキを合わせて、乾いた体にビールを流し込む。

穂乃果「ぷっはぁぁ!やっぱり喉が渇いてるときのビールって最っ高!」ゴクゴク

凛「うんうん!やっぱり一杯目のビールより美味しい飲み物なんて存在しないにゃ!」ゴクゴク

凛ちゃんの言うとおり、この一杯目のビールに勝てる飲み物なんてないよね。
86: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/24(火) 23:19:12.87 ID:2DkZitoP.net
穂乃果「ねえねえ、それで相談っていうのは何なの?」

凛「え!?えっと・・・それは・・・」

私がそう問いかけると、ビールを飲んで元気一杯だった凛ちゃんが、なんだかモジモジしだした。

穂乃果「お仕事の悩みとか?」

凛「いや・・・仕事のことじゃないんだけど・・・」

やっぱりモジモジしながら、凛ちゃんがそう答える。
仕事の悩みじゃないとすれば・・・かよちゃんのことかな?
87: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/24(火) 23:21:10.62 ID:2DkZitoP.net
穂乃果「わかった!かよちゃんとケンカでもしたんでしょ?」

凛「・・・」

穂乃果「あ・・・あれ?」

凛ちゃんはなんだか複雑な表情・・・。
あれ?・・・結構深刻な話だったりする・・・?

凛「・・・穂乃果ちゃん、この話はもう少し飲んでからにしようよ」

後輩に頼られるのは嬉しいけど、もしかしたら穂乃果には荷が重いかもしれない。
そんなことを思いながら、私は凛ちゃんの言葉に頷いた。
88: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/24(火) 23:22:22.83 ID:2DkZitoP.net
〜〜〜〜〜〜

凛「穂乃果ちゃん!次は日本酒飲むにゃ!」

あれからビールを3杯ほど飲んで、凛ちゃんがそんなことを言い出した。
さっきの深刻な雰囲気はどこへやら・・・お酒を飲んでるときの凛ちゃんはいつも通り明るい・・・むしろ上機嫌な凛ちゃんで、なんだか拍子抜けだ。

穂乃果「あれ?凛ちゃんって日本酒飲んだっけ?」

凛「えへへ、最近飲むようになってね、結構ハマってるんだぁ」

そういえば、前に凛ちゃんからLINEで日本酒の画像が送られてきたことがあった気がする。
私も日本酒は好きだし、正直ビールはもうお腹一杯だから、凛ちゃんの申し出はありがたかった。
89: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/24(火) 23:23:47.54 ID:2DkZitoP.net
穂乃果「へぇ、じゃあ穂乃果も付き合うよ。どれにする?」

凛「あれにしようよ」

そう言って凛ちゃんが、壁に貼られたポップを指差す。

穂乃果「『青煌 純米吟醸 山田錦』ってやつ?」

凛「うん!『若き醸造家がつるばら酵母で醸す美酒 春の生酒に続き、夏は火入れで登場』だって」

穂乃果「なんだか美味しそうだね、それにしようか」

相談の内容も気にはなるけど、今はこうして楽しそうな凛ちゃんに付き合ってお酒を飲んでいよう。

凛「よぉし、お酒も決まったし、ビールも早く飲んじゃっと」ゴクゴク

穂乃果「じゃあ、私頼んじゃうね」

ジョッキに残ったビールを美味しそうに飲み干す凛ちゃんを眺めながら、私は日本酒を注文した。
94: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/25(水) 17:33:46.66 ID:6VF81oVz.net
「お待たせいたしました、こちら青煌です」

ほどなくしてお酒が運ばれてきた。
2合徳利にお猪口は2つ、そのお猪口にお互いにお酌して・・・。

ほのりん「いただきます・・・」チビリ

口に含むとほんのり甘い、香りや旨みは薄いけど、澄んだ味で飲みやすい感じ。
アルコール感もないし、嫌味な感じが全然しない。

穂乃果「スッキリしてて美味しいね!いくらでも飲めちゃいそう」チビチビ

凛「うん・・・そうだね・・・」チビリ

・・・あれ?また雰囲気が変わった。
さっきまで楽しそうにしてたのに、最初に私が相談について尋ねたときみたいな表情だし・・・。
95: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/25(水) 17:35:37.26 ID:6VF81oVz.net
穂乃果「凛ちゃん・・・?」

凛「・・・」チビリ

凛ちゃんはお酒を一口飲んで、顔を上げた。
きっと自分を奮い立たせるための一口だったのだろう。
そして凛ちゃんは私をまっすぐに見つめて・・・

凛「ねぇ、穂乃果ちゃん。相談・・・聞いてもらえるかな?」

ようやく、その言葉を聞くことが出来た。
穂乃果なんかが役に立てるのかはわからない。
でも、せっかく凛ちゃんが頼ってきてくれたんだもん。私にできることなら、力になってあげたい。

穂乃果「もちろん!」

だから私も、凛ちゃんをまっすぐ見つめ返して、そう答えた。

凛「ありがとう・・・」

不安そうな、でもどこか安心したような顔で凛ちゃんは微笑んで、そして・・・

凛「凛ね・・・かよちんのことが好きなんだ・・・」

そう呟いた。
96: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/25(水) 17:45:30.46 ID:6VF81oVz.net
穂乃果「・・・へ?凛ちゃんがかよちゃんのこと好きだなんて、そんなこと・・・」

みんな知っている。
そう言いそうになった。

凛「・・・」

でも凛ちゃんの表情はどこか悲しげで・・・
ああ、そうか。そういうことなんだ。だから凛ちゃんは話を切り出すのを躊躇していたんだ。

穂乃果「そっか・・・そうだったんだね」

凛「うん・・・」

そしてまた凛ちゃんは黙り込んで・・・
その間、私たちは黙ってお酒を飲んでいた。
97: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/25(水) 17:53:50.11 ID:6VF81oVz.net
凛「・・・ずっとまえからね、告白したいと思ってたんだ」

しばらくして決心がついたのか、再び凛ちゃんが話し始めた。
こんな内容だもん、こうして私に話すのも勇気がいることだろう。

凛「凛、ダメな子だからさ・・・ずっと勇気がなくて、言えなくて・・・でもね、学生の頃はそれでもいいと思ってたんだ。これから先・・・いくらでもチャンスはあるんだって、そう思ってた・・・」

穂乃果「・・・」

凛「でも、それは違ったんだ。卒業して、大人になって、働き始めて・・・この気持ちがどんなにおかしいものなのか、かよちんにどれだけの迷惑をかけちゃうか・・・それがわかっちゃったから」

穂乃果「凛ちゃん・・・」

凛「それでもね、言うって決めたんだ。自分の気持ちがおかしくても、かよちんに迷惑がかかっても、ちゃんと言うって・・・」

穂乃果「そうなんだ・・・」

凛「ごめんね、ほんとは相談なんかじゃなくて、ただこのことを誰かに聞いて欲しかっただけなんだ・・・もう逃げたりしないように・・・」

凛ちゃんはそう言いながら軽く微笑んで、でもその顔はやっぱりすこし悲しげで・・・見てるこっちが堪らなくなってしまった。
きっと凛ちゃんはただ話を聞いて欲しかっただけなんだろう、でも私は少しでも凛ちゃんの気持ちを軽くしてあげたくて、背中を押してあげたくて・・・気付けば口を開いていた。
98: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/25(水) 18:05:11.72 ID:6VF81oVz.net
穂乃果「・・・ねえ、凛ちゃん。凛ちゃんがかよちゃんのことを好きだっていうことは、凛ちゃんが思ってるほどおかしいことじゃないんじゃないかな?」

凛「そんなこと・・・」

穂乃果「だって、私の友達でも女の子同士で付き合ってる子もいるし、私はその子たちのことをおかしいと思ったことなんて一度もないよ?外国なら同性婚だって出来るんだし、凛ちゃんの気持ちがおかしいだなんて・・・そんなこと絶対にない!」

凛「穂乃果ちゃん・・・」

お酒のせいだろうか、自分でもなんでこんなに必死になっているのかわからなかった。

穂乃果「だから凛ちゃん・・・ファイトだよっ!穂乃果、応援するから!」

凛「穂乃果ちゃんに相談してよかった・・・うん!凛、頑張るよ!」

そう言う凛ちゃんの笑顔は、さっきよりもずっと明るくて・・・こんな自分が力になれたことがなんだか嬉しかった。

穂乃果「その意気だよ!まだまだ夜は長いし、飲みながら色々聞かせてよ?」

凛「え?色々って・・・?」

穂乃果「そうだなぁ・・・ここはやっぱり凛ちゃんがいつ頃かよちゃんを意識し始めたのか、からかな」

私はニヤリと笑いながら、お酒を口に含んだ。
さっきより温くなったお酒は、甘みが増していて、けれど爽やかさはそのままで・・・。
凛ちゃんの恋がこのお酒の味みたいになればいいな、なんて思ってしまったのでした。
99: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/25(水) 18:06:40.17 ID:6VF81oVz.net
〜〜〜〜〜〜

穂乃果「この時間になると、やっぱり涼しいね〜」

会計を済ませて二人でお店を出た。
時間は11時をまわっていて、夜風が気持ちよかった。

凛「穂乃果ちゃん、今日はありがとう。なんだか勇気出てきたにゃ」

穂乃果「そっか、役に立てたならよかったよ」

誰もいない道、私の前を歩く凛ちゃんはどこか楽しげな様子だった。
そんな楽しげな背中に、私は今日ずっと疑問に思っていた質問を投げかける。

穂乃果「ねえ、凛ちゃん。どうして凛ちゃんは、穂乃果にこんな相談をしたの?」

話のしやすさなら同級生の真姫ちゃんの方がいいだろうし、本当にアドバイスを貰うつもりなら絵里ちゃんか希ちゃん・・・それかことりちゃんあたりだろう。
なのに私が選ばれたことが、ずっと不思議でしょうがなかった。

凛「う〜ん・・・なんでかなぁ・・・」

薄く曇った空を見上げながら、凛ちゃんはクルリと振り返って・・・。

凛「穂乃果ちゃんなら、凛の気持ちをわかってくれると思ったから、かな」

薄い光に照らされて、そう言いながら微笑む凛ちゃんは、私の目から見てもとても魅力的だった・・・。
104: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/26(木) 16:29:05.01 ID:cC+Ku3Ze.net
ガチャッ

花陽「ただいま〜・・・うわぁ部屋も暑いね、とりあえずエアコン付けなきゃ・・・」

仕事が終わり午後8時、ようやく安らぎの我が家に帰宅です♪

花陽「ご飯が炊けるまでには・・・、まだ時間がありますね」

なら、やることはひとつ!
もちろん、仕事終わりの一杯です!
105: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/26(木) 16:30:31.24 ID:cC+Ku3Ze.net
花陽「今日も結構暑かったね・・・」

やっぱり今日も東京は気温が上がって、外を歩いていると汗ばむ陽気でした。

花陽「こんな日には暑さを吹き飛ばすような、シュワッと爽やかなお酒が飲みたいです・・・」

というわけで、本日はこのお酒!

花陽「『獺祭 発泡にごり酒 スパークリング50』その名の通り獺祭のスパークリングです!」

瓶内二次発酵、純米大吟醸、にごり酒、そしてアルコール度数は15度と、スーパーで購入できる大手の人気スパークリング日本酒とは少々違った仕様です。
値段もすこし高めだけど、飲兵衛の若者を中心に人気の高いお酒だね。

花陽「合わせるおつまみは、ヒラメの縁側です!」

魚屋さんで縁側だけがパックで売っていたので、買ってきちゃいました。
銚子産のかなり大きなヒラメの縁側です!

花陽「せっかくのスパークリングなんだし、ちょっと遊んでみましょうか・・・」

冷蔵庫から芽葱と柚子胡椒を取り出して、それを食べやすい大きさに切った縁側でクルクルと巻いてみます。
それをお皿に並べてから、ほんの少しだけ岩塩を振りかけて・・・。

うん!今日も楽しい晩酌になりそうです♪
106: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/26(木) 16:35:33.59 ID:cC+Ku3Ze.net
花陽「さぁ、準備できましたよ♪」

今日はスパークリングだからワイングラスで飲んじゃいます!
お酒は可愛い1合瓶、おつまみもお洒落な感じにできたし、なんだかいつもと違って新鮮です。

花陽「それではさっそくお酒から・・・いただきます♪」チビリ

花陽「・・・あ、これ美味しい!口に含むとまずはにごり酒特有のまろやかな甘み、それから炭酸の刺激が追いかけてきて爽やかだね・・・最後はしっかりとしたお米の旨みも感じます・・・」チビチビ

上立ち香は獺祭らしくフルーティー、でも若干のアルコール臭があります。
しかし、その点を考慮しても美味しく飲みやすいお酒です。

花陽「にごりの旨みとまろやかさを活かしつつ、炭酸で爽やかに流す甘めのお酒・・・。これは若い層に人気なのもわかります・・・」チビリ

私はシャンパンとかはあまり飲んだことないけど、多分似たような感覚で飲める日本酒なんじゃないかな?
普段から日本酒を飲む人はもちろんのこと、日本酒初挑戦!って人にはこんなお酒が最適かもしれません。
107: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/26(木) 16:38:09.62 ID:cC+Ku3Ze.net
花陽「この辺で縁側もいってみましょうか」

実はこの芽葱+柚子胡椒の組み合わせは、洋酒用に考えたものなんだよね。
でもきっとこのお酒なら合うと思います!
形を崩さないようにお箸で摘んで・・・。

花陽「・・・やっぱりいけるね!コリッとした食感と脂の旨み、そして柚子胡椒と芽葱のスッキリ感・・・これはこのお酒に合います・・・」チビリ

お好みで岩塩をお醤油やワインビネガーに変えたり、オリーブオイルをたらしてみたりしても面白いかもしれません。

花陽「やっぱりこれなら、ちょっとしたアレンジでウイスキーやワインにも合いそうだね」チビチビ

ピーピーピー!

花陽「あ、ご飯炊けたみたい!お酒の残りも・・・って、もう残ってないじゃないですか!」

そりゃそうだよね、たった1合だもん・・・。

花陽「蒸らし時間をただなにもせずにボーっとしてるなんて・・・」

せっかくお酒を飲んでいい気分なのに、そんなの台無しですよ・・・。

花陽「何かいいお酒は・・・う〜ん・・・あのお酒にしようかな・・・」

冷蔵庫の入っているお酒を思い浮かべながら、私は立ち上がって台所に向かったのでした。
108: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/26(木) 16:50:19.49 ID:cC+Ku3Ze.net
〜〜〜〜〜〜

花陽「というわけで、次のお酒はこれです!」

花陽「『Saint-Michel Sauternes 2012』フランスの貴腐ワインだね」

貴腐ワインは貴腐菌の付着によって糖度が高くなったブドウを用いて造られた、甘口のワインです。
濃厚な甘みが特徴で、主にデザートワインとして人気が高いらしいです。

花陽「貴醸酒も貴腐ワインを参考に造られているみたいだし、ワイン版の貴醸酒だって思えばいいかな?」

ずっと興味はあったんだけどワインはあまり詳しくないし、まずは飲みやすそうなものから・・・と思って買ってきたんだよね。
そんなワインをグラスに注いで・・・。

花陽「それでは、いただきます♪」チビリ

花陽「う〜ん!思った以上に甘いです!でも、しっかりとマスカットの香りと味があって、美味しいかも・・・」チビチビ

この甘さは日本酒ではまずありえないでしょう。貴醸酒だってこんなに甘くありません。
しかし、フレッシュな果実感、濃厚な甘み、そして最後に鼻を抜けるリンゴのような甘く爽やかな香り・・・なかなか侮れない味だと思います。
109: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/26(木) 16:52:08.84 ID:cC+Ku3Ze.net
花陽「やっぱり日本酒にはない魅力が、ワインにはあるんだね・・・」チビリ

ワインなんて全然知らないけれど、この一本だけでもそう感じます。
そして、それはワインにはない魅力が、日本酒にあるということでもあるんだと思います。

花陽「最近は世界で評価されてる日本酒もいっぱいあるし、お酒もワールドワイドな時代だね」チビチビ

外国でも毎年日本酒の品評会が開かれていたりするし、近年の和食ブームを受けて日本酒の売り上げも伸びているようです。

花陽「外国の人たちが日本酒を知ってくれるのは嬉しいけど、もしそれで国内で品薄になったりしたら嫌だよね・・・」

自分の好きなものを色々な人に知って欲しい、でも自分の好きなものは失いたくない。
もしかしたら、ワインの生産国の人たちもこんな気持ちを経験していたのかもしれません。

花陽「これから先の日本酒業界がどうなるかはわからないけど、いまは美味しいお酒がたくさん飲めることだし、やっぱり今を楽しむのがいいかもしれないよね!」

数年先、きっと日本酒の流通事情は変わっていることでしょう。
でも、そんな先のことを考えたって何も始まりません。今はやっぱり今を大切にするべきなんです。

花陽「よぉし!明日も美味しいお酒を飲むためにも、しっかりご飯を食べて頑張っていきましょう♪」

窓の外、夏の星座たちを眺めながら、私の夜はすぎていくのでした・・・。
115: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/27(金) 16:36:28.66 ID:OLc/ofSo.net
ガチャッ

花陽「ただいま〜・・・今日も疲れました・・・」

仕事が終わり午後8時、ようやく安らぎの我が家に帰宅です♪

花陽「ご飯が炊けるまでには・・・、まだ時間がありますね」

なら、やることはひとつ!
もちろん、仕事終わりの一杯です!
116: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/27(金) 16:37:19.84 ID:OLc/ofSo.net
花陽「何事も初めてってすこし不安なものですよね?」

初めての経験に不安は付き物です。
それは日本酒だって同じことで、初めて買う銘柄あったりするとちょっぴり不安になったりするよね。

花陽「でも、いつも同じお酒ばかりじゃ味気ないし、やっぱりチャレンジは必要だと思います」

そんなわけで、本日は初挑戦のこのお酒!

花陽「『豊醇無盡たかちよ 純米大吟醸 扁平精米無調整夏生原酒 Summer Blue』前から気になっていたたかちよです!」

漢字の「高千代」は飲んだことあるけど、平仮名の「たかちよ」は初飲みだね。
高千代はいわゆる淡麗辛口、典型的な越後の酒といった味だけど、こっちのたかちよはまた違った味なんだとか・・・。

花陽「おつまみは・・・しらすおろしにでもしましょうか」

・・・手抜きじゃないですよ!
今は釜揚げシラスだって新物が手に入る季節、ちゃんと季節のおつまみなんです。

花陽「大根おろしは水気を良く切って・・・スダチも付けちゃいましょう」

簡単に盛り付けを済ませてから、冷蔵庫に入っていたスダチを半分に切って、一緒に乗っけちゃいます。

うん!今日も楽しい晩酌になりそうです♪
117: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/27(金) 16:45:04.83 ID:OLc/ofSo.net
花陽「さぁ、準備できましたよ♪」

青い瓶!青いお猪口!そしてしらすおろし・・・。

花陽「・・・なんだかちょっと侘しい」

でも、やっぱりおつまみは見た目よりも味!
人も料理も見た目で判断してはいけないんです。

花陽「さてと、まずはお酒から・・・いただきます♪」チビリ

花陽「・・・あ、美味しい!高千代とは全然違う。甘酸っぱくて旨みもある、全く方向性の異なったお酒だね」チビチビ

芳しい甘い香りが期待させるとおり、甘酸っぱくフルーティーなお酒です。
含み香もあまり強くないけど、ほんのりパイナップルのような果実系の甘い香りも感じます。

花陽「この味なら何も知らずに飲んだら、絶対に新潟のお酒だとは思わないよ・・・」チビリ

たしかに世間一般の越後の酒とは、一線を画す味です。
しかし、甘いとは言っても甘すぎるわけじゃなく、全体的にバランスの良い綺麗な印象・・・このあたりは、越後の酒に通じる部分でもあるよね。
118: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/27(金) 16:48:22.78 ID:OLc/ofSo.net
花陽「次はしらすさんにスダチを絞って、ちょっぴりお醤油もたらして・・・」

安っぽいけど、これは絶対美味しいやつです。
しらすと大根おろしを上手くお箸で摘んで口に運べば・・・。

花陽「・・・ほら、やっぱり美味しいじゃないですか。爽やかなスダチの香り、シラスの柔らかな甘みと香り、最後は大根おろしがスッキリと締める」チビチビ

どんなお酒にも合う万能おいしいおつまみだね。
簡単で美味しいんだから、これ以上のものはありません。

花陽「辛口はもちろんのこと、甘口のお酒にも合います・・・」チビリ

そうやってお酒を飲んでいると、なんだかデジャヴみたいな感覚が・・・。
119: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/27(金) 16:48:57.79 ID:OLc/ofSo.net
花陽「このお酒、どこかで飲んだことがあるような・・・」チビリ

それもつい最近、似たような方向性のお酒を・・・。
甘酸っぱくフルーティー、まるで果実のような・・・

花陽「・・・あっ、そうだ!花陽浴に似てるんです!」

意識して飲んでみると、やっぱり同系統の味がします。
花陽浴に限らず、而今や屋守など近年人気の高いお酒は、こんな感じの味が多い気がするね。

ピーピーピー!

花陽「あ、ご飯炊けたみたい!お酒の残りも・・・、蒸らし時間にちょうどよさそうだね♪」

部屋中に充満したご飯の匂い、美味しいおつまみ、美味しいお酒・・・。

花陽「これが、今日という日を生き抜いたごほうびです・・・」
120: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/27(金) 16:56:59.96 ID:OLc/ofSo.net
花陽「そういえば、今日は課長に言われて、新人さんをつれて取引先に挨拶に行ってきたんです」

珍しく課長が「仕事は俺がやっとくから、新人連れて挨拶に行って来い」なんて課長らしいことを言ったんです。

花陽「課長に仕事を任せるのはちょっと不安だったんだけど、せっかくそう言ってくれてる事だし、新人さんと二人で会社を出たんです」

そして二人でしばらく挨拶回りをして、会社に戻ったんだよね。

花陽「あの課長だもん、仕事が終わってないっていうのは予想してたんだけど・・・」

さすがに予想できませんでした・・・あんなことになってるなんて・・・。

花陽「勝手にwindows10にアップデートしちゃって、全く仕事に手がついてないなんて、誰も予想できませんよ・・・」

私が戻ったときには、総務課や電算課の人たちを巻き込んで、必死にダウングレードしている最中でした・・・。

花陽「もう、あれほどこのアイコンは押さないでくださいって言ったのに・・・」

「いや、フリだと思って押しちゃった」って、お笑い芸人じゃないんだから・・・。

思い出したらなんだかイライラしてきました・・・。

花陽「もう!こういう時こそお酒ですよね!課長のことなんて忘れましょう!」ゴクゴク

ああ、荒んだ心にお酒が染みる・・・。
121: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/27(金) 17:01:37.50 ID:OLc/ofSo.net
花陽「・・・あれ?メールが着てる・・・」

ふと携帯電話の方に目を向けると、メールありの文字が表示されていました。
差出人は凛ちゃん。

『今度のお休み、一緒にどこか遊びに行こうよ』

花陽「今度のお休みかぁ・・・」

手帳を開いてみると、嬉しいやら悲しいやら予定は真っ白。
どうせ一人でいてもなにもすることないし、これは嬉しいお誘いです。

『いいよ、どこに行こうか?』・・・っと。
これでひとりぼっちの寂しい休日にはならなくて済むね。

花陽「よおし、明日働けば休日です!楽しい予定も出来そうだし今週も後1日、しっかりご飯を食べて頑張っていきましょう!」

窓の外、夏の星座たちを眺めながら、私の夜はすぎていくのでした・・・。
135: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/28(土) 22:54:17.84 ID:ncNgQMNQ.net
番外編です。


ガチャッ

花陽「ただいま〜・・・て言ってもビジネスホテルなんだけどね」

今日は予定があってホテル泊です。
ビジネスホテルって狭いけど、慣れると結構居心地いいよね。
一人で広い部屋にいるよりも気持ちが落ち着きます。

花陽「接待でお酒も飲んできたけど、なんだか物足りない気分です・・・」

やはり仕事関係の場では、ビールや焼酎を飲むことが多いよね。
そんな中で一人日本酒というのも、少し空気を乱すようで躊躇われます。

花陽「ここは寝酒に一杯飲んじゃいましょう♪」

そんなわけで、今日はホテルで一杯です。
137: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/28(土) 23:00:21.08 ID:ncNgQMNQ.net
花陽「こんなこともあろうかと、途中のお店で可愛いお酒を買っておいたんです!」

課長がトイレに行ってる間に、駅前のお土産やさんで調達しました。

花陽「『志太泉 純米吟醸 にゃんかっぷ』いわゆるカップ酒ですね」

カップには猫ちゃんの絵が描かれていて、カップ酒としてはとても可愛らしいデザインです。
にゃんかっぷって、やっぱりワンカップに対抗してるのかな?

花陽「純米吟醸みたいだし味にも期待だね・・・」

カップ酒といえばやっぱり普通酒、よくても本醸造や純米といったイメージですが、最近は純米吟醸や純米大吟醸のカップ酒も増えてきたみたいです。

花陽「可愛いこのお酒の実力はいかがなものでしょうか」

アルミ製の蓋を外して、それでは早速・・・

花陽「いただきます♪」チビリ
139: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/28(土) 23:08:29.51 ID:ncNgQMNQ.net
花陽「なんだろう・・・これぞ美味しい日本酒って感じかな?飲みやすいんだけど、しっかりの酒っぽさもあって・・・これはイケます・・・」チビチビ

香り、味、共にほんのりと甘さを感じるけれど、それと同時にアルコール感や渋みといった酒っぽさも感じます。
でも、不思議と飲みやすい・・・。

花陽「お米の旨さを引き出した、古き良き吟醸酒って感じかな」チビリ

最近流行りのお酒とは少し違った味わいだけど、それもこのお酒の魅力でしょう。
140: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/28(土) 23:19:57.23 ID:ncNgQMNQ.net
花陽「はぁ・・・こうやって出先でその土地のカップ酒を飲むのもいいものですね」チビチビ

出先で飲むには4合瓶だと多すぎるし、そんな時カップ酒はとても便利です。

花陽「カップ酒っておじさんが飲んでるイメージだったけど、このお酒みたいに可愛らしいデザインのやつもあるし、女の子にもお勧めできそうです」チビリ

若者の日本酒離れが進んでいる中、味だけではなくデザインも若者や女性向けなお酒が増えてるよね。
その一方で、造り方の面では古い手法を復活させて取り入れているような酒蔵さんも多いです。

花陽「伝統を大事にしつつ、新しいものを取り入れる・・・これは私たちも見習わないといけないよね・・・」チビチビ

どんなお仕事でも、伝統があったりします。
伝統と新しいものを上手く組み合わせていくことが、今を生きる私たちの役目かもしれません。

花陽「これからもいろいろがんばらないとなぁ・・・。さてと、明日も早いしそろそろ寝ましょうか」

いつもと違うベッドの感触に少しの戸惑いを感じながら、私の夜はすぎていくのでした・・・。
151: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/30(月) 16:07:35.84 ID:6f+hTZxD.net
凛「うぅ・・・どうしよう・・・」

仕事から帰宅して、凛は悩んでいました。
悩んでいるのはもちろんかよちんのこと。
かよちんに告白をする決心はついたものの、他の事は何も考えていなくて・・・

凛「告白ってどんな場所ですればいいのかにゃ?」

いやいや、告白する前にやっぱりデートコースだって考えなきゃいけないよね。

凛「やっぱりむーどっていうのが大事なのかな?うぅ〜ん、よくわからないよ・・・」

どこで告白をするのか、告白の前にどこへ行くのか、何て言って告白するのか・・・
告白そのものに気をとられていて、全く頭になかったんだよね。

そしてもうひとつ、この前居酒屋を梯子して、別れ際に穂乃果ちゃんに聞かれたこと・・・


穂乃果『凛ちゃんはさ、告白してかよちゃんとどうなりたいの?』


そう、一番大事なことを凛は考えてすらいなかったのです。
152: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/30(月) 16:08:05.68 ID:6f+hTZxD.net
凛「・・・あぁ、もう!わかんないよ!」

あれからしばらく・・・多分5分くらい考えた。
でも、どの悩みにもしっくりくる答えは見つからない。

凛「はぁ・・・お酒でも飲みながら考えよ・・・」トボトボ

悩んでいて答えが見つからないときは、お酒を飲むのが一番だって誰かに聞いたことがある。
そんなことを思い出しながら、凛は立ち上がってトボトボと台所へ向かった。
153: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/30(月) 16:14:05.58 ID:6f+hTZxD.net
凛「『風の森 純米 夏のALPHA』これでも飲んでスッキリするにゃ!」

台所から瓶とグラスを持って戻ってきた。
風の森は日本酒を飲むようになってから、結構飲んでるお気に入りの銘柄なんだ。
注意書き通り、栓が飛ばないように慎重に開栓して、グラスにお酒を注ぐ。

凛「いただきます・・・」チビリ

凛「・・・やっぱり甘酸っぱくて美味しいにゃ!それに風の森は微炭酸なところがいいよね、ビールみたいに爽やかで飲みやすい」チビチビ

色々考えて火照った体に、この炭酸が心地よく感じる。
味は前に飲んだ亜麻猫と似てる気もするけど、こっちの方が甘くてフルーティーかな?
おつまみ無しでも美味しく飲めちゃう感じ。

凛「渋かったり苦かったりするお酒は苦手だけど、こういうお酒は好きだなぁ」チビリ

甘酸っぱくて軽やかな微炭酸、チューハイみたいな感覚で飲めちゃうお酒だよね。

凛「はぁ・・・美味しいにゃ・・・」チビチビ

美味しいお酒に、ついつい杯が進む。
けれど悩み自体は何も解決していなくて・・・。

凛「うぅ・・・どうしよう・・・」

結局、振り出しに戻ることになったのでした。
156: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/30(月) 16:24:32.86 ID:6f+hTZxD.net
〜〜〜〜〜〜

告白して、かよちんとどうなりたいのか。

普通に考えれば、答えは簡単なものだった。

凛「告白して、できればかよちんと恋人になりたい・・・」

けれど、凛たちは普通じゃない。
穂乃果ちゃんに言われるまでは、ただ気持ちを伝えるだけでいいと思っていた。
でも、ドラマや漫画みたいにそこで終わるわけじゃない、その先があるのは当たり前のことだった。

凛「凛が恋人になって欲しいって言ったら、かよちんはどうするのかな・・・?」

楽観的な考えかもしれないけど、たとえ凛のことを恋愛対象として見ていなかったとしても、かよちんはきっとOKしてくれると思う。
だって、かよちんは優しいから・・・。

凛「でも、凛のわがままでかよちんを縛るようなことはしたくない」

そう、告白するのも、恋人になりたいのも、全部凛のわがままなんだ。
かよちんに迷惑をかけることになっても、告白はすると決めた。
けれど、それから先となれば話は別だ。
凛と付き合うことになれば、その間ずっとかよちんを縛ることになってしまう。

凛「わからない・・・わからないよ・・・」

自問自答しながらお酒を口に含む。
甘酸っぱく爽やかなお酒の味とは裏腹に、凛の心は晴れないままだった。
157: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/30(月) 16:33:52.33 ID:6f+hTZxD.net
〜〜〜〜〜〜

色々考えながら、お酒を飲んで・・・もうすぐ4合瓶が空になろうとしていた。
頭は酔いでふわふわとしていて、もうとても考え事をしていられる状態じゃない。

凛「あれ・・・?」

ボーっと酒瓶を眺めていると、ひとつの違和感に気付いた。

凛「普通の風の森のラベルと違う・・・」

ラベルの左上には普段飲む風の森には無い、星みたいな模様があって・・・。
真ん中には、赤く大きい星がひとつ。

凛「これって・・・さそり座、だよね」

忘れもしない、かよちんに告白すると決心したときに二人で見た星座だった。
158: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/30(月) 16:36:42.09 ID:6f+hTZxD.net
凛「・・・決めた」

この星座を見ながら、かよちんに告白する。
もう初夏だし、きっと明け方まで待たなくても見えるはずだ。
告白は星の見える場所で決まり!

凛「そうと決まれば早速かよちんにメールしなくちゃ!」


『今度のお休み、一緒にどこか遊びに行こうよ』


悩みがひとつ解決した喜びと、酔っ払った勢いで、ついかよちんにメールを送ってしまった。

凛「このお酒を飲んでよかったにゃ。やっぱり悩んだときにはお酒だね!」チビリ

なんて明るく考えていると、すぐにメールが返ってきて・・・。


『いいよ、どこに行こうか?』


凛「あ・・・星が見える場所以外、何も考えてなかった・・・」

結局凛は他の悩みを解決するため、またすぐに頭を抱えることになったのでした・・・。
163: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 16:58:15.58 ID:Rgq3pCUk.net
凛ちゃんのお誘いから数日が経ち、ついに休日です。
お昼前に待ち合わせして、ご飯を食べて、電車に乗って・・・やってきたのは海の近くの水族館!

凛「・・・よし!」パンッ!

花陽「・・・?」

水族館前に着くと、凛ちゃんはなぜか気合を入れるように自分の頬をパチンと叩いてます。
・・・何してるんだろう?

凛「や、やっぱり水族館ってカップルさんがいっぱいいるんだねー」

唐突にそんなことを言い出した凛ちゃんの頬は赤くなっていて・・・
もう、自分でほっぺた叩いたりするからだよ。

花陽「うん・・・そうだね?」

凛「り、凛たちもカップルに見えちゃったりしちゃったりして・・・」

凛ちゃんは赤くなった顔で、両手をバタバタさせながら話してます。

凛「・・・今日は凛はズボンで、かよちんはスカートだから、凛が彼氏さんに見えちゃったりするかな?」

花陽「・・・」

おかしい・・・何でなのかわからないけど凛ちゃんがおかしい!
さっきまで普通だったのに、いきなりどうしちゃったんだろう?
・・・もしかして、具合でも悪いのかな?
164: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 17:00:15.67 ID:Rgq3pCUk.net
花陽「・・・ちょっとごめんね」

凛「にゃ!?にゃにゃにゃ!?」

熱でもあるのかと思って、凛ちゃんのおでこに手のひらを当ててみました。
でも、手のひらから伝わる温かさは、自分のものとほとんど変わらなくて・・・

花陽「熱は無さそうだね・・・でも大丈夫?具合悪かったりしない?」

凛「だ、だだだ大丈夫だにゃ!凛、チケット買ってくるね!」

花陽「あっ!チケットなら私が・・・」

私の言葉を待たずに、凛ちゃんは売り場まで走り出しちゃって・・・

花陽「あ、転んだ・・・」

そして、何も無い場所で自分の足に蹴躓いて転んだ。
運動神経の良い凛ちゃんが何も無い場所で転ぶなんて、やっぱり普通じゃない。
熱は無さそうだし、本人も大丈夫って言ってたけど・・・

花陽「ここは私がしっかりしなくちゃ・・・!」

なんだか危なっかしく感じる背中を眺めながら、私はそんな決意をしたのでした。
168: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 17:07:30.69 ID:Rgq3pCUk.net
凛「やっぱり人多いね・・・」

花陽「うん、休日だもんね」

凛ちゃんからチケットを受け取って二人で館内へ入ると、中はカップルやファミリー客でごった返していた。
そりゃそうだよね、だって休日だもん。

凛「はぐ・・・はぐれ・・・」

花陽「え・・・?」

そんな中、凛ちゃんは相変わらず赤い顔で、手をモジモジと動かしながら何かを言っていて・・・。

調子が悪いのか、変なものでも食べたのかわからないけど、やっぱり今日の凛ちゃんはおかしい。
地に足が着いてないって言うか・・・目を離したらどこかに行ってしまいそうで、なんだか心配だった。
そんな凛ちゃんがどこかに行ってしまわないように、私は凛ちゃんの手をとって・・・

凛「か、かよちん!?」

もう、手を繋いだくらいでそんなに驚かないでよ・・・なんだかこっちまで恥ずかしくなっちゃう・・・

花陽「はぐれたら大変だから・・・」

凛「・・・うん」

恥ずかしさのせいなのか、壁にあった鏡を見てみると、私の顔も凛ちゃんと同じくらい赤くなっていた。

もう!全部凛ちゃんのせいだよ!
きっと凛ちゃんがおかしいのが、うつっちゃったんだ・・・
私は火照った顔を隠すようにすこし俯きながら、凛ちゃんの手を引いて歩き出した。
170: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 17:15:44.23 ID:Rgq3pCUk.net
凛「かよちん!あれ見て!あのペンギン、ツンツンしててなんだか真姫ちゃんみたいだよ」

花陽「え〜?そうかな?」

凛「あと、奥で不機嫌そうにしてるのが海未ちゃんで、あそこで寝てるのが穂乃果ちゃん!」

あれからしばらく凛ちゃんは借りてきた猫みたいにおとなしかったんだけど、館内を周って海獣エリアにたどり着いた頃にはすっかりいつもの凛ちゃんに戻っていた。

花陽「ふふ、そんなこと言ってるってみんなにバレたら怒られちゃうよ?」

凛「そうだね、だから二人だけの秘密だにゃ」

・・・変だよね?
凛ちゃんが可愛いのはいつものことなのに、そう言いながら笑う凛ちゃんはいつも以上に可愛く見えて・・・
なんだか今度は私の方がおかしくなっちゃいそう。

「・・・まもなく、スタジアムにて海の動物たちのショーが開演いたします。みなさま、是非スタジアムまでお越しください」

凛「かよちんかよちん、ショーだって!ね、観にいこっ!」

館内放送を聞いた凛ちゃんが、私の手を引いてスタジアムを目指して歩き出す。
私が凛ちゃんの手を引いてた時は、ちょっと落ち着かなかったけど、こうして凛ちゃんに引っ張られているとなんだか落ち着くなぁ・・・。
そうだよね、凛ちゃんはずっと私を引っ張ってくれてたんだもん。これがきっと私たちの自然な形なんだ。
でも、いつまでも引っ張られるだけじゃなくて、できれば隣を歩きたくて・・・。

花陽「うん!行こう!」

すこし早歩き気味に、凛ちゃんの隣を歩いていきました。
173: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 17:35:57.79 ID:Rgq3pCUk.net
〜〜〜〜〜〜

数時間後・・・

凛「ん〜!今日は楽しかったね!」

花陽「うん!リフレッシュできて良い休日だったね」

あれからイルカショーを観て、かよちんと一緒に改めて館内をいろいろ観て周って・・・水族館を出た頃にはもう暗くなっていた。
それから近くのお店で晩御飯を食べて、ちょっとだけお酒も飲んで、たった今そのお店から出てきたところだった。

凛「失敗続きだったけど、本番はここからだもん・・・がんばれ私!」

かよちんに気付かれないように、小声でそう呟いて自分に気合を入れる。
本当はもっとかっこよく、かよちんをエスコートするつもりだった。
手だって、凛のほうから繋ぐつもりだった。
でもやっぱり空回りしちゃって・・・結局かよちんに助けられちゃった。

花陽「もう10時かぁ・・・凛ちゃん、そろそろ帰る?」

だけどここからは、ちゃんと自分で頑張らなくちゃ・・・
空は快晴、星も綺麗に見えてる。

凛「・・・帰る前に、ちょっとだけ海を見ていかない?」

大丈夫・・・凛ならできる・・・いっぱい考えて、ちゃんと答えを見つけたんだから!
174: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 17:49:27.25 ID:Rgq3pCUk.net
〜〜〜〜〜〜

花陽「この時間になると誰もいないね・・・」

凛「うん・・・凛とかよちんで海を二人占めだね」

すこし歩いて、海岸へとやってきた。
まだ花火やバーベキューシーズンには早いし、案の定暗い砂浜には誰もいない。
ただ暗い水平線と、波の音・・・そしてキラキラと瞬く星がそこにはあった。

凛「ねえ、お酒・・・飲む?」

そうかよちんに尋ねながら、砂浜に腰を下ろす。
乾いた砂は、夜なのにほんのり暖かい。

花陽「え?凛ちゃんお酒持ってるの?」

凛「うん、実は魔法瓶に入れて持ってきたんだ」

鞄からゴソゴソと魔法瓶とプラコップを取り出して、それをかよちんに見せる。
ふふ、なんだか嬉しそうな顔してる・・・。

花陽「・・・せっかく持ってきてくれたんだもんね。それじゃ、お言葉に甘えちゃおうかな」

・・・あの時みたいに、また二人だけで星見酒だにゃ。
175: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 18:05:37.23 ID:Rgq3pCUk.net
凛「はい、かよちんのぶん」

花陽「えへへ、ありがと」

二つのコップにお酒を注いで、片方をかよちんに手渡す。
薄暗い中でも、かよちんの嬉しそうな顔がはっきりとわかった。

りんぱな「かんぱい・・・」

そして二人で乾杯して、お酒を口に含む・・・。
前に飲んだのと同じ、とても甘くてフルーティーな味。

花陽「甘くて美味しい・・・これ、花陽浴?」チビリ

凛「うん、山田錦のおりがらみだよ」

『花陽浴 純米吟醸 山田錦 おりがらみ』
前に星見をしたときに飲んだお酒の、おりがらみ版だ。
酒屋さんに一本だけ残ってて、これしかない!って思って買ってきたんだ。

花陽「ちょっと苦味とまろやかさがあると思ったけど、おりがらみだったんだね」チビチビ

かよちんの言うとおり、おり無しのお酒と比べると、口当たりはまろやかで少し苦味がある。
でも、この甘酸っぱさ前に飲んだときと同じだった。
177: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 18:20:10.72 ID:Rgq3pCUk.net
花陽「こうやってこのお酒を飲んでると、前に星見をしたときみたいだよね・・・」チビリ

凛「うん・・・目が覚めたらかよちんがいないんだもん、あの時はびっくりしたよ」

花陽「ごめんね、どうしても凛ちゃんの星座が見たくて・・・」

そんなふうに話ながら二人でお酒を飲む。
春には明け方にならないと見えなかったさそり座も、今は空の低い位置、ちょうど水平線の上あたりで輝いていた。

・・・言うなら今しかない。
そう思った瞬間、鼓動は急に早くなって・・・打ち寄せる波の音が無ければ、かよちんに聞こえてしまいそうな気がした。

『凛ちゃん!ファイトだよっ!』

逃げてしまいそうな自分に言い聞かせるように、穂乃果ちゃんの言葉を思い出す。
大丈夫・・・ちゃんと伝えられる・・・。
178: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 18:27:19.17 ID:Rgq3pCUk.net
凛「・・・ねえ・・・かよちん」

花陽「なに?」

胸が痛くて、喉はカラカラで、言葉は上手く出てこなくて・・・まるで初めて舞台に立ったときみたいだった。

凛「・・・」

花陽「凛ちゃん・・・?」

でも決めたんだ、ちゃんと伝えるって。

凛「凛ね・・・かよちんのことが好きなんだ・・・」

意を決して、そう口にした。
179: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 18:30:18.12 ID:Rgq3pCUk.net
花陽「うん、私も凛ちゃんのこと好きだよ?」

けれど、やっぱりかよちんは凛の気持ちなんて理解してなくて、けろっとした顔でそんなことを言う。

凛「違うの・・・そうじゃなくて・・・」

花陽「え?違うって・・・?」

凛「一人の女の子として、かよちんが好き・・・」

花陽「・・・」

ついに、言ってしまった・・・。
さすがにこれにはかよちんも意味を理解したようで・・・しばらく凛たちの間には波の音だけが響いていた。
180: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 18:33:29.26 ID:Rgq3pCUk.net
凛「・・・ずっと前から、かよちんのことが好きだったんだ」

しばらくの沈黙の後、凛はそう語りだした。
すこし時間を置いたことで、心はさっきよりも落ち着いていて・・・これならちゃんと自分の気持ちを伝えられそうな気がした。

凛「ずっと言いたかった、でもずっと言えなくて・・・気付いたら、こうしてお酒も飲める年になっちゃった・・・」

そう自虐的に話しながら、残ったお酒を口に含む。
甘酸っぱいお酒が、渇いた喉に染みた。

凛「自分でもわかってるんだ・・・この気持ちが普通じゃないって、きっとかよちんに迷惑をかけちゃうって・・・」

花陽「凛ちゃん・・・」

凛「凛はね、わがままなんだ。こうやって気持ちを伝えるのだって、凛のわがまま・・・でも、もうひとつかよちんに聞いて欲しいわがままがあるんだ」

かよちんに気持ちを伝えて、凛ははかよちんとどうなりたいのか・・・
考えて、考えて、答えを出した。
それをこれからかよちんに伝える・・・。
181: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 18:36:38.94 ID:Rgq3pCUk.net
凛「かよちん」

花陽「・・・はい」

ずっと一緒にいてほしい、凛のことを見ていて欲しい、そんなことは言えない・・・。

凛「凛は、かよちんのことが好きです!普通じゃないってわかってる・・・でも、少しだけでも・・・この夏だけでも・・・」

花陽「・・・」

凛「かよちんの夏を・・・凛にください」

それが、凛が考えて出した答えだった。
182: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 18:39:56.39 ID:Rgq3pCUk.net
花陽「・・・私なんかで、いいの?」

少しの空白があって、それからかよちんがそう口を開いた。
嬉しそうな、悲しそうな・・・なんだか複雑な表情。

凛「うん・・・かよちんがいい、かよちんじゃなきゃ嫌なんだ」

花陽「そっか・・・」

そしてまた、かよちんはすこし考えるように黙り込んで・・・

花陽「私なんかでよかったら・・・よろしくおねがいします」

そう言って笑顔を見せてくれた。
183: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 18:45:00.99 ID:Rgq3pCUk.net
凛「かよちんっ!」

その笑顔がたまらなく愛おしくて、つい凛はかよちんを抱きしめちゃって・・・。

花陽「もう、凛ちゃん・・・ちょっと痛いよ・・・」

凛「ごめんね・・・でも、こうしたくて・・・」

花陽「うん・・・いいよ・・・」

そのまましばらく、ただ潮騒を聞きながら互いの体温を感じていた。

凛「かよちん・・・凛のわがまま、聞いてくれてありがとう・・・」

花陽「ううん・・・二人で思い出、いっぱい作ろうね」

耳元で聞こえるかよちんの声はなぜか少し悲しげで・・・
けれど、両腕の中にある柔らかな感触を感じていたら、そんなことはどうでもよくなってしまっていて・・・

凛「うん、きっと素敵な夏にしてみせるから・・・」

そう決意して、これから凛たちの夏が始まる・・・。
184: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 18:45:18.75 ID:Rgq3pCUk.net
こんな文章を読んでいただき、ありがとうございました。
次スレで完結します・・・(多分)
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『花陽(26)「初夏のはなよ酒」』へのコメント

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