穂乃果「どうして・・・なんで・・・」【閲覧注意!!】

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穂乃果-アイキャッチ28
1: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 13:42:22.41 ID:a/JGDI3t.net
閲覧注意!!

登場人物の死などがあります。

元スレ: 穂乃果「どうして・・・なんで・・・」【閲覧注意!!】

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2: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 13:43:09.40 ID:a/JGDI3t.net
夢を見ていた。

夢の内容はいつも同じだったような気がする。

目覚めると夢の内容は忘れている・・・。



穂乃果「う、うーん・・・」

私は目覚める。


海未「おはようございます、穂乃果」

穂乃果「あれ、海未ちゃん・・・どうして、ここに・・・」

頭がズキズキする。

頭の中がモヤモヤしていて、記憶が霞んでいる。

周りを見渡せば、無機質な部屋でベットと一部家具が置かれている。

どう見ても自宅ではない部屋。
3: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 13:44:01.62 ID:a/JGDI3t.net
海未「穂乃果、無理しないでくださいね、貴方は目覚めたばかりなんですから」

穂乃果「えっ・・・私・・・ここ・・・」

記憶が曖昧な中、様々な思考が交錯し混乱に拍車が掛かる。


海未「穂乃果は目覚めたばかりで混乱しているようですね」

穂乃果「海未ちゃん、ここって・・・・どこ・・・??」

海未「ここは、病院ですよ!」

そう言った親友の視線が私を見ていない。


穂乃果「・・・嘘だよね。・・・・海未ちゃんは嘘をついている!」

私がそう言うと、海未ちゃんの顔が曇る。
4: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 13:44:53.58 ID:a/JGDI3t.net
海未「いいえ、嘘ではありません。ここは病院なんです」

なおも嘘を貫き通す親友。

親友の顔には、苦悶とも取れる表情を浮かべている。


穂乃果「じゃあ、私もう平気だから退院する!」

海未「穂乃果・・・。それは、出来ません」

穂乃果「どうして?海未ちゃんは私に何を隠しているの?ここはどこな・・・っ!」

ズキッ

また、激しい頭痛が私を襲い、言葉を続けることが出来ない。


海未「無理しないで下さい、穂乃果。あなたは何日も意識不明で倒れていたのですから・・・」
5: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 13:45:38.14 ID:a/JGDI3t.net
穂乃果「どういうこと・・・?」

記憶が戻らないもどかしさと何か心の奥底から問いかける違和感。


海未「・・・・」

親友は黙ってしまった。


穂乃果「海未ちゃん!私に何か隠し事しているなら言ってよ、私達親友でしょ!」


しばしの沈黙の後、親友が重い口を開く。

海未「わかりました。しかし、これから言う事は穂乃果、あなたにもつらいことです。それでも聞きますか?」

再び静寂の時間が二人を包む。


穂乃果「うん、いいよ!それがどんなつらい内容でも私は聞く!」

海未「穂乃果・・・・」

穂乃果「だって、海未ちゃんの悲しさ、つらさを私も分かち合いたいから・・・」

海未「穂乃果・・・。あなたは昔から変わっていないんですね。優しい穂乃果のままで・・・」

そして、海未ちゃんは話し始めた。
22: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 17:48:13.74 ID:a/JGDI3t.net
〜回想シーン〜

あの日、私達は郊外の公園でピクニックをすることになっていた。

途中電車に乗り換え、バスで目的地まで向かう。


花陽「私、今日は楽しみにしていたんです!」

そう言って取り出す巨大おにぎり。


絵里「花陽は相変わらずね」

半ば諦め気味で、絵里が呟く。


ことり「ことりだって今日の為に用意したんだよ!」

一同がことりのバックの中身に注目する。

出てきたのは、マカロン。


にこ「あんた、それっておやつじゃない」

にこの呟きに笑いが起こる。


穂乃果「にこちゃん、この箱って何?」

興味津々、穂乃果がにこの持参してきた重箱の中身を覗き込んだ。
23: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 17:51:05.84 ID:a/JGDI3t.net
穂乃果「にこちゃん、凄いね。これって全部手作り?」

重箱の中身は、煮物や黒豆など様々な食材。

一同から驚きの声が上がる。


絵里「さすがにこね!」

にこ「昨日の余り物詰めただけだから、今日の為に作ったんじゃないわよ」

希「にこっち、それにしては豪華すぎるやん」

希がにやにやしながら、にこをからかう。


穂乃果「にこちゃん、私達の為に・・ありがとう!」

そう言って穂乃果はにこに抱きつく。


にこ「ほ、穂乃果、何抱きついているのよ」

穂乃果「だって・・・・」

一同から笑いが起こる。


真姫「どうでもいいんだけど、他のお客さんに迷惑なんだけど」

凛「真姫ちゃん、他のお客なんていないにゃ」

凛の指摘通り、バスには私達の他に誰もいない。


真姫「べ、別にみんながはしゃぎすぎているのを止めただけ」

真姫が苦し紛れに弁解するのを見て、一同からまた笑いが起こる。


バスはなだらかな丘陵地帯へと入っていった。
25: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 17:52:58.65 ID:a/JGDI3t.net
「山が綺麗ですね」

誰かがそう呟いた気がする。

その時だった。

バスがガードレールに少し接触したのだ。


希「えらく乱暴な運転やな」

絵里「運転手さん、もう少し丁寧に運転して下さい!」

絵里がそう言っても、運転手から返事はない。

一同に嫌な予感がしたその瞬間、バスは激しくガードレールに接触する!

ガードレールとバスの接触により、車体は激しく悲鳴を上げる!











そして、私達はバスごと崖から落下した。
26: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 17:54:46.00 ID:a/JGDI3t.net
海未「結局、奇跡的に軽症程度で済んだのは、私とことりだけなのです」

穂乃果「・・・・・他のみんなは?」

海未「皆は重症を負い、穂乃果を含めて意識不明に陥ったのです」

穂乃果「・・・・・」

海未「他の皆は、穂乃果より重症だったので、遠くの病院に入院することになりました」

穂乃果「・・・・海未ちゃん、それって本当なの?」

穂乃果が疑いの目で見てきます。

あまりにも淡々と話しすぎたせいでしょうか?


海未「穂乃果、本当ですよ。ことりは皆の看病の為、別な病院にいます」

穂乃果「そっか・・・それで、みんなの意識は戻ったの?」

海未「穂乃果、正直に言うと皆の意識は戻ってません。でも大丈夫です。きっと元気になりますよ!」

私は穂乃果の目を見て話します。
27: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 17:55:56.66 ID:a/JGDI3t.net
穂乃果「よかった、みんな命は助かったんだね」

海未「はい」

穂乃果は記憶が完全に戻らないのに、涙を流しています。


海未「だから、穂乃果も安心して休んで下さい。また皆の状況などは連絡しますよ!」

穂乃果「うん」

穂乃果はそう言って、また眠りにつきました。

少し安心したのでしょうか・・・・。








海未「・・・・・」

そして、私は扉を施錠した・・・。
33: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/03/30(月) 22:41:39.52 ID:JWshAazZ.net
それにしても、私も嘘がうまくなったようです。

やっぱり同じ問答を繰り返している為でしょうか・・・。

--------------------------------------------------


海未「ことり、久しぶりですね」



海未「そうですか、研究の成果は出ているのですか?」



海未「なるほど・・・。でも無理をしないで下さいね。少しやつれていますよ」



海未「えっ?私ですか・・・大丈夫です。・・・・穂乃果は相変わらずです」



海未「穂乃果にはもう少し落ち着いてから話したいと思います」



海未「では、また・・・」





『世界はどうしてこんなに歪なんでしょうか?』
34: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/03/30(月) 22:42:46.31 ID:JWshAazZ.net
穂乃果「海未ちゃんに今日は聞きたいことがあったんだよ!」

海未「何でしょう、穂乃果?」

穂乃果「なんでこの部屋の窓やドアには、鉄格子があるのかな?」


海未「それは、ここの施設が昔の軍病院を改装した為と聞いていますが・・・」

穂乃果「そっか、ごめん、変なこと聞いちゃったね」

海未「・・・・いいえ、当然の疑問だと思いますよ」

穂乃果「・・・・」


海未「それよりも、血液の採取しますんで、腕捲って下さい!」

穂乃果「また、血抜くの?」

海未「はい、穂乃果はまだ病人なんですから、きちんと従って下さい!」

穂乃果「うん、わかったよ!」


海未「すぐ終わりますからね!」

穂乃果「・・・・っ!」

海未「はい、終わりました」
35: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/03/30(月) 22:43:27.69 ID:JWshAazZ.net
穂乃果「海未ちゃん?」

海未「何でしょう、穂乃果?」

穂乃果「注射するのもうまくなったね・・・」


海未「・・・・そうですね、ここで手伝うようになって要領を覚えたせいでしょうか?」

穂乃果「(嘘だね、また私の顔を見ていない!)」

ズキッ

またあの痛みが私を襲う。

平凡な日常と喉に絡みつくようなもどかしさ。






『何があるの、ここに!』
36: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/03/30(月) 22:44:21.23 ID:JWshAazZ.net
穂乃果「今日は、海未ちゃんにお願いがあるんだ!」

海未「はい、何でしょう?」

穂乃果「もう身体もすっかり治ったんで、外に出てみたい!」

海未「・・・そうですね。今度先生に聞いてみます」

穂乃果「やった!!」

海未「穂乃果、あくまでも先生の判断しだいですよ!」

穂乃果「それでも、なんだか今のうちからワクワクしてくるよ!ありがとう、海未ちゃん!」

海未「いえいえ、当然のことですよ!私も嬉しいです」









『さて、穂乃果は世界を受け入れるのでしょうか?それとも・・・・』
42: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 23:21:16.42 ID:1+HpyDU+.net
海未「昨日の件ですが、先生の許可が下りて、施設内の一部であれば外に出てもいいことになりました」

穂乃果「本当?」

海未「はい、ただし、穂乃果はまだ完全に回復したわけではないので、私が同行の上です!」

穂乃果「海未ちゃん、ありがとう!!」

そう言って、穂乃果は私に抱きつきました。

海未「いえいえ、いいのですよ。私はいつだって穂乃果の味方なのですから・・・」





『こうなることはわかっていました。むしろ遅すぎたぐらいです・・・』
43: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 23:22:00.17 ID:1+HpyDU+.net
海未「では、穂乃果、外をご案内します」

そう言って、電子錠のロックを外す親友。

静かにゆっくりと扉が開いていく。


海未「さあ、穂乃果、どうぞ」

穂乃果「うん・・・」

親友に促されるように進む。

しかし、扉の前で足が動かない。


海未「穂乃果、どうしました?」

穂乃果「海未ちゃん、何でだろう、とっても怖い気がする!」

海未「・・・・」

親友は無言だった。

穂乃果「海未ちゃん?」
44: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 23:22:51.66 ID:1+HpyDU+.net
海未「いえ、何でもありません。何も怖いものなどありませんよ」

そう言って、親友は扉の外に出る。

まるで導くように。


穂乃果「うん、そうだよね・・・」

海未「・・・・」

一歩ずつ前に進む。

そして・・・。


海未「ほら、何でもないですよね」

穂乃果「うん、そうだね・・・」






『廊下に出ても人の気配がない・・・。ここは、おかしい』
45: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 23:42:22.46 ID:1+HpyDU+.net
穂乃果「海未ちゃん、いいかな・・・」

海未「何でしょう?」

穂乃果「ここの人達は、どこにいるの?」

海未「はい、ここで働いている人は皆休憩中なんですよ!」

穂乃果「そっか・・・」

海未「・・・・」

海未ちゃんの言動や表情からは嘘をついているとは思えない。

でも、何か引っ掛かる。

それに、またわずかに頭痛がする。

なんとしても、真実を突き止めたい!





『真実を知りたい!同時に、真実を知ることが今は怖い。なぜだろう?』
56: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 20:09:16.62 ID:Mm6gxHKv.net
二人の足音だけが構内に響く。

その光景は、現実感を喪失するかのようだね。

でも、これは現実なんだという確信。

どうして断言出来るのかさえ、わからないことへのもどかしさ。

また、少し頭痛がする。


海未「・・・穂乃果?」

穂乃果「えっ!?」

親友から問いかけられているのにも、気がつかなかった。


穂乃果「ごめん、海未ちゃん、何?」

海未「穂乃果、少し私室によってもいいですか?」

穂乃果「うん、いいよ!そう言えば、海未ちゃんってここに泊り込んでいるの?」

海未「はい、そうです」
57: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 20:10:52.86 ID:Mm6gxHKv.net
穂乃果「そうなんだ。ところで学校は?」

海未「学校は休んでいます」

穂乃果「そりゃまずいよ、海未ちゃん。代わりの人なんているでしょ。だから、私の為に休まないでよ!」

海未「いいえ、ちゃんと学校からも許可を貰っているので、問題ないですよ。でも、気遣いありがとうございます」

そう言って、親友は満面の笑みを浮かべた。

その表情や言動には、嘘は見られなかった。


穂乃果「ふーん、海未ちゃんがいいというなら私も助かるけど」

海未「そうです、穂乃果は怪我を治すことだけ専念して下さい!」

穂乃果「わかったよ、海未ちゃん!」

海未「聞き分けがいいですね、今日の穂乃果は!」

穂乃果「海未ちゃん、それじゃまるで私が普段聞き分けがよくない子みたいだよ!」

海未「穂乃果が聞き分けのいい子だとは、初めて知りましたが?」

穂乃果「もう、海未ちゃんたら・・・」

親友は笑いました。

それを見て思ったんだ。



『なんだろう、この違和感は?』
60: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 22:50:57.36 ID:Mm6gxHKv.net
海未ちゃんの部屋につきました。

海未ちゃんらしく、小奇麗な部屋です。


穂乃果「へぇ、ここが海未ちゃんが寝泊りしているとこか!」

海未「はい」

穂乃果「海未ちゃんの部屋って、見たことのない機器多いんだね」

海未「そうですね、あまり弄らないようにしてくださいね」

穂乃果「うん」

海未「・・・・・」


海未ちゃんは、何かを探しているようだ。

私に背を向けて。

あれ?

あれって・・・。
61: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 22:52:01.15 ID:Mm6gxHKv.net
海未ちゃんの部屋の棚に少し隠れるように置いてあるのは、私の携帯だった。

私は咄嗟に携帯を懐に隠した。


海未「お待たせしました。では、移動しましょう!」

海未ちゃんは、何かの端末を持っていた。

それも私にはわからないもの。


穂乃果「どこに行くの?」

海未「運動場があるんで、そこに行きます」

運動と聞くと、身体が小躍りするのがわかる。

私ってやっぱり考えているより、身体を動かしているほうが性に合う。
62: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 22:53:06.12 ID:Mm6gxHKv.net
海未ちゃんが案内したところは、小さい体育館のようなとこだった。

ここにもやはり人影はない。

海未ちゃんがバスケットボールを持ってきた。


海未「穂乃果、一緒にバスケやりましょう!」

海未ちゃんに促されるようにやったバスケ。

身体を動かしているうちに自然と余計なことは考えなくなった。


穂乃果「やっぱり身体動かすのって気持ちいいよ!」

海未「はい、穂乃果が元気一杯になってよかったです」

穂乃果「うん」





そして、夜がやってきました。
63: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 23:20:05.23 ID:Mm6gxHKv.net
夜、私は自分の携帯を開いた。

携帯を開いたとき、思ったこと・・・・。

それは、もう一人の親友のことりちゃん。

話したいという思いと共に、携帯のキーを操作する。


穂乃果「あれ、繋がらない」

ふと見ると圏外。

ここってどこか田舎の地なのかな・・・。

そして、私は気がつく。

最初は何かの間違いだと思った。

しかし、本能がそれを間違いではないと囁く。









そして、私は気を失った。
75: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 19:02:22.99 ID:wT9KzQuG.net
またあの時の夢。

みんなで見上げたあの空。

空には、輝く流星群。

遠くから聞こえる調べ。

誰かが私を呼ぶ声がする。


そして、私は選択を迫られる。

さらなる深みへと向かうのか、それともこのまま殻に閉じこもるのか?
76: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 19:03:54.61 ID:wT9KzQuG.net
海未「穂乃果は自分自身に向き合うのでしょうか?」

そっと穂乃果の側に落ちている携帯を拾いながら呟く。


海未「ことり、また穂乃果が扉を開きます。ただ一つの扉がそこにはあります」

穂乃果に毛布をかけてあげます。


『扉の先がどこに繋がっているのか、私達の向かうべき道もわからない扉・・・』





海未「それにしても、今回はここまで来る道筋が早かったですね。私も覚悟しなくてはいけません」

腰に隠し持った金属の感触が、私を不快にさせます。


『何でこうも私を苛立たせるのか!』
77: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 19:05:49.23 ID:wT9KzQuG.net
これは、夢?

それとも、記憶の断片?

まどろみの中、無数の言葉の数々。



「今日も・・・・・愕の・・・が発・・・・原因は・・・」

「こんなことが起こるのでしょうか?」

「ありえん、馬鹿げている!」

「でも、現実に起こっていることだ!」

「それも、一箇所だけではなく、何百、何千箇所だ!」




「一瞬でただ空虚な建物だけが残った・・・・」


「おしまいだ!」



そして、目が覚める。
78: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 19:06:35.81 ID:wT9KzQuG.net
海未「目が覚めましたか、穂乃果?」

そこには、優しい目で私を見ている友人がいた。


穂乃果「海未ちゃん、私とっても怖い夢を見ていたんだよ!」

開口一番に言う。


海未「穂乃果、夢の内容は覚えていますか?」



穂乃果「うん、大体ね」

その時、親友の表情に一瞬だが緊張の色を見せたのを、私は見逃さなかった。


海未「よろしければ、私に夢の内容について話して頂けませんか?」

いつになく真剣な眼差し。
79: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 19:09:15.71 ID:wT9KzQuG.net
そして、私は話す。

夢の出来事を。

海未ちゃんは、肯定も否定もせずにただ黙って聞いていた。

一つだけ海未ちゃんに話さなかったことを除いてすべてを語った。


海未「そうですか・・・」

海未ちゃんの言葉は、その一言だった。


私と海未ちゃんは、しばらく一言もしゃべらなかった。


静寂を破ったのは、海未ちゃんだった。

海未「穂乃果、くだらない悪夢など忘れて、もう寝て下さい!」

突き放すように言い放ち、海未ちゃんは部屋から出て行こうとする。




穂乃果「待って、海未ちゃん」

海未ちゃんの足が止まる。

海未「何でしょう?」





穂乃果「どうして、ピクニックの話で嘘を言ったの?」
83: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/05(日) 10:23:21.16 ID:kDu8WvEq.net
海未「そうですか、そこまで思い出しましたか」

親友は振り向き、私に微笑みかける。


穂乃果「そっか、やっぱりね」

海未「どういうことです?」

親友の表情が曇る。


穂乃果「私の中であれは夢かそれとも過去の記憶かあやふやだった」

海未「・・・・・」

穂乃果「でも今の海未ちゃんの言葉でわかったんだ!あれは過去の記憶なんだって」


親友は突然笑い出しました。


海未「なるほど、私は穂乃果に鎌をかけられたというわけですね」

なおも笑う親友。


海未「で、どこまで思い出しましたか?」

穂乃果「みんなでピクニックに行くのは、同じだった。違うのは・・・」

海未「違うのは?」
84: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/05(日) 10:24:53.59 ID:kDu8WvEq.net
穂乃果「違うのはピクニックに行った場所とその結末・・・」

海未「・・・・」

穂乃果「あの時みんなでピクニックに行ったのは郊外じゃなく、隅田川の河川敷だよ」

海未「続けて下さい」

親友の笑いはいつのまに止まり、真剣なまなざし。


穂乃果「だから、海未ちゃんが話した内容とは根本から違う。そして、バス事故も存在しない!」

海未「その後は思い出したのですか?」

親友は淡々と話す。

そこには、嘘をついたことによる悪びれも後悔もない。


穂乃果「その後・・・」

また、あの頭痛がする。


海未「どうなんですか?」

なおも私に詰め寄る。


穂乃果「その後は記憶に霞がかかったように思い出せないよ」

その時の親友の表情は、悲しみに満ちていた。

でも、それだけではない。




悲しみの奥底に隠れているもの。

それは、歓喜。
85: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/05(日) 10:25:36.47 ID:kDu8WvEq.net
海未「なるほど、穂乃果はその後が知りたいのですね?」

穂乃果「うん、今度こそ話してよ、本当のことを!」


海未「いいですよ、今話します」

穂乃果「うん」


海未「・・・・・」

穂乃果「・・・・・」


海未「それは、こういうことです」

親友が隠し持っていたものを抜き放つ。

それは、現実感を喪失するもの。
86: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/05(日) 10:26:26.58 ID:kDu8WvEq.net
穂乃果「なんで、海未ちゃんがそんなものを持っているの?」

親友は無言だった。


穂乃果「答えて、海未ちゃん!」

海未「ピクニックのその後は・・・いえ、惨劇はこうやって始まったのですよ」

親友が冷酷に言い放つ。

私に銃口を突きつけながら・・・。


激しい頭痛が私を襲う。

2つの痛みが私の頭の中を駆け巡る。



親友はただ私を見ていた。

その眼に宿すものは・・・。


『狂気』
93: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/05(日) 19:28:01.97 ID:kDu8WvEq.net
穂乃果は私の告白以来、食が進まないようです。

無理はありませんね。

親友の私が惨劇の犯人だったなんて。

あの日から穂乃果はブツブツと何かを言うようになってしまいました。

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穂乃果「どうして、そんなことを?」

海未「理由ですか・・・」

穂乃果「そうだよ、それを知りたい!」

海未「理由は簡潔です。穂乃果とことりは私だけのものにしたい・・・ただ、それだけです」

あまりにも唐突すぎて、その言葉は空虚に感じられた。

しかし、親友の持つ一丁の銃が、その言葉を肯定する。

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94: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/05(日) 19:28:38.67 ID:kDu8WvEq.net
穂乃果「あれ、いつの間に朝になったんだろう」

穂乃果「・・・・・」

穂乃果「もう、どうでもいいや」



穂乃果「このまま、すべてを忘れたいよ」

自我が崩れ去る感覚に陥いりながらも、それを止めているのは皮肉にもあの頭痛だった。


穂乃果「何なの、もう嫌だよ・・・」









海未「・・・・・」
95: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/05(日) 19:29:59.17 ID:kDu8WvEq.net
遠くで轟音が聞こえる。

どのくらいあれから経ったのだろう?

まどろみを破ったのは、突然の轟音だった。

何かが破壊されるような音。


穂乃果「・・・・海未ちゃん?」

皮肉にも自分をこうしてしまった親友の名が口に出る。


そして、大きく見開かれる瞳の先には、扉が開かれていた。

先程の轟音の衝撃で、電子錠が外れたのだろうか?


穂乃果「・・・・・」

何かを恐れる気持ちが、頭の中を駆け巡る。

でも、今は・・・・。


身体は自然と動いた。

そして、走り出す。
96: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/05(日) 19:31:11.98 ID:kDu8WvEq.net
扉の外は、相変わらず人の気配がしなかった。

轟音は依然続いていた。

足は自然と親友の私室へと向かっていた。

どうしてなのか、わからないまま。

不思議とあの頭痛は治まっていた。


「・・・応答し・・・さ・・・み・・・」

親友の私室には、誰もいなかった。

代わりに、無線らしきものからの通信が、細切れに聞こえた。

その声の主は・・・。
99: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/05(日) 22:57:41.66 ID:kDu8WvEq.net
穂乃果「ことりちゃん・・・?」

「・・・・穂乃果・・・・ちゃん?」

雑音などが入っているが、間違いなくことりちゃんの声。


穂乃果「ことりちゃん、ことりちゃん、ことりちゃん!」

もう無我夢中に叫ぶ。


ことり「穂乃果ちゃんなの?」

穂乃果「そうだよ、穂乃果だよ!」

ことり「海未ちゃんはどうしたの?」

ことりちゃんから海未ちゃんの名前が出る。


穂乃果「どうして、そこで海未ちゃんの名前が出るのかな?」

ことりちゃんの言葉に疑念が生じる。
100: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/05(日) 22:58:10.06 ID:kDu8WvEq.net
ことり「・・・・・いいから、海未ちゃんを出して!」

穂乃果「海未ちゃんは、私達に酷い目に遭わせた張本人だよ!」

ことり「それは・・・・」

ことりちゃんが何か言う前に、数発の銃声が響く。


ことり「穂乃果ちゃん、今の銃声は何?穂乃果ちゃん、穂乃果ちゃん!!!」
104: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/06(月) 22:26:20.56 ID:dDMSx29W.net
なぜだかわからない。

私は無我夢中で走っていた。

また、銃声の音が聞こえる。

足は自然とその音の方へと向かっていた。


角を曲がった先に親友の姿があった。

親友の目の前には、男が3人。

すでに近くには、倒れている男の姿も見える。


親友はすでにその3人の内の一人に照準を定めていた。

穂乃果「海未ちゃん!!」

海未「ほ、穂乃果?」
105: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/06(月) 22:27:02.54 ID:dDMSx29W.net
親友は、驚愕の表情を浮かべながら、振り向く。

その隙に、3人の男は親友にタックルを敢行する!


海未「くっ・・・・!!!」

親友は虚を衝かれたのか、男に押さえ込まれてしまった。

一人は、特徴のある呼吸なのか、あるいは、笑っているのかわからない不気味な音を出している。

もう一人は、携帯を首からかけている以外、特徴はない。

最後の一人は、武器のつもりなのか、割り箸のようなものを持っていた。


穂乃果「海未ちゃん、海未ちゃん、海未ちゃん!!」

私は親友の名を連呼する!

海未「私は大丈夫ですから・・・穂乃果は逃げて下さい!」
106: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/06(月) 22:27:35.55 ID:dDMSx29W.net
穂乃果「何言っているの?全然大丈夫じゃないよ!」

その声に、男の一人が反応し、私にゆっくりと近づく。

携帯を首からかけている男だ。


海未「あなたの持っているものなど、もはや何も価値がないガラクタです。まるで、今のあなたと同じじゃないですか!」

親友は、携帯を持つ男を挑発しているのか、よくわからないことを呟いている。


穂乃果「うっ・・・頭が・・・・」

また、あの頭痛が襲う。


穂乃果「なんで、こんな時に・・・」

海未「穂乃果、駄目です。やめて下さい!」

親友は、狂乱状態になったのか、訳のわからないことを言っている。

そして、私は親友の言葉を聴きながら、気を失った。
107: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/06(月) 22:28:46.29 ID:dDMSx29W.net
私は親友を抱きかかえながら、走った。

そして、ことりの待つ無線室に。


海未「ことり、大変です。穂乃果が、穂乃果が!」

ことり「どうしたの、海未ちゃん!」

海未「穂乃果が力を使って、気を失って・・・」

ことり「海未ちゃん!!!」

ことりのいつになく強い口調。


海未「はっ!」

私は酷く後悔した。

なぜ、穂乃果のことを『無線で伝えてしまった』のか・・・。


ことり「今すぐ穂乃果ちゃんを連れて、逃げて海未ちゃん!!」

事態は急変した。

一刻も早く穂乃果を連れて、この場を去らねば・・・。


ことり「私もすぐ向かうから・・・」
156: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/07(火) 21:45:27.27 ID:Y7KjC82m.net
穂乃果は、やはりあの場で力を使いすぎたようです。

幸いなのは、力を使って気を失っただけなこと。

力を使ったことにより、3人の男は跡形もなく消えてしまいました。

まるで、何もなかったかのように・・・。


海未「迂闊でした。無線で穂乃果が気を失ったことをしゃべってしまうとは」

激しい自責の念。

つい錯乱して、傍受されているとわかっている無線を使ってしまった。


海未「事は急を要します。とにかくこの場所から少しでも遠くに・・・」
157: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/07(火) 21:46:13.21 ID:Y7KjC82m.net
「これはチャンスだ!神が我々に与えて下さった好機!」

「しかし、いかに人がほとんどいなくなったロスト・トウキョウといえど、かつての首都に攻撃をかけるなど・・・」

「少尉!忘れたのか、あの悲劇を!」

「そうだ、思い出せ!奴と同じ力を持ったものに目覚めた者達が、何をしたのか!」

「うむ、少しでも敵対心を持っただけで、無関係な者も含め、すべてを消失させるあの力を!」

「無意識に発動し、普通は発動者も消失するはずだった・・・」

「だが、対象者は未だ消失していない!」

「いかに力を持つ奴とて、気を失っては力を発動出来まい!」


「御託はそれまでだ!」

「たった今、大統領からは、ロスト・トウキョウへの攻撃の許可が下りた!」

「すると・・・」

「トマホークミサイルの44番から48番を開け!順次発射せよ!」

「ついに、核の使用を・・・」

「神よ!どうか我々を許したまえ!」
158: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/07(火) 21:46:41.27 ID:Y7KjC82m.net
真っ白な何もない空間。

いや、違う!

その空間には、様々な意思や思惑、記憶が混同している。


穂乃果「そっか・・・そういうことだったんね、海未ちゃん」

一筋の涙。


穂乃果「すべてを思い出したよ!」

今までの海未ちゃんの行動や言葉が思い出される!


穂乃果「私をずっと庇ってくれてたんだ!」

自分に罪を着せても、私を守ってくれた。

すべては、あの流星群から始まった。
159: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/07(火) 21:47:19.95 ID:Y7KjC82m.net
花陽「外で食べるおにぎりって本当においしいね」

にこ「あんたはどこ行っても、ご飯がおいしいじゃないの?」

絵里「ふふふ」

凛「なんか、長閑だにゃ」

希「本当やな、ここが都会だと思えへんな」

真姫「たまには、こういうのもアリじゃない?」

海未「まったくですね」


ことり「にこちゃんの重箱の中身凄いよぉ」

希「本当だ、昆布巻きなんかいまどきの子作れへんよ」

絵里「さすがはにこね」


海未「穂乃果、さっきから空でも眺めてどうしたのですか?」

穂乃果「流星だ・・・・」
160: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/07(火) 21:48:40.49 ID:Y7KjC82m.net
にこ「はぁ、何言っているの、穂乃果!昼間から流星なんて・・・・」

凛「本当だ、きれいだね」

にこ「えっ?」


そこには昼間に関わらず、鮮やかな流星群が見えた。


花陽「なんかきれいだけど、不気味ですよ」

希「嫌な予感がする」


絵里「あれなんてかなり大きくないかしら?」

絵里ちゃんが指を差す。

たしかにそれはかなり巨大だった。


真姫「あれって、近くに落下するんじゃない?」

巨大な流星の欠片は、私達の前を通り過ぎていく。

後日談になるけど、この流星は空気摩擦により分解し、一部小さいのが大地へと落下した。

それによる影響は表面上は皆無だった。

それよりも・・。
161: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/07(火) 21:49:17.92 ID:Y7KjC82m.net
穂乃果「うっ・・・」

私は急に息苦しくなり、その場でうずくまった。


異変に最初に気がついたのは、ことりちゃんだった。

ことり「穂乃果ちゃん、大丈夫?」

穂乃果「・・・・」

希「穂乃果ちゃん、どうしたん?」

希ちゃんをはじめ、みんなが私を心配してくれる。


穂乃果「・・・・逃げて・・・」


海未「穂乃果、今なんと?」

私はこれから起こす出来事について、ある種の予感がしていた。


無論、私が精一杯口に出した言葉を真に受ける人はいなかった。




そして、私は『力』を開放してしまった。

否、膨れ上がる『力』を押さえ込むことが出来なかった。
162: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/07(火) 21:50:01.88 ID:Y7KjC82m.net
そして・・・。

ことりちゃんと海未ちゃんを除き、みんなは姿を消した。

いや、今ならわかる。

街の多くの人も巻き添えを喰ったのだ・・・・。

そう、街は一瞬にしてゴーストタウンと化した。


私は力を使い果たし、気を失った。

目覚めると、この記憶の為、何度も気が狂いそうになった。

そのたびに海未ちゃんは、私に『嘘』をついてくれた。


私はこの気絶と目覚めを繰り返していた。

私がそれに気がつくことが出来なかったのは、私や海未ちゃんやことりちゃんの成長があの時を境になぜか止まってしまった為だ。

だから、今があの流星群からまだ時間が少ししか経っていないと誤解したのだ。


それに気がつかせてくれたのは、携帯の表示。


『2031/07/04』
174: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 00:36:16.37 ID:lrVjuw8u.net
ここはとある研究施設。


ことり「だから、私は穂乃果ちゃんを助けに行きたいのです」

元自衛官「駄目だ、許可出来ない。レーダーによれば、米国はおそらく核ミサイルを発射している」

ことり「だったら、なおさら・・・」

元自衛官「今から行ってももう間に合わないどころか無駄死にだ!」

ことり「それでも、私は行きたい!」


この元自衛官の男、ここの研究施設を束ねる研究所長に部隊ごと雇われていた。

すでに国家体制が崩壊した中、このような元自衛隊を部隊ごと雇う者もいた。

なお、穂乃果たちがいる隔離施設も、この研究所長の所有物である。
175: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 00:36:58.28 ID:lrVjuw8u.net
研究所長「何をもめているのデスカ」

元自衛官「はっ、これは所長!」

元自衛官は深々と礼をする。


この研究所長は、科学研究以外には興味がない男である。

身寄りのないことり達を庇護したのも、彼であった。

そうでなければ、今頃のたれ死んでいるか、誰かの性的な慰みものになっていただろう。

ことりや海未だけが助かったことに着目し、ことりを研究対象に、海未を穂乃果の世話役に任じたのも彼である。

彼の庇護の下、特別待遇であったことり。
176: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 00:37:37.65 ID:lrVjuw8u.net
ことり「お願いします、所長さん。どうか穂乃果ちゃん達を助けに行かせて!」

ことりの沈痛な訴えを静かに聞く所長。


研究所長「わかりました。ことり君、いいでしょう、助けに行きナサイ!」

あっさりと許可してしまう所長。


ことり「ありがとうございます」

何度も深々と頭を下げることり。


元自衛官「しかし所長、すでに米国が核ミサイルを搭載している長距離ミサイルを発射しました」

研究所長「それデ?」

元自衛官「で、ですので、助けに行ってももう間に合わないかと・・・」

汗を拭きながら、話す元自衛官。
177: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 00:38:19.54 ID:lrVjuw8u.net
研究所長「そんなことはわかっています。まあ問題ないデショウ」

元自衛官「はっ?」

研究所長「私の研究成果によれは、穂乃果君は目覚めるデショウ」

ことり「!?」

元自衛官「たしか、一度力を使うと、少なくとも数日は目覚めないのでは?」

研究所長「君は、私の研究成果に何か文句でもあるのデスカ?」

元自衛官「い、いえ・・・」


研究所長「では、早速出発しまスヨ!」

元自衛官「我々もですか?」

研究所長「当たり前じゃないデスカ!」

元自衛官「しかし、あの力が発動してしまえば、我々まで巻き添えになります」
178: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 00:39:42.63 ID:lrVjuw8u.net
研究所長「君は実に有能ですが、頭が回りませんネ。私が策なしに行くと思うのデスカ?」

元自衛官「い、いえ・・・」

ことり「・・・・」

研究所長「ことり君のおかげで、対抗薬が完成したのデス」

ことり「本当ですか?」

研究所長「はい、これで君の友人と一緒に生活出来マス」

その時のことりの表情は、うれしさの余り満面の笑みだった。







研究所長「・・・・」
179: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 00:40:41.43 ID:lrVjuw8u.net
ここはとある地下シェルター。

数名の男達がモニターを見つめていた。


「大統領、まもなく目標に到達します」

少しずつだか、ターゲットポイントへと近づく5つの光点。

薄暗い中、男達を見つめるのは、壁に彫られた彫刻の数々。

息遣いがまるで聞こえるような重苦しい雰囲気をさらに彩っていた。


「射程に入りました!」

誰かがそう叫んだ。




その時だった。

光点が5つとも消えたのだ。


「何が起こった?」

「わかりません」

「続いてイージス艦の反応も消えました!」

「馬鹿な!どれだけ距離が離れていると思っている!何かの間違いだ!」



「いいえ、間違いありません。付近に待機しているイージス艦及び攻撃空母からの応答もなし!」

「馬鹿な、これでは、まるで・・・・」

彼らは、畏怖の表情を浮かべながら、彫刻を一斉に見つめた。

彫刻は優しく微笑みかけていた。




もっとも数刻経たぬうちに彼らは、行方不明者となる。
180: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 00:41:12.44 ID:lrVjuw8u.net
海未「穂乃果は死なせません。私がなんとしても守ります」

ジープで移動する海未。

親友は、隣でぐったりしている。

その上空を飛ぶ飛行物。

海未は絶望の表情を浮かべる。







次の瞬間、飛行物は爆発ではなく、消失した。
181: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 00:41:47.67 ID:lrVjuw8u.net
穂乃果「心配ないよ、海未ちゃん!」

海未「・・・ほ、穂乃果?意識が戻ったのですか?」

穂乃果「うん、心配かけたね。もう大丈夫だよ!」

海未ちゃんは涙を浮かべていた。

車が止まったのを見計らうように、私は抱きつく。


海未「穂乃果!?」

穂乃果「ごめんね、海未ちゃんにはいっぱい迷惑かけたね!」

海未「ほ、穂乃果、まさか・・・」

穂乃果「うん、記憶はすべて戻ったよ!ありがとう、海未ちゃん、今まで守ってくれて!」

海未ちゃんは無言で首を振る。

その瞳には、涙が溢れていた。


穂乃果「もう挫けないから。だって、すべてを理解したから!」

海未「穂乃果、何を言って・・・」

海未ちゃんの声は、複数のヘリの爆音にかき消された。
182: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 00:42:25.08 ID:lrVjuw8u.net
ヘリから男が数名降りてくる。

そして・・・。


ことり「穂乃果ちゃん!!海未ちゃん!!」

海未「ことり?なぜ、ここに?」

穂乃果「ことりちゃん・・・・久しぶりだね」

穂乃果が少し照れたように言います。


ことり「本当に久しぶりだよ・・・・ずっと会いたかった!」

穂乃果「私もだよ・・・」

二人は涙を浮かべています。


ことり「でも、これからはみんな一緒だよ」

海未「ことり・・・すると・・・」

ことり「対抗薬が見つかったの・・・」

海未「ことり・・・よかった・・」

私は心の底から喜びました。




穂乃果「・・・・・・」
183: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 00:43:01.27 ID:lrVjuw8u.net
研究所長「ゴホン、お取り込み中申し訳ナイガ・・・」

穂乃果「誰、この人?」

海未「穂乃果、失礼ですよ。私達を匿ってくれた人です」

穂乃果「・・・・」

海未「穂乃果?」


研究所長「まあいい。始めましてかな、穂乃果君!」

穂乃果「・・・・・」

研究所長「そう睨まんでもいいのではないカナ」


穂乃果「行こう、海未ちゃん、ことりちゃん!」

海未「先程から穂乃果は何を言っているのですか?」

ことり「!?」


研究所長「どこに行こうと言うノカネ」

穂乃果「・・・・」

研究所長「ふむ、君は私に従うつもりはないノカネ?」

穂乃果「・・・・」
184: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 00:43:35.45 ID:lrVjuw8u.net
研究所長「手荒なことをするつもりはナイガ・・・」

所長は手を上げました。

その瞬間、周りの男が銃を構えました。


ことり「所長さん、何をするのですか?」

穂乃果「無駄だよ、ことりちゃん。この人達は、最初から穂乃果達を利用しようとしている・・・」

ことり「!?」

海未「!?」


研究所長「言っておくが、穂乃果君の力は私達には通用シナイ。なぜならば、この天才である私が用意した対抗薬を投与しているカラネ」

穂乃果「そうみたいだね」

研究所長「物分りがよくて助かル。君達には、一生私の研究材料となってもらうのダカラ・・・・」

海未「そ、そんな・・・」

ことり「えっ・・・」

穂乃果「・・・・」
185: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 00:45:18.93 ID:lrVjuw8u.net
研究所長「そもそも、この対抗薬はことり君の身体を研究した上に出来たモノ。調べていくと奇妙なことがわかったんダヨ」

所長は私達が聞いてもいないことをしゃべり始めました。


研究所長「君達は時間軸が違うようなんダ。だから、不老なのもそれが関係していル。私が作った対抗薬は、擬似的にそれを作り出すんダヨ」

穂乃果「・・・・・」

研究所長「もっとも君達のように不老というわけにはいかなかったガネ」


穂乃果「さあ、行こう!」

また、穂乃果が所長の話を無視して、よくわからないことを言っています。

どこに行くというのでしょうか?


ことり「穂乃果ちゃん?」

海未「穂乃果?」


研究所長「・・・・私を無視するナ!!!」

所長は拳銃を腰から引き抜き、穂乃果に向け、突然発砲しました。


ことり「いやぁ・・・」

海未「穂乃果・・・」






そして、私達は気を失ったのです。
186: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 00:45:50.25 ID:lrVjuw8u.net
気がつくと、見たことがない光の空間に私達3人はいました。


海未「ここは・・・」

ことり「どこ・・・」


穂乃果「ここは入り口・・・」

海未「入り口?どういうことですか?」


穂乃果「ここから先は、二人の同意が必要だよ!」

穂乃果は私の問いかけには直接答えません。


ことり「穂乃果ちゃん、意味がわからないよ・・・」

海未「私達にわかるように説明して下さい!」

穂乃果「そうだね、なんて言うかな、みんなにわかりやく言うとすると、次元の境界線みたいなとこかな」
187: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 00:46:24.73 ID:lrVjuw8u.net
海未「境界線ですか・・・」

穂乃果「うん、それでこの先に行く為には、海未ちゃんとことりちゃんの同意が必要なんだ!」

ことり「この先って・・・」

穂乃果「うーん、たぶん別な世界かな・・・」

海未「たぶんって・・・穂乃果、ひどく曖昧ですね」

穂乃果「穂乃果もよくわからないんだ。でも、みんなもこの道を通った!」

海未「みんなとは、絵里や希達のことですか?」

穂乃果「うん、たぶんね」

海未「また、たぶんですか・・・」

ことり「それって・・・死後の世界?」

ことりが恐る恐る尋ねる。


穂乃果「死か・・・それも一つの形を表すものかな」

海未「今日の穂乃果は、なんだか哲学的ですね」

穂乃果「・・・・」
188: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 00:47:04.53 ID:lrVjuw8u.net
海未「一ついいですか?」

穂乃果「うん、いいよ」

海未「この先に行くとどうなるんですか?」

穂乃果「そうだね、今の記憶は残らず、穂乃果達は転生するという言い方が一番近いのかな?」

ことり「もし転生したとして、そのときはみんなとも一緒だよね」

穂乃果「さあ?」

海未「さあって、不確定情報が多すぎます・・。他に選択肢はないのですか?」

穂乃果「今の世界で、モルモットとして生きるという選択肢もあるよ・・・」


ことり「海未ちゃん、行こう、この先へ!」

ことりが叫びました。


海未「ことり、自分が言っていることがわかっているのですか?記憶をなくして、しかもみんな離れ離れになるかもしれないのですよ!」

ことり「それでも、いいよ。それにそうならないかもしれない。今よりもいいよ、それにね・・・・」

穂乃果「・・・・・」

ことり「それに、またみんなで一緒だよ!」

海未「ことり・・・」
189: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 00:47:39.47 ID:lrVjuw8u.net
穂乃果「さあ、どうする?」

ことり「・・・・」

海未「わかりました。私もこの先へと進むことにします」

ことり「行こう、みんなで!」


私達は手を繋ぎながら、光の強い方へと足を運びました。

私達の旅は、そこで終わりました。

長いようで、短かった旅が・・・・。










『きっとまた会えるよ』
190: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 00:48:24.80 ID:lrVjuw8u.net
にこ「ふぇぇぇ、ごめん」

絵里「にこ、泣かなくてもいいわ。このタケノコご飯はおいしいわ!」

花陽「うん、ご飯はやっぱりおいしい!」

凛「かよちんは、ご飯があればいいものね・・・」

海未「そうですよ、重箱の中身を詰める食材が間に合わなかったなんて些細なことです」

真姫「海未、それってフォローになっていない・・・」

海未「わ、私が言いたかったのは、にこは私達の為に精一杯タケノコご飯を用意してくれたことです」

にこ「海未・・・」

希「にこっちのタケノコご飯はおいしいやん。よく気持ちがこもっているよ」

にこ「希・・・」


ことり「穂乃果ちゃん、何見ているの?」

穂乃果「あれ・・・」


みんなが空を見上げる。

そこには、一筋の飛行機雲が・・・。

穂乃果「春だね・・・・」

海未「そうですね」

ことり「うん」









『ほら、やっぱり会えた』
191: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 00:48:57.20 ID:lrVjuw8u.net
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