海未「幼い頃、生えていたような気がするんです」

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海未-アイキャッチ14
1: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 04:34:54.82 ID:JIzc8aMU.net
海未(夢を見ました)

海未(それは幼い頃──まだ小学校に上がる前の記憶)

海未(その頃の私には、男性器が生えていました)

海未(女性器と男性器、その両方があったのです)

海未(今の今まで忘れていました。いつ無くなったのかは覚えていませんが、確かにその頃男性器が生えていた筈なんです)

海未(朝、気怠い身体を起こしながら、自分の股間を確認しました)

海未(当然、男性器なんてありませんでした)

元スレ: 海未「幼い頃、生えていたような気がするんです」

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2: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 04:39:39.39 ID:JIzc8aMU.net
学校

海未「……」

穂乃果「どうしたの海未ちゃん、ボーッとして。らしくないね」

海未「いえ、何でもないんです」

海未(股間に男性器が生えてる夢を見て、それについて考えていたなんて言えません)

穂乃果「何かあったらいつでも言ってね? 友達なんだから」

海未「はい……」

海未(私に男性器が生えていた記憶がありますか? そう聞いてしまいたい)

海未(所詮は夢。そんなことは分かっているのに、あまりにその思い出がリアルで……怖い)

海未(聞けるわけありませんね、笑い飛ばされるに決まっていますから)
3: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 04:45:26.46 ID:JIzc8aMU.net
海未(私にもし男性器が生えていたならば、何故それは消えてしまったのでしょうか)

海未(仮にあれが事実だとしても、何故今頃思い出してしまったのでしょうか)

海未(過去を思い出すのは、何かが起こる前兆。そう聞いたことがあります)

海未(私に男性器が生えていたことに関連する何かが、起こる?)

海未(……あれは事実なのでしょうか。夢なのでしょうか)

海未(股間に手術跡も何もないからには、夢なのでしょうが……しかし、確かに記憶はあるのです)

先生「じゃあ次の問題を……園田っ!」

海未(おぞましい話です。自分の身体に、男性器が生えていたなんて考えると……)

先生「園田、おい園田?」

海未「あっ、はい! すいません!」
4: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 04:49:17.57 ID:JIzc8aMU.net
先生「何だ? 居眠りでもしてたのか、真面目な園田にしては珍しいな」

海未「申し訳ありません……この問題、ですよね」

海未(黒板の前に立ち、計算式の羅列を一つ一つ紐解いていく)

海未(あの夢にも、明確な式があれば解答を見いだせるのに)

先生「うん、正解だ。戻りなさい」

海未「はい」

海未(集中しなければ……男性器のことは、後回しにしましょう)

ことり「……」
6: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 04:53:33.57 ID:JIzc8aMU.net
海未(授業が終わりました……一人でゆっくりと、考えたいですね)

ことり「海未ちゃん?」

海未「あぁ、何ですかことり。どうかしましたか?」

ことり「授業中も上の空だったけど、何処か調子でも悪いのかなって」

穂乃果「そうそう、普段ならもっと授業に集中してるもん。何か悩み事でもあるの?」

海未「いえ、何でもないんです。本当に、何でも。気にしないでください……」

海未(穂乃果とことりは良い友達です、こんなに心配してくれて)

海未(けれど……だからこそ、こんなこと言える筈がありません)
7: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 04:57:01.54 ID:JIzc8aMU.net


海未「……」

海未母「海未さん、手が止まってますよ」

海未「……」

海未母「海未さん……?」

海未「あ……お母様、申し訳ありません」

海未母「今日は稽古にあまり集中出来ていませんね。何かあったのですか?」

海未「いえ……そんな、何も……」

海未母「もう良い時間ですし、御夕飯にしましょう。何か悩みがあるならば、私とお父様が聞きますからね」
8: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 05:01:38.87 ID:JIzc8aMU.net
海未「……」モグモグ

海未父「……海未、稽古に集中出来ていないらしいな」

海未「……申し訳ありません」

海未父「何があったのかは知らないが、お前は次期家元だ。そんな調子では困る」

海未母「あなた、そんな言い方……」

海未父「何か思うところあるのなら、話してみなさい。何でも、話せば楽になるものだ」

海未「私は……お父様、お母様。私の幼少期の話なのですが」

海未(乾いた喉を、生唾が通る。肺に息が入っていないのかと錯覚するほどに、呼吸が苦しい)

海未「夢を見たのです。幼い私に、男性器が生えている夢を」
9: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 05:06:05.71 ID:JIzc8aMU.net
海未父「男性器が……」

海未母「生えている夢……」

海未(言ってから、後悔しました)

海未(いきなり、男性器の生えた夢を見たなんて言われても、狂人のそれとしか思われません)

海未(お母様もお父様も、私を軽蔑したことでしょう。破廉恥な娘だと、勘当されるかもしれません)

海未(黙り込んでしまった二人の顔色を伺うため、私は顔をあげました)

海未母「……」

海未父「……」

海未(二人の顔は、真っ青でした。何かに怯えているような、安心しきっていた脅威に直面してしまったかのような……)
10: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 05:08:22.41 ID:JIzc8aMU.net
海未母「あ、あなた……これは……」

海未父「お前は黙っていなさい。海未……」

海未「は、はい……」

海未父「今すぐ部屋に戻りなさい、そして一週間ほど外出を禁ずる」

海未「しかし、学校があります」

海未父「学校には風邪を引いたと説明しておく。いいか、部屋を出てはいけないよ」
11: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 05:12:39.21 ID:JIzc8aMU.net
海未の部屋

海未(何て馬鹿なことをしてしまったのでしょう)

海未(あの厳格な父と母が、私の発言にどれほど衝撃を受けたことか)

海未(男性器、などと大っぴらに口にする馬鹿な娘だとそう思われたに違いありません)

海未「……」グゥー

海未「お腹、空きました……」

海未(夕食の途中で追い出されたので、まともに食べられなかったから……)

海未(台所に行けば何かあるかもしれませんが、謹慎の身で部屋から出たことに気付かれたら終わりです)
12: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 05:16:56.87 ID:JIzc8aMU.net
海未「……そうです、穂乃果にメールをして何か買ってきてもらいましょう」

海未「私は部屋から出られませんが、部屋に何か差し入れてもらってはいけないとは言われていませんからね」

海未『すいません、コンビニでお弁当を買ってきてもらえませんか。お金は払いますので
   着いたら窓をノックしてください、お手数かけて申し訳ありません』

海未「送信完了、これで何とかなればいいのですが」

海未(分かっています、こんなことは詭弁だと)

海未(しかし、私だけが一方的に悪者扱いされるのも納得しかねますからね。これくらいの抵抗は大丈夫でしょう)
13: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 05:21:13.08 ID:JIzc8aMU.net
海未(私に、男性器が生えていた……果たしてそれは事実なのか、夢なのか)

海未(問題はそこからですね)

海未(現実的な線では、生えていない。当たり前のことです)

海未(生えていた記憶があると言っても、生えていた形跡も無ければ現状影も形も無いのですから)

海未(しかし、記憶──この記憶というやつが、私を惑わせる)

海未(確かに私には生えていた、疑問にも思わずに生やしていた)

海未(何故そんな記憶があるのか、それすらも私には分からない……)
14: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 05:24:41.25 ID:JIzc8aMU.net
トントン

海未「む、穂乃果ですか? 早いですね」

海未「まだメールをしてから5分も経っていませんのに」

トントン

海未「はいはい、今開けますよ」シャッ

海未「え……?」

海未(カーテンを捲った先には、室内の明かりに反響し窓に映る私の姿と、夜の世界に広がる暗闇)

海未(それ以外に、何も存在してはいなかった。カーテンを捲るその寸前まで、窓は叩かれていた筈なのに)
15: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 05:29:37.64 ID:JIzc8aMU.net
ガラッ

海未「……穂乃果?」

海未(窓を開け、辺りを見回す。隠れているのではないかと、視界の先に目を凝らす)

海未「どこかに隠れているのですか? 悪戯しないでください」

海未(返事はない、シンとした静寂だけが空間を包んでいる)

海未(気のせい、風か何かがぶつかる音がノックのように聞こえただけだと、そう思い込み私は窓を閉めました)

海未「全く、変なこともあるものですね」

海未(気持ち大きめの声でいい、恐怖を打ち払うようにわざと乱暴にカーテンを引く)

トントン

海未(窓をノックする音が、聞こえた)
16: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 05:32:46.13 ID:JIzc8aMU.net
海未「ひっ……!?」

海未(幽霊、狐狸物怪、そんな言葉が頭に浮かんでは、脳内の表層に染み付いていく)

海未「ほ、穂乃果ですよね? 悪戯をしないでください!」

トントン

海未「穂乃果……?」

トントン

海未「返事を、してください」

トントン

トントン

トントン
17: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 05:36:30.44 ID:JIzc8aMU.net
トントン

海未「い、嫌……やめて……ください……」

トントン

海未「う、うあ……うあああ……」

ウミチャーン、アケテヨー

海未「ひっ……って、え? 穂乃果の声?」シャッ

穂乃果「海未ちゃーん」

ガラッ

海未「穂乃果……」

穂乃果「海未ちゃんこんばんは。急にお弁当買ってきてなんて言うから、びっくりしたよ」
18: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 05:39:38.12 ID:JIzc8aMU.net
海未「う、ううう……!」

穂乃果「なんで窓からなのか分からないけど、上がらせてもらうね。よいしょ……なんで、そんなに怒った顔してるの?」

海未「穂乃果が私を怖がらせるからです! 幽霊の真似事なんかして!」

穂乃果「幽霊の、真似事……?」

海未「何度もノックしたり、カーテンを開けた時に隠れたりしたではありませんか!」

穂乃果「……そんなことしてないよ? 私今来たところだし、声はかけたけどノックもしてないし」

海未「え……?」
19: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 05:44:25.74 ID:JIzc8aMU.net
ガチャッ

海未父「海未ッ!」

海未「お、お父様! こ、これは……」

穂乃果「海未ちゃんのお父さん、こんばんは。お邪魔してます」

海未父「穂乃果ちゃんが何故ここに……? い、いや問題はそこではない!」

海未父「怪しい気を感じてきてみれば、海未、お前何を招き入れた!?」

海未「わ、私は穂乃果を家に上げただけです」

海未父「違う、穂乃果ちゃんではない! お前の後ろにいる影だ!」
21: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 05:47:54.71 ID:JIzc8aMU.net
海未「後ろに……? あっ!」

穂乃果「ん? 何もないよ?」

海未(いつの間にか、私の背後には黒い影のようなものが渦巻いていました)

海未(それは人の形のような、悪意を形にしたような……)

海未「ひっ……お、お父様! 助けて!」

海未父「お前に誘われて来てしまったようだな、いや、正確にはお前の中にあるものか」

海未「私の中に……? い、一体何があると言うのですか!」
22: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 05:53:14.16 ID:JIzc8aMU.net
海未父「お前は幼少期、チンコがあったと言っていたな」

海未父「あれは本当はチンコではない! 柄なのだ!」

海未「柄……!?」

海未父「私の先祖は、妖怪退治を生業にしていたと聞く」

海未父「今はその血も薄れ、霊力も弱まっていたのだがお前だけは別だった。異常な程の霊力を有していたのだ」

海未父「霊は霊力の高い者に近付き取り憑こうとする。それを危惧した私達は、お前の力を封じることにしたのだ」

海未父「先祖の残した、妖刀の力によってな……」
24: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 05:58:44.37 ID:JIzc8aMU.net
海未「私の中に……刀があるというのですか!?」

海未父「恐らく、その封印が薄れてきているのだ。だからお前に霊が寄ってきて……危ない!」

海未(長い話に痺れを切らしたのか、あるいは最初からタイミングを伺っていたのか)

海未(霊が私へと飛びかかってきました。父に引っ張られていなければ、今頃霊の手に触れられていたことでしょう)

海未「私は……どうすれば……!?」

海未父「穂乃果ちゃんを連れて逃げろ、私だって退魔の血は引いている」

海未父「ここで食い止めることくらいならば出来る、今母さんが血の濃い親戚筋を呼んでいるからそれまで、逃げるんだ!」
25: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 06:02:02.82 ID:JIzc8aMU.net
海未「しかし、それではお、お父様が!」

海未父「私のことはどうでもいい! 頼む、逃げろ!」

穂乃果「え、え? ど、どういう状況なの?」

海未(私のせいで、皆が危険になっている? 私が思い出したせいで、封印が弱まったせいで、お父様が怪我をする?)

海未(嫌だ……そんなこと、絶対に嫌だ!)

海未(私の身体には、妖刀が入っている。それが事実なら、私がその妖刀を引き抜けば、あの霊を切れるはず!)
26: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 06:05:47.01 ID:JIzc8aMU.net
海未「あああああぁああっ!」

海未父「な、何をしている!?」

海未(出ろ、妖刀……! 封印なんてどうでもいい、私に危険が迫っても構わない!)

海未(だから今は、出てください!)

ズ……

海未(ッ! お腹のところが、熱い……!)

ズズズ

海未(何かが身体の中から抜けていくような、そんな気分ですね……!)

海未(下着とスカートが膨らんで……これが、妖刀?)バッ

穂乃果「う、うわぁぁああ!? 海未ちゃんにおちんちんが生えた!?」
27: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 06:09:58.15 ID:JIzc8aMU.net
海未(これが柄……! 一気に、引き抜く!)ズズ……

シャッ

海未父「海未! やめろ、やめるんだ!」

海未「……これが、妖刀」

海未(身体に力が満ちていく……今まで持っていた力とはまた違う、抑えつけられていた何かが解放されたような)

穂乃果「おちんちんが刀に……あ、あはは。私夢見てるのかな」

海未「たあっ!」

穂乃果「ひいっ!」

海未(穂乃果に近付いていた黒い影を、両断する。手応えはなかったが、それはか細い悲鳴をあげると霧散した)
28: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 06:13:39.65 ID:JIzc8aMU.net
海未父「海未……解いてしまったのか、封印を」

海未「はい……」

海未父「それが何を意味するのか、分かっているのか?」

海未「分かっています、これからは幽霊や妖に付け狙われることになるのでしょう?」

海未父「……辛い道だぞ」

海未「仕方ないですよ。私は、お父様が怪我をするほうが、嫌でしたから」

海未「それよりも、まずは……」

穂乃果「……ごめん、刀怖くて」ジワァァ

海未「お風呂に、入りましょうか……」


33: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/04/04(土) 06:29:03.92 ID:JIzc8aMU.net
拙作お読み頂きありがとうございました
出落ちだから許して
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